特許第5824788号(P5824788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5824788
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】導光板の製造方法及び導光板
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20151112BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20151112BHJP
【FI】
   F21S2/00 433
   F21S2/00 434
   F21S2/00 439
   F21S2/00 435
   F21Y101:02
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-144615(P2010-144615)
(22)【出願日】2010年6月25日
(65)【公開番号】特開2012-9300(P2012-9300A)
(43)【公開日】2012年1月12日
【審査請求日】2013年4月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116665
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 和昭
(74)【代理人】
【識別番号】100164633
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 敏明
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 将行
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】小松 朗
(72)【発明者】
【氏名】武田 高司
(72)【発明者】
【氏名】返町 秀光
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−241759(JP,A)
【文献】 特表2003−520984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して平行な2面を有する導光板用の樹脂基材の一部として、前記2面のうちの一方の面に第1の平坦面と第2の平坦面とを有するV字形状の溝が複数連なる鋸歯状部を形成する溝形成工程と、
前記溝形成工程において形成された前記鋸歯状部のうち前記第1及び第2の平坦面の少なくとも一方に反射材を蒸着法で成膜することにより、導光板内部で全反射させて導いた光を外部へ取り出すとともに、観察者に外界象を観察させるための反射面を形成する反射面形成工程と、
前記樹脂基材と同一の屈折率の塗布樹脂材料により、前記反射面形成工程で形成された前記反射面を埋め、前記2面のうちの他方の面と対向して平行な表面を形成し、前記他方の面と前記一方の面及び前記他方の面と対向して平行な表面のいずれか一方の面とによって内部に入射した光を全反射させて導光する導光部と画像取出部とが一体化された構造体を形成する反射面埋込工程と、
を有する導光板の製造方法。
【請求項2】
前記反射面形成工程において、前記反射材を所定角度で斜方蒸着させることにより、前記反射面として、前記第1の平坦面に対応する第1の反射面部分と、前記第2の平坦面に対応する第2の反射面部分とを形成する、請求項1に記載の導光板の製造方法。
【請求項3】
前記反射面形成工程において、前記第1の反射面部分と前記第2の反射面部分とを異なる膜厚で成膜する、請求項2に記載の導光板の製造方法。
【請求項4】
前記溝形成工程は、前記樹脂基材から前記第1及び第2の平坦面を切り出すための切削工程を含む、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項5】
前記溝形成工程において、押付け型により前記樹脂基材の表面に前記鋸歯状部を形成する、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項6】
前記溝形成工程において、射出成形型により前記鋸歯状部を含む透光性樹脂部材を形成する、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項7】
前記鋸歯状部を形成するための前記押付け型又は前記射出成形型は、結晶材料の異方性エッチングにより形成される、請求項5及び請求項6のいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項8】
前記鋸歯状部を形成するための前記押付け型又は前記射出成形型は、単結晶シリコンを加工することによって得た型表面を有する、請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項9】
前記塗布樹脂材料は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂及び熱重合性樹脂のいずれかである、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項10】
前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とのなす角は、54.7°である、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項11】
前記反射面埋込工程において形成された前記樹脂基材と、前記反射面と、前記塗布樹脂材料とで構成される構造体に、画像光を内部に取り込むための光入射部を形成する光入射部形成工程をさらに有する、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項12】
対向して平行な2面と、前記2面のうちの一方の面に形成された第1の平坦面と第2の平坦面とを有するV字形状の溝が複数連なる鋸歯状部と、を有する樹脂基材と、
前記鋸歯状部の前記第1の平坦面上と第2の平坦面上とに対応して、第1の反射面部分と第2の反射面部分とを有する反射部と、
前記樹脂基材と同一の屈折率の塗布樹脂材料で構成され、前記2面のうちの他方の面と対向して平行な表面を有し、前記樹脂基材とともに前記反射部を挟持して保護する保護層と、
を備え、
前記第1の反射面部分及び前記第2の反射面部分の少なくとも一方は、導光板内部で全反射させて導いた光を外部へ取り出すとともに、観察者に外界象を観察させるための反射膜であり、
前記他方の面と、前記一方の面及び前記他方の面と対向して平行な表面のいずれか一方の面とにより、内部に入射した光を全反射させて導光する導光部を有する導光板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイ等に用いられる導光板の製造方法及び導光板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘッドマウントディスプレイのように虚像の形成及び観察を可能にする虚像表示装置として、導光板によって表示素子からの映像光を観察者の瞳に導くタイプのものが種々提案されている。このような虚像表示装置用の導光板として、全反射を利用して映像光を導くとともに、導光板の主面に対して所定角度をなして互いに平行に配置される複数の部分反射面にて映像光を反射させ導光板から取り出すことによって、映像光を観察者の網膜に到達させるものが知られている(特許文献1参照)。このような導光板の複数の部分反射面を形成する方法として、細かいプリズムを多数作製してそれぞれに部分反射面となる光学的なコーティングを形成し配列後に接着する方法や、光学的なコーティングが施された平坦なプレートを多数重ね合わせて接着した後に所定角度で切り出す方法、あるいは2つの櫛歯状の透明基板を準備し、透明基板のうちの一方の斜面にコーティングを施した後に、2つの透明基板の斜面を重ね合わせる方法等が考えられている(同上図32〜35参照)。また、同様の技術として、映像光を取り出すために、鋸歯状の部分に反射層を形成するものも知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−536102号公報
【特許文献2】特開2004−157520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2のいずれの導光部材の場合にも、映像光を取り出すための複数の反射部分は、反射面の反射角度や表面状態等を良好に保ったものである必要がある。しかしながら、上記特許文献1に示される反射部分の製造方法では、反射角度が一定にならなかったり反射面と透明基板との間に隙間ができたりする傾向が生じやすく、反射状態を良好にすることが容易でなく、反射状態を良好にしようとすると製造コストを抑えることが容易でなくなる。なお、上記文献2には、真空チャンバーを用いることで鋸歯状の部分に反射層を設ける等の記載があるが、製造方法についての詳しい開示はない。
【0005】
そこで、本発明は、導光板中の複数の反射面を比較的簡易に良好な反射状態で形成できる導光板の製造方法及び導光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る導光板の製造方法は、(a)対向して平行な2面を有する導光板用の樹脂基材の一部として、2面のうちの一方の面に第1の平坦面と第2の平坦面とを有するV字形状の溝が複数連なる鋸歯状部を形成する溝形成工程と、(b)溝形成工程において形成された鋸歯状部のうち第1及び第2の平坦面の少なくとも一方に反射材を蒸着法で成膜することにより、導光板内部で全反射させて導いた光を外部へ取り出すとともに、観察者に外界象を観察させるための反射面を形成する反射面形成工程と、(c)樹脂基材と同一の屈折率の塗布樹脂材料により、反射面形成工程で形成された反射面を埋め、2面のうちの他方の面と対向して平行な表面を形成し、他方の面と一方の面及び他方の面と対向して平行な表面のいずれか一方の面とによって内部に入射した光を全反射させて導光する導光部と画像取出部とが一体化された構造体を形成する反射面埋込工程と、を有する。ここで、上記蒸着法には、PVD(物理蒸着法)に限らず、CVD(化学蒸着法)が含まれる。また、同一の屈折率の樹脂とは、屈折率が全く同じものだけでなく、例えば屈折率差が0.01以内のように略同一の屈折率のものも含まれる。
【0007】
上記導光板の製造方法によれば、対向して平行な2面と、2面のうちの一方の面に形成された鋸歯状の溝と、を有する樹脂基材を予め準備し、反射面形成工程において、当該鋸歯状の溝の適所に反射材を成膜して反射面を形成するので、樹脂基材の溝表面に安定して密着するように所望の光反射率となる反射面を形成でき、乱れの少ない画像光を導光板の外側に効率的に取り出すとともに、観察者に外界象を観察させることができる。また、反射面埋込工程において、当該反射面を樹脂基材と同一の屈折率を有する塗布樹脂材料で埋め込み、2面のうちの他方の面と対向して平行な表面を形成し、他方の面と一方の面及び他方の面と対向して平行な表面のいずれか一方の面とによって内部に入射した光を全反射させて導光する導光部と画像取出部とが一体化された構造体を形成することによって、当該反射面を適切に保護でき、溝による凹凸を平滑化することができる。以上により、導光板中の複数の反射面を比較的簡易に良好な反射状態で形成でき、シースルータイプとして外界像を歪めることなく観察できるものにできる。

【0008】
本発明の具体的な側面では、反射面形成工程において、反射材を所定角度で斜方蒸着させることにより、反射面として、第1の平坦面に対応する第1の反射面部分と、第2の平坦面に対応する第2の反射面部分とを形成する。この場合、作製された導光板は、第1の反射面部分と第2の反射面部分とによる2段階の反射によって画像光の取り出しが可能となる。
【0009】
本発明のさらに別の側面では、反射面形成工程において、第1の反射面部分と第2の反射面部分とを異なる膜厚で成膜する。この場合、導光板の用途に適合させて、第1の反射面部分と第2の反射面部分とで光反射率を異なるものとすることができる。
【0010】
本発明のさらに別の側面では、溝形成工程が、樹脂基材から第1及び第2の平坦面を切り出すための切削工程を含む。この場合、切削工程において、第1の平坦面の傾き角度と第2の平坦面の傾き角度とを調整することや、各面の表面状態を所望のものとすることができる。
【0011】
本発明のさらに別の側面では、溝形成工程において、押付け型により樹脂基材の表面に鋸歯状部を形成する。この場合、一括加工を可能にする型の押付けにより所望の状態の第1及び第2の平坦面を比較的簡易かつ迅速に作製できる。
【0012】
本発明のさらに別の側面では、溝形成工程において、射出成形型により鋸歯状部を含む透光性樹脂部材を形成する。この場合、一括成形を可能にする射出成形により所望の状態の第1及び第2の平坦面を比較的簡易かつ迅速に作製できる。
【0013】
本発明のさらに別の側面では、鋸歯状部を形成するための押付け型又は射出成形型が、結晶材料の異方性エッチングにより形成される。この場合、鋸歯状部を形成するための押付け型又は射出成形型の型表面を、比較的簡易に、第1の平坦面と第2の平坦面とのなす角を正確にし、かつ、第1及び第2の平坦面の平坦性を高め得る形状に設定できる。
【0014】
本発明のさらに別の側面では、鋸歯状部を形成するための押付け型又は射出成形型が、単結晶シリコンを加工することによって得た型表面を有する。この場合、半導体技術の応用によって簡易に精密な型を作製することができ、また、第1の平坦面と第2の平坦面とのなす角を最適なものとすることが可能となる。
【0015】
本発明のさらに別の側面では、樹脂材料が、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂及び熱重合性樹脂のいずれかである。この場合、反射面埋込工程において、反射面を埋めた樹脂材料を紫外線照射や熱処理により、確実に硬化させることが可能となる。また、樹脂材料を比較的容易に比較的高屈折率で良好な光学特性を有するものとすることができる。また、透明性の樹脂材料で平坦化することで、容易にシースルー対応の導光板を作製することができる。
【0016】
本発明のさらに別の側面では、第1の平坦面と前記第2の平坦面とのなす角が、54.7°である。この場合、導光板から虚像光として取り出される画像光の輝度ムラを最小化することができる。
【0017】
本発明のさらに別の側面では、導光板の製造方法が、反射面埋込工程において形成された樹脂基材と、反射面と、樹脂材料とで構成される構造体に、画像光を内部に取り込むための光入射部を形成する光入射部形成工程をさらに有する。これにより、導光板の光入射部を追加的に形成することができる。
【0018】
上記課題を解決するため、本発明に係る導光板は、(a)第1の平坦面と第2の平坦面とを有するV字形状の溝が複数連なる鋸歯状部を有する樹脂基材と、(b)鋸歯状部の第1の平坦面上と第2の平坦面上とに対応して、第1の反射面部分と第2の反射面部分とを有する反射部と、(c)樹脂基材と同一の屈折率の樹脂材料で構成され、樹脂基材とともに反射部を挟持して保護する保護層と、を備える。
【0019】
上記導光板によれば、樹脂基材によって一対の反射面部分で構成される複数の反射ユニットを備える反射部を支持しつつ、樹脂基材と保護層とにより反射部を挟持するように反射面を適切に保護できる。つまり、良好な反射状態の複数の反射ユニットを有する反射部によって、乱れの少ない画像光を導光板の外側に効率的に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】(A)は、虚像表示装置を示す断面図であり、(B)及び(C)は、導光板の正面図及び平面図である。
図2】(A)〜(C)は、画像取出部の構造及び画像取出部における画像光の光路について説明するための模式的な図である。
図3】(A)は、再生像の輝度状態の確認位置を示す図であり、(B)〜(F)は、確認位置での輝度状態と第1及び第2の反射面のなす角度との関係を示すグラフである。
図4】導光板の作製工程について説明するためのフローチャート図である。
図5】(A)は、第1実施形態に係る導光板の製造工程のうち、溝形成工程について説明するための概念図であり、(B)は、反射面形成工程の概念図であり、(C)は、塗布工程の概念図であり、(D)は、加圧工程及び紫外光照射工程の概念図であり、(E)は、離型工程の概念図であり、(F)は、光入射部形成工程の概念図である。
図6】第1及び第2の反射面の成膜状態について説明するための拡大図である。
図7】(A)は、第2実施形態に係る導光板の製造工程のうち載置工程及び配置工程について説明するための概念図であり、(B)は、押付工程の概念図であり、(C)は、溝形成工程後の概念図であり、(D)は、押付け型について説明するための図である。
図8】第3実施形態に係る導光板の製造工程について説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る導光板の製造方法について説明するための前提として、導光板及びこれを組み込んだ虚像表示装置について説明する。
【0022】
〔A.導光板及び虚像表示装置の構造〕
図1(A)に示す虚像表示装置100は、ヘッドオンディスプレイに適用されるものであり、画像形成装置10と、導光板20とを一組として備える。なお、図1(A)は、図1(B)に示す導光板20のA−A断面と対応する。
【0023】
虚像表示装置100は、観察者に虚像による画像光を認識させるとともに、観察者に外界像をシースルーで観察させるものである。虚像表示装置100において、画像形成装置10と導光板20とは、通常観察者の右眼および左眼に対応して一組ずつ設けられるが、右眼用と左眼用とでは左右対称であるので、ここでは右眼用のみを示し、左眼用については図示を省略している。なお、虚像表示装置100は、全体としては、例えば一般の眼鏡のような外観(不図示)を有するものとなっている。
【0024】
画像形成装置10は、画像表示素子である液晶デバイス11と、光束形成用のコリメートレンズ12とを備える。液晶デバイス11は、光源(不図示)からの照明光を空間的に変調して、動画像等の表示対象となるべき画像光を形成する。コリメートレンズ12は、液晶デバイス11上の各点から射出された画像光を平行状態の光束にする。なお、コリメートレンズ12のレンズ材料は、ガラスやプラスチックのいずれとすることもできる。
【0025】
図1(A)〜1(C)に示すように、導光板20は、導光板本体部20aと、入射光折曲部21と、画像取出部23とを備える。導光板20は、画像形成装置10で形成された画像光を虚像光として観察者の眼EYに向けて射出し、画像として認識させるものである。
【0026】
導光板20の全体的な外観は、図中YZ面に平行に延びる平板である導光板本体部20aによって形成されている。また、導光板20は、長手方向の一端に導光板本体部20aに埋め込まれた多数の微小ミラーによって構成される画像取出部23を有し、長手方向の他端に導光板本体部20aを拡張するように設けられる入射光折曲部21を有する構造となっている。
【0027】
導光板本体部20aは、光透過性の樹脂材料等により形成され、YZ面に平行で画像形成装置10に対向する表側の平面上に、画像形成装置10からの画像光を取り込む光入射部である光入射面ISと、画像光を観察者の眼EYに向けて射出させる光射出部である光射出面OSとを有している。導光板本体部20aは、光入射面ISの裏側に設けられて光入射面ISに対して傾斜する矩形の斜面RSを有し、当該斜面RS上には、これを被覆するようにミラー層21aが形成されている。ここで、ミラー層21aは、斜面RSと協働することにより、入射光折曲部21として機能する。また、導光板本体部20aにおいて、光射出面OSの裏側の平面に沿って微細構造である画像取出部23が形成されている。
【0028】
導光板本体部20aの光入射面ISに対向して配置される入射光折曲部21は、導光板本体部20aの上記斜面RS上にアルミ蒸着等の成膜を施すことにより形成され、入射光を反射し光路を略直交方向に近い所定方向に折り曲げるための反射面として機能する。つまり、入射光折曲部21は、光入射面ISから入射し全体として−X方向に向かう画像光を、全体として+Z方向に向かわせるように折り曲げることで、画像光を導光板本体部20a内に確実に結合させる。
【0029】
また、導光板本体部20aは、入口側の入射光折曲部21から奥側の画像取出部23にかけて、入射光折曲部21を介して内部に入射させた画像光を画像取出部23に導くための導光部22を有している。
【0030】
導光部22は、平板状の導光板本体部20aの主面であり互いに対向しYZ面に対して平行に延びる2平面として、入射光折曲部21で折り曲げられた画像光をそれぞれ全反射させる第1の全反射面22aと第2の全反射面22bとを有している。ここでは、第1の全反射面22aが画像形成装置10から遠い裏側にあるものとし、第2の全反射面22bが画像形成装置10に近い表側にあるものとする。この場合、第2の全反射面22bは、光入射面IS及び光射出面OSと共通の面部分となっている。入射折曲部21で反射された画像光は、まず、第2の全反射面22bに入射し、全反射される。次に、当該画像光は、第1の全反射面22aに入射し、全反射される。以下この動作が繰り返されることで、画像光は、導光板20の奥側即ち画像取出部23を設けた+Z側に導かれる。
【0031】
導光板本体部20aの光射出面OSに対向して配置される画像取出部23は、導光部22の奥側(+Z側)において、第1の全反射面22aの延長平面に沿ってこの延長平面に近接して形成されている。画像取出部23は、導光部22の第1及び第2の全反射面22a,22bを経て入射してきた画像光を、所定角度で反射して光射出面OS側へ折り曲げる。ここでは、画像取出部23に最初に入射する画像光が虚像光としての取出し対象であるものとする。画像取出部23の詳しい構造については、図2(A)等により後述する。
【0032】
なお、導光板本体部20aは、導光板20の外形のうち+Z側の端面を画成する側面として終端面ESを有する。また、導光板本体部20aは、±Y側の端面を画成する上面及び底面として上端面TPと下端面BPとをそれぞれ有している。
【0033】
また、導光板本体部20aに用いる透明樹脂材料の屈折率nは、1.5以上の高屈折率材料であるものとする。導光板20に比較的屈折率の高い透明樹脂材料を用いることで、導光板20内部で画像光を導光させやすくなり、かつ、導光板20内部での画像光の画角を比較的小さくすることができる。
【0034】
導光板20が以上のような構造を有することから、画像形成装置10から射出され光入射面ISから導光板20に入射した画像光は、入射光折曲部21で一様に反射されて折り曲げられ、導光部22の第1及び第2の全反射面22a,22bにおいて繰り返し全反射されて光軸OAに略沿って一定の広がりを有する状態で進み、さらに、画像取出部23において適度な角度で折り曲げられることで取出し可能な状態となり、最終的に光射出面OSから射出される。光射出面OSから射出された画像光は、虚像光として観察者の眼EYに入射する。当該虚像光が観察者の網膜において結像することで、観察者は虚像による映像光等の画像光を認識することができる。
【0035】
〔B.画像光の光路〕
以下、画像光の光路について詳しく説明する。図1(A)に示すように、液晶デバイス11の射出面11a上からそれぞれ射出される画像光のうち図中点線で示す射出面11aの中央部分から射出される成分を画像光GL1とし、図中一点鎖線で示す射出面11aの周辺のうち紙面右側(−Z側)から射出される成分を画像光GL2とし、図中二点鎖線で示す射出面11aの周辺のうち紙面左側(+Z側)から射出される成分を画像光GL3とする。
【0036】
コリメートレンズ12を経た各画像光GL1,GL2,GL3の主要成分は、導光板20の光入射面ISからそれぞれ入射した後、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいて互いに異なる角度で全反射を繰り返す。具体的には、画像光GL1,GL2,GL3のうち、射出面11aの中央部分から射出された画像光GL1は、平行光束として入射光折曲部21で反射された後、標準反射角θで導光部22の第2の全反射面22bに入射し、全反射される。その後、画像光GL1は、標準反射角θを保った状態で、第1及び第2の全反射面22a,22bで全反射を繰り返す。画像光GL1は、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいてN回(Nは自然数)全反射され、画像取出部23の中央部23kに入射する。画像光GL1は、中央部23kにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから光射出面OSを含むYZ面に対して垂直な光軸AX方向に平行光束として射出される。射出面11aの一端側(−Z側)から射出された画像光GL2は、平行光束として入射光折曲部21で反射された後、最大反射角θで導光部22の第2の全反射面22bに入射し、全反射される。画像光GL2は、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいてN−M回(Mは自然数)全反射され、画像取出部23のうち最も奥側(+Z側)の周辺部23hにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから所定の角度方向に向けて平行光束として射出される。この際の射出角は、入射光折曲部21側に戻されるようなものになっており、+Z軸に対して鈍角となる。射出面11aの他端側(+Z側)から射出された画像光GL3は、平行光束として入射光折曲部21で反射された後、最小反射角θで導光部22の第2の全反射面22bに入射し、全反射される。画像光GL3は、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいてN+M回全反射され、画像取出部23のうち最も入口側(−Z側)の周辺部23mにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから所定の角度方向に向けて平行光束として射出される。この際の射出角は、入射光折曲部21側から離れるようなものになっており、+Z軸に対して鋭角となる。なお、第1及び第2の全反射面22a,22bでの全反射による光の反射効率は非常に高いものであるため、上記のように画像光GL1,GL2,GL3間で反射回数が異なっていても、これによって輝度ムラが生じることは殆どなく、視認上画像ムラ等の影響を感じることはない。また、画像光GL1,GL2,GL3は、画像光の光束全体の一部を代表して説明したものであるが、他の画像光を構成する光束成分についても画像光GL1等と同様に導かれ光射出面OSから射出されるため、これらについては図示及び説明を省略している。なお、画像光GL2,GL3は、光射出面OSを通過する際に、多少屈折作用を受ける。
【0037】
ここで、入射光折曲部21及び導光部22に用いられる透明樹脂材料の屈折率nの値の一例として、n=1.5とすると、その臨界角θの値はθ≒41.8°となり、n=1.6とすると、その臨界角θの値はθ≒38.7°となる。各画像光GL1,GL2,GL3の反射角θ,θ,θのうち最小である反射角θを臨界角θよりも大きな値とすることで、必要な画像光について導光部22内における全反射条件を満たすものにできる。
【0038】
〔C.画像取出部の構造及び画像取出部による光路の折曲げ〕
以下、図2(A)等により、画像取出部23の構造及び画像取出部23による画像光の光路の折曲げについて詳細に説明する。
【0039】
まず、画像取出部23の構造について説明する。画像取出部23は、ストライプ状に配列された多数の線状の反射ユニット23cで構成される。つまり、図2(A)〜2(C)に示すように、画像取出部23は、Y方向に延びる細長い反射ユニット23cを所定のピッチPTで導光部22の延びる方向即ちZ方向に多数配列させることで構成されている。各反射ユニット23cは、奥側即ち光路下流側に配置される第1の反射面23aと、入口側即ち光路上流側に配置される第2の反射面23bとを有する。また、各反射ユニット23cは、隣接する第1及び第2の反射面23a,23bにより、XZ断面視においてV字又は楔状となっている。より具体的には、第1及び第2の反射面23a,23bは、図1(A)等に示す第1の全反射面22aに平行で反射ユニット23cの配列されるZ方向に対して垂直に延びる方向即ちY方向を長手方向として、線状に延びている。さらに、第1及び第2の反射面23a,23bは、当該長手方向を軸として、第1の全反射面22aに対してそれぞれ異なる角度(即ちYZ面に対してそれぞれ異なる角度)で傾斜している。結果的に、第1の反射面23aは、周期的に繰り返して配列され互いに平行に延び、第2の反射面23bも、周期的に繰り返して配列され互いに平行に延びている。図2(A)等に示す具体例において、各第1の反射面23aは、第1の全反射面22aに対して略垂直な方向(X方向)に沿って延びているものとしている。また、各第2の反射面23bは、対応する第1の反射面23aに対して所定角度(相対角度)αをなす方向に延びている。ここで、相対角度αは、例えば54.7°となっているものとする。
【0040】
図2(A)等に示す具体例において、第1の反射面23aは、第1の全反射面22aに対して略垂直であるものとしているが、第1の反射面23aの方向は、導光板20の仕様に応じて適宜調整されるものであり、第1の全反射面22aに対して−Z方向を基準として時計回りに例えば80°から100°までの範囲内でいずれかの傾斜角度をなすものとできる。また、第2の反射面23bの方向は、導光板20の仕様に応じて第1の全反射面22aの傾斜状態を基準として適宜調整されるものであり、第1の全反射面22aに対して−Z方向を基準として時計回りに例えば30°から40°までの範囲内でいずれかの傾斜角度をなすものとできる。結果的に、第2の反射面23bは、第1の全反射面22aに対して40°から70°程度の相対角度を有するものとなる。
【0041】
以下、画像取出部23による画像光の光路の折曲げについて詳しく説明する。ここでは、画像光のうち、画像取出部23の両端側に入射する画像光GL2及び画像光GL3について示し、他の光路については、これらと同様であるので図示等を省略する。
【0042】
まず、図2(A)及びその拡大図である図2(B)に示すように、画像光のうち全反射角度の最も大きい反射角θで導かれた画像光GL2は、画像取出部23のうち光入射面IS(図1(A)参照)から最も遠い+Z側の周辺部23hに配置された1つの反射ユニット23cに入射する。図2(B)に示すように、当該反射ユニット23cにおいて、画像光GL2は、最初に奥側即ち+Z側の第1の反射面23aで反射され、次に、入口側即ち−Z側の第2の反射面23bで反射される。当該反射ユニット23cを経た画像光GL2は、他の反射ユニット23cを経ることなく、図1(A)等に示す光射出面OSから射出される。つまり、画像光GL2は、画像取出部23での1回だけの通過で所望の角度に折り曲げられ観察者側に取り出される。
【0043】
また、図2(A)及びその拡大図である図2(C)に示すように、全反射角度の最も小さい反射角θで導かれた画像光GL3は、画像取出部23のうち光入射面IS(図1(A)参照)に最も近い−Z側の周辺部23mに配置された1つの反射ユニット23cに入射する。図2(C)に示すように、当該反射ユニット23cにおいて、画像光GL3は、図2(B)の画像光GL2の場合と同様に、最初に奥側即ち+Z側の第1の反射面23aで反射され、次に、入口側即ち−Z側の第2の反射面23bで反射される。当該反射ユニット23cを経た画像光GL3は、他の反射ユニット23cを経ることなく、画像取出部23での1回だけの通過で所望の角度に折り曲げられ観察者側に取り出される。
【0044】
ここで、上記のような第1及び第2の反射面23a,23bでの2段階での反射の場合、図2(B)及び図2(C)に示すように、各画像光の入射時の方向と射出時の方向とのなす角である折り曲げ角βは、いずれもβ=2(R−α)(R:直角)となる。つまり、折り曲げ角βは、画像取出部23に対する入射角度即ち各画像光の全反射角度である反射角θ,θ,θ等の値によらず一定である。これにより、上記のように、画像光のうち全反射角度の比較的大きい成分を画像取出部23のうち+Z側の周辺部23h側に入射させ、全反射角度の比較的小さい成分を画像取出部23のうち−Z側の周辺部23m側に入射させた場合にも、画像光を全体として観察者の眼EYに集めるような角度状態で効率的に取り出すことが可能となる。このような角度関係で画像光を取出す構成であるため、導光板20は、画像光を画像取出部23において複数回通過させず、1回だけ通過させることができ、画像光を少ない損失で虚像光として取り出すことを可能にする。
【0045】
なお、導光部22の形状や屈折率、画像取出部23を構成する反射ユニット23cの形状等の光学的な設計において、画像光GL2,GL3等が導かれる角度等を適宜調整することで、光射出面OSから射出される画像光を、基本の画像光GL1即ち光軸AXを中心として、全体として対称性が保たれた状態の虚像光として観察者の眼EYに入射させることができる。つまり、一端の画像光GL2のX方向又は光軸AXに対する角度γと、他端の画像光GL3のX方向又は光軸AXに対する角度γとは、大きさが略等しく逆向きとなっている。なお、画像光GL2,GL3の角度γ,γは、光射出面OS又は第2の全反射面22bに対して比較的垂直に近いものとなっており、光射出面OSを十分な透過率で通過する。
【0046】
ここで、第1の反射面23aの光反射率は、第2の反射面23bの光反射率よりも高いものとなっている。より具体的には、第2の反射面23bの光反射率は、50%以上であるものとし、第1の反射面23aの光反射率は、略100%であるものとする。これにより、上述した第1及び第2の反射面23a,23bでの画像光の反射効率を比較的高いものとすることができる。既述のように、虚像表示装置100は、観察者に外界像を観察させるシースルータイプのものであり、この場合、外界像の観察を確保する等の要請から、一般には各反射面の光反射率に上限がある。つまり、例えば上記において第2の反射面23bの光反射率を50%以上としているが、この光反射率には例えば70%といった仕様上の上限が設けられる。これに対して、第1の反射面23aは、図2(A)等に示すように第1の全反射面22aに対して垂直或いは略垂直である場合、外界像の観察には影響しない。従って、光反射率を略100%とすることができる。従って、この場合、第1の反射面23aでの光反射率を略100%に高めることで、第2の反射面23bでの透過を確保することによって外界像の観察を可能にしつつも、第1及び第2の反射面23a,23bを合わせた反射ユニット23c全体としての反射効率を高いものとすることができる。
【0047】
また、既に説明したように、一群の反射ユニット23cを構成する第1の反射面23a又は第2の反射面23bは、ピッチが一定で互いに平行になっている。これにより、観察者の眼EYに入射する虚像光である画像光を一様なものとでき、観察される画像の品質の低下を抑えることができる。
【0048】
また、図2(A)等に示す反射ユニット23cの第1及び第2の反射面23a,23bのなす所定角度(相対角度)αは、具体例においてα=54.7°となっている。図3(A)〜3(F)は、第1及び第2の反射面23a,23bのなす相対角度と画像光の輝度分布との関係を示している。ここで、図3(B)〜3(F)は、図3(A)に示す再生像中のB−B'断面(輝度断面)について、相対角度αの値を53°〜57°の範囲で適宜変更した場合の輝度の状態を示すグラフである。図3(B)〜3(F)から分かるように、図3(D)に示す相対角度αの値がα=54.7°となるときに、図3(A)におけるB−B'断面での輝度ムラが最も少ない最適な状態となっており、また、他の図3(B)等から、α=54.7°に近いほど輝度ムラが小さいことが分かる。
【0049】
〔D.導光板の製造方法〕
以下、図4及び図5(A)〜5(F)を参照して、本実施形態に係る導光板の製造方法について説明する。
【0050】
まず、図4のフローチャートに示す導光板の作製手順の最初の工程として、図5(A)に示すように、画像取出部23の多数の第1及び第2の反射面23a,23b(図2(A)等参照)にそれぞれ対応する第1及び第2の平坦面123a,123bを備える溝DTaを樹脂基材50上に直接形成する溝加工を行う(図4のステップS1の溝形成工程)。具体的には、図示のように、透光性で平板状の樹脂基材50の上面50aが楔型のチップ形状を有するダイヤモンドバイト等の切削工具DBにより切削されて、ストライプ状に配列される多数の溝DTaが樹脂基材50上に形成される(切削工程)。ここで、切削工具DBは、そのチップ角が反射面23a,23bのなす相対角度α(α=54.7°)に等しくなるように設定されており、鋸歯状部DTを構成する各溝DTaのエッジ角度を精密に上記相対角度αに加工することができる。これにより、互いに隣接して対応する第1の平坦面123aと第2の平坦面123bとによって構成されるV字形状の溝DTaが一定の周期間隔で多数連なる鋸歯状部DTが切り出される。
【0051】
次に、図5(B)に示すように、樹脂基材50の鋸歯状部DT上に、第1及び第2の反射面23a,23bを形成するための反射部である反射膜MBを、アルミ蒸着により成膜する(図4のステップS2の反射面形成工程)。本工程において、アルミ蒸着は、図中矢印AWの方向から反射材であるアルミを射出して成膜する斜方蒸着とする。つまり、矢印AWの方向即ち蒸着源からのアルミ粒子の入射角度を適宜調整する。これにより、アルミ粒子の入射角度に対する第1の平坦面123aと第2の平坦面123bとの傾斜角度が互いに異なるものとなるので、その傾斜角度に応じて第1の平坦面123aと第2の平坦面123bとでの蒸着量が変わり、第1及び第2の平坦面123a,123b上での反射膜MBの膜厚を所定のものとすることができる。以上のようにして、第1及び第2の平坦面123a,123b上において、反射膜MBとして、厚み及び反射率の異なる第1及び第2の反射面23a,23bがそれぞれ交互に形成される。つまり、鋸歯状部DTのうち1つのV字形状の溝DTaと反射膜MBとが協働して1つの反射ユニット23cが形成され、多数の反射ユニット23cを合わせた全体として画像取出部23が形成される。なお、上記反射面形成工程では、斜方蒸着により、反射率の異なる1対の反射面である第1の反射面23aと第2の反射面23bとを同時に作製することができる。また、蒸着によるため、溝DTaの表面に安定して密着するように隙間なく反射膜MBを成膜できる。
【0052】
次に、図5(C)に示すように、紫外線硬化性樹脂51を反射膜MBの上方から塗布し(図4のステップS3の塗布工程)、さらに、図5(D)に示すように、その上方から平坦基板である加圧部材PEを樹脂基材50に対して所定の圧力で、紫外線硬化性樹脂51が反射膜MB表面に隙間なく密着するのに必要な所定時間押し付ける(図4のステップS4の加圧工程)。ここで、紫外線硬化性樹脂51は、紫外線により硬化する透光性樹脂であり、かつ、樹脂基材50と同一の屈折率を有する樹脂である。なお、同一の屈折率の樹脂とは、屈折率が全く同じものだけでなく、例えば屈折率差が0.01以内のもののように略等しいものも含まれる。また、加圧部材PEは、ガラス板等の透光性の材料で形成され、予め表面を離型剤でコートする処理が行われている。上記加圧工程において、反射膜MBは、樹脂基材50と紫外線硬化性樹脂51とで挟持された状態となる。さらに、図示のように、紫外線硬化性樹脂51の上方側から紫外光UVが照射される。紫外光UVは、透光性の加圧部材PEを透過し、紫外線硬化性樹脂51を照射して硬化させる(図4のステップS5の紫外光照射工程)。つまり、紫外線硬化性樹脂51が完全に硬化するのに必要な所定時間が経過するまで紫外光UVの照射が行われる。その後、図5(E)に示すように、加圧部材PEは、紫外線硬化性樹脂51から離型される(図4のステップS6の離型工程)。以上のようにして、紫外線硬化性樹脂51から得た保護層52で被覆され反射膜MBが埋め込まれた状態で一体化された構造体60が形成される(反射面埋込工程の完了)。この場合、構造体60において、反射膜MBは、内部に埋め込まれ保護された状態となっているので、酸化や物理的欠損等を抑制できる。つまり、保護層52は、樹脂基材50とともに反射膜MBを挟持して保護する役割を有する。以上の構造体60は、画像取出部23及びその近傍のみならず、図1(A)等に示す導光板本体20aの導光部22等となるべき部分まで一体的に含めたものとすることができる。
【0053】
なお、構造体60において、樹脂基材50と保護層52とを同一の屈折率の樹脂としているので、両者間において光の屈折や反射等の効果は殆ど生じない。つまり、構造体60は、外光の透過に際して屈折的な影響を与えず、画像光の導光に影響を与えないものとなっている。
【0054】
上記のように構造体60が導光部22まで含むものである場合、例えば、図5(F)に一部簡略化して示すように、構造体60に対して光入射部IS、入射光折曲部21等を含む部材を接合することで、導光板20を作製することができる。具体的には、光入射部ISや入射光折曲部21を設けた三角柱状のプリズム53を別途準備し、当該プリズムを構造体60の樹脂基材50と同一の屈折率の樹脂材料を用いて構造体60に接合することにより、光入射部IS等が構造体60に接続され(図4のステップS7の光入射部形成工程)、導光板20を作製することができる(導光板作製工程の完了)。なお、構造体60にプリズムを接合した後にミラー層21aを形成することによって入射光折曲部21を最後に完成することもできる。さらに、上記のようなプリズムを一体的に設けた樹脂基材50を予め準備し、その後の加工によって、樹脂基材50の一端側で反射膜MBを形成し当該反射膜MBを保護層52によって埋め込むとともに、樹脂基材50の他端側でミラー層21aを形成した構造体60即ち導光板20を得ることもできる。
【0055】
また、特に、導光板20及びこれに含まれる構造体60の部分が虚像表示装置100において最外側に露出する場合、上記反射面埋込工程において、構造体60の保護層52表面とそれ以外の導光板20の面とが平坦化された1つの表面を形成し、かつ、同一の屈折率であることで、虚像表示装置100を、シースルータイプとして外界像を歪めることなく観察できるものにできる。
【0056】
図6は、図5(B)に示した反射面形成工程によって成膜された反射膜MBの状態を説明する拡大図である。図6には、反射膜MBによって形成される第1及び第2の反射面23a,23bの状態の一例が、反射ユニット23cの1つ分を取り出したものとして図示されている。図示の反射膜MBは、金属材料層であり、第1の反射面23aに対応する一様な厚みの第1の反射面部分MB1と第2の反射面23bに対応する一様な厚みの第2の反射面部分MB2とによって構成される。ここで、第1の反射面部分MB1の膜厚t1と第2の反射面部分MB2の膜厚t2とは、互いに異なる値となっている。これにより、第1及び第2の反射面23a,23bは、それぞれ必要な光反射率となっている。この第1の反射面部分MB1と第2の反射面部分MB2との膜厚の差は、既述のように、上記反射面形成工程での斜方蒸着において、蒸着源であるアルミ粒子の入射角度即ち図5(B)の矢印AWの方向を適宜調整することで生じさせることができる。ここでは、第1の反射面部分MB1の膜厚t1のほうが、第2の反射面部分MB2の膜厚t2よりも厚くなっている。これにより、第1の反射面23aの光反射率を第2の反射面23bの光反射率よりも高いものとしている。各膜厚t1,t2を調整することで、例えば、第1の反射面23aの光反射率を略100%とし、第2の反射面23bの光反射率を50%以上の所定値にすることができる。これにより、第1及び第2の反射面23a,23bは、一組の反射ユニット23cとして、例えば画像光GL2等の入射光の折り曲げに際して、入射光を所望の光反射率で反射させて折り曲げることができる。
【0057】
以上のように、本実施形態に係る導光板の製造方法によれば、鋸歯状部DTを有する樹脂基材50を予め準備し、反射面形成工程において、当該鋸歯状部DTを構成する溝DTaの適所に反射材を物理成膜して第1及び第2の反射面23a,23bを形成するので、樹脂基材50の溝DTa表面に安定して密着するように所望の光反射率となる第1及び第2の反射面23a,23bを形成でき、乱れの少ない画像光を導光板20の外側に効率的に取り出すことができる。また、反射面埋込工程において、反射膜MBを樹脂基材50と同一の屈折率を有する樹脂材料である保護層52で導光板20内部に埋め込むことによって、反射膜MBを保護でき、溝DTaによる凹凸を平滑化することができる。以上により、導光板20中の第1及び第2の反射面23a,23bを比較的簡易に良好な反射状態で形成できる。また、工程数を比較的少なく抑えることができ、簡易に導光板20を作製することができる。
【0058】
〔第2実施形態〕
以下、図7(A)等を参照して、第2実施形態に係る導光板の製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る導光板の製造方法は、図5(A)等に示す第1実施形態の導光板20の製造方法の変形例であり、反射面形成工程や反射面埋込工程については、図5(B)〜5(F)に示す場合と同様であるので、溝形成工程のみについて説明し、以後の工程については、図示及び説明を省略する。
【0059】
図7(A)に示すように、本実施形態に係る導光板の製造方法では、まず、透明樹脂である第1樹脂基材150a上に樹脂基材150aと同一の屈折率で、かつ、透光性の紫外線硬化性樹脂である第2樹脂基材150bを載置する(載置工程)。また、鋸歯状の型表面SSを有する押付け型PPを第2樹脂基材150bの上方に配置する(配置工程)。次に、図7(B)に示すように、上方に配置された押付け型PPを第2樹脂基材150bに対して所定の圧力で押し下げ、第2樹脂基材150b上に型表面SSの押付け(型転写)を行う(押付工程)。さらに、この状態で、第2樹脂基材150bの下方から紫外光UVを照射し、第2樹脂基材150bを硬化させる(紫外光照射工程)。第2樹脂基材150bが硬化した後、押付け型PPを第2樹脂基材150bから離型する(離型工程)。以上の工程を経ることにより、図7(C)に示すように、第1樹脂基材150aと第2樹脂基材150bとによって構成され、第2樹脂基材150b側の表面に鋸歯状部DTを有する樹脂基材150が形成される(溝形成工程)。
【0060】
上記溝形成工程において形成された樹脂基材150の鋸歯状部DT上に、第1実施形態の図5(B)〜5(F)に示す場合と同様にして、反射膜MBを成膜し(反射面形成工程)、さらに紫外線硬化性樹脂51の保護層52で反射膜MB即ち反射面23a,23bを埋める(反射面埋込工程)ことにより、画像取出部23を含む構造体60が形成され、延いては導光板20を作製することができる。
【0061】
ここで、図7(D)を参照して、上記押付工程における押付け型PPについて説明する。押付け型PPは、結晶材料である単結晶シリコンを既存の半導体製造技術を利用して加工することによって得た転写型である。図7(D)に模式的に示すように、押付け型PPは、同一形状の多数の型部分PPaを配列して構成されている。各型部分PPaは、対向する主面SSa、SSbを有する平板であり、各端面SScは、2つの互いに平行な主面SSa、SSbに対して等角度で切り出された状態となっている。一対の主面SSa、SSbは、例えばウェットエッチング等の異方性エッチングを利用して形成されており、高い平坦性を有する平行面となっている。また、端面SScも、ウェットエッチング等の異方性エッチングを利用して形成されており、主面SSb等に対して精密に一定角度をなし、高い平坦性を有するものとなっている。押付け型PPは、各型部分PPaの主面SSaと当該型部分PPaに隣接する型部分PPaの主面SSbとを密着させて並べたものである。従って、押付け型PPの型表面SSは、複数の主面SSbの一部と端面SScとが交互に周期的に配列されたものである。これにより、型表面SSは、平坦度及び傾斜角に関して非常に形状精度が高い微細構造を有するものとなっている。しかもこの場合、シリコン及びその異方性エッチングの特性を利用することで、型表面SSの微細構造を構成する2つの面SSb,SSc間のエッジ角度が鋸歯状部DTを構成する各溝DTaのエッジ角度即ち反射ユニット23cを構成する反射面23a,23bのなす相対角度α(α=54.7°)に等しく設定されている。このように、単結晶シリコンを用いることで、型表面SSに形成された微細構造の形状精度を確保することができ、第1及び第2の平坦面123a,123bの平坦性、延いては第1及び第2の反射面23a,23bの表面の平坦性を高いものにすることができる。さらに、単結晶シリコンを用いることで、異方性エッチングにより形成される型表面SSのエッジ角度の値は、図3(A)等を用いて説明した反射ユニット23cを構成する反射面23a,23bのなす角度の最適値であるα=54.7°に一致したものとなる。
【0062】
本実施形態による導光板の製造方法においても、導光板20中の第1及び第2の反射面23a,23bの反射状態を良好に保ったものにできる。特に、本実施形態の場合、型の押付けにより構造体60等の作製工程にかかる時間を比較的短くし、迅速な作製が可能となる。また、本実施形態の場合、単結晶シリコンの異方性エッチングの特性を利用した押付け型PPを利用することで、所定角度をなす第1及び第2の反射面23a,23bを比較的簡易に非常に表面精度の高いものにすることができる。このように表面精度が高いことで、製造される導光板20から取り出される画像光は、ボケやフレアの抑制されたものとなる。
なお、押付け型PPは、単結晶シリコンを用いて形成するものに限らず、その全部又は一部を他の結晶、金属等によって形成したものとできる。
【0063】
〔第3実施形態〕
以下、図8を参照して、第3実施形態に係る導光板の製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る導光板の製造方法は、図5(A)等に示す第1実施形態等の導光板20の製造方法の変形例であり、反射面形成工程や反射面埋込工程については、図5(B)〜5(F)に示す場合と同様であるので、溝形成工程のみについて説明し、以後の工程については、図示及び説明を省略する。なお、図8は、簡略化のため、一部を省略している。
【0064】
図8に示すように、本実施形態に係る導光板の製造方法では、まず、例えば画像取出部23の鋸歯状部DTや導光板本体20aの導光部22(図1(A)等参照)等となるべき母材部分を、透光性樹脂部材120aとして一体的に形成する。このため、まず透光性樹脂部材120aを射出成形により一体的に形成するための1組の金属型である第1及び第2金属型MP1,MP2を準備する(型準備工程)。
【0065】
ここで、一組の金属型MP1,MP2のうち、金属型MP1は、転写面の一部として、画像取出部23の第1及び第2の反射面23a,23bを形成するための鋸歯状の型表面SSを有している。この型表面SSは、図7(A)に示す押付け型PPの型表面SSと同様の形状を有するものである。
【0066】
一対の射出成形型である金属型MP1,MP2が適度に加熱されるとともに型合わされ型締めされる(型空間形成工程)。その後、一対の金属型MP1,MP2間に形成された型空間内に透光性樹脂部材120aとなるべき樹脂材料が所定の温度で軟化された状態で注入され、注入された透光性樹脂が加圧される(射出工程)。その後の冷却及び離型により、一対の金属型MP1,MP2間から硬化した透光性樹脂部材120aが取り出される(離型工程)。以上により成形された透光性樹脂部材120a上には、金属型MP1の型表面SSによって鋸歯状部DTが形成される(溝形成工程)。つまり、透光性樹脂部材120aは、図5(A)に示すような鋸歯状部DTを設けた樹脂基材50と同等のものとなっている。
【0067】
なお、透光性樹脂部材120aは、鋸歯状部DTを含んでいれば、図1(A)の導光板本体部20a全体を含むものでなく、そのうちの一部を構成するものであってもよい。例えば、導光板本体部20aのうち入射光折曲部21を形成するための斜面RSを有するプリズム部分について、別途三角プリズムを作製した後、接着等によって取り付けるものとしてもよい。
【0068】
また、金属型MP1の型表面SSは、第2実施形態の押付け型PPの型表面SSの場合と同様に、単結晶シリコンを異方性エッチングにより形成される型を一部に組み込んだものとすることで、所望の形状にできる。
【0069】
以上の説明では、透光性樹脂部材120aが熱可塑性樹脂であることを前提としているが、透光性樹脂部材120aを熱硬化性樹脂や光硬化樹脂で形成することもできる。
【0070】
本実施形態による導光板の製造方法においても、導光板20中の第1及び第2の反射面23a,23bの反射状態を良好に保ったものにできる。特に、本実施形態の場合、射出成形により、比較的簡易に精度の高い第1及び第2の反射面23a,23bを有する導光板20を迅速に作製することが可能となる。また、本実施形態の場合、鋸歯状部DTのみならず、例えば導光部22の平坦部分である全反射面22a,22b、入口の斜面RS等についても、簡易に一体的に透光性樹脂部材120aとして形成することが可能である。
【0071】
〔その他〕
以上各実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0072】
まず、鋸歯状部DTは、構成する第1及び第2の平坦面123a,123bの双方に、反射面として第1及び第2の反射面23a,23bをそれぞれ形成するものとしているが、反射面は、第1及び第2の平坦面123a,123bのいずれか一方にのみ施されるものとしてもよい。例えば、第2の平坦面123bのみに反射面を形成するものとしてもよい。この場合、第1の平坦面123aは、同一の屈折率材料で埋め込まれるため、反射面としては機能しない。従って、この場合、形成される画像取出部23の反射面は、第2の反射面23bのみとなる。つまり、画像取出部23は、従来型の1種類の反射面のみによって画像光の取出しを行う構成となる。また、反射膜MBの膜厚を一定にして、第1及び第2の反射面23a,23bを同じ特性にすることもできる。
なお、反射膜MBについては、真空蒸着法に限らず、イオンプレーティング、スパッタリング、CVD等の様々な蒸着法で成膜することができる。
【0073】
反射膜MBは、アルミ等の金属膜に限らず、1層又は複数層の誘電体膜とすることもできる。
【0074】
また、上記の説明では、反射膜MBを保護する保護層として、樹脂材料に紫外線硬化性樹脂を用いているが、これに代えて、熱硬化性樹脂や熱重合性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂の場合、紫外光UVによる処理に代えて熱処理により樹脂を硬化させることで、硬化後の光透過性の樹脂を反射膜MBの保護層として機能させることができる。熱硬化性樹脂や熱重合性樹脂として、例えば、チオウレタン系やエピスルフィド系の樹脂を用いることで、屈折率をn=1.6〜1.8程度まで大きくすることができる。
【0075】
上記の説明では、画像取出部23を構成する反射ユニット23cの配列のピッチPTについては、各第1の反射面23a間において全て同一となっている場合に限らず、各ピッチPTにある程度の差異がある場合も含むものとする。
【0076】
上記の説明では、画像表示素子として、透過型の液晶デバイス11を用いているが、画像表示素子としては、透過型の液晶デバイスに限らず種々のものを利用可能である。例えば、反射型の液晶パネルを用いた構成も可能であり、液晶デバイス11に代えてデジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。また、有機EL、LEDアレイや有機LEDなどに代表される自発光型素子用いた構成も可能である。さらに、レーザー光源とポリゴンミラーその他のスキャナとを組みあわせたレーザスキャナを用いた構成も可能である。
【0077】
上記の説明では、虚像表示装置100は、右眼及び左眼の双方に対応して、一組ずつ画像形成装置10及び導光板20設ける構成としているが、右眼又は左眼のいずれか一方に対してのみ画像形成装置10と導光板20とを設け画像を片眼視する構成にしてもよい。
【0078】
上記の説明では、シースルー型の虚像表示装置について説明しているが、画像取出部23は、シースルー型以外の虚像表示装置についても適用可能である。なお、外界像を観察させる必要がない場合、第1及び第2の反射面23a,23b双方の光反射率を略100%することが可能である。
【0079】
上記の説明では、実施形態の虚像表示装置100がヘッドマウントディスプレイであるとして具体的な説明を行ったが、実施形態の虚像表示装置100は、ヘッドアップディスプレイに改変することもできる。
【0080】
上記の説明では、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいて、表面上にミラーやハーフミラー等を施すことなく空気との界面により画像光を全反射させて導くものとしているが、本願発明における全反射については、第1及び第2の全反射面22a,22b上の全体又は一部にミラーコートや、ハーフミラー膜が形成されてなされる反射も含むものとする。例えば、画像光の入射角度が全反射条件を満たした上で、全反射面22a,22bの全体又は一部にミラーコート等が施され、実質的に全ての画像光を反射する場合も含まれる。また、十分な明るさの画像光を得られるのであれば、多少透過性のあるミラーによって全反射面22a,22bの全体又は一部がコートされていてもよい。
【0081】
また、上記では、図1(A)等において、導光板20の全体的な外観は、YZ面に平行に延びる平板としているが、画像光を伝達するための伝達部である光入射面ISから画像取出部23までの間以外については、平板ではなく、厚みが異なっていたり、曲面になったりする形状とすることも可能性である。
【0082】
また、上記では、導光板20及びこれに含まれる構造体60の部分が虚像表示装置100において最外側に露出する場合、構造体60の保護層52表面とそれ以外の導光板20の面とを平坦化するものとしているが、例えば導光板20にカバーを付ける場合のように、導光板20等が最外側に露出しない場合には、必ずしも平坦化されている必要はなく、反射面形成工程において表面に多少の段差があっても許容できる。
【0083】
また、上記では、光入射面ISをYZ面に平行な平面上に目の左右側に位置するように形成しているが、画像光を導光板20内に適切に導くことができれば、光入射面ISの位置はこれに限らず、例えば導光板20の上部側や下部側である上端面TPや下端面BPの一部等に設けることも可能である。
【0084】
以上では触れていないが、導光部22において外形を画定する外周部のうち上端面TPや下端面BP等を黒色塗料塗布面やサンドブラスト加工面とすることができる。さらに、上端面TPや下端面BP以外の箇所に黒色塗装塗布やサンドブラスト加工を施してもよい。また、逆に、上端面TPや下端面BP等の一部にのみ黒色塗装やサンドブラスト加工を施すものとしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10…画像形成装置、 20…導光板、 20a…導光板本体部、 21…入射光折曲部、 22…導光部、 22a,22b…全反射面、 23…画像取出部、 23a,23b…反射面部分、 23c…反射ユニット、 100…虚像表示装置、 50、150…樹脂基材、 51…紫外線硬化性樹脂、 123a,123b…平坦面、 DT…鋸歯状部、 MB…反射膜、 60…構造体、 PP…押付け型、 SS…型表面、 IS…光入射面、 OS…光射出面、 EY…眼、 PT…ピッチ、 RS…入射光反射面、 GL1,GL2,GL3…画像光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8