特許第5823495号(P5823495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デュール システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許5823495好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法
<>
  • 特許5823495-好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法 図000002
  • 特許5823495-好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法 図000003
  • 特許5823495-好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法 図000004
  • 特許5823495-好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法 図000005
  • 特許5823495-好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法 図000006
  • 特許5823495-好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法 図000007
  • 特許5823495-好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法 図000008
  • 特許5823495-好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5823495
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月25日
(54)【発明の名称】好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする機器および方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20151105BHJP
   B62D 65/06 20060101ALI20151105BHJP
【FI】
   B25J15/08 S
   B62D65/06 C
   B62D65/06 A
【請求項の数】23
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-506538(P2013-506538)
(86)(22)【出願日】2011年4月27日
(65)【公表番号】特表2013-525127(P2013-525127A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2011002116
(87)【国際公開番号】WO2011134654
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2013年6月26日
(31)【優先権主張番号】102010018468.3
(32)【優先日】2010年4月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】バックネル、トーマス エー.
【審査官】 佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−115892(JP,A)
【文献】 特開2002−210689(JP,A)
【文献】 特開昭63−112392(JP,A)
【文献】 特開2003−011078(JP,A)
【文献】 特開昭60−009694(JP,A)
【文献】 実開昭60−186195(JP,U)
【文献】 特開平09−011169(JP,A)
【文献】 特開2002−166383(JP,A)
【文献】 特開平08−294885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
B62D 65/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングされる構成部品(B)をハンドリングする機器であって、
前記構成部品(B)を保持するために、体積に関して変化し得る、および/または、形状に関して変化し得る保持要素(10)を備え、その結果、前記構成部品(B)がハンドリングされ得て、
前記保持要素(10)にロードされる流体圧力および/または流体体積に基づいて、前記保持要素(10)および/または前記構成部品(B)の少なくとも1つの操作状態および/または操作プロセス、具体的には、
前記構成部品(B)が前記保持要素(10)によって保持されているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が引っかかっているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が、正常にハンドリングされているか、または、不完全にハンドリングされているか、および/または、
前記保持要素(10)が前記構成部品(B)を保持する力、圧力および/または応力、
を立証および/またはモニターおよび/または決定する装置(50)を備え、
前記装置(50)を有し、前記装置(50)が、
前記保持要素(10)に印加される少なくとも1つの前記流体圧力を検出するために、第一の検出ユニット(20a)
前記保持要素(10)にロードされる少なくとも1つの前記流体体積を検出するために、第二の検出ユニット(20b)
前記保持要素(10)にロードされる前記少なくとも1つの流体圧力および前記少なくとも1つの流体体積に基づいて、少なくとも1つの流体圧力/流体体積曲線を決定および/または生成するために、決定および/または生成ユニット(25)
を備える、
ことを特徴とする機器。
【請求項2】
コーティングされる構成部品(B)をハンドリングする機器であって、
前記構成部品(B)を保持するために、体積に関して変化し得る、および/または、形状に関して変化し得る保持要素(10)を備え、その結果、前記構成部品(B)がハンドリングされ得て、
前記保持要素(10)にロードされる流体圧力および/または流体体積に基づいて、前記保持要素(10)および/または前記構成部品(B)の少なくとも1つの操作状態および/または操作プロセス、具体的には、
前記構成部品(B)が前記保持要素(10)によって保持されているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が引っかかっているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が、正常にハンドリングされているか、または、不完全にハンドリングされているか、および/または、
前記保持要素(10)が前記構成部品(B)を保持する力、圧力および/または応力、
を立証および/またはモニターおよび/または決定する装置(50)を備え、
前記装置(50)が、少なくとも1つの決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線と、少なくとも1つの参照流体圧力/流体体積曲線とを比較するために、比較および/または立証ユニット(30)をさらに備え、その結果、
前記構成部品(B)が前記保持要素(10)によって保持されているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が引っかかっているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が、正常にハンドリングされているか、または、不完全にハンドリングされているか、
を立証することが可能になる、
ことを特徴とする機器。
【請求項3】
前記構成部品(B)が車両部品である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記車両部品が、自動車の車体または他の車両のフード、フラップまたはドア等である、
ことを特徴とする請求項3に記載の機器。
【請求項5】
a)流体供給および/または流体除去によって、前記保持要素(10)が、形状に関して変化し得る、および/または、体積に関して変化し得る、および/または、
b)圧力増加および/または圧力減少によって、前記保持要素(10)が、形状に関して変化し得る、および/または、体積に関して変化し得る、および/または、
c)流体が、
c1)前記保持要素(10)、および/または、前記保持要素(10)の前記体積(10a)および/または前記形状(10b)を拡大および/または膨張させるために、および/または、
c2)前記保持要素(10)の内部圧力を増加させるために、および/または、
c3)前記構成部品(B)を保持するために、
前記保持要素(10)に供給され得る、および/または、
d)流体が、
d1)前記保持要素(10)、および/または、前記保持要素(10)の前記体積(10a)および/または前記形状(10b)を小型化および/または収縮させるために、および/または、
d2)前記保持要素(10)の前記内部圧力を減少させるために、および/または、
d3)前記構成部品(B)の保持を解放するために、
前記保持要素(10)から除去され得る、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の機器。
【請求項6】
a)開口部(O)の内部および/または下流および/または上流において、形状に関して変化させるために、および/または、体積に関して変化させるために、前記構成部品(B)内の前記開口部(O)の中に、および/または、前記開口部(O)を通ってガイドされるように、および/または、
b)体積が拡大された状態および/または形状が拡大された状態および/または膨張状態において、
b1)前記構成部品(B)に対して押圧するために、および/または、
b2)前記構成部品(B)とのポジティブな嵌合を形成するために、および/または、
b3)前記構成部品(B)との非ポジティブな嵌合を形成するために、および/または、
b4)前記構成部品(B)との摩擦嵌合を形成するために、および/または、
c)形状が小型化された状態および/または体積が小型化された状態および/または本質的な非膨張状態において、
c1)前記構成部品(B)に印加されている圧力を解放するために、および/または、
c2)前記構成部品(B)との前記ポジティブな嵌合を解放するために、および/または、
c3)前記構成部品(B)との前記非ポジティブな嵌合を解放するために、および/または、
c4)前記構成部品(B)との前記摩擦嵌合を解放するために、
前記保持要素(10)が設けられた、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の機器。
【請求項7】
a)少なくとも部分的に、または、完全に、前記構成部品(B)内の開口部(O)の内部輪郭に適合するように、および/または、
b)部分的に、または、完全に、前記開口部(O)を塞ぐおよび/または閉鎖するように、
前記保持要素(10)が設けられた、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の機器。
【請求項8】
前記保持要素(10)が、
a)伸長性がある、または、本質的には伸長性がない、
b)柔軟性がある、
c)弾力性がある(elastisch)、
d)弾力性がある(nachgiebig)、
e)流体密封性がある、
f)風船状である、
g)フィルム状である、
h)膜状である、
i)耐溶剤性がある、
j)耐塗料性がある、
k)中空体である、
l)風船状に、形状に関して可変であり、および/または、体積に関して可変である、
m)可逆的に膨張可能である、
n)形状記憶効果を有している、
のうち少なくとも1つである、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の機器。
【請求項9】
a)前記保持要素(10)の形状および/または位置を保つために支持部(11)を備え、および/または、
b)前記保持要素(10)の形状および/または位置を保つために前記保持要素(10)が形状記憶効果を有し、
その結果、前記保持要素(10)が正確な位置に配置され得る、および/または、そこにおいて前記保持要素(10)が、前記構成部品(B)内の開口部(O)の中に、および/または、前記開口部(O)を通ってガイドされ得る、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の機器。
【請求項10】
前記支持部(11)が、
a)前記保持要素(10)内に配置され、および/または、
b)柔軟性を有して、および/または、弾性的に(elastisch)、および/または、弾性的に(nachgiebig)形成され、および/または、
c)バネである、
ことを特徴とする請求項に記載の機器。
【請求項11】
a)過負荷の場合に、具体的には前記構成部品(B)がハンドリング中に引っかかった場合に破壊される所定の破壊点を備え、および/または、
b)前記保持要素(10)が、前記機器の固定構造(13)に連結するための固定手段(12)を備え、過負荷の場合に、具体的には前記構成部品(B)がハンドリング中に引っかかった場合に前記連結が解放され、および/または、
c)過負荷の場合に、具体的には前記構成部品(B)がハンドリング中に引っかかった場合に前記保持要素(10)が破断される、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の機器。
【請求項12】
a)前記保持要素(10)に流体を供給するための、および/または、前記保持要素(10)から流体を排出するための流体供給/排出管(14)を有し、および/または、
b)前記保持要素(10)が、前記流体供給/排出管(14)に接続される、少なくとも1つの流体供給/排出開口部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の機器。
【請求項13】
ロボットであって、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の機器を備えるロボット。
【請求項14】
前記ロボットが、スカラロボット、または、7までの自由度を有するロボットである、
ことを特徴とする請求項13に記載のロボット。
【請求項15】
コーティングされる構成部品(B)をハンドリングする方法であって、
構成部品(B)を保持するために、保持要素(10)が、体積に関して変化し得て、および/または、形状に関して変化し得て、かつ、前記構成部品(B)がハンドリングされ、
前記保持要素(10)にロードされる流体圧力および/または流体体積に基づいて、前記保持要素(10)および/または前記構成部品(B)の少なくとも1つの操作状態および/または操作プロセス、具体的には、
前記構成部品(B)が前記保持要素(10)によって保持されているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が引っかかっているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が、正常にハンドリングされているか、または、不完全にハンドリングされているか、および/または、
前記保持要素(10)が前記構成部品(B)を保持する力、圧力および/または応力、
を立証および/またはモニターおよび/または決定するステップを含み、
前記ステップが、
前記保持要素(10)に印加される少なくとも1つの前記流体圧力を検出するために、第一の検出ステップ
前記保持要素(10)にロードされる少なくとも1つの前記流体体積を検出するために、第二の検出ステップ
前記保持要素(10)にロードされる前記少なくとも1つの流体圧力および前記少なくとも1つの流体体積に基づいて、少なくとも1つの流体圧力/流体体積曲線を決定および/または生成するために、決定および/または生成ステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
コーティングされる構成部品(B)をハンドリングする方法であって、
構成部品(B)を保持するために、保持要素(10)が、体積に関して変化し得て、および/または、形状に関して変化し得て、かつ、前記構成部品(B)がハンドリングされ、
前記保持要素(10)にロードされる流体圧力および/または流体体積に基づいて、前記保持要素(10)および/または前記構成部品(B)の少なくとも1つの操作状態および/または操作プロセス、具体的には、
前記構成部品(B)が前記保持要素(10)によって保持されているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が引っかかっているか否か、および/または、
前記構成部品(B)が、正常にハンドリングされているか、または、不完全にハンドリングされているか、および/または、
前記保持要素(10)が前記構成部品(B)を保持する力、圧力および/または応力、
を立証および/またはモニターおよび/または決定するステップを含み、
少なくとも1つの決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線と、少なくとも1つの参照流体圧力/流体体積曲線とを比較するために、比較および/または立証するステップをさらに含み、その結果、
a)前記構成部品(B)が前記保持要素(10)によって保持されているか否か、および/または、
b)前記構成部品(B)が引っかかっているか否か、および/または、
c)前記構成部品(B)が、正常にハンドリングされているか、または、不完全にハンドリングされているか、
を立証することが可能になる、
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の機器または請求項13または14に記載のロボットによって実行される、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
a)流体供給および/または流体除去によって、前記保持要素(10)が、形状に関して変化する、および/または、体積に関して変化する、および/または、
b)圧力増加および/または圧力減少によって、前記保持要素(10)が、形状に関して変化する、および/または、体積に関して変化する、および/または、
c)流体が、
c1)前記保持要素(10)、および/または、前記保持要素(10)の前記体積(10a)および/または前記形状(10b)を拡大および/または膨張させるために、および/または、
c2)前記保持要素(10)の内部圧力を増加させるために、および/または、
c3)前記構成部品(B)を保持するために、
前記保持要素(10)に供給される、および/または、
d)流体が、
d1)前記保持要素(10)、および/または、前記保持要素(10)の前記体積(10a)および/または前記形状(10b)を小型化および/または収縮させるために、および/または、
d2)前記保持要素(10)の前記内部圧力を減少させるために、および/または、
d3)前記構成部品(B)の保持を解放するために、
前記保持要素(10)から除去される、
ことを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記保持要素(10)が、
)開口部(O)の内部および/または下流および/または上流において、形状に関して変化させるために、および/または、体積に関して変化させるために、前記構成部品(B)内の前記開口部(O)の中に、および/または、前記開口部(O)を通ってガイドされ、および/または、
b)体積が拡大された状態および/または形状が拡大された状態および/または膨張状態において、
b1)前記構成部品(B)の前記開口部(O)の内部輪郭に対して押圧され、および/または、
b2)前記構成部品(B)とのポジティブな嵌合を形成し、および/または、
b3)前記構成部品(B)との非ポジティブな嵌合を形成し、および/または、
b4)前記構成部品(B)との摩擦嵌合を形成し、および/または、
c)形状が小型化された状態および/または体積が小型化された状態および/または本質的な非膨張状態において、
c1)前記構成部品(B)の前記開口部(O)の前記内部輪郭に印加されている圧力を解放し、および/または、
c2)前記構成部品(B)との前記ポジティブな嵌合を解放し、および/または、
c3)前記構成部品(B)との前記非ポジティブな嵌合を解放し、および/または、
c4)前記構成部品(B)との前記摩擦嵌合を解放する、
ことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
a)前記保持要素(10)が、少なくとも部分的に、または、完全に、前記構成部品(B)の開口部(O)の内部輪郭に適合し、および/または、
b)前記保持要素(10)が、部分的に、または、完全に、前記構成部品(B)の前記開口部(O)を塞ぐおよび/または閉鎖する、
ことを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記保持要素(10)が、
a)伸長される、または、本質的には伸長されない、
b)柔軟に変形される、
c)弾力的に(elastisch)変形される、
d)膨張される、
e)風船状に、形状に関して変化し、および/または、体積に関して変化し、
f)可逆的に膨張される、
のうち少なくとも1つである、
ことを特徴とする請求項15乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
記保持要素(10)にロードされる前記流体圧力および/または前記流体体積に基づいて、前記保持要素(10)および/または前記構成部品(B)の少なくとも1つの操作状態および/または操作プロセス、具体的には、
a)前記構成部品(B)が前記保持要素(10)によって保持されているか否か、および/または、
b)前記構成部品(B)が引っかかっているか否か、および/または、
c)前記構成部品(B)が、正常にハンドリングされているか、または、不完全にハンドリングされているか、および/または、
d)前記保持要素(10)が構成部品(B)を保持する力、圧力および/または応力、
を、検出するステップを含む、請求項15乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
コーティングされる構成部品(B)を保持および/またはハンドリングするための、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の機器に備えられる保持要素(10)使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくはコーティングされる構成部品、たとえば、車両部品、具体的には、自動車の車体または他の車両のフード、ドア、フラップ等、をハンドリングする機器および方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によれば、ほとんどの場合、コーティングされる構成部品、たとえば、自動車の車体のフード、ドア、フラップ等をハンドリングするコーティング装置/塗装装置に用いられる機器は、コーティングされる構成部品と係り合った状態にあるフック、ピンまたはマグネットを備える。具体的には、コーティングされる構成部品を開放、保持および/または閉鎖するために、該機器はしばしばハンドリングロボットによってガイドされて、その結果として、たとえば、自動車の車体の全面に渡るコーティングが可能となる。
【0003】
フックおよびピンと、コーティングされる構成部品との間の確実な係合を保証することができるように、フックおよびピンは、コーティングされる構成部品上で構造体を保持するように調整されなければならない。この場合、コーティングされる構成部品は、概して、フックまたはピンを保持する好適な保持構造をほとんど有しないか全く有していないことがまずは問題であり、たとえ好適な保持構造が利用可能であったとしても、これらはコーティングされる異なる構成部品によって変わる。そのため、コーティングされる多様な異なる構成部品をハンドリングすることができるように、多様な異なるフックまたはピンを必要とするという短所がある。ボディシェルにおける、すなわちボディにおける許容誤差は無視できず、その理由のため、既知の要素を保持することには問題がある。
【0004】
1つまたは複数の保持構造を、コーティングされる構成部品に固定することは既知であり、それによってフックまたはピンが係合され得る。フックまたはピンによってそれらが確実に保持され得るように、これらの着脱可能な保持構造が構成される。しかしながら、作業者によって着脱可能な保持構造が再度実装され、取り外されなければならないという短所があり、それは時間のかかることであり、コストのかかることである。さらに、それらはコーティングされる構成部品の露出された位置に実装され、およびそれゆえにコーティング剤によって汚され得るが(例:オーバースプレー)、このタイプの着脱可能な保持構造は清潔でなければならず、それは時間のかかることであり、コストのかかることである。さらに、保持構造は格納されなければならず、それも同様に短所であると見受けられる。
【0005】
さらに、従来技術に係るフックおよびピンは、ほとんどの場合、本質的には固い部品であり、コーティングされる構成部品との望まない接触の場合に、それは、構成部品、それ自体、または、フックまたはピンをガイドするロボットにダメージを与え得る(例:変形、材料剥離、または、他の望まない変化)。
【0006】
また、たとえば、開放されるフードまたはドアが引っかかることも起こり得る。従来技術に係る固いフックまたはピンが、引っかかったフードまたはドアを開放することを求める場合、フックまたはピンへのダメージ、コーティングされる構成部品(例:外れかかっている部品によって)、または、フックまたはピンをガイドするロボットへの何らかのダメージも同様に起こり得る。
【0007】
安全なハンドリング/コーティングプロセスのために、コーティングまたはハンドリングされる構成部品がそこにあること、具体的には、構成部品がフックまたはピンによって保持されているか否かを明らかにし得ることが重要である。従来技術によれば、コーティングされる構成部品がフックまたはピンによって保持されるか否かを明らかにすることは、ほとんどの場合、本質的に安全でなければならず(例:塗装ブースは、ほとんどの場合、潜在的な爆発雰囲気を伴う領域として定義される)、フックまたはピンをガイドするプログラマブル論理制御装置(PLC)またはロボットの制御部に伝達される電気的信号によって行われ、それは複雑な技術(例:スイッチ、センサ等)を必要とし、システムの複雑さおよびコストを不利に上昇させている。
【0008】
さらに、これによって不完全なコーティングが起こり得るので、既知の保持システムによっては必ずしも実現されるとは限らない重要な必要条件は、接触または被覆され得る塗装される表面はないということである。
【0009】
さらなる一般的な従来技術が、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4273505号明細書
【特許文献2】独国特許第3310192号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2004/0186626号明細書
【特許文献4】米国特許第4783108号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の説明を考慮すると、上述の課題または短所を解決または克服する要求があることは、本開示に基づく当業者にとっては明らかである。本発明は、従来技術のこの要求または他の要求に関連し、それは本開示に基づいて当業者に明らかにされる。
【0012】
上述から生じる目的は、具体的には独立項の特徴によって実現され得る。しかしながら、本発明は、最初に引用された従来技術の課題または短所の全てを修正する態様に限定されるものではない。本発明はまた、以下に記載される例示的態様に対する包括的な保護をも主張する。
【0013】
本発明によれば、具体的には、好ましくはコーティングされる構成部品、たとえば、車両部品、自動車の車体、自動車の車体や他の車両のフード、フラップまたはドア等、またはハンドリングされる他の構成部品をハンドリングする機器が提供される。
【0014】
具体的には、好ましくは、たとえば、自動車の車体のフード、フラップおよび/またはドアが開放され、保持され、および/または閉鎖され得るように、(ハンドリング)ロボット、塗装ロボットまたはマニピュレーターによってガイドされるように機器が設けられる。
【0015】
具体的には、自動車の車体および自動車の車体の付属部品用のコーティング装置/塗装装置内に、機器が有利に適用される。
【0016】
ハンドリング機器は保持要素または把持要素を備え、構成部品を保持するために、それは好ましくは、体積に関して変化し得て、および/または、形状に関して変化し得て、その結果、構成部品がハンドリングされ得る。
【0017】
具体的には構成部品のハンドリングが実行された後に、構成部品の保持を開放するために、保持要素は、さらに、好ましくは、体積に関して変化し得て、および/または、形状に関して変化し得る。
【0018】
保持要素が体積に関して変化し得て、および/または、形状に関して変化し得るので、構成部品に位置する多様な異なる保持セクション(例:異なるオーダーの規模または異なる形状を有する保持セクション)用の保持要素が用いられ得る。好ましい保持セクションは、たとえば、構成部品内の開口部(具体的には、小さな開口部、たとえば、ハンドル開口部、ドアロック、フードロックおよび/またはトランク/ハッチバックロック用の開口部のようなロック開口部、または類似の開口部)の内部輪郭、または、開口部の隣接セクションである。
【0019】
さらに、保持要素は、好ましくは、体積変化性および/または形状変化性の理由で(異なる)保持セクションにスムースかつ柔軟に適応され得て、それは、保持セクションまたは構成部品にダメージを与えるリスクを最小化または克服し得る。
【0020】
さらに、露出されていないセクション、たとえば、自動車の車体のコーティングされていないセクション(たとえば、構成部品の開口部の内部輪郭、または、構成部品の開口部の完全な背後、または、構成部品の中空スペース内)において構成部品を保持することができることが長所であり、その結果、コーティングされる構成部品の表面は、保持要素によって被覆されないし、損傷も受けない。
【0021】
さらに、体積変化性および/または形状変化性によって、好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする操作面で信頼できる機器、または、操作面で信頼できる保持要素が、簡便な方法で有利に設けられ得る。操作面の信頼性は、故障の場合でさえ、不安全な状態が起こらず、および/または、構成部品、保持要素および/または保持要素をガイドするロボットにダメージを与えるリスクが少なくとも最小化される、好ましくは除外されることを保証する。
【0022】
たとえば、体積変化性および/または形状変化性の理由で過負荷の場合においても(例:ハンドリングされる引っかかったドアまたはフード)保持要素と構成部品との間の保持が解放されるように保持要素がそのように曲がるという点、または、保持要素が破断されるように保持要素の引き裂き抵抗が選択されるという点において操作面の信頼性が保証され得て、その結果、少なくとも、構成部品、および、保持要素をガイドするロボットにダメージを与えるリスクが、最小化され得る、または、抑制され得る。
【0023】
保持要素は、形状が大型化された、および/または、体積が大型化された、および/または、膨張された(expandierten)、および/または、膨らまされた、および/または、内圧がかけられた状態、および/または、膨張された(aufgeblasenen)状態(以下において、簡潔さのために「膨張状態」として指定される)を含み得る。さらに、保持要素は、形状が小型化された、および/または、体積が小型化された、および/または、本質的には膨張されていない、および/または、収縮された、および/または、緩まされた、および/または、緩んだ状態(以下において、簡潔さのため、「本質的な非膨張状態」として指定される)を含み得る。本質的な非膨張状態もまた、好ましくは、保持要素は膨張しているが(例:圧力がかけられている、または、流体が流されている(ロードされている))、ある程度、そこでは構成部品の保持が起こっていない状態をも含み得る。
【0024】
具体的には、流体供給および/または流体除去(例:流体取出または流体の排出)によって、保持要素は、形状に関して変化し得る、および/または、体積に関して変化し得る。さらに、好ましくは、圧力増加(たとえば、大気圧より高い圧力まで)によって、および/または、圧力減少(たとえば、原則的には大気圧まで、または、圧力までで、それが保持要素の形状および/または位置を保ち、そこで保持要素が構成部品内の開口部の中に、および/または、開口部を通って正確にガイドされ得る、および/または、そこで保持要素が開口部から安全に再び外にガイドされ得る)によって、保持要素が、形状に関して変化し得る、および/または、体積に関して変化し得る。流体供給または圧力増加によって、好ましくは、保持要素が膨張され、または、大型化され、および/または、構成部品が保持され、流体除去または圧力減少によって、好ましくは、膨張されていない、または、小型化している保持要素に至る、および/または、構成部品の保持が解放される。
【0025】
具体的には、保持要素の内部圧力を相対的に大気圧まで上昇させるため、および/または、保持要素の体積および/または形状を増加させるため(または、保持要素を膨張状態にするため)、保持要素に流体を供給することが可能であり、その結果、構成部品が好ましくは保持され得る。
【0026】
保持要素の内部圧力を、たとえば原則的には大気圧まで減少させるため、および/または、保持要素の体積および/または形状を減少させるため(または、保持要素を本質的な非膨張状態にするため)、保持要素から流体を除去することも可能であり、その結果、構成部品の保持が好ましくは解放され得る。
【0027】
機器は、たとえば、流体供給および/または流体除去(例:流体取出または流体の排出)用の装置を備え得る、または、そのような装置と接続可能であるように構成され得る。
【0028】
保持要素、および/または、保持要素の体積および/または形状の大型化または膨張が、好ましくは、長軸方向の伸び、および/または、周方向の大型化または放射方向における大型化によって起こる一方、保持要素、および/または、保持要素の体積および/または形状の小型化または非膨張は、それに対応して、長軸方向の短縮、および/または、周方向の小型化または放射方向における小型化によって起こる。
【0029】
好ましくは、構成部品内の開口部の中に、および/または、開口部を通ってガイドされるように(本質的な非膨張状態)、具体的には、開口部の内部および/または下流および/または上流において、形状に関して変化する、および/または、体積に関して変化するように(または、膨張状態にするように)、保持要素が設けられ、その結果、構成部品が保持され得る。
【0030】
構成部品内の開口部の本質的には完全な下流で保持要素が膨張状態になることさえ可能であり、その結果、一方では、たとえばコーティングプロセス中に保持要素が汚染防止位置に有利に配置され、他方ではコーティングされる構成部品の表面を被覆しないし、損傷も与えない点が有利な点である。
【0031】
具体的には、構成部品とのポジティブな嵌合、非ポジティブな嵌合および/または摩擦嵌合を形成するために、膨張状態において、構成部品に対して、具体的には構成部品の開口部の内部輪郭に対して押圧するように保持要素が設けられる。さらに、構成部品とのポジティブな嵌合、非ポジティブな嵌合および/または摩擦嵌合を解放するために、本質的な非膨張状態において、構成部品に対して、具体的には構成部品の開口部の内部輪郭に対して印加している圧力を解放するように保持要素が設けられる。
【0032】
好ましくは、少なくとも部分的に、または、完全に、構成部品内の開口部の内部輪郭に適合するように、保持要素が設けられる。たとえば、保持要素は、膨張状態において構成部品内の開口部を好ましくは完全に塞ぐまたは閉鎖する、および/または、開口部の内部輪郭または開口部の隣接セクションと好ましくは完全に接し、その結果、保持要素と構成部品との間の大きな接触面積が有利に実現され得る。これによって、従来技術に係るフックまたはピンの本質的には点状の保持と比較して、より良い応力分布が生まれる。
【0033】
保持要素は、以下のうちの少なくとも1つであり得る。伸長性がある、伸長性がない、柔軟性がある、弾力性がある(elastisch)、弾力性がある(nachgiebig)、流体密封性がある、風船状である、膨張性がある、フィルム状である、膜状である(例:フィルムまたは膜から作られた)、中空体である、風船状に形状に関して可変である、風船状に体積に関して可変である、形状に関しておよび/または体積に関して可逆的に可変である、具体的には膨張可能である、形状記憶効果を有している(例:記憶/形状記憶効果を有する材料から構成される)。
【0034】
好ましくは、保持要素は、プラスチックから、具体的には熱可塑性ポリウレタンから作られる。具体的な好適なプラスチックに関する例は、文献「Desmopan(登録商標)−Typen▼u▲bersicht-Richtwerte, Ausgabe 10.2008」に記載されたバイエル社製の商標名Desmopan(登録商標)で知られる材料であり、本文献の内容の全てが本明細書に追加されるものとする。
【0035】
たとえば、構成部品内の開口部の中に、および/または、開口部を通って保持要素を正確にガイドするために、および/または、保持要素を開口部から安全にガイドして外に出すために、機器は、さらに、保持要素をある形状および/または位置に保つ支持部を備え得る。保持要素をある形状および/または位置に保つために、保持要素はまた、記憶または形状記憶効果をも有し得て、そこにおいて、たとえば、構成部品内の開口部の中に、および/または、開口部を通って正確にそれがガイドされ得る、および/または、そこにおいて、たとえば、安全にガイドされて開口部から外に出され得る。そのため、本質的な非膨張状態にある保持要素が、開口部を通って、および/または、開口部の中に向けて、および、再び外に安全にガイドされ得ることが有利に保証され得る。
【0036】
好ましくは、支持部は保持要素内に配置され、柔軟性があり、弾力性があり(elastisch)、および/または、弾力性がある(nachgiebig)ように構成され、具体的にはバネとして構成される。好ましくは、支持部は、保持要素によって取り囲まれる、または、保持要素またはその体積の中に収容される。
【0037】
保持要素は、単一の流体ロード可能チャンバーおよび/または圧力印加可能チャンバーから構成され得る、または、複数のチャンバーに分割され得る。複数の流体ロード可能チャンバーおよび/または圧力印加可能チャンバーには、流体および/または圧力が、連続して、および/または、並行して、ロード/印加され得る。
【0038】
機器は、所定の破壊点をさらに備え得て、それは、たとえば、構成部品がハンドリング中に引っかかった場合に破壊される。機器の固定構造に連結するための固定手段を保持要素が備えることも可能であり、たとえば、構成部品がハンドリング中に引っかかった場合に好ましくはダメージなしで連結が解放される。さらに、構成部品がハンドリング中に引っかかった場合に保持要素が破断されるように、保持要素の引き裂き抵抗が選択され得る。前述のケースにおいては保持要素がダメージを受けるが、コーティングされる構成部品、または、保持要素をガイドするロボットはダメージを受けない。
【0039】
好ましくは、ハンドリング機器は、流体を供給および/または排出するための流体供給/排出管を備え、流体供給/排出管は、保持要素および/またはその体積に向けて開口している。
【0040】
さらに、保持要素は、好ましくは、少なくとも1つの流体供給/排出開口部を有し、それはたとえば流体供給/排出管に連結され得る。
【0041】
さらに、機器は、ロボットに連結するための接合部分、および/または、流体供給および/または流体除去用の装置に連結する接合部分を備え得る。
【0042】
さらに、好ましくは、機器は、保持要素および/または構成部品の個々の操作状態および/または操作プロセス(たとえば、不正確な保持、構成部品の不存在、具体的には「構成部品が保持されていない」または他の不完全な状態またはプロセス。たとえば、構成部品上の保持要素または引っかかっている構成部品に印加している強すぎる力、圧力または応力だけでなく、たとえば、保持要素と構成部品との間の正確な保持、具体的には「保持された構成部品」または他の正常な状態またはプロセス)を、具体的には、保持要素が印加される/荷重をかけられる少なくとも1つの流体圧力および/または少なくとも1つの流体体積に基づいて、検出および/またはモニタリングおよび/または決定および/または立証するための装置を有する。操作状態または操作プロセスは、たとえば、力、応力または圧力を含み得て、保持要素はそれによって構成部品を保持する、または、構成部品に荷重をかける。たとえば、大きすぎる力、応力または圧力は構成部品にダメージを与え得るので、これは長所である。
【0043】
それゆえに、好ましくは、流体体積および/または流体圧力をコントロール(または制御)するように、または、変化させるように機器が設けられ得て、それによって、保持要素は、たとえば、1つまたは複数の既述の操作状態または操作プロセス(たとえば、ハンドリング中にも)に従って荷重をかけられる。そのため、たとえば、構成部品およびもしかすると保持要素にもダメージを与えることを避けるために、構成部品上の保持要素にロードされる力、応力および/または圧力がモニタリングおよびコントロールされ得て、具体的には制限され得る。
【0044】
たとえば、機器、具体的には、保持要素および/または構成部品の個々の操作状態または操作プロセスを検出および/または決定および/または立証する装置は、1つまたは複数のセンサ(たとえば、力センサ、圧力センサ、体積センサ等)を有する。
【0045】
保持要素および/または構成部品の操作状態または操作プロセスが、機器の制御部によって既に知られている値またはパラメータに基づいて立証され、モニタリングされ、決定され得る、および/または、いかなる問題もなく、さらなるスイッチ、センサ等のような追加の機械的または電気的な構成部品に対する必要もなく、そこから決定され得る、ということは長所である。
【0046】
保持要素に印加される(供給および/または排出)1つの流体圧力または複数の流体圧力を検出および/または決定するために設けられた第一の検出ユニットを、装置は有し得る。
【0047】
保持要素にロードされる(供給および/または排出)1つの流体体積または複数の流体体積を検出および/または決定するために設けられた第二の検出ユニットを、装置は有し得る。
【0048】
流体体積は、それぞれの場合において、たとえば、ある一定の体積をもって1つまたは複数の投入器から出てくるので、保持要素に流される(ロードされる)1つの流体体積または複数の流体体積が本質的には常に同一のサイズであることが可能であり、そのため、好ましくは、体積測定も体積流測定も必要ではなくなる。
【0049】
さらに、少なくとも1つの検出された流体圧力および少なくとも1つの検出された流体体積に基づいて、および/または、保持要素に印加/ロードされる少なくとも1つの流体圧力および/または少なくとも1つの流体体積に基づいて、1つまたは複数の流体圧力/流体体積曲線を決定および/または生成するために、装置は、決定および/または生成ユニットを有し得る。
【0050】
また、少なくとも1つの決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線と、メモリに蓄積された少なくとも1つの参照流体圧力/流体体積曲線とを比較するために、装置は、比較および/または立証ユニットをさらに備え得て、その結果、たとえば、構成部品が保持されているか否か(構成部品が正常に存在しているか否か)、構成部品が引っかかっているか否か、構成部品が正常にハンドリングされているか、または、不完全にハンドリングされているか、を立証することが可能になる。
【0051】
参照流体圧力/流体体積曲線は、たとえば、典型的な不正常な状態またはプロセスを表し得るだけでなく、正常な状態またはプロセスをも表し得て、かつ、たとえば、個々の構成部品または保持セクションに合わせて調整され得る。参照流体圧力/流体体積曲線は、簡素な実験によって決定され得る。
【0052】
決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線が、正しいプロセスまたは状態を表す蓄積された参照流体圧力/流体体積曲線と合致しない場合、不完全な状態またはプロセスがほとんどの場合存在するという結論が導き出され得る。
【0053】
決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線が、参照流体圧力/流体体積曲線と原則的に合致する場合、ある正常なプロセス状態が存在する、または、ある不完全な状態またはプロセスが存在する、という結論が導き出され得る。
【0054】
さらに、本発明は、マニピュレーターまたはロボット(具体的には塗装ロボットおよび/またはハンドリングロボット)、好ましくはSCARAロボット(「スカラ型組立てロボットアーム」)または7までの自由度を有するロボットに関連し、それは既述のようなハンドリング機器を有する。
【0055】
そのような(ハンドリング)ロボットの例は国際公開第2010/025827号および独国特許出願第102009012140号明細書によって既知であり、(ハンドリング)ロボットのデザイン構造に関して、これらの文献の内容が本明細書に含まれるものとする。
【0056】
本発明によれば、具体的には、好ましくはコーティングされる構成部品をハンドリングする、好ましくは既述されたような機器および/またはロボットによって実行される方法がさらに提供され、構成部品を保持するために、保持要素が、形状に関して変化して、および/または、体積に関して変化して、かつ、保持要素がハンドリングされる。
【0057】
さらなる方法ステップが、機器に関する上述の記載から、具体的には機器の機能から直接的に生じる。
【0058】
本発明はさらに、自動車の車体または他の車両部品の、ドア、フラップまたはフード等を保持および/またはハンドリングするための風船状の保持要素の使用にも関連する。
【0059】
本発明の他の有利な発展形は、従属項に開示されるか、添付の図面とともに以下の好ましい例示的態様の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】本発明の一態様に係る、コーティングされる構成部品をハンドリングする機器の長軸方向の模式図である。
図2a】それぞれの場合において、図1に係るある機器を伴う2つのハンドリングロボットを有する塗装ブースの平面図である。
図2b図1に係るある機器を伴う別のハンドリングロボットを有する別の塗装ブースの側面図である。
図3】本発明の一態様に係る、コーティングされる構成部品をハンドリングする方法のフローチャート図である。
図4】本発明の一態様に係る、コーティングされる構成部品および/または機器の操作状態/プロセスを立証および/または決定する装置の簡素化されたブロック図である。
図5a】流体圧力/流体体積曲線の模式図である。
図5b】流体圧力/流体体積曲線の模式図である。
図5c】流体圧力/流体体積曲線の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、本発明の一態様に係る、コーティングされる構成部品Bをハンドリングするための機器1の長手方向の模式図を示す。コーティングされる構成部品B、たとえば、自動車の車体のフード、ドア、フラップ等をハンドリングする機器1が設けられる。具体的には、ハンドリングは、自動車の車体のフード、フラップ、ドア等の開放、保持および/または閉鎖を含む。構成部品Bのハンドリングは、構成部品Bへのコーティング剤の塗布の間および/または塗布の前および/または塗布の後に行われ得る。
【0062】
ハンドリング機器1は保持要素または把持要素10を有し、一方において構成部品Bを保持するために、それは体積に関して変化し得る、および/または、形状に関して変化し得る。その結果として、他方において構成部品Bの保持を解放するために、構成部品Bがハンドリングされ得る。
【0063】
保持要素10は、体積10aと形状10bとを備える。形状が小型化された、および/または、体積が小型化された、および/または、本質的には膨張されていない、および/または、収縮された、および/または、緩まされた、および/または、緩んだ状態(以下において、「本質的な非膨張状態」として指定される)においては、実線によって保持要素10が示される。
【0064】
形状が大型化された、および/または、体積が大型化された、および/または、膨張された、および/または、膨らまされた、および/または、内圧がかけられた状態(以下において、「膨張状態」として指定される)においては、破線によって保持要素10が示される。
【0065】
コーティングされる構成部品Bは、構成部品Bの開口部Oの内部、および/または、近接した位置に保持セクションを備える。非膨張状態においては、開口部Oの内部、上流および下流で膨張状態に達するように、保持要素10が、開口部Oの中に、および/または、開口部Oを通してガイドされ得る。その結果、構成部品Bが保持され、ハンドリングされ得る。
【0066】
ハンドリングの後、保持要素10は再び非膨張状態にあると推測され得る。その結果、保持が解放され得て、かつ、保持要素10が開口部Oから、または、構成部品Bから取り外され得る。
【0067】
図1に見られ得るように、膨張状態においては、保持要素10は、開口部Oの内部輪郭に対して押圧され、かつ、そのプロセスにおいて、少なくともある程度、または、完全に開口部Oの内部輪郭に適合する。その結果、非ポジティブ嵌合および/または摩擦嵌合が形成される。さらに、保持要素10は開口部Oの下流における膨張状態においては非常に大きいので、それは、開口部Oを通しては嵌合せず、あるポジティブな嵌合がさらに形成される。
【0068】
図1においては、開口部Oの内部、ある程度下流、および、ある程度上流において、保持要素10が膨張状態にあることが示される。しかしながら、開口部の完全な下流で膨張状態に達するために、保持要素が開口部の下流に位置することも可能である。本態様においては、保持要素が、開口部またはコーティングされる構成部品の後側で拡大され、その結果、たとえば、ポジティブな嵌合が形成され得る。
【0069】
流体の供給(圧力増加)によって、および/または、流体の除去(圧力減少)によって、保持要素10は、形状に関して変化し得る、および/または、体積に関して変化し得る。この目的のために、そのような装置16に接続され得るように、図1に模式的に示されるように、ハンドリング機器1は、流体を供給する、および/または、除去する装置16、または、接合部分Sを備え得る。
【0070】
装置16は、たとえば、少なくとも1つのバルブと、流体圧力源と、を伴う流体装置を備え、その結果、ある圧力を設定し、モニターすることのみが可能となるだろう。装置16は、たとえば、流体シリンダーまたは投入要素を備え得て、それは所定の流体体積を保持要素10に運び得て、それはコントロールまたは制御され得て、結果として(間接的に)モニターされ得る。さらに、ハンドリング機器1の、具体的には保持要素10のいかなる漏れ、漏出またはダメージをも検出するために、ハンドリング機器1が1つまたは複数の圧力センサを備えることも可能である。
【0071】
流体は好ましくは空気であり得て、それは具体的には、保持要素10および/または体積10aに向けて開口している流体供給/排出管14を介して、供給され、排出され得る。
【0072】
保持要素10(または、体積10aおよび形状10b)を拡大するために、流体が保持要素10に供給され、その結果、構成部品Bの保持が実現され得る。図1に見られ得るように、軸方向に長くすることによって(矢印Rav参照)、および、周方向の拡大(矢印Ru参照)によって、または、放射方向における拡大によって保持要素10が拡大される。
【0073】
保持要素10(または、体積10aおよび形状10b)を縮小するために、流体が保持要素10から除去される。その結果、構成部品Bの保持が解放され得る。図1に見られ得るように、軸方向に短くすることによって(矢印Rah参照)、および、周方向の小型化(矢印Ru参照)によって、または、放射方向における小型化によって保持要素10が小型化される。
【0074】
図1においてさらに見られ得るように、保持要素10は風船状の保持要素、具体的には風船状の中空体であり、それは風船のように、形状に関して変化し得る、および/または、体積に関して変化し得て、かつ、それは以下の特性のうち少なくとも1つを有する。伸長性がある、伸長性がない、柔軟性がある、弾力性がある(elastisch)、弾力性がある(nachgiebig)、流体密封性がある、膨張性がある、フィルム状である、膜状である。
【0075】
ハンドリング機器1はさらに支持部11を有し、それは保持要素10の形状を保ち、そこにおいて、保持要素10は、開口部Oの中に、および/または、開口部Oを通ってガイドされ、かつ、開口部Oから再びガイドされて外に出得る。支持部11は、保持要素10内に配置され、柔軟性を持って、または、弾性をもって構成され、具体的にはバネである。
【0076】
しかしながら、開口部Oの中に、および/または、開口部Oを通ってガイドされ、かつ、開口部Oから再びガイドされて外に出ることができるように、保持要素10が本質的に十分に寸法的に安定している(具体的には、本質的な非膨張状態)ことも可能である。
【0077】
さらに、保持要素10が、記憶/形状記憶効果を伴う材料から構成されることも可能であり、その結果、保持要素10が圧力負荷なしに十分に安定な形状を保ち得る、または、十分に安定な初期状態に常に有利に再び戻し得る。
【0078】
さらに、保持要素10は1つまたは複数のチャンバーを有し得て、そこに流体または圧力が連続しておよび/または並行して供給され得る、または、そこから流体または圧力が連続しておよび/または並行して除去され得る。
【0079】
一方では構成部品Bの滑らかで均一な保持を可能にするために保持要素10および/または支持部11はそれゆえに固くまたは堅く構成されるのではなく、むしろ弾性的に構成される。その結果、構成部品Bにダメージを与えるリスクが有利に減少され得る、または、抑制され得る。他方、弾性的な構成は、保持要素10または支持部と、構成部品Bとの間に意図しない接触または衝突が起こった場合における、構成部品B、保持要素10および保持要素10をガイドするロボット/マニピュレーターHR(好ましくは、SCARAロボットまたは7までの自由度を有するロボット)にダメージを与えるリスクが有利に減少し得る、または、抑制され得ることを意味する。この場合、図1に模式的に示される接合部分Sを介して、ハンドリング機器1はロボットHRに連結される。
【0080】
保持要素10は、ハンドリング機器1上の固定構造13に連結するための固定手段12を備える。固定手段12は、たとえば、雌ネジを有するカラーまたはカフであり得て、固定構造13は雄ネジの継ぎ手を備え得る。参照符号15は所定の破壊点を示す。所定の破壊点15は、たとえば、固定手段12上に配置され、たとえば、ハンドリング中に構成部品Bが引っかかった場合のような過負荷の場合に破壊点15が破壊されるように構成される。
【0081】
固定手段12および/または固定構造13はまた、掛け金、留め金、クランプまたはフックおよび環状の連結部としても設けられ得る。この場合、たとえば、ハンドリング中に構成部品Bが引っかかった場合のような過負荷の場合に連結部が好ましくはダメージなしで解放されるように、固定手段12と固定構造13との間に連結部を形成することが可能であり、その結果、ハンドリング機器1、および、ハンドリング機器1および/または構成部品BをガイドするロボットHRにダメージを与えるリスクが有利に減少され得る、または、抑制され得る。
【0082】
図2aは、図1に係るあるハンドリング機器1をそれぞれ伴う2つのハンドリングロボットHR’を有する塗装ブースの平面図を示す。具体的には、2つの保持要素10が見られ得て、それはそれぞれの場合において1つのハンドリングロボットHR’によってガイドされ、かつ、それぞれの場合において、それは、車両ドアの形状に、ある構成部品B’を保持およびハンドリングする。さらに、2つの塗装ロボットLR’が見られ得て、それは、コーティング剤を塗布するための塗布要素をガイドする。
【0083】
図2bは、図1に係るあるハンドリング機器1を伴う別のハンドリングロボットHR’’を有する別の塗装ブースの部分側面図を示す。具体的には、保持要素10が見られ得て、構成部品(図2bには図示せず)を保持およびハンドリングするために、それはハンドリングロボットHR’’によってガイドされる。さらに、2つの塗装ロボットLR’’が見られ得て、それぞれの場合において、それは、コーティング剤を塗布するための1つの塗布要素をガイドする。
【0084】
また、ハンドリング機器1を塗装ロボットに取り付けることも可能であり、そのときはそれもまたハンドリングロボットの機能を果たす。
【0085】
図3は、本発明の一態様に係る、コーティングされる構成部品をハンドリングする方法のフローチャートを示す。
【0086】
第一のステップS1においては、構成部品B内の開口部Oの中に、および/または、開口部Oを通って、保持要素10がガイドされつつ、保持要素10が本質的な非膨張状態にある。
【0087】
第二のステップS2においては、保持要素10は、形状に関して変化し、および/または、体積に関して変化し、具体的には、構成部品Bを保持するために、流体の供給によって、膨張状態に至る。さらに、構成部品Bが保持要素10によって保持されているか否かについてのチェックが実行され得る。
【0088】
第三のステップS3においては、保持要素10によって保持される構成部品Bがハンドリングされる。構成部品Bが、自動車の車体のフード、フラップまたはドアである場合、ハンドリングは、具体的には、フード、ドアまたはフラップの開放、保持および閉鎖を含む。さらに、たとえば、ダメージを防ぐために、力モニタリングまたは運動量モニタリングが、ハンドリング中、具体的には動作中、に実行され得る。
【0089】
良好なハンドリングの後、構成部品Bの保持を解放するために、流体の除去(例:流体取出または流体の排出)によって、第四のステップS4において、保持要素10は、形状に関して、および/または、体積に関して、再び変化し、具体的には、本質的な非膨張状態になる。
【0090】
保持要素10が本質的な非膨張状態にあり、保持要素10と構成部品Bとの間の保持が解放された場合、保持要素10は、開口部Oから再度ガイドされて外に出て、第五のステップS5において構成部品Bから除去される。
【0091】
ステップS5が実行された後、別の構成部品のハンドリングが実行され得る。
【0092】
図4は、たとえば、構成部品Bの不正確な保持または構成部品Bがないことを立証または決定するために、ハンドリング機器1、具体的には保持要素10、および/または、構成部品Bの個々の操作状態を立証および/または決定するための、本発明の一態様に係るハンドリング機器1用の装置50の簡素化された模式的なブロック図を示す。
【0093】
装置50は、たとえば、コンピュータ、算術演算装置、メモリ、制御部、CPU(プロセッサ)等と接続され得る、または、これらの構成部品のいくつかまたは全てを備え得る。
【0094】
装置50は流体圧力を検出するための第一の検出ユニット20aを有し、流体圧力によって保持要素10は荷重をかけられる。
【0095】
装置50は流体体積を検出するための第二の検出ユニット20bを有し得て、流体体積によって保持要素10は荷重をかけられ得る。
【0096】
ここで、具体的には、以下の2つの原理が考えられる。
【0097】
第一の原理:
充填し、プロセス中に、時間とともに体積を設定するために体積流を決定する。
【0098】
第二の原理:
その体積を保持要素10に供給するために設けられた投入器に所定の(必要とされる、または、一定の)体積が位置する。この場合、体積流の測定は必要ではなく、むしろ圧力検出(例:不良検出のために)のみが必要であり、その理由のため、第二の検出ユニット20bもまた省略され得る。
【0099】
図4に見られ得るように、(第一の検出ユニット20aおよび第二の検出ユニット20bによって)検出された流体圧力および流体体積を利用するために、および/または、保持要素10が荷重をかけられる(印加される/ロードされる)流体圧力および流体体積を利用するために、決定および/または生成ユニット25が設けられる。
【0100】
第一および/または第二の検出ユニット20a、20bによって検出された、および/または、保持要素10が荷重をかけられる流体圧力および流体体積に基づいて、少なくとも1つの流体圧力/流体体積曲線を決定および/または生成するために、決定および/または生成ユニット25が設けられる(図5b、図5cを参照)。
【0101】
決定および/または生成ユニット25は、順々に、決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線を、比較および/または立証ユニット30に伝達する。比較および/または立証ユニット30は、少なくとも1つの決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線と、メモリ35に蓄積された少なくとも1つの参照流体圧力/流体体積曲線とを比較する(図5aを参照)。
【0102】
決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線と、蓄積された参照流体圧力/流体体積曲線との比較によって、個々の操作状態(例:構成部品Bの不完全な保持、または、全く保持さえされていない)が立証または決定され得る。
【0103】
蓄積された参照流体圧力/流体体積曲線は、たとえば、正しい状態またはプロセスを表し得る、または、典型的な不完全な状態またはプロセスを表し得る。
【0104】
決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線が、正しいプロセスまたは状態を表す蓄積された参照流体圧力/流体体積曲線と合致しない場合、不完全な状態またはプロセスがほとんどの場合存在するという結論が導き出され得る。
【0105】
決定および/または生成された流体圧力/流体体積曲線が、蓄積された参照流体圧力/流体体積曲線と原則的に合致する場合、ある正常なプロセスまたは状態が存在する、または、ある不完全な状態またはプロセスが存在する、という結論が導き出され得る。
【0106】
装置50、具体的には、比較および/または立証ユニット30によって決定および/または立証された結果は、さらなる利用およびプロセスのため、たとえば、制御部(例:ハンドリングロボットHR、ハンドリング機器1、塗装ロボット、または、ハンドリングに左右される塗装装置の別の構成部品)に伝達され得る。
【0107】
第一の検出ユニット20a、第二の検出ユニット20b、決定および/または生成ユニット25、および比較および/または立証ユニット30もまた、離隔されたユニットとして説明される。しかしながら、離隔されて説明されたユニットを1つのユニットにまとめる(たとえば、第一および第二の検出ユニット20a、20bをまとめて1つのユニットを形成し、決定および/または生成ユニット25と、比較および/または立証ユニット30をまとめて1つのユニットを形成する、等)ことも可能である。
【0108】
例として、図5aは、保持要素10と構成部品Bとの間の正確な保持を表す、蓄積された参照流体圧力/流体体積曲線を示す。
【0109】
点P1は、保持要素10に流体/圧力がロードされ始める点/印加され始める点を表す。
【0110】
点P1と点P2との間の領域は、保持要素10は膨張するが構成部品Bはまた保持されていない状態またはプロセスを表す。
【0111】
点P2は、保持要素10と構成部品Bとの間の保持の開始を表す。
【0112】
点P2と点P3との間の領域は、保持要素10が膨張し、構成部品Bが保持されている状態またはプロセスを表す。
【0113】
点P3は、もはや保持要素10に供給される流体/圧力はなく、構成部品Bが保持され、およびそれゆえにハンドリングされ得る状態またはプロセスを表す。
【0114】
図5b、図5cは、決定および/または生成ユニット25によって決定および/または生成された例示的な流体圧力/流体体積曲線を示し、それは、流体圧力/流体体積の保持要素10への存在する荷重を表す。例として、図5bは、保持要素10が構成部品Bを正しく保持する流体圧力/流体体積曲線を示し、例として、図5cは、保持要素10が構成部品Bを保持しない、または、構成部品Bが存在しない流体圧力/流体体積曲線を示す。
【0115】
図5aに係る蓄積された参照流体圧力/流体体積曲線は、原則的には図5bに係る流体圧力/流体体積曲線と合致し、曲線の比較の後、保持要素10と構成部品Bとの間の正確な保持があるという結論が導き出され得る。
【0116】
しかしながら、図5aに係る蓄積された参照流体圧力/流体体積曲線は図5cに係る流体圧力/流体体積曲線とは一致せず(具体的には、保持されている構成部品Bがないので、点P2において折れ曲がりが起こらない)、曲線の比較の後、保持要素10と構成部品Bとの間の保持がない、または、構成部品Bが存在しない、という結論が導き出され得る。
【0117】
本発明は上述の好ましい例示的態様に限定されるものではなく、むしろ複数の変形および修正が可能であり、それもまた本発明の概念を利用するものであり、およびそれゆえに保護の範疇に入る。具体的には、本発明は、参照された独立項の目的とは独立した従属項の目的に対する保護をも主張する。
【符号の説明】
【0118】
1 コーティングされる構成部品をハンドリングする機器(ハンドリング機器)
10 保持要素
10a 保持要素の体積
10b 保持要素の形状
11 支持部
12 固定手段
13 固定構造
14 流体供給/排出管
15 所定の破壊点
16 流体供給および/または流体除去のための装置
20a 第一の検出ユニット
20b 第二の検出ユニット
25 決定および/または生成ユニット
30 比較および/または立証ユニット
35 メモリ
B 構成部品
O 開口部/保持構造
HR ハンドリングロボット
LR 塗装ロボット
S 機器およびロボット用、および/または、流体供給および/または流体除去のための機器および装置用の接合部分
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図5c