(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器100の構成を示す断面模式図である。
図1に示されるように、炊飯器100は、炊飯器本体10と、内釜40と、パッキン50と、炊飯器本体10の上部に開閉自在に取り付けられた蓋60とによって構成される。
【0012】
炊飯器本体10は、ケーシング1と、ケーシング1の内部に設けられたコイル2とを有している。ケーシング1は、内釜40(後述する)を支持するものである。また、ケーシング1の中央上部には開口部3が形成され、ケーシング1の側方上部にはケーシング側凹部4が形成されている。コイル2は、内釜40を加熱するものである。
【0013】
内釜40は、上面が開口した略有底円筒状に形成され、ケーシング1の開口部3に嵌る形状となっている。内釜40には、外縁が略水平方向外側に突出した内釜フランジ41が設けられている。これにより、内釜40とパッキン50との接触する部分の面積が大きくなっている。なお、内釜40はケーシング1に着脱自在となっていることが望ましい。
【0014】
パッキン50は、ケーシング1の側方上部に着脱自在に設けられている。パッキン50のうち、開口部3側の一部は、内釜フランジ41と接するようになっている。パッキン50には、環状のパッキン側凹部50a、蓋フランジ当接面50b、内釜フランジ当接面50c、ケーシング外側当接面50d、及びケーシング内側当接面50eが形成されている。パッキン側凹部50aは、ケーシング側凹部4に嵌るように形成されている。蓋フランジ当接面50bは、蓋60により開口部3が覆われたとき、蓋フランジ61の下面と当接して下方に押し込まれるものである。内釜フランジ当接面50cは、内釜40が装着されたとき、内釜40の下面と当接して下方に押し込まれるものである。ケーシング外側当接面50dは、パッキン50の下面のうち、ケーシング1の上面(ケーシング側凹部4よりも外側)と当接している面である。ケーシング内側当接面50eは、パッキン50の下面のうち、ケーシング1の上面(ケーシング側凹部4よりも内側)と当接している面である。以下、内釜フランジ当接面50c及びケーシング内側当接面50eを総称して内側噛合部50Aと呼称する場合がある。また、以下、蓋フランジ当接面50b及びケーシング外側当接面50dを総称して外側噛合部50Bと呼称する場合がある。
【0015】
蓋60には、蓋フランジ61、内釜押さえ部62、及びオネバ返し63が設けられている。蓋フランジ61は、外縁が略水平方向外側に突出して形成されている。また、蓋フランジ61は、炊飯工程での蒸気漏れなどが発生しないように全体を密閉するため、パッキン50を介してケーシング1の上面と噛合うように形成されている。そのため、蓋60が閉じられたとき、パッキン50を介してケーシング1と相対し、蓋60を閉じた場合における密閉性が高まることとなる。内釜押さえ部62は、蓋60の底面から下方に突出するものであり、内釜フランジ41に相対して内釜40をケーシング1に押付けるためのものである。オネバ返し63は、蓋60の天面中央に設けられているものであり、特に炊飯での沸騰中に発生する蒸気と、飯成分の一部からなるオネバとを一旦貯蔵可能な構造となっているものである。
【0016】
次に、内釜40とパッキン50と蓋60との関係について、
図1を用いてさらに詳しく説明する。
【0017】
上述したように、内釜40には、外縁が略水平方向外側に突出した内釜フランジ41が設けられている。蓋60には、外縁が略水平方向外側に突出した蓋フランジ61が設けられている。パッキン50は、内側噛合部50A及び外側噛合部50Bの両部分に亘って配置され、内側噛合部50A及び外側噛合部50Bは一体として形成されている。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器100のパッキン50の断面模式図である。
図2(a)は、蓋60で炊飯器本体10を密封(係止め)した状態の断面模式図である。
図2(b)は、蓋60と炊飯器本体10とを分離させた状態の断面模式図である。
以下、
図2を用いて、内釜押さえ部62により内釜40(内釜フランジ41)を押さえ付ける押込み力を、蓋フランジ61によりケーシング1を押さえ付ける蓋閉め力より小さくする手段の1つである、パッキン50の圧縮厚みを変える方法について説明する。ここで、内釜押さえ部62が本発明の「第1の部位」に相当し、蓋フランジ61が本発明の「第2の部位」に相当する。
【0019】
図2(a)に示されるように、蓋60で炊飯器本体10を密封(係止め)した状態において、パッキン50の蓋フランジ当接面50bが蓋フランジ61により圧縮される。また、パッキン50の内釜フランジ当接面50cが、内釜フランジ41を介して内釜押さえ部62により圧縮される。このとき、外側噛合部50Bの厚みはOut2(以下、この厚み自体をOut2と呼称することがある)となる。また、内側噛合部50Aの厚みはIn2(以下、この厚み自体をIn2と呼称することがある)となる。
【0020】
図2(b)に示されるように、蓋60と炊飯器本体10とを分離させた状態では、パッキン50の厚みは、設計時の初期長さ(厚み)である。つまり、蓋60を開けた状態では、蓋フランジ当接面50bが設けられている側の厚みがOut1(以下、この厚み自体をOut1と呼称することがある)となる。また、内釜フランジ当接面50cが設けられている側の厚みがIn1(以下、この厚み自体をIn1と呼称することがある)となる。なお、本実施の形態1における初期厚みは、例えばOut1<In1となるように構成する。
【0021】
ここで、パッキン50が均一な弾性素材であれば、圧縮された長さ(In1−In2、Out1−Out2)に比例した伸び方向の反発力が発生し、蓋閉め力(In1−In2に対応する力)および釜押込み力(Out1−Out2に対応する力)が得られる。ここで、蓋閉め力は、蒸気漏洩が生じないのに必要な圧とする。また、釜押込み力は、内釜40をケーシング1に嵌め込んだ際のズレを補正するとともに誘導電流による釜浮きを抑制するのに必要な圧とする。なお、一般に蓋閉め力よりも釜押込み力のほうが小さいため、(Out1−Out2)>(In1−In2)となるように、パッキン50の圧縮後厚みとパッキン50の初期厚みとを設計することが望ましい。
【0022】
なお、パッキン50の圧縮厚みを変えて、内釜押さえ部62により内釜40(内釜フランジ41)を押さえ付ける押込み力を、蓋フランジ61によりケーシング1を押さえ付ける蓋閉め力より小さくする手段を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、開口部3を覆った際、内釜フランジ41が押される圧力が、内釜フランジ41により押されるケーシング1の上面よりも外周側のケーシング1の上面が押される圧力よりも小さくなるように蓋60を形成してもよい。こうすれば、パッキン50の圧縮厚みを変えることを要しなくなる。
【0023】
また、蓋フランジ61、内釜押さえ部62の形状を変化させることにより、内釜40(内釜フランジ41)を押さえ付ける押込み力を、蓋フランジ61によりケーシング1を押さえ付ける蓋閉め力より小さくしてもよい。たとえば、蓋60により開口部3が覆われたとき、内釜押さえ部62の下端が蓋フランジ61の下端よりも鉛直方向下側に長く形成するとよい。また、パッキン50の圧縮厚みと、蓋フランジ61及び内釜押さえ部62の形状の双方を利用してもよい。
【0024】
以上のように、本実施の形態1に係る炊飯器100によれば、内釜フランジ41の下面と当接する内釜フランジ当接面50cが、パッキン50の上面に設けられている。また、蓋フランジ61の下面と当接する蓋フランジ当接面50bが、パッキン50の上面に設けられている。つまり、蓋60により開口部3が覆われたとき、内釜フランジ41が内釜フランジ当接面50cを下方に押し込み、蓋フランジ61が蓋フランジ当接面50bを下方に押し込むこととなる。そのため、安全上重要な密閉に関わるパッキン50の蓋フランジ当接面50bが、高温になる内釜40に長時間接することがないため、蓋フランジ当接面50bの劣化をより抑制することができる。また、蓋60により開口部3が覆われたときにパッキン50にかかる圧力が分散され、パッキン50の劣化を抑制することができ、内釜フランジ41の強度が弱い場合に内釜フランジ41が変形するリスクを低減することができる。そして、このようにパッキン50の劣化が抑制されるため、高い密閉性と釜押込み力とを維持することができる。
【0025】
また、本実施の形態1に係る炊飯器100によれば、パッキン50は、内側噛合部50A及び外側噛合部50Bを有している。これにより、パッキン50の部品点数を減らすことができ、炊飯器本体10からパッキン50を容易に着脱することができる。また、パッキン50は着脱自在に設けられているため、洗浄しやすくなる。また、パッキン50が仮に劣化したとしても、ユーザーがパッキン50の劣化に気づき易くなるため、パッキン50の交換がされやすくなる。
【0026】
また、本実施の形態1に係る炊飯器100によれば、蓋フランジ61は、外縁が略水平方向外側に突出して形成されている。このため、ケーシング1とパッキン50(蓋フランジ当接面50bと対抗する面)との接触面積、及びパッキン50(蓋フランジ当接面50b)と蓋フランジ61との接触面積が広くなる。
【0027】
また、本実施の形態1に係る炊飯器100によれば、蓋閉め力よりも釜の押込み力を小さくする構成としている。そのため、釜の押込み力が過剰になることを抑制できる。そのため、内釜40をカーボンなどの割れ易い素材や薄い金属などで構成しても、内釜フランジ41部分の割れや変形を抑制することができる。また、軽量化や薄肉化による資源削減に資するとともに、素材や設計の自由度が上がる。
【0028】
なお、本実施の形態1では、パッキン50は、内側噛合部50A及び外側噛合部50Bを有しているが、これに限定されない。例えば、内側噛合部50Aとなる部分と外側噛合部50Bとなる部分とを一体とした構造としてもよいし、各部分を別々の部品で構成して組み合わせる構造としてもよい。各部分を別々の部品で構成した場合には、パッキン50が2つとなるものの、それ以外の部品を有することにはならないので、一体とした構造のものと同様に、部品点数を減らせることとなる。
【0029】
また、本実施の形態1では、蓋フランジ61が外縁が略水平方向外側に突出して形成される構成としたが、これに限定されず、蓋60と内釜40とで構成する略閉鎖空間で発生する内部圧力を封止できればよい。例えば、蓋フランジ61は、内側方向に設けたり、突出部を形成せずにパッキン50と相対する部分を厚く形成するなどとしてもよい。
【0030】
また、本実施の形態1では、内釜押さえ部62を内釜フランジ41を水平に押し込むことができるよう、少なくとも3点以上で内釜フランジ41と接するように内釜押さえ部62を設けることが望ましい。例えば、内釜フランジ41の全周に亘って接するように形成するとよい。この場合には、炊飯時に発生した蒸気が内釜フランジ41と内釜押さえ部62の間から外方向に蒸気が流出することを抑制でき、パッキン50が蒸気に晒されることを抑制できる。そのため、パッキン50の劣化を抑制することができる。なお、蓋60が平らな形状で構成されている場合には、蓋60により開口部3が覆われたとき、下面が内釜フランジ41を下方に押す力が働く。このような場合には、内釜押さえ部62が設けられなくとも密閉状態にすることができる。なお、この場合、蓋60の下面のうち内釜フランジ41を介してケーシング1の上面を押圧する部位が本発明の「第1の部位」に相当し、内釜フランジ41よりも外周側に位置するケーシング1の上面を押圧する部位が本発明の「第2の部位」に相当する。
【0031】
また、本実施の形態1において、パッキン50の形状は特に限定されるものではなく、例えば
図1のように、中央にパッキン側凹部50aが形成される形状としてもよい。このようにパッキン側凹部50aを形成すれば、この底部分に結露水を溜めることができる。そのため、炊飯の沸騰工程終了後の場合に、蓋60や蓋フランジ61の近傍が周辺空気によって冷やされて蓋60の内側に結露して蓋60を伝わって内釜40の中の飯へと流れ込むことを抑制することができる。つまり、炊きあがった飯に水がかかり食感が悪化することを抑制することができる。
【0032】
また、本実施の形態1では、蓋60を一重構造としているが、これに限定されない。例えば、炊飯中に蓋60は高温になるため、蓋60の外側を覆う外蓋を設けて二重構造とし、炊飯中に蓋60に接触して火傷することを抑制するようにしてもよい。
【0033】
また、本実施の形態1では、炊飯中に沸騰が続き、オネバ返し63部分の空気圧力損失が大きい場合には、開口部3を蓋60で覆うことで形成される閉鎖空間の内部の気圧が高くなる。そのため、蓋60が浮いて蒸気が漏れる可能性がある。これを回避するために、図示していないが、炊飯器本体10と蓋60との一部を固定し、一部で係止するラッチ構造や、蓋フランジ61を押さえて浮き上がりを抑制する構造とすることが望ましい。
【0034】
また、本実施の形態1では、内釜押さえ部62により内釜40(内釜フランジ41)を押さえ付ける釜押込み力は、ユーザーが内釜40を炊飯器本体10にセットした際のズレを補正したり、誘導電流による浮力に対抗してコイル2と内釜40とを設計距離に保つことができればよい。なお、一般的には、この釜押込み力は、蓋フランジ61によりケーシング1を押さえ付ける蓋閉め力よりも小さいことが望ましい。
【0035】
また、本実施の形態1では、Out1<In1となるように構成しているが、Out1≧In1となるように構成してもよい。
【0036】
また、本実施の形態1では、蓋フランジ61の下端が内釜押さえ部62の下端よりも低くなるように構成しているが、蓋フランジ61の下端が内釜押さえ部62の下端以上となるように構成してもよい。
【0037】
また、本実施の形態1では、ケーシング1の上面の高さ(パッキン50のうち蓋フランジ当接面50bと対抗する面に接する面の高さと、パッキン50のうち内釜フランジ当接面50cと対抗する面に接する面の高さ)にも差がつけられているが、蓋フランジ当接面50b、内釜フランジ当接面50cの高さが等しくなるように構成されていてもよい。
【0038】
また、本実施の形態1では、ケーシング1の内部にはコイル2が設けられ、ケーシング1の上部には内釜40を収容する開口部3が設けられ、開口部3の外周側にはパッキン側凹部50aが設けられる構成としているが、これに限定されない。例えば、ケーシング1を、コイル2が設けられる部分と、開口部3及びパッキン側凹部50aが設けられる部分とに分離して構成してもよい。
【0039】
また、本実施の形態1では、内釜押さえ部62が、内釜フランジ41を押さえる構造としているが、これに限定されない。蓋60の高さが低いときには、内釜押さえ部62を設けなくとも、蓋60を閉じたとき、内釜フランジ41は蓋60の底面で押さえられる。つまり、内釜フランジ当接面50cが上方から押さえられることになる。
【0040】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る炊飯器100のパッキン50部分の断面模式図である。
本実施の形態2では、
図3に示されるように、蓋60に付着した結露水がパッキン側凹部50aへと流れ落ち、パッキン側凹部50aの外側に設けた水溜め部52へと集められる構成としている。また、パッキン側凹部50aの底面は水溜め部52に向かって傾斜する構造となっている。なお、外側噛合部50Bが、パッキン50の最外周となっている。蓋60を閉じると、蓋フランジ当接面50b及び蓋フランジ61が当接し、内釜フランジ当接面50c及び内釜押さえ部62が当接する。このようにして内釜40の開口部が覆われ、炊飯器100の内部は略閉鎖空間となる。
【0041】
以上のように、本実施の形態2に係る炊飯器100によれば、パッキン側凹部50aの底面を水溜め部52に向かって傾斜する構造とした。そのため、パッキン50に滴下した結露水を水溜め部52に集めることができる。そのため、パッキン側凹部50aが浅い場合に結露水がパッキン50の内部からパッキン50の外部に溢れることがなく、炊飯対象となる飯の食感変化を抑制できる。
【0042】
なお、
図3では示していないが、水溜め部52を加熱するための熱源を設け、保温中に通電して貯水を再蒸発させ、再蒸発した蒸気により飯表面の乾燥を抑制するように構成してもよい。
【0043】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3に係る炊飯器100のパッキン50部分の断面模式図である。
図4(a)は、蓋60で炊飯器本体10を密封(係止め)した状態の断面模式図である。
図4(b)は、蓋60と炊飯器本体10とを分離させた状態の断面模式図である。
本実施の形態3では、ケーシング1の開口部よりも外周側にケーシング斜面1Aが形成され、内釜フランジ当接面50cがケーシング1の斜面に対応するような斜面(ケーシング内側当接面50e)が設けられている。そのため、内釜押さえ部62と内釜フランジ当接面50cとが、突出した内釜フランジ41の水平面で噛合するのではなく、斜面(ケーシング斜面1A、ケーシング内側当接面50e)で噛合する。
【0044】
以上のように、本実施の形態3に係る炊飯器100によれば、ケーシング1の開口部3よりも外周側にケーシング斜面1Aが形成されている。そして、ケーシング内側当接面50eを斜面構造として、ケーシング斜面1Aに当接するような構成となっている。そのため、横方向(水平面方向)の大きさを増やすことなく、噛合面積を増やすことができて、密閉性向上と小型化とを両立することができる。また、内釜フランジ41を形成していない内釜40の密閉性と押下げとを両立できて、内釜フランジ41の成形や加工が難しい積層材料やカーボンや樹脂などの割れ易い素材や形状の採用が可能となる。
【0045】
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4に係る炊飯器100のパッキン50部分の断面模式図である。
図5(a)は、蓋60と炊飯器本体10とを分離させた状態の断面模式図である。
図5(b)は、蓋60と炊飯器本体10とを分離させた状態の断面模式図である。
本実施の形態4では、内釜40の外側面の周状に内釜フランジ41が設けられ、パッキン50の形状を実施の形態1とは異なる形状として、密閉する場合の形態例を示している。
【0046】
図5(a)及び
図5(b)に示されるように、ケーシング1上端と内釜フランジ41上端はほぼ同じ高さになるように配置されている。また、ケーシング1には外周方向から中心方向に向かって高さが低くなるようにケーシング段部1Bが設けられている。そして、ケーシング内側当接面50eを段差構造として、ケーシング段部1Bに当接するような構成となっている。蓋60に設けられ、蓋60の底面から下方に突出する内釜押さえ部62は、蓋60を閉鎖したとき、内釜40の上端(
図5(a))または、内釜フランジ41の上面(
図5(b))と接触して密閉するように設けられている。
【0047】
なお、本実施の形態4では、内釜押さえ部62が蓋フランジ61と接する形態を示しているが、これらの位置関係は限定されるものではない。
【0048】
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5に係る炊飯器100のパッキン部分の断面模式図である。
図6(a)は、蓋60を閉じて炊飯器本体10を密封(係止め)した状態を示す断面模式図である。
図6(b)は、蓋60を開放して、蓋60と炊飯器本体10とを分離した状態を示す断面模式図である。
本実施の形態5では、内釜フランジ41の上側に内釜ハンドル42を設け、内釜ハンドル42を回転させるハンドル回転軸43を設ける構成としている。また、内釜押さえ部62の下端に蓋パッキン64を設ける構成としている。
【0049】
以上のように、本実施の形態5に係る炊飯器100によれば、内釜フランジ41の上側に、内釜ハンドル42を設ける構成としている。そのため、内釜40の着脱や移動が容易になる。
【0050】
また、本実施の形態5に係る炊飯器100によれば、例えばハンドル回転軸43の一部が内釜フランジ41の上方に位置し、内釜フランジ41(内釜フランジ当接面50c)を押さえることが困難となる場合であっても(
図5(b))、内釜押さえ部62の下端に蓋パッキン64を設けることで、内釜ハンドル42やハンドル回転軸43部分などの複雑な形状部分を押さえ易い構造とすることができる(
図5(a))。
【0051】
実施の形態6.
図7は、本発明の実施の形態1から実施の形態5の何れか1つの炊飯器100を備えた調理装置500の構成を示す断面模式図である。
本実施の形態6の調理装置500は、調理装置本体500aと、炊飯器100と、焼肉プレート200と、汁物ナベ300とによって構成される。なお、調理装置500は、コイル2を設けた調理装置本体500a上に、炊飯器100以外の調理用機器も搭載可能なものであり、例えばIH卓上調理器を想定したものである。
【0052】
図7に示されるように、調理装置本体500aは、その外部に操作部11が設けられ、その内部に炊飯器本体を加熱するための第1のコイル2a、焼肉プレート200を加熱するための第2のコイル2b、及び汁物ナベ300を加熱するための第3のコイル2cが設けられている。第1のコイル2a、第2のコイル2b、及び第3のコイル2cは、独立に通電温度制御が可能となっている。調理装置本体500aの側壁は、着脱式ケーシング1aの側壁よりも高くなるように構成している。
【0053】
炊飯器100は、実施の形態1と同様に、炊飯器本体10と、内釜40と、パッキン50と、炊飯器本体10の上部に開閉自在に取り付けられた蓋60とによって構成される。炊飯器本体10は、着脱式ケーシング1aにより構成され、コイル2は含まれない。
【0054】
以上のように、本実施の形態6に係る調理装置500によれば、調理装置本体500aに着脱式ケーシング1aをセットすることで炊飯し、調理装置本体500a上に焼肉プレート200や汁物ナベ300を配置して調理することが出来る構成とした。このため、炊飯器による炊飯と、焼肉プレート200や汁物ナベ300による調理を同時に実施することができる。
【0055】
また、本実施の形態6に係る調理装置500によれば、調理装置本体500aの側壁を、着脱式ケーシング1aの側壁よりも高くなるように構成している。このため、仮にパッキン50から内釜40の内部の食品が漏れても、調理装置本体500aの内部に留まることとなる。つまり、調理装置500を使用するユーザーが火傷をするおそれを軽減することができる。
【0056】
また、本実施の形態6に係る調理装置500によれば、調理装置本体500aに、着脱式ケーシング1aをセットし、着脱式ケーシング1aの略上部にパッキン50を設けることができる。そして、パッキン50の内釜フランジ当接面50cで内釜フランジ41を支持し、蓋60によって内釜40を略密閉することができる構成としている。このため、調理装置本体500aの内側の清掃性を良くすることができ、かつ、上述したように内釜40の密閉性と加熱効率とを両立することができる。また、本実施の形態6では、普通の鍋のように蓋60を有する内釜40を調理装置本体500aの上面に直接載せる形態に比べ、着脱式ケーシング1aによって内釜40の略側面が覆われるような構成としたため、断熱性を向上させ、省エネ性を向上させることができる。
【0057】
なお、本実施の形態6では、焼肉プレート200と、汁物ナベ300とを調理装置本体500aに載置する構成としているが、これに限定されず、他の調理機器を調理装置本体500aに載置する構成としてもよい。