特許第5825805号(P5825805)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5825805
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20151112BHJP
【FI】
   G03G15/08 322A
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2011-45110(P2011-45110)
(22)【出願日】2011年3月2日
(65)【公開番号】特開2012-181422(P2012-181422A)
(43)【公開日】2012年9月20日
【審査請求日】2014年3月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066061
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(74)【代理人】
【識別番号】100143340
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 美良
(72)【発明者】
【氏名】石田 功
(72)【発明者】
【氏名】土谷 利一
(72)【発明者】
【氏名】門出 昌文
(72)【発明者】
【氏名】花本 英俊
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−132036(JP,A)
【文献】 特開平05−046026(JP,A)
【文献】 特開2008−164676(JP,A)
【文献】 特開平04−330471(JP,A)
【文献】 特開平07−261537(JP,A)
【文献】 特開平03−236076(JP,A)
【文献】 特開平09−160367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像ユニット内の現像剤を攪拌する動作に伴い回転する第一検知部材と、
前記第一検知部材の回転軸に前記第一検知部材と所定の角度をなすように設けられた第二検知部材と、
前記第一検知部材及び前記第二検知部材の回転方向の周上であって前記現像ユニットの壁面に設けられ、前記第一検知部材又は前記第二検知部材が及ぼす圧力を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知した圧力に基づき現像剤の量を判断する判断手段と、
を備え、
前記判断手段は、前記検知手段が検知した前記第一検知部材による圧力と前記検知手段が検知した前記第二検知部材による圧力との差に基づき現像剤の量を判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段は、判断した現像剤の量に応じて、前記検知手段の感度を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検知手段は、圧力に応じて抵抗値が変化する感圧素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像ユニットの温度を検知する温度検知手段を備え、
前記温度検知手段は、前記検知手段と並列に接続され、
前記判断手段は、前記検知手段が前記第一検知部材及び前記第二検知部材のいずれも検知していないタイミングで前記温度検知手段により温度を検知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第一検知部材及び前記第二検知部材は、可撓性を有し、
前記第二検知部材は、前記第一検知部材に比べて撓み量が大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第二検知部材は、可撓性を有し、
前記第一検知部材は、前記第二検知部材に比べて剛性が高いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第一検知部材は、前記現像ユニット内の現像剤を攪拌する動作を行う攪拌部材であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
現像ユニット内において回転軸を中心に回転し、前記現像ユニット内に収容される現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記回転軸に前記撹拌部材と第一の角度をなすように設けられ、前記撹拌部材の回転に伴い回転する第一検知部材と、
前記回転軸に前記第一検知部材と第二の角度をなすように設けられ、前記撹拌部材の回転に伴い回転する第二検知部材と、
前記第一検知部材及び前記第二検知部材の回転方向の周上であって前記現像ユニットの壁面に設けられ、前記第一検知部材又は前記第二検知部材が及ぼす圧力を検知する検知手段と、
記撹拌部材で前記現像剤を撹拌した後、前記検知手段が前記第一検知部材による圧力を検知した時間と前記検知手段が前記第二検知部材による圧力を検知した時間との差に基づき現像剤の量を判断する判断手段と、
前記現像ユニットの温度を検知する温度検知手段と、
を備え、
前記温度検知手段は、前記検知手段と並列に接続され、
前記判断手段は、前記検知手段が前記第一検知部材及び前記第二検知部材のいずれも検知していないタイミングで前記温度検知手段により温度を検知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記検知手段は、圧力に応じて抵抗値が変化する感圧素子であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記検知手段は、圧力に応じてオン・オフするスイッチ素子であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第一検知部材及び前記第二検知部材は、可撓性を有し、
前記第二検知部材は、前記第一検知部材に比べて撓み量が大きいことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第二検知部材は、可撓性を有し、
前記第一検知部材は、前記第二検知部材に比べて剛性が高いことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置における現像剤であるトナーの残量検知に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、現像ユニット内のトナーの量を検知する装置には、透磁率センサを用いたものがある。透磁率センサを用いたトナーの量を検知する装置の一例として、例えば特許文献1がある。特許文献1では、トナーの攪拌により回転方向後側に変形する可撓性のある第1の攪拌羽根と、第1の攪拌羽根の回転方向後側に配置された剛性のある第2の攪拌羽根と、現像ユニットの底部外側に配置された透磁率センサを用いたトナー量検知装置が開示されている。この装置は、それぞれの攪拌羽根に配置されている金属材料の回転動作の状態を現像ユニットの底部外側に配置された透磁率センサで検知している。また、この装置は、現像ユニット内のトナー量が多い場合は第1の攪拌羽根と第2の攪拌羽根が一体的に回転動作を行い、現像ユニット内のトナー量が少ない場合は第1の攪拌羽根と第2の攪拌羽根が変形することなく分離して回転動作を行うように構成されている。このとき、透磁率センサを用いて検知すると、回転軸の1回転あたりの透磁率の変化は、現像ユニット内のトナーの量が多い場合は1回、現像ユニット内のトナーの量が少ない場合は2回検知する。トナー量検知装置は、この検知回数の変化に基づいて、現像ユニット内のトナーの量の検知を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−132036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1では以下のような課題を含んでいる。トナーの量が多い場合、第1と第2の攪拌羽根が一体的に回転動作を行うため、透磁率センサで検知される信号は、回転軸の1回転当たり1回の透磁率の変化となる。一方、トナーの量が少ない場合、第1の攪拌羽根はほとんど変形せず、第1と第2の攪拌羽根は一体的に回転動作を行うことがない。このとき、透磁率センサで検知される信号は、回転軸の1回転あたり2回の透磁率の変化となる。このように、透磁率センサが検知した磁界変化の回数(1回又は2回)によって、トナーの量の多少又は有無の択一的な検知を行っている。このため、トナーの量の変化を逐次検知することは困難である。
【0005】
本発明はこのような状況のもとでなされたもので、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を有する。
【0008】
(1)現像ユニット内の現像剤を攪拌する動作に伴い回転する第一検知部材と、前記第一検知部材の回転軸に前記第一検知部材と所定の角度をなすように設けられた第二検知部材と、前記第一検知部材及び前記第二検知部材の回転方向の周上であって前記現像ユニットの壁面に設けられ、前記第一検知部材又は前記第二検知部材が及ぼす圧力を検知する検知手段と、前記検知手段により検知した圧力に基づき現像剤の量を判断する判断手段と、を備え、前記判断手段は、前記検知手段が検知した前記第一検知部材による圧力と前記検知手段が検知した前記第二検知部材による圧力との差に基づき現像剤の量を判断することを特徴とする画像形成装置。
(2)現像ユニット内において回転軸を中心に回転し、前記現像ユニット内に収容される現像剤を撹拌する撹拌部材と、前記回転軸に前記撹拌部材と第一の角度をなすように設けられ、前記撹拌部材の回転に伴い回転する第一検知部材と、前記回転軸に前記第一検知部材と第二の角度をなすように設けられ、前記撹拌部材の回転に伴い回転する第二検知部材と、前記第一検知部材及び前記第二検知部材の回転方向の周上であって前記現像ユニットの壁面に設けられ、前記第一検知部材又は前記第二検知部材が及ぼす圧力を検知する検知手段と、記撹拌部材で前記現像剤を撹拌した後、前記検知手段が前記第一検知部材による圧力を検知した時間と前記検知手段が前記第二検知部材による圧力を検知した時間との差に基づき現像剤の量を判断する判断手段と、前記現像ユニットの温度を検知する温度検知手段と、を備え、前記温度検知手段は、前記検知手段と並列に接続され、前記判断手段は、前記検知手段が前記第一検知部材及び前記第二検知部材のいずれも検知していないタイミングで前記温度検知手段により温度を検知することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1、3、5、6のカラー画像形成装置の構成を示す断面図
図2】実施例1、3、5、6の現像ユニットの断面図及び検知マイラの回転動作状態を示す図
図3】実施例1〜5の感圧抵抗センサの断面図
図4】実施例1〜4の感圧抵抗センサの抵抗値の変化を検知する回路図
図5】実施例1、2、6の特性グラフ及び波形及びテーブルT
図6】実施例1、2、6のトナー残量判断処理を説明するフローチャート
図7】実施例2、4の現像ユニットの断面図
図8】実施例3、4の特性グラフ及び波形及びテーブルN
図9】実施例3〜5のトナー残量判断処理を説明するフローチャート
図10】実施例5の感圧抵抗センサの抵抗値の変化を検知する回路図、特性グラフ及びテーブルX
図11】実施例5のトナー残量に応じて感度を切り換える処理を説明するフローチャート
図12】実施例6のシートスイッチの抵抗値の変化を検知する回路図
図13】実施例6の特性グラフ及び波形及びテーブルQ
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施例で説明されている特長の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【実施例1】
【0012】
[カラーレーザプリンタの構成]
図1は本実施例の構成であるカラーレーザプリンタの構成図である。図1に示すカラーレーザプリンタ(以下、本体と称す)は、本体101に対して着脱自在なプロセスカートリッジ5Y、5M、5C、5Kを備えている。これら4個のプロセスカートリッジ5Y、5M、5C、5Kは、同一構造であるものの、異なる色、すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像剤(以下、トナーという)による画像を形成する点で相違している。以下、特定の色の説明をする場合を除きY、M、C、Kの符号を省略する。プロセスカートリッジ5は、現像ユニットと画像形成ユニットと廃トナーユニットの3つの構成で成り立つ。現像ユニットは、現像ローラ3、トナー補給ローラ12、トナー容器23を有している。トナー容器23の詳細は後述する。また、画像形成ユニットは、像担持体である感光ドラム1、帯電ローラ2を有している。廃トナーユニットは、ドラムクリーニングブレード4、廃トナー回収容器24を有している。
【0013】
プロセスカートリッジ5の下方にはレーザユニット7が配置され、画像信号に基づく露光を感光ドラム1に対して行う。感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の負極性の電位に帯電された後、レーザユニット7によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ3によって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Kのトナー像が形成される。中間転写ベルトユニットは、中間転写ベルト8、駆動ローラ9、二次転写対向ローラ10から構成されている。また、各感光ドラム1に対向して、中間転写ベルト8の内側に一次転写ローラ6が配設されており、バイアス印加手段(不図示)により転写バイアスが一次転写ローラ6に印加される。
【0014】
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、各感光ドラム1の矢印方向に回転し、中間転写ベルト8は矢印F方向に回転する。更にバイアス印加装置(不図示)により一次転写ローラ6に正極性のバイアスを印加することにより、感光ドラム1Y上のトナー像から順次、中間転写ベルト8上に一次転写され、4色のトナー像が重なった状態で二次転写ローラ11まで搬送される。給搬送装置は、転写材Pを収納する給紙カセット13内から転写材Pを給紙する給紙ローラ14と、給紙された転写材Pを搬送する搬送ローラ対15とを有している。そして、給搬送装置から搬送された転写材Pはレジストローラ対16によって二次転写ローラ11に搬送される。
【0015】
中間転写ベルト8から転写材Pへのトナー像の転写は、二次転写ローラ11に正極性のバイアスを印加することにより、中間転写ベルト8上の4色のトナー像が搬送された転写材Pに二次転写される。トナー像転写後の転写材Pは、定着装置17に搬送され、定着フィルム18と加圧ローラ19とによって加熱、加圧されて表面にトナー像が定着される。定着された転写材Pは排紙ローラ対20によって排出される。
【0016】
一方、トナー像転写後に、感光ドラム1表面に残ったトナーは、クリーニングブレード4によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー回収容器24に回収される。また、転写材Pへの二次転写後に中間転写ベルト8上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニングブレード21によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー回収容器22に回収される。
【0017】
また、制御基板80は本体101の制御を行うための電気回路が搭載されている。制御基板80には1チップマイクロコンピュータ(以後CPUと記す)40、及びテーブルのデータ等が記憶されるRAM、ROM等の記憶部が搭載されている。CPU40は転写材Pの搬送に関る駆動源(不図示)やプロセスカートリッジ5の駆動源(不図示)の制御、画像形成に関する制御、さらには故障検知に関する制御など、本体101の動作を一括して制御する。ビデオコントローラ42は、画像データからレーザユニット7内のレーザの発光を制御する。ビデオコントローラ42は、不図示のコントロールパネルを介してユーザとのインターフェイスも行う。このコントロールパネルには、各色のトナー残量が棒グラフ状に表示される。
【0018】
[現像ユニット]
図2(a)は、プロセスカートリッジ5を構成する現像ユニットの断面図である。図2(a)で示す現像ユニットは、以下の構成を備える。現像ユニットは、トナー容器23に各色に対応したトナー28と、トナー容器23内のトナー28を攪拌する攪拌マイラ34とを有する。攪拌マイラ34は、トナー容器23内を矢印に図示する回転方向に周回回転できるように、回転軸29に備えられている。回転軸29は現像ユニットの不図示の両側面に回転自在に支持されている。回転軸29には、トナー残量を検知するための、可撓性を有する検知マイラ351(第一検知部材)、352(第二検知部材)を夫々備えており、攪拌マイラ34がトナーを攪拌する動作に伴い回転する。検知マイラ352は、検知マイラ351の回転軸29に、検知マイラ351と所定の角度をなすように設けられる。所定の角度は、検知マイラ351と検知マイラ352を感圧抵抗センサ301で検知した時間差と、検知マイラ352と検知マイラ351を感圧抵抗センサ301で検知した時間差とのそれぞれの時間差に、差ができるような角度であればよい。詳細は図7のS102〜S105で説明する。また、検知マイラ351と検知マイラ352が接触しない角度であればよい。本実施例では、検知マイラ352は、検知マイラ351の回転方向90度後ろ側に配置され、検知マイラ351より柔らかい部材である。さらに、トナー容器23内のトナー残量を検知する感圧抵抗センサ301を、検知マイラ351、352の回転方向の周上であって現像ユニットの壁面(本実施例では内壁面)に備える。
【0019】
尚、回転軸29を円の中心とした場合の半径方向の長さ(以下、単に半径方向の長さという)について、本実施例では、検知マイラ352は検知マイラ351よりも長い構成とする。検知マイラ351の半径方向の長さは、感圧抵抗センサ301に接触する程度の長さに設定し、一方検知マイラ352の半径方向の長さは、プロセスカートリッジ5の壁面に接触する長さに設定する。但し、検知マイラ351と検知マイラ352は、トナーの攪拌中に夫々のマイラ間で接触しない長さに設定する。攪拌マイラ34は、プロセスカートリッジ5内のトナーを十分に攪拌し、かつ感圧抵抗センサ301への影響を少なくするように設定し、例えば図2(a)のようにプロセスカートリッジ5の壁面や感圧抵抗センサ301に接触しない長さに設定する。
【0020】
また、攪拌マイラ34と検知マイラ351は、図2(a)では約180°の角度で配置されており、攪拌マイラ34によるトナーの攪拌後、トナーの状態がある程度安定してから検知マイラ351により圧力の検知を行うような構成である。すなわち、攪拌マイラ34によるトナーの攪拌後にトナーがある程度安定した状態で検知マイラ351により圧力の検知が行える配置であればよく、角度を180°に限定するものではない。
【0021】
[感圧抵抗センサ]
本実施例ではIEE社の感圧抵抗センサ(CP1642)(感圧素子)を用いている。図3は、本実施例の感圧抵抗センサ301の断面図である。シート305及びシート306は、シート状の部材である。スペーサ307は、シート305とシート306との間の周囲に空間(ギャップ)を形成する。導電性インク308は、シート305の下面にある。電極パターン309は、シート306上に形成されている。シート305の上面が検知面である。検知面が押されると、シート305の上面が変形し、その下の電極パターン309と接触する。図3(a)は、感圧抵抗センサ301の検知面に圧力を与えていない様子を示す。どの電極パターンも導電性インク308と接触していない。図3(b)は、感圧抵抗センサ301の検知面に小さい圧力を与えている様子を示す。中央の1箇所の電極パターンが導電性インク308と接触している。一方で図3(c)は、感圧抵抗センサ301の検知面に大きい圧力を与えている様子を示す。3箇所の電極パターンが導電性インク308と接触している。さらに電極パターン309の長手方向(図の紙面に垂直な方向)にも接触面積が増える。このような構成で、感圧抵抗センサ301は、圧力の大きさと抵抗値が反比例の特性を示す。
【0022】
また、感圧抵抗センサ301は、検知面と不図示の電線が一体構成となっている。この検知面は、トナー容器23の内部に、シート305がトナー容器の内部側になるように接着固定されている。電線は現像ユニットの外部に出ており、電線の取り出し口は密封されている。そして、不図示の2つの電極で本体101と接続している。この電極は、プロセスカートリッジ5を本体101へ装着した際に接触する。
【0023】
[検知マイラの回転動作]
検知マイラ351、352は、汎用のマイラフィルムを使用している。本実施例では、検知マイラ351と352の厚さを、例えば、夫々150μm、75μmとする。本実施例では、検知マイラ351と検知マイラ352の厚さを変えることで撓み量の差を実現している。しかし、この構成に限定するものではなく、例えば同じ厚さでも異なる材質で撓み量の差を実現してもよく、その他、検知マイラ351と検知マイラ352とで撓み量に差が生じる構成であればよい。このように検知マイラ351、352の厚みや材質は、検知マイラ351、352の撓み量を設定するためのパラメータであり、例えば厚み及び材質の両方を適宜設定することにより撓み量の設定の自由度を高くすることができる。
【0024】
図2(b)〜(e)は、検知マイラ351、352の回転動作を行った状態の現像ユニットの断面図である。検知マイラ351、352が回転動作を行うと、図2に示すように夫々撓みながら回転動作を行う。トナー残量が多いときは、検知マイラ351の撓み量に比べ、検知マイラ352の撓み量は大きく、回転方向の後ろ側へ大きく変形する。図2(c)〜(e)では、検知マイラ352の撓み量がない場合を点線で示し、検知マイラ352が回転方向の後ろ側へ大きく撓んでいる様子を示す。この状態において、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面を通過する時間から検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面を通過する時間までは長い。一方で、トナー残量が少なくなると、検知マイラ351の撓み量の減少量(トナーが多いときの撓み量からの減少量)に比べ、検知マイラ352の撓み量の減少量が大きい。その結果として、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面を通過する時間から検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面を通過する時間までは短くなる。感圧抵抗センサ301の検知面を通過する時間とは、夫々の検知マイラ351、352が感圧抵抗センサ301に一定以上の圧力を及ぼし始める時間である。本実施例では、この原理を使って、トナー残量を検知する。
【0025】
検知マイラ351、352の軸方向(長手方向)の長さは、少なくとも感圧抵抗センサ301の検知面上で検知面の長手方向の長さを備えれば良いため、軸方向すべての領域分の長さを備えても良い。また、検知マイラ352は、検知マイラ351の回転方向90度後ろ側に配置され、検知マイラ351より柔らかい部材であるとしたものの、この配置又は材質や厚みに限定されるものではない。尚、検知マイラ351、352はトナーを介して又は直接現像ユニットの内壁に圧力を及ぼす。
【0026】
[抵抗値の変化を検知する回路]
図4は、感圧抵抗センサ301の抵抗値の変化を検知する回路図である。図3で説明したように、感圧抵抗センサ301の抵抗値は、圧力の変化に応じて変化する。制御基板80のCPU40のA/Dポートには、DC 3.3Vの電源電圧を感圧抵抗センサ301と固定抵抗37で分圧した電圧が入力される。
【0027】
[トナー残量の検知特性]
図5を用いて本実施例におけるトナー残量の検知特性を説明する。図5(a)は、トナー残量(%)と感圧抵抗センサ301で検知した検知マイラ351と352の時間差の特性グラフであり、トナー残量[%]が多いほど時間差が大きいことを示す。図5(b)は、トナー残量が40%のときのCPU40のA/Dポートに入力される電圧[V]の波形データである。検知マイラ351(検知開始:0msec)と検知マイラ352(検知開始:320msec)の時間差が320msecであることがわかる。図5(c)は、時間差[msec]とトナー残量[%]とを対応付けたテーブルTである。テーブルTの各数値の間のトナー残量は、既知の線形補間を行い算出する。ここで、算出された時間は、本実施例における値であるため、条件が変われば算出される時間も変わる。トナー残量を判断するテーブルTの数値も同様である。尚、テーブルTは制御基板80の例えば不図示のROMに予め記憶しておく(以降の実施例においても同様とする)。
【0028】
[トナー残量の検知処理]
本実施例のトナー残量を検知するシーケンスを図6のフローチャートを用いて説明する。以降の実施例におけるフローチャートも同様に、これらのフローの処理は、CPU40により行われる。しかしながら、これに限定されず、例えば特性用途向けの集積回路(ASIC)が画像形成装置に実装されている場合には、それにいずれかのステップの機能を持たせても良い。
【0029】
ステップ(以降Sとする)101でCPU40は、検知マイラ351、352の回転動作を開始させる。本実施例では、例えば1回転の時間を1secとする。S102からS105でCPU40は、2つの検知マイラのうち、検知マイラ351を検知する。これはトナー残量を判断するテーブルTが、検知マイラ351を検知した時間から検知マイラ352を検知した時間までの時間差に基づいているためである。検知マイラ351を必ず検知するために次の方法で検知する。すなわち、検知マイラの1周期のうち、1つ目の立ち下がり閾値を検知した時間から2つ目の立ち下がり閾値を検知した時間までの時間差と、2つ目の立ち下がり閾値を検知した時間から3つ目の立ち下がり閾値を検知した時間までの時間差とを比較する。本実施例の構成では、検知マイラ352は、検知マイラ351の回転方向90度後ろ側に配置されている。このため、上述の2つの時間差のうち時間差が長い方が検知マイラ352を検知した時間から検知マイラ351を検知した時間までの時間差に相当する。したがって不図示のタイマを用いて、立ち下がり閾値間の時間差を計測し、計測した時間差が所望の時間差であるか比較することで、時間差が短い方の、1つ目の立ち下がり閾値を検知した方を検知マイラ351として検知することができる。
【0030】
S102でCPU40は、タイマAをリセットする。S103でCPU40は、CPU40のA/Dポートの入力電圧をモニタし始める(図4参照)。このとき、CPU40は同時にタイマAをスタートさせて、時間を計測し始める。S104でCPU40は、A/Dポートの入力電圧値は立ち下がり閾値未満か否かを判断する。すなわち、CPU40は、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面に圧力を及ぼし始めるタイミングを検知する。本実施例では、モニタしている電圧の信号波形の立ち下がり閾値を2.0Vとしている。CPU40は、A/Dポートに入力される入力電圧値が、立ち下がり閾値(=2.0V)を下回ったタイミングを検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面上に達したこととしている。また、CPU40は、S104でA/Dポートの入力電圧値が立ち下がり閾値未満であると判断した場合、タイマAをストップさせる。S104でCPU40は、A/Dポートの入力電圧値が立ち下がり閾値を下回らない場合は、入力電圧のモニタを続ける。
【0031】
S105でCPU40は、S103で検知したタイミングが検知マイラ351であるかを判断する。ここでCPU40は、計測されたタイマAの値が予め決められた範囲(特定の範囲)に入っているかを判断する。本実施例では、予め決められた範囲を500msec以上800msec以下とした。タイマAの値が500msec以下となった場合、感圧抵抗センサ301で検知したものが、検知マイラ351なのか検知マイラ352なのかが判断できない。予め決められた範囲とは、検知マイラ351から検知マイラ352までの配置距離を1回転の回転速度で割った値以上にし、また、1回転の時間より小さい値以下にする必要がある。タイマAの値が予め決められた範囲内であれば、CPU40は検知マイラ351を検知したと判断する。一方、タイマAの値が予め決められた範囲外であれば、CPU40は検知マイラ351を検知できなかったと判断する。その後、S102に戻り、CPU40はタイマAをリセットし、もう一度検知マイラ351を検知するために、A/Dポートの入力電圧をモニタし始める。
【0032】
S105でCPU40はタイマAの値が特定の範囲であると判断すると、S106からS108では、検知マイラ351の通過を検知する。S106でCPU40は、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めたタイミングからタイマBをスタートさせて、時間を計測し始める。S107でCPU40は、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面に圧力を及ぼし終わったタイミングを検知する。本実施例では、CPU40がモニタしている入力電圧の信号波形の立ち上がり閾値を2.3Vとしている。この立ち上がり閾値(=2.3V)以上となったタイミングを検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面上を通過したこととしている。立ち上がり閾値以上とならない場合は、CPU40は入力電圧のモニタを続ける。ここで立ち下がりの閾値を2.0Vとして、立ち上がりの閾値を2.3Vとした理由は、ヒステリシスを持たせ、ノイズによる誤動作を防止するためである。
【0033】
S107でCPU40はA/Dポートの入力電圧値が立ち上がり閾値以上であると判断すると、S108で、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面上を通過したことを検知する。この後、CPU40は、S109からS110で、検知マイラ352を検知し始める。S109でCPU40は、検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面に圧力を及ぼし始めるタイミングを検知する。本実施例では、CPU40がモニタしている入力電圧の信号波形の立ち下がり閾値を2.0Vとしている。この立ち下がり閾値(=2.0V)を下回ったタイミングを検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面上に達したこととしている。また、このときCPU40はタイマBをストップさせる。S109でCPU40は入力電圧値が立ち下がり閾値を下回らない場合は、入力電圧のモニタを続ける。S110でCPU40は、検知マイラ352が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めたタイミングでタイマBをストップする。S111でCPU40は、タイマBの値を読み込む。S112でCPU40は、タイマBの値とテーブルTの値とを照合する。テーブルTとは、例えば図5(c)に示す時間差に対応したトナー残量が一対になっている表である。CPU40は、テーブルTの時間差とタイマBの値を照合して、トナー残量を判断する。上述した通りテーブルTにない時間差であった場合は、CPU40は、テーブルTの時間差の値に基づき例えば線形補間を行い、トナー残量を算出する。S113でCPU40は、S112で判断したトナー残量を本体101のビデオコントローラ42へ通知する。
【0034】
本実施例では、トナー残量の検知シーケンス内に検知マイラを回転動作させることを記載したが、画像形成動作中などで検知マイラが回転していれば、トナー残量を検知することができる。また、トナー残量を検知する前に、数回回転させて、検知マイラの回転状態が安定した状態からはじめても良い。さらに、1回の測定結果を基にトナー残量を算出したものの、複数回測定し、その平均値からトナー残量を判断することで、より精度を向上させることができる。ここで定義した立ち下がり閾値や立ち上がり閾値、タイマAの値は、本構成における1つの実施例である。これらの構成は、検知マイラ351、352の配置や検知マイラの回転速度、回路定数、感圧抵抗センサ301の出力などを総合的に考慮して決められるため、これに限定されるものではない。
【0035】
本実施例では、図6のS102からS105で、検知マイラ351を検知し、その後検知マイラ352を検知するシーケンスを示した。しかしながら、以下の方法でも代用することが可能である。CPU40は感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めたタイミングを3つ検知する。CPU40は1つ目のタイミングから2つ目のタイミングの時間差と2つ目のタイミングから3つ目のタイミングの時間差を算出する。本実施例では、2つの時間差のうち、値が小さい方が検知マイラ351から検知マイラ352の時間差と判断することができる。CPU40は、この時間差をテーブルTと照合し、トナー残量を判断する。これにより、シーケンスを簡単にすることができる。
【0036】
尚、本実施例によれば、CPU40のA/Dポートの入力電圧を検知した。しかしながら、コンパレータ等で電圧検知回路を構成することでデジタル化して、CPU40のデジタルポートで時間を検知しても良い。また、圧力を及ぼしている時間が検知できれば良いので、感圧抵抗センサ301の代わりにシートスイッチ(メンブレンスイッチ)(実施例6で説明)や汎用の圧力センサを使用しても良い。さらに、トナーを攪拌するための機能を検知マイラに持たせても良い。これにより、現像ユニット内の構成を簡略することが可能である。
【0037】
このように、本実施例では、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面を通過する時間から検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面を通過する時間までの時間差に基づきトナー残量を判断する。これにより、トナーが満載(トナー残量100%)から空(トナー残量0%)になるまで逐次トナー残量の検知を行うことができる。また、感圧抵抗センサ301を用いることで、検知回路を簡素化することができるとともに、反応速度が速いため、検知時間の高速化を図ることができる。さらに、検知マイラの撓みは、高速で回転していてもトナー残量に応じて安定しているため、画像形成動作と同時に行うことが可能である。
【0038】
本実施例では、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めた時間から検知マイラ352が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めた時間までの時間差に基づいてトナー残量を判断した。しかしながら、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし終わった時間から検知マイラ352が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし終わった時間に基づいてトナー残量を判断してもよい。または、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めた時間から検知マイラ352が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし終わった時間に基づいてトナー残量を判断してもよい。この結果として、検知マイラ352が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼしている時間幅も考慮することができるため、より高精度にトナー残量を検知することができる。
【0039】
以上本実施例によれば、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
【実施例2】
【0040】
実施例1では、検知マイラ351は可撓性を有しており、トナー28の抵抗によって撓み、CPU40は、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めた時間を検知している。本実施例では、検知マイラ351(攪拌部材)は、高い剛性を有し、トナー28を攪拌する機能も有する。本実施例のカラーレーザプリンタは、実施例1で説明した図1とプロセスカートリッジ5の構成を除き同一であるため説明を省略する。
【0041】
[プロセスカートリッジの構成]
図7を用いて本実施例の構成であるプロセスカートリッジについて説明する。図7は、本実施例のプロセスカートリッジの断面図である。尚、実施例1と同一の構成には同一の記号を付し詳しい説明は省略する。トナー容器23は各色に対応したトナー28を収納している。また、プロセスカートリッジ5は、トナー補給ローラ12へトナー28を供給する攪拌棒26を備える。攪拌棒26は、回転軸を中心として回転運動し、トナー28を攪拌する。別の回転軸には、トナー残量を検知するための検知マイラ351、352を夫々備える。検知マイラ351は、高い剛性を有し、トナー28の抵抗によらず、一定に回転動作を行うものであり、周方向先端に柔らかい部材を付属している。検知マイラ352は、検知マイラ351の回転方向90度後ろ側に配置され、可撓性を有し、柔らかい部材である。さらに、プロセスカートリッジ5は、トナー容器23内のトナー残量を検知する感圧抵抗センサ301を、検知マイラ351、352の周方向の現像ユニットの内壁面に備える。
【0042】
フローチャート及び検知特性は、実施例1と同様であるため説明を省略する。本実施例の検知マイラ351は、高い剛性を有しているため、トナー28の抵抗によらず、一定に回転する。そのため、トナー残量にかかわらず一定回転するため、感圧抵抗センサ301で検知される時間は、常に一定間隔となる。よって、検知マイラ351と352が感圧抵抗センサ301に一定以上の圧力を及ぼし始める夫々の時間の差を算出することで、検知マイラ352の撓み量をより正確に検知することができるため、より高精度にトナー残量を検知することができる。
【0043】
以上本実施例によれば、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
【実施例3】
【0044】
実施例1では、感圧抵抗センサ301が圧力を検知している時間差でトナー残量を検知しているのに対して、本実施例では、感圧抵抗センサ301が圧力に対応する抵抗値の変化を検知して、トナー残量を検知する。尚、実施例1で説明した図1図2図4の構成は、本実施例においても適用されるものとする。また、実施例1と同一の構成は、同一の記号を付して、詳しい説明は省略する。
【0045】
[トナー残量の検知特性]
図8を用いて本実施例におけるトナー残量の検知特性を説明する。図8(a)は、トナー残量(%)と感圧抵抗センサ301と固定抵抗37とで分圧される検知マイラ351と352の夫々の電圧の電圧差の特性グラフであり、トナー残量[%]が多いほど電圧差[V]が小さいことを示す。図8(b)は、トナー残量が40%のときの波形データである。検知マイラ351の検知開始後のCPU40のA/Dポートの入力電圧が0.4V、検知マイラ352の検知開始後の入力電圧が1.2Vであり、電圧差が0.8Vであることがわかる。図8(c)は、CPU40の不図示のROM等に格納される、電圧差[V]とトナー残量[%]とを対応付けたテーブルNである。テーブルNの数値の間のトナー残量は、既知の線形補間を行い算出する。ここで、算出された電圧値は、本実施例における値であるため、条件が変われば算出される電圧値も変わる。トナー残量を判断するテーブルNの数値も同様である。
【0046】
[トナー残量の検知処理]
本実施例のトナー残量を検知するシーケンスを図9のフローチャートを用いて説明する。S201〜S205の処理は図6のS101〜S105の処理と同じであるため説明を省略する。また検知マイラ351を必ず検知する方法も図6で説明した方法と同じであるため説明を省略する。S206からS209でCPU40は、検知マイラ351の通過を検知する。S206でCPU40は、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めたタイミングから電圧値のモニタをスタートさせる。S207でCPU40は、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面に及ぼしている圧力に応じた電圧値を複数回測定する。CPU40は、CPU40のA/Dポートでモニタをしている電圧値について、A/Dポートの測定間隔における変化率が0.1V以下となる状態の値を有効とし、この状態の電圧値の平均値Aを算出する。
【0047】
S208でCPU40は、A/Dポートの入力電圧値が立ち上がり閾値以上か否かを判断することにより、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面に圧力を及ぼし終わったタイミングを検知する。本実施例では、モニタしている電圧の信号波形の立ち上がり閾値を2.3Vとしている。CPU40のA/Dポートに入力される電圧値がこの立ち上がり閾値以上となったタイミングを検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面上を通過したこととしている。S208でCPU40は、A/Dポートの入力電圧値が立ち上がり閾値以上ではないと判断した場合は、S207の入力電圧のモニタを続け、平均値Aを算出する。ここで閾値の設定については実施例1と同様である。S209でCPU40は、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面上を通過したことを検知している。ここで、CPU40は検知マイラ351に対する電圧値のモニタを終了する。
【0048】
この後、CPU40は検知マイラ352についての電圧値を検知し始める。S210でCPU40は、A/Dポートの入力電圧値が立ち下がり閾値未満か否かを判断することにより、検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面に圧力を及ぼし始めるタイミングを検知する。本実施例では、モニタしている電圧の信号波形の立ち下がり閾値を2.0Vとしている。この立ち下がり閾値を下回ったタイミングを検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面上に達したこととしている。S210でCPU40はA/Dポートの入力電圧値が立ち下がり閾値未満とならないと判断した場合は、S210の処理を続ける。S211でCPU40は、検知マイラ352が感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めたタイミングで電圧値のモニタをスタートさせる。
【0049】
S212でCPU40は、検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面に及ぼしている圧力に応じた電圧値を複数回測定する。CPU40は、CPU40のA/Dポートでモニタをしている電圧値について、A/Dポートの測定間隔における変化率が0.1V以下となる状態の値を有効とし、この状態の電圧値の平均値Bを算出する。S213でCPU40は、A/Dポートの入力電圧値が立ち上がり閾値以上か否かを判断することにより、検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面に圧力を及ぼし終わったタイミングを検知する。本実施例では、モニタしている電圧の信号波形の立ち上がり閾値を2.3Vとしている。この立ち上がり閾値以上となったタイミングを検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面上を通過したこととしている。S213でCPU40は、A/Dポートの入力電圧値が立ち上がり閾値以上とならないと判断した場合は、S212で電圧のモニタを続け平均値Bを算出する。ここで閾値の設定については実施例1と同様である。
【0050】
S214でCPU40は、検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面上を通過したことを検知している。ここでCPU40は、検知マイラ352に対する電圧値のモニタを終了する。S215でCPU40は、S207で算出した入力電圧値の平均値AとS212で算出した入力電圧値の平均値Bから電圧差(B−A)を算出する。例えば図8(b)の例の場合、A=0.4V、B=1.2Vであり、B−A=1.2−0.4=0.8となる。S216でCPU40は、S215で算出した電圧差と図8(c)のテーブルNを照合し、トナー残量を判断する。例えば図8の例の場合、CPU40は、テーブルNからトナー残量を0.8Vに対応する40%と判断する。ここで、テーブルNの電圧差[V]に一致する値がない場合は、CPU40は、上述したように線形補間を行いトナー残量[%]を算出する。S217でCPU40は、S216で判断(又は線形補間により算出)したトナー残量を本体101のビデオコントローラ42へ通知する。
【0051】
本実施例では、S202からS205の処理で、検知マイラ351を検知し、その後検知マイラ352を検知するシーケンスを示した。しかし、以下の方法でも代用することが可能である。感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼし始めたタイミングを2つ検知する。1つ目のタイミングと2つ目のタイミングについて、夫々の状態における電圧値の平均値Aと平均値Bを算出する。平均値Aと平均値Bの差の絶対値を算出することによって、テーブルNと照合し、トナー残量を判断する。これにより、シーケンスを簡単にすることができる。これにより、先に検知マイラ352を検知したとしても、夫々の検知マイラの入力電圧値から算出した電圧差の絶対値を算出することで、テーブルNを用いてトナー残量を判断することができる。
【0052】
このように、本実施例では、検知マイラ351が感圧抵抗センサ301の検知面に対して及ぼしている圧力値と検知マイラ352が感圧抵抗センサ301の検知面に及ぼしている圧力値との差に基づいて、トナー残量を判断する。これにより、トナーが満載(トナー残量100%)から空(トナー残量0%)になるまで逐次トナー残量を検知することができる。また、感圧抵抗センサ301を用いることで、検知回路を簡素化することができるとともに、反応速度が速いため、検知時間の高速化を図ることができる。さらに、検知マイラの撓みは、高速で回転していてもトナー残量に応じて安定しているため、画像形成動作と同時に行うことが可能である。また、実施例1の検知制御でトナー残量の30%程度までを検知し、本実施例の検知制御でトナー残量の30%未満程度を検知するように制御を切り替えることもできる。これにより、夫々の単独制御よりも、トナー残量が0%から100%までのすべての領域において、より精度を向上することができる。
【0053】
以上本実施例によれば、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
【実施例4】
【0054】
実施例3では、検知マイラ351は可撓性を有しており、トナー28の抵抗によって撓み、感圧抵抗センサ301は検知マイラ351によって圧力を及ぼし始めた時間を検知している。本実施例では、検知マイラ351は、高い剛性を有し、トナー28を攪拌する機能も有する。本実施例では、実施例2で示した構成である図7を用い、トナー残量を検知するシーケンスは図9で説明した処理と同様である。フローチャート及び検知特性は、実施例3の図8図9と同様であり説明を省略する。本実施例の検知マイラ351は、高い剛性を有しているため、トナー28の抵抗によらず一定に回転する。そのため、トナー残量にかかわらず一定回転するため、感圧抵抗センサ301の検知面に対して及ぼしている圧力値は、一定となる。よって、検知マイラ351と352が感圧抵抗センサ301の検知面に対して及ぼしている夫々の圧力値の差を算出することで、検知マイラ352の撓みによる圧力の変化をより正確に検知することができ、より高精度にトナー残量を検知することができる。
【0055】
以上本実施例によれば、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
【実施例5】
【0056】
本実施例では、感圧抵抗センサ301が圧力に対応する抵抗値の変化を検知して、トナー残量を検知する。実施例3との違いは、トナー残量が少なくなったときに、より精度が上がるように分圧抵抗を切り替える制御を追加したことである。本実施例のカラーレーザプリンタ、プロセスカートリッジ5等については、実施例1で説明した図1図3、の構成を本実施例にも適用するものとする。また、実施例1と同一の構成は、同一の記号を付して、詳しい説明は省略する。トナー残量を検知するシーケンスは、図9で示したものを使用する。
【0057】
[抵抗値の変化を検知する回路]
図10(a)は、感圧抵抗センサ301の抵抗値の変化を検知する回路図である。CPU40のデジタル出力ポートであるDOポートからアナログスイッチ39をオン/オフする制御信号を出力する構成である。アナログスイッチ39は、オンすると固定抵抗38が固定抵抗37と並列接続され、感圧抵抗センサ301との分圧比が変わる。
【0058】
[トナー残量の検知特性]
図10(b)を用いて本実施例におけるトナー残量の検知特性を説明する。図10(b)の電圧差G1(実線)は、トナー残量(%)と、感圧抵抗センサ301と固定抵抗37とで分圧される検知マイラ351と352の夫々の電圧の電圧差の特性グラフである。また、電圧差G2(破線)は、トナー残量(%)と、感圧抵抗センサ301と、固定抵抗37と固定抵抗38の並列接続とで分圧される検知マイラ351と352の夫々の電圧の電圧差の特性グラフである。図10(b)に示すように、電圧差G2の場合は、トナー残量が少なくなると(例えば45%以下)、電圧差の変化がほとんど見られずこの範囲でのトナー残量の判断の精度が低下する。一方、電圧差G1の場合は、トナー残量が少なくなった範囲でも電圧差が変化するため、トナー残量の判断を精度よく行うことができる。このように電圧差G1とG2ではトナー残量を判断するための電圧差の変化量が異なる、いいかえれば感度が異なる。図10(c)は、テーブルXである。テーブルXの数値の間のトナー残量は、既知の線形補間を行い算出する。ここで、算出された電圧値は、本実施例における値であるため、条件が変われば算出される電圧値も変わる。トナー残量を判断するテーブルXの電圧差の値も同様である。
【0059】
本実施例では、CPU40は、トナー残量が多いときには、DOポートの出力信号をローレベルに設定する。このときのアナログスイッチ39はオン状態となり、固定抵抗38とA/Dポートとが接続される。プロセスカートリッジ5が新品でトナー残量が100%である状態からプリント枚数を重ねていくと、A/Dポートの入力電圧から得られる電圧差は、図10(c)の矢印Aの通りに推移する。次に、本実施例では、例えばトナー残量が45%となったときに、CPU40は、DOポートの出力信号をハイレベルに切り替える。アナログスイッチ39は、オフ状態となり、固定抵抗38とA/Dポートとが切り離される。そうすると、A/Dポートの入力電圧から得られる電圧差は、図10(c)の矢印Bの通りに推移する。このように、トナー残量が多い場合は、電圧差G2を算出し、電圧差G2に基づいてトナー残量を判断する。電圧差G2では、トナー残量が多いときの電圧差の変化量が大きいため、電圧差G1に基づいて判断するより高精度に判断することができる。一方、トナー残量が少ない場合は、感度を切り替えて電圧差G1を算出し、電圧差G1に基づいてトナー残量を判断する。電圧差G1では、トナー残量が少ないときの電圧差の変化量が大きいため、電圧差G2に基づいて判断するより高精度にトナー残量を判断することができる。
【0060】
[トナー残量の検知処理]
図11は、本実施例のフローチャートである。このシーケンスは、本体101に新品のプロセスカートリッジ5が挿入されてから、トナー残量を検知し、トナー残量がなし(0[%])と判断するまでのシーケンスを示す。本体101に新品のプロセスカートリッジ5が挿入されると、S301でCPU40は、トナー28が100%の状態であるので、アナログスイッチ39をオンする。上述した通りこの状態で固定抵抗37と固定抵抗38は並列接続され、CPU40は電圧差が電圧差G2であるとしトナー残量を判断することとなる。S302でCPU40は、アナログスイッチ39がオンした状態で、図9で説明したフローチャートでトナー残量検知シーケンスを実行する。但し、図9のS216の処理では図10(c)のテーブルXの電圧差G2を参照する。S303でCPU40は、S302のトナー残量検知シーケンスにおける図9のS216で判断したトナー残量が45%以下かどうかを判断する。S303でCPU40はトナー残量が45%以下ではない、すなわち45%より多いと判断した場合は、S305で検知したトナー残量をビデオコントローラ42へ報知して、S302の処理に戻る。
【0061】
S303でCPU40は、トナー残量が45%以下であると判断した場合、S304でDOポートの出力信号をハイレベルにしてアナログスイッチ39をオフする。その後の処理は、常にアナログスイッチ39をオフにした状態となる。上述した通りこの状態で固定抵抗38の接続は切断され、CPU40は電圧差が電圧差G1であるとしトナー残量を判断することとなる。S306でCPU40は、図9で説明したフローチャートでトナー残量検知シーケンスを実行する。但し、図9のS216の処理では図10(c)のテーブルXの電圧差G1を参照する。S307でCPU40はS306のトナー残量検知シーケンスにおける図9のS216で判断したトナー残量をビデオコントローラ42へ報知する。S308でCPU40は、S306で判断したトナー残量が0%であるかどうかを判断する。S308でCPU40は、トナー残量が0%でないと判断するとS306の処理に戻る。S308でCPU40は、トナー残量が0%であると判断すると処理を終了する。
【0062】
このように、トナー残量に応じて感度を切り替えることで、トナー残量の変化を高精度に検知することができるため、精度を向上することができる。また、実施例3、4の検知制御と組み合わせることが可能である。具体的には図11のS302、S306のトナー残量検知シーケンスを実施例3、4のトナー残量検知シーケンスとすることができるため、夫々の単独制御よりも、トナー残量が0%から100%までのすべての領域において、より精度を向上することができる。
【0063】
以上本実施例によれば、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
【実施例6】
【0064】
実施例1との違いは、実施例1では、感圧抵抗センサ301が圧力を検知している時間でトナー残量を検知しているのに対して、本実施例では、シートスイッチ311(スイッチ素子)が圧力を検知している時間差を検知してトナー残量を検知する点である。さらにシートスイッチ311が圧力を検知していないタイミングで、プロセスカートリッジ5の温度を検知する。プロセスカートリッジ5の温度データは、不図示の冷却ファンの制御等に使用する。この温度を検知する信号ラインとトナー残量を検知する信号ラインを共用することが特徴である。本実施例のカラーレーザプリンタ、プロセスカートリッジ等については、実施例1で説明した図1図2図6の構成を本実施例にも適用するものとし、説明を省略する。但し、感圧抵抗センサ301とシートスイッチ311は入れ替える。これらは、同形状であり、同じ位置に配置する。
【0065】
[シートスイッチの構成]
本実施例のシートスイッチ311は、2層の配線パターンを有し、各層の間の周囲にスペーサを用いて、空間(ギャップ)を形成しているものである。検知面の上面において、検知面が押されると、上面の配線パターン面が変形し、下面の配線パターンと接触するような構成である。このような構成で一定以上の圧力が検知面の上面にかかると、圧力の大小にかかわらず、抵抗値がほぼ0オームとなる。このように、シートスイッチ311は、圧力に応じてオン・オフする。
【0066】
[抵抗値の変化を検知する回路]
図12は、シートスイッチ311の抵抗値の変化を検知する回路図である。シートスイッチ311は、トナー容器23内のトナー残量を検知するためのものであり、サーミスタ41は、プロセスカートリッジ5の温度を検知するためのものである。CPU40のA/Dポートには、シートスイッチ311がオン状態では、サーミスタ41と固定抵抗37とで分圧された電圧が入力され、実施例1と同様に時間差からトナー残量を判断し、さらに本実施例ではCPUのA/Dポートの入力電圧から温度を検知する。
【0067】
[トナー残量の検知特性]
図13(a)は、CPU40のA/Dポートに入力されるサーミスタ41と固定抵抗37とで分圧されるA/Dポートの入力電圧と温度の特性グラフであり、温度[℃]が高いほどA/Dポートの入力電圧[V]が低くなることを示す。図13(b)は、カラーレーザプリンタのプリント中であって温度が25℃のときにCPU40のA/Dポートへ入力される電圧の波形である。図13(c)は、サーミスタ41と固定抵抗37とで分圧されるA/Dポートの入力電圧と温度の特性グラフを表にしたテーブルQである。テーブルQの数値の間のトナー残量は、既知の線形補間を行い算出する。図13(b)に示すように、検知マイラ351と検知マイラ352の検知開始時間の時間差は、350msecである。ここで、CPU40は、図5(c)のテーブルTを参照し、時間差350msecの場合のトナー残量が100%であると判断する。サーミスタ41の検知結果と温度の関係は、図13(c)のテーブルQを参照する。図13(b)の場合、シートスイッチ311がオフ状態でA/Dポートの入力電圧は2.42Vであるので、CPU40は、テーブルQからプロセスカートリッジ5の温度は25℃であると判断する。
【0068】
サーミスタ41の検知タイミングについて、各マイラが回転していない状態では、CPU40のA/Dポートの入力電圧がサーミスタ41の検知結果であるため、CPU40はこの値に基づいて温度を判断する。また、各マイラが回転している状態では、検知マイラ351又は検知マイラ352がシートスイッチ311に圧力を及ぼし終わったタイミングを検知した後の電圧値をモニタすることで、サーミスタ41の電圧値を検知することができる。但し、検知マイラ351、352の到達と通過を検知するための例えば図6のS104、S109やS107に用いる立ち上がり閾値及び立ち下がり閾値は、例えば、1.5Vと1.8Vのようにサーミスタ41の電圧出力範囲より小さくする必要がある。
【0069】
本実施例においても、実施例1と同様のトナー残量の検知精度が得られる。さらにプロセスカートリッジ5の温度を検知する信号ラインとシートスイッチ311の信号ラインを共通にできるので、夫々を別の信号ラインとする構成と比較した場合に以下の効果がある。まず、信号ラインの本数を2本削減することができるので、電線とコネクタが削減できる。また、CPUのA/Dポートも削減できる。よって、コストが安くできる。尚、本実施例では、温度検知手段としてサーミスタを用いた。本実施例で使用したサーミスタは、温度の上昇に対して抵抗が減少するタイプのものであるが、温度の上昇に対して抵抗が増大するタイプのサーミスタでも適用可能である。また、シートスイッチ311の代わりに感圧抵抗センサ301をサーミスタ41に並列接続する構成としても、各マイラが回転していない状態で又は回転している状態の各マイラが感圧抵抗センサ301に圧力を及ぼしていないタイミングで、温度を検知できる。
【0070】
以上本実施例によれば、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
【0071】
[その他の実施例]
実施例1乃至6では、基準電位の信号ラインを単独で備える形態を説明した。しかしながらプロセスカートリッジ5と、画像形成装置本体101の基準となる電位は、同電位となるように接続されているので、その基準電位となる信号ラインと感圧抵抗センサ301やシートスイッチ311の基準電位は、共通にすることもできる。これにより、信号ラインを1本削減することができるので、電線とコネクタが削減でき、その分のコストが安くできる。
また、実施例1乃至6では、圧力を電圧に変換する例を挙げた。しかしながら、その他の電流、抵抗値、周波数に変換する圧力センサでも代用可能である。
さらに実施例1乃至6では、理解し易いように1回の検知でテーブルを参照するような説明をしている。しかし、複数回のデータを平均化した後に、夫々のテーブルを参照するような制御にすると、さらに検知精度をあげることが期待できる。
また、実施例1乃至6では、現像ユニット内に2つの検知マイラを配置する構成を示した。しかし、3つ以上の検知マイラを配置することで、より高精度にトナー残量を検知することができる。
また、実施例1乃至6では、現像ユニットが一体構成の例を挙げた。しかし、現像ローラとトナー容器が別体となった補給系のトナー容器においても、トナー容器の内部に圧力センサと検知マイラを設けることにより、本発明が適用可能である。
以上その他の実施例においても、トナーが満載状態から空になるまで逐次トナーの残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
【符号の説明】
【0072】
5 プロセスカートリッジ
40 CPU
301 感圧抵抗センサ
351 検知マイラ
352 検知マイラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13