(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記異常検出部で検出された異常が、前記画像形成部で形成される画像に関する異常である場合には、前記搬送部での搬送に関する異常である場合よりも、前記画像形成部による画像形成と前記搬送部による搬送とを速やかに停止させるよう制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記異常検出部で検出された異常が、前記画像形成部で形成される画像に関する異常である場合には、前記搬送部での搬送に関する異常である場合よりも、前記画像形成部による画像形成と前記搬送部による搬送とを速やかに停止させるよう制御する、
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成システム。
前記異常検出部で検出された異常が、前記画像形成部で形成される画像に関する異常である場合には、前記搬送部での搬送に関する異常である場合よりも、前記画像形成部による画像形成と前記搬送部による搬送とを速やかに停止させるよう制御する、
ことを特徴とする請求項17に記載の画像形成制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、異常用紙の除去して後続用紙の画像形成を再開するには、画像形成装置内から排出される異常用紙と後続正常用紙とを区別し、混在しないようにすることが必要になる。すなわち、異常発生前の正常用紙と異常発生後の後続正常用紙とを連続させるようにして、抜けや重複が無いようにする必要がある。
【0007】
以上の特許文献1では、異常発生・解消後には用紙を反転させて出力するような工夫をしている。しかし、この技術では、機能を把握している利用者にしか判別できない問題がある。また、異常用紙を除去せずに画像形成を再開してしまうと、正常用紙と異常用紙との判別が困難になる。更に、片面画像形成であれば反転の有無が分かるが、両面画像形成であると反転しているか否かの区別が非常に困難になる問題がある。
【0008】
以上の特許文献2では、手動除去が早い場合にはパージ処理による自動排出をしないことが提案されているものの、自動排出において異常用紙と後続用紙とを区別し、混在しないようにすることは、提案されていない。
【0009】
以上の特許文献3では、画像形成済みの用紙を排出するようにして、異常が発生した場合にもページ抜けが無いようにすることが提案されている。しかし、自動排出において異常用紙と後続用紙とを区別し、重複や混在が発生しないようにすることは、提案されていない。
【0010】
以上の特許文献4では、ジャム発生時の残留紙をサブトレイに排出することが提案されているが、複数の排出トレイが前提であり、1つのトレイしか存在しない場合には対処することができない。
【0011】
また、他の先行技術においても、排出可能な用紙は全て排出するか、あるいは、残留させるかのいずれかであり、用紙の重複防止、或いは、除去困難な場所への残留の防止のいずれかについて、十分に行うことができない問題があった。
【0012】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、画像形成や搬送に異常が生じた場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止することが可能な、画像形成装置、画像形成システム及び画像形成制御方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
(1)用紙に画像を形成する画像形成部と、前記用紙を画像形成の動作に応じて搬送すると共に画像形成された前記用紙を
複数の排出口
のいずれかから排出する搬送部と、前記搬送部の搬送経路上で搬送される前記用紙の位置を検出する位置検出部と、前記用紙に形成される画像の異常若しくは前記搬送部による前記用紙の搬送の異常を検出する異常検出部と、前記位置検出部と前記異常検出部の検出結果に基づいて画像形成と搬送とを制御する制御部と、を有する画像形成装置であって、前記制御部は、前記異常検出部により異常が検出された場合に、異常の内容と装置内に残留する各用紙の異常検出時の位置とに応じて、前記搬送部により前記各用紙
を前記複数の排出口のうちの第1排出口に排出
可能か否かの第1判断を行う第1判断機能と、前記異常検出部により異常が検出された場合に、異常の内容と装置内に残留する各用紙の異常検出時の位置とに応じて、新たな用紙に画像形成をして再出力することが必要か否かの第2判断を行う第2判断機能と、前記第1判断の結果と前記第2判断の結果とに基づいて画像形成と搬送とを制御する制御機能と、を備え、前記第1判断でいずれかの用紙の排出が不能と判断された場合には、
当該用紙の搬送を停止させるよう制御し、前記第1判断で
一部の用紙の排出が可能と判断され、前記第2判断で再出力が不要と判断された場合には、装置内に残留する前記各
一部の用紙を前記
第1排出口から排出するよう制御し、前記第1判断で
一部の用紙の排出が可能と判断され、前記第2判断で再出力が必要と判断された場合に
、装置内に残留する前記一部の用紙を前記第1排出口とは異なる第2排出口に排出可能か否かを判断し、装置内に残留する前記一部の用紙を前記第2排出口に排出可能でない場合、装置内に残留する前記
一部の用紙を前記
第1排出口から完全に出してしまわないよう制御する、ことを特徴とする。
なお、前記制御部は、前記用紙を前記第1排出口から完全に出してしまわないようにする制御において、前記用紙を前記定着部に接触させないようにする、ことを特徴とする。
【0014】
(2)以上の(1)において、前記制御部は、
前記一部の用紙を前記第1排出口から完全に出してしまわないようにする制御において、前記搬送部により前記
第1排出口から前記用紙の途中までを排出した状態で停止させるよう制御する、ことを特徴とする。
【0015】
(3)以上の(2)において、前記制御部は、前記第1判断で
一部の用紙の
前記第1排出口への排出が可能と判断され、前記第2判断で再出力が必要と判断された場合の先頭の前記用紙についてのみ、前記搬送部により前記
第1排出口から前記用紙の途中までを排出した状態で停止させるよう制御する、ことを特徴とする。
【0016】
(4)以上の(1)において、前記制御部は、
前記第1判断で
一部の用紙の
前記第1排出口への排出が可能と判断され、前記第2判断で再出力が必要と判断された場合において、
装置内に残留する前記一部の用紙を前記第2排出口に排出可能である場合、前記一部の用紙について
、前記第2排出口に排出するように制御する、ことを特徴とする。
【0017】
(5)以上の(1)−(4)において、前記制御部は、前記異常検出部で検出された異常の内容に応じて、前記画像形成部による画像形成と前記搬送部による搬送とを一時停止するよう制御する、ことを特徴とする。
【0018】
(6)以上の(5)において、前記制御部は、前記異常検出部で検出された異常が、前記画像形成部で形成される画像に関する異常である場合には、前記搬送部での搬送に関する異常である場合よりも、前記画像形成部による画像形成と前記搬送部による搬送とを速やかに停止させるよう制御する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上の各態様によると、以下のような効果を得ることができる。
(1)用紙に画像を形成する際において形成される画像あるいは用紙の搬送に何らかの異常が検出されたときに、用紙の排出が不能な場合には用紙の搬送を停止させることで各部の損傷が増大することはなく、用紙の排出が可能で再出力が不要な場合には用紙を
複数の排出口
のいずれかから排出することで必要な頁が欠けることはなく、更に、用紙の排出が可能で再出力が必要な場合には用紙を排出口から完全に出してしまわないようすることで、当該用紙を別トレイに排出できない場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
また、用紙を排出口から完全に出してしまわないようにする制御において、用紙を定着部に接触させないようにすることでも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止できる。
【0020】
(2)以上の(1)において、
第1排出口への用紙の排出が可能で再出力が必要な場合には、
第1排出口から用紙の途中までを排出した状態で停止させるよう制御することにより、当該用紙を別トレイに排出できない場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0021】
(3)以上の(2)において、
第1排出口への用紙の排出が可能で、再出力が必要な先頭の用紙についてのみ、
第1排出口から用紙の途中までを排出した状態で停止させるよう制御することにより、当該用紙を別トレイに排出できない場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0022】
(4)以上の(1)において、
第1判断で一部の用紙の前記第1排出口への排出が可能と判断され、第2判断で再出力が必要と判断された場合において、装置内に残留する前記一部の用紙を前記第2排出口に排出可能である場合、前記一部の用紙について前記第2排出口に排出するように制御することで、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0023】
(5)以上の(1)−(4)において、異常検出部で検出された異常の内容に応じて、画像形成部による画像形成と搬送部による搬送とを一時停止するよう制御することで、画像形成と搬送の安全性を高めることが可能になる。
【0024】
(6)以上の(5)において、異常検出部で検出された異常が、画像形成部で形成される画像に関する異常である場合には、搬送部での搬送に関する異常である場合よりも、画像形成部による画像形成と搬送部による搬送とを速やかに停止させるよう制御することにより、画像形成と搬送の安全性を適切な状態に保ちつつ高めることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の残留紙排出制御を実施する画像形成装置および画像形成システム並びに画像形成制御方法の実施形態を詳細に説明する。
〔画像形成装置の構成〕
〔画像形成システムの構成〕
ここで、実施形態の第一例として、残留紙排出制御を行う画像形成装置の構成を、
図1−
図2に基づいて詳細に説明する。
【0027】
ここでは、収容されている複数種類の用紙を必要に応じて給紙可能な給紙装置50、用紙に画像を形成する画像形成装置100、画像形成装置100で画像形成された用紙に各種用紙処理(パンチ処理、中折り処理、ステイプル処理など)を施して排出する用紙処理装置200、が用紙の流れに沿って配置されている。
【0028】
なお、この実施形態の画像形成装置100としては、各種の画像形成装置に適用が可能であるが、ここでは、ネットワークに接続された、スキャナ,複写機,プリンタ,ファクシミリ装置の機能を備えた複合機(MFP)、あるいは複写機を具体例にして説明を続ける。また、画像形成装置100として既知であって、本実施形態の特徴的な動作や制御に直接に関係しない一般的な部分についての説明は省略してある。
【0029】
以下、画像形成装置について、
図1−
図2に基づいて、各装置の詳細構成を説明する。
給紙装置50は、給紙装置50内の各部を制御する制御部51と、接続されている他の装置と通信するための通信部52と、複数の給紙部55a〜55b(
図2参照)に収容された用紙を給紙する給紙部55と、を備えて構成されている。
【0030】
画像形成装置100は、画像形成装置100内の各部を制御すると共に画像形成システムとしてシステム全体を制御する制御部101と、接続されている他の装置と通信するための通信部102と、利用者による操作入力と画像形成装置100の状態表示とを行う操作表示部103と、給紙トレイ105a〜105c(
図2参照)に収容された用紙を給紙する給紙部105と、用紙に形成された画像や用紙の搬送具合(搬送時の副走査方向の片寄りや、搬送時の搬送遅れ等)の異常を検出する位置検出部や異常検出部としてのセンサ107と、装置内で用紙を搬送する搬送部110と、原稿を読み取る原稿読込部120と、画像形成する際の画像データや各種データを記憶する画像データ記憶部130と、画像形成に必要な各種画像処理を実行する画像処理部140と、画像形成命令と画像データとに基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部150と、画像形成された用紙を反転する反転部180と、両面画像形成する際に用紙を搬送する両面搬送部185と、用紙を排紙トレイ190mに排出する排出部190、を備えて構成されている。
【0031】
なお、画像形成部150は、トナー像が形成される像担持体151と、像担持体151を所定の電位で帯電させる帯電部152と、帯電した像担持体151に画像データに応じた露光をして静電潜像を形成する露光部153と、静電潜像を現像してトナー像にする現像部154と、像担持体151上のトナー像を用紙に転写する転写部155と、用紙上のトナー像を熱と圧力とで定着させる定着部156と、を有して構成される。
【0032】
また、位置検出部や異常検出部としてのセンサ107としては、
図2に示されるように、搬送部110、反転部180、両面搬送部185、に沿って、センサ107sA〜センサ107sGが配置されており、用紙に形成された画像や用紙の搬送具合(搬送時の副走査方向の位置(片寄りの有無)や、搬送時の主走査方向通過タイミング(搬送遅れの有無)等)の検出結果を、制御部101に通知する。
【0033】
なお、センサ107の配置位置や配置個数は一例であって、図示されたものに限定されるものではない。例えば、定着器156に設けられた温度センサも、センサ107の一部を構成しており、制御部101は定着温度異常から画像形成プロセス関連異常(以下、画像異常と言う)を判断する。また、転写部155の下流のセンサ107sBがイメージセンサである場合には、画像の読み取り結果から制御部101が画像異常を判断しても良い。
【0034】
〔画像形成システムの構成〕
ここで、実施形態の第二例として、残留紙排出制御を行う画像形成システムの構成を、
図3−
図4に基づいて詳細に説明する。
【0035】
ここでは、収容されている複数種類の用紙を必要に応じて給紙可能な給紙装置50、用紙に画像を形成する画像形成装置100、画像形成装置100で画像形成された用紙に各種用紙処理(パンチ処理、中折り処理、ステイプル処理など)を施して排出する用紙処理装置200、が用紙の流れに沿って配置されている。
【0036】
なお、この実施形態の画像形成装置100としては、
図1−
図2に示したものと同一であるが、画像形成システムとして用紙処理装置200が接続されている関係で、排出部190が省略されている。それ以外の部分は同一であり、重複した説明を省略する。
【0037】
用紙処理装置200は、用紙処理装置200内の各部を制御する制御部201と、接続されている他の装置と通信するための通信部202と、用紙に形成された画像や用紙の搬送具合(搬送時の副走査方向の片寄りや、搬送時の搬送遅れ等)の異常を検出する位置検出部や異常検出部としてのセンサ207と、用紙処理装置200内で用紙を搬送する搬送部210と、用紙に対して各種の用紙処理を行う用紙処理部250と、サブの排紙トレイ290sやメインの排紙トレイ290mに用紙を排出する排出部290と、を備えて構成されている。なお、用紙処理装置200での用紙処理としては、パンチ処理、中折り処理、ステイプル処理など、必要に応じて各種の処理が可能である。
【0038】
また、位置検出部や異常検出部としてのセンサ207としては、
図4に示されるように、搬送部210に沿いつつ、サブの排紙トレイ290sやメインの排紙トレイ290mに向かって、センサ207sH〜センサ207sKが配置されており、用紙の搬送具合(搬送時の副走査方向の位置(片寄りの有無)や、搬送時の主走査方向通過タイミング(搬送遅れの有無)等)の検出結果を、制御部201に通知する。なお、センサ207の配置位置や配置個数は一例であって、図示されたものに限定されるものではない。
【0039】
また、以上の
図1と
図3とにおける制御部101は、位置検出部や異常検出部としてのセンサ107やセンサ207の検出結果に基づいて画像形成と搬送とを制御するもので、異常が検出された場合に、異常の内容と装置内に残留する各用紙の異常検出時の位置とに応じて、
・各用紙の排出が可能か否かの第1判断を行う第1判断機能と、
・異常が検出された場合に、異常の内容と装置内に残留する各用紙の異常検出時の位置とに応じて、新たな用紙に画像形成をして再出力することが必要か否かの第2判断を行う第2判断機能と、
・第1判断の結果と第2判断の結果とに基づいて画像形成と搬送とを制御する制御機能と、
を備える。
【0040】
さらに、以上の
図1と
図3とにおける制御部101は、
・第1判断でいずれかの用紙の排出が不能と判断された場合には、装置内に残留する各用紙の搬送を停止させるよう制御し、
・第1判断で各用紙の排出が可能と判断され、第2判断で再出力が不要と判断された場合には、装置内に残留する各用紙を排出口から排出するよう制御し、
・第1判断で各用紙の排出が可能と判断され、第2判断で再出力が必要と判断された場合には、画像形成システム内や画像形成装置内に残留する各用紙を排出口から完全に出してしまわないよう制御する、
機能を有する。
【0041】
なお、「画像形成システム内や画像形成装置内に残留する各用紙を排出口から完全に出してしまわないよう制御する」とは、排紙部の出口である排出口の部分から、用紙の一部を出すようにして排出動作を停止させ、用紙の残余の部分は画像形成システム内や画像形成装置内に残った状態にして、出かかった用紙が存在することを明らかにする搬送制御を意味している。以下、このような状態を本願明細書では「頭出し停止」と呼び、このような制御を本願明細書では「頭出し制御」と呼ぶことにする。
【0042】
また、異常が検出された際に、給紙装置50や画像形成装置100や用紙処理装置200内に残留している用紙を「残留紙」と呼ぶことにする。
また、「排出口」とは、画像形成装置100から排紙トレイ190mに用紙を排出する際の出口、用紙処理装置200から排紙トレイ290mや290sに用紙を排出する際の出口の部分を指している。
【0043】
〈全体動作〉
以下、
図5のフローチャートを参照して、
図1−
図4に示される画像形成装置についての全体動作について説明する。
【0044】
制御部101は、センサ107sA〜センサ107sG、または、センサ107sA〜センサ107sGと207sH〜207sKの検出結果を監視しており、何らかの異常が検出された場合には、用紙に形成された画像に関する異常であるか、用紙の搬送具合(搬送時の副走査方向の位置(片寄りの有無)や、搬送時の主走査方向通過タイミング(搬送遅れの有無)等)の異常であるかを識別する(
図5中のステップS101)。
【0045】
ここで、用紙搬送についての異常ではなく画像形成プロセス制御に関連する異常であれば(
図5中のステップS101でNO)、用紙による機械損傷、用紙の機械各部への巻き付き、高温部での用紙接触などの可能性があるため、以下の判断に先立って、画像形成装置内に残留している残留紙の画像形成と搬送とを速やかに停止させる(
図5中のステップS102)。
【0046】
一方、搬送に関連する異常であれば(
図5中のステップS101でYES)、制御部101は、センサ107sA〜センサ107sG、207sH〜207sKの検出結果から残留紙の位置を確認する(
図5中のステップS103)。
【0047】
そして、制御部101は、第1判断として、ジョブとして排出部190の指定されたトレイ(例えば、排紙トレイ190mや排紙トレイ290m)に残留紙を排出可能か(
図5中のステップS105)、第2判断として異常の内容と装置内に残留する各用紙の異常検出時の位置とに応じて新たな用紙に画像形成をして再出力することが必要か(
図5中のステップS107)、
図3-
図4のように複数の排出口を選択可能である場合に指定されていない別の排出口に排出可能か(
図5中のステップS109)、状況未判断で排出順が先頭の残留紙から順に全ての残留紙について順に判断する(
図5中のステップS104〜S111)。
【0048】
そして、制御部101は、全ての残留紙について順に以上の判断を行ったら(
図5中のステップS111でYES)、各残留用紙の画像形成と搬送とを、判断に基づいて、指定された排出部に残留紙を排出不能であれば搬送を停止し(
図5中のステップS105でNO、S106)、第1判断で排出可能であり第2判断として再出力不要であれば指定トレイに排出し(
図5中のステップS105でYES、S107でNO、S108)、第1判断で排出可能であり第2判断として再出力必要であり別のトレイに排出可能であれば別トレイに用紙を排出し(
図5中のステップS105でYES、S107でYES、S109でYES、S110)、するよう制御する(
図5中のステップS113)。
【0049】
また、制御部101は、先頭の残留紙について、順に以上の判断(
図5中のステップS105,S107,S109)を行って、第1判断で排出可能であり第2判断として再出力必要であり別のトレイに排出不能であれば指定トレイに頭出し停止(
図5中のステップS105でYES、S107でYES、S109でNO、S112)するよう制御する。
【0050】
なお、この
図5は残留紙についての異常処理のフローチャートであるため、ここには示されていないが、残留紙が全て除去された後には、通常のリカバリ処理として必要なページの画像から画像形成と搬送とを開始するよう制御部101が制御する。
【0051】
〈動作(1)〉
以下、
図5のフローチャートと、
図6の動作状態説明図とを参照して、実施形態の動作(1)について説明する。
【0052】
なお、各用紙については、用紙情報として用紙番号(ID)が付され、この用紙番号により制御部101は異常検出と画像形成と搬送の制御を行っている。
ここでは、
図6のように、ID=1〜4の4枚の用紙の片面画像形成について、ID=1の用紙は既にメイントレイ190mに排出され、ID=2の用紙は画像形成部150で画像形成された後に定着部156で定着中であり、ID=3の用紙は画像形成部150で画像形成される直前で搬送異常(例えば、搬送中片寄り異常)が発生したことがセンサ107sAで検出され、ID=4の用紙は既に給紙トレイ55bから給紙され始めている、状態のタイミングについて説明する。
【0053】
ここで、ID=1の用紙は既に排出されており残留紙でないため、制御部101は判断しない。
ID=2の用紙は、画像形成にも搬送にも異常がないため、制御部101は、排出可能、再出力不要と判断し、指定された排出部としての排紙トレイ190mに排出するよう制御する(
図5中のステップS105でYES、S107でNO、S108)。
【0054】
ID=3の用紙は、搬送異常であるため、制御部101は、所定位置への画像形成が保証できないため再出力必要、用紙の適正な搬送性を保証できないため用紙排出不能と判断し(
図5中のステップS105でNO)、搬送部110による用紙の搬送を停止するよう制御する(
図5中のステップS106)。
【0055】
このように、用紙に画像を形成する際において何らかの異常が検出されたときに、用紙の排出が可能で再出力が不要な場合には用紙を排出口から排出することで必要な頁が欠けることはなく、用紙の排出が不能な場合には用紙の搬送を停止させることで各部の損傷が増大することはない。
【0056】
そして、制御部101は、操作表示部103にID=3とID=4の残留紙を利用者が手動で除去するようメッセージを表示する。そして、これらID=3とID=4の残留紙が除去されたとセンサ107で確認できれば、ID=5以降の用紙を用いて、ID=3以降の用紙に形成すべきであった画像を形成するようにして処理を再開する。これにより、排紙トレイ190mには、ID=1,ID=2,ID=5,…の順に画像が形成された用紙が積載される。
【0057】
〈動作(2)〉
以下、
図5のフローチャートと、
図7の動作状態説明図とを参照して、実施形態の動作(2)について説明する。
【0058】
ここでは、
図7のように、ID=1〜4の4枚の用紙の片面画像形成について、ID=1の用紙は既にメイントレイ190mに排出され、ID=2の用紙は画像形成部150で画像形成された後に定着部156で定着中に画像異常(例えば、定着温度異常など)が検出され、ID=3の用紙は画像形成部150で画像形成される直前に位置しており、ID=4の用紙は既に給紙トレイ55bから給紙され始めている、状態のタイミングについて説明する。
【0059】
ここで、ID=1の用紙は既に排出されており残留紙でないため、制御部101は判断しない。
ID=2の用紙は、画像異常であるため、制御部101は速やかに停止させるよう制御する(
図5中のステップS101でNO、S102)。
【0060】
また、ID=2の用紙は、画像異常であるため排出可能かつ再出力必要であり(
図5中のステップS105でYES、S107でYES)、単一排出部の画像形成装置100であるため別トレイ排出不能であるため(
図5中のステップS109でNO)、制御部101は、当該用紙を排出部190で頭出し停止させるよう制御する(
図5中のステップS112)。この場合、制御部101は、搬送部110によりID=2の用紙を搬送して、排出口付近のセンサ107sCを通過して、例えば、用紙長の1/2程度に相当する搬送時間が経過した時点で搬送を停止させる(
図8「頭出し停止」参照)。
【0061】
なお、ID=3とID=4の用紙は、ID=2の用紙が頭出し停止であるため、排出不能と判断される。
ここで、制御部101は、操作表示部103に、ID=2の頭出し停止の用紙、ID=3とID=4の残留紙を、利用者が手動で除去するようメッセージを表示する。
【0062】
そして、これらID=2の頭出し停止の用紙、ID=3とID=4の残留紙が除去されたとセンサ107で確認できれば、ID=5以降の用紙を用いて、ID=2以降の用紙に形成すべきであった画像を形成するようにして処理を再開する。
【0063】
このようなID=2の用紙の頭出し停止により、定着部156の定着ローラに挟持されていたID=2の用紙の除去が容易になり、かつ、ID=2の用紙が排出部190上の正常な用紙に混在することもない。
【0064】
なお、この動作(2)のような頭出し停止を行わないとすると、ID=2の用紙が定着部156の定着ローラに挟持されていて除去が困難である。一方、頭出し停止を行わずに完全に排出部190上に排出してしまうと、正常な用紙に混在して区別が困難になる。
【0065】
すなわち、用紙に画像を形成する際において形成される画像あるいは用紙の搬送に何らかの異常が検出されたときに、用紙の排出が可能で再出力が必要な場合には用紙を排出口から完全に出してしまわないようすることで、当該用紙を別トレイに排出できない場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0066】
〈動作(3)〉
以下、
図5のフローチャートと、
図9の動作状態説明図とを参照して、実施形態の動作(3)について説明する。
【0067】
ここでは、
図9のように、ID=1〜4の4枚の用紙の両面画像形成について、ID=1の用紙は既にメイントレイ190mに排出され、ID=2の用紙は画像形成部150で第1面に画像形成された後に両面搬送部185で搬送中に搬送異常(例えば、所定タイミングでセンサ107sGに到達しない搬送遅れ)が発生したことが検出され、ID=3の用紙は画像形成部150で第1面に画像形成された後に両面搬送部185で搬送中であり、ID=4の用紙は第1面に画像形成された後に定着部156の定着ローラで挟持されている、状態のタイミングについて説明する。
【0068】
ここで、ID=1の用紙は既に排出されており残留紙でないため、制御部101は判断しない。
ID=2の用紙は、所定タイミングに所定位置に到達しない等の搬送異常であり、制御部101は、排出不能であると判断し(
図5中のステップS105でNO)、用紙の搬送を停止するよう制御する(
図5中のステップS106)。
【0069】
ID=3の用紙は、搬送路上で先行する位置のID=2の用紙が搬送不能である影響を受けるため、制御部101は、排出不能であると判断し(
図5中のステップS105でNO)、用紙の搬送を停止するよう制御する(
図5中のステップS106)。
【0070】
ID=4の用紙は、定着部156の定着ローラに挟持されており、排出口まで搬送路上に先行する用紙は残留していないため排出可能であるが(
図5中のステップS105でYES)、第2面の画像形成を終えていないため再出力必要であり(
図5中のステップS107でYES)、単一排出部の画像形成装置100であるため別トレイ排出不能であるため(
図5中のステップS109でNO)、制御部101は、当該用紙を排出部190で頭出し停止させるよう制御する(
図5中のステップS112)。この場合、制御部101は、搬送部110によりID=2の用紙を搬送して、排出口付近のセンサ107sCを通過して、例えば、用紙長の1/2に相当する搬送時間が経過した時点で搬送を停止させる(
図10「頭出し停止」参照)。
【0071】
ここで、制御部101は、操作表示部103に、ID=4の頭出し停止の用紙、ID=2とID=3の残留紙を、利用者が手動で除去するようメッセージを表示する。
そして、これらID=4の頭出し停止の用紙、ID=2とID=3の残留紙が除去されたとセンサ107で確認できれば、ID=5以降の用紙を用いて、ID=2以降の用紙に形成すべきであった画像を形成するようにして処理を再開する。
【0072】
このようなID=4の用紙の頭出し停止により、定着部156の定着ローラに挟持されていたID=4の用紙の除去が容易になり、かつ、ID=4の用紙が排出部190上の正常な用紙に混在することもない。
【0073】
なお、この動作(3)のような頭出し停止を行わないとすると、ID=4の用紙が定着部156の定着ローラに挟持されていて除去が困難である。
一方、頭出し停止を行わずに完全に排出部190上に排出してしまうと、ID=1(両面画像形成),ID=4(片面のみ画像形成),ID=5(両面画像形成),…の順に積載され、正常用紙と非正常用紙が混在して区別が困難になる。
【0074】
すなわち、用紙に画像を形成する際において形成される画像あるいは用紙の搬送に何らかの異常が検出されたときに、用紙の排出が可能で再出力が必要な場合には用紙を排出口から完全に出してしまわないようすることで、当該用紙を別トレイに排出できない場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0075】
〈動作(4)〉
以下、
図5のフローチャートと、
図11の動作状態説明図とを参照して、実施形態の動作(4)について説明する。
【0076】
ここでは、
図11のように、ID=1〜4の4枚の用紙の両面画像形成について、ID=1の用紙は既にメイントレイ190mに排出され、ID=2の用紙は画像形成部150で第1面に画像形成された後に両面搬送部185で搬送中であり、ID=3の用紙は画像形成部150で第1面に画像形成された後に両面搬送部185で搬送中であり、ID=4の用紙は第1面に画像形成された後に定着部156で定着中に画像異常(例えば、定着温度異常など)が検出されいる、状態のタイミングについて説明する。
【0077】
ここで、ID=1の用紙は既に排出されており残留紙でないため、制御部101は判断しない。
ID=2の用紙は、搬送路上で先行する位置のID=4の用紙が搬送不能である影響を受けるため、制御部101は、排出不能であると判断し(
図5中のステップS105でNO)、用紙の搬送を停止するよう制御する(
図5中のステップS106)。
【0078】
ID=3の用紙は、搬送路上で先行する位置のID=2の用紙が搬送不能である影響を受けるため、制御部101は、排出不能であると判断し(
図5中のステップS105でNO)、用紙の搬送を停止するよう制御する(
図5中のステップS106)。
【0079】
ID=4の用紙は、画像異常であるため、制御部101は速やかに停止させるよう制御する(
図5中のステップS101でNO、S102)。
また、ID=4の用紙は、定着部156の定着ローラに挟持されており、排出口まで搬送路上に先行する用紙は残留しておらず、搬送異常ではなく画像異常であるため排出可能であるが(
図5中のステップS105でYES)、第2面の画像形成を終えていないため再出力必要であり(
図5中のステップS107でYES)、単一排出部の画像形成装置100であるため別トレイ排出不能であるため(
図5中のステップS109でNO)、制御部101は、当該用紙を排出部190で頭出し停止させるよう制御する(
図5中のステップS112)。
【0080】
この場合、制御部101は、搬送部110によりID=2の用紙を搬送して、排出口付近のセンサ107sCを通過して、例えば、用紙長の1/2に相当する搬送時間が経過した時点で搬送を停止させる(
図12「頭出し停止」参照)。
【0081】
ここで、制御部101は、操作表示部103に、ID=4の頭出し停止の用紙、ID=2とID=3の残留紙を、利用者が手動で除去するようメッセージを表示する。
そして、これらID=4の頭出し停止の用紙、ID=2とID=3の残留紙が除去されたとセンサ107で確認できれば、ID=5以降の用紙を用いて、ID=2以降の用紙に形成すべきであった画像を形成するようにして処理を再開する。
【0082】
このようなID=4の用紙の頭出し停止により、定着部156の定着ローラに挟持されていたID=4の用紙の除去が容易になり、かつ、ID=4の用紙が排出部190上の正常な用紙に混在することもない。
【0083】
なお、この動作(4)のような頭出し停止を行わないとすると、ID=4の用紙が定着部156の定着ローラに挟持されていて除去が困難である。
一方、頭出し停止を行わずに完全に排出部190上に排出してしまうと、ID=1(両面画像形成),ID=4(片面のみ画像形成),ID=5(両面画像形成),…の順に積載され、正常用紙と非正常用紙が混在して区別が困難になる。
【0084】
すなわち、用紙に画像を形成する際において形成される画像あるいは用紙の搬送に何らかの異常が検出されたときに、用紙の排出が可能で再出力が必要な場合には用紙を排出口から完全に出してしまわないようすることで、当該用紙を別トレイに排出できない場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0085】
なお、動作(4)の変形例として、ID=4の用紙の第1面では画像異常が発生せずに、ID=4の用紙の第2面に画像が形成されて、定着部156の定着ローラに挟持された状態で、ID=4の用紙以外の部分で何らかの異常が発生した場合を考える。なお、この想定では、ID=2の用紙とID=3の用紙は既に排出されていることになる。
【0086】
この場合、画像異常が検出されて画像形成動作一旦停止するため、ID=4の用紙の両面に画像が形成されていたとしても、定着部156での停止により、適切な定着が行えていないことになる。
【0087】
よって、ID=4の用紙は、排出口まで搬送路上に先行する用紙は残留しておらず、搬送異常ではなく画像異常であるため排出可能であるが(
図5中のステップS105でYES)、定着が適切でないため再出力必要であり(
図5中のステップS107でYES)、単一排出部の画像形成装置100であるため別トレイ排出不能であるため(
図5中のステップS109でNO)、制御部101は、当該用紙を排出部190で頭出し停止させるよう制御する(
図5中のステップS112)。
【0088】
この場合も、用紙に画像を形成する際において形成される画像あるいは用紙の搬送に何らかの異常が検出されたときに、用紙の排出が可能で再出力が必要な場合には用紙を排出口から完全に出してしまわないようすることで、当該用紙を別トレイに排出できない場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0089】
〈動作(5)〉
以下、
図5のフローチャートと、
図13の動作状態説明図とを参照して、実施形態の動作(5)について説明する。
【0090】
ここでは、
図13のように、画像形成装置100に用紙処理装置200が接続された画像形成システムにおいて、メインの排紙トレイ290mとサブの排紙トレイ290sとに排紙が可能な状態であり、ID=1〜4の4枚の用紙の片面画像形成について、ID=1の用紙は画像形成部150で画像形成された後に用紙処理装置200を搬送中であり、ID=2の用紙は画像形成部150で画像形成された後に定着部156で定着中に画像異常(例えば、定着温度異常など)が検出され、ID=3の用紙は画像形成部150で画像形成される直前に位置しており、ID=4の用紙は既に給紙トレイ55bから給紙され始めている、状態のタイミングについて説明する。
【0091】
ここで、ID=1の用紙は画像形成が完了しており、画像形成にも搬送にも異常がないため、制御部101は、排出可能、再出力不要と判断し、指定された排出部としての排紙トレイ290mに排出するよう制御する(
図5中のステップS105でYES、S107でNO、S108)。
【0092】
ID=2の用紙は、画像異常であるため、制御部101は速やかに停止させるよう制御する(
図5中のステップS101でNO、S102)。
また、ID=2の用紙は、画像異常であるため排出可能かつ再出力必要であり(
図5中のステップS105でYES、S107でYES)、別トレイ排出可能であるため(
図5中のステップS109でYES)、制御部101は、当該用紙を別トレイである排紙トレイ290sに排出するよう制御する(
図5中のステップS110)(
図14「サブトレイ排出」参照)。
【0093】
なお、ID=3とID=4の用紙は、判断の時点ではID=2の用紙が存在するため排出不能であると、制御部101は判断し(
図5中のステップS105でNO)、用紙の搬送を停止するよう制御する(
図5中のステップS106)。この場合は、制御部101は、操作表示部103に、ID=3とID=4の残留紙を、利用者が手動で除去するようメッセージを表示する。
【0094】
また、ID=3とID=4の用紙の別な制御として、ID=2の用紙がサブトレイに排出されれば排出可能になり(
図5中のステップS105でYES)、画像形成前であるため再出力必要であり(
図5中のステップS107でYES)、別トレイ排出可能(
図5中のステップS109でYES)と制御部101が判断し、当該用紙を別トレイである排紙トレイ290sに排出するよう制御しても良い(
図5中のステップS110)。
【0095】
そして、ID=2の用紙がサブトレイに排出されてID=3とID=4の残留紙が除去されたとセンサ107で確認されるか、あるいは、ID=2の用紙〜ID=4の用紙がサブトレイに排出されたとセンサ107で確認されれば、ID=5以降の用紙を用いて、ID=2以降の用紙に形成すべきであった画像を形成するようにして処理を再開する。
【0096】
このようなID=2の用紙の別トレイ排出により、定着部156の定着ローラに挟持されていたID=2の用紙の除去が容易になり、かつ、ID=2の用紙が排出部190上の正常な用紙に混在することもない。
【0097】
なお、この動作(5)のような別トレイ排出を行わないとすると、ID=2の用紙が定着部156の定着ローラに挟持されていて除去が困難である。一方、別トレイ排出を行わずに指定トレイ上に排出してしまうと、正常な用紙に混在して区別が困難になる。
【0098】
すなわち、用紙に画像を形成する際において形成される画像あるいは用紙の搬送に何らかの異常が検出されたときに、用紙を排出する際に複数の排出口を選択可能である場合に、用紙の排出が可能で再出力が必要な場合には、画像形成された用紙について指定されていない排出口に排出するように制御することで、
装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0099】
〈動作(6)〉
以下、
図5のフローチャートと、
図15の動作状態説明図とを参照して、実施形態の動作(6)について説明する。
【0100】
ここでは、
図15のように、画像形成装置100に用紙処理装置200が接続された画像形成システムにおいて、メインの排紙トレイ290mとサブの排紙トレイ290sとに排紙が可能な状態であり、ID=1〜2の2枚の用紙の画像形成(ジョブ#1)については排紙トレイ290mを指定して排紙完了しており、ID=3〜6の4枚の用紙の画像形成(ジョブ#2)については排紙トレイ290sを指定して、ID=3の用紙は画像形成部150で画像形成された後に用紙処理装置200で処理されて排紙トレイ290sに排紙され、ID=4の用紙は画像形成部150で画像形成された後に定着部156で定着中に画像異常(例えば、定着温度異常など)が検出され、ID=5の用紙は画像形成部150で画像形成される直前に位置しており、ID=6の用紙は既に給紙トレイ55bから給紙され始めている、状態のタイミングについて説明する。
【0101】
ここで、ID=3の用紙は既に排出されており残留紙でないため、制御部101は判断しない。
ID=4の用紙は、画像異常であるため、制御部101は速やかに停止させるよう制御する(
図5中のステップS101でNO、S102)。
【0102】
また、ID=4の用紙は、排出口まで搬送路上に先行する用紙は残留しておらず、画像異常であるため排出可能かつ再出力必要であり(
図5中のステップS105でYES、S107でYES)、別トレイとしての排紙トレイ290mはジョブ#1で使用中のため排出不能であるため(
図5中のステップS109でNO)、制御部101は、当該用紙を指定された排紙トレイ290sの排出口で頭出し停止させるよう制御する(
図5中のステップS112)。
【0103】
この場合、制御部101は、搬送部110によりID=4の用紙を搬送して、排出口付近のセンサ107sCを通過して、例えば、用紙長の1/2に相当する搬送時間が経過した時点で搬送を停止させる(
図16「サブトレイに頭出し停止」参照)。
【0104】
ここで、制御部101は、操作表示部103に、ID=4の頭出し停止の用紙、ID=5とID=6の残留紙を、利用者が手動で除去するようメッセージを表示する。
そして、これらID=4の頭出し停止の用紙、ID=5とID=6の残留紙が除去されたとセンサ107で確認できれば、ID=7以降の用紙を用いて、ID=4以降の用紙に形成すべきであった画像を形成するようにして処理を再開する。
【0105】
これにより、排紙トレイ290sには、ID=3,ID=7,…の順に画像が形成された用紙が積載される。
このようなID=4の用紙の頭出し停止により、定着部156の定着ローラに挟持されていたID=4の用紙の除去が容易になり、かつ、ID=4の用紙が排紙トレイ290s上の正常な用紙に混在することもない。
【0106】
なお、この動作(6)のような頭出し停止を行わないとすると、ID=4の用紙が定着部156の定着ローラに挟持されていて除去が困難である。
一方、頭出し停止を行わずに完全に排紙トレイ290s上に排出してしまうと、正常用紙と非正常用紙が混在して区別が困難になる。また、排紙トレイ290m上に排出してしまうと、別ジョブの正常用紙と非正常用紙が混在して区別が困難になる。
【0107】
すなわち、用紙に画像を形成する際において形成される画像あるいは用紙の搬送に何らかの異常が検出されたときに、用紙の排出が可能で再出力が必要な場合には用紙を排出口から完全に出してしまわないようすることで、当該用紙を別トレイに排出できない場合でも、装置内部の除去困難な位置に残留紙が留まることを防止すると共に、残留紙と後続紙との混在によるページ重複を防止できる。
【0108】
〔他の実施形態〕
以上の説明では、画像形成装置100としては単一の排紙トレイ190m、画像形成システムとしては2つの排紙トレイ290mと290sとの具体例を示したが、これに限定されることなく、上述した実施形態を応用して各種の変形が可能である。
【0109】
なお、以上の実施形態において、画像形成装置や画像形成システムの構成は一例であり、2以上の画像形成装置、2以上の用紙処理装置などを有するような構成であっても、以上の処理を応用することで対処可能である。
【0110】
また、画像形成装置100と用紙処理装置200とに排出部を備える構成や、複数の用紙処理装置それぞれに排出部を備える構成であっても、上述した実施形態を適用することが可能である。