(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図21】Bruker AVANCE400MHz分光計による飽和の修正パルスシーケンスを示す。
【
図22】本発明の組成物に関する不飽和の積分限界(integration limit)を表示し、点線は、その位置が試料/触媒によって僅かに異なる可能性のあることを意味する。
【
図23】結晶化溶出分別(CEF)からピーク温度、半値幅および温度中央値(median temperature)を得る概略図である。
【
図24】CEFデータから、dW/dTと温度(℃)との間の関係を示すグラフである。
【
図25】第2熱DSCデータから作成した熱流(W/g)と温度(℃)との間の関係を示すグラフである。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、ストレッチフードに適した組成物、それを製造する方法およびそれから製造される物品を提供する。一実施形態で、本発明は、少なくとも1層の内層と2層の外層とを含む、厚さが少なくとも3mil、例えば、75μm〜300μm、または代わりに75μm〜150μmの多層フィルムであって、内層は、メルトインデックスが2グラム/10分以下、例えば、0.2〜2グラム/10分、または代わりに、0.2〜1.5グラム/10分;密度が0.910g/cm
3以下、例えば、0.8602から0.910g/cm
3以下;総融解熱が120ジュール/グラム未満;および115℃を超える融解熱が5ジュール/グラム未満の少なくとも50重量%、例えば、50〜100重量%のポリエチレンコポリマーを含み、内層の総融解熱は、2層の外層のどちらかの融解熱未満であり、および100%伸びまで引き伸ばした場合、弾性回復率が少なくとも40%、例えば、少なくとも42%である多層フィルムを提供する。
【0017】
代替の実施形態で、本発明は、先に記載した多層フィルムであって、外層が総フィルムの50重量%未満である多層フィルムを提供する。
【0018】
他の実施形態で、本発明は、3層を有し、ブローフィルム法によって製造される先に記載した多層フィルムを提供する。
【0019】
他の代替の実施形態で、本発明は、先に記載した多層フィルムから形成されるストレッチフードフィルム構造体を提供する。
【0020】
他の代替の実施形態で、本発明は、先に記載した多層フィルムであって、内層内のポリエチレンコポリマーの分子量分布(M
w/M
n)が少なくとも2.5、例えば、2.5〜3.5である多層フィルムを提供する。
【0021】
他の代替の実施形態で、本発明は、内層のポリエチレンコポリマーは、コモノマー分布定数(CDC)が、約45を超え400までであることを特徴とし、該ポリエチレンコポリマーの総不飽和単位/1,000,000個の炭素(C)が120未満である多層フィルムを提供する。CDCは、コモノマー分布指数をコモノマー分布形状因子で割り、100を掛けたものとして定義する(方程式1、
図1)。コモノマー分布指数は、35.0〜119.0℃でのコモノマー含有量中央値(C
median)が0.5からC
medianが1.5までの範囲のコモノマー含有量を有するポリマー鎖の総重量分画を表す。コモノマー分布形状因子は、コモノマー分布プロファイルのピーク半分高さでの幅(半値幅)をピーク温度(T
p)からのコモノマー分布プロファイルの標準偏差(Stdev)で割った比として定義する。
【0022】
他の代替の実施形態で、本発明は、先に記載した多層フィルムであって、内層のポリエチレンコポリマーの長鎖分枝/1000個の炭素が、約3までであることを特徴とする多層フィルムを提供する。
【0023】
他の代替の実施形態で、本発明は、先に記載した多層フィルムであって、内層のポリエチレンコポリマーが、さらに、20個未満のビニリデン不飽和単位/1,000,000Cを含むことを特徴とする多層フィルムを提供する。
【0024】
他の代替の実施形態で、本発明は、先に記載した多層フィルムであって、内層のポリエチレンコポリマーが単一DSC融解ピークを含む多層フィルムを提供する。
【0025】
他の代替の実施形態で、本発明は、先に記載した多層フィルムであって、落槍B試験(g/mil)(ASTM D−1709)に従って測定した標準化落槍衝撃が、350g/mil〜700g/milの範囲、例えば、350g/mil〜600g/milである多層フィルムを提供する。
【0026】
いくつかの方法では、加工助剤、例えば可塑剤を本発明のエチレン系ポリマーに含ませることができる。これらの助剤として、フタレート類、例えば、ジオクチルフタレートおよびジイソブチルフタレート;天然油、例えば、ラノリンおよびパラフィン;石油精製から得られるナフテン油および芳香油;ならびにロジンまたは石油原料からの液体樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。加工助剤として有用な油の代表的種類として、白色鉱油、例えば、KAYDOL油(Chemtura Corp.;ミドルベリ、コネチカット)およびSHELLFLEX371ナフテン油(Shell Lubricants;ヒューストン,テキサス)が挙げられる。他の適切な油として、TUFFLO油(Lyondell Lubricants;ヒューストン,テキサス)がある。
【0027】
いくつかの方法では、本発明のエチレン系ポリマーは、1種以上の安定剤、例えば、抗酸化剤、例えば、IRGANOX1010およびIRGAFOS168(Ciba Specialty Chemicals;グラットブルグ,スイス)で処理する。一般的に、押出し加工または別の溶融加工の前に、ポリマーを1種以上の安定剤で処理する。別の実施形態の方法では、別のポリマー添加剤として、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、造核剤、充填剤、スリップ剤、難燃剤、可塑剤、加工助剤、潤滑剤、安定剤、煙抑制剤、粘度制御剤、およびブロッキング防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のエチレン系ポリマー組成物は、例えば、1種又はそれ以上の添加剤の組合せを、本発明のエチレン系ポリマー組成物および該添加剤の重量に対して、10重量%未満含んでもよい。請求するポリマー類の特別の利点は、水以外の触媒失活剤(catalyst kill agent)が存在しないことであり、したがって、ステアリン酸カルシウムを必要としない。
【0028】
製造される本発明のエチレン系ポリマー組成物は、さらに、混合されてもよい。ある実施形態では、1種又はそれ以上の抗酸化剤をさらに本発明のエチレン系ポリマー組成物に混合し、次いで、この混合された本発明のエチレン系ポリマー組成物をペレット化する。混合エチレン系ポリマー組成物は、1種又はそれ以上の抗酸化剤を任意の量で含有してもよい。例えば、本発明の混合エチレン系ポリマー組成物は、1種又はそれ以上のフェノール抗酸化剤を、本発明のエチレン系ポリマー組成物100万部当たり約200〜約600部含んでもよい。さらに、混合エチレン系ポリマー組成物は、亜リン酸塩系抗酸化剤を、本発明のエチレン系ポリマー組成物100万部当たり約800〜約1200部含んでもよい。本発明の混合エチレン系ポリマー組成物は、さらに、ステアリン酸カルシウムを、本発明のエチレン系ポリマー組成物100万部当たり約300〜約1250部含んでもよい。
【0029】
用途
本発明のエチレン系ポリマー組成物は、種々の従来の熱可塑性成形加工において、有用な物品を製造するために使用してもよく、該物品として、少なくとも1層のフィルム層を含む物、例えば、鋳造、ブロー加工、カレンダー加工もしくは押出し被覆加工により製造される単層フィルムまたは多層フィルム中の少なくとも1層;成型品、例えば、ブロー成型品、射出成型または回転成型品;押出し成型品;繊維;および織布または不織布が挙げられる。本発明において、多層フィルム、好ましくは3層フィルムは、とりわけ多層フィルムがストレッチフード用途で使用できる場合、有用である。本発明のエチレン系ポリマー組成物を含む熱可塑性組成物として、別の天然または合成材料、ポリマー類、添加剤、補強剤、耐着火性添加剤、抗酸化剤、安定剤、着色剤、増量剤、架橋剤、発泡剤および可塑剤とのブレンドが挙げられる。
【0030】
成形後、添加剤およびアジュバントを本発明のエチレン系ポリマー組成物に加えてもよい。適切な添加剤として、充填剤、例えば、有機または無機粒子、例えば、クレイ、タルク、二酸化チタン、ゼオライト、金属粉末、有機または無機繊維、例えば、炭素繊維、窒化ケイ素繊維、鋼線またはメッシュ、およびナイロンまたはポリエステルコード、ナノサイズの粒子、クレイなど;粘着剤、油増量剤、例えば、パラフィン油またはナフテレン油;および別の天然および合成ポリマー類、例えば、実施形態の方法により製造されるまたは製造することができる別のポリマー類が挙げられる。
【0031】
本発明のエチレン系ポリマー組成物と別のポリオレフィン類とのブレンドおよび混合を実施してもよい。本発明のエチレン系ポリマー組成物にブレンドするのに適切なポリマー類として、天然および合成ポリマー類を含む熱可塑性および非熱可塑性ポリマー類が挙げられる。ブレンド用の代表的なポリマー類として、ポリプロピレン(衝撃性改良ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンも、ランダムエチレン/プロピレンコポリマー類も両方)、種々の種類のポリエチレン、例えば、高圧フリーラジカルLDPE、チーグラー−ナッタLLDPE、メタロセンPE、例えば、複数反応器PE(multiple reactor PE)(チーグラー−ナッタPEおよびメタロセンPEの「反応器内」ブレンド、例えば、米国特許第6,545,088号明細書(Kolthammerら);第6,538,070号明細書(Cardwellら);第6,566,446号明細書(Parikhら);第5,844,045号明細書(Kolthammerら);第5,869,575号明細書(Kolthammerら);および第6,448,341号明細書(Kolthammerら)に開示されている生成物)、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー類、ポリスチレン、衝撃性改良ポリスチレン、ABS、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー類およびその水素化誘導体(SBSおよびSEBS)、ならびに熱可塑性ポリウレタン類が挙げられる。また、均質なポリマー類、例えば、オレフィンプラストマーおよびエラストマー、エチレンおよびプロピレン系コポリマー類(例えば、商品名VERSIFY(商標)Plastomers&Elastomers(The Dow Chemical Company)、SURPASS(商標)(Nova Chemicals)およびVISTAMAXX(商標)(ExxonMobil Chemical Co.)で入手可能なポリマー類)も、本発明のエチレン系ポリマー組成物を含むブレンドの成分として有用でありうる。
【0032】
本発明のエチレン系ポリマー組成物は、封止樹脂として使用してもよい。驚くべきことに、あるMWDと組合わされたCDCで示されるある短鎖分枝分布(SCBD)およびあるレベルの長鎖分枝(LCB)により、ホットタックおよびヒートシール特性が向上することが示され、例えば、ホットタックおよびヒートシール強度を増大し、ヒートシールおよびホットタック開始温度を低下させ、およびホット・タック・ウィンドを拡大する。エチレンポリマーは、ESCR(環境応力亀裂抵抗)を向上し、PENT(Pennsylvania Edge−Notch Tensile試験)をより高くする低不飽和レベルとともに、SCBDおよびMWDを最適化することによって、パイプおよびチューブ樹脂として使用されてもよい。エチレンポリマーは、低不飽和レベル、および低レベルの低分子量、高コモノマー導入オリゴマーとともに、SCBDおよびMWDを最適化することによって、UV安定性および耐候性が求められる用途に使用されてもよい。エチレンポリマーは、低レベルの低分子量、高コモノマー導入オリゴマーとともに、SCBDおよびMWDを最適化することによって、低レベルの沈着、乳白化、ダイ・ビルドアップ(die build-up)、煙形成、抽出物、味および香りが求められる用途に使用されてもよい。エチレンポリマーは、延伸フィルム用途に使用されてもよい。驚くべきことに、あるMWDと組合わされたあるSCBDおよびあるレベルの長鎖分枝(LCB)により、伸縮性および動的破壊抵抗(dynamic puncture resistance)が向上することが示される。
【0033】
定義
本明細書で使用する用語「組成物」は、組成物を構成する材料の混合物、ならびに該組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物も含む。
【0034】
本明細書で使用する用語「ブレンド」または「ポリマーブレンド」は、2種又はそれ以上のポリマーの密接な物理的混合物(すなわち、反応なし)を意味する。ブレンドは、混和性であってもなくてもよい(分子レベルでの相分離はない)。ブレンドは、相分離していてもしていなくてもよい。ブレンドは、透過電子分光法、光散乱法、X線散乱法、および当分野で公知の別の方法で測定される、1種又はそれ以上のドメイン構成を含んでも含まなくてもよい。ブレンドは、2種又はそれ以上のポリマーを、マクロレベル(例えば、溶融ブレンド樹脂または調合)で、またはミクロレベル(例えば、同じ反応器内で同時に形成)で物理的に混合することによって行ってもよい。
【0035】
用語「直鎖」は、ポリマーのポリマー骨格が測定可能なまたは実証可能な長鎖分枝を持たないポリマー類を言い、例えば、ポリマーは、1000個の炭素当たり平均0.01個未満の長分枝で置換されうる。
【0036】
用語「ポリマー」は、モノマー−これらは同じ種類、異なる種類を問われない−を重合することにより製造される高分子化合物を言う。したがって、一般的な用語ポリマーは、通常ただ1種のモノマーから製造されるポリマー類を言うのに使用される用語「ホモポリマー」、および本明細書で定義される用語「インターポリマー」を包含する。用語「エチレン/α−オレフィンポリマー」は、本明細書で記載するインターポリマー類を表す。
【0037】
用語「インターポリマー」は、少なくとも2種類の異なるモノマーの重合によって製造されるポリマー類を言う。一般的な用語インターポリマーは、通常2種類の異なるモノマーから製造されるポリマー類を言うために使用されるコポリマー類、および2種を超える異なるモノマーから製造されるポリマー類を含む。
【0038】
用語「エチレン系ポリマー」は、50モル%を超える(重合可能なモノマーの全量に対して)重合エチレンモノマーを含むポリマーを言い、場合により、少なくとも1種のコモノマーを含んでもよい。
【0039】
用語「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」は、50モル%を超える(重合可能なモノマーの全量に基づく)重合エチレンモノマーと、少なくとも1種のα−オレフィンとを含むインターポリマーを言う。
【実施例】
【0040】
以下の実施例で本発明を説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施例では、縦方向のエルメンドルフ引裂き強さおよび落槍Bを向上しつつ、弾性回復率を向上することを実証する。
【0041】
樹脂の製造
全ての原料(エチレン、1−オクテン)およびプロセス溶剤(狭い沸点範囲の高純度イソパラフィン溶剤、商標Isopar EでExxon Mobil Corporationから市販されている)をモレキュラー・シーブで精製し、その後反応環境に導入する。水素を高純度で加圧シリンダーに供給し、これ以上精製しない。反応器モノマー供給(エチレン)流を機械的圧縮機によって加圧して、750平方インチゲージの反応圧を超える圧力とする。溶剤およびコモノマー(1−オクテン)供給物を機械的な容積型ポンプにより加圧して、750平方インチゲージの反応圧を超える圧力とする。個々の触媒成分を、精製溶剤(Isopar E)を用いて手動でバッチ希釈して特定の成分濃度とし、加圧して750平方インチゲージの反応圧を超える圧力とする。全ての反応供給物の流れを質量流量計で測定し、コンピュータ自動バルブコントロールシステムで独立してコントロールする。
【0042】
連続溶液重合反応器は、独立してコントロールされ、直列配置で作動する2本の液体で満たされた(liquid full)、非断熱性、等温、循環式ループを有する。各反応器は、全ての新しい溶剤、モノマー、コモノマー、水素および触媒成分供給物を独立してコントロールする。各反応器への溶剤、モノマー、コモノマーおよび水素供給物の混合物は、該供給流を熱交換器に通すことによって、5℃と50℃との間のいずれかの温度、通常40℃に、独立して温度コントロールされる。重合反応器への新しいコモノマー供給は、3つの選択肢:第1反応器、第2反応器、または共有溶剤−この場合、次いで溶剤供給分割(solvent feed split)に応じて両反応器間で分割される−の1つにコモノマーを加えるように、手動で調整することができる。各重合反応器への新しい供給物は全て、1個の反応器ごとに2箇所の位置から、各注入位置の間でほとんど同じ反応器容量で、反応器に注入される。新しい供給物は、通常、新しい供給物の全ての質量流の半分を受け取る各インジェクターでコントロールされる。触媒成分は、特別に設計した注入スティンガを介して重合反応器に注入され、反応器前に接触時間はなく、反応器の同じ関連性のある位置にそれぞれ別々に注入される。一次触媒成分供給は、反応器のモノマー濃度を特定された目標値に維持するように、コンピュータでコントロールされる。2つの共触媒成分は、一次触媒成分に対して計算された特定のモル比に基づいて供給される。新しい各注入物が置かれた(供給物または触媒のどちらか)直後、該供給流は、Kenics静止型混合器で、循環している重合反応器の内容物と混合される。各反応器の内容物は、多くの反応熱の除去に関与する熱交換器によって、連続的に循環させられ、および温度は、特定の温度での等温反応環境の維持に関与する冷却剤側の温度である。各反応器ループ周りの循環は、スクリューポンプによって提供される。第1重合反応器からの流出液(溶剤、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分および溶融ポリマーを含む)は、第1反応器ループを出て、コントロールバルブ(第1反応器の圧力の特定された目標値での維持に関与する)を通り抜け、類似した設計の第2重合反応器に注入される。流れが反応器を出ると、水と接触し、反応は停止する。さらに、この時点で種々の添加剤、例えば抗酸化剤を加えることができる。次いで、流れは他の一連のKenics静止型混合器を通り、触媒失活剤および添加剤を均等に分散する。
【0043】
添加剤の添加の後、流出液(溶剤、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分および溶融ポリマーを含む)は、熱交換器を通り抜け、別のより低い沸点の反応成分からのポリマーの分離に備えて、流れの温度を上昇させる。次いで、流れは、ポリマーを溶剤、水素および未反応モノマーおよびコモノマーから取り出す2段分離揮発分除去システムに入る。再循環される流れは、再び反応器に入る前に精製される。分離され揮発分除去されたポリマー溶融物を、水中ペレット化用に特別に設計されたダイにポンプを使用して通し、均一な固体ペレットに切断し、乾燥し、ホッパーに移送する。初期ポリマー特性を確認した後、固体ポリマーペレットを保存用の箱に手作業で入れる。各箱には、約1200ポンドのポリマーペレットが入っている。
【0044】
揮発分除去ステップで取り出された非ポリマー部分は、システムから取り出されるエチレンのほとんどを分離する種々の装置を通り、ベント・デストラクション装置(vent destruction unit)(エチレンは、製造装置に再循環される)に移動する。ほとんどの溶剤は、精製床を通過した後、反応器に再循環される。この溶剤には、まだ、未反応のコモノマーが含まれている可能性があり、再び反応器に入れる前に、新しいコモノマーを加え、コモノマー濃度を上げる。このコモノマーの濃度を上げることは、生成物密度コントロール方法(product density control method)の本質的な部分である。このリサイクル溶剤には、まだいくらかの水素が含まれている可能性があり、新しい水素で水素濃度を上げ、ポリマー分子量の目標値を達成する。触媒流中の溶剤担体および商業用等級のコモノマーの一部である少量の溶剤に起因して、ごく少量の溶剤が共生成物としてシステムから出る。
【0045】
本発明のエチレン系ポリマー組成物(本発明実施例1)
本発明のエチレン系ポリマー組成物、すなわち本発明実施例1、は、上述の手順に従って製造する。本発明実施例1は、以下に記載する試験方法に従って、様々な特性を試験した。これらの特性は、表2および表4〜7に示す。表1および1a〜1dに、本発明実施例1の重合条件をまとめる。
【0046】
樹脂Aの仕様(本発明のフィルム1および2のスキン層用組成物)
樹脂Aは、メルトインデックスの目標値が0.8dg/分であり、密度の目標値が0.912g/ccである。該樹脂Aは、第1反応器で拘束幾何触媒(constrained geometry catalyst)を使用し、第2反応器でチーグラー−ナッタ触媒を使用する二重反応器溶液方法(dual reactor solution process)で製造する。表3に、メルトインデックス、密度および樹脂Aを製造するために使用する2つの反応器のポリマー分割率(%)を示す。
【0047】
フィルム成形
Alpine7層ブローフィルムラインを使用して、それぞれ3層共押出しフィルムの総容量に対して約20容量%の厚さの単一層を含む2層のスキン層(それぞれ層1および7)と、3層共押出しフィルムの総容量に対して約60容量%の合計厚さの5層単層(層2〜6)で構成される1層のコア層とを含む3層共押出しフィルムを製造した。ブローフィルムラインは、一条ねじスクリュー(全50mm)を備える7個のグルーブ供給押出機(groove fed extruder)で構成される。全てのスクリューの長さ/直径(L/D)比は、30:1である。該ブローフィルムラインは、20:40:60:80:20メッシュのスクリーンパック配置(screen pack configuration)の、デュアルリップエアリング冷却システム(dual lip air ring cooling system)を持つ250mmダイを有し、内部バブル冷却システムを備える。押出機1および7は共押出しフィルムの両側にスキン層を供給し、押出機2、3、4、5および6は3層フィルムのコア層を供給する。全てのフィルムを4mil厚で製造する。
【0048】
押出しデータ−本発明のフィルム1
押出機1および7は、93.5重量%の樹脂A、5重量%の以下に記載する抗ブロックマスターバッチ、1.5重量%の分割マスターバッチおよび0.5重量%の加工助剤マスターバッチを含んでいた。押出機2から6は、98.5重量%の本発明のポリマー(本発明実施例1)、1重量%の分割マスターバッチおよび0.5重量%の加工助剤マスターバッチを含んでいた。成形条件を表8、8aおよび8bに示す。
【0049】
Ingenia Polymersから入手可能な加工助剤マスターバッチ、Ingenia AC−0101は、8重量%の加工助剤を含み、
【0050】
Amapcet Corpから入手可能な抗ブロックマスターバッチ、AMPACET10063は、20重量%の抗ブロック剤を含み、および
【0051】
Amapcet Corpから入手可能な分割マスターバッチ、AMPACET10090は、5重量%のスリップ剤を含む。
【0052】
押出しデータ−本発明のフィルム2
押出機1および7は、93.5重量%の樹脂A、5重量%の抗ブロックマスターバッチ、1.5重量%の分割マスターバッチおよび0.5重量%の加工助剤マスターバッチを含んでいた。押出機2から6は、98.5重量%の本発明のポリマー(本発明実施例1)、1重量%の分割マスターバッチおよび0.5重量%の加工助剤マスターバッチを含んでいた。成形条件を表9、9aおよび9bに示す。
【0053】
Ingenia Polymersから入手可能な加工助剤マスターバッチ、Ingenia AC−0101は、8重量%の加工助剤を含み、
【0054】
Amapcet Corpから入手可能な抗ブロックマスターバッチ、AMPACET10063は、20重量%の抗ブロック剤を含み、および
【0055】
Amapcet Corpから入手可能な分割マスターバッチ、AMPACET10090は、5重量%のスリップ剤を含む。
【0056】
押出しデータ−比較フィルム1
押出機1および7は、98.12重量%の、1.0のメルトインデックス、0.918g/cm
3の密度を有するメタロセンポリエチレン、1.38重量%の抗ブロックマスターバッチ、および0.5重量%の加工助剤マスターバッチを含んでいた。押出機2から6は、99.5重量%の0.5のメルトインデックス、約0.930g/ccの密度、7.5重量%のVAからの誘導単位(エチレン酢酸ビニルコポリマー中)、および0.5重量%の加工助剤マスターバッチを含んでいた。成形条件を表10、10aおよび10bに示す。
【0057】
Ingenia Polymersから入手可能な加工助剤マスターバッチ、Ingenia AC−0101は、8重量%の加工助剤を含み、
【0058】
Amapcet Corpから入手可能な抗ブロックマスターバッチ、AMPACET10063は、20重量%の抗ブロック剤を含み、および
【0059】
Amapcet Corpから入手可能な分割マスターバッチ、AMPACET10090は、5重量%のスリップ剤を含む。
【0060】
押出しデータ−比較2
押出機1および7は、98.12重量%の、1.0のメルトインデックス、0.918g/ccの密度のメタロセンポリエチレン、1.38重量%の抗ブロックマスターバッチ、および0.5重量%の加工助剤マスターバッチを含んでいた。押出機2から6は、99.5重量%の、0.5のメルトインデックス、約0.930g/ccの密度、7.5重量%のVA誘導単位(エチレン酢酸ビニルコポリマー中)、および0.5重量%の加工助剤マスターバッチを含んでいた。成形条件を表11、11aおよび11bに示す。
【0061】
Ingenia Polymersから入手可能な加工助剤マスターバッチ、Ingenia AC−0101は、8重量%の加工助剤を含み、
【0062】
Amapcet Corpから入手可能な抗ブロックマスターバッチ、AMPACET10063は、20重量%の抗ブロック剤を含み、および
【0063】
Amapcet Corpから入手可能な分割マスターバッチ、AMPACET10090は、5重量%のスリップ剤を含む。
【0064】
本発明のフィルム1および2、ならびに比較フィルム1および2の種々の特性を、以下に記載する試験方法に従って試験し、これらの特性を表12に示す。
【0065】
試験方法
密度
密度を測定するための試料は、ASTM D1928に従って製造する。ASTM D792、方法Bを使用してプレスし、1時間以内に試料を測定する。
【0066】
メルトインデックス
メルトインデックス、つまりI
2、は、190℃/2.16kgの条件で、ASTM D1238に従って測定し、10分当たりに溶出したグラム数で示す。I
10は、190℃/10kgの条件で、ASTM D1238に従って測定し、10分当たりに溶出したグラム数で示す。
【0067】
示差走査熱量測定(DSC)
TA InstrumentのDSC Q1000のベースライン較正は、ソフトウェア中の較正ウィザードを使用して行う。先ず、アルミニウム製DSCパンに試料を置かずに、セルを−80℃から280℃に加熱することによって、ベースラインを得る。その後、サファイア標準品をウィザードの指示に従って使用する。次いで、約1〜2mgの新しいインジウム試料を、180℃に加熱し、10℃/分の冷却速度で試料を120℃に冷却し、次いで120℃で1分間試料を同じ温度に維持し、それから10℃/分の加熱速度で120℃から180℃に試料を加熱することによって分析する。インジウム試料の融解熱および溶融開始を測定し、0.5℃〜156.6℃の範囲内で溶融が開始し、融解熱は0.5J/g〜28.71J/gの範囲内であることをチェックする。次いで、DSCパン中の1小滴の新しい試料を10℃/分の冷却速度で25℃から−30℃に冷却することによって、脱イオン水を分析する。試料を−30℃で2分間同じ温度に維持し、10℃/分の加熱速度で30℃まで加熱する。溶融開始を測定し、0℃から0.5℃の範囲内であることをチェックする。
【0068】
ポリマー試料を350°Fの温度で薄いフィルムにプレスする。約5〜8mgの試料を秤量し、DSCパン上に置く。蓋をパンにクリンプし、密閉雰囲気を確保する。試料パンをDSCセル中に置き、次いで約100℃/分の速い速度で、ポリマーの溶融温度より少なくとも30℃高い温度、または180℃まで加熱する。試料をこの温度で約5分間維持する。次いで、10℃/分の速度で結晶化温度より少なくとも50℃低い温度、または−40℃まで、試料を冷却し、この温度と同じ温度で5分間維持する。次いで、10℃/分の速度で溶融が完了するまで、試料を加熱する。得られたエンタルピー曲線を分析する。冷却曲線融解熱(J/g)を、結晶化の開始から−20℃まで積分することにより計算する。第2加熱曲線融解熱(J/g)を、−20℃から溶融の終了まで積分することにより計算する。さらに、
図25に示す降下の前後の面積(J/g)を読み取るために、X軸(温度軸)に対して垂直の線を115℃に置く。
【0069】
ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)
GPCシステムは、オンボード示差屈折計(RI)を備える、Waters(ミルフォード、マサチューセッツ)150C高温クロマトグラフ(別の適切な高温GPC装置として、Polymer Laboratories(シュロップシャー、英国)210型および220型が挙げられる)で構成される。追加の検出器として、Polymer ChAR(バレンシア、スペイン)のIR4赤外線検出器、Precision Detector(アムハースト、マサチューセッツ)2−アングルレーザー光散乱検出器2040型、およびViscotek(ヒューストン、テキサス)150R4−キャピラリ溶液粘度計(4-capillary solution viscometer)を挙げることができる。最後の2つの独立した検出器および最初の検出器の少なくとも1つを持つGPCは、「3D−GPC」と言われることもあり、一方、用語「GPC」単独では従来のGPCと言われる。試料により、15°アングルまたは90°アングルの光散乱検出器を、計算の目的のために使用する。データ収集は、Viscotek TriSECソフトウェア、バージョン3および4−チャンネルViscotek Data Manager DM400を使用して行う。また、システムは、Polymer Laboratories(シュロップシャー、英国)のオンライン溶剤脱ガス器も備える。適切な高温GPCカラムとして、例えば、4本の30cm長Shodex HT803 13ミクロンカラムまたは4本の20ミクロン混合−ポア−サイズパッキング(mixed-pore-size packing)の30cmのPolymer Labsカラム(MixA LS、Polymer Labs)も使用することができる。試料カルーセル区画は140℃で作動させ、カラム区画は150℃で作動させる。試料は、50ミリリットルの溶剤中0.1グラムのポリマー濃度で調製する。クロマトグラフ溶剤および試料調製溶剤は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む。両溶剤とも、窒素注入により攪拌する。ポリエチレン試料を160℃で4時間穏やかに攪拌する。注入容積は、200マイクロリットルである。流速は、GPC全体で1ml/分に設定する。
【0070】
GPCカラムセットは、実施例を行う前に、21の狭い分子量分布のポリスチレン標準品を走らせることによって較正する。該標準品の分子量(MW)は、1モル当たり580〜8,400,000グラムの範囲であり、該標準品に6個の「カクテル」混合物中に含有される。各標準混合物は、個々の分子量間で少なくとも10離れている。標準混合物は、Polymer Laboratories(シュロップシャー、英国)から購入する。ポリスチレン標準品は、1,000,000グラム/モル以上の分子量に関して50mLの溶剤中0.025g、および1,000,000グラム/モル未満の分子量に関して50mlの溶剤中0.05gで調製する。ポリスチレン標準品は、80℃で30分穏やかに攪拌することによって溶解した。先ず、狭い標準混合物を、高い分子量成分から低いほうへ順番に走らせ、劣化を最小限にする。ポリスチレン標準品のピーク分子量を、Mark−Houwink Kおよびポリスチレンおよびポリエチレンの以下に記載するa(αと言われる場合もある)値を使用して、ポリエチレンM
wに変換する。この手順の実証は、実施例の項を参照。
【0071】
3D−GPC絶対重量平均分子量(「M
w,Abs」)および固有粘度も、先に記載した条件と同じ条件を使用して、適切な狭いポリエチレン標準品から独立して得る。これらの狭い直鎖ポリエチレン標準品は、Polymer Laboratories(シュロップシャー、英国;Part No.PL2650−0101およびNo.PL2650−0102)から得てもよい。マルチ検出器オフセット(multi-detector offset)の測定用の系統的なアプローチは、Balke,Moureyらにより刊行された方法に一致した方法(Mourey and Balke,Chromatography Polym.第12章,(1992))(Balke,Thitiratsakul,Lew,Cheung,Mourey,Chromatography Polym.,第13章,(1992))で行い、Dow1683ブロードポリスチレン(Dow 1683 broad polystyrene)(American Polymer Standards Corp.;メンター,OH)またはその等価物から得たトリプル検出器ログ(triple detector log)(Mwおよび固有粘度)結果を、狭いポリスチレン標準品較正曲線から得た狭い標準カラム較正結果に適正化する。検出器容積オフセット測定を構成する分子量データは、Zimm(Zimm,B.H.,J.Chem.Phys.,16,1099(1948))およびKratochvil(Kratochvil,P.,Classical Light Scattering from Polymer Solutions,Elsevier,Oxford,NY(1987))により刊行された方法に一致する方法で得る。分子量の測定に使用される全注入濃度は、適切な直鎖ポリエチレンホモポリマー、またはポリエチレン標準品の1つから誘導される、質量検出器面積(mass detector area)および質量検出器定数から得る。計算分子量は、記載したポリエチレン標準品の1つ又はそれ以上から誘導される光散乱定数、および0.104の屈折率濃度係数dn/dcを使用して得る。一般的に、質量検出器応答および光散乱定数は、約50,000ダルトンを超える分子量を持つ線状標準から測定するべきである。粘度計較正は、製造者により記載された方法を使用して、または適切な線状標準の公開された値、例えばStandard Reference Materials(SRM)1475a、1482a、1483または1484aを使用して行うことができる。クロマトグラフ濃度は、第2ビリアル係数効果(2
nd viral coefficient effect)(分子量における濃度効果)の対策がいらないくらい低いと考えられる。
【0072】
3D−GPCによるg’
試料ポリマーの指数(g’)は、先ず、SRM1475aホモポリマーポリエチレン(または等価参照)を用いる、ゲル浸透クロマトグラフィ方法に記載された光散乱、粘度、および濃度検出器を較正することにより測定する。光散乱および粘度計検出器オフセットは、較正において記載したように、濃度検出器に対して測定する。ベースラインを光散乱、粘度計および濃度クロマトグラムから差し引き、次いで、屈折率クロマトグラムから検出可能なポリマーの存在を示す光散乱および粘度計クロマトグラムにおける低分子量保持容量範囲の全ての積分を確実にするように、積分ウィンドを設定する。直鎖ホモポリマーポリエチレンを使用して、広い分子量ポリエチレン参照、例えばSRM1475a標準品、を注入し、データファイルを計算し、それぞれ、光散乱検出器および粘度検出器から誘導される固有粘度(IV)および分子量(Mw)、ならびに各クロマトグラフスライス(chromatographic slice)のRI検出器質量定数から算出した濃度を記録することによって、Mark−Houwink(MH)線状参照ライン(reference line)を作る。試料の分析に関して、クロマトグラフスライスの手順を繰返し、試料のMark−Houwinkラインを得る。なお、いくつかの試料については、低分子量、固有粘度および分子量データは、測定した分子量および固有粘度が、直鎖ホモポリマーGPC較正曲線に漸近的に近づくように外挿する必要がある場合がある。この目的のために、多くの高度に分枝したエチレン系ポリマー試料は、長鎖分枝指数(g’)計算を行う前に、短鎖分枝の影響を変えるように、線状参照ラインを僅かにシフトさせることが必要である。
【0073】
g−プライム(g
i’)は、各分枝試料クロマトグラフスライス(i)に関し、分子量(M
i)を測定し、方程式7(
図3)により計算する。ここで、計算は、線状参照試料中の等価分子量M
jでのIV
linear reference,jを利用する。言い換えれば、試料IVスライス(i)および参照IVスライス(j)は、同じ分子量を有する(M
i=M
j)。簡単にするため、IV
linear reference,jスライスは、参照Mark−Houwink Plotの5次多項式フィットから計算する。IV比、g
i’は、光散乱データ中の信号雑音比限界のため、3,500を超える分子量でのみ得られる。各データスライス(i)での試料ポリマーの分枝の数(B
n)は、粘度遮蔽イプシロン因子(viscosity shielding epsilon factor)を0.75と仮定して、方程式8(
図4)を使用して算出することができる。
【0074】
最後に、全スライス(i)におけるポリマー中の1000個の炭素当たりの平均LCBf量は、方程式9(
図5)を使用して算出することができる。
【0075】
3D−GPCによるgpcBR分枝指数
3D−GPC構成では、ポリエチレンおよびポリスチレン標準品を使用して、2種類のポリマー、ポリスチレンおよびポリエチレン、のそれぞれについて、Mark−Houwink定数、Kおよびαを独立して測定することができる。以下の方法の適用において、WilliamsおよびWardポリエチレン等価分子量を精密にするために、これらを使用することができる。
【0076】
gpcBR分枝指数を、先に記載したように、先ず、光散乱、粘度および濃度検出器を較正することによって測定する。次いで、ベースラインを、光散乱、粘度計および濃度クロマトグラムから差し引く。次いで、屈折率クロマトグラムから検出可能なポリマーの存在を示す光散乱および粘度計クロマトグラムにおける低分子量保持容積範囲の全ての積分を確実にするように、積分ウィンドを設定する。次いで、直鎖ポリエチレン標準品を使用して、先に記載したように、ポリエチレンおよびポリスチレンMark−Houwink定数を出す。該定数を得ると、2つの値を使用して、方程式10および11(
図6および7)に示すように、溶出容積の関数として、ポリエチレン分子量およびポリエチレン固有粘度の2つの線状参照従来型較正(「cc」)を作る。
gpcBR分枝指数は、長鎖分枝の特徴付けのためのロバスト法である。Yau, Wallace W., 「Examples of Using 3D-GPC-TREF for Polyolefin Characterization」, Macromol. Symp., 2007, 257, 29-45を参照。該指数は、g’値の算出および分枝回数(branching frequency)計算で従来使用されるスライスごとの3D−GPC計算の手間を省き、代わりに全ポリマー検出器面積(whole polymer detector area)および面積ドット積(area dot product)を使う。3D−GPCデータから、ピーク面積法を使用して、光散乱(LS)検出器により、試料バルクM
wを得ることができる。該方法は、g’算出において求められるような、スライスごとに濃度検出器信号に対する光散乱検出器信号の比を出す手間が省かれる。
【0077】
方程式12(
図8)に示す面積計算は、全試料面積として、検出器の雑音およびベースラインおよび積分限界上のGPC設定により起こる変動に対して感受性がかなり低いので、より精度の高いものを提供する。ピーク面積計算では、検出器容積オフセットに影響を及ぼされないことがより重要である。同様に、高精度試料固有粘度(IV)が、方程式13(
図9)で示した面積法によって得られる。
ここで、DP
iは、オンライン粘度計から直接モニタリングされる差圧信号を表す。
【0078】
gpcBR分枝指数を算出するために、試料ポリマーの光散乱溶出面積を使用して、試料の分子量を算出する。試料ポリマーの粘度検出器溶出面積を使用して、試料の固有粘度(IVまたは[η])を算出する。
【0079】
先ず、直鎖ポリエチレン標準試料、例えばSRM1475aまたは等価物の分子量および固有粘度を、方程式14および15(
図10および11)に従って、溶出容積の関数として、分子量および固有粘度両方の従来の較正を使用して算出する。
方程式16(
図12)を使用して、gpcBR分枝指数を算出する。
ここで、該方程式中、[η]は測定固有粘度であり、[η]
ccは、従来の較正から得た固有粘度であり、M
wは、測定重量平均分子量であり、M
w、ccは、従来の較正の重量平均分子量である。方程式(12)、
図8、を使用する光散乱(LS)によるMwは、一般的に、絶対Mwと言われ、一方、従来のGPC分子量較正曲線を使用する方程式(14)、
図10、からのMw,ccは、ポリマー鎖Mwと言われることが多い。下付き文字「cc」の付いた全ての統計値は、これらの各溶出容積、先に記載した対応する従来の較正、および質量検出器応答から誘導した濃度(C
i)を用いて算出する。下付き文字が付いていない数値は、質量検出器、LALLSおよび粘度計面積に基づいた測定値である。K
PEの数値は、線状参照試料のgpcBR測定値がゼロになるまで反復して調整する。例えば、この特定の場合におけるgpcBRの算出のための最終値およびLogKは、それぞれ、ポリエチレンについては0.725および−3.355、ならびにポリスチレンについては0.722および−3.993である。
【0080】
K値およびα値が得られると、分枝試料を使用してこの手順を繰り返す。最良の「cc」較正値として最終Mark−Houwink定数を使用し、および方程式12〜16、
図8〜12を適用して、分枝試料を分析する。
gpcBRの解釈は単純である。直鎖ポリマー類については、方程式16、
図12から計算したgpcBRは、LSおよび粘度法により測定した値が、従来較正標準に近いので、ゼロに近くなる。分枝ポリマー類については、測定ポリマーM
wは計算M
W,ccより大きく、計算IV
ccは測定ポリマーIVより大きくなるので、gpcBRは、特に高レベルのLCBの場合、ゼロを超えるようになる。事実、ポリマー分枝の結果としての分子サイズ収縮作用のため、gpcBR値は、分数IV変化(fractional IV change)を示す。0.5または2.0のgpcBR値は、等量の直鎖ポリマー分子に対し、それぞれ50%および200%のレベルでのIVの分子サイズ収縮作用を意味するだろう。
【0081】
これら特定の実施例で、g’指数および分枝回数計算との比較においてgpcBRを使用する利点は、gpcBRのより高い精度に起因する。gpcBR指数算出で使用される全てのパラメータは、良好な精度で得られ、濃度検出器からの高分子量での低3D−GPC検出器応答により、有害な影響を受けない。また、検出器容積アラインメントにおける誤差も、gpcBR指数算出の精度には影響を及ぼさない。別の特定のケースでは、M
wモーメントを算出する別の方法が、先に記載した技術より好ましいかもしれない。
【0082】
CEF法
コモノマー分布分析は、結晶化溶出分別(CEF)(PolymerChar、スペイン)(B.Monrabalら,Macromol.Symp.257,71−79(2007))により行う。600ppmの抗酸化剤ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含むオルソ−ジクロロベンゼン(ODCB)を溶剤として使用する。試料調製は、オートサンプラーを用い、4mg/ml(別の記載がない限り)で振盪下、160℃で2時間行う。注入容積は300μlである。CEFの温度プロファイルは、3℃/分、110℃〜30℃で結晶化、30℃で5分間熱平衡、3℃/分で30℃〜140℃溶出である。結晶化の間の流速は0.052ml/分である。溶出中の流速は0.50ml/分である。データは、1データポイント/秒で収集する。
【0083】
CEFカラムは、Dow Chemical Companyにより、125um±6%(MO−SCI Specialty Products)のガラスビーズが詰められ、1/8インチのステンレスチューブを使用する。ガラスビーズは、Dow Chemical Companyの要望により、MO−SCI Specialtyにより酸洗浄されている。カラム容積は2.06mlである。カラム温度較正は、ODCB中のNIST Standard Reference Material直鎖ポリエチレン1475a(1.0mg/ml)およびエイコサン(2mg/ml)の混合物を使用して行う。温度は、NIST直鎖ポリエチレン1475aが101.0℃でピーク温度を有し、エイコサンが30.0℃のピーク温度を持つように、溶出加熱速度を調整することによって較正する。CEFカラム分解能を、NIST直鎖ポリエチレン1475a(1.0mg/ml)およびヘキサコンタン(Fluka,purum,≧97.0%,1mg/ml)の混合物で計算する。ヘキサコンタンおよびNISTポリエチレン1475aのベースライン分離を行う。NIST1475a(67.0〜110.0℃)の面積に対するヘキサコンタン(35.0〜67.0℃)の面積は50対50であり、35.0℃未満の溶解分画は<1.8重量%である。CEFカラム分解能を、
図13(図中、カラム分解能は6.0である)に定義する。
【0084】
CDC法
コモノマー分布定数(CDC)を、CEFによるコモノマー分布プロファイルから計算する。CDCを、コモノマー分布指数をコモノマー分布形状因子で割り、100を掛けたもの(方程式1、
図1)として定義する。
コモノマー分布指数は、35.0〜119.0℃でのコモノマー含有量中央値(C
median)が0.5からC
medianが1.5までの範囲のコモノマー含有量を有するポリマー鎖の総重量分画を表す。コモノマー分布形状因子は、コモノマー分布プロファイルの半値幅をピーク温度(Tp)からのコモノマー分布プロファイルの標準偏差で割った比として定義する。
【0085】
CDCは、CEFによるコモノマー分布プロファイルから計算され、CDCは、方程式1、
図1に示すように、コモノマー分布指数をコモノマー分布形状因子で割り、100を掛けたものとして定義される。ここで、コモノマー分布指数は、35.0〜119.0℃でのコモノマー含有量中央値(C
median)が0.5から、C
medianが1.5までの範囲のコモノマー含有量を有するポリマー鎖の総重量分画を表し、コモノマー分布形状因子は、コモノマー分布プロファイルの半値幅をピーク温度(Tp)からのコモノマー分布プロファイルの標準偏差で割った比として定義される。
【0086】
CDCは、以下のステップに従って計算される。
(A)方程式2、
図14、に従い、0.200℃で温度を段階的上昇させ、35.0℃〜119.0℃の各温度(T)(w
T(T))での重量分画を、CEFにより得る。
(B)(方程式3、
図15)に従い、0.500の累積重量分画で温度中央値(T
median)を計算する。
(C)(方程式4、
図16)に従い、コモノマー含有量較正曲線を使用して、温度中央値(T
median)での対応コモノマー含有量中央値を(C
median)単位モル%で計算する。
(D)既知の量のコモノマー含有量を持つ一連の参照材料を使用して、コモノマー含有量較正曲線を作成する。すなわち、狭いコモノマー分布(35.0〜119.0℃のCEFにおけるモノ−モデルコモノマー分布)を持ち、重量平均Mwが35,000〜115,000(従来のGPCで測定)の11個の参照材料を、0.0モル%〜7.0モル%の範囲のコモノマー含有量で、CEF実験の項で特定した実験条件と同じ条件で、CEFを用いて分析する。
(E)各参照材料およびそのコモノマー含有量のピーク温度(Tp)を使用して、コモノマー含有量較正を計算する。該較正は、
図4で示される方程式4で示すように、各参照材料から計算する。ここで、R
2は、相関定数である。
(F)コモノマー含有量が0.5
*C
median〜1.5
*C
medianの範囲のコモノマー含有量を持つ総重量分画から、コモノマー分布指数を計算する。T
medianが98.0℃を超える場合、コモノマー分布指数は0.95と定義する。
(G)CEFコモノマー分布形状から、最高ピークの各データポイントを、35.0℃〜119.0℃(2つのピークが同じ場合、低いほうの温度ピークを選択する)から探すことによって、最大ピーク高さを得る。半値幅は、最大ピーク高さの半分でのフロント温度とリア温度との間の温度差として定義する。ピーク温度の差が各ピークの半値幅の合計の1.1倍以上である明確に定義された2モード分布の場合、最大ピークの半分でのフロント温度は35.0℃から前方を探し、最大ピークの半分でのリア温度は、119.0℃から後方を探す。本発明のエチレン系ポリマー組成物の半値幅を、各ピークの半値幅の算術平均として計算する。
(H)方程式5、
図17、に従い、温度の標準偏差(Stdev)を計算する。
コモノマー分布形状の一例を
図23に示す。
【0087】
従来のGPCM
w−gpc測定
M
w−gpc値を得るためのクロマトグラフシステムは、屈折率(RI)濃度検出器を備える、Polymer Laboratories PL−210型、またはPolymer Laboratories PL−220型で構成される。カラム区画およびカルーセル区画は、140℃で作動させる。3本のPolymer Laboratoriesの10−μm Mixed−Bカラムを1,2,4−トリクロロベンゼンの溶剤で使用する。試料を、50mLの溶剤中、0.1gのポリマー濃度で調製する。試料調製のために使用する溶剤は、200ppmの抗酸化剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む。試料を、160℃で4時間軽く攪拌することにより調製する。使用注入容積は100マイクロリッターであり、流速は1.0mL/分である。GPCカラムセットの較正は、Polymer Laboratoriesから購入した21種類の狭い分子量分布のポリスチレン標準品で行う。ポリスチレン標準品ピーク分子量を、
図18(図中、Mは分子量であり、Aは0.4316の値であり、Bは1.0と同じである)で示される、ポリエチレン分子量に変換する。
【0088】
3次多項式を算出して、溶出容積の関数として対数分子量較正を作る。前記従来の較正による重量平均分子量を、
図10で示される方程式14の方程式中のMwccとして定義する。ここで、総和がGPC溶出曲線を横切る場合、RIおよびM
ccは、各GPC溶出スライスでのRI検出器信号および従来の較正分子量を表す。ポリエチレン等量分子量計算は、Viscotek TriSECソフトウェア、バージョン3.0を使用して行う。重量平均分子量ΔMwの精度は<2.6%で優れている。
【0089】
1H NMR法
3.26gの原液を10mmのNMRチューブ中の0.133gのポリオレフィン試料に加える。原液は、0.001MのCr
3+を有するテトラクロロエタン−d
2(TCE)とパークロロエチレン(50:50、w:w)との混合物である。チューブ中の溶液をN
2で5分間パージし、酸素量を減らす。キャップをした試料チューブを室温で一晩放置し、ポリマー試料を膨潤させる。試料を110℃で振盪により溶解する。試料は不飽和に影響する可能性のある添加剤、例えばエルカミドのようなスリップ剤は含まない。
【0090】
1H NMRを、120℃で10mmのクライオプローブ、Bruker AVANCE400MHz分光計を用い走らせる。パルスシーケンスを以下の表に示す。
【0091】
コントロール実験およびダブル予備飽和実験(double presaturation experiment)の2種類の実験を行い、不飽和を得る。
【0092】
コントロール実験について、データをLB=1Hzを持つ指数ウィンド関数で加工し、ベースラインを7から−2ppmに補正した。TCEの残留
1Hからの信号を100に設定し、−0.5〜3ppmの積分I
totalを、コントロール実験における全ポリマーからの信号として使用する。ポリマー中のCH
2基、NCH
2の数を
図19で示すように計算する。
【0093】
ダブル予備飽和実験について、データをLB=1Hzを持つ指数ウィンド関数で加工し、ベースラインを6.6から4.5ppmに補正した。TCEの残留
1Hからの信号を100に設定し、不飽和(I
vinylene,I
trisubstituted,I
vinylおよびI
vinylidene)に関して対応する積分を、下の
図2に示す領域に基づいて積分した。ビニレン、三置換、ビニルおよびビニリデンの不飽和単位の数を計算する。
N
vinylene=I
vinylene/2
N
trisubstituted=I
trisubstituted
N
vinyl=I
vinyl/2
N
vinylidene=I
vinylidene/2
【0094】
不飽和単位/1,000,000個の炭素を以下のように計算する。
N
vinylene/1,000,000C=(N
vinylene/NCH
2)*1,000,000
N
trisubstituted/1,000,000C=(N
trisubstituted/NCH
2)*1,000,000
N
vinyl/1,000,000C=(N
vinyl/NCH
2)*1,000,000
N
vinylidene/1,000,000C=(N
vinylidene/NCH
2)*1,000,000
【0095】
不飽和NMR分析に要求されるのは、以下のことである。定量化のレベルは、3.9重量%の試料(Vd2構造用、Macromolecules,vol.38,6988,2005参照)、10mmの高温クライオプローブで、200スキャン(1時間未満のデータ取得、コントロール実験を行う時間を含む)で、Vd2に関し、0.47±0.02/1,000,000個の炭素である。定量化のレベルは、10の雑音に対する信号の比として定義される。
【0096】
ケミカルシフト参照は、TCT−d2からの残留プロトンからの
1H信号を6.0ppmに設定する。コントロールは、ZGパルス、TD32768、NS4、DS12、SWH10,000Hz、AQ1.64s、Dl 14sで行われる。ダブル予備飽和実験は、変換パルスシーケンス、O1P1.354ppm、O2P0.960ppm、PL9 57db、PL21 70db、TD32768、NS200、DS4、SWH10,000Hz、AQ1.64s、D1 1s、D13 13sで行われる。Bruker AVANCE400MHz分光計による不飽和の変換パルスシーケンスを、
図21に示す。
【0097】
ゲル含有量
ゲル含有量は、キシレン中でASTM D2765−01方法Aに従って測定する。試料は、レーザーブレードを使用して必要サイズに切断する。
【0098】
フィルム試験条件
以下の物性を製造したフィルムで測定する。
・45°光沢:ASTM D−2457
・縦方向および横方向エルメンドルフ引裂き強さ:ASTM D−1922
・縦方向および横方向引張強さ:ASTM D−882
・落槍衝撃強さ:ASTM D−1709
・ストレッチフーダー100/75試験:
100mm×25mmの寸法および所定の厚さのフィルム試料を、ストレッチフーダー100/75試験に使用した。フィルム試料を、Instron5581機械的試験システムを使用して、1000mm/分の速度で100%伸びるまで引き伸ばした。100%伸びを達成した時点で、フィルム試料をこの位置で15秒保持し、次いで1000mm/分の速度で75%伸びまで戻した。この伸びで5分間待った後、試料上の負荷を測定し、保持力として記録した。その後、Instronグリップを伸び0まで戻し、フィルム試料を取り外した。周囲条件で24時間待った後、フィルムの最終長さを測定し、永久歪率を以下の方程式を使用して計算した。
永久歪率(%)=(最終長さ−初期長さ)/(初期長さ)×100
弾性回復率は、以下のように計算した。
弾性回復率=100−永久歪率
5枚の試験片を各試料用に使用し、保持力、永久歪および弾性回復率の平均値を示す。
・ストレッチフーダー60/40試験
この試験は、最初にフィルム試料を1000mm/分の速度で60%伸びまで引き伸ばし、15秒間保持し、次いで同じ速度で40%伸びまで戻すことを除いて、ストレッチフーダー100/75試験に非常に類似する。40%伸びで5分間待った後、保持力を測定した。永久歪率および弾性回復率を測定する手順は、ストレッチフーダー100/75試験方法と全く同じである。
【0099】
全ての出願、公報、特許、試験手順および優先権書類を含む別の引用文献は、このような開示が開示された組成物および方法と矛盾しない範囲で、参照により完全に本明細書に組み込まれ、このような組み込みが認められる全ての法域において組み込まれる。
【0100】
本発明は、本発明の精神および本質的特性を逸脱しない限り、別の形態で具体化してもよく、したがって、本発明の範囲を示すので、先に記載した明細書より添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1] 少なくとも1層の内層と2層の外層とを含む、厚さが少なくとも3milの多層フィルムであって、前記内層は、メルトインデックスが2グラム/10分未満、密度が0.910g/cm3以下、総融解熱が120ジュール/グラム未満、および115℃を超える融解熱が5ジュール/グラム未満の少なくとも50重量%のポリエチレンコポリマーを含み、前記内層の総融解熱は、前記2層の外層のどちらかの融解熱未満であり、および100%伸びまで引き伸ばした場合、弾性回復率が少なくとも40%である多層フィルム。
[2] 前記外層が全フィルムの50重量%未満である、上記[1]に記載の多層フィルム。
[3] 前記3層を有し、ブローフィルム法によって製造される、上記[1]に記載の多層フィルム。
[4] 上記[1]、[2]または[3]に記載のフィルムから形成されるストレッチフードフィルム構造体。
[5] 前記内層のポリエチレンコポリマーのMw/Mnが少なくとも2.5である、上記[1]に記載の多層フィルム。
[6] 前記内層のポリエチレンコポリマーは、コモノマー分布定数が、約45を超え400までであることを特徴とし、前記ポリエチレンコポリマーの総不飽和単位/1,000,000Cが120未満である、上記[1]に記載の多層フィルム。
[7] 前記内層のポリエチレンコポリマーの長鎖分枝/1000個の炭素が、約3までであることを特徴とする、上記[1]に記載の多層フィルム。
[8] 前記内層のポリエチレンコポリマーが、さらに、20個未満のビニリデン不飽和単位/1,000,000Cを含むことを特徴とする、上記[6]に記載の多層フィルム。
[9] 前記内層のポリエチレンコポリマーが、単一DSC溶融ピークを含む、上記[1]に記載の多層フィルム。
【0101】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】