(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電力供給手段にて前記第2の負荷に前記回生電力を供給した後で、ジャムの発生源である用紙の引き抜きが完了した場合、または前記回生電力の消費を完了した場合、前記第2の負荷への前記回生電力の供給を遮断する第2の電力遮断手段をさらに備えた、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施の形態において、画像形成装置は、MFP(Multifunction Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンターなどを含む。
【0025】
[画像形成装置の構成]
始めに、本実施の形態の画像形成装置の構成について説明する。
【0026】
図1は、画像形成装置の構成を模式的に示す断面図である。
【0027】
図1を参照して、画像形成装置1は、ここではプリンターであり、画像形成部10と、給紙部20と、用紙搬送部30と、制御部60と、操作パネル70とを備えている。なお、画像形成装置1は、画像の読み取りを行うためのスキャナーなどをさらに備えていてもよい。
【0028】
給紙部20は、用紙を収納および給紙する部分であり、第1のトレイ21と、第2のトレイ22と、第3のトレイ23と、第4のトレイ24と、第5のトレイ25とを含んでいる。第1のトレイ21は給紙部20における最上部に設けられている。第2のトレイ22は第1のトレイ21の下に設けられている。第3および第4のトレイ23および24は、第2のトレイ22の下に並べて設けられている。第5のトレイ25は、手差し用紙用のトレイであり、画像形成装置本体91から外部へ突き出している。
【0029】
第1〜第4のトレイ21〜24の各々には用紙が収納されている。第1〜第4のトレイ21〜24の各々に収納される用紙の向きまたはサイズは、互いに異なっている。ユーザーは、第1〜第4のトレイ21〜24のうち任意のトレイを
図1中手前側に引き出すことにより、そのトレイに用紙を収納したり、そのトレイで発生したジャムを解消したりする。ユーザーは、必要に応じて、特殊なサイズの用紙などを第5のトレイ25に配置する。なお、給紙部20はLCT(Large Capacity Tray)トレイをさらに含んでいてもよい。
【0030】
画像形成部10は、用紙に画像を形成する部分であり、作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kと、中間転写ベルト12と、駆動ローラー13aおよび従動ローラー13bと、2次転写ローラー14と、露光装置15と、廃トナーボックス16と、定着器17と、トナーボトル18Y、18M、18C、および18Kとを含んでいる。
【0031】
中間転写ベルト12は、環状のベルトである。中間転写ベルト12は、駆動ローラー13aおよび従動ローラー13bに略水平に架け渡されている。中間転写ベルト12は、駆動ローラー13aの駆動力により回転する。
【0032】
プリント機能の実行時において、作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像を、中間転写ベルト12上に形成する。作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kは、中間転写ベルト12の回転方向に沿ってこの順序で、中間転写ベルト12の下方に配置されている。作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kの各々で作成されたトナー画像が中間転写ベルト12上で重ね合わされることで、中間転写ベルト12上にカラー画像のトナー像が形成される。このトナー像は、中間転写ベルト12の
図1中右端の搬送端(駆動ローラー13a)において、搬送路R6に沿って搬送される用紙に対して2次転写ローラー14によって転写される。
【0033】
作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kの各々は、静電複写方式によりトナー像を形成する。作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kの各々は、感光体と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像する現像器と、感光体の表面を帯電する帯電器と、感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト12に転写する1次転写ローラーなどを含んでいる。
【0034】
露光装置15は、作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kの各々における帯電された感光体の表面にレーザー光を照射することにより、感光体の表面に静電潜像を形成する。
【0035】
廃トナーボックス16は、中間転写ベルト12や感光体から回収した廃トナーを収納する。
【0036】
定着器17は、加熱ローラーと加圧ローラーとを含んでいる。トナー像が転写された用紙は、定着器17に送られ、定着器17において加熱および加圧される。これにより、用紙にはカラー画像が形成される。
【0037】
トナーボトル18Y、18M、18C、および18Kは、中間転写ベルト12の上部に設けられている。トナーボトル18Y、18M、18C、および18Kの各々は、YMCK各色のトナーを保管する。トナーボトル18Y、18M、18C、および18Kの各々は、回転駆動され、内部に保管されているトナーを作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kの各々の現像器に補給する。トナーの補給動作は、現像器内のトナーが少なくなると行われる。
【0038】
用紙搬送部30は、画像形成装置1内で用紙を搬送する部分であり、給紙ローラー31〜35と、搬送ローラー36〜38および44と、タイミングローラー39と、排紙ローラー41と、反転ローラー42と、切替ゲート43とを含んでいる。
【0039】
給紙ローラー31は搬送路R1に設けられており、第1のトレイ21に収納された用紙を搬送路R6へ搬送する。給紙ローラー32は搬送路R2に設けられており、第2のトレイ22に収納された用紙を搬送路R6へ搬送する。給紙ローラー33および搬送ローラー36は搬送路R3に設けられており、第3のトレイ23に収納された用紙を搬送路R6へ搬送する。給紙ローラー34および搬送ローラー37は、搬送路R4に設けられており、第4のトレイ24に収納された用紙を搬送路R6へ搬送する。給紙ローラー35は搬送路R5に設けられており、第5のトレイ25に配置された用紙を搬送路R6へ搬送する。
【0040】
搬送ローラー38は搬送路R6に設けられており、各トレイから給紙された用紙を搬送路R6に沿って
図2中上方へ搬送する。
【0041】
タイミングローラー39は、搬送路R6における2次転写ローラー14の上流側(
図1中下側)に設けられている。タイミングローラー39は、搬送路R6に搬送されてきた用紙を一旦停止させ、所定のタイミングで2次転写ローラー14に搬送する。
【0042】
搬送路R6は定着器17よりも下流側で搬送路R7に分岐している。排紙ローラー41は、搬送路R6の最下流側に設けられている。反転ローラー42は搬送路R7の最下流側に設けられている。切替ゲート43は搬送路R6およびR7の分岐部分に設けられている。搬送ローラー44は、環状の搬送路R8に設けられている。
【0043】
片面印刷の場合、画像が形成された用紙は、切替ゲート43によって搬送路R6の最下流側に搬送され、排紙ローラー41によって画像形成装置1の外部へ排出される。一方、両面印刷の場合、片面に画像が形成された用紙は、切替ゲート43によって搬送路R7へ搬送される。搬送路R7に搬送された用紙は、反転ローラー42によってスイッチバックされ、搬送路R8へ搬送される。用紙は、搬送ローラー44によって搬送路R8を搬送された後、再び搬送路R6に搬送され、もう一方の面に画像が形成される。その後用紙は、排紙ローラー41によって画像形成装置1の外部へ排出される。
【0044】
画像形成装置本体91には、扉92〜96が設けられている(扉96は点線で示されている)。ユーザーは、ジャムが発生した場合に、扉92〜96のうち適切なものを開いて搬送路を露出することにより、搬送路のローラーで発生したジャムを解消する。扉92〜96の各々には、扉92〜96の各々の開閉状態を検知する扉スイッチSW1〜SW5の各々が設けられている。
【0045】
搬送路R1には、用紙を検知するセンサーSR1が設けられている。搬送路R2には、用紙を検知するセンサーSR2が設けられている。搬送路R3には、用紙を検知するセンサーSR3およびSR4が設けられている。搬送路R4には、用紙を検知するセンサーSR5が設けられている。搬送路R6には、用紙を検知するセンサーSR6〜SR12が設けられている。搬送路R8には、用紙を検知するセンサーSR13が設けられている。センサーSR1〜SR13の各々の検知結果によって、画像形成装置1は、それぞれのセンサーの位置でのジャムの発生の有無を検知することができる。
【0046】
制御部60は、画像形成装置1の動作を制御する。
【0047】
操作パネル70は、ユーザーに対して各種情報を表示し、ユーザーからの画像形成装置1の操作を受け付ける。
【0048】
図1の円C1内に開いた状態の扉95を示す。円C1に示すように、扉95付近には搬送ローラー38が存在しており、搬送ローラー38は駆動ローラー38aと従動ローラー38bとにより構成されている。駆動ローラー38aは画像形成装置本体91の内部側に設けられており、従動ローラー38bは画像形成装置本体91の外部側に設けられている。ユーザーによって扉95が開かれると、従動ローラー38bは扉95とともに画像形成装置1の外方へ移動する。その結果、従動ローラー38bは駆動ローラー38aから離れた状態になる。これにより、ユーザーは、搬送ローラー38においてジャムが発生した場合に、ジャム処理を行うことができる。
【0049】
同様に、扉94が開かれると、2箇所の搬送ローラー44で、駆動ローラーと従動ローラーとが離れた状態となる。扉96が開かれると、4箇所の搬送ローラー38およびタイミングローラー39で、駆動ローラーと従動ローラーとが離れた状態となる。
【0050】
図2は、
図1に示す画像形成装置に設けられている負荷およびそれに関連する構成を模式的に示す断面図である。
【0051】
図2を参照して、画像形成装置1は、電源から電力の供給を受ける複数の負荷(駆動源)として、モーターMA1〜MA6、MB1〜MB7、MC1〜MC5、およびMD1〜MD18と、ファンモーターF1〜F8と、イレーサーEL1〜EL4と、ソレノイドSLとを備えている。
【0052】
モーターMA1は、給紙モーターであり、給紙ローラー31および32の各々を駆動する。クラッチCL1およびCL2の各々は、モーターMA1と給紙ローラー31および32の各々との間を連結または切断することにより、モーターMA1の回転力を給紙ローラー31および32の各々に伝達または遮断する。
【0053】
モーターMA2〜MA5は、リフトアップモーターであり、それぞれ第1〜第4のトレイ21〜24に収納された用紙をリフトアップする。
【0054】
モーターMA6は、LCC(Large Capacity Cassette)モーターであり、給紙ローラー33および34、ならびに搬送ローラー36および37の各々を駆動する。クラッチCL3およびCL4の各々は、モーターMA6と給紙ローラー33および34の各々との間を連結または切断することにより、モーターMA6の回転力を給紙ローラー33および34の各々に伝達または遮断する。クラッチCL5およびCL6は、モーターMA6と搬送ローラー36との間を連結または切断することにより、モーターMA6の回転力を搬送ローラー36に伝達または遮断する。
【0055】
モーターMB1は、タイミングモーターであり、タイミングローラー39を駆動する。モーターMB2は、排紙モーターであり、排紙ローラー41を駆動する。モーターMB3は、反転モーターであり、反転ローラー42を駆動する。モーターMB4およびMB5は、ADU(Auto Duplex Unit)搬送モーターであり、搬送ローラー44を駆動する。モーターMB6は、手差し給紙モーターであり、給紙ローラー35を駆動する。モーターMB7は、上昇モーターであり、第5のトレイ25上に配置された用紙を給紙するためのガイドを上昇させる。
【0056】
モーターMC1〜MC3は、それぞれLCC中間モーター、第1の縦搬送モーター、第2の縦搬送モーターであり、搬送ローラー37および38を駆動する。モーターMC4は、2次転写ローラー離接モーターであり、2次転写ローラー14を移動させることにより2次転写ローラー14と中間転写ベルト12との接触状態を制御する。モーターMC5は、定着モーターであり、定着器17の加圧ローラーまたは加熱ローラーを駆動する。
【0057】
モーターMD1は、YMC用の現像モーターであり、作像ユニット11Y、11M、および11Cの各々の現像器を駆動する。モーターMD2は、K用の現像モーターであり、作像ユニット11Kの現像器を駆動する。モーターMD3は、YMC用の感光体モーターであり、作像ユニット11Y、11M、および11Cの各々の感光体を駆動する。モーターMD4は、K用の感光体モーターであり、作像ユニット11Kの感光体を駆動する。モーターMD5は、YM用のカートリッジモーターであり、トナーボトル18Yおよび18Mを駆動する。モーターMD6は、CK用のカートリッジモーターであり、トナーボトル18Cおよび18Kを駆動する。モーターMD7〜MD10は、トナー補充モーターであり、作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kの各々へトナーを補充する際の動力を供給する。
【0058】
モーターMD11は、帯電清掃モーターであり、感光体のクリーニング装置を駆動する。モーターMD12およびMD13は、それぞれポリゴンモーターおよびスキューモーターであり、露光装置15内のポリゴンミラーおよびスキュー部の各々を駆動する。モーターMD14は、1次転写ローラー離接モーターであり、1次転写ローラーを移動させることにより1次転写ローラーと中間転写ベルト12との接触状態を制御する。モーターMD15は、中間転写ベルトモーターであり、中間転写ベルト12を駆動する。モーターMD16は、クリーナーブラシモーターであり、中間転写ベルト12上の廃トナーを除去するクリーナーブラシを駆動する。モーターMD17は、定着ローラー離接モーターであり、定着器17の加熱ローラー(定着ローラー)を駆動する。モーターMD18は、廃トナー搬送モーターであり、中間転写ベルト12および感光体から回収された廃トナーを廃トナーボックス16へ搬送する部材を駆動する。
【0059】
ファンモーターF1〜F8は、それぞれトナーボトル冷却ファン、トナー吸引ファン、作像ユニット冷却ファン、プリントヘッド冷却ファン、IH(Induction Heating)電源冷却ファン、用紙冷却ファン、オゾン排気ファン、および用紙冷却ファンの各々を駆動するモーターである。
【0060】
イレーサーEL1〜EL4の各々は、作像ユニット11Y、11M、11C、および11Kの各々の感光体の表面の電位を消去する。
【0061】
ソレノイドSLは、切替ゲート43を駆動する。
【0062】
なお、画像形成装置1は上述以外の負荷を備えていてもよいし、上述の負荷のうち任意のもののみを備えていてもよい。
【0063】
図3は、制御部の回路構成を模式的に示すブロック図である。
【0064】
図3を参照して、画像形成装置1の制御部60は、LV(Low Voltage)電源である電源100と、給搬送基板110と、メカコン(メカニカルコントローラー)基板140とを含んでいる。電源100、給搬送基板110、およびメカコン基板140の各々は、相互に電気的に接続されている。特に、電源100と給搬送基板110とは、扉スイッチ170を介して接続されている。扉スイッチ170は、
図1における扉スイッチSW1〜SW5に対応する部材である。
【0065】
電源100は、商用電源から供給された電力の電圧をたとえば24Vの低電圧に変換し、24Vの電圧の電力(24V電力)を給搬送基板110およびメカコン基板140に供給する。電源100は、給搬送基板110、メカコン基板140、および複数の負荷に24V電力を供給するか否かを切り替える駆動リレー101を含んでいる。
【0066】
給搬送基板110は、画像形成装置1内での用紙の給紙および搬送の制御を行う。給搬送基板110は、制御回路111と、タイミングモータードライバー(駆動素子)121と、給紙モータードライバー123と、縦搬送モータードライバー125と、両面モータードライバー127と、分圧回路129と、感光体モータードライバー131と、ファンモータードライバー133と、DDコンバーター(DC(Direct Current)/DCコンバーター)135と、抵抗回路137とを含んでいる。
【0067】
以降、タイミングモータードライバー121、給紙モータードライバー123、縦搬送モータードライバー125、両面モータードライバー127、感光体モータードライバー131、およびファンモータードライバー133をまとめて給搬送ドライバーと呼び、給搬送ドライバーによって駆動させる負荷を給搬送用負荷と呼ぶことがある。なお、給搬送基板110は、
図3に示すドライバー以外のドライバーであって、用紙の給紙および搬送を行う部材のドライバーを含んでいてもよい。
【0068】
制御回路111、給搬送ドライバー、分圧回路129、DDコンバーター135、および抵抗回路137の各々は、ラインL3によって相互に接続されている。ラインL3はラインL2(24V−21ライン)と接続されており、制御回路111、給搬送ドライバー、分圧回路129、DDコンバーター135、および抵抗回路137は、ラインL2およびL3によって駆動リレー101と接続されている。給搬送基板110と駆動リレー101との間には扉スイッチ170が設けられている。給搬送基板110は、駆動リレー101や扉スイッチ170を経由して電源100から供給された電力を、給搬送負荷の各々に供給する。
【0069】
制御回路111は、CPU(Central Processing Unit)113と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)117とを含んでいる。CPU113は、ROM115に記憶された制御プログラムを実行する。ROM115は、CPU113の動作を制御する制御プログラムを格納する。RAM117はCPU113の作業用のメモリである。
【0070】
タイミングモータードライバー121は、タイミングモーターであるモーターMB1の動作を制御する。給紙モータードライバー123は、給紙モーターであるモーターMA1およびMA6の動作を制御する。縦搬送モータードライバー125は、それぞれLCC中間モーター、第1の縦搬送モーター、および第2の縦搬送モーターであるモーターMC1〜MC3の動作を制御する。両面モータードライバー127は、ADU搬送モーターであるモーターMB4およびMB5の動作を制御する。分圧回路129は、給搬送用負荷のいずれかで回生エネルギーが発生した場合に、その回生電力による逆起電力を計測し、計測した電圧値を制御回路111へ送信する。分圧回路129は、逆起電力がある閾値を超えたことや、搬送モーターの回転をセンサーで検知したことなどをトリガーとして逆起電力の計測を開始し、逆起電力がゼロになるまで一定の時間間隔(たとえば数十μs間隔)で逆起電力を計測する。感光体(PC(Photo Conductor))モータードライバー131は、それぞれYMC用の感光体モーターおよびK用の感光体モーターであるモーターMD3およびMD4の動作を制御する。ファンモータードライバー133は、ファンモーターF1〜F8の動作を制御する。
【0071】
制御回路111は、矢印AR2で示すようにイネーブル信号(負荷を動作可能な状態にする制御信号)を駆動素子である給搬送ドライバーの各々に送信する(各負荷のイネーブル信号をオンする)ことにより、各給搬送用負荷を動作状態(通電状態)にする。また制御回路111は、クロック信号(CLK)(ファンモーターF1〜F8についてはPWM(Pulse Width Modulation))を給搬送ドライバーの各々に送信することにより、給搬送用負荷を実際に回転させる。
【0072】
メカコン基板140は、画像形成動作を行うエンジン部の動作制御を行う。メカコン基板140は、制御回路151と、排紙モータードライバー141などを含んでいる。制御回路151は、ラインL1(24V−16ライン)によって電源100と接続されている。制御回路151は、ジャムを検知した場合などに、矢印AR1で示すように駆動リレー101に対して信号を送信することにより、駆動リレー101のオンオフを制御する。
【0073】
制御回路151は、CPU153と、ROM155と、RAM157とを含んでいる。CPU153は、ROM155に記憶された制御プログラムを実行する。ROM155は、CPU153の動作を制御する制御プログラムを格納する。RAM157はCPU153の作業用のメモリである。
【0074】
排紙モータードライバー141は、ラインL2によって駆動リレー101と接続されている。排紙モータードライバー141と駆動リレー101との間には扉スイッチ170が設けられている。排紙モータードライバー141は、排紙モーターであるモーターMB2の動作を制御する。モーターMB2は、画像形成装置1内の全ての負荷の中で最小耐圧を有する負荷である(以降、モーターMB2の耐圧のことを最小耐圧と呼ぶことがある)。
【0075】
なお、メカコン基板140は、排紙モータードライバー141以外のドライバーであって、画像形成を行う部材のドライバーを含んでいてもよい。
【0076】
[画像形成装置の負荷が破壊される原理]
続いて、回生電力の逆起電力によって画像形成装置の負荷が破壊される原理について詳細に説明する。
【0077】
図4は、回生電力の逆起電力によって画像形成装置の負荷が破壊される原理を模式的に示す図である。なお、以降の説明では、タイミングローラー39においてジャムが発生した場合(タイミングローラー39付近の搬送路にジャム用紙が残存している場合)を想定している。
【0078】
図4を参照して、タイミングローラー39にジャムが発生すると、タイミングローラー39付近において用紙を検知するセンサーSR9が、ジャム用紙を検知する。センサーSR9が一定時間以上用紙を検知し続けると、CPU113は、タイミングローラー39においてジャムが発生したことを検知し、たとえば操作パネル70(
図1)にジャムが発生した旨を表示するなどの方法で、ジャムの発生をユーザーに通知する。また、CPU113がジャムの発生を検知した場合、メカコン基板140のCPU153は、駆動リレー101をオフする。これにより、駆動リレー101の傘下の各負荷への電源100からの電力の供給が遮断される。
【0079】
ユーザーはジャム処理を行うために、タイミングローラー39が設けられている箇所の扉(
図1に示す扉96)を開ける。これにより扉(縦扉)スイッチ170が非導通になり、扉スイッチ170の傘下のラインL2は、電源100から切り離された状態となる。
【0080】
次にユーザーは、タイミングローラー39からジャム用紙を引き抜くことによりジャム処理を行う。ユーザーがジャム用紙を引き抜くと、その力によりタイミングローラー39が回転し、ギアを通じてタイミングローラー39と連結されたモーターMB1(タイミングモーター)が自己発電を行うことにより回生電力が発生する。この回生電力の逆起電力は、矢印AR3で示すように、タイミングモータードライバー121、ラインL3、およびラインL2を経由して、同じ電源系統(ラインL3)に接続された負荷の内で最も低い耐圧(以降、最小耐圧と呼ぶことがある)を有するモーターMB2(排紙モーター)に印加される。その結果、モーターMB2には耐圧を超える逆起電力が加わり、モーターMB2は破壊される。
【0081】
[画像形成装置の動作]
上述のようなモーターMB2の破壊を防止するため、本実施の形態における画像形成装置は、以下のように動作する。
【0082】
図5は、本発明の一実施の形態における画像形成装置の動作を模式的に説明する図である。
【0083】
図5を参照して、センサーSR9でジャムの発生を検知すると、
図4の場合と同様の方法で、CPU113は、ジャムの発生をユーザーに通知し、メカコン基板140のCPU153は、駆動リレー101をオフする。そしてCPU113は、分圧回路129で計測した逆起電力に基づいて、ラインL3に接続されている給搬送基板110内の複数の負荷の中から負荷を選択し、タイミングローラー39の回転によりモーターMB1で発生する回生電力が、選択した負荷に供給されるように、選択した負荷を制御する。
【0084】
具体的には、CPU113は、選択した給搬送負荷のイネーブル信号をオンする(負荷を動作状態に制御する)ことにより、回線電力を供給するモーターを選択する。
図5では、矢印AR4で示すようにモーターMA1およびMA6のイネーブル信号をオンすることにより、モーターMA1およびMA6を選択する。これにより、矢印AR5で示すように、モーターMA1およびMA6に回生電力が供給される。
【0085】
時間経過とともに、最小耐圧の負荷が破壊される可能性が高くなった場合(たとえば逆起電力の上昇率が増加した場合や、逆起電力が最小耐圧に接近した場合など)には、回生電力の供給先となる負荷(選択する負荷の数)が増加されてもよい。
図5では、縦搬送モータードライバー125、両面モータードライバー127、感光体モータードライバー131、またはファンモータードライバー133などにイネーブル信号をさらに送信することにより、モーターMA1およびMA6に加えて、モーターMC1〜MC3、MB4およびMB5、MD3およびMD4、またはファンモーターF1〜F8などに回生電力が供給されてもよい。
【0086】
なお、負荷がステッピングモーターである場合には、CPU113は、そのステッピングモーターのイネーブル信号をオンする一方で、クロック信号を送信しないようにしてもよい。クロック信号が無いとステッピングモーターは回転しないので、この場合には、ステッピングモーターのコイルで回生電力が消費される間、ステッピングモーターは回転せず静止している。
【0087】
給搬送基板110がDDコンバーター135および蓄電素子136を含んでいる場合には、回生電力をDDコンバーター135を通じて蓄電素子136へ供給することにより、回生電力を用いて電源100とは別の電源が、蓄電素子136によって生成されてもよい。また、給搬送基板110が抵抗回路137を含んでいる場合には、回生電力を抵抗回路137に供給することにより、回生電力が抵抗回路137で消費(放電)されてもよい。
【0088】
[回生電力を供給する負荷の選択方法]
続いて、回生電力を供給する負荷を選択する具体的な方法について説明する。
【0089】
本実施の形態では、CPU113は、給搬送基板110のCPUの入力ポートで、ラインL3における回生電力の逆起電力の値と、逆起電力の時間推移とを監視する。これにより、CPU113は、ユーザーがジャム用紙を引き抜く際の逆起電圧の変化を監視し、ジャム用紙の引抜速度を算出する。ジャム用紙の引抜速度は、ジャムが発生している搬送ローラーを駆動する搬送モーターの回転速度と一致する。CPU113は、算出した引抜速度に基づいて、逆起電力の上昇率についての複数の閾値を設定する。逆起電力の上昇率についての複数の閾値は、逆起電力が画像形成装置の最小耐圧を超えないように設定される。CPU113は、分圧回路129で計測した逆起電力の上昇率を算出し、逆起電力と、逆起電力の上昇率とから、最小耐圧を有する負荷が破壊される可能性を判断し、判断結果に基づいて回生電力を供給する負荷を選択する。
【0090】
図6は、回生電力の逆起電力の挙動を模式的に示す図である。(a)は逆起電力と時間との関係を示す図であり、(b)は逆起電力および逆起電流と時間との関係を示す図であり、(c)は、逆起電力とジャム用紙の引抜速度との関係を示す図である。
【0091】
図6(a)を参照して、逆起電力は、測定を開始した時刻t0直後から急激に増加し、あるピークを越えた後で徐々に減少し、時刻tnでゼロとなる。曲線CV1のように逆起電力のピーク値が最小耐圧を越えると、その負荷は破壊される。一方、曲線CV2のように逆起電力のピーク値が最小耐圧以下であれば、その負荷の破壊は免れる。したがって、逆起電力を示す曲線の傾きに相当する逆起電力の上昇率(ΔV/ΔT)が大きいほど、逆起電力が最小耐圧を超える可能性は高くなり、負荷が破壊される危険性が高くなる。
【0092】
図6(b)を参照して、時刻t0でモーターが回転を開始すると、逆起電力および逆起電流が急激に立ち上がる。逆起電流はその後、逆起電圧のピークとなる時刻t1までほぼ一定値となる。時刻t1でジャム用紙の引き抜きが完了し、モーターの回転が停止すると、逆起電圧はピーク値から下降し始め、逆起電流は急激に減少する。
【0093】
図6(c)を参照して、逆起電力とジャム用紙の引抜速度との間には比例関係があり、逆起電力の上昇率が大きければ、ジャム用紙の引抜速度も速くなる。このため、逆起電力の値からジャム用紙の引抜速度を算出することができる。
【0094】
図6に示す逆起電力の挙動から、逆起電力がピークに達するまでの時間(逆起電力の上昇率が0以上である時間)における、ジャム用紙の引抜速度と、逆起電力の上昇率とが、最小耐圧を有する負荷が破壊される可能性を予測するために有効であることが分かる。したがって、CPU113は、逆起電力がピークに達するまでの時間、ジャム用紙の引抜速度に基づいて複数の閾値を設定し、逆起電力の上昇率がこれらの閾値により設定される複数の範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判断する。そしてCPU113は、その判断結果に基づいて回生電力を供給する負荷を選択する。
【0095】
CPU113は、ジャム用紙の引き抜きが完了した場合(逆起電力の上昇率が0未満となった場合)、または回生電力の消費を完了した場合(逆起電力が0となった場合)に、選択した不可のイネーブル信号をオフすることにより、選択した負荷への回生電力の供給を遮断してもよい。
【0096】
CPU113は、回生電力の逆起電力が特定の閾値を超えたときは、回生電力を供給する負荷を選択し、回生電力の逆起電力が特定の閾値を超えないときは、回生電力を供給する負荷を選択せず、回生電力を他の負荷に供給しなくてもよい。
【0097】
図7は、ジャム用紙の引抜速度と、逆起電力の上昇率についての複数の閾値との関係を示す表である。
図8は、最小耐圧を有する負荷が破壊される可能性と、逆起電力の上昇率についての複数の閾値との関係を示すグラフである。なお、
図7および
図8において、S1、S2、S3、およびS4は、ジャム用紙の引抜速度に付いての閾値である。S1、S2、S3、およびS4は、S1<S2<S3<S4の関係を有する。
【0098】
図7を参照して、たとえばROMなどには、4つのグループE1〜E4が記憶されている。グループE1〜E4の各々は逆起電力の上昇率についての4つの閾値により構成される。ジャム用紙の引抜速度Sが0より大きくS1以下である場合(0<S≦S1の場合)、逆起電力の上昇率についての閾値のグループE1が設定される。グループE1は、4つの閾値A1、B1、C1、およびD1(A1<B1<C1<D1)により構成される。ジャム用紙の引抜速度SがS1より大きくS2以下である場合(S1<S≦S2の場合)、逆起電力の上昇率についての閾値のグループE2が設定される。グループE2は、4つの閾値A2、B2、C2、およびD2(A2<B2<C2<D2)により構成される。ジャム用紙の引抜速度SがS2より大きくS3以下である場合(S2<S≦S3の場合)、逆起電力の上昇率についての閾値のグループE3が設定される。グループE3は、4つの閾値A3、B3、C3、およびD3(A3<B3<C3<D3)により構成される。ジャム用紙の引抜速度SがS3より大きくS4以下である場合(S3<S≦S4の場合)、逆起電力の上昇率についての閾値のグループE4が設定される。グループE4は、4つの閾値A4、B4、C4、およびD4(A4<B4<C4<D4)により構成される。
【0099】
グループE1〜E4の各々における最小の閾値A1、A2、A3、およびA4は、A4<A3<A2<A1の関係を有する。グループE1〜E4の各々における二番目に小さい閾値B1、B2、B3、およびB4は、B4<B3<B2<B1の関係を有する。グループE1〜E4の各々の三番目に小さい閾値C1、C2、C3、およびC4は、C4<C3<C2<C1の関係を有する。グループE1〜E4の各々の最大の閾値D1、D2、D3、およびD4は、D4<D3<D2<D1の関係を有する。
【0100】
以降、グループE1〜E4の各々における最小の閾値A1、A2、A3、およびA4を、まとめて閾値Aと表し、グループE1〜E4の各々における二番目に小さい閾値B1、B2、B3、およびB4を、まとめて閾値Bと表し、グループE1〜E4の各々における三番目に小さい閾値C1、C2、C3、およびC4を、まとめて閾値Cと表し、グループE1〜E4の各々における最大の閾値D1、D2、D3、およびD4を、まとめて閾値Dと表すことがある。
【0101】
図8を参照して、領域T1は、最小耐圧を有する負荷が破壊される可能性が低い領域(安全領域)であり、領域T2(斜線で示す領域)は、最小耐圧を有する負荷が破壊される可能性が高い領域(危険領域)である。ジャム用紙の引抜速度Sが速くなるほど、回生電力の逆起電力は最小耐圧の値に接近し、最小耐圧を有する負荷が破壊される可能性が高くなる。したがって、ジャム用紙の引抜速度Sが速くなるほど、許容される逆起電力の上昇率(ΔV/ΔT)の範囲は小さくなる。
【0102】
各グループE1〜E4において、閾値A、B、C、およびDによって逆起電力の上昇率についての5つの範囲RG1〜RG5が規定される。範囲RG1は、逆起電力の上昇率(ΔV/ΔT)が(ΔV/ΔT)≦閾値Aである範囲である。範囲RG2は、逆起電力の上昇率(ΔV/ΔT)が閾値A<(ΔV/ΔT)≦閾値Bである範囲である。範囲RG3は、逆起電力の上昇率(ΔV/ΔT)が閾値B<(ΔV/ΔT)≦閾値Cである範囲である。範囲RG4は、逆起電力の上昇率(ΔV/ΔT)が閾値C<(ΔV/ΔT)≦閾値Dである範囲である。範囲RG5は、逆起電力の上昇率(ΔV/ΔT)が閾値D≦(ΔV/ΔT)である範囲である。
【0103】
CPU113は、逆起電力の上昇率が5つの範囲RG1〜RG5のうちいずれの範囲内に属するかを判断し、その判断結果に基づいて、回生電力を供給する負荷を選択する。このようにして、逆起電力と逆起電力の上昇率とで定まる座標が領域T1に入るように、消費先の負荷のドライバーにイネーブル信号を送信することにより、逆起電力の上昇が抑制され、最小耐圧を有する負荷の破壊が防止される。
【0104】
図9は、逆起電力の上昇率が属する範囲と、選択される負荷との関係を示す表である。
【0105】
図9を参照して、最小耐圧を有する負荷(
図3に示すモーターMB2)以外の画像形成装置の全ての負荷は、4つの消費先グループG1、G2、G3、およびG4のいずれかに分類されている。優先順位が高い順に、消費先グループG1→消費先グループG2→消費先グループG3→消費先グループG4となっている。CPU113は、逆起電力の上昇率の大きさに基づいて、複数の負荷の各々に設定された優先順位のうち高い優先順位を有する負荷から順に、回生電力を供給する負荷を選択する。
【0106】
具体的には、逆起電力の上昇率が範囲RG1に属する場合(0<ΔV/ΔT≦閾値Aの場合)には、いずれの消費先グループも選択されない。逆起電力の上昇率が十分に低ければ、回生電力を他の負荷に供給しなくても最小耐圧を有する負荷は破壊されないと予測されるためである。逆起電力の上昇率が範囲RG2に属する場合(閾値A<ΔV/ΔT≦閾値Bの場合)には、消費先グループ(回生電力を供給する負荷のグループ)として消費先グループG1が選択される。逆起電力の上昇率が範囲RG3に属する場合(閾値B<ΔV/ΔT≦閾値Cの場合)には、消費先グループとして消費先グループG1およびG2が選択される。逆起電力の上昇率が範囲RG4に属する場合(閾値C<ΔV/ΔT≦閾値Dの場合)には、消費先グループとして消費先グループG1、G2、およびG3が選択される。逆起電力の上昇率が範囲RG5に属する場合(閾値D<ΔV/ΔTの場合)には、消費先グループとして消費先グループG1、G2、G3、およびG4が選択される。
【0107】
図10は、消費先グループG1〜G4の各々に属する負荷を模式的に示す表である。
【0108】
図10を参照して、消費先グループG1〜G4の分類は、回生電力をその負荷に供給した場合のユーザーの安全性を考慮して決定される。
【0109】
消費先グループG1に含まれる負荷は、第1のトレイにおける給紙モーターである1段給紙モーター(
図2に示すモーターMA1)およびリフトアップモーター(
図2に示すモーターMA2)、第2のトレイにおける給紙モーターである2段給紙モーター(
図2に示すモーターMA1)およびリフトアップモーター(
図2に示すモーターMA3)、第3のトレイにおける給紙モーターである3段給紙モーター(
図2に示すモーターMA6)およびリフトアップモーター(
図2に示すMA4)、第4のトレイにおける給紙モーターである4段給紙モーター(
図2に示すモーターMA6)およびリフトアップモーター(
図2に示すモーターMA5)である。モーターMA1〜MA6はいずれも、画像形成装置がジャムを検知したときや、ジャム処理の際にトレイが引き出されたときに、クラッチを切断することによりローラーとの連結が解除される。このため、ユーザーがジャム用紙を引き抜いた時にローラーが不要に回転することがなく、ユーザーの安全性が最も高い。ゆえに、モーターMA1〜MA6は、回生電力を供給する優先順位が最も高い。
【0110】
消費先グループG2に含まれる負荷は、タイミングモーター(
図2に示すモーターMB1)、排紙ローラー(
図2に示すモーターMB2)、反転モーター(
図2に示すモーターMB3)、ADU搬送モーター(
図2に示すモーターMB4およびMB5)、手差し給紙モーターおよび上昇モーター(
図2に示すモーターMB6およびMB7)、ならびにLCTモーター(図示無し)である。消費先グループG2に含まれる負荷であるモーターMB1〜MB7はいずれも、ローラーと常時連結されている(連結が解除されない)。しかし、モーターMB1〜MB7によって駆動されるローラーの中には、用紙の搬送路によっては、回転しても安全なローラー(ユーザーがジャム処理を行う際にアクセスしない箇所のローラー)が存在する。用紙の供給先の給紙トレイやプリントモード(片面プリントまたは両面プリント)の設定の内容により、用紙の搬送路は変わり、ユーザーがジャム処理を行う際にアクセスしない箇所も変わる。ユーザーがアクセスしない箇所のローラーであれば回転しても安全性に問題は無い。ゆえに、モーターMB1〜MB7は、回生電力を供給する優先順位が高い。
【0111】
消費先グループG2に属する負荷に回生電力を供給する場合、画像形成装置の設定内容(動作条件)に応じて、モーターMB1〜MB7の中から回生電力を供給するモーターが選択されることが好ましい。ジャム用紙が存在しないことをセンサーで検知した後で、その箇所のローラーを駆動するモーターを選択してもよい。
【0112】
消費先グループG3に含まれる負荷は、LCC中間モーター(
図2に示すモーターMC1)、縦搬送モーター(
図2に示すモーターMC2およびMC3)、2次転写ローラー離接モーター(
図2に示すモーターMC4)、および定着モーター(
図2に示すモーターMC5)である。消費先グループG3に含まれる負荷はいずれも、扉付近に存在する搬送ローラーと常時連結されている。
図1中円C1内に示したように、ジャム処理の際にユーザーによって扉が開かれると、その扉の付近に存在する搬送ローラーの従動ローラーは、搬送ローラーの駆動ローラーから離間される。モーターMC1〜MC5の駆動対象である搬送ローラーは、その搬送ローラーにおいてジャムが発生しておいる場合には、ユーザーによるジャム用紙の引き抜きの力によって回転する。搬送ローラーの不要な回転による事故などを防ぐため、モーターMC1〜MC5は、回生電力を供給する優先順位が低い。
【0113】
消費先グループG4に含まれる負荷は、クラッチ(
図2に示すクラッチCL1〜CL6)、ソレノイド(
図2に示すソレノイドSL)、イレーサー(
図2に示すイレーサーEL1〜EL4)、蓄電素子(
図3に示す蓄電素子136)、作像系の駆動源(
図2に示すモーターMD1〜MD18)、および冷却系の駆動源(
図2に示すファンモーターF1〜F8)である。消費先グループG4に含まれる負荷はいずれも、非回転系の負荷であり、不要に駆動することは望ましくない場合が多いので、回生電力を供給する優先順位が最も低い。消費先グループG4には、放電素子(
図3に示す抵抗回路137)が含まれてもよい。
【0114】
[画像形成装置の動作を示すフローチャート]
図11および
図12は、本発明の一実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【0115】
図11を参照して、制御回路111のCPU113は、用紙の搬送を開始する(S1)と、用紙の搬送中にセンサーSR1〜SR13(ジャム検知センサー)のいずれかがジャムの発生を検知したか否かを判別する(S3)。
【0116】
ステップS3において、ジャムの発生を検知したと判別した場合(S3でYES)、CPU113は、駆動リレー101をオフすることにより、画像形成装置1の各負荷への電源100からの電力の供給を遮断し、ジャムの発生をユーザーに通知する(S11)。
【0117】
続いてCPU113は、ジャムが発生した箇所のローラーを駆動するモーターの回転をセンサーで検知したか否かを判別する(S13)。モーターの回転を検知するまで、CPU113はステップS13の処理を繰り返す。
【0118】
ステップS13において、モーターの回転を検知したと判別した場合(S13でYES)、CPU113は、一定の時間間隔で逆起電力の計測を開始し、計測した逆起電力から逆起電力の上昇率を算出する(S15)。
【0119】
ステップS15の処理に続いて、CPU113は、計測した逆起電力に基づいて、ジャム用紙の引抜速度を算出する(S17)。次にCPU113は、ジャム用紙の引抜速度に基づいて、グループE1〜E4の中から、逆起電力の上昇率に関する閾値のグループを設定し(予め記憶している閾値A〜Dを読み込み)(S19)、
図12に示すステップS21の処理へ進む。
【0120】
ステップS3において、ジャムの発生を検知していないと判別した場合(S3でNO)、CPU113は、ジャムの発生を通知している場合には、その通知を解除し(S5)、用紙の搬送を停止している場合には用紙の搬送を再開する(S7)。続いてCPU113は、プリントを完了したか否かを判別する(S9)。
【0121】
ステップS9において、プリントを完了したと判別した場合(S9でYES)、CPU113は処理を終了する。一方、ステップS9において、プリントを完了していないと判別した場合(S9でNO)、CPU113はステップS3の処理へ進む。
【0122】
図12を参照して、ステップS21において、CPU113は、算出した逆起電力の上昇率(ΔV/ΔT)が範囲RG1の範囲内(0より大きく閾値A以下の範囲内)にあるか否かを判別する(S21)。
【0123】
ステップS21において、範囲RG1の範囲内にあると判別した場合(S21でYES)、CPU113は、給搬送基板110内の負荷のイネーブル信号をオンすること無く(回生電力を負荷に供給せずに)、ステップS31の処理へ進む。
【0124】
ステップS21において、範囲RG1の範囲外にあると判別した場合(S21でNO)、CPU113は、逆起電力の上昇率が範囲RG2の範囲内(閾値Aより大きく閾値B以下の範囲内)にあるか否かを判別する(S23)。
【0125】
ステップS23において、範囲RG2の範囲内にあると判別した場合(S23でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷のイネーブル信号(EN)をオンし(S39)、ステップS31の処理へ進む。
【0126】
ステップS23において、範囲RG2の範囲外にあると判別した場合(S23でNO)、CPU113は、逆起電力の上昇率が範囲RG3の範囲内(閾値Bより大きく閾値C以下の範囲内)にあるか否かを判別する(S25)。
【0127】
ステップS25において、範囲RG3の範囲内にあると判別した場合(S25でYES)、CPU113は、単位時間あたりの逆起電力の発生回数が、既定値の回数を上回ったか否かを判別する(S41)。
【0128】
ステップS41において、既定値の回数を上回ったと判別した場合(S41でYES)、最小耐圧の負荷が破壊される可能性が比較的高い状態にある。この場合CPU113は、消費先グループG1およびG2を構成する全ての負荷のイネーブル信号をオンし(S43)、ステップS31の処理へ進む。
【0129】
ステップS41において、既定値の回数以下であると判別した場合(S41でNO)、最小耐圧の負荷が破壊される可能性が比較的低い状態にある。この場合CPU113は、ユーザーの安全性を考慮して、回生電力を供給する負荷を消費先グループG2の中から選択する処理(選択処理)を行う(S45)。ステップS45の選択処理については後述する。その後、CPU13はステップS31の処理へ進む。
【0130】
ステップS25において、範囲RG3の範囲外にあると判別した場合(S25でNO)、CPU113は、逆起電力の上昇率が範囲RG4の範囲内(閾値Cより大きく閾値D以下の範囲内)にあるか否かを判別する(S27)。
【0131】
ステップS27において、範囲RG4の範囲内にあると判別した場合(S27でYES)、CPU113は、消費先グループG1、G2、およびG3を構成する全ての負荷のイネーブル信号をオンし(S47)、ステップS31の処理へ進む。
【0132】
ステップS27において、範囲RG4の範囲外にあると判別した場合(S27でNO)、CPU113は、逆起電力の上昇率が範囲RG5の範囲内(閾値Dより大きい範囲内)にあるか否かを判別する(S29)。
【0133】
ステップS29において、範囲RG5の範囲内にあると判別した場合(S29でYES)、CPU113は、消費先グループG1、G2、G3、およびG4を構成する全ての負荷のイネーブル信号をオンし(S49)、ステップS31の処理へ進む。
【0134】
ステップS29において、範囲RG5の範囲外にあると判別した場合(S29でNO)、CPU113は、CPU113は、給搬送基板110内の負荷のイネーブル信号をオンすること無く、ステップS31の処理へ進む。
【0135】
ステップS31において、CPU113は、逆起電力の上昇率が0未満であるか否かを判別する(S31)。
【0136】
ステップS31において、0未満であると判別した場合(S31でYES)、ジャム用紙の引き抜きは完了した状態にある。この場合CPU113は、消費先グループG1、G2、G3、およびG4を構成する全ての負荷のイネーブル信号をオフし、全ての負荷を非動作状態に制御する(S33)。続いてCPU113は、逆起電力および逆起電力の上昇率の計測を停止する(S35)。次にCPU113は、扉スイッチSW1〜SW5の検知結果に基づいて、画像形成装置の全ての扉が閉じられたか否かを判別する(S37)。CPU113は、扉が閉じられたと判別するまで、ステップS37の処理を繰り返す。
【0137】
ステップS37において、扉が閉じられたと判別した場合(S37でYES)、CPU113は、
図11に示すステップS3の処理へ進む。
【0138】
ステップS31において、0以上であると判別した場合(S31でNO)、ジャム用紙の引き抜きは完了していない状態にある。この場合CPU113は、ステップS17の処理へ進む。
【0140】
図13を参照して、ステップS45の選択処理においてCPU113は、ジャムの発生箇所がタイミングローラーであるか否かを判別する(S101)。
【0141】
ステップS101において、タイミングローラーであると判別した場合(S101でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、排紙モーター、反転モーター、ADU搬送モーター、手差し給紙モーター、上昇モーター、およびLCTモーターのイネーブル信号をオンし(S106)、リターンする。
【0142】
ステップS101において、タイミングローラーでないと判別した場合(S101でNO)、CPU113は、ジャムの発生箇所が排紙ローラーであるか否かを判別する(S103)。
【0143】
ステップS103において、排紙ローラーであると判別した場合(S103でYES)、CPU113は、設定されているプリントモードが両面印刷モードであるか否かを判別する(S107)。
【0144】
ステップS107において、両面印刷モードでないと判別した場合(S107でNO)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、反転モーター、ADU搬送モーター、手差し給紙モーター、上昇モーター、およびLCTモーターのイネーブル信号をオンし(S109)、リターンする。
【0145】
ステップS107において、両面印刷モードであると判別した場合(S107でYES)、CPU113は、用紙の供給先として手差し用紙用のトレイ(
図1に示す第5のトレイ25)が選択されているか否かを判別する(S111)。
【0146】
ステップS111において、手差し用紙用のトレイが選択されていると判別した場合(S111でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、およびLCTモーターのイネーブル信号をオンし(S113)、リターンする。
【0147】
ステップS111において、手差し用紙用のトレイが選択されていないと判別した場合(S111でNO)、CPU113は、用紙の供給先としてLCTトレイが選択されているか否かを判別する(S115)。
【0148】
ステップS115において、LCTトレイが選択されていると判別した場合(S115でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、手差し給紙モーター、および上昇モーターのイネーブル信号をオンし(S117)、リターンする。
【0149】
ステップS115において、LCTトレイが選択されていないと判別した場合(S115でNO)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、およびタイミングモーターのイネーブル信号をオンし(S119)、リターンする。
【0150】
ステップS103において、排紙ローラーでないと判別した場合(S103でNO)、CPU113は、ジャムの発生箇所が反転ローラーであるか否かを判別する(S105)。
【0151】
ステップS105において、反転ローラーであると判別した場合(S105でYES)、CPU113は、設定されているプリントモードが両面印刷モードであるか否かを判別する(S121)。
【0152】
ステップS121において、両面印刷モードでないと判別した場合(S121でNO)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、ADU搬送モーター、手差し給紙モーター、上昇モーター、およびLCTモーターのイネーブル信号をオンし(S123)、リターンする。
【0153】
ステップS121において、両面印刷モードであると判別した場合(S121でYES)、CPU113は、用紙の供給先として手差し用紙用のトレイが選択されているか否かを判別する(S125)。
【0154】
ステップS125において、手差し用紙用のトレイが選択されていると判別した場合(S125でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、およびLCTモーターのイネーブル信号をオンし(S127)、リターンする。
【0155】
ステップS125において、手差し用紙用のトレイが選択されていないと判別した場合(S125でNO)、CPU113は、用紙の供給先としてLCTトレイが選択されているか否かを判別する(S129)。
【0156】
ステップS129において、LCTトレイが選択されていると判別した場合(S129でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、手差し給紙モーター、および上昇モーターのイネーブル信号をオンし(S131)、リターンする。
【0157】
ステップS129において、LCTトレイが選択されていないと判別した場合(S129でNO)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、およびタイミングモーターのイネーブル信号をオンし(S133)、リターンする。
【0158】
ステップS105において、反転ローラーでないと判別した場合(S105でNO)、CPU113は、
図14に示すステップS135の処理へ進む。
【0159】
図14を参照して、ステップS135において、CPU113は、ジャムの発生箇所がADU搬送ローラー(
図1に示す搬送ローラー44)であるか否かを判別する(S135)。
【0160】
ステップS135において、ADU搬送ローラーであると判別した場合(S135でYES)、CPU113は、用紙の供給先として手差し用紙用のトレイが選択されているか否かを判別する(S137)。
【0161】
ステップS137において、手差し用紙用のトレイが選択されていると判別した場合(S137でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、反転モーター、およびLCTモーターのイネーブル信号をオンし(S139)、リターンする。
【0162】
ステップS137において、手差し用紙用のトレイが選択されていないと判別した場合(S137でNO)、CPU113は、用紙の供給先としてLCTトレイが選択されているか否かを判別する(S141)。
【0163】
ステップS141において、LCTトレイが選択されていないと判別した場合(S141でNO)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、LCT搬送モーター、手差し給紙モーター、および上昇モーターのイネーブル信号をオンし(S143)、リターンする。
【0164】
ステップS141において、LCTトレイが選択されていると判別した場合(S141でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、手差し給紙モーター、および上昇モーターのイネーブル信号をオンし(S145)、リターンする。
【0165】
ステップS135において、ADU搬送ローラーでないと判別した場合(S135でNO)、CPU113は、
図15に示すステップS145の処理へ進む。
【0166】
図15を参照して、ステップS145において、CPU113は、ジャムの発生箇所が手差し給紙ローラー(
図1に示す給紙ローラー35)であるか否かを判別する(S145)。
【0167】
ステップS145において、手差し給紙ローラーであると判別した場合(S145でYES)、CPU113は、設定されているプリントモードが両面印刷モードであるか否かを判別する(S149)。
【0168】
ステップS149において、両面印刷モードでないと判別した場合(S149でNO)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、ADU搬送モーター、排紙モーター、反転モーター、およびLCTモーターのイネーブル信号をオンし(S151)、リターンする。
【0169】
ステップS149において、両面印刷モードであると判別した場合(S149でYES)、CPU113は、用紙の供給先としてLCTトレイが選択されているか否かを判別する(S153)。
【0170】
ステップS153において、LCTトレイが選択されていないと判別した場合(S153でNO)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、排紙モーター、反転モーター、およびLCTモーターのイネーブル信号をオンし(S155)、リターンする。
【0171】
ステップS153において、LCTトレイが選択されていると判別した場合(S153でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、およびタイミングモーターのイネーブル信号をオンし(S157)、リターンする。
【0172】
ステップS145において、手差し給紙ローラーでないと判別した場合(S145でNO)、CPU113は、ジャムの発生箇所がLCTローラーであるか否かを判別する(S147)。
【0173】
ステップS147において、LCTローラーであると判別した場合(S145でYES)、CPU113は、CPU113は、設定されているプリントモードが両面印刷モードであるか否かを判別する(S159)。
【0174】
ステップS159において、両面印刷モードでないと判別した場合(S159でNO)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、ADU搬送モーター、手差し給紙モーター、および上昇モーターのイネーブル信号をオンし(S161)、リターンする。
【0175】
ステップS159において、両面印刷モードであると判別した場合(S159でYES)、CPU113は、消費先グループG1を構成する全ての負荷、タイミングモーター、排紙モーター、および反転モーターのイネーブル信号をオンし(S163)、リターンする。
【0176】
ステップS147において、LCTローラーでないと判別した場合(S147でNO)、CPU113はリターンする。
【0177】
[回生電力を供給する負荷の選択方法の変形例]
画像形成装置は、逆起電力の上昇率に基づかず、逆起電力の大きさのみに基づいて負荷を選択し、選択した負荷に回生電力が供給されるように、選択した負荷の動作状態を制御してもよい。
【0178】
図16は、回生電力を供給する負荷の選択方法の変形例における、逆起電力の大きさと、選択される負荷との関係を示す表である。
【0179】
図16を参照して、CPU113は、逆起電力の大きさに基づいて、複数の負荷の各々に設定された優先順位のうち高い優先順位を有する負荷から順に、回生電力を供給する負荷を選択する。
【0180】
具体的には、逆起電力(V)が範囲RG1に属する場合(0<V<閾値V1の場合)には、いずれの消費先グループも選択されない。逆起電力の上昇率が十分に低ければ、回生電力を他の負荷に供給しなくても最小耐圧を有する負荷は破壊されないと予測されるためである。逆起電力の上昇率が範囲RG2に属する場合(閾値V1<V≦閾値V2の場合)には、消費先グループとして消費先グループG1が選択される。逆起電力の上昇率が範囲RG3に属する場合(閾値V2<V≦閾値V3の場合)には、消費先グループとして、消費先グループG1およびG2が選択される。逆起電力の上昇率が範囲RG4に属する場合(閾値V3<V≦閾値V4の場合)には、消費先グループとして、消費先グループG1、G2、およびG3が選択される。逆起電力の上昇率が範囲RG5に属する場合(閾値V4<Vの場合)には、消費先グループとして、消費先グループG1、G2、G3、およびG4が選択される。
【0181】
[実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、ジャム処理による回生電力が発生した場合に、画像形成装置は、最小耐圧を有する負荷以外の負荷(駆動源、デバイス、コイル)のイネーブル信号をオンすることにより、負荷同士の間のドライバーを導通させ、それによって回生電力を消費する。これにより、ユーザーの安全性を確保しつつ、画像形成装置内において回生電力が発生している負荷と同じ電源系統に接続されている他の負荷、および回生電力が発生している負荷を、回生電力から適切に保護することができる。また、ソフトウェアによる制御のみで回生電力からの保護を行うことができるので、画像形成装置の製造コストの増加を抑えることができる。
【0182】
また本実施の形態によれば、回生電力の逆起電力に基づいて回生電力を供給する負荷を選択するので、逆起電力に応じた適切な負荷に回生電力を消費させることができる。特に、負荷とローラーとの連結の有無、ジャムの発生箇所、または設定されているプリントモードなどの条件に基づいて、回生電力の消費先の負荷を自動で選択することで、ユーザーの安全性や利便性を考慮して、回生電力を供給する負荷を選択することができる。
【0183】
[その他]
画像形成装置は、回生電力が発生した場合に、逆起電力に基づかず、用紙の供給先の給紙トレイやプリントモード(片面プリントまたは両面プリント)の設定の内容などに基づいて、回生電力を供給する負荷を選択してもよい。
【0184】
画像形成装置は、回生電力が発生した場合に、逆起電力に基づかず、常に特定の負荷(たとえば
図3に示すモーターMA1およびMA4など)にのみ回生電力が供給されるように、特定の負荷の動作状態を制御してもよい。
【0185】
上述の実施の形態は適宜組み合せることができる。たとえば、逆起電力の大きさのみに基づいて負荷を選択する上記変形例の構成と、ジャムの発生源である用紙の引き抜きが完了した場合、または前記回生電力の消費を完了した場合に、負荷への回生電力の供給を遮断する構成とを組み合わせてもよい。
【0186】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0187】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。