特許第5823881号(P5823881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5823881
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月25日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20151105BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20151105BHJP
【FI】
   F24F1/00 401C
   F24F1/00 361H
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-7255(P2012-7255)
(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公開番号】特開2013-148237(P2013-148237A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077780
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 泰甫
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】浅地 野衣
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−188825(JP,A)
【文献】 特開2007−120789(JP,A)
【文献】 特開平10−132318(JP,A)
【文献】 特開2011−202896(JP,A)
【文献】 特開2004−084978(JP,A)
【文献】 特開平06−201148(JP,A)
【文献】 特開2000−121091(JP,A)
【文献】 特開2010−071555(JP,A)
【文献】 特開2003−185170(JP,A)
【文献】 特開平11−101464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/00−13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネルおよび前カバーを備えたキャビネット内に室内熱交換器が内装され、前記キャビネットに前面吸込口および天面吸込口が設けられ、前面吸込口が前カバーの下端とその後方の前面パネルとの間に形成され、前面パネルの後方に室内熱交換器から落下した結露を補集するドレンパンが設けられ、前面吸込口および天面吸込口から吸い込まれた室内空気が室内熱交換器を通って調和されて前面パネルの前下部に形成された吹出口から放出されるように構成された空気調和機であって、前記吹出口の上壁が、その前部において、前方へ行くほど上方になるように傾斜する送風案内壁が形成され、前記送風案内壁の前方寄りに前側が凹んだ段差が形成され、
前記ドレンパンの底壁が前記送風案内壁の一部とされ、前記ドレンパンの底壁の前方延長端とこれに接合する前面パネルの吹出口開口端との間で、前面パネルの吹出口開口端をドレンパン側の前方延長端に隠れるようにオーバーラップさせて前記段差が形成され、
この段差により吹出口から放出された調和空気が前面吸込口に向かうのを低減して前記送風案内壁の延長方向へ流れるようにしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記吹出口に導風パネルが開閉可能に設けられ、前記導風パネルの閉姿勢で前記段差が導風パネルに隠れるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記ドレンパンの前壁と前面パネルとの間に断熱空間部が形成され、前記断熱空間部に前面パネルの裏面側に当接する押えリブが設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
ドレンパン側の前方延長端の下部が断熱材で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネットの前面吸込口および天面吸込口から取り入れた空気を調和して吹出口から室内に放出する空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気調和機において、吹出口から放出した空気が前面吸込口に吸い込まれるのを低減するため、特許文献1には、吹出口の上壁面から前方に導風部を突出させるか、あるいは溝部を形成し、吹出口から放出された空気がキャビネットの前面に沿って流れるコアンダ効果を断ち切る工夫がなされている。
【0003】
同様に、特許文献2には、下部吸込口と下部吹出口との間に、ショートサーキット防止部が設けられ、該ショートサーキット防止部は、下部吸込口と下部吹出口との間で前方に突出する前縁と、下部吹出口の内壁の上面から下方に突出する突起部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-69127号公報
【特許文献2】特開2007-183011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では上部に前面吸込口が存在するため、下部の吹出口から放出される空気がキャビネットの前面に沿って流れても導風部や溝部で空気の流れのショートサーキットを防止することができる。
【0006】
特許文献2では、キャビネットの下部に吸込口が存在するため、その下方の下部吹出口から放出される空気がキャビネットに沿って流れるのを防止するには、突起部を下方に突出させ、また、前縁を前方に突出させているため、外観上の見栄えが良いとは言えず、また、送風効率も良いとは言えない。
【0007】
本発明は、下部に前面吸込口が存在する空気調和機において、吹出口から放出された空気が前面吸込口側に流れるショートサーキットを低減させることができ、送風効率にも優れた空気調和機、並びに外観上の見栄えも良好な空気調和機の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る空気調和機は、前面パネルおよび前カバーを備えたキャビネット内に室内熱交換器が内装され、前記キャビネットに前面吸込口および天面吸込口が設けられ、前面吸込口が前カバーの下端とその後方の前面パネルとの間に形成され、前面パネルの後方に室内熱交換器から落下した結露を補集するドレンパンが設けられ、前面吸込口および天面吸込口から吸い込まれた室内空気が室内熱交換器を通って調和されて前面パネルの前下部に形成された吹出口から放出されるように構成された空気調和機であって、前記吹出口の上壁が、その前部において、前方へ行くほど上方になるように傾斜する送風案内壁が形成され、前記送風案内壁の前方寄りに前側が凹んだ段差が形成され、前記ドレンパンの底壁が前記送風案内壁の一部とされ、前記ドレンパンの底壁の前方延長端とこれに接合する前面パネルの吹出口開口端との間で、前面パネルの吹出口開口端をドレンパン側の前方延長端に隠れるようにオーバーラップさせて前記段差が形成され、この段差により吹出口から放出された調和空気が前面吸込口に向かうのを低減して前記送風案内壁の延長方向へ流れるようにしたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によると、吹出口からの空気は前方に放出され、その一部が吹出口の上壁の送風案内壁に沿って上方に向かうが、送風案内壁の前方寄りに前側が凹んだ段差が形成されているので、送風案内壁から前面パネルに沿って前面吸込口側に流れようとする空気の流れを断ち、ショートサーキットを低減することができる。
【0010】
このとき、段差は吹出口の上壁の送風案内壁の途中に形成されているので、特許文献1、2のようにキャビネットの前面側に形成される突起部や溝部とは異なり、外観上の見栄えも良好となる。
【0011】
特に、吹出口に導風パネルを開閉可能に設け、導風パネルの閉姿勢で前記段差が導風パネルに隠れるように配置する構成を採用することもできる。この構成によると、導風パネルによって段差が隠れて見えなくなるので、外観上の見栄えもさらに良好となる。
【0012】
このような段差は、以下のように形成することもできる。すなわち、前面パネルの後方に室内熱交換器から落下した結露を補集するドレンパンを設け、該ドレンパンの底壁が吹出口の上壁に相当する送風案内壁とされ、該ドレンパンの底壁の前方延長端とこれに接合する前面パネルの吹出口側の開口端との間に前記段差が形成される。
【0013】
上記構成によると、通常、前面パネルと別部材として形成されるドレンパンと、前面パネルの吹出口を構成する開口端との両部材の接合により段差を形成しているので、二部材による簡単な構成により、吹出口から前面吸込口に流れる調和空気のショートサーキットを低減させることができる。
【0014】
また、段差は両部材のどちらか一方をオーバーラップさせることにより形成してもよい。この場合、前面パネルの吹出口開口端をドレンパン側の前方延長端に隠れるようにオーバーラップさせて段差を形成したものを例示することができる。
【0015】
上記構成において、前面パネルの吹出口開口端をドレンパン側の前方延長端よりも凹んだ状態で両者をオーバーラップするので、ドレンパンの底壁から前方に延長される前方延長端の送風案内壁から落ち込んだ段差によって空気の流れを断ち切ることができる。したがって、特許文献2のように突起部等により送風が遮断されることもなく、送風効率が低下するのを防止することができる。
【0016】
ただ、前面パネルは前面吸込口側に吸込まれる空気と接触し、ドレンパンの底壁は吹出口から送出される空気と接触するため、前面パネルとドレンパンとが接触していると、前面パネルとドレンパンとの温度差により結露が生じやすくなる。
【0017】
そこで、ドレンパンの前壁と前面パネルとの間に断熱空間部を形成し、さらに、この断熱空間部に前面パネルの裏面側に当接する押えリブを設ける構成を採用することもできる。上記断熱空間部により前面パネルが結露するのを防止することができ、さらに、断熱空間部に設けられた押えリブにより前面パネルとドレンパンの前壁との間隙を維持することができる。
【0018】
また、ドレンパン側の前方延長端の下部が断熱材で形成されるようにしてもよい。このようにすることで、前方延長端に結露が生じにくくなる。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり、本発明によると、吹出口の上壁の送風案内壁に沿って上方に向かう空気の流れが送風案内壁の前方寄りに形成された段差により遮断され、前面パネルの下方に形成された前面吸込口への空気流れのショートサーキットを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態における空気調和機の室内機における導風パネルの閉姿勢を示す外観斜視図である。
図2図1の側面断面図である。
図3】同じく室内機における導風パネルの前方吹出し開姿勢を示す外観斜視図である。
図4図3の側面断面図である。
図5】同じく室内機における導風パネルの下方吹出し開姿勢を示す外観斜視図である。
図6図5の側面断面図である。
図7図3の導風パネルの上開き姿勢を示す要部拡大断面図である。
図8】前部ドレンパンを示す外観斜視図である。
図9】別の実施形態である導風パネルの上開き姿勢における要部拡大断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態ではセパレート型空気調和機の室内機を例に説明する。この種の空気調和機は、室内機の内部に収容される室内熱交換器と、図示しない室外機に収容される圧縮機、四方弁、室外熱交換器、絞り装置(共に図示せず)とが冷媒管によって接続されて冷凍サイクルが構成され、冷房、暖房、除湿などの各種運転モードを実行できるようになっている。
【0022】
室内機は、図1および図2に示すように、キャビネット1の上面に室内空気を吸込む天面吸込口2が形成され、また、キャビネット1の前面中央部分に室内空気を吸込む前面吸込口3が形成され、さらに、キャビネット1の前面下方の開口に吹出口4が形成されている。なお、キャビネット1を正面から見て幅方向を左右方向とし、キャビネット1の奥行き方向を前後方向とし、キャビネットの高さ方向を上下方向とする。
【0023】
キャビネット1は、図2に示すように、前面が開放した箱型の背面板8と、背面が開口した箱状の前面パネル9とが互いに組み合わされて外装を構成している。
【0024】
キャビネット1の内部には、図2に示すように、天面吸込口2および前面吸込口3から吹出口4に至る空気通路5が形成され、この空気通路5に室内熱交換器6とファン7とが配置されている。
【0025】
室内熱交換器6は、前面側熱交換器6a,6bと背面側熱交換器6cの3個の熱交換器が逆V字状に配置されている。前面側熱交換器6a,6bは、上側の熱交換器6aと下側の熱交換器6bとを備え、上側の熱交換器6aの上端が後方に傾斜するように配置され、その下端に連続して下側の熱交換器6bがほぼ垂直に配置されている。上側の熱交換器6bは背面側熱交換器6cと同じ高さに配置され、両熱交換器が側面視で逆V字形に配置されている。
【0026】
なお、熱交換器の個数は図2に示す3個の熱交換器に限定されるものではなく、前面側と背面側にそれぞれ1個を配列した態様や、背面側にさらに補助熱交換器を追加して合計4個の熱交換器を配列した態様が例示できる。
【0027】
ファン7は、クロスフローファンであり、空気通路5の下流側で室内熱交換器6に囲まれた空間内に配置される。
【0028】
空気通路5のうちファン7よりも下流側には、前後両側に送風案内壁が形成され、ファン7からの送風を吹出口4からキャビネット1の前面下部の開口に導くようにしている。
【0029】
キャビネット1を構成する背面板8は、前面が開放した箱状のもので、その背面側に室内の壁面に取り付けるための平坦面が形成されている。背面板8の前側にはファン7からの送風を前方に案内するよう凹状曲面に形成された後側の送風案内壁10を有している。また、背面板8の天面は、天面吸込口2の一部を形成する格子状の吸込グリル11を有している。
【0030】
前面パネル9は、背面が開放した箱状のものであって、その天面のほぼ全域が開口され、その開口部に格子状の吸込グリル13が形成されている。格子状の吸込グリル13は背面板8側の吸込グリル11と並設され、両吸込グリル11、13により天面吸込口2が構成されている。
【0031】
前面パネル9の前面には、前面側熱交換器6a,6bに対向して前面開口9aが形成されている。この前面開口9aを覆うように前カバー14が、その上端の軸周りに開閉回動可能に前面パネル9に支持される。
【0032】
前カバー14は、平板状のものであって、左右方向の幅がキャビネット1の横幅とほぼ等しく、また、高さはキャビネットの前面開口9aを覆う高さに設定されている。
【0033】
前面パネル9は、その前側下部において、前カバー14よりも下側が側面視で円弧状に後退して底壁部16に至る。この円弧面に形成された開口には、吹出口4を構成するルーバユニット17が嵌め込まれている。
【0034】
ルーバユニット17は、風向変更装置の一部を構成するもので、図2及び図8に示すように、中央部に吹出口4を形成する周縁部材18と、吹出口4の前方に横軸周りに開閉回動可能に設けられた導風パネル19と、導風パネル19の後側で吹出口4に揺動自在に配置された複数の縦ルーバ20とを備えている。
【0035】
さらに、本例では導風パネル19の内側には横ルーバ21が一体的に配設されている。そして、導風パネル19は、図1,2に示す閉姿勢と、図3図6に示す開姿勢との間で開閉回動可能とされている。図3および図4は導風パネル19の前方吹出し開姿勢を示し、導風パネル19の上端を閉姿勢から回動軸周りに前方に回動することにより、吹出口4から放出される調和空気を前方斜め上方に導くことができる。
【0036】
図5及び図6は導風パネル19の下方吹出し開姿勢を示し、導風パネル19の上端を図3,4の前方吹出し開姿勢からさらに下方に回動することで、導風パネル19の前面を利用して吹出口4から放出された調和空気を斜め下方に導くことができる。
【0037】
ルーバユニット17の周縁部材18は前後の送風案内壁の一部を構成するもので、上側の周縁部材は断面上開放コ字形に形成されて室内熱交換器6から落下した結露を補集するドレンパン22を構成している。周縁部材18のうち、下側の周縁部材は背面板8側の後ろ案内壁10の前端に連続して後側の送風案内壁を構成している。
【0038】
また、ドレンパン22の内部には断熱材23が貼着され、この断熱材の上側に、前面側熱交換器6a,6bのうち下側熱交換器6bの下端部が配置されている。ドレンパン22は、その後壁面及び底壁面により空気通路5の前側の送風案内壁が構成される。このドレンパン22の後壁面と背面板8側の後案内壁10との間に隙間を空けて、ファン7が配置されている。
【0039】
また、前面パネル9の天面吸込口2の裏面及び前面パネルの前側開口の裏面側と室内熱交換器6との間にフィルタ15が着脱可能に配設される。フィルタ15は、前カバー14を開放することにより、前面パネル9の前面から取り外すことができる。
【0040】
前面パネル9の前面開口9aの下側口壁35は、図2に示すように、垂直壁とされ、垂直壁の下端には、後方に突出してフィルタ15を載置可能な受け部39が設けられている。また、前面開口9aの下側口壁35の下端には、キャビネット1の内方側に突出するように凹状の曲面部40が形成される。この凹状曲面部40は、吹出口4から吹出した風が上方の前面吸込口3からキャビネット1内に戻るのを防止するように形成され、凹状曲面部40の下端にはショートサーキットを低減するために前側が凹んだ段差41が形成されている。
【0041】
前面吸込口3は、前面側熱交換器6a,6bの下部に対向して正面視で開口が見えるように形成されると共に、前面吸込口3の上側口壁とそれよりも後退した下側口壁35との間に形成された前後方向の段差のある開口から室内空気を前面側熱交換器6a,6bに導くようになっている。
【0042】
前カバー14は前面開口9aよりも前側に配置され、前カバー14の下端は、前面開口9aの下側口壁35よりも前方に配置され、これにより、前後方向の段差のある開口が形成される。
【0043】
また、前カバー14の下端と前面開口9aの下側口壁35の上端との間には上下方向で隙間Aが形成され、この隙間Aを通して正面視で前方より内部の前面側熱交換器6a,6bの一部が見えるようにされる。そして、隙間Aを通して前方より吸込んだ空気を水平方向で直進させ、前面側熱交換器6a,6bに当てるようにしている。
【0044】
さらに、前面開口9aの下側口壁35に連続して、その下側には凹状曲面部40が形成されているが、この凹状曲面部40の下方が前面パネル9の吹出口用の開口とされ、この開口に前記ルーバユニット17が嵌め込まれている。そして、前面パネル9の凹状曲面部40の後方にはドレンパン22が配置されている。
【0045】
ドレンパン22の底壁22aは、図7に示すように、その前端に前方延長壁42が突出され、底壁22aおよび前方延長壁42により吹出口4の上壁を構成し、この上壁は、底壁22aでは斜め下方に向かうが、底壁22aの前部で上方側にR状に折曲され、全体として、前方延長壁42側では吹出口が前方へ行くほど上方になるように傾斜する送風案内壁とされている。
【0046】
吹出口4の上側にある送風案内壁の前方寄りには、底壁22aの前方延長端42aとこれに接合する前面パネル9(凹状曲面部40)の吹出口開口端43とにより段差41が形成されている。段差41は、ドレンパン22の前方延長端42aよりも、前側にある前面パネル9の吹出口開口端43が凹んだ状態とされ、この段差41により吹出口4から放出された調和空気が前面吸込口3に向かうのを低減して送風案内壁の延長方向へ流れるようにしている。
【0047】
言い換えれば、段差41は、前方延長壁42から上側に凹むように階段状に形成されている。この段差41の角部は、放出された調和空気が前方延長壁42から前面パネル9の壁面に沿って流れようとするコアンダ効果を断ち切る形状となっている。例えば、角部の形状は鋭角や直角であることが好ましい。これにより、コアンダ効果が断ち切られやすくなる。本例では角度は直角である。なお、角部は厳密に直角や鋭角であることを意味するのではなく、金型を作成するときに必然的についてしまう丸みはあってもよい。
【0048】
また、前面パネル9の吹出口開口端43は、ドレンパン22側の前方延長壁42の前方延長端42aに隠れるように配置されて前記段差41が形成される。前方延長壁42の端部42aには後方に突出する係合爪45が形成され、前面パネル9の吹出口開口端43を係合するようにしている。また、図7に示すように、ドレンパン22の前方延長壁42の先端に帯状の断熱材48が貼り付けられ、段差41の一部を形成している。この断熱材48により、前方延長壁42の先端に結露が生じにくくなる。
【0049】
さらに、前面パネル9の凹状曲面部40の裏面側にはドレンパン22の前壁22bとの間に断熱空間部46が形成され、この断熱空間部46に前面パネル9の裏面側に当接する押えリブ47が設けられている。押えリブ47は、図8に示すように、左右方向に間隔をおいて複数個に配列される。
【0050】
なお、本例では、ドレンパン22の底壁22aの前方延長壁42の端部42aと前面パネル9の吹出口開口端43との二部材により段差41を形成しているが、この段差41はドレンパン22の底壁22a部分に単体で形成してもよい。
【0051】
また、段差41は導風パネル19の閉姿勢で導風パネル19に隠れるように配置され、良好な外観を形成している。
【0052】
上記構成において、ファン7の駆動により、室内空気はキャビネット1の天面吸込口2および前カバー14の下端に形成された前面吸込口3よりフィルタ15を介して室内熱交換器6に導かれ、室内熱交換器6を流れる冷媒との間で熱交換され、キャビネット1内の空気通路5を通して、熱交換された調和空気が吹出口4から室内に放出される。
【0053】
このとき、ドレンパン22の底壁22aおよびその前方延長壁42を伝って調和空気が前方に放出される。放出された調和空気はコアンダ効果により前面パネル9の壁面に沿って、その上方にある前面吸込口3側に流れようとするが、前方延長壁42の前方延長端42aには前面パネル9との間で段差41が形成されているので、この段差41によりコアンダ効果が断ち切られ、前面吸込口3に流れようとする調和空気の流れを遮断する。そのため、吹出口4から前面吸込口3側に調和空気が流れるショートサーキットを極力低減することができる。



【0054】
また、ドレンパン22と前面パネル9とにより段差41が形成されることにより、ドレンパン22と前面パネル9との位置関係を微調整することで段差の高さを微調整することもできる。そのようにすることで段差の修正のために、金型修正する可能性を低減することができる。
【0055】
また、図7に示すように、ドレンパン22の前方延長壁42の先端に断熱材48を貼り付け、段差41の一部を形成するようにしても良い。これにより、前方延長壁42の先端に結露が生じにくくなる。
【0056】
また、段差41はドレンパン22側の前方延長端42aが前面パネル9の吹出口開口端43にオーバーラップして形成するので、突起等を下方に突出する場合に比べて調和空気の放出が制限されることもなく、送風効率の低下を防止することができる。
【0057】
また、図2に示すように、導風パネル19の閉姿勢で、段差41が導風パネル19に隠れるので、外観的にも優れている。
【0058】
さらに、ドレンパン22の前壁22bと前面パネル9との間に断熱空間部46を形成しているので、表面側で室内空気に接触し、背面側で調和空気の送風案内壁となるドレンパン22の温度影響を受けて前面パネル9が結露するのを防止することができる。
【0059】
さらに、この断熱空間部46には前面パネル9の裏面側に当接する押えリブ47を設けているので、前面パネル9とドレンパン22の前壁22bとの間隙を物理的に維持することができる。
【0060】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、図7はドレンパン22の前方延長壁42に断熱材48を貼り付け、段差41の一部を形成するようにしているが、これに限らず、図9に示すように断熱材を貼り付けないで、ドレンパン22の前方延長壁42を肉厚にすることで段差41を形成するようにしてもよい。また、前面パネル9とドレンパン22とで段差を形成するのではなく、ドレンパンの前方延長壁42を凹ませることで段差を形成してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 キャビネット
2 天面吸込口
3 前面吸込口
4 吹出口
5 空気通路
6 室内熱交換器
6a、6b 前面側熱交換器
6c 背面側熱交換器
7 ファン
8 背面板
9 前面パネル
9a 前面開口
10 後側の送風案内壁
11 吸込みグリル
13 吸込みグリル
14 前カバー
15 フィルタ
17 ルーバユニット
18 周縁部材
19 導風パネル
20 縦ルーバ
21 横ルーバ
22 ドレンパン
22a 底壁
22b 前壁
35 下側口壁
40 凹状曲面部
41 段差
42 前方延長壁
42a 前方延長端
43 吹出口開口端
45 係合爪
46 断熱空間部
47 押えリブ
48 断熱材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9