特許第5825828号(P5825828)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5825828
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20151112BHJP
【FI】
   G03G15/08 348A
   G03G15/08 347
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-93905(P2011-93905)
(22)【出願日】2011年4月20日
(65)【公開番号】特開2012-226128(P2012-226128A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141508
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 崇夫
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−288160(JP,A)
【文献】 特開2010−085970(JP,A)
【文献】 特開2002−268353(JP,A)
【文献】 特開2011−242639(JP,A)
【文献】 特開2009−092739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電像が形成される像担持体と、
第一室と、隔壁の開口部を介して前記第一室と連通して前記第一室との間で現像剤の循環経路を形成する第二室と、前記第一室及び前記第二室内で現像剤を搬送する搬送部材と、前記第二室の現像剤を担持して搬送し、前記像担持体に形成された静電像を現像する現像剤担持体とを有する現像装置と、
前記隔壁の開口部に開封可能に設けられ、前記第一室内に初期現像剤を封止するシール部材と、
前記第一室に連通して前記現像装置へ補給用現像剤を補給可能な第一の補給装置と、
前記第一の補給装置に前記補給用現像剤を補給する第二の補給装置と、
前記シール部材を開封する開封機構と、
前記開封機構及び前記搬送部材を駆動する共通の駆動源と、
前記第一の補給装置内の現像剤の量を検出する検出手段と、
前記第二の補給装置を作動させて前記第一の補給装置へ所定量以上の補給用現像剤の補給が行われたことを前記検出手段により検出した後に、前記駆動源を駆動させて前記シール部材を開封させると共に前記搬送部材を駆動させる開封モードを実行可能な制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
静電像が形成される像担持体と、
第一室と、隔壁の開口部を介して前記第一室と連通して前記第一室との間で現像剤の循環経路を形成する第二室と、前記第一室及び前記第二室内で現像剤を搬送する搬送部材と、前記第二室の現像剤を担持して搬送し、前記像担持体に形成された静電像を現像する現像剤担持体とを有する現像装置と、
前記隔壁の開口部に開封可能に設けられ、前記第一室内に初期現像剤を封止するシール部材と、
前記第一室に連通して前記現像装置へ補給用現像剤を補給可能な第一の補給装置と、
前記第一の補給装置に前記補給用現像剤を補給する第二の補給装置と、
前記シール部材を開封する開封機構と、
前記開封機構及び前記搬送部材を駆動する共通の駆動源と、
前記第二の補給装置を所定時間作動させた後に、前記駆動源を駆動させて前記シール部材を開封させると共に前記搬送部材を駆動させる開封モードを実行可能な制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記現像装置は、前記像担持体及び前記第一の補給装置が取り付けられた画像形成装置筐体に対して着脱可能に装備され、
前記開封機構は、前記現像装置に付設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像装置は、前記シール部材によって初期現像剤が封止された新品か否かを判別可能な情報が記録されたメモリ素子を付設され、
前記制御部は、前記メモリ素子を読み取って、前記現像装置が新品の場合にのみ前記開封モードを実行することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール部材によって現像容器内の空間に初期現像剤が封止された現像装置を搭載した画像形成装置、詳しくは画像形成装置のセットアップ時に現像装置のシール部材を自動的に開封させる制御に関する。
【背景技術】
【0002】
像担持体に形成した静電像を、現像装置がトナーを用いてトナー像に現像し、トナー像を記録材に転写して加熱加圧することにより画像を記録材に定着させる画像形成装置が広く用いられている。新品の現像装置は、通常、シール部材によって現像容器内の空間に所定量の初期現像剤が封止された状態で保管される。そして、画像形成装置をセットアップする際には、現像装置を画像形成装置へ取り付けた後に、現像装置の外側からシール部材の一端を引っ張って初期現像剤を開封させて、現像装置による現像が可能な状態にしている(特許文献1)。
【0003】
現像装置は、画像形成に伴って現像容器内のトナーを消費するため、画像形成で使用されたトナーを随時補給して現像容器内のトナー量もしくは現像剤に占めるトナーの比率を一定に保つ必要がある。特許文献2では、現像容器にトナーを補給するために、現像装置ごとにホッパーを設け、ホッパーの底に配置した供給スクリューの回転/停止を制御して、現像装置に対するトナーの補給量を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−56604号公報
【特許文献2】特開2002−244424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、画像形成装置の小型化に伴って現像装置が小型化され、画像形成装置内に大型のホッパーを配置することが困難になっている。また、ホッパーを用いる場合、環境の温度湿度にトナーが影響を受けやすく、長期間放置するとトナーの帯電性能や流動性が損なわれる可能性がある。
【0006】
そこで、図1に示すように、補給用現像剤を密封した第二の補給装置(Ta)を画像形成装置200に交換可能に装着するようにした画像形成装置200が実用化されている。ここでは、現像装置4aごとに設けた第一の補給装置(20a)へ、第二の補給装置(Ta)から随時、補給用現像剤を補給して一定量を保持させ、第一の補給装置(20a)が現像装置4aに必要量の補給用現像剤をスクリューで切り出して補充する。
【0007】
このような画像形成装置200において、新品の現像装置4aと新品の第二の補給装置(Ta)を取り付けて両者のセットアップを同時に実行したところ、第二の補給装置(Ta)から現像装置4aへ大量の補給現像剤が流れ込む現象が確認された。シール部材が開封されて剤面が低下した現像装置4a内に、空っぽの第一の補給装置(20a)を素通りして、第二の補給装置(Ta)から供給された補給用現像剤が、表層雪崩のように勢いよく流れ込む現象が発生していた。
【0008】
現像装置4aへ大量の補給現像剤が流れ込むと、現像装置4a内で未帯電のトナーが舞い上がって粉塵状態となり、現像装置4aの隙間から飛散する可能性が高くなる。
【0009】
また、二成分現像剤の場合、一時的に現像装置4a内の現像剤量またはトナー濃度が過剰になって、トナー帯電量が低下して現像不良となり、画像濃度の低下や画像の濃度ムラが発生した。
【0010】
本発明は、画像形成装置のセットアップ時に、現像装置に対する補給用現像剤の流れ込みが抑制されて、現像装置内の現像剤量が過剰とならず、現像装置の隙間からトナー飛散が発生しないで済む画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像形成装置は、静電像が形成される像担持体と、第一室と、隔壁の開口部を介して前記第一室と連通して前記第一室との間で現像剤の循環経路を形成する第二室と、前記第一室及び前記第二室内で現像剤を搬送する搬送部材と、前記第二室の現像剤を担持して搬送し、前記像担持体に形成された静電像を現像する現像剤担持体とを有する現像装置と、前記隔壁の開口部に開封可能に設けられ、前記第一室内に初期現像剤を封止するシール部材と、前記第一室に連通して前記現像装置へ補給用現像剤を補給可能な第一の補給装置と、前記第一の補給装置に前記補給用現像剤を補給する第二の補給装置と、前記シール部材を開封する開封機構と、前記開封機構及び前記搬送部材を駆動する共通の駆動源と、前記第一の補給装置内の現像剤の量を検出する検出手段と、前記第二の補給装置を作動させて前記第一の補給装置へ所定量以上の補給用現像剤の補給が行われたことを前記検出手段により検出した後に、前記駆動源を駆動させて前記シール部材を開封させると共に前記搬送部材を駆動させる開封モードを実行可能な制御部とを備えるものである。
また、本発明の画像形成装置は、静電像が形成される像担持体と、第一室と、隔壁の開口部を介して前記第一室と連通して前記第一室との間で現像剤の循環経路を形成する第二室と、前記第一室及び前記第二室内で現像剤を搬送する搬送部材と、前記第二室の現像剤を担持して搬送し、前記像担持体に形成された静電像を現像する現像剤担持体とを有する現像装置と、前記隔壁の開口部に開封可能に設けられ、前記第一室内に初期現像剤を封止するシール部材と、前記第一室に連通して前記現像装置へ補給用現像剤を補給可能な第一の補給装置と、前記第一の補給装置に前記補給用現像剤を補給する第二の補給装置と、前記シール部材を開封する開封機構と、前記開封機構及び前記搬送部材を駆動する共通の駆動源と、前記第二の補給装置を所定時間作動させた後に、前記駆動源を駆動させて前記シール部材を開封させると共に前記搬送部材を駆動させる開封モードを実行可能な制御部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置では、第一の補給装置を通じて補給用現像剤が流れ込む第一室がシール部材によって封止されているため、当該第一室で舞い上がったトナーがシール部材に移動を妨げられて外部へ飛散しない。
【0013】
したがって、画像形成装置のセットアップ時に、現像装置の隙間からトナー飛散が発生しないで済む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】画像形成装置の構成の説明図である。
図2】現像装置の構成の説明図である。
図3】封止状態の現像装置の平面構成の説明図である。
図4】トナー補給制御及び初期現像剤開封制御のブロック図である。
図5】開封機構の構成の説明図である。
図6】実施例1のトナー封止シール巻取制御のフローチャートである。
図7】トナー封止シール開封前のトナー補給の説明図である。
図8】トナー封止シール開封後の現像装置の説明図である。
図9】実施例2における封止状態の現像装置の平面構成の説明図である。
図10】トナー補給制御及び初期現像剤開封制御のブロック図である。
図11】実施例2のトナー封止シール巻取制御のフローチャートである。
図12】トナー封止シール開封前のトナー補給の説明図である。
図13】トナー封止シール開封後の現像装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、シール部材によって現像容器内の空間に初期現像剤が封止された現像装置を用いる限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
【0016】
従って、画像形成装置は、フルカラー/モノクロ、カラー1ドラム型、一成分現像剤/二成分現像剤、直接転写方式/記録材搬送方式/中間転写方式、帯電方式、露光方式、感光体種類等によらず実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
【0017】
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置200は、中間転写ベルト7の下向き面に沿って画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。タンデム型中間転写方式は、高いプロダクティビティや様々なメディアに対応できる点から、近年主流となっている。図1中、紙面に垂直な方向が画像形成装置200の前奥方向である。
【0018】
画像形成部Paでは、感光ドラム1aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト7に転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム1bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト7に転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム1c、1dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト7に転写される。ただし、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
【0019】
中間転写ベルト7に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ一括二次転写される。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置13で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、排出ローラ64を通じてトレイ63へ排出される。
【0020】
分離ローラ61は、記録材カセット10から引き出した記録材Pを1枚ずつに分離して、レジストローラ62へ送り出す。レジストローラ62は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト7のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り込む。
【0021】
定着装置13は、ヒータを設けた定着ローラ14に加圧ローラ15を圧接して加熱ニップを形成する。記録材Pは、加熱ニップで加熱加圧を受けてトナー像を溶融させ、フルカラー画像を表面に定着される。
【0022】
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置4a、4b、4c、4dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
【0023】
画像形成部Paは、感光ドラム1aを囲んで、帯電ローラ2a、露光装置3a、現像装置4a、転写ローラ5a、ドラムクリーニング装置6aを配置している。感光ドラム1aは、アルミニウム製シリンダの外周面に感光層が形成されており、所定のプロセススピードで回転する。
【0024】
帯電ローラ2aは、感光ドラム1aを一様な負極性の電位に帯電させる。露光装置3は、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム1aの表面に画像の静電像を書き込む。現像装置4aは、トナーを感光ドラム1aに供給して静電像をトナー像に現像する。
【0025】
転写ローラ5aは、中間転写ベルト7を押圧して、感光ドラム1aと中間転写ベルト7との間に一次転写部Taを形成する。転写ローラ5aに直流電圧が印加されることにより、感光ドラム1aに担持されたトナー像が、一次転写部T1aを通過する中間転写ベルト7へ一次転写される。ドラムクリーニング装置6aは、感光ドラム1aにクリーニングブレードを摺擦させて、一次転写部T1aを通過した感光ドラム1aの表面に付着した転写残トナーを除去する。
【0026】
中間転写ベルト7は、テンションローラ17、二次転写対向ローラを兼ねた駆動ローラ8、及び張架ローラ18に掛け渡して支持され、駆動ローラ8に駆動されて矢印R7方向に回転する。
【0027】
二次転写部T2は、駆動ローラ8に内側面を支持された中間転写ベルト7に二次転写ローラ9を当接して構成される。二次転写ローラ9に直流電圧が印加されることで、中間転写ベルト7に担持されたトナー像は、二次転写部T2を一体に挟持搬送される記録材Pへ二次転写される。ベルトクリーニング装置11は、中間転写ベルト7にクリーニングブレードを摺擦させて、二次転写部T2を通過した中間転写ベルト7の表面に付着した転写残トナーを除去する。
【0028】
現像装置4a、4b、4c、4dの上方に、それぞれトナー収容容器Ta、Tb、Tc、Tdが配置される。画像形成によって現像装置4a、4b、4c、4dで消費された量のトナーが、それぞれトナーボトルTa、Tb、Tc、Tdから補給される。
【0029】
画像形成装置200においては、感光ドラム1a及び感光ドラム1aに作用するプロセス手段(現像装置を含む)を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置200の筐体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式を採用している。プロセスカートリッジ方式は、画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー自身で行うことが可能であるため、格段に操作性の向上が図れ、様々な画像形成装置において広く用いられている。
【0030】
画像形成装置200においては、プロセスカートリッジ内のトナー収容部をシール部材で密封する構成を採用している。そして、プロセスカートリッジの初期使用(セットアップ)に際し、画像形成装置200へプロセスカートリッジを装着するとシール部材が自動的に開封されるシール自動開封制御を実行する。
【0031】
<現像装置>
図2は現像装置の構成の説明図である。図3は封止状態の現像装置の平面構成の説明図である。図2の(b)に示すように、像担持体の一例である感光ドラム1aは、現像装置4aによって静電像を現像される。第一の補給装置の一例であるトナー補給装置20aは、初期現像剤が封止された空間に連通して現像装置4aへ補給用現像剤を補給可能である。第二の補給装置の一例であるトナー収容容器Taは、トナー補給装置20aに補給用現像剤を補給する。
【0032】
現像装置4aは、現像容器101に貯留した現像剤を帯電させて、現像スリーブ102(現像剤担持体)に担持させて、感光ドラム1aの静電像を現像する。現像容器101には、トナー(非磁性)とキャリア(磁性)からなる二成分現像剤が充填されている。トナーとキャリアは、現像容器101内に配設された現像スクリュー104a及び攪拌スクリュー104b(搬送部材)によって搬送されて現像容器101内を循環する過程で相互に摩擦して帯電する。
【0033】
現像スリーブ102の内部には、マグネットローラ102mが非回転状態に設置され、マグネットローラ102mの磁力がキャリアを磁気的に拘束して、現像スリーブ102の表面に現像剤を担持させる。直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブ102に印加することにより、現像剤中のトナーだけが感光ドラム1aへ移転する。
【0034】
図3に示すように、現像容器101の内側空間は、仕切り壁103(隔壁)によって現像室101a(第二室)と攪拌室101b(第一室)とに仕切られ、現像室101aと攪拌室101bとは、仕切り壁103の両端の開口部107a、107bによって連通して現像剤の循環経路を構成する。開口部107aを通じて攪拌室101bから現像室101aへ流れ込んだ現像剤は、現像スクリュー104aによって矢印B方向に搬送されつつ、現像スリーブ102へ移転して磁気的に担持される。
【0035】
現像スクリュー104aによって現像室101aの下流側端部まで搬送された現像剤は、開口部107bを通じて現像室101aから攪拌室101bへ流れ込む。攪拌室101bへ流れ込んだ現像剤は、攪拌スクリュー104bによって矢印A方向に搬送されつつ攪拌されて、トナーとキャリアが摩擦帯電する。
【0036】
<トナー補給制御>
図4はトナー補給制御及び初期現像剤開封制御のブロック図である。図4に示すように、制御部50には、入力信号として、トナー残量検知センサ21a、21bで検知されたトナー残量情報と、新旧検知センサ70から現像装置4aの新旧情報とが入力される。制御部50は、所定の制御フローに基づいて、現像モータ71、ボトル駆動モータ72、計量スクリューモータ73を作動させる。表示部76には制御フローに基づいた画像形成装置200のステータス情報が表示される。メモリタグ701が現像装置4aの外部に設けられている。新旧検知センサ70は、現像装置4aが画像形成装置200に設置されると、画像形成装置200側に設けられた受信部702にメモリタグ701を接触させ、受信部702がメモリタグ701に対して情報の読み書きを行う。ここで、メモリタグ701には現像装置4aの新旧情報、累積画像形成枚数がリアルタイムで記録され、トナー補給シーケンス以外にも、現像や帯電、転写などの作像プロセス条件の決定に用いられる。
【0037】
図3に示すように、二成分現像剤を用いる現像装置4aでは、画像濃度の再現性を確保し出力画像の品質を維持するために、現像容器101内を循環する現像剤に占めるトナーの重量比率であるトナー濃度(T/D比)を一定に保つ必要がある。そのため、トナー補給装置20aは、画像形成で消費されたトナー量に等しいトナーをすみやかに現像装置4aへ補給する。画像形成に伴って現像剤中のトナーのみが感光ドラム1aへ移転して消費される。制御部50は、画像形成ごとに、1枚前の画像形成で消費されたトナー量を計算して、トナー補給装置20aを作動させ、消費されたトナー量に等しい量のトナーを現像装置4aへ補給する。また、画像形成ごとにトナーを補給していると、誤差が累積して、現像容器101内の現像剤は、トナー濃度(T/D比)が適正範囲を逸脱する可能性がある。そのため、制御部50は、透磁率センサ75の出力に基づいて、現像容器101内のトナー濃度が8〜10%に維持されるように、トナー補給装置20aを制御する。
【0038】
トナー収容容器Taは、ボトル駆動モータ72によって回転駆動を与えられると、内部に収容されたトナーを、容器内に形成された螺旋形状に沿うように搬送し、連通口23を介してトナー補給装置20aのホッパー25へトナーを供給する。ホッパー25の内壁には、フォトインタラプタを用いたトナー残量検知センサ21a、21bが設置されている。ホッパー25の下方の円筒部には、計量スクリュー22が設けられ、計量スクリューモータ73が計量スクリュー22を回転させると、回転角度に応じた量のトナーがトナー供給口24を通じて現像装置4aへ供給される。
【0039】
制御部50は、ホッパー25内に堆積したトナーがトナー残量検知センサ21a、21b(検出手段)を遮光するまでボトル駆動モータ72を回転させて、ホッパー25内に一定量のトナーを確保する。この状態で、制御部50は、計量スクリューモータ73の回転のON/OFFを制御して、ホッパー25から現像容器101へ必要なだけのトナーを補給する。
【0040】
トナー供給口24には、トナー補給装置20a側及び現像装置4a側の双方にシャッターが設けられている。画像形成装置(200:図1)の正面側から現像装置4aを挿入して取り付ける過程で、トナー補給装置20a側と現像装置4a側のシャッターが開いてホッパー25と現像容器101とが連通状態となる。そして、画像形成装置(200:図1)の正面側から現像装置4aを抜き出して取り外す過程で、トナー補給装置20a側と現像装置4a側のシャッターが閉じてホッパー25と現像容器101とがそれぞれ封止される。これにより、トナー飛散を抑制している。
【0041】
<初期現像剤の開封操作>
図5は開封機構の構成の説明図である。図3に示すように、未開封の現像装置4aは、シール部材の一例であるトナー封止シール51a、51bによって現像容器内の空間に初期現像剤が封止されている。
【0042】
未使用で新品状態の現像装置4aは、トナー封止シール51aによって開口部107aを開封可能に封止され、トナー封止シール51bによって開口部107bを封止されて、攪拌室101bが現像室101aから隔離されている。隔離された攪拌室101bに所定量の初期現像剤が充填されている。現像室101aの内部には、現像剤は、キャリア、トナーともに存在しない。トナー封止シール51a、51bは、厚さ0.1mmのポリエステルを含む樹脂シートで形成した。しかし、用いられる材料および形状に関しては、これに限らない。
【0043】
図2の(a)に示すように、トナー封止シール51a、51bは、開口部107a、107bの縁に浅く熱溶着されている。開封機構60が上方へ巻き上げることで、開口部107a、107bの下から上へ向かってトナー封止シール51a、51bが開口部107a、107bから取り除かれて、攪拌室101bの初期現像剤が開封される。
【0044】
図2の(b)に示すように、トナー封止シール51a、51bが開口部107a、107bから取り除かれると、攪拌室101bの初期現像剤が現像室101aへ流れ込んで、攪拌室101bと現像室101aとの間で循環可能になる。現像スクリュー104aと攪拌スクリュー104bとを作動させて、現像装置4aが使用可能になる。
【0045】
図4に示すように、現像モータ71(共通の駆動源)は、現像スクリュー104a、攪拌スクリュー104b、現像スリーブ102、トナー封止シール巻取部材600を連動状態で回転させる。攪拌スクリュー104bが回転して攪拌室101bの現像剤は、矢印A方向に搬送され、現像スクリュー104aが回転して現像室101aの現像剤は、矢印B方向に搬送される。同時に、トナー封止シール巻取部材600がトナー封止シール51a、51bを巻き上げて、攪拌室101bの初期現像剤を開封する。
【0046】
画像形成装置200は、現像装置4a内の攪拌室101bをトナー封止シール51a、51bによって密封する構成を採用している。このような構成において、画像形成装置200の初期使用に際し、現像装置4a、トナー補給装置20a、及びトナー収容容器Taを同時に作動させてトナー封止シール51a、51bを開封させると、現像装置4aからトナーが飛散し易くなることが判明した。現像剤補給とシール部材の巻き取りタイミングによっては、第二の補給装置から補給用現像剤が補給されると、補給用現像剤が持つ重力ポテンシャルにより、第一の補給装置内に滞留せずに補給用現像剤が速度を持ったまま現像容器まで到達する場合がある。このとき、現像剤担持体と像担持体の隙間から補給用現像剤が飛散する場合がある。二成分現像剤を用いる現像装置の場合、補給用現像剤が速度を持ったまま現像容器内の予め収容された初期現像剤と混合してしまうことにより、初期現像剤に対する補給用現像剤の比率が大きくなり、出力画像に濃度ムラが発生する場合がある。
【0047】
トナー封止シール51a、51bの自動開封装置(60)を備えた現像装置4aでは、トナー収容容器Tからのトナー補給とトナー封止シール51a、51bの巻き取りタイミングによっては、必要以上のトナーが現像装置4aへ流れ込むことが判明した。トナー収容容器Taから空っぽのトナー補給装置20aへ現像剤(トナー)が補給されると、現像剤が持つ重力ポテンシャルによって、現像剤がホッパー25に滞留しないで、トナー補給装置20aを素通りして速度を持ったまま現像容器101に到達する。そして、現像容器101内の初期現像剤の表面を上滑りして開口部107bから現像室101aへ流れ込み、現像スリーブ102と現像容器101の隙間からトナー飛散が発生する場合がある。
【0048】
また、トナー比率の高い補給現像剤がトナー収容容器Taから現像容器101へ大量に流れ込むと、現像容器101内を循環する現像剤のトナー濃度(T/D比)が一時的に高まって、現像容器101内の平均トナー帯電量(Q/M)が低下する。これにより、画像濃度が全体的に低下して低濃度の画像が出力されたり、画像濃度が局所的に低下して濃度ムラが発生したりした。
【0049】
以下の実施例では、セットアップ時の開封モードの制御において、トナー封止シール51a、51bの開封タイミングを調整することで、このような不都合を解消して、トナー飛散を抑制し、出力画像の濃度低下や濃度ムラ画像の発生を抑制している。
【0050】
<実施例1>
図6は実施例1のトナー封止シール巻取制御のフローチャートである。図7はトナー封止シール開封前のトナー補給の説明図である。図8はトナー封止シール開封後の現像装置の説明図である。
【0051】
実施例1では、シール部材が開封される前の初期現像剤の剤面が高い状態で、第二の補給装置から第一の補給装置を通じて現像容器内の空間へ補給用現像剤を補給するから、現像容器内の空間に補給用現像剤が流れ込む余地が少ない。剤面が高いため補給用現像剤が流れ込む勢いも減殺される。そして、第一の補給装置を通じた補給用現像剤の流れ込みが収拾して第一の補給装置内の現像剤の流動性が失われたころにシール部材を開封するから、シール部材の開放後に補給用現像剤が現像容器へ過剰に流れ込まない。
【0052】
したがって、画像形成装置のセットアップ時に、現像装置に対する補給用現像剤の流れ込みが抑制されて、現像装置内の現像剤量が過剰とならず、現像剤量の過剰に伴う現像不良等が生じない。
【0053】
図1に示すように、現像装置4aは、感光ドラム1a及びトナー補給装置20aが取り付けられた画像形成装置筐体に対して着脱可能に装備されている。現像装置4a、4b、4c、4d、及びトナー収容容器Ta、Tb、Tc、Tdが未開封状態で、トナー補給装置20a、(20b、20c、20d:図示略)が空っぽの状態で画像形成装置200が設置される。
【0054】
図2に示すように、開封機構60は、現像装置4aに付設されている。開封機構60は、現像装置4aのトナー封止シール51a、51bを開封する。
【0055】
図3に示すように、現像装置4aは、メモリ素子の一例であるメモリタグ701を付設されている。メモリタグ701は、トナー封止シール51a、51bによって初期現像剤が封止された新品か否かを判別可能な情報が記録されている。制御部50は、メモリタグ701を読み取って、現像装置4aが新品の場合にのみ開封モードを実行する。
【0056】
制御部50は、開封モードを実行可能である。開封モードは、トナー収容容器Taを作動させてトナー補給装置20aへ所定量以上の補給用現像剤の補給が行われた後に開封機構60を作動させてトナー封止シール51a、51bを開封させる。
【0057】
センサの一例であるトナー残量検知センサ21a、21bは、第一の補給装置内の一例であるトナー補給装置20a内の補給用現像剤量を検出可能である。制御部50は、開封モード時において、トナー残量検知センサ21a、21bの検出結果に基づいて、トナー補給装置20a内の現像剤量が所定量以上の場合に開封機構60を作動させる。
【0058】
図6に示すように、制御部50は、未稼働の状態から電源が投入されると(S1)、新旧検知センサ70から信号を得て現像装置4aの新旧状態を判断する(S2)。制御部50は、現像装置4aが新品ならば、トナー残量検知センサ21a、21bがトナー補給装置20内部のトナー量を検知する(S3)。
【0059】
制御部50は、トナー量がトナー残量検知センサ21a、21bの高さまで達していない場合、現像モータ71を停止した状態で、ボトル駆動モータ72を作動させてトナー収容容器Taを回転させ、ホッパー25にトナーを補給する(S7)。
【0060】
このとき、現像容器101内の初期現像剤は、仕切り壁103とトナー封止シール51a、51bによって攪拌室101bに閉じ込められている。このため、トナー収容容器Taから補給されたトナーが速度を持ったまま現像容器101の内部を通過することが回避され、現像スリーブ102と感光ドラム1aのまだ現像剤が無い間隔(SDギャップ)からトナー飛散することがない。また、初期現像剤に未帯電トナーが大量混入して意図しないトナー帯電量の変動が発生することがないため、画像濃度変動や濃度ムラ画像を阻止できる。
【0061】
図7に示すように、トナー収容容器Taの回転に伴ってホッパー25内のトナー量がトナー残量検知センサ21a、21bに達すると、制御部50は、現像モータ71を起動して現像装置4aを作動させる。
【0062】
図5の(a)に示すように、現像モータ71を駆動することで、トナー封止シール巻取部材600を矢印R9方向へ回転させてトナー封止シール51a、51bを巻き上げ、仕切り壁103の開口部107a、107bからトナー封止シール51a、51bを剥離させる(S4)。これと共に、現像スクリュー104a及び攪拌スクリュー104bも駆動される。
【0063】
図5の(b)に示すように、現像モータ71の回転が所定時間続くと、トナー封止シール51a、51bの端部が仕切り壁103から分離してトナー封止室601内に巻き上げ収納される。その後も、現像装置4aが作動して現像モータ71が回転する度にトナー封止シール巻取部材600が矢印R9方向へ回転する。しかし、矢印R9方向がトナー封止シール巻取部材600に対するトナー封止シール51a、51bの緩み方向ではないため、トナー封止シール51a、51bの端部は、トナー封止室601内に留まる。
【0064】
図8に示すように、現像モータ71が回転を続けると、現像スクリュー104a及び攪拌スクリュー104bが回転することで、現像室101aにも現像剤が行き渡って攪拌室101bとの間で循環するので、画像形成動作を開始する(S5)。
【0065】
制御部50は、新旧検知センサ70の情報から現像装置4aが新品でないと判断した場合(S2のNo)、現像モータ71の回転を行わない(S8)。トナー封止シール51a、51bが既に巻き取られている状況であるため、不要なタイムロスを抑制するためである。
【0066】
制御部50は、トナー残量検知センサ21a、21bの信号からホッパー25内のトナー量を判断する(S9)。制御部50は、ホッパー25がトナーで満たされた場合(S9のYes)、画像形成動作を開始する(S5)。
【0067】
制御部50は、ホッパー25にトナーが無い場合(S9のNo)、ボトル駆動モータ72を起動してトナー収容容器Ta回転させ、ホッパー25にトナーを補給する(S10)。
【0068】
なお、ボトル駆動モータ72の作動時(S7、S10)、トナー収容容器Taが所定時間回転しても、ホッパー25内のトナー量がトナー残量検知センサ21a、21bまで達しない場合、制御部50は、トナー収容容器Taが空であると判断する。そして、表示部76にトナー収容容器Taの交換要求のメッセージを表示する。所定時間が経過してもホッパー25がトナーで満たされなければ、表示部76にトナー収容容器Taの交換要求のメッセージを表示する。
【0069】
実施例1の制御によれば、初期現像剤がトナー封止シール51a、51bによって移動を規制されるため、トナー収容容器Taから補給された補給用現像剤が速度を持ったままトナー補給装置20aを通過することが無い。このため、現像容器101内でトナーが舞い上がって現像スリーブ102近傍の隙間から外部へ飛散することを抑制できる。
【0070】
また、トナー封止シール51a、51bによって初期現像剤の移動が規制されるため、トナー収容容器Taから補給された補給用現像剤の混入による意図しないトナー濃度の変動が発生せず、濃度ムラ画像の発生を抑制することが可能となる。現像剤飛散を抑制しつつ、現像剤のトナー濃度ムラに起因する出力画像の濃度ムラの発生を抑制することが可能となる。
【0071】
また、旧品の現像装置4aを設置された際には不要な巻き取り動作を行わないため、画像形成装置200の毎日の初回起動時のタイムロスが少なくなり、現像装置4a内の現像剤を不必要に攪拌して劣化を進行させることもない。
【0072】
<実施例2>
図9は実施例2における封止状態の現像装置の平面構成の説明図である。図10はトナー補給制御及び初期現像剤開封制御のブロック図である。図11は実施例2のトナー封止シール巻取制御のフローチャートである。図12はトナー封止シール開封前のトナー補給の説明図である。図13はトナー封止シール開封後の現像装置の説明図である。
【0073】
図9に示すように、実施例2の開封モードが実行される現像装置4a及びトナー補給装置20aは、トナー残量検知センサ21a、21bが付設されていない以外は、図3に示す実施例1のものと同一である。したがって、図9図10図12図13中、実施例1と共通する構成には、それぞれ図3図4図7図8と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0074】
図10に示すように、制御部50には入力信号として、新旧検知センサ70からの新旧情報が入力される。制御部50は、所定の制御フローに基づいて現像モータ71、ボトル駆動モータ72、計量スクリューモータ73を回転させる。表示部76には、制御フローに基づいた画像形成装置200のステータスが表示される。
【0075】
図11に示すように、実施例2では、開封モード時において、トナー収容容器Taを所定時間作動させた後に開封機構60を作動させる。制御部50は、未稼働の状態から電源が投入されると(S1)、新旧検知センサ70から信号を得て現像装置4aの新旧状態を判断する(S2)。制御部50は、現像装置4aが新品ならば(S2のYes)、ボトル駆動モータ72を起動してトナー収容容器Taを回転させ、ホッパー25にトナーを補給する(S3)。
【0076】
制御部50は、トナー収容容器Taの単位時間当たりのトナー排出性能を予め把握して定めた所定時間の経過を判断する(S4)。所定時間は、トナー収容容器Taの状態により、新品状態を最も短く、空に近い状態を長く確保するように制御部50により制御される。トナー収容容器Taの新旧状態は、ボトル駆動モータ72の電流値を制御部50が判断しており、電流値が大きい場合を新品状態と判断し、電流値が少ないほど空に近いと判断している。なお、トナー収容容器Taに、今回の現像装置4aに設けたようなメモリタグを設けることによっても、制御部50がメモリタグから累積使用時間を読み取ってトナー収容容器Taの新旧状態を判断可能である。
【0077】
図12に示すように、所定時間経過後、トナー補給装置20a内部は、トナーで満たされた状態となる。このとき、初期現像剤は、仕切り壁103とトナー封止シール51a、51bによって移動を規制されるため、トナー収容容器Taから補給されたトナーが速度を持ったまま現像容器101内部を通過することは無い。このため、現像スリーブ102と感光ドラム1aの隙間(SDギャップ)からトナーが飛散することを抑制できる。また、初期現像剤に対してトナーの大量混入による意図しない濃度変動が発生せず、濃度ムラ画像の発生を抑制することが可能となる。
【0078】
所定時間が経過後(S4のYes)、制御部50は、現像モータ71を起動させて、図2の(b)に示すように、トナー封止シール巻取部材600を矢印R9方向へ回転駆動する(S5)。これにより、現像容器101内壁と仕切り壁103に溶着されたトナー封止シール51a、51bが剥離して、トナー封止シール巻取部材600に巻き付く。
【0079】
現像モータ71が回転を続けると、攪拌スクリュー104b、現像スクリュー104aが回転することで、図13に示すように現像容器内へ現像剤が拡散して現像室101aにも現像剤が行き渡る。その後、画像形成動作を開始する(S6)。
【0080】
制御部50は、現像装置4aに設けられた新旧検知センサ70の情報から、現像装置4aが新品でないと判断した場合(S2のNo)、現像モータ71の回転は行わない(S8)。これは、トナー封止シール51a、51bが既に巻き取られている状況で、不要なタイムロスを抑制するためである。
【0081】
制御部50は、ボトル駆動モータ72を起動してトナー収容容器Taを回転させ、ホッパー25にトナーを補給する(S9)。そして、所定時間の経過を待って(S10のYes)、トナー補給装置20aをトナーで満たした後に、画像形成動作を開始させる(S6)。
【符号の説明】
【0082】
1a、1b、1c、1d 感光ドラム
4a、4b、4c、4d 現像装置
20a、20b、20c、20d トナー補給装置
21a、21b トナー残量検知センサ、25 ホッパー
51a、51b トナー封止シール、60 開封機構
70 新旧検知センサ、71 現像モータ
72 ボトル駆動モータ、73 計量スクリューモータ
101 現像容器、101a 現像室、101b 撹拌室
102 現像スリーブ、103 仕切り壁
104a 現像スクリュー、104b 撹拌スクリュー
600 トナー封止シール巻取部材、601 トナー封止室
701 メモリタグ、702 受信部
Ta、Tb、Tc、Td トナー収容容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13