特許第5825235号(P5825235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5825235射出成形装置及びこれを用いる射出成形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5825235
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】射出成形装置及びこれを用いる射出成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/14 20060101AFI20151112BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20151112BHJP
   B29C 45/02 20060101ALI20151112BHJP
【FI】
   B29C45/14
   B29C45/17
   B29C45/02
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-205028(P2012-205028)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-58127(P2014-58127A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】藤田 繁鉱
(72)【発明者】
【氏名】森 良宏
【審査官】 越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−202834(JP,A)
【文献】 特開平01−188314(JP,A)
【文献】 特開昭60−219022(JP,A)
【文献】 特開昭57−091246(JP,A)
【文献】 特開平01−176528(JP,A)
【文献】 特開平10−337741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
B29C 33/00−33/76
B60R 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面の一部に樹脂成形品を射出成形する射出成形装置であって、
前記基材の表面に軸端面が載置されて内部に射出領域を形成する筒型と、
前記筒型の内部を軸方向に移動する穴明け部材と、
前記筒型の内部に着脱可能に取り付けられ、前記筒型及び前記基材との間で前記射出領域を形成する射出部材と、
前記射出部材に対して溶融樹脂を射出する射出手段と、を備え、
前記穴明け部材が前記筒型の内部を軸方向に移動することで前記基材に穴が穿設されるとともに、前記筒型に対して前記穴明け部材が取り外され且つ前記射出部材が取り付けられた状態で、前記射出手段から射出される溶融樹脂が前記射出部材を介して前記射出領域に注入されることを特徴とする射出成形装置。
【請求項2】
前記射出手段は、前記筒型の内部を加熱するヒータと、前記筒型の内面に摺接して該筒型の内部を軸方向に移動するピストンと、を備える請求項1記載の射出成形装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の射出成形装置を用いる射出成形方法であって、
前記筒型の軸端面を前記基材の表面に載置する工程と、
前記穴明け部材を前記筒型の内部を軸方向に移動させることで前記基材に穴を穿設する工程と、
前記筒型に対して前記穴明け部材が取り外され且つ前記射出部材が取り付けられた状態で、前記射出手段から射出される溶融樹脂を前記射出部材を介して前記射出領域に注入する工程と、を備えることを特徴とする射出成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形装置及びこれを用いる射出成形方法に関し、さらに詳しくは、基材の表面の一部に樹脂成形品を射出成形する際に、基材に対する穴明けと樹脂の射出とを1台の装置で効率良く行うことができる射出成形装置及びこれを用いた射出成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1及び2にあるように、例えば自動車の天井内装品の裏面にクリップ座を射出成形する際に、天井基材に穴明け加工しておき、射出された樹脂を穴に流入させてアンカー効果を得る技術が知られている。しかし、これら特許文献1及び2には、部分的に射出する技術は開示されているが、穴明けに関する詳細な技術については開示されていない。また、特許文献3にあるように、同じく自動車の天井内装品において天井基材に穴明けする装置が知られている。しかし、この特許文献3には、穴明けする装置で樹脂の射出を行えるものではない。
【0003】
なお、特許文献4には、自動車のドアトリムを成形する際に、穴明け機能と樹脂の射出機能とを兼ね備えた装置が開示されている。しかし、特許文献4の装置は、ドアトリム本体自身を成形するような大型の装置であり、上記特許文献1〜3にあるようなクリップ座を基材に成形するような場合に適用できず、仮に適用した場合であっても穴明けと樹脂の射出とを1台の装置で効率良く行えるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−48244号公報
【特許文献2】特開平2−265718号公報
【特許文献3】特開平11−170924号公報
【特許文献4】特開平10−337741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、基材の表面の一部に樹脂成形品を射出成形する際に、基材に対する穴明けと樹脂の射出とを1台の装置で効率良く行うことができる射出成形装置及びこれを用いた射出成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基材の表面の一部に樹脂成形品を射出成形する射出成形装置であって、前記基材の表面に軸端面が載置されて内部に射出領域を形成する筒型と、前記筒型の内部を軸方向に移動する穴明け部材と、前記筒型の内部に着脱可能に取り付けられ、前記筒型及び前記基材との間で前記射出領域を形成する射出部材と、前記射出部材に対して溶融樹脂を射出する射出手段と、を備え、前記穴明け部材が前記筒型の内部を軸方向に移動することで前記基材に穴が穿設されるとともに、前記筒型に対して前記穴明け部材が取り外され且つ前記射出部材が取り付けられた状態で、前記射出手段から射出される溶融樹脂が前記射出部材を介して前記射出領域に注入されることを要旨とする射出成形装置。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記射出手段は、前記筒型の内部を加熱するヒータと、前記筒型の内面に摺接して該筒型の内部を軸方向に移動するピストンと、を備えることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の射出成形装置を用いる射出成形方法であって、前記筒型の軸端面を前記基材の表面に載置する工程と、前記穴明け部材を前記筒型の内部を軸方向に移動させることで前記基材に穴を穿設する工程と、前記筒型に対して前記穴明け部材が取り外され且つ前記射出部材が取り付けられた状態で、前記射出手段から射出される溶融樹脂を前記射出部材を介して前記射出領域に注入する工程と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の射出成形装置によると、基材の表面に軸端面が載置されて内部に射出領域を形成する筒型と、筒型の内部を軸方向に移動する穴明け部材と、筒型の内部に着脱可能に取り付けられ、筒型及び基材との間で射出領域を形成する射出部材と、射出部材に対して溶融樹脂を射出する射出手段と、を備え、穴明け部材が筒型の内部を軸方向に移動することで基材に穴が穿設されるとともに、筒型に対して穴明け部材が取り外され且つ射出部材が取り付けられた状態で、射出手段から射出される溶融樹脂が射出部材を介して射出領域に注入されるので、射出領域に注入された溶融樹脂の一部が基材に形成された穴に流入して、基材に対して強固に接合された樹脂成形品が得られる。これにより、基材の表面の一部に樹脂成形品を射出成形する際に、基材に対する穴明けと樹脂の射出とを1台の装置で効率良く行うことができる。また、樹脂成形品の表面側に穴明け部材による穴跡が形成されず、樹脂成形品の意匠性を高めることができる。さらに、装置のコンパクト化を図ることができる。
さらに、前記射出手段が、前記筒型の内部を加熱するヒータと、前記筒型の内面に摺接して該筒型の内部を軸方向に移動するピストンと、を備える場合は、筒型を利用して射出手段が構成される。よって、装置の更なるコンパクト化を図ることができる。
本発明の射出成形方法によると、筒型の軸端面を基材の表面に載置する工程と、穴明け部材を筒型の内部を軸方向に移動させることで基材に穴を穿設する工程と、筒型に対して穴明け部材が取り外され且つ射出部材が取り付けられた状態で、射出手段から射出される溶融樹脂を射出部材を介して射出領域に注入する工程と、を備えるので、射出領域に注入された溶融樹脂の一部が基材に形成された穴に流入して、基材に対して強固に接合された樹脂成形品が得られる。これにより、基材の表面の一部に樹脂成形品を射出成形する際に、基材に対する穴明けと樹脂の射出とを1台の装置で効率良く行うことができる。さらに、樹脂成形品の表面側に穴明け部材による穴跡が形成されず、樹脂成形品の意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
図1】実施例に係る射出成形装置の分解斜視図である。
図2】上記射出成形装置の作用説明図であり、(a)は基材に筒型をセットした状態を示し、(b)は穴明け部材で穴を穿設した状態を示し、(c)は筒型内に射出部材を取り付けた状態を示す。
図3】上記射出成形装置の作用説明図であり、(a)は筒型内に樹脂ペレットを投入した状態を示し、(b)は溶融樹脂を射出領域に注入した状態を示し、(c)は基材から筒型を取り外した状態を示す。
図4】その他の形態の射出成形装置を説明するための説明図である。
図5】更にその他の形態の射出成形装置を説明するための説明図である。
図6】更にその他の形態の射出成形装置を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.射出成形装置
本実施形態1.に係る射出成形装置は、基材(2)の表面の一部に樹脂成形品(3)を射出成形する射出成形装置(1)であって、基材の表面に軸端面が載置されて内部に射出領域(S)を形成する筒型(5)と、筒型の内部を軸方向に移動する穴明け部材(6)と、筒型の内部に着脱可能に取り付けられ、筒型及び基材との間で射出領域を形成する射出部材(7)と、射出部材に対して溶融樹脂を射出する射出手段(8)と、を備え、穴明け部材が筒型の内部を軸方向に移動することで基材に穴が穿設されるとともに、筒型に対して穴明け部材が取り外され且つ射出部材が取り付けられた状態で、射出手段から射出される溶融樹脂が射出部材を介して射出領域に注入されることを特徴とする(例えば、図1図3等参照)。
【0011】
なお、上記「射出領域」とは、溶融樹脂が注入されて樹脂成形品が射出成形される空間を意図する。
【0012】
本実施形態1.に係る射出成形装置としては、例えば、上記射出手段(8)は、筒型(5)の内部を加熱するヒータ(22)と、筒型の内面に摺接して筒型の内部を軸方向に移動するピストン(23)と、を備える形態(例えば、図1等参照)を挙げることができる。
【0013】
2.射出成形方法
本実施形態2.に係る射出成形方法は、上記実施形態1.に係る射出成形装置を用いる射出成形方法であって、筒型の軸端面を基材の表面に載置する工程と、穴明け部材を筒型の内部を軸方向に移動させることで基材に穴を穿設する工程と、筒型に対して穴明け部材が取り外され且つ射出部材が取り付けられた状態で、射出手段から射出される溶融樹脂を射出部材を介して射出領域に注入する工程と、を備えることを特徴とする。
【実施例】
【0014】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0015】
(1)射出成形装置の構成
本実施例に係る射出成形装置1は、図1に示すように、基材2の表面の一部に樹脂成形品3(例えば、クリップ、ブラケット等;図3(c)参照)を射出成形するものである。この射出成形装置1は、以下に述べる筒型3、穴明け部材6、射出部材7及び射出手段8を備えている。なお、上記基材2は、繊維層2aと、この繊維層2aの表面に積層される非通気性を有する通気止め用シート層2bと、を備えており、車両用の天井基材として用いられる。
【0016】
上記筒型5は、円筒状に形成され、載置台10上に載置された基材2の表面に軸端面が載置されて内部に射出領域S(図2(c)参照)を形成する。この筒型5は、載置台10上に立設された支持柱11に対してブラケット12を介して昇降自在に支持されている。また、筒型5には、上端側から軸方向に沿って延びる複数(図中2つ)の挿入溝13が形成されている。
【0017】
上記穴明け部材6は、円柱状に形成され、筒型5の内周面に摺接して軸方向に移動する。この穴明け部材6の一方の軸端面には、基材2に突き刺さる多数の穴明け針15が軸方向に突設されている。さらに、穴明け部材6の他方の軸端面には、操作ロッド16が立ち上げられている。
【0018】
上記射出部材7は、円柱状の本体18と、この本体18の外周側から遠心方向に延びる複数(図中2つ)の棒状の突部19と、を備えている。この本体18は、筒型5の内周面に接触する外周面を有している。また、突部19を筒型5の挿入溝13内に挿入することで、射出部材7は筒型5の内部に着脱可能に取り付けられる。そして、本体18は、筒型5の内部を軸方向に沿って射出領域Sと樹脂の投入領域Tとに仕切る(図2(c)参照)。この射出領域Sは、筒型5、基材2及び射出部材7の間に形成されている。また、樹脂の投入領域Tには、樹脂ペレットが投入される。さらに、本体18の中心側には、射出領域S及び投入領域Tに連なる射出通路20が軸方向に貫通して形成されている。
【0019】
上記射出手段8は、筒型5内に取り付けられた射出部材7に対して溶融樹脂を射出するものである。この射出手段8は、筒型5の内部を加熱するバンド状のヒータ22と、筒型5の内周面に摺接して筒型5の内部を軸方向に移動するピストン23と、を備えている。このヒータ22は、筒型5の内部に投入された樹脂ペレット(例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂など)を溶融するように筒型5の外周側に巻き付けられている。なお、上記ヒータ22は、樹脂ペレットがポリプロピレンである場合、200〜220℃を目安に加熱する。
【0020】
上記支持柱11の上端側には、ブラケット25を介して支持構造26が取り付けられている。この支持構造26内には、ピストン23に連なる連結ロッド27が挿入されている。また、支持構造26内には、操作レバー28を回動操作することで連結ロッド27を昇降させる周知のギヤ構造(図示省略)等が内蔵されている。
【0021】
(2)射出成形装置の作用
次に、上記構成の射出成形装置1の作用について説明する。図2(a)に示すように、基材2の表面に筒型5の軸端面を載置する。次に、図2(b)に示すように、操作ロッド16の把持操作により筒型5内に穴明け部材6を挿入して基材2の表面を押圧すると、基材2の表面側に穴明け針15で多数の穴hが穿設される。次いで、図2(c)に示すように、筒型5内から穴明け部材6を取り出した後、突部19を挿入溝13内に挿入することで筒型5内に射出部材7を取り付ける。このとき、射出部材7、筒型5及び基材2の間に射出領域Sが形成される。
【0022】
その後、図3(a)に示すように、筒型5の内部に樹脂ペレットが投入されヒータ22で加熱されて溶融される。次に、図3(b)に示すように、操作レバー28の操作によるピストン23の押圧で筒型5内の溶融樹脂が射出部材7の射出通路20を介して射出領域Sに注入される。次いで、図3(c)に示すように、基材2に対して筒型5を取り外すことで、表面の一部に樹脂成形品3が射出成形された基材2が得られる。
【0023】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の射出成形装置1によると、基材2の表面に軸端面が載置されて内部に射出領域Sを形成する筒型5と、筒型5の内部を軸方向に移動する穴明け部材6と、筒型5の内部に着脱可能に取り付けられ、筒型5及び基材2との間で射出領域Sを形成する射出部材7と、射出部材7に対して溶融樹脂を射出する射出手段8と、を備え、穴明け部材6が筒型5の内部を軸方向に移動することで基材2に穴hが穿設されるとともに、筒型5に対して穴明け部材6が取り外され且つ射出部材7が取り付けられた状態で、射出手段8から射出される溶融樹脂が射出部材7を介して射出領域Sに注入されるので、射出領域Sに注入された溶融樹脂の一部が基材2に形成された穴hに流入して、基材2に対して強固に接合された樹脂成形品3が得られる。これにより、基材2の表面の一部に樹脂成形品3を射出成形する際に、基材2に対する穴明けと樹脂の射出とを1台の装置で効率良く行うことができる。また、樹脂成形品3の表面側に穴明け部材6による穴跡が形成されず、樹脂成形品3の意匠性を高めることができる。さらに、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0024】
また、本実施例では、射出手段8は、筒型5の内部を加熱するヒータ22と、筒型5の内面に摺接して筒型5の内部を軸方向に移動するピストン23と、を備えるので、筒型5を利用して射出手段8が構成される。よって、装置の更なるコンパクト化を図ることができる。
【0025】
また、本実施例では、射出部材7は、筒型5の内部を軸方向に沿って射出領域Sと樹脂の投入領域Tとに仕切るため、筒型5の投入領域T内に樹脂ペレットを投入してヒータ22で溶融することができる。よって、射出手段8として材料タンクやホッパーを備える必要がなく、装置の更なるコンパクト化を図ることができる。
【0026】
また、本実施例では、穴明け部材6に操作ロッド16を設けているので、操作ロッド16の操作により穴明け部材6を手動で筒型5内を移動させることができる。これに対して、シリンダ、モータ等の駆動手段により穴明け部材を移動させるものは設備コストが高くなる。
【0027】
また、本実施例では、操作レバー28の操作により筒型5内でピストン23を摺動させて射出手段8から溶融樹脂を射出するようにしたので、手動で溶融樹脂を射出することができる。これに対して、シリンダ、モータ等の駆動手段により溶融樹脂を射出するものは設備コストが高くなる。
【0028】
さらに、本実施例では、基材2は、繊維層2aと、繊維層2aの表面に積層される非通気性を有する通気止め用シート層2bと、を備え、穴明け部材6は、基材2の表面から通気止め用シート層2bを貫通して繊維層2aに到る穴hを穿設するので、溶融樹脂が穴hを介して比較的低密度の繊維層2a内に入り込み易くなり、強固なアンカー効果を発揮させて樹脂成形品3の接合強度を更に高めることができる。
【0029】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、操作ロッド16の操作により移動される穴明け部材6を例示したが、これに限定されず、例えば、図4に示すように、射出手段8を構成するピストン23に穴明け部材6を取り付け、操作レバー28の操作により穴明け部材6を移動させるようにしてもよい。
【0030】
また、上記実施例では、筒型5の内周面に摺接するピストン23を例示したが、これに限定されず、例えば、図5に示すように、射出部材7に形成され且つ樹脂ペレットが投入される筒部30の内周面に摺接するピストン23’としてもよい。
【0031】
また、上記実施例では、筒型5内を加熱するヒータ22及び筒型5内を摺動するピストン23を備える射出手段8を例示したが、これに限定されず、例えば、図6に示すように、一端側に射出口31aを有する筒体31と、筒体31の内部を加熱するヒータ32と、筒体31の内部で軸方向に移動可能に設けられ且つ筒体31の内部に投入されヒータ32で加熱された溶融樹脂を射出口31aに向かって押圧するピストン33と、を備える射出シリンダ34を採用してもよい。この場合、例えば、上記射出シリンダ34は筒型5に対して近接・離間するように支持されることができる。
【0032】
また、上記実施例では、円筒状の筒型5を例示したが、これに限定されず、例えば、角筒状の筒型としてもよい。
【0033】
また、上記実施例では、手動により穴明け部材6を筒型5内で移動させるようにしたが、これに限定されず、例えば、シリンダ、モータ等の駆動手段により穴明け部材6を移動させるようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施例では、手動によりピストン23を駆動して溶融樹脂を射出するようにしたが、これに限定されず、例えば、シリンダ、モータ等の駆動手段によりピストン23を駆動して溶融樹脂を射出するようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施例では、基材2に針状の穴hを穿設する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、基材にスリット状の穴を形成するようにしてもよい。
【0036】
さらに、上記実施例では、車両天井用の基材を例示したが、これに限定されず、例えば、ドアトリム、フロアカーペット、フロアマット、ダッシュサイレンサ等の車両内装材の基材としてもよい。
【0037】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0038】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
基材の表面の一部に樹脂成形品を射出成形する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0040】
1;射出成形装置、2;基材、3;樹脂成形品、5;筒型、6;穴明け部材、7;射出部材、8;射出手段、22;ヒータ、23;ピストン、S;射出領域、h;穴。
図1
図2
図3
図4
図5
図6