特許第5824217号(P5824217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5824217
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月25日
(54)【発明の名称】交通信号用灯器
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/095 20060101AFI20151105BHJP
   E01F 9/00 20060101ALI20151105BHJP
   F21S 2/00 20060101ALI20151105BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20151105BHJP
【FI】
   G08G1/095 C
   E01F9/00
   F21S2/00 663
   F21Y101:02
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-23262(P2011-23262)
(22)【出願日】2011年2月4日
(65)【公開番号】特開2012-108861(P2012-108861A)
(43)【公開日】2012年6月7日
【審査請求日】2014年1月16日
(31)【優先権主張番号】特願2010-240566(P2010-240566)
(32)【優先日】2010年10月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001292
【氏名又は名称】株式会社京三製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】山越 基玄
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 伸哉
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−034892(JP,A)
【文献】 特開平06−020193(JP,A)
【文献】 特開2001−081738(JP,A)
【文献】 特開平05−062505(JP,A)
【文献】 特開2001−023403(JP,A)
【文献】 米国特許第07211771(US,B1)
【文献】 特開2006−328826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/095
E01F 9/00
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
庇状フードの無い交通信号用灯器であって、
発光部の前方を覆い、前方に突出した凸形状を有する透光性のドーム部であって、当該ドーム部の内面の少なくとも上部側から側方側にかけて前記発光部寄りに暗色部を有するドーム部を備え、
前記ドーム部の前記暗色部によって、前記発光部の光が吸収され且つ上面視および側面視において遮光範囲が設けられた交通信号用灯器。
【請求項2】
前記ドーム部は、内面の前記暗色部以外の透光領域に、当該発光部の発光の視認性を妨げない細線状の暗部でなる線状暗部を有する
請求項に記載の交通信号用灯器。
【請求項3】
前記線状暗部は、少なくとも前記ドーム部の上部内面に前後方向に沿った1以上の細線を有してなる
請求項に記載の交通信号用灯器。
【請求項4】
前記ドーム錐体状の形状を有する
請求項1〜の何れか一項に記載の交通信号用灯器。
【請求項5】
前記ドーム部は、前方上方に隆起状に突出した頂部を設けた形状を有する
請求項1〜の何れか一項に記載の交通信号用灯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通信号用灯器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、交通信号用灯器には、信号灯1つ1つに庇状のフードが取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。こうした庇状フード付き交通信号用灯器も、降雪地域に設置されることがある。図23庇状フード部分を部分断面で示した側面図)に一例を示す。上方から降雪する時は庇状フード3の上に積雪することになるのでレンズ5の部分が見えなくなることはない。ところが、図23に示すように、正面から前方斜め下方向より吹き込むような吹雪に合うと、一般的な庇状フード付き交通信号用灯器2Jでは、庇状フード3やレンズ5が吹雪に対する衝立として作用し、庇状フード3の下のレンズ5との角部や、フード取付部7とレンズ5との角部などに雪が付着し着雪塊60が形成され易い。特に庇状フード3とレンズ5との角部に生じる着雪塊60(60a)は、庇状フード3とレンズ5と蓋4の3面にて付着するため剥離し難く、後続する吹雪の着雪を促進し、ついにはレンズ5の部分を覆ってしまうまでに成長することが起こり得る。それでも光源として白熱電球を用いるタイプでは、レンズ5が熱を帯びるので剥離を促進することもがあったが、特許文献1のように光源として発熱量の低いLED(発光ダイオード)を使用するタイプでは同様の効果はあまり期待できない。
【0003】
そこで、庇状フード3ごと覆う防雪カバーを取り付けることで、正面から前方斜め下方向より吹き込むような吹雪の場合でも着雪を防ぐ技術が考案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−58935号公報
【特許文献2】特開2006−202114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2で開示されるような防雪カバーを設けると、確かに正面から前方斜め下方向より吹き込むような吹雪の場合でも着雪を防ぐことができる。しかし、防雪カバーを別途設ける構成では、交通信号用灯器の製造コストの上昇は勿論、重量増などデメリットを生んでしまう。
【0006】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、着雪が少ない交通信号用灯器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の形態は、庇状フードの無い交通信号用灯器であって、発光部(例えば、図4の発光ユニット26)の前方を覆う透光性のカバー部又はレンズ部(以下代表して「カバー部」という。)が凸形状を有し、更に、内面の少なくとも前記発光部寄りに暗色部(例えば、図4の暗色部36)を有する交通信号用灯器である。
【0008】
第1の形態によれば、交通信号用灯器にはそもそも庇状フードを取り付けない。結果、吹雪であっても庇状フードが集雪器として作用したり、衝立として作用して吹き込んでくる雪の着雪を促進することもない。つまり、着雪が軽減される。勿論、庇状フードを設けない分、製造コストを低減し、重量増を抑えることができる。
【0009】
また、カバー部の内面の少なくとも発光部寄りに暗色部を設けることで、発光部から発せられた光を吸収して熱に換え融雪を促すことができる。また、暗色部が設けられるカバー部の発光部寄りの位置は、カバー部が交通信号用灯器の筐体から突出する境界角部付近に当たる。従って、その境界角部に着雪することがあったとしても、暗色部の光吸収(熱吸収)・融雪効果により着雪塊の剥離を促し、着雪を軽減することができる。
【0010】
第2の形態は、前記暗色部が、前記発光部寄りであって、少なくとも前記カバー部の上部側に設けられてなる第1の形態の交通信号用灯器である。
【0011】
第2の形態によれば、カバー部の上部の積雪を効果的に融雪することが可能となる。
【0012】
第3の形態は、前記暗色部が、当該発光部の側方への配光を制限する所定幅の環状形状を有する第1又は第2の形態の交通信号用灯器である。
【0013】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態の交通信号用灯器と同様の効果を発揮できるとともに、庇状フードが無くとも発光部から発光された光が隣接する他の信号灯のカバー部に映り込むことを抑制できる。
【0014】
第4の形態は、前記カバー部が、内面の前記暗色部以外の透光領域に、当該発光部の発光の視認性を妨げない細線状の暗部でなる線状暗部(例えば、図9の線状暗色部36c)を有する第1〜第3の何れかの形態の交通信号用灯器である。
【0015】
第4の形態によれば、第1〜第3の何れかの形態の交通信号用灯器と同様の効果を発揮できるとともに、カバー部の透光領域にも融雪効果の有る部位を増設することができる。よって、融雪効果を高めることができる。尚、ここで言う「細線状」は、幾何的な線に限定されず、破線のようにドット列による線も含む意味である。
【0016】
第5の形態は、前記線状暗部が、少なくとも前記カバー部の上部内面に前後方向に沿った1以上の細線(例えば、図11の上部暗色部36d)を有してなる第4の形態の交通信号用灯器である。
【0017】
第5の形態によれば、第4の形態の交通信号用灯器と同様の効果を奏するとともに、カバー部の上部位置に堆積した雪に対して、前後方向に融雪部分を作ることができるため、滑落し易くできる。
【0018】
第6の形態は、前記カバー部は半球状又は錐体状の形状を有する第1〜第5の何れかの形態の交通信号用灯器である。
【0019】
第6の形態によれば、発光部の前方を覆う透光性のカバー部の形状を、半球状又は錐体状の凸形状としている。従来の交通信号用灯器のレンズ部は緩やかな曲線形状を有していたため、正面から前方斜め下方向より吹き込むような吹雪に対しては、殆ど壁同然であり着雪するがままであった。しかし、カバー部を半球状又は錐体状の凸形状とすることで、吹雪を速やかに後方へ流すことができる。よって、発光部の前方を覆い隠すような着雪を抑制することができる。
【0020】
勿論、カバー部の形状は第6の形態に限られず、例えば、第7の形態として、前記カバー部は上部が傘状でなる構成としてもよい。
【0021】
第7の形態によれば、カバー部の上の積雪が落下しやすくなる。傘状の形状としては、例えば切り妻屋根形状としてもよいし、円弧をなしたかまぼこ状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態における交通信号用灯器の構成例を示す正面図。
図2】第1実施形態における交通信号用灯器の構成例を示す上面図。
図3】第1実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す正面図。
図4】第1実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す上面図。
図5】第1実施形態における交通信号用灯器の作用を説明するための側面図。
図6】第1実施形態における交通信号用灯器の作用を説明するための正面図。
図7】第1実施形態の第1変形例における信号灯ユニットの構成例を示す正面図。
図8】第1実施形態の第1変形例における信号灯ユニットの構成例を示す上面図。
図9】第1実施形態の第2変形例における信号灯ユニットの構成例を示す正面図。
図10】第1実施形態の第2変形例における信号灯ユニットの構成例を示す上面図。
図11】第1実施形態の第3変形例における信号灯ユニットの構成例を示す正面図。
図12】第1実施形態の第3変形例における信号灯ユニットの構成例を示す上面図。
図13】第2実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す正面図。
図14】第2実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す上面図。
図15】第2実施形態の変形例における信号灯ユニットの構成例を示す正面図。
図16】第2実施形態の変形例における信号灯ユニットの構成例を示す上面図。
図17】第3実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す断面図。
図18】第4実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す正面図。
図19】第4実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す断面図。
図20】第4実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す上面図。
図21】第4実施形態における信号灯ユニットの構成例を示す下面図。
図22】第4実施形態におけるドームの構成例を示す斜視図。
図23】従来の庇状フード付き交通信号用灯器における着雪問題を説明する為の側面図であって、庇状フード部分を部分断面表記した図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
次に、第1実施形態として、本発明を適用した車両用の交通信号用灯器について説明する。
図1は、本実施形態における車両用の交通信号用灯器2の正面図である。図2は、同上面図である。交通信号用灯器2は、筐体6の前方に備えられた開閉式の蓋4に、青色・黄色・赤色の計3つの信号灯ユニット20を備え、庇状フードを備えていない。信号筐体6そのものは、例えば取付金具8で支柱10に固定して使用される。
【0024】
図3は、信号灯ユニット20の正面図である。図4は、図3におけるA−A断面図である。信号灯ユニット20は、略深皿状のケース22の内側に発光ユニット26を取り付け、ケース22の前方をカバー部であるカバー30で覆っている。
【0025】
より具体的には、ケース22は、前方に向かって開口する有底円筒体の基部22aと、基部22aの開口部外周に延設されたフランジ22bと、基部22aの底部に突設されたボス22cとを備える。フランジ22bには、蓋4に信号灯ユニット20を固定するためのボルトを挿通又は螺合させるためのボルト孔22dが設けられている。
【0026】
発光ユニット26は、公知の交通信号用灯器の発光部と同様の構成を有している。例えば、複数のLED28が複数個円形に配置され、それらに電力を供給するためのプリント基板や電力線などがパッケージされている。尚、発光ユニット26に搭載される発光素子はLEDに限らず、ハロゲンランプや白熱灯などその他の種類でも構わない。
【0027】
カバー30は、最前方で信号灯ユニット20を覆って保護するカウルであり、吹雪を抵抗無く流す役割を担う。カバー30は、単に光を透過し信号灯ユニットを保護する機能のみならず、配光特性を調整するための光学的な構造を有したレンズとしての機能を兼ね備えるとしても良い。つまり、機能的観点からレンズと呼称されるパーツであっても良い。
【0028】
より具体的には、カバー30は、ケース22の開口部を覆うことのできる開口径を有する有底の半球状ドーム32aと、半球状ドーム32aの開口端より外向きに延設された固定用フランジ34と、暗色部36とを備える。
【0029】
半球状ドーム32a及び固定用フランジ34は、光透過性の樹脂やガラスで一体的に形成されており、固定用フランジ34でケース22のフランジ22bに対してネジ止めされる。
ここで言う「半球状」とは、幾何的に厳密な半球に限定されるものではなく、魚眼状の凸形状を有している意味であり、その曲面は球面は勿論のこと非球面でも構わない。見かけ上は、公知の信号灯におけるレンズやカバーガラスよりも明らかに前方に飛び出た外形を有する。
【0030】
そして、このカバー30の半球状ドーム32aの内面には暗色部36が設けられている。
本実施形態における暗色部36は、半球状ドーム32aの後端開口部内周、つまり発光ユニット26寄りの内周に設けられた黒色やダークグレーなどの光吸収性に優れた暗色の環状帯であって、例えばシール材の貼設、或いは吹き付け塗装などにより形成される。
【0031】
暗色部36の後端側は、カバー30をケース22に取り付けた時に発光ユニット26に可能な限り近い位置に設定され、帯の幅は発光ユニット26の配光性能に基づいて、隣接する他の信号灯ユニット20に機能上問題となる映り込みが生じないように十分な遮光性を有する幅に設定されている。
【0032】
図5及び図6は、本実施形態における交通信号用灯器2の作用を説明するための側面図及び正面図である。先ずもって、本実施形態における交通信号用灯器2は、従来の交通信号用灯器に見られる庇状フードを備えていない。従って、正面から斜め下前方より吹き付ける吹雪であっても、庇状フードとカバー(又は「レンズ」と呼称される場合もある。)との角部や、庇状フードと筐体との角部に雪が溜まる事がない。
【0033】
また、公知の信号灯におけるレンズやカバーの前面は、比較的緩やかな曲面で形成されており前方から吹き付ける吹雪に対してはほとんど壁同然の存在であり、正面から斜め下前方より吹き付ける吹雪では、大いに着雪することとなる。一方、本実施形態のカバー30は、公知の信号灯におけるレンズやカバーガラスよりも極端に前方に飛び出た凸形状を有するため、図5に示すように、吹き付ける吹雪を後方へ速やかに流すように作用する。結果、庇状フードが無くともカバー30の前面への着雪を少なくできる。
【0034】
一方、カバー30の後方へ速やかに流された雪は、図5のカバー30や、図6の正面向かって左端のカバー30(30a)で示すように、カバー30と蓋4との角部付近に着雪することとなる。この着雪塊40は、カバー30への付着と蓋4への付着との両方で支えられる格好となる。特にカバー30の上部に付着した着雪塊40は剥落しにくい。しかし、本実施形態のカバー30は、暗色部36が点灯時に光を吸収することで発熱し融雪を促す。結果、着雪塊40がカバー30へ付着する力は弱まり、カバー30の曲面と相まって着雪塊40を脱落させ易くする(図6の中央のカバー30(30b)の様子を参照)。
【0035】
このように、本実施形態によれば、そもそも庇状フードを取り付けないので、正面から前方斜め下方向より吹き込むような吹雪であっても庇状フードが集雪器として作用したり、衝立として作用して吹き込んでくる雪の着雪を促進することもない。つまり、着雪が軽減される。勿論、庇状フードを設けない分、製造コストを低減し、重量増を抑えることができる。
【0036】
加えて、カバー30を半球状の凸形状としているので吹雪を速やかに後方へ流すことができる。よって、庇状フードがなくとも発光部の前方を覆い隠すような着雪を抑制することができる。
【0037】
更に、本実施形態では、カバー30が暗色部36を有するので、発光ユニット26から発せられた光を吸収して熱に換え融雪を促すことができる。暗色部36が設けられるカバー30の位置は、カバー30が筐体6から突出する境界角部付近となる。よって、カバー30と筐体6との角部に着雪することがあっても、暗色部36の光吸収・融雪効果により着雪塊の剥離を促し、着雪を軽減することができる。
【0038】
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の適用形態はこれに限定されるものではなく、適宜構成要素の変形・追加・省略が可能である。
【0039】
〔第1変形例〕
例えば、カバー30の形態は、公知の交通信号用灯器2Jのレンズ5(図18参照)よりも明確な凸形状を有していれば半球状ドームの形状に限らない。例えば、図7の信号灯ユニット20Bの正面図、並びに図8のB−B断面図に示すように、信号灯ユニット20Bのカバー30Bを、前方に向けて凸の円錐状ドーム32bに固定用フランジ34を設けた構成としても良い。更には錐体の頂部(最前端部)の位置を中心軸状からオフセットするとしても良い。すなわち、カバー30の形状は前方からの雪の吹きつけを後方へスムーズに流すのに適当な形状であれば良く、流線型としても良い。
また、暗色部36を環状とするのではなく、カバー30装着時に上側となる部分(例えばカバー30の上半分)にのみ設けるとしてもよい。
【0040】
〔第2変形例〕
また、暗色部36の色や数、形状も上記実施形態に限らず適宜変更することができる。例えば、図9の信号灯ユニット20Cの正面図、並びに図10のC−C断面図に示すように、暗色部36をカバー30Cの開口部付近で配光制限帯・遮光体としても機能するベース暗色部36a及び36bと、カバー30Cの前後中程に設けられた線状の線状暗色部36cとで構成するとしても良い。すなわち、暗色部36は一本の帯状でなく適宜分割されていても良く、また、信号灯としての機能に障害を及ぼさない限り(例えば灯器の視認性に影響を与えない限り)においてカバー30の開口部付近に限らずその他の透光範囲に設けるとしても良い。線状暗色部36cを設けることで、吸収光により発熱する部位を増やし、着雪塊の剥離・脱落をより促進することができる。
【0041】
〔第3変形例〕
更に、この線状暗色部については、形状は環状に限らないし、その数も適宜設定できる。例えば、図11の信号灯ユニット20Dの正面図、並びに図12のD−D断面図に示すように、カバー30Dの上部に前後方向の筋状の上部線状暗色部36dを設けることができる。この場合、カバー30Dの上部の着雪塊を左右に分断し易くし、剥離・脱落を促進する効果が期待できる。その他、線状暗色部は、正面から見て渦巻き状、編み目状、格子状、斑点状などの形状としても良い。
【0042】
〔第2実施形態〕
また、第1実施形態及びその変形例で使用した信号灯ユニットは、交通信号用灯器に使用されるに限らず、その他の信号灯器に使用することができる。
例えば、図13の信号灯ユニット20Eの正面図、並びに図14のE−E断面図に示すように、暗色部36eを透光部の形状が人型となるようにする。そして、上記実施形態の交通信号用灯器2と同様にして、筐体6の蓋4に当該信号灯ユニット20Eを取り付けることで、上記実施形態と同様の効果を奏する歩行者用交通信号用灯器を実現できる。
もし、信号灯ユニットの形状を正視略四角形にする場合には、図15の信号灯ユニット20Fの正面図、並びに図16のF−F断面図に示すように、カバー30Fを有底の四角錐状ドーム32fに固定用フランジ34を延設する構成とすればよい。この時、暗色部を、カバー30Fの内面に密着させる別部品の暗色遮光体37としても良い。
【0043】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様にして実現されるが、第1実施形態ではカバー30が信号灯ユニットのレンズ5を兼ねた構成であるのに対して、本実施形態ではそれぞれ別個に備えられている点が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して詳細な説明を省略するものとする。
【0044】
図17は、本実施形態における交通用信号灯器2Gの構成例を示す縦断面図である。
本実施形態の交通用信号灯器2Gの信号灯ユニット20Gは、LED28の前方に配光機能を有するレンズ5を備える。レンズ5は、その外縁部をケース22のフランジ22bに密着させ、環内側に溝を有する円環状でリングパッキン86に当該密着部をはめ込んでケース22に固定される。そして、信号灯ユニット20G自身は、蓋4に立設されたボススタッド80に対してビス84で止められたワッシャー82で、蓋4に対して挟持される。
【0045】
蓋4の前方側側面には円環状のフード取付部7が突設されており、本実施形態の交通用信号灯器2Gは、内面に暗色部36を備えた半球ドーム状のフード30Gがビス88で固定されている。
【0046】
尚、本実施形態におけるドーム状フード及び暗部の構成は図示した例に限らず、第1実施形態の変形例の構成、第2実施形態の構成の何れかを適宜適用することができる。
【0047】
〔第4実施形態〕
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様にして実現されるが、第1実施形態ではドーム形状が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して詳細な説明を省略するものとする。
【0048】
図18は、本実施形態における信号灯ユニット20Hの構成例を示す正面図である。図19は同縦断面図、図20は同上面図、図21は同下面図である。また、図22は、ドーム32hの形状の概略を示す斜視図である。尚、図22では、形状の理解を助けるために暗色部36の表示を省略し、表面形状をなぞる細線を追記している。
【0049】
本実施形態のドーム状フード30Hのドーム32hは、半球状のドーム型の前方斜め上に向けて突出させた傘状の形状を有する。つまり、下半分は球状曲面を有しているが、上半分は球状曲面をベースにして、頂点を正面斜め上に向けた楕円錐を被せたような外形をしている。そして、上半分の頂部は、ほぼ直線上又は緩やかなカーブを描いて、前方に僅かに傾斜している(図19の傾斜角θを参照)。上半分の形状に着目した場合、切り妻屋根形状に近い形状とも言える。
【0050】
暗色部36は、ドーム32hの頂部前端部から始まり、ドーム32hの下端に向かうにつれたフランジからの距離(暗色部分の正面方向の幅)が徐々に減少するように設定されている。
【0051】
カバー30Hをこうした形状とすることで、第1実施形態と同様に下半分への着雪を抑制することができることは勿論、上半分に前方斜め上向きの傘状の形状がつくられたことにより、単純な半球状よりも正面斜め上からの風雪に対する表面の相対角度が低くなる。結果、正面やや斜めしたから吹き付ける風雪はもとより、最も日常的に起こる正面斜め上からの着雪についても、より効果的に抑制できる。
また、上半分に前方斜め上向きの傘状の形状により、左右に跨るように着雪塊が生じても、その中央部分に傾斜角が球状よりも急な部分が存在するので、着雪塊を崩れやすくし、落雪を促すことができる。
勿論、ドーム32hの形状はこれにかぎらず、例えば上半分を円弧をなしたかまぼこ状の形状としてもよい。
【符号の説明】
【0052】
2 交通信号用灯器
4 蓋
6 筐体
20 信号灯ユニット
22 ケース
26 発光ユニット
28 LED
30 カバー
32a 半球状ドーム
32h ドーム
36 暗色部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23