【実施例】
【0077】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0078】
分岐型ヘテロポリエチレングリコールまたはその中間体を含むポリエチレングリコール化合物の分子量、並びに分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による分析によって決定した。本発明においては、GPCシステムとしてSHODEX GPC SYSTEM-11、検出器である示唆屈折計としてSHODEX
RIX8、GPCカラムとしてはSHODEX KF801L、KF803L、KF804L(φ8mm×300mm)を3本直列に繋ぎ、カラムオーブンの温度を40℃とし、溶離液としてはテトラヒドロフランを用い、流速は1ml/分とし、試料の濃度は0.1質量%とし、抽入容量は0.1mlとして測定を行った。検量線は関東化学(株)製のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ならびにPolymer Laboratory製の分子量600〜70000のポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキシドのGPC用Polymer Standardsを用いて作成したものを用いた。データの解析はBORWIN GPC計算プログラムを使用した。Mnは数平均分子量、Mwは重量平均分子量、Mpはピークトップ分子量を表す。分子量分布はMw/Mnとしてその計算値を示した。
【0079】
1H-NMR分析では、日本電子データム(株)製JNM-ECP400、またはJNM-ECA600を用いた。重溶媒としてはCDCl3を用い、φ5mmチューブを用い、内部標準物質としてTMSを用いて測定を行なった。
【0080】
(実施例1)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機を装備した300ml4つ口フラスコへ3−ベンジルオキシー1,2−プロパンジオール18.2g(0.1mol)、脱水トルエン150g、金属ナトリウム0.9g(39mmol:26mol%)を加え、窒素を吹き込みながら金属ナトリウムが溶解するまで室温で攪拌した。この溶液を5Lオートクレーブへ仕込み、系内を窒素置換後、100℃に昇温し、100〜130℃、1MPa以下の圧力でエチレンオキシド1,982g(45mol)を加えた後、更に2時間反応を続けた。減圧にて未反応のエチレンオキシドガスを除去後、60℃に冷却して85%リン酸水溶液にてpHを7.5に調整し、下記化合物(a1)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
3.40-3.90(1785H、m、HO(
CH2CH2O)
n-
CH2、HO(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2O-CH
2Ph)、 4.54(2H、s、-
CH2Ph)、 7.27-7.38(5H、m、-CH
2Ph)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,654、重量平均分子量(Mw):20,285、多分散度(Mw/Mn):1.032
【0081】
【化21】
【0082】
(実施例2)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、Dean-stark管、及び冷却管を付した3L4つ口フラスコへ上記化合物(a1)を372g(18.6mmol)、トルエン1,860gを仕込み、加熱還流させ、水分を共沸除去した。室温へ冷却後、トリエチルアミン6.02g(59.5mmol)、メタンスルホン酸クロリド5.54g(48.4mmol)を加え、40℃にて3時間反応させた。続いて、ナトリウムを2.58g(112mmol)溶解させた3,3-ジエトキシ-1-プロパノール85.6g(465mmol)のトルエン(256.8g)溶液を加え、70℃で5時間反応させた。反応液をろ過後、濾液を10Lステンレスポットへ移し、酢酸エチル1,488g、エタノール1,488g、ヘキサン2,976gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過して溶剤を除去した後、結晶を10Lステンレスポットへ移し、酢酸エチル1,488g、エタノール1,488gを加えて40℃にて加温溶解後、20℃に冷却してヘキサン2,976gを加えて晶析を行った。以後同様の晶析を3回繰り返し、ヘキサンで洗浄した後、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a2)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
1.16-1.24(12H、t、(
CH3CH
2O)
2-CHCH
2CH
2-)、 1.85-1.95(4H、q、(CH
3CH
2O)
2-CH
CH2CH
2-)、3.40-3.90 (1725H、m, -(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2O-CH
2Ph、(CH
3CH2O)
2-CHCH
2CH2-)、 4.54(2H、s、-
CH2Ph)、 4.60-4.68(2H、t、(CH
3CH
2O)
2-
CHCH
2CH
2-)、 7.27-7.38(5H、m、-CH
2Ph)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,190、重量平均分子量(Mw):19,496、多分散度(Mw/Mn):1.016
【0083】
【化22】
【0084】
(実施例3)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、及び冷却管を付した1L4つ口フラスコへ上記化合物(a2)を50g、5%パラジウムカーボン(50%含水品)25gを仕込み、窒素置換後、メタノール400g、シクロヘキセン67gを加えて昇温し、52〜55℃で緩やかに還流させ、2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、パラジウムカーボンを濾別し、濾液を濃縮した。濃縮液にトルエン400g、ヘキサン200gを加えて晶析した。得られた結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a3)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
1.16-1.24(12H、t、(
CH3CH
2O)
2-CHCH
2CH
2-)、 1.85-1.95(4H、q、(CH
3CH
2O)
2-CH
CH2CH
2-)、3.40-3.90 (1673H、m, -(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2OH、(CH
3CH2O)
2-CHCH
2CH2-)、 4.60-4.68(2H、t、(CH
3CH
2O)
2-
CHCH
2CH
2-)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):18,573、重量平均分子量(Mw):19,123、多分散度(Mw/Mn):1.030
【0085】
【化23】
【0086】
(実施例4)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、Dean-stark管、及び冷却管を付した200mL3つ口フラスコへ上記化合物(a3)を13.1g(0.66mmol)、トルエン79gを仕込み、加熱還流させ、水分を共沸除去した。室温へ冷却後、トリエチルアミン0.33g(3.3mmol)、メタンスルホン酸クロリド0.30g(2.6mmol)を加え、40℃にて3時間反応させた。反応液をろ過後、濾液を300mLビーカーへ移し、酢酸エチル100g、ヘキサン50gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過して溶剤を除去した後、結晶を10Lステンレスポットへ移し、酢酸エチル1,488g、エタノール1,488gを加えて40℃にて加温溶解後、20℃に冷却してヘキサン2,976gを加えて晶析を行った。以後同様の晶析を3回繰り返し、ヘキサンで洗浄した後、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a4)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
1.16-1.24(12H、t、(
CH3CH
2O)
2-CHCH
2CH
2-)、1.85-1.95(4H、q、(CH
3CH
2O)
2-CH
CH2CH
2-)、3.08(3H、s、-OSO
2CH3)、 3.40-3.90 (1732H、m, -(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2OH、(CH
3CH2O)
2-CHCH
2CH2-)、 4.24-4.44(2H, m, -
CH2O-OSO
2CH
3
)、 4.60-4.68(2H、t、(CH
3CH
2O)
2-
CHCH
2CH
2-)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,274、重量平均分子量(Mw):20,046、多分散度(Mw/Mn):1.040
【0087】
【化24】
【0088】
(実施例5)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、Dean-stark管、及び冷却管を付した100mL3つ口フラスコへ上記化合物(a4)を10.0g(0.50mmol)、アンモニア水80g、イオン交換水20gを仕込み、55℃にて8時間反応させた。55℃で10時間微減圧としてアンモニアを除去し、クロロホルム100gを加えて抽出した。このクロロホルム溶液を濃縮した後、トルエン52gを加えて40℃で溶解しろ過した後、200mLビーカーで室温においてヘキサン30gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過して溶剤を除去した後、ヘキサンで洗浄、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a5)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
1.16-1.24(12H、t、(
CH3CH
2O)
2-CHCH
2CH
2-)、1.85-1.95(4H、q、(CH
3CH
2O)
2-CH
CH2CH
2-)、2.70-2.95(2H、m、-
CH2NH
2
)、 3.40-3.90 (1730H、m, -(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2OH、(CH
3CH2O)
2-CHCH
2CH2-)、 4.60-4.68(2H、t、(CH
3CH
2O)
2-
CHCH
2CH
2-)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,217、重量平均分子量(Mw):20,362、多分散度(Mw/Mn):1.060
【0089】
【化25】
【0090】
(実施例6)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、Dean-stark管、及び冷却管を付した100mL3つ口フラスコへ上記化合物(a5)を5.0g(0.25mmol)、トルエン26g、アセトニトリル4.0g、N-メチルモルホリン(1.25mmol)、N-Succinimidyl
3-maleimidopropionate(0.375mmol)を仕込み、室温にて4時間反応させた。この溶液をろ過した後、室温において300mLビーカーで酢酸エチル100g、ヘキサン50gを添加して晶析を行った。次に酢酸エチルを100gを添加し40℃で結晶を溶解させた後、室温に冷却してヘキサンを100g添加し析出した。この晶析をあと2回繰り返した後、ヘキサンで洗浄、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a6)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
1.16-1.24(12H、t、(
CH3CH
2O)
2-CHCH
2CH
2-)、1.85-1.95(4H、q、(CH
3CH
2O)
2-CH
CH2CH
2-)、2.51(2H、t、NHCO
CH2CH
2)、 3.40-3.90 (1736H、m, -(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2OH、(CH
3CH2O)
2-CHCH
2CH2-、
CH2NHCOCH
2CH2)、 4.60-4.68(2H、t、(CH
3CH
2O)
2-
CHCH
2CH
2-)、 6.70(2H, s,
CH=CH )
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,395、重量平均分子量(Mw):20,600、多分散度(Mw/Mn):1.062
【0091】
【化26】
【0092】
(実施例7)
温度計、窒素吹き込み管、及び攪拌子を付した200mLビーカーへ上記化合物(a
6)を2.0g(0.10mmol)、イオン交換水40gを仕込み溶解させた。塩酸でpH2に調製し、室温で2時間攪拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6に中和し、クロロホルム100gを加えて抽出した。このクロロホルム溶液を濃縮した後、トルエン40gを加えて40℃で溶解しろ過した後、200mLビーカーで室温においてヘキサン20gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過して溶剤を除去した後、ヘキサンで洗浄、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a7)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
2.51(2H、t、NHCO
CH2CH
2)、2.63-2.73(4H、HCO-
CH2CH
2-)、 3.40-3.90 (1735H、m, -(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、HCO-CH
2CH2-、
CH2NHCOCH
2CH2)、 6.70(2H,
s,
CH=CH )、 9.80(2H、
HCO-CH
2CH
2-)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,319、重量平均分子量(Mw):20,634、多分散度(Mw/Mn):1.068
【0093】
【化27】
【0094】
(実施例8)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、Dean-stark管、及び冷却管を付した1L4つ口フラスコへ上記化合物(a1)を200g(10.0mmol)、トルエン600gを仕込み、加熱還流させ、水分を共沸除去した。40℃へ冷却後、脱水クロロホルム1,000g、フタルイミド8.83g(60.0mmol)、トリフェニホスフィン15.7g(60.0mmol)を加え攪拌溶解し、室温に冷却後ジイソプロピルアゾジカルボキシレート12.1g(60.0mmol)40度にて3時間反応させた。続いて、ナトリウムを2.58g(112mmol)溶解させた3,3-ジエトキシ-1-プロパノール85.6g(465mmol)のトルエン(256.8g)溶液を加え、70℃で5時間反応させた。反応液をろ過後、濾液を10Lステンレスポットへ移し、酢酸エチル1,488g、エタノール1,488g、ヘキサン2,976gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過して溶剤を除去した後、結晶を10Lステンレスポットへ移し、酢酸エチル1,488g、エタノール1,488gを加えて40℃にて加温溶解後、20℃に冷却してヘキサン2,976gを加えて晶析を行った。以後同様の晶析を3回繰り返し、ヘキサンで洗浄した後、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a8)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
3.40-3.90(1728H、m、 (
CH2CH2O)
n-
CH2、 (
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2O-CH
2Ph)、 4.54(2H、s、-
CH2Ph)、7.27-7.38(5H、m、-CH
2Ph)、 7.65-7.95(4H、m、
Ph(CO)
2N-)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,398、重量平均分子量(Mw):19,824、多分散度(Mw/Mn):1.022
【0095】
【化28】
【0096】
(実施例9)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、及び冷却管を付した1L4つ口フラスコへ上記化合物(a8)を50g、5%パラジウムカーボン(50%含水品)25gを仕込み、窒素置換後、メタノール500g、シクロヘキセン68gを加えて昇温し、52〜55℃で緩やかに還流させ、5時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、パラジウムカーボンを濾別し、濾液を濃縮した。濃縮液にトルエン400g、ヘキサン200gを加えて晶析した。得られた結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a9)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
3.40-3.90 (1684H、m、-(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2OH)、
7.65-7.95(4H、m、
Ph(CO)
2N-)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):18,817、重量平均分子量(Mw):19,171、多分散度(Mw/Mn):1.019
【0097】
【化29】
【0098】
(実施例10)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、Dean-stark管、及び冷却管を付した1L4つ口フラスコへ上記化合物(a1)を200g(10.0mmol)、トルエン600gを仕込み、加熱還流させ、水分を共沸除去した。40℃へ冷却後、脱水クロロホルム1,000g、フタルイミド8.83g(60.0mmol)、トリフェニホスフィン15.7g(60.0mmol)を加え攪拌溶解し、室温に冷却後ジイソプロピルアゾジカルボキシレート12.1g(60.0mmol)40度にて3時間反応させた。続いて、ナトリウムを2.58g(112mmol)溶解させた3,3-ジエトキシ-1-プロパノール85.6g(465mmol)のトルエン(256.8g)溶液を加え、70℃で5時間反応させた。反応液をろ過後、濾液を10Lステンレスポットへ移し、酢酸エチル1,488g、エタノール1,488g、ヘキサン2,976gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過して溶剤を除去した後、結晶を10Lステンレスポットへ移し、酢酸エチル1,488g、エタノール1,488gを加えて40℃にて加温溶解後、20℃に冷却してヘキサン2,976gを加えて晶析を行った。以後同様の晶析を3回繰り返し、ヘキサンで洗浄した後、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a10)を得た。
1H−NMR;
δ(ppm):2.83-2.89(4H、t、NH
2-
CH2CH
2-)、
3.40-3.90 (1676H、m、-(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2OH)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):18,559、重量平均分子量(Mw):19,264、多分散度(Mw/Mn):1.038
【0099】
【化30】
【0100】
(実施例11)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、Dean-stark管、及び冷却管を付した100mL3つ口フラスコへ上記化合物(a5)を5.0g(0.25mmol)、トルエン26g、アセトニトリル4.0g、N-メチルモルホリン(2.50mmol)、N-Succinimidyl
3-maleimidopropionate(0.75mmol)を仕込み、室温にて4時間反応させた。この溶液をろ過した後、室温において300mLビーカーで酢酸エチル100g、ヘキサン50gを添加して晶析を行った。次に酢酸エチルを100gを添加し40℃で結晶を溶解させた後、室温に冷却してヘキサンを100g添加し析出した。この晶析をあと2回繰り返した後、ヘキサンで洗浄、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a11)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
2.51(2H、t、CH
2CH2CONH)、3.40-3.90 (1767H、m, -(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、
CH2OH、
CH2CH
2CONH)、 6.50(1H、s、CH
2CH
2CO
NH)、 6.70(2H, s,
CH=CH)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,734、重量平均分子量(Mw):21,336、多分散度(Mw/Mn):1.081
【0101】
【化31】
【0102】
(実施例12)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、Dean-stark管、及び冷却管を付した100mL3つ口フラスコへ上記化合物(a
11)を4.0g(0.20mmol)、ジクロロメタン20g、トリエチルアミン(2.50mmol)、N,N-Disuccinimidyl carbonate(0.75mmol)を仕込み、室温にて4時間反応させた。この溶液をろ過、濃縮した後、300mLビーカーで酢酸エチル100g、ヘキサン50gを添加して晶析を行った。次に酢酸エチルを100gを添加し40℃で結晶を溶解させた後、室温に冷却してヘキサンを100g添加し析出した。この晶析をあと3回繰り返した後、ヘキサンで洗浄、結晶を濾取、乾燥し、下記化合物(a12)を得た。
1H−NMR; δ(ppm):
2.51(2H、t、CH
2CH2CONH)、 2.84(4H、s、-CH
2O-COO-
succinimide)、 3.40-3.90 (1751H、m, -(
CH2CH2O)
n-
CH2、-(
CH2CH2O)
n-
CH、-
CH2O-COO-succinimide、
CH2CH
2CONH)、 4.36-4.52(2H, m, -
CH2O-COO-succinimide)、 6.37(1H、s、CH
2CH
2CO
NH)、 6.70(2H, s,
CH=CH)
GPC分析;
数平均分子量(Mn):19,659、重量平均分子量(Mw):21,450、多分散度(Mw/Mn):1.091
【0103】
【化32】
【0104】
(実施例13)
10mMリン酸バッファー(pH=6.4)1mlに対してGRGDS(Gly -Arg -Gly -Asp -Ser、分子量:490.5)を2.5mg(5.1μmol)溶解させた。この溶液200μlに化合物(a12)を10mg(0.5μmol)を加え、室温にて1時間反応させ、化合物中の1つの活性カーボネート基にGRGDSを修飾した。続いて Humanin (Met -Ala -Pro -Arg -Gly -Phe -Ser -Cys -Leu -Leu -Leu -Leu -Thr -Ser -Glu -Ile - Asp -Leu -Pro -Val -Lys -Arg -Arg -Ala、分子量:2,687.2)20mg(7.4μmol)をこの溶液に加え、室温にて10時間反応させ、化合物中の2つのマレイミド基にHumaninを修飾した。反応液200μlを、SP-Sepharose FF(アマシャム社製)カラムにチャージし、20mM Tris-HClバッファー(pH8.2)で平衡化した。平衡化後、1Nとなる様NaClを加えたバッファーをカラムに通し、UVにて溶出液をモニターしながら、1つのGRGDSと、2つのHumaninが修飾されたPEG化合物の分画を得た。この分画20μlとトリスSDSサンプル処理液20μlを混合後、沸騰水浴中で2分30秒加温し、この溶液20μlを、ドデシル硫酸ナトリウムーポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。染色はCBB染色で行った。この結果、各標準サンプルと比較を行なうことにより、1つのGRGDS、2つのHumaninが化合物(a12)に修飾されたものが得られたことが示された。