特許第5824963号(P5824963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5824963フルオロアルキルビニルエーテルの精製法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5824963
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】フルオロアルキルビニルエーテルの精製法
(51)【国際特許分類】
   C07C 41/42 20060101AFI20151112BHJP
   C07C 43/17 20060101ALI20151112BHJP
   C07C 41/46 20060101ALI20151112BHJP
   C07C 41/18 20060101ALI20151112BHJP
【FI】
   C07C41/42
   C07C43/17
   C07C41/46
   C07C41/18
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-180426(P2011-180426)
(22)【出願日】2011年8月22日
(65)【公開番号】特開2013-43832(P2013-43832A)
(43)【公開日】2013年3月4日
【審査請求日】2014年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】502145313
【氏名又は名称】ユニマテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066005
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100114351
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 和子
(72)【発明者】
【氏名】明間 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】小金 敬介
(72)【発明者】
【氏名】村井 大介
【審査官】 井上 千弥子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−294242(JP,A)
【文献】 特開平06−025054(JP,A)
【文献】 国際公開第98/023569(WO,A1)
【文献】 特開昭63−132851(JP,A)
【文献】 特開2009−203172(JP,A)
【文献】 特表2001−505547(JP,A)
【文献】 特開昭61−158801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 41/00−43/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
Rf(OCF=CF2)n 〔I〕
(ここで、nは1または2の整数であり、Rfはn=1の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキル基であり、n=2の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキレン基である)で表されるフルオロアルキルビニルエーテルのフッ化水素付加物を含有する粗フルオロアルキルビニルエーテルを、フルオロアルキルビニルエーテルの沸点と比して70℃以上高い沸点のアミン類を、粗フルオロアルキルビニルエーテルに対して1〜10重量%存在させて蒸留することを特徴とするフルオロアルキルビニルエーテルの精製法。
【請求項2】
フルオロアルキルビニルエーテルが、一般式〔I〕において、n=1であるフルオロアルキルモノビニルエーテルまたはn=2であるフルオロアルキレンジビニルエーテルである請求項1記載のフルオロアルキルビニルエーテルの精製法。
【請求項3】
一般式
Rf(OCF=CF2)n 〔I〕
(ここで、nは1または2の整数であり、Rfはn=1の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキル基であり、n=2の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキレン基である)で表されるフルオロアルキルビニルエーテルが、一般式
Rf〔OCF(CF3)-COOM〕n
(ここで、nは1または2の整数であり、Rfはn=1の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキル基であり、n=2の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキレン基であり、Mはアルカリ金属である)で表されるパーフルオロアルキルカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液またはアルコール溶液を、120℃以下の温度で残溶媒量が1重量%以下になるまで噴霧乾燥させ、得られたパーフルオロアルキルカルボン酸アルカリ金属塩を120℃以上の温度で加熱し、ビニル化反応させることによって製造されたものである請求項1記載のフルオロアルキルビニルエーテルの精製法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロアルキルビニルエーテルの精製法に関する。さらに詳しくは、フルオロアルキル(ジ)ビニルエーテルの製造時に副生するフッ化水素付加体等を容易に分離、除去し得るフルオロアルキルビニルエーテルの精製法に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロアルキルビニルエーテルを製造する方法としては、対応する酸フロライドに金属炭酸塩を反応させ、溶媒中でカルボン酸金属塩を生じさせた後、これを加温せしめる方法が用いられている(特許文献1〜2)。
RfOCF(CF3)COF + M2CO3 → RfOCF(CF3)COOM → RfOCF=CF2
かかる方法においては、フルオロアルキルビニルエーテルのフッ化水素付加体が副生することとなる。このことは、フルオロアルキルジビニルエーテルの製造時においても同様である。フルオロアルキルジビニルエーテルは、フッ素系ポリマーに添加することにより、ポリマーの圧縮永久歪特性を改善することができるが、フルオロアルキルビニルエーテル製造の際に副生するフルオロアルキルビニルエーテルのフッ化水素付加体は、時間が経つにつれて加水分解し、HFを発生するため、重合系中の酸分が増加してしまい、この過剰な酸分が、フッ素系ポリマーの重合系に悪影響を与え、重合挙動が安定せず、物性が低下する原因となってしまうこととなる。
【0003】
かかる酸分除去のためには、フルオロアルキルビニルエーテルの水洗、蒸留の工程を必要とするが、水洗実施後直ちに蒸留した場合には、回収された留分を水洗した水のpHは中性であるものの、水洗後または蒸留後しばらく時間が経過した場合には、その水洗水のpHは酸性を呈するようになってしまう。
【0004】
これまで、フルオロアルキルビニルエーテルに含まれる不純物のHFを除去し、フルオロアルキルビニルエーテルを精製する方法としては、フルオロアルキルビニルエーテルのフッ化水素付加物を含有する粗フルオロアルキルビニルエーテルを沸点100℃以上のケトンの存在下に抽出蒸留する方法(特許文献3参照)、フルオロアルキルビニルエーテルより沸点の低いケトンおよびエーテル類のうち少なくとも一種の溶媒の存在下に、溶媒を環流させながらフルオロアルキルビニルエーテルを蒸留する方法(特許文献4)などが提案されている。
【0005】
しかるに、特許文献3記載の方法では、フルオロアルキルビニルエーテルよりも沸点の高いケトン類を用いているものの、精製は十分とはいえないものであり、また特許文献4記載の方法にあっても、フルオロアルキルビニルエーテルよりも沸点の低いケトン類、エーテル類を用いているため、これらの溶剤を別途蒸留分離する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−346087号公報
【特許文献2】特表2009−500330号公報
【特許文献3】特開平3−294242号公報
【特許文献4】特許第3,644,038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、最終的に除去が必要とされない特定の処理剤を用いて、フルオロアルキルビニルエーテルを効率的に分離する精製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる本発明の目的は、一般式
Rf(OCF=CF2)n 〔I〕
(ここで、nは1または2の整数であり、Rfはn=1の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキル基であり、n=2の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキレン基である)で表されるフルオロアルキルビニルエーテルのフッ化水素付加物を含有する粗フルオロアルキルビニルエーテルを、フルオロアルキルビニルエーテルの沸点と比して70℃以上高い沸点のアミン類を、粗フルオロアルキルビニルエーテルに対して1〜10重量%存在させて蒸留することによって達成される。ここで、フルオロアルキルビニルエーテルには、フルオロアルキルモノビニルエーテルのほか、フルオロアルキレンジビニルエーテルも含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る精製法によれば、フルオロアルキルビニルエーテルの精製を十分行うことを可能とする。また、HFを捕捉したアミン類はHF塩を生成するが、本発明ではフルオロアルキルビニルエーテルよりも沸点の高いアミン類を用いているため、蒸留時に留出することはなくこれを除去する必要性がないので、再度精製工程は必要とされない。
【0010】
また、本発明方法によって精製されたフルオロアルキルビニルエーテルは、精製前にアミン類がビニル化後の加水分解あるいは蒸留時の加熱によって生じるHFを十分に捕捉しているため、有機過酸化物系の重合開始剤を失活させる酸分が除去されており、フッ素系ポリマーの重合系に添加した場合に問題となる、HFを原因とする重合挙動の不安定化を低減せしめるといったすぐれた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本精製法の対象となるフルオロアルキルビニルエーテルとしては、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などのフルオロアルキルモノビニルエーテル、1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-ビス[(トリフルオロビニル)オキシ]エタンなどのフルオロアルキレンジビニルエーテルなどフルオロアルキルビニルエーテルであれば全般に対象とされる。
【0012】
ここで、一般式
Rf(OCF=CF2)n 〔I〕
(ここで、nは1または2の整数であり、Rfはn=1の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキル基であり、n=2の場合は直鎖または分岐構造を有する、炭素数2〜12のパーフルオロアルキレン基である)で表されるフルオロアルキルビニルエーテルは、好ましくは一般式
Rf〔OCF(CF3)-COOM〕n
(ここで、nおよびRfの定義は上記と同様であり、Mはアルカリ金属である)で表されるパーフルオロアルキルカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液またはアルコール溶液を、120℃以下の温度で残溶媒量が1重量%以下になるまで噴霧乾燥させ、得られたパーフルオロアルキルカルボン酸アルカリ金属塩を120℃以上の温度で加熱し、ビニル化反応させることによって製造される。
【0013】
フルオロアルキルカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液またはアルコール溶液は、スプレードライヤー、流動式乾燥床など噴霧乾燥機を用いて、溶媒の除去が行われる。噴霧乾燥は、水溶液の場合は乾燥空気中に吹き込むことにより、またメタノール等の有機溶媒溶液の場合には、空気の代わりに加温した窒素を吹き込むことによって行われる。溶媒として用いられた水またはアルコールが乾燥粉末に残存すると、ビニル化工程でビニル基にフッ化水素が付加した化合物が生成し、反応選択性が低下するため好ましくない。従って、好ましくは残溶媒量は1重量%以下であり、さらに好ましくは0.2重量%以下となるように噴霧乾燥が行われる。ここで、噴霧乾燥時の乾燥温度は、高いほど残溶媒量が少なくなるが、同時にカルボン酸金属塩の熱分解も進行するので、120℃以下が好ましく、さらに好ましくは100〜120℃に設定される。乾燥粉体の粒子径は任意に設定することができるが、スプレードライヤーを使用した場合には、残溶媒量との兼ね合いから20〜300μmとすることが好ましい。スプレードライヤーを使用する場合、粒子径の調整はアトマイザーとよばれる液体を噴霧拡散する円盤型ノズルの回転数で吹き飛ばす液滴のサイズを変更することにより行われる。
【0014】
噴霧乾燥工程によって得たジカルボン酸アルカリ金属塩は、加温し、脱炭酸反応を生じさせることでビニル化を進行させることができる。ビニルエーテルは、高温下では不安定であり重合しやすいので、蒸留塔、コンデンサー、受器および大型攪拌設備を備えた反応容器で、生じた粗ビニルエーテルを蒸留回収しながら熱分解反応を行うことが好ましい。一般的に、120℃以上、好ましくは150〜250℃の間でビニル化反応が行われる。
【0015】
フルオロアルキルビニルエーテルとそのフッ化水素付加体との混合物(粗フルオロアルキルビニルエーテル)、一般には熱分解法によって得られた粗フルオロアルキルビニルエーテルは、フルオロアルキルビニルエーテルの沸点と比して70℃以上高い沸点のアミン類の存在下で蒸留に付すると、両者が効率よく分離される。かかるアミン類としては、例えばトリエタノールアミン(沸点360℃)、ジブチルアミン(同159℃)等、好ましくはトリエタノールアミンが挙げられる。これらアミン類は粗フルオロアルキルビニルエーテルに対して1〜10重量%、好ましくは2〜10重量%の割合で用いられる。アミン類がこれより少ない割合で用いられると、HFの補足が不十分となるようになり、一方これより多い割合で用いられるとアミンの粘度が高いため、操作性の低下や蒸留の阻害が生じるようになる。
【0016】
蒸留は、高沸点アミンの存在下、一般的に行われている方法によって行うことができ、例えば、充填剤を充填した蒸留塔、攪拌機、温度計、環流冷却管およびコンデンサーを備えたフラスコに、粗フルオロアルキルビニルエーテルを仕込み、目的物たるフルオロアルキルビニルエーテルを蒸留精製し、温度43℃/20kPaなど所定の留分を分取することによって行われる。この際、HFを捕捉したアミン類はHF塩を生成するが、フルオロアルキルビニルエーテルよりも沸点の高いアミン類を用いているため、蒸留時に留出することはなく、フルオロアルキルビニルエーテルが効率的に分離されることとなる。
【実施例】
【0017】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0018】
参考例
(1) 2,2´-[(1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エタンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,3,3,3-テトラフルオロプロパン酸]二カリウム塩水溶液の調製
攪拌装置および冷却装置を備えた容量50LのSUS製オートクレーブに、48重量%水酸化カリウム水溶液10.7kg(91.5モル)および水10.7kgを加え、20℃まで冷却した。次に、純度96重量%の2,2´,3,3,3,3´,3´,3´-オクタフルオロ-2,2´-[(パーフルオロエチレン)ジオキシ]ビス(プロパノイルフルオリド)
FOC-CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)-COF
10.0kg(22.5モル)を反応温度が50℃を超えないように、攪拌しながらゆっくりと滴下した。反応溶液の温度がそれ以上上昇しないことを確認した後冷却を停止し、室温条件下で8時間攪拌を続けた。カートリッジフィルターを通じて反応混合物を回収し、無色透明の液体31.0kgを得た。得られた液体について19F-NMR測定を実施し、既知の2,2´-[1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エタンジイル]ビス(オキシ)]ビス[2,3,3,3-テトラフルオロプロパン酸]二カリウム塩
KOOC-CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)-COOK
と同等のスペクトルであることが確認された。また、水溶液10gをガラス製シャーレに分取し、100℃のオーブンで重量変化が1%以内となるまで完全に乾燥させたところ、白色の粉末4.3gが得られたことから、得られた水溶液の全固形分濃度を43%とした。なお、19F-NMRでの定量より、ジカルボン酸カリウム塩水溶液の濃度は36重量%であり、回収率は98.7%であった。
【0019】
(2) 2,2´-[(1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エタンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,3,3,3-テトラフルオロプロパン酸]二カリウム塩粉末の調製
得られた2,2´-[(1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エタンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,3,3,3-テトラフルオロプロパン酸]二カリウム塩水溶液30kgについて、スプレードライヤー(プリス製P26-H30)を用いて、乾燥空気の入口温度180℃、出口温度120〜125℃、水溶液供給速度11kg/時間で噴霧乾燥処理を行ったところ、目視粒径80〜200μm、残溶媒量1.9重量%の白色粉末12.7kgが得られた(回収率98.0%)。19F-NMR測定を実施し、既知の2,2´-[1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エタンジイル]ビス(オキシ)]ビス[2,3,3,3-テトラフルオロプロパン酸]二カリウム塩と同等のスペクトルであることが確認され、また19F-NMRでの定量より、ジカルボン酸カリウム塩の純度は80.5重量%であった。
【0020】
(3) 得られた2,2´-[(1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エタンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,3,3,3-テトラフルオロプロパン酸]二カリウム塩の白色粉末12.5kg(21.3モル)を、攪拌装置、コンデンサー、受器、温度計および窒素導入ラインを備えた容量120LのSUS製反応容器に入れ、攪拌しながら減圧下(6.67×102Pa)、100℃で24時間の加温を行った。粉体の含水率が0.2重量%であることを確認した後、攪拌しながら窒素を微量流しつつ昇温させ、160℃で8時間の加熱攪拌を行ったところ、粗生成物5.4kgが得られた。19F-NMR測定を実施し、既知の1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-ビス[(トリフルオロビニル)オキシ]エタン
CF2=CFOCF2CF2OCF=CF2
と同等のスペクトルであることが確認され、また、ガスクロマトグラフィーによる測定を併用し、構造不明低沸点不純物/目的物ジビニルエーテル/HF付加副生成物=3.4/89.1/7.0(重量比)であることが確認された(目的物の収率76.8%)
【0021】
実施例1
参考例で得られた粗生成物を水洗した後、水洗物5,000gおよびトリエタノールアミン250gを、攪拌機、温度計、蒸留塔、環流冷却管およびコンデンサーを備えた容量5Lの四口フラスコに仕込んだ。蒸留塔には、充填剤としてSUS304ヘリパックNo.2を充填して使用し、これを蒸留精製し、温度43℃/20kPaの留分を分取した。蒸留によって得られた留分の水洗水のpHは7.0であり、蒸留から24時間経過後の同留分についての水洗水pHも7.0であった。
【0022】
実施例2
実施例1において、トリエタノールアミン量が50gに変更されて用いられたところ、蒸留によって得られた留分の水洗水のpHは7.0であったが、蒸留から24時間経過後の同留分の水洗水のpHは4.0であった。さらにトリエタノールアミン50gを添加し、同留分の水洗水のpHを測定したところ、7.0であった。
【0023】
比較例
実施例1において、トリエタノールアミンが用いられなかったところ、蒸留によって得られた留分の水洗水のpHは7.0であったが、蒸留から24時間経過後の同留分の水洗水のpHは2.0であった。