(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユニットが前記装置本体に装着され、前記開閉部材が開いた状態において、前記把持部が前記突出位置にあるときの突出量は、前記ユニットの長手方向から見た際に前記装置本体の外装部よりも外側に突出する量であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0018】
《電子写真画像形成装置例の全体的な概略構成》
図1の(a)は本実施形態における電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)100の外観斜視図である。(b)は画像形成装置100の縦断左側面図である。画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。即ち、画像形成装置100は、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置400から制御回路部300へ入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(シート)Sにフルカラーの画像を形成する。
【0019】
以下の説明において、画像形成装置100に関して、前側(正面側)とは、記録媒体Sを積載して収納する給送カセット19を装置本体100Aの内側から外側へ引き出す側である。後側とは、それとは反対側である。上側とは、記録媒体Sが排出される側である。前後方向とは、画像形成装置を後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは、画像形成装置を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。長手方向とは、電子写真感光体ドラム又は現像ローラの軸線方向である。装置本体100Aとは、カートリッジ(ユニット)33(33Y・33M・33C・33K)を除いた画像形成装置部分である。本実施形態の画像形成装置は右側が駆動側であり、左側が非駆動側である。
【0020】
画像形成装置100は載置台・机・床等のほぼ水平な設置面Fに載置されている。装置本体100A内の中央部には、画像形成ユニット200が配設されている。
図2は
図1の(b)における画像形成ユニット200部分の拡大図である。ユニット200は、複数個のカートリッジ、本実施形態では第1から第4の4つの現像カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)を取り外し可能に装着するカートリッジ装着部(装着ガイド)32lと単一の中間転写体(転写体)34を有する。
【0021】
本実施形態においては、各現像カートリッジ33のそれぞれ対応する電子写真感光体ドラム32aは、帯電ローラ32bとクリーニングブレード32cと共に感光体ユニット32(32Y・32M・32C・32K)としてユニット200に取り付けられている。帯電ローラ32bとクリーニングブレード32cはプロセス手段である。画像形成装置100は複数個のカートリッジ33を装置本体100A(ユニット200)に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成する。ユニット200のより詳しい構成については後述する。
【0022】
本実施形態において、各現像カートリッジ33は、収容された現像剤(トナー)の色が異なる以外は、互いに同様の構成である。但し、これに限定されるものではない。例えば、黒色の現像剤を収納している現像カートリッジ33Kは、他の色の現像剤を収納している現像カートリッジ33よりも現像剤収納部33cの容量を大きくしても良い。また、本実施形態では、カートリッジとして現像カートリッジを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本実施形態ではユニット200に取り付けられているドラム32a、帯電ローラ32b、及び、クリーニングブレード32cを、現像カートリッジ33に取り付けても良い。このように構成した場合には、カートリッジは、現像カートリッジではなくプロセスカートリッジと称する。なぜならば、ドラム32aとプロセス手段としての帯電ローラ32b、現像ローラ33b、及び、クリーニングブレード32cを一体的にカートリッジ化して、装置本体100Aに取り外し可能に装着されるからである。
【0023】
(感光体ユニット)
各ユニット32(32Y・32M・32C・32K)は、画像形成ユニット200のサブフレーム31に固定される。各ユニット32は、ドラム32aを有する。また、ドラム32aに作用するプロセス手段としての、帯電ローラ32bと、ドラム32aの表面に残った現像剤を除去するクリーニングブレード32cを有する。また、クリーニングブレード32cによって除去された現像剤をドラム32aの軸線方向に搬送する搬送スクリュー(搬送部材)32eを有する。そして、ドラム32a、帯電ローラ32b、クリーニングブレード32c及び搬送スクリュー32eはケース32dに対して所定の配置関係で組み付けられている。
【0024】
図3(a)は、ユニット32Mについて、それを左側から見た斜視図である。
図3(b)は
図3(a)のユニット32Mから、ドラム32a、帯電ローラ32b、クリーニングブレード32cを取り外した感光体ケース32dの斜視図である。
図4は
図3(b)のケース32dを右側から見た斜視図である。他のユニット32Y・32C・32Kに関しては、ほぼ同構成のため、感光体ユニット32の説明にはユニット32Mを例にとって説明する。
【0025】
ケース32dの右端側と左端側にはそれぞれ貫通穴で構成される軸受部32d1・32d2があり、ドラム32aを回転可能に支持している。また、軸受部32d1・32d2の内側には、ドラム32aと当接する端部シール部材32k1・32k2と、ドラム32aの軸線方向に延びるシート状のシール部材32hが設けられている。シール部材32k1・32k2・32hの各々がドラム32aの表面に当接し、ケース32d内の現像剤が外部に漏れ出るのを防止している。ケース32dの内部には、長手方向に渡って搬送スクリュー32eが設けられている。スクリュー32eの右端側には搬送ギア32iが設けられ、アイドラギア32jを介してドラム32aの右端側に設けられたドラムギア32a1より駆動力を受ける。スクリュー32eはその回転動作によって、ケース32d内の除去現像剤を矢印X7の方向(左方向)に搬送するように構成されている。スクリュー32eによって搬送された除去現像剤は、スクリュー32eの左端側にある除去現像剤排出部32fに運ばれる。スクリュー32eによって搬送された除去現像剤は排出部32fに設けられた開口(不図示)を介して外部に排出される。
【0026】
各ユニット32の右端側と左端側には、それぞれ、ドラム32aの軸線と直交する方向に延びた、カートリッジ33を装着するための装着部32lがある。装着部32lの一部には、カートリッジ33の被ガイド部(被規制部)33e1・33e3(
図5)を受け入れるための凹部32laが設けられている。また、凹部32laに隣接し、カートリッジ33の位置を規制するための規制部材36、及び規制部材36を付勢する付勢部材37が設けられている。
【0027】
本実施形態では、ユニット32をユニット200に固定する例に関して説明した。従って、ドラム32a等が消耗した場合には、ユニット200ごと交換する。しかし、ユニット32をユニット200に着脱可能な構成とし、ユニット32のみを交換できるようにしても良い。
【0028】
(カートリッジ)
図2に示すように、各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)は、カートリッジ枠体(ユニット枠体)であるケース33aと、ドラム32aに現像剤を供給する、即ち、ドラム32aに形成された静電潜像を現像剤画像として現像するため現像ローラ33bを有する。また、カートリッジ33は、静電潜像の現像に用いられる現像剤を収納する現像剤収納部33cと、現像ローラ33bに現像剤収納部33cの現像剤を供給する供給ローラ33dを有する。また、現像剤収納部33cには内部の現像剤を供給ローラ33dに搬送するための搬送部材33fが設けられている。
【0029】
第1のカートリッジ33Yは、現像剤収納部33cにイエロー(以下「Y色」という)の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にY色現像剤画像を形成する。第2のカートリッジ33Mは、現像剤収納部33cにマゼンタ(以下「M色」という)の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にM色現像剤画像を形成する。第3のカートリッジ33Cは、現像剤収納部33cにシアン(以下「C色」という)の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にC色現像剤画像を形成する。第4のカートリッジ33Kは、現像剤収納部33cにブラック(以下「K色」という)の現像剤を収納されていて、対応するドラム32aの面にK色現像剤画像を形成する。
【0030】
図5(a)はカートリッジ33Yについてそれを右側から見た斜視図、(b)は左側から見た斜視図である。各カートリッジ33の説明を、このカートリッジ33Yを例にとって説明する。
【0031】
カートリッジ33Yはユニット200の装着部32lに対して矢印X10の方向に装着される。また、カートリッジ33Yは矢印X10と逆の矢印X11方向にユニット200の装着部32lから取り外される。カートリッジ33Yは装着方向の先端側に現像ローラ33bを有する。現像ローラ33bの右端側にはギア50が設けられていて、ドラムギア32a1より駆動力を受け、現像ローラ33bを回転させる。ギア50は更にギア列(不図示)を介して、供給ローラ33d、搬送部材33fに駆動を伝えている。
【0032】
カートリッジ33Yの右端側と左端側には、それぞれ、カートリッジ33Yがユニット200に装着される際にユニット200にガイドされるための被ガイド部33e1・33e2,33e3・33e4が設けられている。被ガイド部33e1と33e3は、それぞれ、円柱形状であり、カートリッジ33Yの右端側の外側と左端側の外側に突出している。被ガイド部33e2と33e4は、それぞれ、略直方体形状であり、カートリッジ33Yの右端側の外側と左端側の外側に突出していて、カートリッジ33の長手方向と直交する方向に延びている。被ガイド部33e1と33e3は、それぞれ、被ガイド部33e2と33e4よりもカートリッジ33Yの装着方向X10の下流側に位置している。
【0033】
また、カートリッジ33Yの現像ローラ33b側とは反対側の側壁33gには、カートリッジ33Yを把持するための第1把持部38、第2把持部39が設けられている。使用者は第1把持部38と第2把持部39を把持することで、装置本体100Aに対するカートリッジ33Yの装着、及び取り外し動作が可能である。以上のようにカートリッジ33Yは第1把持部38と第2把持部39を有している。また、他のカートリッジ33M・33C・33Kに関しても同様な構成となっている。把持部の詳細な構成に関しては後述する。
【0034】
中間転写体34は、本実施形態においては、回転中心34aの軸線を左右方向にし、その軸線を中心にして回転可能に水平に配設された円柱状のドラムである。各カートリッジ33は、中間転写体34の前面側において、装置本体100Aの設置面Fに対してほぼ水平の姿勢で、かつ上から下に順に垂直方向に隣接して並べられて配列されている。本実施形態の画像形成装置においては、第1のカートリッジ33Yが最上段であり、第2のカートリッジ33Mがその下に位置している。第3のカートリッジ33Cが更にその下に位置している。そして、第4のカートリッジ33Kが最下段である。各カートリッジ33の現像ローラ33bは、接触現像方式として、ドラム32aに対して当接していてもよいし、非接触現像方式として、ドラム32aに対して所定の僅少な間隙(一定距離)を存して離間していても良い。
【0035】
(スキャナユニット)
図1(b)を参照して、各カートリッジ33の前面側(前方部)には、露光ユニットとしてのレーザースキャナユニット11が配設されている。ユニット11は、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、Fθレンズ、反射ミラー等を有する。そして、ユニット11は、外部ホスト装置400から制御回路部300へ入力するY・M・C・Kの各色の画像情報に対応して変調した情報光としてのレーザービームL(LY・LM・LC・LK)を出力して対応色のカートリッジ33におけるドラム32aを走査露光しドラム32a上に潜像を形成する。本実施形態では露光ユニットとしてレーザービームを用いたユニットに関し説明したが、LED、有機EL等で露光を行っても良い。
【0036】
(記録媒体搬送機構)
画像形成ユニット200の下方部には、給送ユニット18が配設されている。この給送ユニット18は、記録媒体Sを積載して収納する給送カセット19、給送ローラ20、分離パッド21等を有する。給送カセット19は装置本体100Aの前側から出し入れ(挿脱)自由である(フロントローデング)。また、装置本体100A内において、中間転写体34と、装置本体100Aの後側フレーム110bとの間には、給送ローラ20から装置本体100A内の後側の上部に至る記録媒体搬送路Zが配設されている。そして、この搬送路Zを下から上に沿って、レジストローラ対18a、二次転写ローラ22、定着装置23、排出ローラ対24が配設されている。定着装置23は定着フィルムユニット23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。排出ローラ対24は排出ローラ24aと排出コロ24bである。装置本体100Aの上面には画像形成済みの記録媒体Sを受ける排出トレイ100cが配設されている。
【0037】
カバー10は装置本体100Aの前面に設けられたカートリッジ着脱開口部(ユニット着脱開口部)100Bを開閉可能な開閉部材である。カバー10にはレーザースキャナユニット11が取り付けられている。開口部100Bは、後述するように装置本体100Aに対してカートリッジ33を着脱するための開口である。即ちカートリッジ33を装置本体100aに着脱するためのカートリッジ着脱開口を開閉するためのカバー10である。従ってユニット11を保持したカバー10を開放位置に持っていくことによりカートリッジ33の着脱を可能にしている。
【0038】
図1(b)は画像形成装置100が画像形成動作可能となっている状態を示している。この状態において、カバー10は開口部100Bを閉じる閉じ位置Gに閉じ込まれている。ユニット200は、各カートリッジ33が装着されていて、装置本体に対して画像形成を行う画像形成位置に位置している。ユニット200の中間転写体34の駆動入力部であるギア34b(
図6(b))には装置本体100A側に設けられた駆動出力部(不図示)が連結している。また、各ユニット32とカートリッジ33の電気接点(不図示)に対して装置本体100A側に設けられた給電系統(不図示)が導通化している。ここで、前述した駆動系及びバイアス印加系については、煩雑をさけるために図には省略したが、通常の画像形成装置の場合と同様の構成を採用することができる。
【0039】
(画像形成動作)
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。
図1(b)、
図2を参照して、各ドラム32aが矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ32bはドラム32aが回転駆動されることで従動して回転する。また、中間転写体34も矢印の時計方向(ドラム32aの回転に順方向)で、ドラム32aの速度に対応した速度で回転駆動される。また、現像ローラ33bと供給ローラ33dがそれぞれ矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。スキャナユニット11も駆動される。この駆動に同期して、所定の制御タイミングで各帯電ローラ32bに対して所定の帯電バイアスが印加される。これにより、各ドラム32aの表面が帯電ローラ32bによって所定の極性・電位に一様に帯電される。スキャナユニット11は各ドラム32aの表面を対応するY・M・C・Kの各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光L(LY・LM・LC・LK)で走査露光する。レーザー光Lはスキャナユニット11とドラム32aとの間に位置する複数の露光窓10h1〜10h4を通過して、ドラム32a表面に到達する。露光窓10h1〜10h4はカバー10に設けられている。露光窓10h1〜10h4は、各カートリッジ33が隣接しているX1方向と同方向に同じく隣接して配置されている。尚、露光窓10h1〜10h4は、X1方向と直交する方向(ドラム32aの長手方向)に延在している(
図7、8参照)。スキャナユニット11とカートリッジ33の間に露光に必要な最低限の露光窓10h1〜10h4を設けることでスキャナユニット11内への粉塵の侵入を極力防ぐことができる。
【0040】
これにより、各カートリッジ33のドラム32aの表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。そして、各ドラム32aの表面に形成された静電潜像が対応するカートリッジ33の現像ローラ33bにより現像剤画像として現像される。各現像ローラ33bには所定の制御タイミングで所定の現像バイアスが印加される。上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、カートリッジ33Yが対向したドラム32aにはフルカラー画像のY色成分に対応するY色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上に一次転写される。カートリッジ33Mが対向したドラム32aにはフルカラー画像のM色成分に対応するM色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色現像剤画像に重畳されて一次転写される。カートリッジ33Cが対向したドラム32aにはフルカラー画像のC色成分に対応するC色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色+M色現像剤画像に重畳されて一次転写される。カートリッジ33Kが対向したドラム32aにはフルカラー画像のK色成分に対応するK色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色+M色+C色現像剤画像に重畳されて一次転写される。かくして、中間転写体34上にはY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤画像が合成形成される。なお、中間転写体34上に順次に重畳転写する現像剤画像の色順は上記の順序に限られるものではない。各ドラム32aにおいていて中間転写体34に対する現像剤画像の一次転写後のドラム面に残留した転写残現像剤はクリーニングブレード32cにより除去され、搬送スクリュー32eを介して長手方向端部に設けられた廃現像剤容器(不図示)に送られる。
【0041】
一方、所定の制御タイミングで給送ローラ20が駆動される。これにより、給送ローラ20と分離パッド21との協働で、給送カセット19内に積載収納されているシート状の記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。そして、その記録媒体Sがレジストローラ対18aにより所定の制御タイミングで、中間転写体34と二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部に導入される。二次転写ローラ22には現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の二次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、記録媒体Sが二次転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で中間転写体34上の4色重畳の現像剤画像が記録媒体Sの面に順次に二次転写される。二次転写ニップ部を通過した記録媒体Sは中間転写体34の面から分離されて定着装置23へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色の現像剤画像の混色及び記録媒体Sへの定着がなされる。そして、記録媒体Sは定着装置23を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対24により排出トレイ兼用のカバー10上に排出される。中間転写体34からの記録媒体Sの分離後に中間転写体34の表面に残留した二次転写残トナーは除去される。本実施形態の場合は、ユニット32Yのドラム32aと中間転写体34との一次転写ニップ部においてドラム32aの表面に静電的に付着して、クリーニングブレード32cにて除去される。
【0042】
中間転写体34はドラム形状の回転体である。中間転写体34には各ドラム32aに形成された、異なった色の現像剤画像が重ねて転写される。そして、中間転写体34は、重ねて転写された現像剤画像を一括して記録媒体Sに転写する。これによって記録媒体Sにカラー画像が形成される。モノクロ画像を形成する場合は、中間転写体34にはカートリッジ33Kが対向したドラム32aに形成されたK色現像剤画像が転写される。そして、中間転写体34は、転写されたK色現像剤画像を記録媒体Sに転写する。記録媒体SにK色画像が形成される。二次転写ローラ22は、本実施形態においては、シフト機構(不図示)により、中間転写体34に当接して二次転写ニップ部を形成する第1位置と、中間転写体34から非接触に離れた第2位置とに移動可能である。そして、二次転写ローラ22は画像形成装置100の画像形成動作時には第1位置に移動され、非画像形成時には第2位置に移動される。二次転写ローラ22を中間転写体34に対して常時当接させる構成にすることもできる。
【0043】
《画像形成ユニット》
図6(a)及び
図6(b)を参照してユニット200の構成を説明する。
図6(a)はユニット200を左側から見た斜視図、(b)は右側から見た斜視図である。ユニット200は、装置本体100Aのメインフレーム110に対して着脱可能なサブフレーム31を有する。サブフレーム31は、円筒の基体の周面に弾性体を被覆された中間転写体34を回転可能に支持する。中間転写体34はこのサブフレーム31の左側板31Lと右側板31Rとの間に中心軸(回転中心)34aの左端部と右端部が回転可能に軸受されて支持されている。左側板31Lと右側板31Rの外面側には、それぞれ、中間転写体34の中心軸34aと同軸に、左軸部45Lと右軸部45Rが側板31L・31Rに対して一体に固定されて配設されている。中間転写体34の右端側には、各ドラム32aに駆動力を伝えるギア34bが設けられていて、装置本体駆動源(不図示)より伝達された駆動力をドラムギア32a1に伝達する。中間転写体34の周囲には、前述した各感光体ユニット32(32Y・32M・32C・32K)が各ドラム32aを中間転写体34に当接させた状態で配置されている。ユニット32の各々は位置決め構成(不図示)によりサブフレーム31に対して位置決めされてビス等により固定されている。これにより、各ユニット32のドラム32aと中間転写体34は高精度にお互いの位置決めをすることができる。また、各ドラム32aは中間転写体34に対して所定の押圧力で当接している。各ユニット32はサブフレーム31に対して矢印X1の方向より挿入されて固定される。サブフレーム31の右側板31Rには、装置本体100A内でのユニット200の回転規制を行う被規制部31lが設けられている。ユニット200は、左軸部45L、右軸部45R、被規制部31lによって、装置本体内100Aに位置決めされる。詳細は後述する。中間転写体34の装置本体100A内での位置決め部である左軸部45Lと右軸部45R、及び回転被規制部31lを、同一の部材であるサブフレーム31に設けたことにより、中間転写体34の装置本体100A内での位置が高精度に決まる。前述したように、サブフレーム31に固定された感光体ユニット32には、カートリッジ33を取り外し可能に装着するためのカートリッジ装着部32lが設けられている。各装着部の機能に関しては後述する。
【0044】
(画像形成ユニット装着部)
図7(a)及び
図7(b)に示すように、装置本体100Aの左側フレーム110Lの内側と右側フレーム110Rの内側には、各々対向した状態で左側ガイド板80Lと右側ガイド板80Rが固定されて配設されている。このガイド板80L・80Rは、それぞれ、サブフレーム31の左右の軸部45L・45Rを回転可能に軸受して支持する位置決め部80aと、軸部45L・45Rを位置決め部80aへガイドするガイド部80bを備えている。右側ガイド板80Rには、ガイド部80bと連続した回転規制部80cが設けられていて、前述のユニット200に設けられた回転被規制部31lが当接し、ユニット200の回転規制を行う。
【0045】
(画像形成ユニットの装着)
続いて、ユニット200の装置本体100A内への装着に関して説明する。カバー10は下端側が装置本体100Aに対してヒンジ軸10aを介して回動可能に連結されており、装置本体100Aの側面の開口部100Bを閉じる閉じ位置G(
図1(b))と、開口部100Bを開放する開放位置H(
図7)と、を取り得る。即ち、カバー10はヒンジ軸10aを中心に装置本体100Aの側方において開閉回動されて開口部100Bを開閉可能な開閉部材である。カバー10の閉じ位置(閉鎖位置)は、
図8(a)のように、装置本体100Aの前面に配設されたメンテナンスボタン35側に設けられている係止爪部35aとカバー10側に設けられている係止爪部10bとの係合(ラッチ係合)により維持されている。係止爪部35aが本体側係止部、係止爪部10bが開閉部材側係止部である。カバー10の閉鎖解除はボタン35を押すことでなされる。ボタン35を戻しバネ(不図示)に抗して後方に押すと、ボタン35側の係止爪部35aが2点鎖線示のようにカバー10の係止爪部10bから後方に逃げてラッチ係合が外れる。これにより、カバー10をヒンジ軸10aを中心に開放位置Hに回動させて、開口部100Bを大きく開放することができる。本実施形態では、係止爪部35aと係止爪部10bとが弾性的に、解除可能に係止している。しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、一方に設けられている穴(係止部)に他方に設けられている爪(係止部)が弾性的に、解除可能に係止していても良い。
【0046】
ユニット200の装置本体100A内への装着は、
図9の(a)ように、カバー10を開放位置Hに回動して開口部100Bを大きく開放する。そして、開口部100Bからユニット200を装置本体100A内へ挿入することでなされる。ユニット200は、左右の軸部45L・45Rを、それぞれ、装置本体100A側の左右のガイド板80L・80Rに対向して設けられたガイド部80bに係合させて挿入して装置本体100A内に装着される。その後、ガイド部80bの延長線上に設けられた位置決め部80aに軸部45L・45Rを当接させる(
図9の(b))。この時、中間転写体34の一端側に設けられたギア34b(
図6)は、装置本体100A内に設けられた駆動ギア(不図示)と連結する。その後、カバー10を閉じ位置Gに回動して、ユニット200の装置本体100A内への装着が完了する。
【0047】
(カートリッジの装着)
ユニット200に対する各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)の着脱に関して
図10を用いて説明する。先ず、カバー10を、開口部100Bを閉じる閉じ位置から、開口部100Bを開放する開放位置へと移動する。
【0048】
初めにカートリッジ33(33Y,33M,33C,33K)の側壁33gに設けられた第1把持部38、第2把持部39(
図5)を把持する。そして、各カートリッジ33をユニット200の対応する装着部32lに対して装着する。装着方向は、現像ローラ33bの回転軸線と直交する方向(装着方向)から装着される。即ち、
図10の(a)に示すように、カートリッジ33側の被ガイド部33e1・33e3をユニット200側の装着部32lに挿入する。
【0049】
図10の(a)はカートリッジ33Yの装着の場合を示している。カートリッジ33Yの装着の場合は装着部32lに挿入する。続いて、被ガイド部33e2・33e4を挿入する。被ガイド部33e1〜33e4は装着部32lにガイドされ、ドラム32aの方向に向かって内部に挿入されていく。被ガイド部33e1・33e3は、装着部32lに設けられた規制部材36に当接する。本実施形態における規制部材36は山形形状部材あり、被ガイド部33e1・33e3はその山形形状部に当接する。規制部材36は自由状態においては、付勢部材37の付勢力によって押し上げられて山形形状部が装着部32lの凹部32la内に進入していて上面が凹部32laの天井面に付き当たって受け止められている。更にカートリッジ33の挿入を進めると、被ガイド部33e1・33e3は規制部材36の山形形状部をカム斜面として規制部材36を付勢している付勢部材37の付勢力に抗して押し下げる作用をする。これにより、規制部材36が装着部32lの凹部32la内から退避する矢印X5の方向に押し下げられて、被ガイド部33e1・33e3が規制部材36の上面と凹部32laの天井面との間に進入する。それによって、被ガイド部33e1・33e3は規制部材36を越えて凹部32la内の奥側に進入する。また、被ガイド部33e2・33e4も装着部32lの凹部32la内に進入する。これにより、カートリッジ33のユニット200内への装着を完了する。
【0050】
カバー10には、各カートリッジ33を対応する感光体ユニット32に向かって付勢するカートリッジ付勢部材51a〜51dを有している(
図10(b))。付勢部材51a〜51dは、カートリッジ33の長手方向(左右方向)で両端部に設けられていて、カートリッジ33毎に2個ずつ設けられている。付勢部材51a〜51dは、カバー10を締める動作に連動して各カートリッジ33の後端部に順次当接していく。
図1(b)のように、画像形成位置に位置する際に、カートリッジ33は付勢部材51a〜51dにより矢印Y2の方向に付勢される。カートリッジ33が収容する現像ローラ33bは、その両端部に設けられた規制コロ(不図示)をドラム32aに当接させることで、ドラム32aに対して一定の付勢力で当接する。付勢部材51a〜51dによる付勢力は、現像ローラ33bとドラム32a間の当接状態(或は離間状態)を良好に維持する。
【0051】
また、第1把持部38、第2把持部39に関しても、カバー10を締める動作に連動してカバー10の一部が第1把持部38、第2把持部39に当接することで、突出位置(
図10(b))から退避位置(
図1(b))に回動する。詳細は後述する。
【0052】
以上の操作により、画像形成装置100は画像形成動作(プリント動作)可能な状態になっており、画像形成開始信号(プリントスタート信号)に基づいて、前述のような画像形成動作がなされる。即ち、画像形成位置Aに位置しているユニット200の中間転写体34の駆動入力部であるギア34bに対して装置本体側の駆動出力部(不図示)が連結している。また、各感光体ユニット32のドラムギア32a1が上記のギア34bに対して連結している。また、各カートリッジ33の現像ローラ33bのギア50が連結している。また、各感光体ユニット32と各カートリッジ33の電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通化している。これにより、画像形成装置は画像形成動作可能な状態になっている。
【0053】
本実施形態の画像形成装置100は、
図1の(b)に示すとおり、設置面Fに対して水平方向にほぼ並んで、スキャナユニット11、カートリッジ33、ドラム32a、中間転写体34、及び、記録媒体Sの搬送路Zが配置されている。そして、装置100の上方には、排出トレイ、及び、装置100の下方には、カセット19が配置されている。そして、スキャナユニット11からのレーザー光L(LY・LM・LC・LK)が露光窓10h1〜10h4を通してカートリッジ33の後方からドラム32aに照射される。また、各ドラム32aから中間転写体34に転写された各色の現像剤画像は、中間転写体34を挟んで各ドラム32aが配置されているのとは反対側でもって記録媒体Sに転写される。
【0054】
(カートリッジ把持部の全体構成)
カートリッジ33(33Y,33M,33C,33K)に設けられた第1把持部38、第2把持部39に関して、
図11乃至
図13を用いて詳細に説明する。尚、説明にはカートリッジ33Yを用いるが、それ以外のカートリッジに関しても把持部の構成に関しては同一である。
【0055】
各カートリッジ33のケース33aの側壁33gに、第1把持部38、及び第2把持部39が配置されている。第1把持部38、及び第2把持部39は、側壁33gの長手方向両端部に回動軸38a,39aを有していて、回動軸38a,39aが側壁33gに設けられた取付部33g1,33g2に回動可能に取り付けられている。
【0056】
取付部33g1,33g2は、回動軸38a,39aが回転できるように半円形状を有している。取付部33g1,33g2の入口部33g3,33g4はスナップフィット形状となっていて、回動軸38a,39aを入口部33g3,33g4に押し込むと、入口部33g3,33g4が弾性変形する。回動軸38a,39aが完全に取付部33g1,33g2に収まると、入口部33g3,33g4の弾性変形が元に戻り、回動軸38a,39aが取付部33g1,33g2から容易に外れるのを防止している。
【0057】
また、回動軸38aの鉛直方向両端部には、取付部33g1,33g2に収まっている部分よりも半径の大きい頭部38b,38cが設けられていて、第1把持部38の回動軸38aの軸線方向への抜け止めとなっている。回動軸39aも同様に頭部39b,39cが設けられた構成となっている。
【0058】
ここで、本実施形態では回動軸38a,39aを半円形状の取付部33g1,33g2に取り付ける構成としたが、回動軸側を半円形状とし、取付部側を軸形状としても良い。つまり、回動軸と取付部とが各々係合でき、且つ把持部が取付部に対して回動可能な構成であれば凹凸関係が逆の関係でもよい。
【0059】
上述のように、第1把持部38、第2把持部39は回動軸38a,39aを中心に矢印Z1、Z2方向に回動(移動)できるようになっている。
図12(a)は第1把持部38、第2把持部39が回動し、カートリッジの長手方向と交差する方向であって、カートリッジ取り出し方向に延びた突出位置に位置する様子を示す図(上面図)である。このように、第1把持部38、第2把持部39は、
図12(a)に示すようにカートリッジ33の側壁33gから突出した突出位置と、
図12(b)に示すような突出位置よりもカートリッジ33の側壁33gに近づく退避位置との間を、回動可能な構成となっている。
【0060】
使用者は、第1把持部38、第2把持部39が
図11に示す突出位置に位置する状態で、第1把持部38、第2把持部39を把持しながらカートリッジ33の着脱動作を行う。
【0061】
側壁33gは長手方向に延びた形状となっている。本実施形態の長手方向は、現像ローラ33bの長手方向と同一方向となっている。また側壁33gとは、カートリッジ33のケース33aの中で、装置本体100Aからの取り出し方向上流側に設けられた部分である。
【0062】
第1把持部38、第2把持部39は回動軸38a,39aを中心に側壁33gの長手方向に折り畳まれるように回動可能(矢印Z1、Z2)な構成となっている。回動軸38a,39aは、軸の仮想延長線(回動軸線)L7が鉛直方向側を向くように構成されている。しかし回動軸38a,39aは鉛直方向に対して少々傾いていても構わない。
【0063】
図11(a)に示すように、第1把持部38、第2把持部39の、突出位置に位置する際の側壁33gからのカートリッジ33の取り出し方向に延びる突出量をXとする。側壁33gの長手方向と直交する短手方向の側壁の大きさをY(
図11(a)参照)とすると、X>Yの関係となっている。従って、使用者はカートリッジ33を把持する際に把持し易く、取扱い性に優れている。このように、第1把持部38、第2把持部39を側壁33gの長手方向に回動する構成としたことで、突出量Xを大きく取ることができた上に、退避位置では省スペースに収めることができた。以上により使用者のカートリッジ取扱い性を向上させると共に、装置本体の部材をカートリッジの近傍まで近づけることが可能となり、結果として装置本体の小型化を達成できる。
【0064】
図13は、第1把持部38、第2把持部39が退避位置に位置する際に、カートリッジ33の取り出し方向から見た図である。第1把持部38、第2把持部39はカートリッジ33の外表面の中に収まっている。従って、短手方向のカートリッジ33の小型化が達成できる。更に、カートリッジ33の近傍に、装置本体の部材或は隣接するカートリッジを近接させることができるようになるので、装置本体の小型化も達成できる。
【0065】
第1把持部38、及び第2把持部39は、側壁33gの長手方向両端部に設け、長手方向内側に回動可能な構成とした。従って、使用者は両手でカートリッジ33を把持できるのでより安定してカートリッジを装置本体に着脱できる。
【0066】
しかし、若干の安定性を犠牲にすれば、
図14(a)に示すように、長手方向中央部に1個だけ長手方向に回動可能(矢印Z1)な把持部138を持ってきても良い。こうすることで把持部に用いる部品の数を減らすことができる。また、
図14(b)に示すように長手方向の真中付近に第1把持部238、及び第2把持部239を持ってきて、長手方向内側に回動(矢印Z1、Z2)させることも可能である。何れも使用者のカートリッジ取扱い性に優れ、装置本体の小型化を達成できるのは上述の例と一緒である。
【0067】
(把持部の回動規制構成)
続いて、第1把持部38、第2把持部39が突出位置に位置する際の、回動規制構成に関して説明する。説明には第1把持部38を用いて説明するが、第2把持部39に関しても同様の構成となっている。
【0068】
図11(b)に示すように、第1把持部38の頭部38b近傍には回動軸38aの半径方向外側に伸びる被規制部38dを有している。被規制部38dは、第1把持部38を退避位置から突出位置に回動していくと、カートリッジ33の一部に設けられた規制部33hに当接する。従って、第1把持部38は、回動軸38aを中心に、規制部33hを超えてカートリッジ33の長手方向外側まで回動しないようになっている。つまり規制部33hは、第1把持部38、第2把持部39が突出位置において、退避位置の方向とは反対方向へ回動するのを規制している。
【0069】
このように被規制部38d、及び規制部33hを用いて、第1把持部38の回動位置を規制したことにより、使用者が第1把持部38を把持した際に、安定してカートリッジ33を把持することができる。仮に被規制部38d、及び規制部33hがない場合には、第1把持部38は回動軸38aを中心に、カートリッジ33の長手方向外側まで回動しようとするので、カートリッジ33を把持した際の安定性に乏しい。
【0070】
(把持部の係止構成)
続いて第1把持部38、第2把持部39が突出位置に位置する際の、係止構成に関して説明する。説明には第1把持部38を用いて説明するが、第2把持部39に関しても同様の構成となっている。
【0071】
図15は
図11(b)のS−S断面図である。第1把持部38の被規制部38dには、
図15で示すように大径部38d1、小径部38d2が設けられている。第1把持部38が退避位置から突出位置に回動していくと、カートリッジ33に設けられた係止部33iが、第1把持部38に設けられた小径部38d2に挿入される。そして、最終的に大径部38d1と小径部38d2とを連結する被係止部38d3が係止部33iの先端側に係止される。
【0072】
係止部33iはスナップフィット構造(真中に変形を許容する隙間gを設けてある)となっているので、その弾性力により被係止部38d3は係止部33iに係止される。従って、第1把持部38は突出位置に係止され、容易には退避位置に戻らないようになっている。
【0073】
第1把持部38、第2把持部39が突出位置から退避位置に回動する際には、スナップフィットの弾性力に抗して被係止部38d3が係止部33iより外れることにより係止を解除する。
【0074】
しかし、通常の取扱い時、つまり第1把持部38、第2把持部39を用いてカートリッジ33を取扱う際には外れないようになっている。
【0075】
このように第1把持部38、第2把持部39は被係止部38d3を有し、カートリッジ33に設けられた係止部33iとの係合により突出位置に係止される。従って、使用者が第1把持部38、第2把持部39を把持した際に、容易には退避位置方向に戻ることが無く、安定してカートリッジ33を把持することができる。
【0076】
上述の構成以外にも、
図15(b)に示すように、第1把持部338の回動軸338aと取付部333g1の間に摩擦部材49を設けても良い。摩擦部材49は、回動軸338aと取付部333g1の間に介在し、第1把持部338が突出位置から退避位置方向に回動しようとする力に対して摩擦力を発生させる。このため、上述の例と同様に使用者が第1把持部338、第2把持部339(不図示)を把持した際に、容易には退避位置方向に戻ることがない。なお、
図15(b)の例では摩擦部材49を回動軸338aと取付部333g1の間に介在させたが、第1把持部338に当接して摩擦力を発生させることができれば、カートリッジ333のどの部分に設けても良い。
【0077】
(把持部の支持部構成)
続いて第1把持部38、第2把持部39が突出位置に位置する際の、支持部構成に関して説明する。説明には第1把持部38を用いて説明するが、第2把持部39に関しても同様の構成となっている。
【0078】
図15(a)に示すように、被係止部38d3は第1把持部38を係止する一方で、第1把持部38を把持した際にカートリッジ33の重量を支える支持部としての機能も有している。被係止部38d3は支持部として、更に係止部33iは被支持部として機能する。
【0079】
つまり、使用者が第1把持部38を把持すると、カートリッジ33は自身の重量により重力方向に移動しようとする。しかし、第1把持部38に設けた被係止部38d3によりカートリッジ33の重量を支持することができるので、安定してカートリッジ33を把持することができる。
【0080】
上述の構成以外にも、
図16に示すように、第1把持部438の鉛直方向下方に支持部438eを持ってきても良い。この場合、カートリッジに設けられた被支持部433hが支持部438eに支持される機能を有する。支持部438eは面形状となっていて、その面でカートリッジ433の重量を支えるようにしている。他にも被規制部438d等を用いて第1把持部438の回動を規制している。何れも使用者のカートリッジ取扱い性に優れるのは上述の例と一緒である。
【0081】
図1(b)は第1把持部38、第2把持部39が退避位置に位置する際の画像形成装置100の断面図である。第1把持部38、第2把持部39を側壁33gの長手方向に回動する構成としたことで、レーザービームL(LY・LM・LC・LK)の光路に影響を与えることがない。つまり、折り畳み位置に位置する把持部によりレーザービームが遮られ、ドラム32aに正確に到達できない恐れがない。本実施形態の用に複数のドラム32aを隣接して配置する画像形成装置の場合には、各ドラム32aに対応したレーザービームLを照射する必要があり、本件の構成がより有効である。
【0082】
(カートリッジの交換)
各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)は画像形成に使用されるにつれて、カートリッジ33の現像剤収納部33cに収容されている現像剤が消費される。そこで、例えば、各カートリッジ33の現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御回路部300において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。
【0083】
検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジ33については、画像形成装置100の操作部101に設けられた表示部102(
図1(a))に、そのカートリッジ33についての寿命予告、或いは寿命警告を表示させる。或いは外部ホスト装置400の表示部(不図示)に、そのカートリッジ33についての寿命予告或いは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、或いはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。また、廃現像剤容器(不図示)に関しても、容器内に規定以上の廃現像剤が収容されたことを検知し、それを表示部102等に表示して使用者に容器の交換を促すようにしている。
【0084】
本実施形態の画像形成装置100においては、ユニット200に装着されている各カートリッジ33の交換、及び廃現像剤容器の交換は、
図1(a)に示すカバー10を開けて装置本体100Aの開口部100Bを開放することによりなされる。
図1(b)に示すように、閉じ位置Gに係止されているカバー10の閉鎖解除は、装置本体100Aの前面に配設されているメンテナンスボタン35を
図8(a)の2点鎖線示のように使用者が押すことでなされる。使用者がボタン35をバネ(不図示)に抗して下方に押すと、ボタン35側の係止爪部35aが
図8(a)の2点鎖線示のように、カバー10側の係止爪部10bから後方に逃げてラッチ係合が外れる。これによって、カバー10は、自身の重量により押し下げられる。カバー10は、ヒンジ軸10a(
図1(a))を中心に付勢部材51a〜51d(
図7)の作動長分(自由長への復元長さ分)に対応する角度だけ装置本体100Aから開き方向へ回動する。即ち、カバー10が付勢部材51a〜51dの弾性力によって自動的に半開き状態になる。しかしこの時点で使用者がカバー10を押さえていなくてもユニット11の重心がヒンジ軸10a中心よりも装置本体100A側に位置しているので、カバー10が重力の作用で下方に回動してしまうことがない。
図8(b)は、カバー10の半開きの状態を示している。ボタン35は、その後使用者が指を離すことで、付勢バネ(不図示)の力(弾性力)により元の位置に復帰した状態となる。この時、係止爪部10bはカバー10の上記の半開き移動により側方に位置しているから、復帰した係止爪部35aとは係合しない(
図8(b))。使用者は半開き状態となっているカバー10の取手部10dに手指を掛けてカバー10を
図9の(b)に示すように開放位置Hまで手動操作によって開く。カバー10は開放位置Hまで十分に開かれ、装置本体の一部或は机上に当接することで安定に保持される。これにより、装置本体100Aの開口部100Bが十分に大きく開放された状態になる
この状態において、カートリッジ33及び容器を、前述した取り付け作業と逆の方向に取り外す作業を行う。
【0085】
(把持部の突出位置への回動構成)
使用者が、カバー10を開けて装置本体100Aの開口部100Bを開放すると、第1把持部38、第2把持部39が自動で突出位置まで回動する構成となっている。説明には第1把持部38を用いて説明するが、第2把持部39に関しても同様の構成となっている。
【0086】
図11に示すように、第1把持部38とカートリッジ33の間には付勢部材としてのねじりコイルバネ52が設けられている。ねじりコイルバネ52の一端部52aがカートリッジ33の溝部33lに当接し、他端部(不図示)が第1把持部38に設けた被付勢部38eに当接している。第1把持部38は、ねじりコイルバネ(付勢部材)52の付勢力により、側壁33gに近づく退避位置から、側壁33gより突出した突出位置に自動で回動することができる。ねじりコイルバネ(付勢部材)52は第1把持部38を退避位置から突出位置に付勢している。第1把持部38が退避位置に位置する際には、ねじりコイルバネ(付勢部材)52の付勢力に抗して側壁33gに近づいている。
【0087】
上述の構成以外にも、
図17に示すように、カートリッジ33が装置本体に装着された状態において、回動軸538aの軸線L1を鉛直方向線L2に対して傾けてもよい。つまり、回動軸538aの上端側である頭部538a1を突出位置方向(矢印X方向)に傾斜している。すると、第1把持部538の重心Jに発生する重力方向J1が回動軸538aの軸線L1と交差する。従って、重力の作用により、第1把持部538が回動軸538aを中心にして、突出位置方向へ回動する力が発生し、自動的に突出位置に回動することができる。
【0088】
回動軸538aを傾ける量であるが、第1把持部538の重量と、第1把持部538と取付部533g1の間の摩擦力等を考慮して決定すると良い。第1把持部538は、自身の重量により、側壁533gから突出した突出位置に自動で回動することができる。本構成によれば付勢部材等を用いなくても良いので、より低コストで突出位置まで自動回動できる。
【0089】
以上のように第1把持部38(538)、第2把持部39(539)を自動で突出位置に回動可能な構成としたので、使用者は第1把持部38(538)、第2把持部39(539)を把持しやすい。
【0090】
しかし、多少の取扱い性を犠牲にすれば、自動で回動しなくても、使用者が第1把持部38、第2把持部39を退避位置から突出位置に自身の手で回動させてもよい。
【0091】
(把持部の退避位置への移動構成)
カバー10を閉める際の把持部の動作に関し説明する。
【0092】
図10(b)は第1把持部38、第2把持部39が突出位置にある時の側面断面図である。この状態で使用者はカートリッジ33の着脱作業を行う。
【0093】
この時、カバー10が開いた状態でカートリッジの長手方向から見た際の第1把持部38、第2把持部39の突出量は、装置本体の外装部100Cよりも外側に突出している。そのため、使用者は装置本体の内部まで手を挿入しなくともカートリッジ33の装着動作を行うことができる。また、上述したねじりコイルバネ(付勢部材)52等を用いれば、使用者は装置本体の内部まで手を挿入しなくともカートリッジ33の取り外し動作を行うことができる。第1把持部38、第2把持部39は上述のように退避位置に回動可能な構成となっているので、装置本体の外装部100Cよりも外側に突出していても構わない。
【0094】
カートリッジ33の装着作業が終了すると、使用者はカバー10を閉じる。
図18はカバー10を閉じている様子を示す図で、まだ完全には閉じていない。
【0095】
図18に示すように、カバー10は第1把持部38、第2把持部39に当接し、第1把持部38、第2把持部39を回動軸38a,39a周りに回転させていく。第1把持部38、第2把持部39の先端部には閉じるカバー10に当接して力を受ける力受け部、すなわちカバー10から受けた力によりそれぞれの把持部38,39を突出位置から退避位置に回動させる力を受ける力受け部38f,39f(
図19(a))が設けられている。これにより、第1把持部38、第2把持部39は、カバー10のヒンジ軸10aに近いカートリッジから順に突出位置から退避位置に回動していく。本実施形態の場合にはカートリッジ33K→33C→33M→33Yの順に回動を開始し、突出位置から退避位置に回動していく。ここでカバー10の回転軸(軸)L4(
図19(b))と、回動軸38a,39aの軸線L7を同一平面に投影した場合に、回転軸(軸)L4と、回動軸38a,39aの軸線L7とは、交差する関係となっている。
【0096】
図19(a)は
図18を上面より見た図であり、
図19(b)は斜視図である。カバー10の両端部にはカバー10の平面部10eに対して傾斜した斜面10f,10gが設けられている。この斜面10f,10gは、カバー10がカートリッジ着脱開口を閉じるときに前記把持部の先端部に当接して把持部を折り畳む力を付与する力付与部として機能する。すなわち、斜面10f,10gが第1把持部38、第2把持部39に当接することで、回動軸38a,39a周りの力を発生させて回動する。ここで、斜面10f,10gは力付与部として機能し、斜面10f,10gにより力を受ける第1把持部38、第2把持部39の先端部は力受け部38f,39fとして機能する。つまり、前述のようにカバー10の回転軸(軸)L4と回動軸38a,39aが直交する関係であっても、斜面10f,10gを設けることで、回動軸38a,39a周りのモーメントを発生させることができる。従って第1把持部38、第2把持部39を長手方向に折り畳まれるように回動させることができる。使用者はカバー10を閉める動作で、第1把持部38、第2把持部39を突出位置から退避位置に回動できるので、従来技術に比べ取扱い性に優れている。
【0097】
更にカバー10の回動を進めていくと、斜面10f,10gを通過し、カバー10の平面部10eで第1把持部38、第2把持部39に力を付与していく。しかしこの時には力受け部38f,39fは、回動軸38a,39aに対してカートリッジ33の長手方向でずれた位置にあるので、斜面でなくても回動できる。
【0098】
図12(a)に示すように、力受け部38f,39fの位置は、回動軸38a,39aに対して初めからカートリッジ33の長手方向内側にずらしてある(ΔZ)。この場合、先ほどのようにカバー10に斜面を設けなくとも平面部10eのみで、第1把持部38、第2把持部39を回動させることができる。つまり、カバー10の平面部10eにより力を付与された際に、力受け部38f,39fには矢印Z3方向の力が働く。矢印Z3は回動軸38a,39aに対して長手方向でΔZだけずれているので、回動軸38a,39a周りのモーメントM1、M2を発生させる。結果として矢印Z3は第1把持部38、第2把持部39を退避位置方向へ回転させる力となる。つまり、カバー10の回転軸(軸)L4と回動軸38a,39aが直交する関係であっても、力受け部をカートリッジの長手方向(L4方向と同方向)にずらすことで、第1把持部38、第2把持部39を長手方向に折り畳まれるように回動させることができる。
【0099】
更に先ほどのようにカバー10に斜面10f,10gを設けてもよく、より確実に第1把持部38、第2把持部39を退避位置に回動できる。
【0100】
図20は、突出位置における第1把持部638、第2把持部639が、カートリッジ633(側壁633g)の長手方向と90°未満で交差する(側壁633gと把持部の角度α)方向に延びている。第1把持部638、第2把持部639に設けられた規制部638d,639dを調整し、突出位置において長手方向と90°未満となるようにしてある。従って、力受け部638f,639fの位置を、回動軸638a,639aに対してカートリッジ633の長手方向でずらすこととなり、上記と同様にカバー10に斜面を設けなくとも平面部10eのみで回動させることができる。一方、先ほどのようにカバー10に斜面10f,10gを設けてもよく、より確実に第1把持部638、第2把持部639を退避位置に回動できる。
【0101】
以上のように、カバー10の回転軸(軸)L4と回動軸38a,39aが直交する関係であっても、第1把持部38(638)、第2把持部39(639)は、力受け部38f(638f)、39f(639f)で力を受けることにより回動軸38a,39a周りに回転し、突出位置から退避位置に回動する。
【0102】
また、退避位置に回動した第1把持部38、第2把持部39は、複数の露光窓10h1〜10h4の間にある退避部40に位置している(
図1(b))。退避部40は、矢印X1方向において、各露光窓10h1〜10h4の間に位置する部分である。更にX1方向と直交する矢印Z1方向において、側壁33g(
図5参照)とスキャナユニット11との間に位置する部分である。従ってスキャナユニット11から出射されたレーザーL(LY、LM、LC、LK)が退避位置に位置する第1把持部38、第2把持部39に遮られることがない。つまり第1把持部38、第2把持部39を側壁33gの長手方向に回動する構成、言い換えるとドラム32aの回転軸線方向(或は露光装置の主走査方向)に回動する構成としたことで上記効果を達成できた。本実施形態では第1把持部38、第2把持部39が各露光窓10h1〜10h4と矢印X1方向で重ならないようにしているが、レーザーを遮らなければ多少露光窓10h1〜10h4に侵入していても構わない。
【0103】
尚、本実施形態では露光窓10h1〜10h4はカバー10に設けられた穴としたが、スキャナユニット11内への粉塵(トナー等)の侵入を防止するための防塵ガラスを、前記穴を塞ぐように設けても良い。或は露光窓10h1〜10h4を画像形成時には開放し、カバー10を開放した際には閉じるような露光シャッタを設けても良い。これらを行うことにより、スキャナユニット11内への粉塵の侵入をより防ぐことができる。
【0104】
このように、第1把持部38、第2把持部39を、退避位置において退避部40に位置させるように構成したことで、各把持部の突出位置における突出量を大きく取ることができた上に、スキャナユニット11からの露光を遮ることもない。つまり画像形成に弊害を及ぼすことなく、使用者のカートリッジ取扱い性を向上させることができる。
【0105】
本実施形態では転写体として、ドラム32aから記録媒体Sに間接的に転写するための中間転写体34を例にとって説明した。しかし、直接ドラム32aから記録媒体Sに転写する方式でもよい。この際、転写体34は記録媒体S上にドラム32a上の現像像を直接転写する役目を果たす。また、本実施形態では、画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着するユニットとして、分離型のプロセスカートリッジにおける現像カートリッジ33である構成を示した。それ以外にも、画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着するユニットであれば本願発明は適用可能である。例えば、感光ユニット32と現像カートリッジ33を一体として交換する一体型のプロセスカートリッジとする構成も可である。