(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動部材の前記突き当て部が、前記接触部が設けられている前記箇所よりも前記記録材搬送方向下流側へ移動した後、前記第1の回転部材の前記回転軸が設けられている側へ近づくように当該移動部材が変位し、当該変位によって、当該突き当て部が前記搬送経路から外れた箇所へ移動し、
前記第1の回転部材の前記回転軸は、当該回転軸が設けられている側へ近づくように変位する前記移動部材と干渉しないように、前記搬送経路から予め定められた距離だけ離れた箇所に配置されていることを特徴とする請求項1記載の記録材処理装置。
前記一方側、且つ、前記第1の回転部材の前記回転軸と前記搬送経路との間には、当該搬送経路に沿って設けられるとともに開口を有し当該搬送経路を搬送される記録材を支持する支持部材が設けられ、
前記支持部材よりも前記第1の回転部材の前記回転軸が設けられている側に、前記移動部材の前記支持部が設けられるとともに、当該移動部材の一部が前記開口を通じて前記搬送経路側に突出し、当該突出する部分が前記突き当て部として機能し、
前記移動部材の前記突き当て部が、前記接触部が設けられている前記箇所よりも前記記録材搬送方向下流側へ移動する際、当該移動部材の前記支持部は、前記支持部材と前記第1の回転部材の前記回転軸との間に形成された間隙内を移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材処理装置。
前記移動手段に設けられた前記第1の回転部材および前記第2の回転部材を記録材の搬送方向と交差する方向に移動させる回転部材移動手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
前記第1の回転部材および前記第2の回転部材よりも記録材の搬送方向下流側には、搬送されてきた記録材を当該記録材の搬送方向と交差する方向に移動させる記録材移動手段が更に設けられていることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置をフロント側から眺めた場合の図である。
図1に示す画像形成装置100は、所謂タンデム型の構成を有するものであって、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット10(10Y、10M、10C、10K)を備えている。
【0011】
また本実施形態の画像形成装置100では、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを含んで構成され、画像形成装置100を構成する各装置および各部の動作を制御する制御部80が設けられている。また、表示パネルにより構成され、ユーザから受けた指示を制御部80に出力するとともに制御部80からの情報をユーザに提示するユーザインタフェース部(UI)90が設けられている。さらに、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や画像読取装置(スキャナ)等から画像データ等を受信する受信部70が設けられている。
【0012】
また、画像形成装置100は、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像が順次転写(一次転写)されるとともにこのトナー像を保持する中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20上のトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写装置30とを備えている。ここで、各画像形成ユニット10、中間転写ベルト20、および二次転写装置30は、記録材の一例として用紙Pに対して画像を形成する画像形成部として捉えることができる。
【0013】
また画像形成装置100には、二次転写装置30に向けて搬送される用紙Pが通過する第1用紙搬送経路R1、二次転写装置30を通過した後の用紙Pが通過する第2用紙搬送経路R2、定着装置50(後述)よりも下流側にて第2用紙搬送経路R2から分岐するとともに第1用紙搬送経路R1の下方まで延びる第3用紙搬送経路R3が設けられている。ここで第1用紙搬送経路R1〜第3用紙搬送経路R3では、用紙Pが有する4つの側辺のうちの互いに対向する関係の2つの側辺がこれらの用紙搬送経路に沿って移動するように用紙Pの搬送が行われる。
【0014】
また本実施形態では、第3用紙搬送経路R3から第1用紙搬送経路R1へ用紙Pを搬送するとともにこの用紙Pの表裏を反転して第1用紙搬送経路R1へこの用紙Pを供給する反転機構500が設けられている。付言すると、本実施形態には、第1用紙搬送経路R1における用紙搬送方向および第3用紙搬送経路R3における用紙搬送方向に沿う軸線を中心に用紙Pを反転させる反転機構500が設けられている。
さらに本実施形態では、画像形成装置100の筐体101に、開口102が形成されている。ここで、第2用紙搬送経路R2に沿って搬送されてきた用紙Pは、この開口102を通じて筐体101の外部に排出され、不図示の用紙積載部上に積載される。なお筐体101に隣接させて処理装置(不図示)を設け、開口102から排出されてくる用紙Pに対し穴あけなどの処理をさらに行うこともできる。
【0015】
また画像形成装置100には、第1用紙搬送経路R1に用紙Pを供給する第1用紙供給装置410が設けられている。また、第1用紙供給装置410よりも用紙Pの搬送方向における上流側に設けられ、第1用紙搬送経路R1に用紙Pを供給する第2用紙供給装置420が設けられている。なお、第1用紙供給装置410および第2用紙供給装置420は同様に構成されており、第1用紙供給装置410および第2用紙供給装置420の各々には、用紙Pを収容する用紙収容部41、用紙収容部41に収容された用紙Pを取り出して搬送する取り出しロール42が設けられている。
【0016】
また、第1用紙搬送経路R1上であって二次転写装置30の上流側には、第1用紙搬送経路R1上の用紙Pを二次転写装置30に向けて搬送する第1搬送ロール44が設けられている。さらに、第1搬送ロール44に向けて用紙Pを搬送する第2搬送ロール45、第2搬送ロール45に向けて用紙Pを搬送する第3搬送ロール46、第3搬送ロール46に向けて用紙Pを搬送する第4搬送ロール47が設けられている。
【0017】
またこれらの搬送ロールの他に、第1用紙搬送経路R1、第2用紙搬送経路R2、および、第3用紙搬送経路R3には、これらの用紙搬送経路上に位置する用紙Pを搬送する搬送ロール48が複数設けられている。なお、第1搬送ロール44、第2搬送ロール45、第3搬送ロール46、第4搬送ロール47、および搬送ロール48は、回転可能に設けられ互いに押し合う一対のロール状部材によって構成されるとともに一方のロール状部材が回転駆動されることで用紙Pの搬送を行う。
【0018】
また本実施形態では、第2搬送ロール45と第3搬送ロール46との間に、用紙Pの先端部が突き当てられる突き当て部材300が設けられている。本実施形態ではこの突き当て部材300に対して用紙Pの先端部が突き当てられることで、用紙Pのスキュー(搬送方向に対する用紙Pの傾き)が補正されるようになっている。なお、突き当て部材300により用紙Pのスキューが補正された後、この突き当て部材300は第1用紙搬送経路R1から退避する。また本実施形態では、第2用紙搬送経路R2上に、二次転写装置30により用紙P上に二次転写された画像をこの用紙Pに定着させる定着装置50が設けられている。
【0019】
さらに、二次転写装置30と定着装置50との間には、二次転写装置30を通過した用紙Pを定着装置50へ搬送する搬送装置51が設けられている。ここでこの搬送装置51は、周回移動するベルト51Aを有しており、このベルト51Aの上に用紙Pを載せて用紙Pの搬送を行う。また定着装置50には、内蔵されたヒータ(不図示)により加熱される加熱ロール50A、加熱ロール50Aを押圧する押圧ロール50Bが設けられている。そしてこの定着装置50では、加熱ロール50Aと押圧ロール50Bとの間を用紙Pが通過することで、用紙Pが加圧および加熱される。これにより用紙P上の画像が用紙Pに定着される。
【0020】
ここで、画像形成ユニット10の各々は、回転可能に取り付けられた感光体ドラム11を備えている。また、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12、感光体ドラム11を露光して静電潜像を書き込む露光装置13、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14が設けられている。さらに、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写装置15、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラム清掃装置16が設けられている。
【0021】
中間転写ベルト20は、3本のロール部材21〜23に掛け渡され、回転するように設けられている。これら3本のロール部材21〜23のうち、ロール部材22は、中間転写ベルト20を駆動するようになっている。また、ロール部材23は、中間転写ベルト20を挟んで二次転写ロール31に対向配置されており、これら二次転写ロール31およびロール部材23によって二次転写装置30が構成されている。なお、中間転写ベルト20を挟んでロール部材21と対向する位置には、中間転写ベルト20上の残留トナーを除去するベルト清掃装置24が設けられている。
【0022】
また、本実施形態の画像形成装置100では、第1用紙供給装置410等から供給された用紙Pの第1面に画像を形成することができるのに加え、用紙Pの第2面に画像を形成することができるようになっている。より具体的に説明すると、この画像形成装置100では、定着装置50を通過した用紙Pの表裏が反転機構500によって反転され、表裏が反転された用紙Pが再度二次転写装置30へと搬送される。そして二次転写装置30にて用紙Pの第2面に対して画像が転写される。その後、この用紙Pは定着装置50を再び通過し、転写されたこの画像は用紙Pに定着される。これにより、用紙Pの第1面のみならず第2面にも画像が形成されるようになる。
【0023】
図2は、反転機構500を説明するための図である。
上記にて説明したとおり、本実施形態では、第3用紙搬送経路R3に、この第3用紙搬送経路R3に沿って用紙Pを搬送する搬送ロール48が複数設けられている。また、第1用紙搬送経路R1にも、第1用紙搬送経路R1に沿って用紙Pを搬送する搬送ロール48が複数設けられている。また第3用紙搬送経路R3には、第3用紙搬送経路R3における用紙Pの搬送方向と直交する方向(交差する方向)に向けて用紙Pを搬送する搬送ロール91が設けられている。付言すると、第3用紙搬送経路R3の側方に向けて用紙Pを搬送する搬送ロール91が設けられている。
【0024】
さらに本実施形態では、搬送ロール91により搬送された用紙Pが上方に向かって移動するように、また、上方へ移動したこの用紙Pが第1用紙搬送経路R1に向かってさらに移動するように、この用紙Pを案内する案内部材92が設けられている。さらに、本実施形態では、案内部材92により案内され先端部が上方を向いた用紙Pをニップし、この用紙Pをさらに上方に向けて搬送する搬送ロール93が設けられている。また第1用紙搬送経路R1には、搬送ロール93により搬送されてきた用紙Pを第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所まで搬送する搬送ロール94が設けられている。また図示は省略するが、搬送ロール48、搬送ロール91、搬送ロール93、および搬送ロール94を回転させる駆動モータ(不図示)が設けられている。
【0025】
なお、搬送ロール48の各々は、上記のとおり、一対のロール状部材により構成されている。また、搬送ロール91、搬送ロール93、および搬送ロール94も、互いに押し合う一対のロール状部材により構成されている。なお
図2では、搬送ロール48、搬送ロール91、搬送ロール93、および搬送ロール94を構成する一対のロール状部材のうちの一方のロール状部材のみを図示している。
【0026】
また本実施形態では、搬送ロール48に設けられた一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間できるようになっている。また、搬送ロール91および搬送ロール94も同様であり、一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間できるようになっている。さらに、図示は省略するが、これら一方のロール状部材を他方のロール状部材から離間させる離間機構(不図示)が設けられている。なおこの離間機構は、モータやカムなど既存の技術により構成される。
【0027】
反転機構500により用紙Pの表裏の反転が行われる際には、まず、搬送ロール48により第3用紙搬送経路R3に沿って用紙Pが搬送されてくる。なおこのとき第3用紙搬送経路R3に設けられた搬送ロール91のうちの一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間している。次いで、搬送ロール48の一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間するとともに、搬送ロール91の一方のロール状部材が用紙Pを介して他方のロール状部材に押し付けられる。
【0028】
次いで、搬送ロール91、搬送ロール93、および、搬送ロール94が回転駆動され、用紙Pが第1用紙搬送経路R1に向けて搬送される。なおこのとき、第1用紙搬送経路R1に設けられた搬送ロール48の一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間している。そして、第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所まで用紙Pが搬送されると、搬送ロール91、搬送ロール93、および、搬送ロール94の回転駆動が停止される。その後、搬送ロール94における一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間するとともに、第1用紙搬送経路R1に設けられた搬送ロール48の一方のロール状部材が用紙Pを介して他方のロール状部材に押し付けられる。
【0029】
次いで、この搬送ロール48が回転駆動され第1用紙搬送経路R1に沿って用紙Pが搬送される。なおこのとき用紙Pの表裏が既に反転された状態となっている。ここで、本実施形態における反転機構500では、用紙Pの搬送方向における先端部と後端部とが入れ替わることなく表裏の反転が行われる。その一方で本実施形態における反転機構500では、用紙の一方の側辺と他方の側辺とが入れ替わるようになる。
【0030】
図3は、
図2の矢印III方向から反転機構500を眺めた場合の図である。なお
図3では、
図2にて示した搬送ロール91および搬送ロール94の図示を省略している。また
図3では、
図2にて示した案内部材92の図示も省略している。
【0031】
図2では説明を省略したが、本実施形態における反転機構500では、
図3に示すように、第3用紙搬送経路R3と第1用紙搬送経路R1とを接続する第4用紙搬送経路R4に、この第4用紙搬送経路R4に沿って搬送されてきた用紙Pの先端部を検知する検知センサFS1が設けられている。
なお本実施形態では、第1用紙搬送経路R1〜第3用紙搬送経路R3にて、用紙Pが有する2つの側辺がこれらの用紙搬送経路に沿って移動するように用紙Pが搬送されるが、第4用紙搬送経路R4では、この2つの側辺のうちの一方の側辺が先頭となった状態で用紙Pが搬送される。そしてこの用紙Pは、第1用紙搬送経路R1の側方から第1用紙搬送経路R1に供給される。
【0032】
また本実施形態では、検知センサFS1によって用紙Pの先端部が検知されてから予め定められたステップ数だけ不図示の駆動モータ(ステッピングモータ)を駆動させ、その後、この駆動モータを停止させる。これにより、上記にて説明したように、第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所まで用紙Pが搬送されるようになる。なお検知センサFS1は、発光素子および受光素子を備えたいわゆる反射型のセンサにより構成することもできるし、第4用紙搬送経路R4の一方側に発光素子が配置され他方側に受光素子が配置されたいわゆる透過型のセンサにより構成することもできる。
【0033】
図4は、
図1の矢印IV方向から第1用紙搬送経路R1を眺めた場合の図である。
同図に示すように、本実施形態では、第1搬送ロール44の下流側に、第1用紙搬送経路R1に沿って搬送されてきた用紙Pの側辺を検知する第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2が設けられている。また、第1搬送ロール44の上流側にも、第1用紙搬送経路R1に沿って搬送されてきた用紙Pの側辺を検知する第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4が設けられている。
【0034】
ここで、第1側辺検知センサSK1および第3側辺検知センサSK3は、画像形成装置100の奥側(リア側)に配置されている。また、第2側辺検知センサSK2および第4側辺検知センサSK4は、画像形成装置100の手前側(フロント側)に配置されている。ここで、第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2の各々には、複数個の受光素子40が用紙Pの搬送方向と直交する方向に並んだ状態で配置されている。
【0035】
そして本実施形態では、この受光素子40が並ぶ方向に沿って配列された複数のLED等の光源(不図示)からの照射光が用紙Pに照射されるとともに用紙Pからの反射光が受光素子40にて受光される。そして本実施形態では、受光素子40の各々にて得られる信号を2値化するとともに、2値化後の濃度レベルの変化点を用紙Pの側辺として検知する。
【0036】
一方、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4は、上記検知センサFS1と同様、反射型のセンサにより構成されている。なお上記と同様、いわゆる透過型のセンサを、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4に用いることもできる。また本実施形態では、第3側辺検知センサSK3を用紙Pの搬送方向と直交する方向(交差する方向)に移動させる第1移動機構110、第4側辺検知センサSK4を用紙Pの搬送方向と直交する方向に移動させる第2移動機構120が設けられている。
【0037】
ここで本実施形態では、搬送される用紙Pのサイズに基づき第1移動機構110および第2移動機構120が駆動され、搬送される用紙Pのサイズに対応した位置に第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4が配置される。なお、用紙Pのサイズに関する情報は、例えば、UI90(
図1参照)を通じてユーザにより入力される。また、用紙Pのサイズに関する情報は、例えば、外部のPC(パーソナルコンピュータ)から画像情報とともに送信されてくる。
【0038】
ここで第1移動機構110は、第3側辺検知センサSK3が取り付けられた無端状のベルト111と、このベルト111を駆動させるプーリー112と、プーリー112を回転させる不図示のモータとを備えており、このモータを駆動しプーリー112を回転させることでベルト111を回転させ、第3側辺検知センサSK3を用紙Pの搬送方向と直交する方向に移動させる。なお、第2移動機構120も、同様に、第4側辺検知センサSK4が取り付けられた無端状のベルト111と、このベルト111を駆動させるプーリー112と、プーリー112を回転させる不図示のモータとを備えている。
【0039】
また本実施形態では、用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿った移動が可能なように第1搬送ロール44が設けられている。また、第2搬送ロール45も、用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿った移動が可能なように設けられている。また本実施形態では、第1搬送ロール44を移動させる移動機構200、第2搬送ロール45を移動させる移動機構250が設けられている。
【0040】
ここで、移動機構200、および、回転部材移動手段の一例としての移動機構250は、同様に構成されている。移動機構200および移動機構250には、
図5(移動機構を説明するための図)に示すように、第1搬送ロール44、第2搬送ロール45の端部に取り付けられたラックギア210、このラックギア210に噛み合うピニオンギア220、このピニオンギア220を回転させるギアモータ230が設けられている。本実施形態では、このギアモータ230を正転および逆転することで、第1搬送ロール44、第2搬送ロール45が用紙Pの搬送方向と直交する方向に移動する。
【0041】
ここで、本実施形態における画像形成装置100では、突き当て部材300によるスキュー補正などによって、用紙Pの搬送方向と直交する方向に用紙Pがずれた状態で用紙Pが搬送される場合がある。この場合、ユーザが意図した箇所とは異なる箇所に画像が形成されるおそれがある。付言すると、上記直交する方向において、予め定められた箇所からずれた箇所に画像が形成されるおそれがある。
【0042】
このため本実施形態では、直交する方向においてずれた状態で搬送されてきた用紙Pを、用紙Pを挟んだ状態の第2搬送ロール45を軸方向に移動させることで、用紙Pの搬送方向と直交する方向に用紙Pを移動させる。これにより、用紙Pの通過が予定されている箇所と、実際に用紙Pが通過する箇所との間で生じるずれの量が小さくなる。さらに本実施形態では、下流側に位置する第1搬送ロール44を用いて用紙Pを直交する方向にさらに移動させる。これにより、第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所を用紙Pが通過するようになり、ユーザの意図した箇所に画像が形成されるようになる。
【0043】
ここで、下流側搬送手段の一例としての第1搬送ロール44について詳細に説明すると、第1搬送ロール44は、互いに押し合う第1ロール状部材441(
図1参照)および第2ロール状部材442(
図4参照)により構成されており、第1ロール状部材441と第2ロール状部材442との接触部(ニップ部)に搬送されてきた用紙Pを更に下流側へと搬送する。なお本実施形態では、第2ロール状部材442が不図示のモータによって回転駆動され、第1ロール状部材441が第2ロール状部材442に追従して回転するようになっている。また本実施形態では、第1ロール状部材441が第1用紙搬送経路R1の一方側および他方側のうちの一方側に配置され、第2ロール状部材442が他方側に配置されている。
【0044】
また、搬送手段の一例としての第2搬送ロール45は、
図4に示すように、互いに押し合う第1ロール状部材451および第2ロール状部材452により構成されており、第1ロール状部材451と第2ロール状部材452との接触部(ニップ部)に搬送されてきた用紙Pを更に下流側へと搬送する。ここで本実施形態では、第2の回転部材の一例としての第2ロール状部材452が不図示のモータによって回転駆動され、第1の回転部材の一例としての第1ロール状部材451が第2ロール状部材452に追従して回転するようになっている。また本実施形態では、第1搬送ロール44と同様、第1ロール状部材451が第1用紙搬送経路R1の一方側に配置され、第2ロール状部材452が他方側に配置されている。
【0045】
ここで、第2ロール状部材452には、
図4に示すように、用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿って設けられるとともに不図示のモータにより回転される回転軸452A、この回転軸452Aによって回転するとともに外周面が用紙Pに接触する円柱状の接触部材452Bとにより構成されている。ここで、この接触部材452Bは複数設けられるとともに、接触部材452Bの各々は、用紙Pの搬送方向と直交する方向において互いに異なる位置に配置されている。なお本実施形態では、接触部材452Bの外径は約20mmとなっている。また、本実施形態では、互いに隣接する接触部材452Bの間に間隙G1が形成されている。
【0046】
また、第1ロール状部材451も、用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿って設けられた回転軸451Aと、回転軸451Aにより支持され外周面が用紙Pに接触する接触部材451Bとにより構成されている。ここで接触部材451Bは、円柱状に形成されている。また、接触部材451Bの各々は、第2ロール状部材452に設けられた接触部材452Bに対峙するように設けられるとともに、接触部材452Bに押圧された状態で配置されている。また、複数設けられた接触部材451Bの各々は、用紙Pの搬送方向と直交する方向において互いに異なる位置に配置されている。また、本実施形態では、第2ロール状部材452と同様に、互いに隣接する接触部材451Bの間に間隙G1が形成されている。
【0047】
また本実施形態では、
図4に示すように、搬送される用紙Pの下面に接触しこの用紙Pを下方から支持する板状の支持部材49が設けられている。なお本実施形態では、この支持部材49は、第1用紙搬送経路R1に沿って設けられるとともに第1用紙搬送経路R1よりも、第2搬送ロール45の第1ロール状部材451側に配置されている。また、この支持部材49には複数の開口49Aが形成されており、この開口49Aを通じて、突き当て部材300(
図4では不図示、
図1、
図6参照)が第1用紙搬送経路R1上に突出している。
【0048】
ここで、移動部材の一例としての突き当て部材300は、櫛歯状に形成されている。より具体的に説明すると、突き当て部材300は、上記開口49Aを通じて第1用紙搬送経路R1に突出する複数の突出片352(
図6参照)と、支持部材49よりも下方に配置され(第1用紙搬送経路R1から外れた箇所に配置され)突出片352を支持する基部351(
図6参照)から構成されている。
【0049】
ここで、図示は省略するが、突き当て部、突出部の一例としての突出片352は、上記のように複数設けられるとともに、各々の突出片352は、用紙Pの搬送方向と直交する方向において互いにずらされた状態で配置されている。また、支持部の一例としての基部351は、用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿って配置され、また板状に形成されている。さらにこの基部351は、第1用紙搬送経路R1よりも第1ロール状部材451側に配置されている。またこの基部351は、上記にて説明した支持部材49よりも第1ロール状部材451側に配置されている。
【0050】
なお本実施形態では、第1搬送ロール44(
図1参照)と第2搬送ロール45との軸間距離(第1搬送ロール44における用紙ニップ部と、第2搬送ロール45における用紙ニップ部との距離)が、上記接触部材452B(
図4参照)の周長(接触部材452Bの外周面の1周分の長さ)の整数倍となっている。この場合、用紙Pの先端が第2搬送ロール45に達してから用紙Pの先端が第1搬送ロール44に達するまでに要する時間が用紙P毎にばらつくことを抑制可能となる。
【0051】
付言すると、接触部材452Bが偏心等した状態で配置されている場合、用紙Pの先端が第2搬送ロール45に達してから用紙Pの先端が第1搬送ロール44に達するまでに要する時間が用紙P毎にばらつくおそれがある。そしてこの場合、二次転写装置30(
図1参照)へ用紙Pが到達するタイミングが用紙P毎にばらつくようになり、本来の位置からずれた位置に画像が形成されるおそれがある。
本実施形態のように、第1搬送ロール44と第2搬送ロール45との軸間距離が、接触部材452Bの周長の整数倍となっている場合、用紙Pが第1搬送ロール44に達するまでに要する時間がばらつくことを抑制可能となり、画像の形成位置がずれることが抑制可能となる。なお本実施形態では、第2搬送ロール45と二次転写装置30(
図1参照)との距離(第2搬送ロール45における用紙ニップ部と二次転写装置30における用紙ニップ部との距離)も、接触部材452Bの周長の整数倍となっている。
【0052】
ところで、本実施形態では、突き当て部材300は、後述する移動機構700によって用紙Pの搬送方向下流側に向かって移動する。また本実施形態では、第3搬送ロール46(
図1参照)により、突き当て部材300に向けて用紙Pが搬送される。ここで本実施形態では、突き当て部材300の移動速度よりも、第3搬送ロール46による用紙Pの搬送速度の方が大きくなるように、突き当て部材300の移動速度および第3搬送ロール46による用紙Pの搬送速度が設定されている。このため、第3搬送ロール46によって用紙Pが搬送されてくると、用紙Pが突き当て部材300に次第に接近し、その後、用紙Pの先端部が突き当て部材300の突出片352に突き当たる。これにより用紙Pのスキューが補正される。
【0053】
図6は、
図4における矢印VI方向から突き当て部材300等を眺めた場合の図である。
本実施形態では、上記のとおり、突き当て部材300を用紙Pの搬送方向(第1用紙搬送経路R1)に沿って移動させる移動機構700が設けられている。この移動機構700は、
図6に示すように、支持部材49の下方に配置されている。なお
図4では図示を省略したが、突き当て部材300の突出片352が通過する通過領域の上方には、用紙Pの先端部が図中上方へ逃げることを防止するための(用紙Pの先端部と突出片352との接触を維持するための)用紙案内板56が設けられている。
【0054】
ここで移動機構700は、突き当て部材300の一端に取り付けられ突き当て部材300を回転可能(揺動可能)に支持するシャフト710と、第1用紙搬送経路R1に沿った移動が可能に設けられシャフト710を回転可能に支持する支持部材720とを備えている。また、移動機構700は、第1用紙搬送経路R1に沿って支持部材720が移動するように支持部材720を案内するガイド730を有している。さらに、移動機構700は、支持部材720の内部に収められた第1モータM1により回転する円盤状の第1ギア731を有している。
【0055】
また移動機構700は、シャフト710と第1ギア731との間に、第1ギア731からの駆動力をシャフト710に伝達する第2ギア732を備えている。ここで、この第2ギア732の一端側はシャフト710に接続され、第2ギア732の他端側は第1ギア731に接続されている。
【0056】
本実施形態では、第1ギア731が図中反時計回り方向に回転すると、第2ギア732の上記他端側が移動し、これに伴いシャフト710が回転する。そしてシャフト710のこの回転によって突き当て部材300の突出片352が第1用紙搬送経路R1から退避する。また、第1ギア731が図中時計回り方向に回転することで、突き当て部材300の突出片352が第1用紙搬送経路R1上に突出する。また移動機構700は、回転可能に設けられ支持部材720に設けられたラックギア(不図示)に噛み合う円盤状の第3ギア733と、この第3ギア733を一方向および反対方向に回転させる第2モータM2を有している。
【0057】
図7〜
図9は、突き当て部材300の動きを示した図である。
上記では説明を省略したが、本実施形態では、突き当て部材300よりも用紙Pの搬送方向における上流側に、用紙Pの先端部を検知する検知センサ(不図示)が設けられている。そして本実施形態では、用紙Pがこの検知センサによって検知されると、上記第2モータM2が駆動され、用紙Pの搬送方向下流側への支持部材720の移動が開始される。なお支持部材720の移動速度は、第3搬送ロール46(
図1も参照)による用紙Pの搬送速度よりも遅くなっている。
【0058】
ここで、下流方向への移動を開始した支持部材720は、加速を行った後、等速移動を行う。これに伴い、突き当て部材300も等速移動を行う。そして本実施形態では、等速移動を行っているこの突き当て部材300の突出片352に対して用紙Pの先端部が突き当たるとともに、この状態のまま、用紙Pの搬送が継続される(
図7参照)。これにより、用紙Pの搬送方向と直交する方向に用紙Pの先端縁が沿うようになり、用紙Pのスキューが補正される。
【0059】
また本実施形態では、
図7に示すように、突き当て部材300に用紙Pが突き当てられた状態で、突き当て部材300の突出片352が第2搬送ロール45に達するとともに、第2搬送ロール45を通過する。より具体的には、
図7に示すように、第1ロール状部材451における回転軸451Aと、第2ロール状部材452における回転軸452Aとの間を通過する。また、互いに隣接する接触部材452Bの間に形成された間隙G1(
図4参照)、および、互いに隣接する接触部材451Bの間に形成された間隙G1(
図4参照)を、突き当て部材300が通過する。
【0060】
付言すると、本実施形態では、間隙G1が設けられている箇所に、第1ロール状部材451の外周面と第2ロール状部材452の外周面とが接触しない非接触部が設けられており、突き当て部材300の突出片352は、この非接触部内に進入するとともにこの非接触部を通じて用紙Pの搬送方向下流側へと移動する。さらに説明すると、本実施形態では、第1ロール状部材451と第2ロール状部材452との接触部が第2搬送ロール45の軸方向における異なる位置に複数設けられるとともに、互いに隣接する接触部間に(間隙G1が設けられている箇所に)、第1ロール状部材451と第2ロール状部材452とが接触しない非接触部が設けられている。
【0061】
そして本実施形態では、この非接触部が利用されて、突き当て部材300の突出片352が、第1ロール状部材451と第2ロール状部材452とが互いに接触する接触部よりも下流側へと移動していく。なお本実施形態では、突き当て部材300の突出片352が接触部よりも下流側へと移動する際、突出片352を支持する基部351は、
図7に示すように、支持部材49と第1ロール状部材451の回転軸451Aとに形成された間隙内を移動する。
【0062】
このような構成により、本実施形態では、突き当て部材300の突出片352が第2搬送ロール45に達すると、用紙Pが第2搬送ロール45によって保持(ニップ)されるとともに第2搬送ロール45による用紙Pの搬送が開始される。そしてこの用紙Pは、第1搬送ロール44(
図1参照)によってさらに搬送され、二次転写装置30に供給される。これにより、用紙Pにトナー像が形成される。なお、二次転写装置30へ用紙Pを供給する際のタイミング調整は、第1搬送ロール44によって行われる。具体的に説明すると、第1搬送ロール44の回転数が変更(増減)されることで、二次転写装置30への用紙Pの供給タイミングが調整される。
【0063】
突き当て部材300の動きについて更に説明する。
用紙Pが第2搬送ロール45によって保持され、第2搬送ロール45による用紙Pの搬送が開始された後、本実施形態では、第1モータM1の駆動が開始される。これにより、
図8に示すように突き当て部材300が下方に向かって回転し(第1ロール状部材451の回転軸451A側へ変位し)、第1用紙搬送経路R1から外れた箇所に突き当て部材300の突出片352が位置するようになる。
【0064】
なお本実施形態では、突き当て部材300は、
図8に示すように、第2搬送ロール45を超える箇所まで突出片352が移動した後に、下方に向かって回転する。ここで、第2搬送ロール45による用紙Pの搬送が開始される前に(突出片352が第2搬送ロール45に達する前に)、突き当て部材300が下方に向かって回転してしまうと、第2搬送ロール45によって用紙Pがニップされる前に、用紙Pの先端部から突き当て部材300の突出片352が離れてしまう。
【0065】
そしてこの場合、用紙Pの先端部が第2搬送ロール45に達するまでに再びスキューしてしまうおそれがある。このため本実施形態では、第2搬送ロール45を超える箇所まで突き当て部材300の突出片352を移動させ、第2搬送ロール45に用紙Pの先端部が達する前にこの先端部から突き当て部材300の突出片352が離れることを防止している。
【0066】
なお、本実施形態では、第2搬送ロール45の第2ロール状部材452と第1ロール状部材451とが常時接触している場合を説明したが、突き当て部材300の突出片352が第2搬送ロール45を通過する際に、第2ロール状部材452と第1ロール状部材451とを離間させておくこともできる。そして、突出片352が第2搬送ロール45を通過した後に、第2ロール状部材452と第1ロール状部材451とを互いに接近させ、第2ロール状部材452および第1ロール状部材451による用紙Pの搬送を開始することができる。このように、突き当て部材300が第2搬送ロール45を通過する際に、第2ロール状部材452と第1ロール状部材451とが離間している場合、用紙Pの先端部が第2搬送ロール45に対して突き当たることにより生じうる用紙Pの損傷などが抑制される。
【0067】
突き当て部材300が下方へ回転した後(
図8参照)、本実施形態では、第2モータM2が逆転され、支持部材720が上流側へ移動する。そして支持部材720のこの移動に伴い、
図9に示すように、突き当て部材300も上流側へ移動する。これにより新たに搬送されてくる用紙Pのスキューの補正が可能となる。なお本実施形態では、支持部材720が上流側に向かって移動している際に第1モータM1の逆転が行われ、支持部材720が上流側に向かって移動している際に、突き当て部材300の突出片352が第1用紙搬送経路R1上に突出する。
【0068】
ここで、本実施形態では、第1モータM1により突き当て部材300を回転させたが、突き当て部材300をガイドするガイドレール(不図示)を第1用紙搬送経路R1の側方などに設け、このガイドレールを利用して突き当て部材300の回転を行うこともできる。
【0069】
なお本実施形態では、
図8に示すように、第1ロール状部材451における回転軸451Aから第1用紙搬送経路R1までの距離の方が、第2ロール状部材452における回転軸452Aから第1用紙搬送経路R1までの距離よりも大きくなっている。これにより、第1用紙搬送経路R1よりも第1ロール状部材451側を移動する突き当て部材300と、第1ロール状部材451の回転軸451Aとの干渉が避けられるようになっている。
【0070】
また、回転軸451Aから第1用紙搬送経路R1までの距離の方を、回転軸452Aから第1用紙搬送経路R1までの距離よりも大きくすることにより、第1ロール状部材451側に向かって回転する突き当て部材300と、第1ロール状部材451の回転軸451Aとの干渉が避けられるようになっている。付言すると、本実施形態では、第1ロール状部材451の回転軸451Aに近づくように変位する突き当て部材300と、この回転軸451Aとが干渉しないように、第1用紙搬送経路R1から予め定められた距離だけ離れた箇所に回転軸451Aが配置された構成となっている。さらに説明すると、本実施形態では、突出片352が第1用紙搬送経路R1から退避する際の突き当て部材300の変位を妨げない位置に、第1ロール状部材451の回転軸451Aが設けられている。
【0071】
なお本実施形態では、第1用紙搬送経路R1上において、第2ロール状部材452の接触部材452Bと、第1ロール状部材451の接触部材451Bとを接触させるため、
図8に示すように、接触部材451Bの直径を接触部材452Bの直径よりも大きくしている。
【0072】
また、上記では説明を省略したが、本実施形態では、突き当て部材300の移動速度と、第2搬送ロール45による用紙Pの搬送速度(接触部材452Bの周速)とが等しくなっている。ここで、第2搬送ロール45による用紙Pの搬送速度の方が、突き当て部材300の移動速度よりも小さい場合、第2搬送ロール45に対して用紙Pが突き当たるようになり、用紙Pの先端部(先端縁)が第2搬送ロール45のアライメントに倣うようになってしまうおそれがある。
【0073】
付言すると、突き当て部材300により用紙Pのスキューを補正したにも関わらず、用紙Pが第2搬送ロール45に突き当たることで、再度スキューが生じてしまうおそれがある。このため本実施形態では、上記のように、第2搬送ロール45による用紙Pの搬送速度と、突き当て部材300の移動速度とを等しくしている。なお、第2搬送ロール45による用紙Pの搬送速度を、突き当て部材300の移動速度よりも大きくすることもできる。
【0074】
ここで、用紙Pのスキューの補正は、停止している突き当て部材300に対して用紙Pを突き当てることで行うこともできるが、この場合、用紙Pが突き当て部材300に突き当たることにより生じる用紙Pの損傷などを防ぐため、用紙Pの搬送速度を大きく低下させたり用紙Pの搬送を一旦停止させたりする必要が生じるようになる。ところでこの場合、単位時間当たりに搬送可能な用紙Pの枚数が減るようになり生産性が低下しやすい。一方で本実施形態における構成では、用紙Pとともに突き当て部材300が移動するため、用紙Pの搬送の停止などを行わずにスキュー補正が可能となり、突き当て部材300が停止している構成に比べ生産性が高まるようになる。
【0075】
また、例えば、突き当て部材300に用紙Pが突き当たった後に、第3搬送ロール46による用紙Pの搬送、および、突き当て部材300の移動を一旦停止し、その後、二次転写装置30にトナー像が移動してくるタイミングに合わせて、用紙Pの搬送の再開および突き当て部材300の移動の再開を行う構成も考えられるが、この場合も、生産性が低下しやすくなる。
【0076】
本実施形態における構成では、突き当て部材300に用紙Pが突き当たった後も、第3搬送ロール46による用紙Pの搬送が継続され、第3搬送ロール46による用紙Pの搬送が停止されずに、回転駆動を行っている第2搬送ロール45に対し用紙Pが受け渡される。また本実施形態では、突き当て部材300に用紙Pが突き当たった後も、突き当て部材300が停止することなく突き当て部材300が第2搬送ロール45に達する。このため本実施形態では、第3搬送ロール46による用紙Pの搬送、および、突き当て部材300の移動を一旦停止する構成に比べ生産性が高まるようになる。
【0077】
図10は、
図4に示した第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4と用紙Pとの位置関係を示した図である。
本実施形態では、
図10(a)に示すように、搬送される用紙Pのサイズに基づき、用紙P(図中実線で表示)(第1面に画像を形成する際の用紙P)の第3側辺検知センサSK3側に位置する側辺よりも内側に位置するように第3側辺検知センサSK3が配置される。
【0078】
そして本実施形態では、用紙Pの搬送に伴い、用紙Pが第3側辺検知センサSK3に到達することになるが、この際、第2搬送ロール45(
図4参照)を軸方向に移動させることで、
図10(a)の矢印10Aに示す方向に用紙Pを移動させる。これにより、用紙Pのうちの第3側辺検知センサSK3側に位置する側辺が、第3側辺検知センサSK3の検知領域を通過する。これにより、第3側辺検知センサSK3によってこの側辺が検知される。
【0079】
そしてこの検知後、制御部80(
図1参照)は、移動機構250(
図5参照)に設けられたギアモータ230を予め定められたステップ数だけさらに駆動し、その後、この駆動を停止させる。これにより、用紙Pの搬送方向と交差する方向に移動を行っていた用紙Pの移動が停止される。これにより、第3側辺検知センサSK3から予め定められた距離だけ離れた箇所を用紙Pの側辺が通過するようになる。
【0080】
その後、本実施形態では、第1側辺検知センサSK1(
図4参照)による用紙Pの側辺の検知結果に基づき、記録材移動手段として機能する第1搬送ロール44(
図4参照)が移動し、用紙Pの位置が再度調整される(微調整)。これにより用紙Pが予め定められた箇所を通過するようになり、用紙Pの第1面のうちのユーザの意図した箇所に画像が形成されるようになる。
【0081】
付言すると、本実施形態では、突き当て部材300に対して用紙Pが突き当たることによってスキューの補正がなされるが、この際に、用紙Pの搬送方向と直交する方向に用紙Pが変位する。そしてこのように変位したまま用紙Pが二次転写装置30に達すると、本来の位置とは異なる箇所に画像が形成されてしまうおそれがある。このため、本実施形態では、第2搬送ロール45および第1搬送ロール44を用い、通過が予定されている箇所まで用紙Pを移動させるようにしている。
【0082】
ここで、第1搬送ロール44による用紙Pの移動、および、第2搬送ロール45による用紙Pの移動の何れか一方のみで用紙Pの位置の調整を行う場合、移動後における用紙Pの位置の精度が低くなるおそれがある。本実施形態のように、2回に分けて用紙Pの移動を行う場合、1回目の用紙Pの移動時に粗い位置調整を行い、2回目の用紙Pの移動時により細かい位置調整を行うことができるようになり、用紙Pの位置の精度を高めることができるようになる。
【0083】
なお、第1搬送ロール44による用紙Pの移動(軸方向への第1搬送ロール44の移動)は、用紙Pの後端が第2搬送ロール45を通過した後に行うことが好ましい。また、第1搬送ロール44による用紙Pの移動を行う際に、第2搬送ロール45における第2ロール状部材452と第1ロール状部材451とを離間させることもできる。
【0084】
また、第1搬送ロール44の第2ロール状部材442(
図1参照)と第1ロール状部材441とを離間可能に設け、第2搬送ロール45による用紙Pの移動(軸方向への第2搬送ロール45の移動)が行われる際に、第2ロール状部材442と第1ロール状部材441とを離間させておくこともできる。なおこの場合は、第2搬送ロール45による用紙Pの移動が行われた後に、第2ロール状部材442と第1ロール状部材441とで用紙Pをニップし、第1搬送ロール44による用紙Pの搬送を開始する。
【0085】
なお本実施形態では、用紙Pの搬送を行いながら、第1搬送ロール44および第2搬送ロール45を軸方向に移動させる場合を説明したが、第1搬送ロール44および第2搬送ロール45を軸方向に移動させる際に用紙Pの搬送を一旦停止させることもできる。なお、用紙Pの搬送を行いながら、第1搬送ロール44および第2搬送ロール45を移動させた方が、単位時間当たりに搬送可能な用紙Pの枚数を増やすことができる。
【0086】
ところで、用紙Pのスキューが大きい場合や機械的な誤差が存在する場合、
図10(a)の破線で示すように、用紙Pの側辺が第3側辺検知センサSK3よりも内側を通過することが起こり得る。この場合、第3側辺検知センサSK3による側辺の検知が困難となる。このような場合、本実施形態では、第2搬送ロール45(
図4参照)まで用紙Pが搬送されてきた際に、第2搬送ロール45を移動させ、
図10(a)の図中左方向へ用紙Pを移動させる。これにより、用紙Pの図中左側の側辺が第3側辺検知センサSK3の検知領域を通過するようになる。
【0087】
次いで、第2搬送ロール45を反対方向へ移動させ、
図10(a)の図中右方向へ用紙Pを移動させる。これにより、用紙Pの側辺が第3側辺検知センサSK3の検知領域を再度通過し、用紙Pの側辺が第3側辺検知センサSK3により検知される。その後は、上記と同様、第3側辺検知センサSK3による側辺の検知がなされてから予め定められたステップ数だけギアモータ230(
図5参照)が回転される。これにより、用紙Pの通過が予定されている箇所と、実際に用紙Pが通過する箇所との間で生じるずれの量が小さくなる。
【0088】
なお、この処理では、
図10(a)における図中左方向へ用紙Pを移動させた際に、用紙Pの側辺が第3側辺検知センサSK3の検知領域を一旦通過し、第3側辺検知センサSK3によって用紙Pの側辺が検知される。ここで、この検知結果に基づき、用紙Pを図中右方向に予め定められたステップ数だけ移動させることもできる。ところでこの場合、ギアのバックラッシュなどの影響により、用紙Pを停止させた際の用紙Pの位置の精度が低下しやすくなる。このため、本実施形態では、用紙Pが図中右方向に移動している際の、第3側辺検知センサSK3による検知結果に基づき、用紙Pを停止させるようにしている。付言すると、本実施形態では、用紙Pが図中左方向に移動している際にも第3側辺検知センサSK3によって用紙Pの側辺が検知されるようになるが、この検知結果は利用しないようにしている。
【0089】
なお本実施形態では、用紙Pの両面に画像が形成される際は、用紙Pが反転機構500(
図1参照)により反転され、この用紙Pが再び第2搬送ロール45まで搬送されてくる。この場合は、第2搬送ロール45を軸方向に移動させることで、
図10(b)の矢印10Bに示す方向に用紙Pを移動させ、用紙Pのうちの第4側辺検知センサSK4側に位置する側辺をこの第4側辺検知センサSK4に検知させる。そしてこの検知後、上記と同様、ギアモータ230を予め定められたステップ数だけさらに駆動し、その後、この駆動を停止させる。また、反転機構500により反転された用紙Pが搬送されてきた場合は、第2側辺検知センサSK2(
図4参照)による用紙Pの側辺の検知結果に基づき、第1搬送ロール44を移動させ、用紙Pの位置を再度調整する(微調整)。これにより用紙Pが予め定められた箇所を通過するようになり、用紙Pの第2面のうちのユーザの意図した箇所に画像が形成されるようになる。
【0090】
ここで本実施形態では、第1側辺検知センサSK1および第3側辺検知センサSK3に加え、第2側辺検知センサSK2および第4側辺検知センサSK4が設けられている。そして本実施形態では、用紙Pの表裏が反転された後は、第1側辺検知センサSK1および第3側辺検知センサSK3ではなく、第2側辺検知センサSK2および第4側辺検知センサSK4を用いて検知を行う。付言すると、第1側辺検知センサSK1および第3側辺検知センサSK3により検知された側辺と同じ側辺が、第2側辺検知センサSK2および第4側辺検知センサSK4によって再度検知される。
【0091】
ここで本実施形態では、1回目の側辺の検知後に(第1面への画像の形成後に)、用紙Pが定着装置50を通過するため用紙Pが伸縮する場合がある。また、用紙Pは裁断により形成されるのが一般的であるが、裁断時の誤差などにより用紙Pの長さが予め定められた規格値とは異なっている場合がある。そしてこのような場合、1回目の検知を行った側辺とは異なる側辺を2回目の検知で検知し、この検知結果に基づき、第1搬送ロール44や第2搬送ロール45を移動させると、用紙Pの第2面に形成される画像がユーザの意図している箇所とは異なる箇所に形成されるおそれがある。
【0092】
付言すると、画像を書き出す基準が第1面の場合と第2面の場合とで異なるようになり、用紙Pの第2面に形成される画像がユーザの意図している箇所とは異なる箇所に形成されるおそれがある。このため本実施形態では、第1側辺検知センサSK1、第3側辺検知センサSK3に加え、第2側辺検知センサSK2、第4側辺検知センサSK4を設け、1回目に検知を行った側辺と同じ側辺を2回目の検知でも検知するようにしている。付言すると、本実施形態では、第1搬送ロール44や第2搬送ロール45を用いて用紙Pを移動させる際の基準となる用紙Pの側辺が原稿の表裏で同じとなるようにしている。
【0093】
なお、第1側辺検知センサSK1、第2側辺検知センサSK2では、OHP(Overhead projector)シートなどの透明なシートや、暗色の画像が既に形成されている用紙Pや、色付きの用紙Pなど、特定の用紙P(シート)の側辺の検知がなされにくくなっている。一方で、第3側辺検知センサSK3、第4側辺検知センサSK4では、このような用紙Pの側辺の検知を行うことができる。
【0094】
このため、本実施形態では、上記暗色の用紙Pなど特定の用紙Pの側辺については、第1側辺検知センサSK1、第2側辺検知センサSK2による検知は省略し、第3側辺検知センサSK3、第4側辺検知センサSK4による検知を行うようにしている。なおこの場合、第1搬送ロール44による用紙Pの移動は省略される。なお用紙P(シート)が特定の用紙Pであるか否かは、UI90を通じてユーザにより入力された情報や、外部のPCから画像情報とともに送信されてきた情報に基づき判断することができる。
【0095】
なお上記では、第1側辺検知センサSK1と第2側辺検知センサSK2の2つのセンサを設けたが、用紙Pの一方の側辺から他方の側辺にかけて受光素子40(
図4参照)が配列された1つのセンサを用いて、用紙Pの側辺を検知するようにしてもよい。また例えば、第4側辺検知センサSK4を省略するとともに第3側辺検知センサSK3の移動範囲を拡げることで、第3側辺検知センサSK3のみで用紙Pの側辺を検知することもできる。また上記では画像形成装置100を一例に説明したが、上記にて説明した構成は、用紙Pに対して、ステープル綴じなどの綴じ処理、穴開け加工、エンボス加工などの処理を行う処理装置にも適用することができる。