【実施例】
【0045】
本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
本実施例ではパン工場から送られてくる商品のパンを配送先の店別に番重に入れて、番重を段積みしてコラムとしてトラックで配送する配送センターでのコラム出荷の自動均し設備である。
【0046】
実施例では、工場で生産されたパンが配送センターに随時入荷されてくる。それを約1時間の時間バッチ単位に同配送センター内で店毎に番重に注文のパンを注文の数に応じて投入して、仕分け作業を行い、仕分けされた番重を出荷場に自動搬送し、番重を自動で段積みしたコラムを形成していく。
【0047】
出荷待機場には12列のストレージコンベアが並設されている。各ストレージコンベアは出荷トラックに対応している。即ち同時に12台の出荷トラックに対応した番重をストレージする。使用する番重は2種類あり平面は同じで高さのみが異なる。
食パン用の5寸番重と食パン以外の2寸番重の2種である。
トラック1車で、2寸換算で約450番重積み込みが可能である。
【0048】
番重を積み重ねてコラムを形成するが、1コラム2寸換算で20段積みとする。
即ちトラック1車2寸換算で20段*22コラム=440番重を基本とする。
【0049】
図1は実施例の設備の平面レイアウトを示す説明図であり、
図2は実施例の挿入型段積み装置を示す斜視図であり、
図3は実施例の仮想コラムの生成のフロー図であり、
図4は実施例の仕分けから循環によるコラム形成までの処理フロー図である。
図中、Gは実施例の出荷待機設備、GBAは出荷待機場、SIは仕分け設備、SIBAは仕分け場、Bは番重、Cはコラム、KCは仮想の予定コラムを示す。
【0050】
SC1〜SC12はローラコンベアを用いたストレージコンベア、BCは番重搬送コンベア、DSは挿入型段積み装置、MCOは出側メインコンベア、MCIは入側メインコンベア、CCOは出側コラム搬送コンベア、CCIは入側コラム搬送コンベア、TD1〜TD12は各ストレージコンベアの出側に設けた移載装置、BD1〜BD12は入側メインコンベアMCIから各ストレージコンベアSC1〜SC12へコラムを戻す分岐装置、TC1〜TC12は各ストレージコンベアのコラムをトラックに移載するための送出しコンベア、TR1〜TR12は各送り出しコンベアC1〜C12の前でコラムを積載してコラムを店へ配送するトラックで1号車〜12号車まである。CONTROLはコンピュータCOMを使用した制御部である。
【0051】
100〜111の符号は、
図2に示す挿入型段積み装置の構成部分を示す符号である。尚、
図2中の番重B内に投入された商品は図中省略されている。100はNo1リフタ、101は同No1リフタの昇降柱、102は同昇降柱を昇降する昇降キャレッジ、103は同昇降キャレッジに取付けられた一対の開閉動できる開閉アーム、104は同開閉アームに取付けた把持パット、105はNo2リフタ、106はNo2リフタの昇降柱、107は同昇降柱を昇降する昇降キャレッジ、108は同昇降キャレッジに取付けた番重Bを水平に把持できる伸縮スライドフォークである。
【0052】
又、200〜210の符号は、
図1中の仕分け設備SIの構成を示す符号である。200は仕分けのための商品の投入の為の投入作業コンベア、201は空番重送りコンベア、202は商品投入ステーション、203は投入作業員、204は種々の品種のバラ商品の格納棚である。同格納棚の各間口にはその間口から取り出して番重に投入すべき商品の個数の表示とその投入完了の信号を送るボタンを備えた表示器(図示せず)が設けられている。205は商品投入完了した番重を送り出す番重送りコンベア、206は商品の投入が完了していない仕掛中の番重及び完了した番重を自動倉庫1・自動倉庫2へ送る番重格納コンベア、207は番重を一時格納する自動倉庫1、208は同じ自動倉庫2、209は番重格納コンベアから番重を出入れする出入コンベア、210は番重格納コンベア上の番重を投入作業コンベア200へ戻す戻しコンベアである。
【0053】
(レイアウト)
本実施例の全体レイアウトを
図1に示す。
図上部に出荷トラック1号車のトラックTR1から12号車のトラックTR12がトラックバースに着床している。
出荷待機場GBAには、各トラックTR1〜TR12に対応して12列のストレージコンベアSC1〜SC12が並んでいる。
左側から右に向かってストレージコンベア1列〜ストレージコンベア12列とする。
ストレージコンベアSC1〜SC12はトラックTR1〜TR12に近い方が前方で出口である。ストレージコンベアSC1〜SC12の前方には、並設されているストレージコンベアSC1〜SC12の右側(12列)から左側(1列)に向かって1本の出側メインコンベアMCOが配置されている。またストレージコンベアSC1〜SC12の後方には左(1列)から右(12列)に向かって1本の入側メインコンベアMCIが配置されている。
入側メインコンベアMCI上を左から右に流れてきたコラムCは該当のストレージコンベアSC1〜SC12に分岐し、ストレージコンベアSC1〜SC12上にコラムが一時保管される。
【0054】
本実施例で更に詳細に説明すると、1台のトラックTR1のトラック号車番号が1でそれに対応したストレージコンベアSC1に、店毎の番重Bを段積したコラムCを該ストレージコンベアSC1上に並べておく。トラック番号1号車TR1が配送する店43店E1〜E43迄の店の配送順の逆順にトラックTR1に積み込む。即ち最初に配送する店がトラックの最後にトラックに積み込まれるようにストレージコンベアSC1上に配送逆順にコラムCを並べておく。また1コラム内には1店の場合もあれば複数店の場合もあり、複数の場合はコラムCの下から配送逆順になるように段積しておく。上から順に降ろしていけば配送順になる。
図面の左側にはNo1リフタ100とNo2リフタ105で構成される挿入型段積装置DSが配置してある。
図面下部は自動倉庫207,208と仕分け場SIBAを配置してある。
【0055】
(店毎の予定総番重数の計算)
受注データを基に予定総番重数を計算する。
実施例では、12台のトラックTR1〜TR12の内1台のトラック分の仕分け及び均しについて具体的な説明をする。
事例としてトラック1台分についてのみ計算結果を説明する。
受注データのサンプルを店E1,E2,E3の3店分を下記表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
外部から入力された記憶部の受注データを基にまとめると、トラック号車番号の1号車のトラックTR1で配送する対象の店が43店であり、5寸番重対象のアイテム数(商品の品種数)が34、注文数が289及び2寸対象のアイテム数が234、注文数が3,365である。
【0058】
1号車のトラックTR1で配送する総番重数を店毎に5寸番重と2寸番重に分けて計算する。
記憶部の商品マスターに予め、アイテム毎にそのアイテム毎に番重に何個入るかの「入数」が登録してある。店毎に注文のアイテム毎に注文数を入数で除して番重数を計算する。
例として1店だけE1を例としてまとめたものを下記表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
番重毎に最後に最大積載率keで除して必要番数を求める。
最大積載率keを5寸番重も、2寸番重も0.8とした。
店E1の例では5寸が2枚、2寸が9枚計11枚の番重数が予定番重数となる。
以下の店E2〜E34に対しても同様の計算をする。全店34店分の番重数を番寸毎に予定番重数を計算する。店毎に5寸番重と2寸番重に分けて番重数及び番重総数を計算したものを下記表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
(予定コラムの生成)
前述(店毎の予定総番重数の計算)の受注データを元に計算した予定番重数を基に予定コラムを生成する。
【0063】
(コラム数及びコラム番号)
予定番重数を重ねて段積した時の番寸毎の高さを店毎及び番寸毎に計算して求める。
上記で計算したE1の例では5寸番重が2枚で段積み高さは10寸となる。
2寸番重が9枚で18寸となる。E1の合計段積高さは28寸となる。
【0064】
以下同様にE2〜E34迄の店毎に番寸毎と合計段積高さを求めて、配送逆順に下から仮想的に重ねていき背の高い1本のコラムを生成する。1本の背の高いコラムの状態を表4〜表9に示す。同じ店では5寸番重を初め(下に)に段積し其の後、上に2寸番重を段積する。
【0065】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0066】
生成された仮想の背の高いコラムをトラックに積載する高さ単位に下から分割してコラム番号を付していく。この例では1コラムの高さが40寸を超えないように分割した。
分割して出来上がった6本のコラムの詳細を表10に示す。
【0067】
【表10】
【0068】
表10について詳細に説明すると、1番目のコラムの1番上のデータは「配送順」が「74」で「番重通番」が「1」で「コラム番号」が「1」、「下から何番目」が「1」、「店名」が「E1」は「寸」が「5寸」、「寸累計」が「5」である。
一番上のデータが1番下に段積みされている。配送順が74なので最後に配送されることを意味する。データ上の上から2枚(積んだ状態では下から2枚)が5寸番重でその後下から11番目迄2寸が番重が店E1の番重である。そのあとからE2の番重で下から12番目が5寸で、下から15番目までが2寸番重である。1コラムの高さは「寸累計」に示すように39寸である。これからわかるように、コラム番号1はE1,E2の2店分が段積されている。
【0069】
次にコラム番号2は店E3のみである。下から5番目までが5寸で、残り7枚が2寸である。番重数は12枚でコラムの高さは39寸である。次にコラム番号3及び4は全く同じ構成で、店E3のみで、番重数は20枚で、コラムの高さは40寸である。
【0070】
コラム番号5は同じく店E3のみで、番重数は19枚で、コラムの高さは38寸である。
次の番重が5寸であるため、これ以上段積出来ないので、38寸で打ち切られた。
【0071】
次のコラム番号6は店E4、店E5、店E6の3店が段積みされている。下から14番目までが店E4でその内下から1番目のみが5寸でその後下から4番目迄が2寸である。
その後下から5番目から15番目迄が店E5である。店E5は全て2寸である。続いて下から16番目即ち一番上が店E6の5寸番重が段積される。
コラム番号6は番重数は16枚で、コラムの高さは38寸である。
これも続く番重が5寸なので38寸で打ち切られている。
以上コラム生成について詳細に説明した。
【0072】
全ての店34店を同様のやりかたでコラムを生成していったら全部で22コラムが生成された。全部の店34店分のコラム番号と店のコラム状態を表11に示す。
【0073】
【表11】
【0074】
(実際の仕分け時の実績番重数)
(店毎の予定総番重数の計算)で計算した予定番重数の計算は、店毎に注文した全商品が揃っていた場合の計算であり、これに対して実績番重数は、随時納品されてくる商品を人が納品検品し、アイテムと数量をコンピュータに登録する。
【0075】
適量(仕分け時間で1時間〜2時間分)溜まった時点で、1バッチ目を開始する。
1バッチ目を開始する時点で、実績番重を計算する。
店E1〜E34に対して店毎に1バッチ目に納品されてきた商品を対象に店毎に受注データを基に納品された商品を注文数だけ番重Bに割り当てていく。
【0076】
予定番重数は全ての商品が全部揃っているとして計算したものであるが、実績番重数はそのバッチで仕分けをする商品を対象に商品を詰め合わせるので、商品の組み合わせは(店毎の予定総番重数の計算)で計算した時とは異なる。計算の方法は予定番重数を求めた時と全く同じである。
予定番重数を計算するときに用いたパラメータとして最大積載率keが0.8〜0.85であったのに対してバッチ時詰め合わせパラメータηは0.85〜0.9として、実際の番重数が予定より番重数が多くならないように調整している。本実施例では実際には予定番重数を計算するときに用いたパラメータとして最大積載率keを0.8とし、バッチ時詰め合わせパラメータηは0.85とした。
【0077】
番重の中身の組み合わせが変わっても店単位の番重数が(店毎の予定総番重数の計算)で計算した番重数との差が出来るだけ小さくなるように最大積載率ke及びバッチ時詰め合わせパラメータηを適宜決める。実際には番重数ではなくコラムの高さが問題である。番重が全て2寸ばかりなら番重数の誤差がそのままコラム高さの誤差であるが、5寸と2寸が混在するので番重数の誤差とコラム高さの誤差は異なってくる。誤差率プラスマイナス10%を目標にした場合、即ち各コラムの実績番重数が予定番重に対して90%〜110%とすれば、2寸番重のみの場合、番重数でプラスマイナス2枚の違いまでを目標にすると18段〜22段迄が目標となる。
【0078】
高さに換算すると、36寸〜44寸の高さになる。高さのオーバーを抑えたいので、17段〜21段、あるいは16段〜20段が目標とすれば良い。その時のコラムの高さは34寸〜42寸、あるいは32寸〜40寸になる。
全て2寸番重で20段の場合は1枚の違いは5%にしか影響しないが、全て5寸番重8段の場合1枚の違いが12.5%の違いになる。
【0079】
最大積載率keは5寸と2寸各々適宜決めることが出来るが本実施例では5寸番重は僅か(約15%)で、2寸番重(約85%)が圧倒的に多いので、5寸番重の影響が小さいので本実施例では5寸も2寸も同じく0.8とした。
【0080】
実際は5寸と2寸が混在して各コラムの高さを目標値に近くなるように、最大積載率ke及びバッチ時詰め合わせパラメータηを適宜決める必要がある。
【0081】
次に実際に1バッチ目および2バッチ目について実際に計算された実績番重について説明する。
1バッチ目で処理された商品は全て2寸番重対応の商品ばかりで、その商品を注文した店は1号車で配送する店全店で34店に対して21店であった。そのお店に対して、品種毎に注文数を入数で除して、バッチ時詰め合わせパラメータηで除して整数化した番重数を1バッチ目番重数として表12に示す。
【0082】
【表12】
【0083】
2バッチ目で処理された商品も全て2寸番重対応の商品ばかりで、その商品を注文した店は1号車で配送する店全店で34店に対して16店であった。その店に対して、品種毎に注文数を入数で除して、バッチ時詰め合わせパラメータηで除して整数化した番重数を2バッチ目番重数として表13に示す。
あくまでも問題にするのは予定コラム高さに対する実績コラムの高さの比率である。
【0084】
【表13】
【0085】
(仕分けの処理順序)
随時納品されてくる商品が適量(約1バッチ分の量)溜まった時点でバッチを開始する。
次に本実施例での順序について具体的に説明する。本実施例では12台のトラックTR1〜TR12のトラック号車番号1号車のトラックTR1から順に12号車のトラックTR12まで処理する。先ず1号車のトラックTR1で配送する店の配送順の逆(配送逆順)に処理する。即ち1号車のトラックTR1で配送する店は受注データから店E1〜E34の34店の順序で処理する。しかし注文した商品が全て一度に納品されるわけではない。
納品された商品を注文していない店は当然仕分けはスキップされる。
【0086】
(仕分け処理)
仕分け場には随時納品された商品は格納棚204の表示ランプ及び数量表示付きの4列3段で12間口の棚に格納する。1番重に単品が入っていて数量は一部の端数番重を除くと、そのアイテムの入り数だけ入っている。また各棚間口は、奥行きに複数個の番重を格納出来る。
同一品種を複数番重格納することも出来るし、異なる品種の番重を複数個格納することも出来る。
同一品種は出来るだけ纏めて、同じ棚間口に入れることが望ましい、複数間口にまたがると仕分けの効率が落ちる。また同一アイテムで1番重が端数の場合があるが、端数番重は最後の番重にした方が良い。
【0087】
作業者が任意の棚間口を選んで棚間口に格納した商品を制御部CONTROLのコンピュータの記憶部に仕分けデータの登録をする。その方法は、今商品を格納した間口に貼ってある棚番号ラベルをバーコードリーダで読み込み、商品についている商品コードをバーコードリーダで読みこみ、数量をテンキーで入力しこれらの情報をコンピュータに登録する。数量は今棚にした商品の1番重の数量を番重数分入れても良いし、今格納した棚間口の同一1品種分の総数を纏めて入力しても良い。要は、棚間口と商品コードとその商品の総数があっていれば良い。
【0088】
当バッチで仕分けを行う全アイテムを登録し終わったら、仕分け順序に従って店毎に注文のアイテム毎に注文数を入数で除して更にパラメータの詰め合わせ効率ηで除して番重数を計算し、当バッチで仕分ける全アイテムに対して、計算した総番重数を求める。
【0089】
ここで、予定番重数を計算するときに用いたパラメータとして最大積載率keが0.8〜0.85であったのに対して今度のパラメータの詰め合わせ効率ηは0.85〜0.9として、実際の番重数が予定より番重数が多くならないように調整している。
1番重で全部入る場合は問題ないが、2番重以上になる場合は、1番重に入る最適の組み合わせの商品を選んで組み合わせる。
【0090】
本実施例では、格納棚204の前に1本の投入作業コンベア200が配置されていて、その投入作業コンベア200に沿って前述の表示ランプ及び数量表示付きの4列3段で12間口の棚が2ブロック配置されている。各ブロックの格納棚204と投入作業コンベア200間に人が1人ずつ計2人の投入作業員203配置されている。
【0091】
投入作業コンベア200の上流から通常は空の番重を上流から流し、前記の(仕分けの処理順序)の仕分けの処理順序に従って仕分けをして行く。注文した商品を仕分け場SIBAの2つのブロックで投入される。投入指示はコンピュータの出力で各棚の表示ランプと点灯と表示させる。その表示を見て投入作業員203がピッキングして流れてきた番重に投入する。投入作業員203はピッキングする度にピッキングしたランプを消していき、全てのランプが消えたらその番重への投入は完了し、その番重は番重送りコンベア205で下流へ搬送される。その番重の積載率が規定の最低積載率koより低い場合は仕掛け番重として、コンピュータ制御で、自動的に一時自動倉庫207,208へ格納される。
最低積載率ko以上の番重は番重搬入コンベアBCで出荷待機場GBAの挿入型段積装置DSのNo2リフタ105側に搬送される。
【0092】
(実績コラムの生成)
仕分け場で仕分けされた番重は前記(仕分けの処理順序)の仕分けの処理順序通りに1枚ずつ番重が挿入型段積装置DSのNo2リフタ105迄コンベア上を搬送されてきて、挿入型段積装置のNo2リフタ105前のコンベアにストレージされる。1バッチ目はストレージコンベアSC1〜SC12にはまだコラムは一つも出来ていないので、仕分け場SIBAから1枚ずつ流れてきた番重の店に対応したコラムを生成していく。制御部CONTROLのコンピュータは仕分け場SIBAから順番に流れてくる店に対応したコラム番号を表14から算出し、段積みして出来たコラムにコラム番号(コラムID)を与える。
【0093】
【表14】
【0094】
具体的には本実施例での先頭の番重は店E1の番重で、コラム番号1に段積みされる。次に流れて来る番重はE3でコラム番号2なので、コラム番号1は店E1の番重1枚だけのコラムとして挿入型段積み装置DSから払い出され、コンピュータ制御で、ストレージコンベアSC1へとコンベア上を搬送される。次の店E3の番重は、表14から、コラム番号が2〜4迄複数に跨っていて、E3の2寸番重は7枚迄コラム番号2に割り当てられるので、当バッチで流れてきたE3の番重は2枚ともコラム番号2に割り当て段積みされる。
【0095】
以下同様に、当バッチで仕分けられた番重が仕分け場から順番通りに流れてくる。
コンピュータは表14を基に、その店の番重を所定の枚数段積みし、所定のコラム番号を割り出しそのコラムに付し、ストレージコンベアSC1へと搬送される。ストレージコンベアSC1上には先頭からコラム番号の小さい順番にコラムが並んでいるが、当然欠番のコラムもある。コラムには、複数店の混在のものもあれば、1店だけのコラムもある。コラムの高さは高いもの、低いものまちまちである。
【0096】
次に2バッチ目のコラム生成について説明する。2バッチ目はストレージコンべアSC1上に1バッチで出来たコラムがコラム番号の若い順(コラム出荷順)に並んでいる(歯抜けとなる空のコラムもある)。本実施例では、まずストレージコンベアSC1上のコラムが先頭のコラムから出側メインコンベアMCOに切り出され、そのままの順序で、挿入型段積み装置DSのNo1リフタ100側に送り込まれる。
【0097】
挿入型段積み装置DSではストレージコンベアSC1〜SC12から流れてきたコラムと仕分け場SIBAから1枚ずつ流れてくる番重とをマージして、挿入型段積装置DSで段積していく。ここで使用する挿入型段積装置はコラムの任意の位置に番重を1枚ずつ挿入可能な段積装置である。
【0098】
ストレージコンベアSC1〜SC12から流れて来るコラムもそのコラムに段積みされている番重の下からの順番の店と、仕分け場SIBAから流れてくる番重の店順は同期して同じ順序である。
【0099】
勿論、お互いマージする相手が存在しない場合もある。例えば、仕分け場SIBAから流れてきた番重を段積みすべき予定のコラム番号が存在しない場合は仕分け場SIBAから流れてきた番重のみで新規コラムを生成し、実際のコラムのコラム番号とする。積むべき実際のコラムが存在する場合は、そのコラムに挿入する。コラム内は下から上に向かって配送順番の降順に並んでいるので、今から挿入しようとしている番重の同じお店の番重が既にそのコラムに存在する場合はその同じ店の番重の一番上に積む。存在しない場合は、配送順番の降順になる位置に積む。次にストレージコンベアから流れてきた現在先頭コラムに対して仕分け場SIBAから流れてきた現在先頭番重が挿入すべき番重でなかった場合、そのコラムは番重を段積みせず通過させれば良い。これらの全ての場合に対して演算を行うように、コンピュータにプログラムされていて、コンピュータは挿入型段積み装置DSを制御して番重を既存の所定のコラムの所定の位置に挿入したり、新規コラムを生成したり、既存のコラムに何も積まず通過させる。
【0100】
3バッチ目以降は2バッチ目同様に既存コラムに新規番重を挿入していく。
バッチを重ねるに従い、コラムの数も増えてくるし、各コラムの高さも次第に高くなっていく。また大口店では1店で複数のコラムができる場合もある。
【0101】
全バッチが終了した時の実績コラム高さの状況をグラフで表したのが表15である。
【0102】
【表15】
【0103】
また、バッチ毎のコラム番号1の成長過程を表16に示す。
同様にバッチ毎のコラム番号1〜4迄の成長過程を表17に示す。
予定コラム高さに対する実績コラム高さの比率の全22コラム分を表18に示す。
【0104】
【表16】
【0105】
【表17】
【0106】
【表18】
【0107】
以上の様に、本実施例ではコンピュータに店別の商品の受注データ、番重寸法と入数情報、商品の寸法、トラックに積載できるコラム高さ、各トラックの店配送順、各種パラメータ(最大積載率ke、詰め合わせ効率η、最低積載率ko)等の情報を入力することで、各装置・コンベアを制御して、自動的にトラック毎に複数店の番重を配送逆順に段積したコラムを積載高さ以内に均された高さで複数コラムを作成できる。
しかも、番重・コラムの作業者による移動の労力はほとんどなく、省力・究極の省スペースの効率的な自動均し作業を可能としている。
【0108】
殆どのコラムが予定のコラム高さに対して実績のコラム高さは100%で最低が85%である。平均で予定のコラム高さに対して実績のコラム高さが多少低く98%となっている。