(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5825462
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】巻雑巾
(51)【国際特許分類】
A47L 13/20 20060101AFI20151112BHJP
A47L 13/16 20060101ALI20151112BHJP
A47L 13/24 20060101ALI20151112BHJP
A47L 13/256 20060101ALI20151112BHJP
【FI】
A47L13/20 B
A47L13/16 A
A47L13/24 A
A47L13/256
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2009-270732(P2009-270732)
(22)【出願日】2009年11月6日
(65)【公開番号】特開2011-98180(P2011-98180A)
(43)【公開日】2011年5月19日
【審査請求日】2012年10月25日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】503111827
【氏名又は名称】蜂須賀 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】蜂須賀 敏夫
【審査官】
栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−075923(JP,A)
【文献】
特開平10−216063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/20
A47L 13/16
A47L 13/24
A47L 13/256
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
まず払拭シート部(1)の端、ないしはコアーホールド手段[コアーカバー(9図、10図、の1S]、と共に一方を出側コアー(2)に装着し、圧縮しながら巻付けることで、フィット太さに巻いた巻払拭シート(参考図、2図)を形成し、続いて他端を並設する巻側コアー(3)迄通して装着する(3図)ことで、当該コアーの低反発性により広く柔軟な払拭面を確保し、かつ払拭で汚れた後は、巻側コアー(3)の圧縮操作と共に、出側コアー(2)の低反発性の形状回復性、ないしは芯体(7図の2A)を備えその一部にある液体注入孔(2B)や多孔質孔への水の注入操作で形状回復性を担保することで、両コアーの太さの均衡と広く柔軟な払拭面を確保し、かつ主に略正四角形的コアーの角度に従う回転操作により新払拭面切替えと、ごみを巻込む払拭手段において(4図、5図)、これら巻側コアー(3)に至るまでの、出側コアー(2)と共に払拭シート(1)を圧縮巻して、ないしは圧縮巻を見込み、一体的形成体とすることを特徴とする片手でつかめる巻雑巾。
【請求項2】
請求項1記載の巻雑巾で使用される払拭シート(1)であって、まず払拭シート部(1)の端、ないしはコアーホールド手段[コアーカバー(9図、10図、の1S)]、と共に一方を出側コアー(2)に装着し、圧縮しながら巻付けることで、フィット太さに巻いた巻払拭シート(参考図、2図)を形成し、続いて他端を並設する巻側コアー(3)迄通して装着する(3図)ことで、当該コアーの低反発性により広く柔軟な払拭面を確保し、かつ払拭で汚れた後は、巻側コアー(3)の圧縮操作と共に、出側コアー(2)の低反発性の形状回復性、ないしは芯体(7図の2A)を備えその一部にある液体注入孔(2B)や多孔質孔への水の注入操作で形状回復性を担保することで、両コアーの太さの均衡と広く柔軟な払拭面を確保し、かつ主に略正四角形的コアーの角度に従う回転操作により新払拭面切替えと、ごみを巻込む払拭手段において(4図、5図)、これら巻側コアー(3)に至るまでの、出側コアー(2)と共に払拭シート(1)を圧縮巻して、ないしは圧縮巻を見込み、一体的形成体とすることを特徴とする片手でつかめる巻雑巾で使用される払拭シート(1)。
【請求項3】
請求項1記載の巻雑巾と一体的に使用する出側コアーであって、まず払拭シート部(1)の端、ないしはコアーホールド手段[コアーカバー(9図、10図、の1S)]、と共に一方を出側コアー(2)に装着し、圧縮しながら巻付けることで、フィット太さに巻いた巻払拭シート(参考図、2図)を形成し、続いて他端を並設する巻側コアー(3)迄通して装着する(3図)ことで、当該コアーの低反発性により広く柔軟な払拭面を確保し、かつ払拭で汚れた後は、巻側コアー(3)の圧縮操作と共に、出側コアー(2)の低反発性の形状回復性、ないしは芯体(7図の2A)を備えその一部にある液体注入孔(2B)や多孔質孔への水の注入操作で形状回復性を担保することで、両コアーの太さの均衡と広く柔軟な払拭面を確保し、かつ主に略正四角形的コアーの角度に従う回転操作により新払拭面切替えと、ごみを巻込む払拭手段において(4図、5図)、これら巻側コアー(3)に至るまでの、出側コアー(2)と共に払拭シート(1)を圧縮巻して、ないしは圧縮巻を見込み、一体的形成体とすることを特徴とする片手でつかめる巻雑巾と一体的に使用する出側コアーが、さらに低反発性を有し、かつコアーカバー(8図のK,10図の1S、13図の1S)、ないしは4本以上の骨(8図)、芯体(2A)、の何れかを備えたことを特徴とする出側コアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長い払拭シートを2つの低反発性コアーを圧縮巻し、双方の太さ均衡を図り片手で掴める手軽さと、新両面の切替、や事前のアルコール含侵ができる巻雑巾に関す。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレットペーパーなどの使い捨て2ロール式で両面を同時に払拭面に用いるものはあったが、接触面積や幅が狭く一般の払拭には使用できないものだった。
【0003】
また、同様な両面使用タイプで、柄構造の有る2軸の軸間が固定式では、送るたびに軸差替えの手間を要すことや固定軸が回転しないで布同士が緩みやすい構造のため、挟んだ塵の飛散、や左右の太さや重さの差が甚大となり操作の難しい構造をしていた。
【0004】
さらに、事前のアルコール含侵は、構造的に布同士の隙間から蒸発し不可能であった。
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開平10−075923
【特許文献2】 特開平11−76123
【特許文献3】 特開2002−282184
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】 前田幸子著「最新ラクラクおそうじ図鑑」徳間書店発行1994、3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
また前述のように、従来の長い払拭シートを用いる2コアー式では、重く、軽快な作業性が必要な所に不向きであり、用途先が限られ、かつ片手で使用できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コアーの圧縮巻と、軽量タイプの低反発発泡性ウレタンに水の利用を含めた形状回復性を担保することで、2コアーの太さ均衡で片手持ちを可能とすることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、片手で直接つかんで払拭できる、普通の雑巾に準じる軽快性がある。
【0011】
低反発性の形状回復性により雑巾面を広げて被払拭面との接触広さを得、また低反発性がソフトな接圧になり能率的な掃除ができる。
【0012】
反転時のごみ巻込みと再接触防止を確実にして、塵の飛散が少ない利点がある。
【0013】
アルコールなどを含浸するときは、圧縮巻きで払拭の直前まで空気に触れにくいので蒸発が少なく、はじめと終わりの作用効果の差を少なくできる利点がある。
【0014】
レストラン他、客前での噴霧作業の不要、や均一塗布を事前にできる利点もある。
【0015】
従来のように常時アルコールを手に持つ必要ない利点もある。
【0016】
毛足のある約2.2M〜3.5M長さでも無理なき太さにでき、掴め、交換する手間が省け、もちろん両面も無駄なく使用できる利点がある。
【0017】
安価な材料、単純構造で繰り返し使えて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】 巻雑巾の使用状態の説明図である。(実施例1)
【
図3】 巻雑巾の初めの使用方法を示した説明図である。(実施例3)
【
図4】 中間期の使用方法を示した説明図である(実施例4)
【
図5】 巻雑巾の残部の説明図である。(実施例5)
【
図6】 出側、巻側コアーの1例の説明図である(実施例6)
【
図7】 出側、巻側コアーの芯体部の1例の説明図である。(実施例7)
【
図8】 出側、巻側コアー正面の説明図である。(実施例8)
【
図11】 巻雑巾の払拭部の説明図である。(実施例11)
【
図12】 巻雑巾の払拭部の説明図である。(実施例12)
【
図13】 出側、巻側コアーの固定式コアーカバー例図。(実施例15)
【発明を実施するための形態】
【0019】
二つの軽量タイプな低反発性のあるコアーと、圧縮しても皺にならない、材質の種類によらず払拭に適す払拭シートを出側コアーに圧縮巻きし、次に巻側のコアーまで通して、下に柔軟で広い接触面積を確保し、次に固有の形状回復性か給水操作による回復機能を介し左右太さの均衡を図り、片手で直接つかむ簡便な操作性と、塵の飛散防止、アルコールなどの有効使用、汚れた面への再接触の少なさや、交換頻度の少ない巻雑巾で提供す。
【実施例1】
【0020】
図1は、出側コアー(2)と、これに圧縮巻形成した巻雑巾と、巻側コアー(3)を含む巻雑巾の全体図で、コアーの低反発性の柔軟性と最小の張力操作により払拭底面の広がりや、指先を指窪(1P)に合わせて深く沈めることで、太くてもつかみやすい。又、親指と小指で掴み、人差し指、中指、薬指で上部に添えてもよい。(図省略)
【実施例2】
【0021】
図2は、出側コアーに圧縮しフィット太さに巻いたこのコアーを含む巻雑巾の略図で、(但し、「請求項1」記載の圧縮巻見込む場合はこのコアー無い)始めは緩く、2割から3割巻いてから圧縮を開始して形成、尚フィット太さとは手の大きさによらず掴み安い太さの意、又下図は、コアーホールド手段の一例で、任意なコアー外周長にフィットするループの略図を示す、ループ周長はコアー外周長より短めがグリップ力確保に適す。
【実施例3】
【0022】
図3は、フィット太さの外部一端から略S字パスラインを経て巻きコアー(3)に巻き始めた図で、張力は少ないほうが被払拭面との接触面積を広く確保できる。
【実施例4】
【0023】
図4は、左右とも太さ、硬さが等しい中間段階図で、さらに芯体(2A)に連結ひもで結べば2コアー密着性がよくなる。
【実施例5】
【0024】
図5は、(2)の様に残シートが減少したときの太さの回復機能を示し、しかし圧縮のまま7日〜1ヶ月間放置後では復元時間が約数分こえて費やすことがあることは一般に知られている、又低反発発泡ウレタンのなかでもより軽量形が要求されるが、高密度タイプ(例、40kg/m
3)の低反発ウレタンでは形状回復性は高いが密度に比例して重量が増す。しかし軽量低密度な発泡孔径大タイプの素材(30〜35kg/m
3)では後半時の形状回復力が劣る、そこで
図7に示す芯体(2A)に約25ccの水を注ぐことで中央小穴からの水の浸透により張力に抗する反復力が生じて約10秒から30秒で形状回復が可能となる、したがって左右の太さと硬さの均衡が向上し掴み易さが保持できる。
【実施例6】
【0025】
図6は、歪み防止手段付コアー図の1例を示し、上記軽いタイプの低反発発泡性ウレタンがより優れ、この内部に外周付近に少なくとも4本以上の骨(3)(竹が高弾性係数、安価で適す)を備えて、掴むとき片側が親指一本であっても幅方向に押さえる力が伝わる作用がある。
【実施例7】
【0026】
図7は、軽いコアーの使用を狙うコアー中心部の断面図で、(2A)は芯体で、材質は軽量、かつ耐水性のある紙管や多孔質管が適す、また(2B)は主に水の侵入孔で、巻雑巾へのアルコールなどの補給孔にもコアーの外まで細孔を貫通させることで利用できる。また中心部には芯体(管)と中央に侵入孔を有し端から注いで浸透した水が発泡状組織に拡散し形状回復作用を起す、(その際片側は手指やゴム栓などでふさぐ、尚この(2B)孔は多孔質管の孔として解釈し、中央部を限定利用もできる、又狭い幅では無空な芯体もある。
【実施例8】
【0027】
図8は、出側コアー(2)、巻側コアー(3)正面の略正多角形状の主例の簡略説明図である、角の張りと上記形状回復機能が雑巾を広げて、初期から広い接触面が得られる、JはコーナーをRにし、Kは歪み防止手段付コアーで骨(4)をコアーカバー(参考
図13)に取付けた図である、又狭幅タイプでは、払拭シートの捩れが少ないので骨が不要にでき、丸コアーもある(図は省略)。
【実施例9】
【0028】
図9は、コアーホールド手段の形態において、コアーカバー(1S)が筒状カバーの形をしており襞(1T)を備え、これと払拭シート部(1)、ないしは襞(1M)の両端を縫うか、圧着等の恒久的結合法(1N)を介し一体的に形成した巻雑巾、またはコアーカバー(1S)に接触し直接縫う手法もある、(尚当該(1S)の素材はよりソフトで高い伸縮性があるものが適す)、又この払拭シート部には襞(1M)無しタイプもある、端面には帯ゴムや紐(1R)を備えることでコアーの出し入れをおこなう、尚本図ではコアーは含めていないが巻雑巾と呼ぶ。
【実施例10】
【0029】
図10は、コアーホールド手段の形態において、前記結合法(1N)が脱着式結合した巻雑巾の例図で、(1図)は個性的ホックや紐等の部品や孔の配置がコアーカバー(1S)と払拭シート部(1)が対応した特異的専用的配置になっている(表裏関係一定化、
図11のa参)、(2図)はこのコアーカバーを接触により利用して払拭シート部(1)に繊維以外の異質素材を利用する例、ホック類(1N)、や接着テープを備えた1例である、尚襞(1M)に付けてもよい、本図もコアーを含まないで巻雑巾と呼ぶ。
【実施例11】
【0030】
図11の(A図)は、毛足がある払拭シート部の場合の一例で、中央付近の長さ方向に沿って切り欠き孔(ハッチング部)や、突起を減らして厚みを薄くした指窪(1P)(ハッチング無し部)で、既述のように任意の圧縮度合いと、略正多角形のピッチ及び指間、これらに合わせた回転ピッチに配置し(例えばX1とX2値は、80mm角コアーの場合には80mm前後の任意値)、指先が深く入ることで、太い巻雑巾でもつかみ易くしてある、(ボーリングの玉が好例)、拡大図の左下部は親指に対応する、(B図)は線幅約15mm以上の線状指窪(1Q)で線部は中指、親指に、(1U)は薬指に対応する。
【実施例12】
【0031】
図12は、毛足がある払拭シート部について、線状指窪に加えて図柄、線、文字等(C)、や突起の無い狭い線(D)で前項同様のピッチ(X1,X2,XN)でパターンを設けることで、再現性ある圧縮操作を容易にする。
【実施例13】
【0032】
コアーホールド手段の形態において、コアーカバー(1S)の形状は、柔軟な伸縮繊維を主にコアーへの装着容易性と皺や美観の減少等の防止のために、角部に縫い目、折り目を付けることでコアー装着時における形状であり、適す。
【実施例14】
【0033】
コアーホールド手段の形態において、このコアーカバー(1S)は、耐久性には劣るが極薄素材(例、類似ストッキング、メッシュ他)を採用し袋形状)もある。
【実施例15】
【0034】
「請求項1」記載のコアー外周長にフィットするループ状(
図2の下部)の簡易な実施例もある、(1例、四角80mmコアーでは周長9割で約290mmに相当)。
【実施例16】
【0035】
図13は、この場合に、コアーに同様な素材で固定式のコアーカバーを備えた図で、磨耗や美観にプラスとなり、2重になるが柔軟性に影響しない。
【実施例17】
【0036】
しかし、コアーホールド手段の形態で、襞(1M)は、26cm〜30cm長さにしてコアーに1巻する摩擦利用のみでコアーと一体化する使い方もあるが、巻前後に緩み、ずれ、や突起物巻き込み等のマイナスを伴う実施例もある。
【実施例18】
【0037】
また、本案払拭シートには、薄物では襞部を無くしてコアーに巻き込み、数メートル以上の実施例もある。
【実施例19】
【0038】
布製の払拭シートには、両面に毛足や、糸太さ、落ちわたの蚊帳縫、縫製によるウエーブ状の凹凸(例、ワッフル)、不織布、柔軟な紙等が想定できる。
【0039】
長テーブル、じゅうたん製の長いす、じゅうたん床、畳、壁に、(凹凸が少ない平らな広い面に適し、角や隙間にも適す汎用雑巾との併用がよい)、また広いガラス(窓、ドアー、陳列ガラス)、等の手垢や汚れを残さない透明性が必要な所や、袖、低置のソーラーパネル、テーブルのアルコール消毒。
【符号の説明】
【0040】
1 払拭シート部
2 出側コアー 2A 芯体 2B 侵入孔
3 巻側コアー
4 骨
1M 襞(払拭部側)
1N 結合法
1T 襞(コアー側)
1S コアーカバー
1P 指窪
1Q 線状指窪
1U 薬指窪
1R 帯ゴム、紐
H,Jは、正面が略正多角形で、内部に骨を備えるコアーの図。
Kは、骨をコアーカバーに装備したコアーの図。