(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5826462
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】IUPC導入器
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20151112BHJP
【FI】
A61M25/00
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-86589(P2010-86589)
(22)【出願日】2010年4月2日
(65)【公開番号】特開2010-246911(P2010-246911A)
(43)【公開日】2010年11月4日
【審査請求日】2013年2月22日
(31)【優先権主張番号】12/424,707
(32)【優先日】2009年4月16日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジェイ. カラハン
(72)【発明者】
【氏名】リンダ デリア
(72)【発明者】
【氏名】メアリー ジョー グリフィン
【審査官】
久郷 明義
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭54−137889(JP,A)
【文献】
米国特許第05104388(US,A)
【文献】
特表平11−505136(JP,A)
【文献】
特表2004−500166(JP,A)
【文献】
特開昭63−194669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の腔の中へのカテーテルの位置決めを容易にするように適合されている導入器であって、該導入器は、
外側壁を含む細長い部材を備え、該外側壁は、長手方向の軸を規定し、かつ、カテーテルの受け入れ用の長手方向の内腔を有し、該外側壁は、該長手方向の内腔と連絡する長手方向のスロット部を規定している第一の長手方向のエッジ部および第二の長手方向のエッジ部を含み、該外側壁は、該長手方向の軸に直交する断面を有し、かつ、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部に隣接するエッジ部の位置における厚さよりも大きい、該長手方向のスロット部にほぼ対向している対向の位置における厚さを規定し、該外側壁は、該対向の位置から該エッジ部の位置まで厚さが徐々に連続して減少するような寸法にされており、それによって、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部が、互いに対して変位させられることを可能にすることにより、該長手方向のスロット部の寸法を増大させて、該長手方向のスロット部を介し、かつ、該長手方向の内腔に対する該カテーテルの取り外しまたは挿入のうちの1つを容易にし、該細長い部材は、前方の先端部分を規定し、該前方の先端部分は、該長手方向の軸に対して10度から60度までの範囲の角度で配置された第一の斜めのエッジ部および第二の斜めのエッジ部を含み、
該前方の先端部分は、非外傷性であり、該前方の先端部分は、曲げられた前方のエッジ部と、該前方のエッジ部から延びる該第一の斜めのエッジ部および該第二の斜めのエッジ部とを含む、導入器。
【請求項2】
前記対向の位置における前記外側壁の厚さと、前記エッジ部の位置における該外側壁の厚さとの比は、約2:1である、請求項1に記載の導入器。
【請求項3】
前記外側壁は、概してc形の断面を規定する、請求項1に記載の導入器。
【請求項4】
前記細長い部材は、グリップ部を含む、請求項1に記載の導入器。
【請求項5】
前記カテーテルは、子宮内カテーテルである、請求項1に記載の導入器。
【請求項6】
子宮内圧カテーテル監視システムであって、該子宮内圧カテーテル監視システムは、
子宮の活動を示す生体信号を検出する圧力センサを含むカテーテルと、
外側壁を含む細長い部材を備えた導入器であって、該外側壁は、長手方向の軸を規定し、かつ、該カテーテルの受け入れ用の長手方向の内腔を有し、該外側壁は、該長手方向の内腔と連絡する長手方向のスロット部を規定している第一の長手方向のエッジ部および第二の長手方向のエッジ部を含み、該外側壁は、該長手方向の軸に直交する断面を有し、かつ、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部に隣接するエッジ部の位置における厚さよりも大きい、該長手方向のスロット部にほぼ対向している対向の位置における厚さを規定し、該外側壁は、該対向の位置から該エッジ部の位置まで厚さが徐々に連続して減少するような寸法にされており、それによって、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部が、互いに対して変位させられることを可能にすることにより、該長手方向のスロット部の寸法を増大させて、該長手方向のスロット部を介し、かつ、該長手方向の内腔に対する該カテーテルの取り外しまたは挿入のうちの1つを容易にし、該細長い部材は、前方の先端部分を規定し、該前方の先端部分は、該長手方向の軸に対して10度から60度までの範囲の角度で配置された第一の斜めのエッジ部および第二の斜めのエッジ部を含む、導入器と、
該生体信号を受信するように適合され、かつ、該生体信号によって引き出された情報の表示用のロジックおよび関連する出力を有する外部モニタと
を備えている、子宮内圧カテーテル監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、子宮内圧カテーテル(intrauterine pressure catheter;IUPC)システムに関する。本開示はまた、子宮内でカテーテルを位置決めし、カテーテルを適用した後で導入器を効率的に取り外すことが可能である導入器に関する。
【背景技術】
【0002】
胎児の収縮を監視し、かつ/または分析するシステムは、外部に適用されるデバイス(例えば、陣痛計)と、子宮内デバイスとを含んでいる。陣痛計または陣痛トランスデューサ(tocotransducer)などの外部デバイスは、表在的に、かつ非侵襲的に子宮の活動を感知する。陣痛計は、基底部付近の患者の腹部に隣接して保持され、そして子宮の活動を示す腹壁の硬さを測定する。しかしながら、そのようなデバイスは、大きな測定誤差をこうむり得る。
【0003】
子宮内圧監視システムは、子宮収縮の頻度、継続時間、強度および休止の調子を含む、子宮収縮に関する、より信頼性があり、かつ正確な情報を提供する。子宮内デバイスはまた、外部デバイスと比較して測定誤差を低減する。なぜならば、子宮内で適切に位置決めされたカテーテルによって、子宮の圧力が直接測定されるからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
従って、カテーテルの位置決めを容易にするように適合されている導入器が提供される。該導入器は、長手方向の軸と、カテーテル、例えば、子宮内カテーテルの受け入れ用の長手方向の内腔とを規定している外側壁を有する細長い部材を含んでいる。該外側壁は、該長手方向の内腔と連絡する長手方向のスロット部を規定している第一の長手方向のエッジ部と、第二の長手方向のエッジ部とを含んでいる。該外側壁は、該長手方向の軸に直交する断面を有し、かつ該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部に隣接するエッジ部の位置における厚さよりも大きい、該長手方向のスロット部にほぼ対向している対向の位置における厚さを規定し、それによって、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部が、互いに対して変位させられることを可能にすることにより、該長手方向のスロット部の寸法を増大させて、該長手方向のスロット部を介し、かつ該長手方向の内腔に対する該カテーテルの取り外しまたは挿入のうちの1つを容易にする。該外側壁の厚さは、該対向の位置から該エッジ部の位置まで徐々に減少するような寸法にされ得る。該対向の位置の該外側壁の厚さと、該エッジ部の位置の該外側壁の厚さとの比は、約2:1である。該外側壁は、概してc形の断面を規定し得る。
【0005】
上記細長い部材は、非外傷性の前方の先端部分を規定し得る。該前方の先端部分は、概して開放性の輪郭を規定するために、弓形の前方の表面につながる第一の斜めのエッジ部と、第二の斜めのエッジ部とを含んでいる。該開放性の輪郭は、上記カテーテルと関連づけられた圧力センサを収容し得る。該細長い部材は、グリップ部を含むことにより、上記外側壁の操作と、該カテーテルからの上記導入器の分離とを容易にし得る。
【0006】
代替の実施形態において、子宮内圧カテーテル監視システムが提供される。該システムは、子宮の活動を示す生体信号を検出する圧力センサを有するカテーテルと、長手方向の軸および該カテーテルの受け入れ用の長手方向の内腔を規定している外側壁を有する導入器と、該生体信号を受信するように適合され、かつ該生体信号によって引き出された情報の表示用のロジックおよび関連する出力を有する外部モニタとを含んでいる。該導入器の該外側壁は、該長手方向の内腔と連絡する長手方向のスロット部を規定している第一の長手方向のエッジ部と、第二の長手方向のエッジ部とを含み得る。該外側壁は、該長手方向の軸に直交する断面を有し、かつ該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部に隣接するエッジ部の位置における厚さよりも大きい、該長手方向のスロット部にほぼ対向している対向の位置における厚さを規定し、それによって、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部が、互いに対して変位させられることを可能にすることにより、該長手方向のスロット部の寸法を増大させて、該長手方向のスロット部を介し、かつ該長手方向の内腔に対する該カテーテルの取り外しまたは挿入のうちの1つを容易にする。
【0007】
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
患者の腔の中へのカテーテルの位置決めを容易にするように適合されている導入器であって、該導入器は、
長手方向の軸を規定し、かつカテーテルの受け入れ用の長手方向の内腔を有する外側壁を含んでいる細長い部材を備え、該外側壁は、該長手方向の内腔と連絡する長手方向のスロット部を規定している第一の長手方向のエッジ部と、第二の長手方向のエッジ部とを含み、該外側壁は、該長手方向の軸に直交する断面を有し、かつ該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部に隣接するエッジ部の位置における厚さよりも大きい、該長手方向のスロット部にほぼ対向している対向の位置における厚さを規定し、それによって、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部が、互いに対して変位させられることを可能にすることにより、該長手方向のスロット部の寸法を増大させて、該長手方向のスロット部を介し、かつ該長手方向の内腔に対する該カテーテルの取り外しまたは挿入のうちの1つを容易にする、導入器。
(項目2)
上記外側壁の厚さは、上記対向の位置から上記エッジ部の位置まで徐々に減少するような寸法にされている、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の導入器。
(項目3)
上記対向の位置における上記外側壁の厚さと、上記エッジ部の位置における該外側壁の厚さとの比は、約2:1である、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の導入器。
(項目4)
上記外側壁は、概してc形の断面を規定する、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の導入器。
(項目5)
上記細長い部材は、非外傷性の前方の先端部分を規定する、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の導入器。
(項目6)
上記前方の先端部分は、概して開放性の輪郭を規定する弓形の前方の表面につながる第一の斜めのエッジ部と、第二の斜めのエッジ部とを含んでいる、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の導入器。
(項目7)
上記細長い部材は、グリップ部を含んでいる、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の導入器。
(項目8)
上記カテーテルは、子宮内カテーテルである、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の導入器。
(項目9)
子宮内圧カテーテル監視システムであって、該システムは、
子宮の活動を示す生体信号を検出する圧力センサを含んでいるカテーテルと、
長手方向の軸を規定し、かつ該カテーテルの受け入れ用の長手方向の内腔を有する外側壁を含んでいる細長い部材を備えている導入器であって、該外側壁は、該長手方向の内腔と連絡する長手方向のスロット部を規定している第一の長手方向のエッジ部と、第二の長手方向のエッジ部とを含み、該外側壁は、該長手方向の軸に直交する断面を有し、かつ該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部に隣接するエッジ部の位置における厚さよりも大きい、該長手方向のスロット部にほぼ対向している対向の位置における厚さを規定し、それによって、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部が、互いに対して変位させられることを可能にすることにより、該長手方向のスロット部の寸法を増大させて、該長手方向のスロット部を介し、かつ該長手方向の内腔に対する該カテーテルの取り外しまたは挿入のうちの1つを容易にする、導入器と、
該生体信号を受信するように適合され、かつ該生体信号によって引き出された情報の表示用のロジックおよび関連する出力を有する外部モニタと
を備えている、子宮内圧カテーテル監視システム。
【0008】
(摘要)
子宮内カテーテルなどのカテーテルの位置決めを容易にするように適合されている導入器が提供される。該導入器は、長手方向の軸と、カテーテル、例えば、子宮内カテーテルの受け入れ用の長手方向の内腔とを規定している外側壁を有する細長い部材を含んでいる。該外側壁は、該長手方向の内腔と連絡する長手方向のスロット部を規定している第一の長手方向のエッジ部と第二の長手方向のエッジ部とを含んでいる。該外側壁は、該長手方向の軸に直交する断面を有し、かつ該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部に隣接するエッジ部の位置における厚さよりも大きい、該長手方向のスロット部にほぼ対向している対向の位置における厚さを規定し、それによって、該第一の長手方向のエッジ部および該第二の長手方向のエッジ部が、互いに対して変位させられることを可能にすることにより、該長手方向のスロット部の寸法を増大させて、該長手方向のスロット部を介し、かつ該長手方向の内腔に対する該カテーテルの取り外しまたは挿入のうちの1つを容易にする。該外側壁の厚さは、該対向の位置から該エッジ部の位置まで徐々に減少するような寸法にされ得る。該対向の位置の該外側壁の厚さと、該エッジ部の位置の該外側壁の厚さとの比は、約2:1である。該外側壁は、概してc形の断面を規定し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の実施形態は、図面を参照することによって、よりよく認識される。
【
図1】
図1は、本開示に従った、子宮内圧カテーテルシステムの斜視図である。
【
図3】
図3は、導入器の代替の実施形態の斜視図である。
【
図5】
図5は、非外傷性の先端部を例示している導入器の遠位の端部または前方の端部の平面図である。
【
図6】
図6は、導入器のグリップ部を例示している斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図面を参照すると、図面において、同様な参照番号は、いくつかの図にわたって同一の部分または実質的に同様な部分を識別しており、
図1は、本開示の原理に従った、子宮内圧カテーテルシステム10を斜視図で例示している。子宮内圧カテーテルシステム10は、圧力センサ20と、カテーテル30と、導入器40と、コネクタアセンブリ60と、モニタ用ケーブル70と、外部モニタ80とを含み得る。圧力センサ20は、カテーテル30の先端部32に埋め込まれ得る。代替案において、圧力センサ20は、別個の構成要素であり、カテーテル30の内腔内に位置決め可能であり得る。導入器40は、カテーテル30の挿入と、子宮内の規定された治療位置における先端部32の、従って圧力センサ20の適切な位置決めとを容易にする。導入器40は、本明細書において、以下でさらに詳細に論じられる。
【0011】
カテーテル30は、任意の適切な子宮内カテーテル、例えば、同一人に譲渡された、Urionなどへの米国特許第5,566,680号に開示されているようなカテーテルであり得、該特許の内容全体は、これによって参考として本明細書中に援用される。カテーテル30は、比較的柔軟であることにより、カテーテル30が子宮頸の輪郭線をたどることを可能にし得る。
【0012】
コネクタアセンブリ60は、圧力センサ20をモニタ用ケーブル70と電気的に接続するメス型コネクタソケット62とオス型コネクタプラグ64とを含んでいる。モニタ用ケーブル70は、圧力センサ20を外部モニタ80にモニタ用ピン型コネクタ72を介して電気的に接続する。テスト部材74は、オス型コネクタプラグ64とモニタ用ケーブル70とモニタ用ピン型コネクタ72とが作動可能であり、かつ正しく接続されていることを保証するために提供され得る。押しボタン76は、データをクリアしたり、システム10をゼロ合わせしたりするために、使用の間にいつでも押し下げられ得る。コネクタアセンブリ60は、接着性の付着パッド66と付着ストラップ68とを用いて、カテーテル30の配置の後に患者の大腿部または腹部に固定される。羊膜の中への流体の注入を可能にするために、ルアーフィッティング(luer fitting)61が、メス型コネクタソケット62を封入している本体部63内でカテーテル30と接続される。
【0013】
図1とともに
図2および
図4を参照することによって、導入器40が論じられる。導入器40は、カテーテル30を受け入れるように適合されることにより、子宮内へのカテーテル30の挿入を容易にする。導入器40は、カテーテル30の子宮内における前進を容易にし、かつその挿入を容易にする十分なスチフネスおよび/または剛性を有している。導入器40は、導入器40の長さに沿って、近位の端部または後方の端部42から遠位の端部または前方の端部44まで、長手方向の軸「x」を規定する外側壁45を含んでいる。導入器40は、外側壁45内に導入器40の長さの少なくとも一部分に沿って配置された長手方向のスロット部46を有する。外側壁45は、カテーテル30を受け入れる長手方向の内腔48を規定する。カテーテル30は、長手方向のスロット部46を介して長手方向の内腔48の中に取り付けられ、そして長手方向の内腔48から取り外され得る。長手方向のスロット部46は、幅「w」を規定しており、本明細書において、以下で論じられる外側壁45の他の特徴との組み合わせにおいて、導入器40からのカテーテル30の挿入または取り外しを可能にする。長手方向のスロット部46の幅「w」は、約0.105インチ〜約0.165インチ、または約0.125インチ〜約0.145インチであり得る。認識されるように、幅「w」は、スロット部46を規定している長手方向のエッジ部50、52がたわむことによって増大させられ得る。導入器40は、示されたように形成され得るか、または膣および子宮頸の形に適応するように、
図3で示されているようなゆるやかな曲線を有し得る。長手方向の内腔48は、カテーテル30を受け入れるために、内部の寸法または直径を規定する。一実施形態において、長手方向の内腔48の内径は、
図4に破線で示されているように、概してカテーテル30の外径に近似している。
【0014】
ここで
図4を参照すると、導入器40は、長手方向の軸「x」を横断する断面を有する。断面は、c形、u形または馬蹄形などのほぼ弓形の形状を規定し得る。円形、卵形などの他の形もまた、当業者に想起される。本明細書中で上記のように、導入器40は、外側壁45内に長手方向のスロット部46を規定する長手方向のエッジ部50、52を含んでいる。導入器40の厚さ「t1」は、スロット部46に対向し、かつ長手方向のエッジ部50および52に向かう弧の部分に沿う位置49において最も大きい。実施形態において、厚さ「t1」は、約0.030インチである。厚さは、長手方向のエッジ部50、52に向かって、厚さ「t2」まで先細りになる。実施形態において、厚さ「t2」は、約0.015インチである。実施形態において、「t1」と「t2」との比は、約4:1、あるいは約3:1、約2:1または約1.5:1である。厚さは、位置49から長手方向のエッジ部50、52に向かって線形性の態様または漸進的な態様で先細りになり得るか、あるいは非線形性であり得る。この構成は、長手方向のエッジ部50、52が対向した方向「b」に、互いに向かって変位させられることを可能にして、長手方向のスロット部46を介した、長手方向の内腔48に対するカテーテル30の受け入れまたは取り外しを容易にする。例えば、長手方向のエッジ部50、52に隣接する外側壁45の部分のより狭い厚さに起因して、エッジ部50、52は、少なくとも矢印「b」の方向で外側にまたは内側にたわむことにより、カテーテル30の通過を可能にし得る。
【0015】
導入器40は、
図3および
図5に示されているように、遠位の端部または前方の端部44に隣接する非外傷性の先端部54を含み得る。非外傷性の先端部54は、組織を通って導入器40を前進させるときに、不快感または組織損傷を低減するように適合されている。非外傷性の先端部54は、湾曲した前方のエッジ部56と、該前方のエッジ部56からつながって延びる斜めのエッジ部57とを有する開口部55を規定する。前方のエッジ部56の曲線は、組織の外傷のリスクを最小化する。前方のエッジ部56はまた、それが組織と接触するときに、変形することが可能な柔らかく、柔軟な材料から形成され得る。斜めのエッジ部57は、長手方向の軸「x」に対して約10度から約60度までの範囲の角度「k」で配置され得る。非外傷性の先端部54は、導入器40と一体に形成され得るか、または導入器40とは別個に形成され得る。別個の構成要素として形成されるときに、非外傷性の先端部54は、任意の適切な手段によって(例えば、接着材または加熱溶接などの使用によって)導入器40に結合され得る。非外傷性の先端部54の開口部55は、圧力センサ20を収容し得る。斜めのエッジ部57は、カテーテル30および圧力センサ20からの導入器40の取り外しを補助し得る。
【0016】
導入器40は、
図6に示されているように、グリップ部を含むことにより、カテーテル30からの導入器40の取り外しを容易にする。グリップ部58は、近位の端部42に隣接するタブ、フラップ、ストリップまたは他のアームであり得る。実施形態において、グリップ部58は、近位の端部42で曲げられ得る。グリップ部58は、長手方向の軸「x」からある角度に曲げられている。実施形態において、グリップ部58は、長手方向の軸「x」から約45度の角度にある。グリップ部58は、臨床医が導入器40を把持し、それをカテーテル30から導入器40の長手方向のスロット部46と反対の方向に引き離すことを可能にする。実施形態において、グリップ部58は、表面を捕らえるフィンガを有するか、またはテクスチャ加工されることにより、臨床医による係合を容易にし得る。グリップ部58は、導入器40と一体に形成され得るか、または導入器40とは別個に形成され得る。別個の構成要素として形成されるときに、グリップ部58は、任意の適切な手段によって(例えば、接着材または加熱溶接などの使用によって)導入器40に結合され得る。導入器40はさらに、外側壁45の外表面上に深さマーキング「m」を含み得る(
図3)。深さマーキング「m」は、非外傷性の先端部54から測定された様々な所定の距離に対応することにより、外科医が子宮頸内の導入器40の挿入の程度を確かめることを補助し得る。
【0017】
導入器40は、十分に剛性の材料から組み立てられることにより、構造の完全性を損なうことなく配置および操作に耐え得る。導入器40は、潤滑性の材料で組み立てられることにより、組織にさらされる際の摩擦係数を低減し得る。導入器40は、プラスチック樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、テフロンTM、またはそれらの組み合わせであり得る。実施形態において、導入器40は、医用グレード(medical grade)の金属またはポリマーから作られ、上記の材料の1つ以上から作られた潤滑性の被覆を有し得る。
【0018】
抗菌性の被覆が、子宮内圧カテーテルシステム10の使い捨て部分の全体に塗布され得る。そのような被覆は、主要な院内の病原菌に対して有効な殺菌性の表面を提供する。例えば、クロルヘキシジンおよびスルファジアジン銀被覆は、カテーテル30および導入器40の表面に分子的に結合され得る。
【0019】
再び
図1を参照すると、モニタ80は、圧力センサ20によって収集された生体信号を受信し、ディスプレイ82上にテキスト出力または視覚的な出力を提供するように適合された回路網またはロジックを含んでいる。
【0020】
本開示の子宮内圧カテーテルシステム10の使用が論じられる。システムの構成要素が、使用のために接続され、準備される。モニタ用ピン型コネクタ72が、外部モニタ80に差し込まれる。所望に応じて、テスト部材74が、モニタ用ケーブル70、オス型コネクタプラグ64およびモニタ用ピン型コネクタ72が作動可能であることを保証するために用いられ得る。事前に取得された、モニタ80内のデータは、次いで、テスト部材74の押しボタン76を押すことによってクリアされるか、またはゼロに合わせられる。モニタ用ケーブル70が、オス型コネクタプラグ64を介してメス型コネクタソケット62に接続され、コネクタアセンブリ60が完成する。外部モニタ80が起動される。
【0021】
一方法において、カテーテル30が、導入器40内に組み立てられ、ここで、カテーテルの先端部32が、導入器40の遠位の端部44に隣接して位置決めされる。この点において、圧力センサ20が、導入器40の開口部55に隣接して配置され得る。カテーテル30は、長手方向の内腔48に沿ってカテーテルを滑らせることによって、あるいは長手方向のスロット部46を通ってカテーテル30を導入することによって、導入器40内に組み立てられ得る。第一のエッジ部50および第二のエッジ部52は、本明細書中で上記されたように、たわむことにより、カテーテル30を収容し得る。導入器40とカテーテル30とが、次いで、子宮頸の口を通って、羊膜の空間の中に構成要素を徐々に滑らせることによって挿入される。導入器40の外側壁の深さマーキング「m」は、臨床医が非外傷性の先端部54を適正な位置で適切に位置決めすることを補助し得る。あるいは、カテーテル30上の第一の位置インジケータおよび第二の位置インジケータが、入口に対する12インチおよび18インチの挿入深さをそれぞれ示す。18インチのマーキングである第二の位置インジケータが入口に存在するまで、カテーテル30は、前進させられる。第二の位置インジケータは、カテーテルの先端部32が子宮の中に約12〜14インチ前進し、子宮の基底部で位置決めされているはずであることを示す。別の方法において、導入器40は、最初に子宮頸の中に挿入され得る。一旦、例えば、深さマーキング「m」によって確認されるように適切に位置決めされると、カテーテル30が、導入器40の長手方向の内腔48を通って前進させられ、それによって、圧力センサ20が、非外傷性の先端部54に隣接して配置され得る。
【0022】
一旦、カテーテル30が適切に位置決めされると、導入器40が取り外され得る。一方の手で導入器40を、もう一方の手でカテーテル30を保持しながら、導入器40が後に引かれ、カテーテル30から分離される。実施形態において、導入器40は、グリップ部58を介してカテーテル30から分離され得る。導入器40は、カテーテル30の一部分に沿って長手方向に導入器40を滑らせることによって、遠位の端部44およびスロット部46の開口部を介して導入器40をカテーテル30から分離すること、導入器を長手方向のスロット部46を介してカテーテル30から引くか、または分離することであって、長手方向のエッジ50、52がたわんで、カテーテル30の通過を可能にする、こと、および/またはこれらの方法の組み合わせによって、カテーテル30から分離され得る。さらに長手方向のエッジ部50、52がある角度に曲げられた配置は、非外傷性の先端部54が圧力センサ20に沿って滑ることを可能にすることにより、圧力センサ20の通過を可能にし得る。ここでカテーテル30を子宮頸内に位置決めしている状態で、接着性の付着パッド66が、患者の大腿部または腹部に適用され、付着ストラップ68が接着性の付着パッド66に固定される。付着ストラップ68が、所望に応じて患者の快適さのために調節される。圧力センサ20およびモニタ80によって、子宮の活動の監視が開始される。
【0023】
様々な修正が本明細書中に開示された実施形態になされ得ることは理解される。従って、上記の説明は、限定することではなく、単に好適な実施形態の例示と解釈されるべきである。当業者は、本開示の精神および範囲の内で他の修正を想起するであろう。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲の内にあることが意図されている。
【符号の説明】
【0024】
10 子宮内圧カテーテルシステム
20 圧力センサ
30 カテーテル
32 カテーテルの先端部
40 導入器
42 導入器の近位の端部
44 導入器の遠位の端部
45 外側壁
46 長手方向のスロット部
48 長手方向の内腔
50、52 長手方向のエッジ部
60 コネクタアセンブリ
70 モニタ用ケーブル
80 外部モニタ