(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態である表示装置100の構成を示す分解斜視図である。
図2は、表示装置100の構成を示すブロック図である。表示装置100は、インフォメーションディスプレイ、テレビジョンおよびパーソナルコンピュータなどにおいて、画像情報を出力することによって画像を表示画面に表示する装置である。表示装置100は、表示パネルである液晶パネル2と、発光装置1と、記憶部40と、表示制御部31と、制御部50と、操作部60とを備える。液晶パネル2において、厚み方向の2つの向きのうち、液晶パネル2と対向する側を背面側とし、他方を前面側とする。表示装置100は画像を、前面側から見て視認可能に表示する。
【0028】
液晶パネル2は、発光装置1が備えるフレーム部材113の底部131と平行に、側壁部132により支持される。液晶パネル2は、2枚の基板を含み、厚み方向から見て長方形の板状に形成される。液晶パネル2は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を含み、2枚の基板の隙間には液晶が注入されている。液晶パネル2は、背面側に配置される発光装置1からの光がバックライトとして照射されることによって、表示機能を発揮する。前記2枚の基板には、液晶パネル2における画素の駆動制御用のドライバー(ソースドライバ)、種々の素子および配線が設けられている。
【0029】
また、表示装置100において、液晶パネル2と発光装置1との間には、拡散板3が、液晶パネル2に平行に配置される。なお、液晶パネル2と拡散板3との間に、光学シートを配置してもよい。
【0030】
拡散板3は、発光装置1から照射される光を、面方向に拡散することによって、輝度が局所的に偏ることを防止する。光学シートは、拡散板3を介して背面側から到達した光の進行の向きを、前面側に向ける。拡散板3では、輝度が面方向に偏ることを防ぐために、光の進行方向は、ベクトル成分として、面方向の成分を多く含む。これに対し光学シートは、面方向のベクトル成分を多く含む光の進行方向を、厚み方向の成分を多く含む光の進行方向に変換する。具体的には、光学シートは、レンズまたはプリズム状に形成される部分が面方向に多数並んで形成され、これによって、拡散板3の厚み方向に進行する光の拡散度を小さくする。したがって、表示装置100による表示において、輝度を上昇させることができる。
【0031】
液晶パネル2には、表示制御部31の制御によって各画素が駆動され、任意の映像が表示される。
【0032】
発光装置1は、液晶パネル2に背面側から光を照射する直下型のバックライト装置である。発光装置1は、液晶パネル2に光を照射する複数の発光部111と、プリント基板112と、フレーム部材113と、複数の発光部111それぞれに接続された電流制御部32と、複数の発光部111それぞれに接続された状態検出回路33とを含む。
【0033】
フレーム部材113は、発光装置1の基本構造体であり、液晶パネル2と予め定められた間隔をあけて対向する平板状の底部131と、底部131に連なり底部131から立ち上がる側壁部132とからなる。底部131は、厚み方向から見て長方形に形成され、その大きさは液晶パネル2よりも少し大き目である。側壁部132は、底部131のうち短辺を成す2つの端部と、長辺を成す2つの端部とから液晶パネル2の前面側に立ち上がって形成される。これによって、平板状の側壁部132が底部131の周囲に4つ、形成される。
【0034】
プリント基板112は、フレーム部材113の底部131に固定される。このプリント基板112上には、複数の発光部111が設けられる。プリント基板112は、たとえば、導電層が両面に形成されたガラスエポキシからなる基板である。
【0035】
複数の発光部111は、液晶パネル2に光を照射するものである。本実施形態では、複数の発光部111を1つの群として、拡散板3を介して液晶パネル2の背面の全体にわたって対向するように、複数の発光部111がプリント基板112上にマトリクス状に設けられる。各発光部111は、フレーム部材113の底部131の主面に垂直な方向から見て正方形に形成される。
【0036】
複数の発光部111には、それぞれ、発光体である発光ダイオード(LED)が備えられている。
【0037】
LEDは、プリント基板112に実装され、光を出射する。LEDは、発光部111をフレーム部材113の底部131の主面に垂直な方向から見たときに、中央部に位置する。複数の発光部111において、それぞれのLEDによる光の出射の制御は、互いに独立して制御可能である。これによって、発光装置1は、部分的な調光制御(ローカルディミング)が可能である。発光部111は、フレーム部材113の底部131に垂直な方向から見て正方形である。
【0038】
以上のように構成される表示装置100では、複数の発光部111が、液晶パネル2に対してマトリクス状に設けられることに対応して、複数のLEDがマトリクス状に配置されることになる。本実施形態の表示装置100は、液晶パネル2に対してマトリクス状に配置される複数のLEDにおいて、一部のLEDに故障(異常)が発生した場合に、該異常が発生したLED(以下「異常LED」という)の配置位置を報知することができるように構成されている。
【0039】
輝度制御部である電流制御部32は、複数の発光部111にそれぞれ備えられるLEDに流れる電流値を制御する。異常検出部である状態検出回路33は、LEDに流れる電流値、LEDに印加される電圧値などを検出し、LEDの状態を示す情報をLED状態認識部52に出力する。
【0040】
記憶部40は、一次的に書き換え可能なデバイスで、座標データ記憶部41と、報知方法記憶部42とを含む。座標データ記憶部41には、LEDの状態、およびそのLEDの配置位置を示す情報が記憶される。報知方法記憶部42には、LEDの故障が発生した場合の報知方法を指示する情報が記憶されており、故障したLED、および故障したLEDの周囲に配置されたLEDの点灯状態などを指示するテーブルが予め記憶されている。
【0041】
統括制御部である制御部50は、LED状態認識部52と、LED駆動制御部51と、演算部53とを含む。LED状態認識部52は、全ての状態検出回路33に接続されており、状態検出回路33から受信した情報を基に、全てのLEDの状態を認識する。LED駆動制御部51は、全ての電流制御部32に接続されており、LEDに流れる電流値が所望の値となるように、電流制御部32を制御する。
【0042】
演算部53は、LED駆動制御部51、LED状態認識部52および表示制御部31の動作を制御するとともに、座標データ記憶部41および報知方法記憶部42から必要な情報を読み出す。また演算部53は、操作部60からのユーザの操作に従い、報知方法記憶部42に記憶されるテーブルに関する情報の設定と更新とを行う。
【0043】
操作部60は、ユーザからの各種の指示を演算部53に出力する。
【0044】
図3は、表示装置100の制御方法を示すフローチャートである。
図4は、表示装置100における、異常LEDの配置位置を報知するための制御を説明するための図である。
【0045】
表示装置100では、異常LEDの配置位置を報知するための制御の開始指示が操作部60から入力されると、制御部50は、異常LEDの配置位置報知処理を開始する。
【0046】
ステップS1では、LED状態認識部52は、液晶パネル2に対応してマトリクス状に配置される複数の発光部111がそれぞれ備える全てのLEDについて、LEDの状態を認識する。LED状態認識部52は、各発光部111の状態検出回路33から出力される状態検出情報を受信し、その状態検出情報が、LEDが異常状態であることを示す情報である場合には、LEDの状態が異常状態であると認識し、LEDが正常状態であることを示す情報である場合には、LEDの状態が正常状態であると認識する。LED状態認識部52は、電流制御部32によって電流が流されているときに、LEDの輝度が所定の値よりも小さくなる異常である「点灯異常状態」と、電流制御部32によって電流が流されていないにもかかわらず消灯しない異常である「消灯異常状態」とを区別して、LEDの異常状態を認識する。LED状態認識部52は、このようなLEDの状態の認識を、マトリックス状に配列される複数の発光部111がそれぞれ備える全てのLEDについて、予め定める順序で実行する。
【0047】
LED状態認識部52は、さらに、状態を認識した各LEDの、液晶パネル2に対する配置位置を示す座標データを取得する。
【0048】
表示装置100では、長方形板状の液晶パネル2に対応して、フレーム部材113の底部131上に、LEDを備える複数の発光部111がマトリクス状に配置されている。すなわち、表示装置100では、液晶パネル2に対応して、複数のLEDが長方形板状の底部131上に、マトリクス状に配置されていることになる。本実施形態では、長方形板状の底部131における発光部111の載置面を、直交座標が設定された面であると見なし、底部131の長辺方向をX軸として取扱い、底部131の短辺方向をY軸として取扱う。そして、
図4に示すように、底部131の主面に垂直な方向から見たときに、左下角部に位置するLED10の配置位置を示す座標データを(1,1)とする。
【0049】
LED10の右隣に配置されたLED11の配置位置を示す座標データを(2,1)とし、X軸方向に1つずれるにつれて、座標データを順に(3,1)、(4,1)・・・(n−1,1)、(n,1)とする。また、LED10の上隣に配置されたLED12の配置位置を示す座標データを(1,2)とし、Y軸方向に1つずれるにつれて、座標データを順に(1,3)、(1,4)・・・(1,m−1)、(1,m)とする。このようにして、全てのLEDの配置位置を座標データで表すことができる。
【0050】
LED状態認識部52が取得した座標データは、各LEDの状態と関連付けられて、座標データ記憶部41に記憶される。
【0051】
ステップS2では、LED駆動制御部51は、座標データ記憶部41から座標データを読み出し、異常LEDの有無を判断する。異常LEDがなければ、ステップS3に進み、異常LEDがあれば、ステップS4に進む。
【0052】
ステップS3では、LED駆動制御部51は、予め定める通常条件でLEDが駆動するように、電流制御部32を制御する。
【0053】
ステップS4では、表示装置100は、LED駆動制御処理を実行する。
図5は、LED駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0054】
LED駆動制御部51は、予め定める順序で、全てのLEDについてLED駆動制御処理を実行する。具体的には、LED駆動制御部51は、座標データが(1,1)、(2,1)、(3,1)・・・(n−1,1)、(n,1)の順で、それぞれの座標データのLEDについてLED駆動制御処理を行う。その後、y座標値が1つ大きい座標データのLEDについて、(1,2)、(2,2)、(3,2)・・・(n−1,2)、(n,2)の順でLED駆動処理を行う。これを繰り返し、最後に座標データが(n,m)のLED13について、LED駆動制御処理を行う。
【0055】
ステップS11では、LED駆動制御部51は、座標データ記憶部41から読み出した座標データに基づいて、LED駆動制御処理を実行するLEDが異常LEDか否か、および異常LEDである場合にその異常が点灯異常であるかまたは消灯異常であるか判断する。異常LEDであれば、ステップS12に進み、異常LEDでなければ、ステップS13に進む。
【0056】
ステップS12では、LED駆動制御部51は、報知方法記憶部42から、LED制御方法が示されたテーブルを読み出す。このとき、LED駆動制御部51は、LED駆動制御処理を実行するLEDが点灯異常のLEDであれば、表1に示す、点灯異常のLEDの制御方法が示された点灯異常LED制御テーブルを読み出す。
【0058】
また、LED駆動制御部51は、LED駆動制御処理を実行するLEDが消灯異常のLEDであれば、表2に示す、消灯異常のLEDの制御方法が示されて消灯異常LED制御テーブルを読み出す。
【0060】
LED駆動制御部51は、その読み出したテーブルに示された異常LEDの情報に従って、LED駆動制御処理を実行するLEDが所定の点灯状態となるように、電流制御部32を制御する。具体的には、LED駆動制御処理を実行するLEDが点灯異常のLEDであれば、LEDが点灯しないように電流制御部32を制御し、LED駆動制御処理を実行するLEDが消灯異常のLEDであれば、LEDの点灯輝度(発光輝度)が最大になるように電流制御部32を制御する。その後、ステップS16に進む。
【0061】
ステップS13では、LED駆動制御部51は、座標データ記憶部41から読み出した座標データに基づいて、LED駆動制御処理を実行するLEDが、異常LEDに隣接するLEDを含む、異常LEDの周囲に配置されたLED(以下「周囲LED」という)か否か判断する。この判断を行うために、LED駆動制御部51は、まず座標データ記憶部41から座標データを読み出す。そして、座標データに、点灯異常のLEDが存在することが示されていれば、報知方法記憶部42から、表1に示した点灯異常LED制御テーブルを読み出し、消灯異常のLEDが存在することが示されていれば、報知方法記憶部42から、表2に示した消灯異常LED制御テーブルを読み出す。
【0062】
LED駆動制御部51は、報知方法記憶部42から読み出されたテーブルに示された、周囲LEDに関する情報のうち、「列数」の情報に従い、LED駆動制御処理を実行するLEDが、周囲LEDか否か判断する。周囲LEDの「列数」は、異常LEDの周囲何列が周囲LEDであるかを示す。たとえば、周囲LED数が1の場合、
図4に示すように、異常LED14の周囲1列が周囲LEDとなる。
図4において、周囲LEDは、太線で囲んだ周囲LED配置領域15内に配置されている。LED駆動制御処理を実行するLEDが周囲LEDであれば、ステップS14に進み、周囲LEDでなければ、ステップS15に進む。
【0063】
ステップS14で、LED駆動制御部51は、報知方法記憶部42から読み出したテーブルに示された、周囲LEDに関する情報のうち、「点灯輝度」、「点滅」および「点滅間隔」の情報に従って、周囲LEDが所定の点灯状態となるように、電流制御部32を制御する。その後、ステップS16に進む。
【0064】
ステップS15では、LED駆動制御部51は、LED駆動制御処理を実行しているLEDが、異常LEDでも周囲LEDでもないLED、すなわち残余のLEDが消灯するように、電流制御部32を制御する。
【0065】
ステップS16では、LED駆動制御部51は、LED駆動制御処理を実行しているLEDの配置位置を示す座標データについて、x座標値およびy座標値が最大であるか否か判断する。x座標値およびy座標値が最大であれば、全てのLEDについてLED駆動制御処理を実行したことになる。x座標値およびy座標値が最大でなければ、ステップS17に進む。
【0066】
ステップS17では、LED駆動制御部51は、LED駆動制御処理を実行しているLEDの配置位置を示す座標データについて、x座標値が最大であるか否か判断する。x座標が最大であれば、ステップS18に進み、x座標が最大でなければ、ステップS19に進む。
【0067】
ステップS18では、LED駆動制御部51は、座標データのx座標値が「1」となり、y座標値が1つ大きくなるように、LED駆動制御処理を実行するLEDを変更する。その後、ステップS11に戻る。
【0068】
ステップS19では、LED駆動制御部51は、座標データのx座標値が1つ大きくなるように、LED駆動制御処理を実行するLEDを変更する。その後、ステップS11に戻る。
【0069】
以上のようにして、全てのLEDについてLED駆動制御処理を実行すると、異常LEDの配置位置報知処理が終了となる。異常LEDの配置位置報知処理終了後の表示装置100において、LEDの点灯状態は、
図4に示すような状態となる。すなわち、異常LED14が消灯し、周囲LED配置領域15内の周囲LEDが点灯し、その他の残余のLEDが消灯した状態となる。異常LEDの配置位置報知処理を実行することによって、異常LEDの配置位置を容易に報知することができるので、故障したLEDを迅速に交換することができる。
【0070】
表1に示した点灯異常LED制御テーブルおよび表2に示した消灯異常LED制御テーブルの各項目は、操作部60から操作することで、適宜変更することができる。たとえば、点灯異常LED制御テーブルにおいて、周囲LEDの列数および点灯輝度を変更でき、また、周囲LEDが点滅するように変更することができる。周囲LEDが点滅するように変更した場合には、その点滅の間隔を設定することができる。周囲LEDを点滅させる点灯異常LED制御テーブルの例を、以下の表3に示す。
【0072】
なお、消灯異常LED制御テーブルでは、異常LEDとの区別を容易に行えるように、周囲LEDの「点滅」の項目は、「有」とする方が好ましい。
【0073】
異常LEDが複数ある場合、特に、複数の異常LEDが隣接している場合には、LED駆動制御部51は、点灯異常LED制御テーブルおよび消灯異常LED制御テーブルにおいて、周囲LEDの点滅が「無」と示されていたとしても、周囲LEDを、点滅させるよう制御することが好ましい。
【0074】
図6は、複数の異常LEDが隣接している表示装置100を示す図である。たとえば、
図6に示すように、消灯異常のLED20の周囲が点灯異常のLED21である場合、点灯異常のLED21の周囲LEDに対して、点滅「無」の制御を行う、すなわち、点灯異常のLED21の周囲LEDを常に点灯させる制御を行った場合、消灯異常のLED20が異常LEDであると気が付くことが難しい。周囲LEDが点滅する制御を行うことで、消灯異常のLED20と点灯異常のLED21とが隣接して存在した場合でも、異常LEDの配置位置を容易に報知することができる。
【0075】
図7は、本発明の第2の実施形態である表示装置200の構成を示すブロック図である。表示装置200は、制御部250に画像データ生成部54および液晶パネル表示処理部58が含まれることが表示装置100と異なる。
【0076】
画像データ生成部54は、記号画像データ生成部55と、文字画像データ生成部56と、矩形画像データ生成部57とを含む。記号画像データ生成部55は、演算部53からの指示に従って、記号画像データを生成する。文字画像データ生成部56は、演算部53からの指示に従って、文字画像データを生成する。矩形画像データ生成部57は、演算部53からの指示に従って、矩形画像データを生成する。
【0077】
液晶パネル表示処理部58は、画像データ生成部54および表示制御部31に接続されており、たとえば、画像データ生成部54の矩形画像データ生成部57で生成された矩形画像データと、記号画像データ生成部55で生成された記号画像データとを重ね合わせた画像データを、表示制御部31に出力する。
【0078】
図8は、表示装置200の制御方法を示すフローチャートである。表示装置200では、異常LEDの配置位置を報知するための制御の開始指示が操作部60から入力されると、制御部50は、異常LEDの配置位置報知処理を開始する。
【0079】
ステップS31では、LED状態認識部52は、液晶パネル2に対応してマトリクス状に配置される複数の発光部111がそれぞれ備える全てのLEDについて、LEDの状態を認識する。LED状態認識部52は、各発光部111の状態検出回路33から出力される状態検出情報を受信し、その状態検出情報が、LEDが異常状態であることを示す情報である場合には、LEDの状態が異常状態であると認識し、LEDが正常状態であることを示す情報である場合には、LEDの状態が正常状態であると認識する。LED状態認識部52は、電流制御部32によって電流が流されているときに、LEDの輝度が所定の値よりも小さくなる異常である「点灯異常状態」と、電流制御部32によって電流が流されていないにもかかわらず消灯しない異常である「消灯異常状態」とを区別して、LEDの異常状態を認識する。LED状態認識部52は、このようなLEDの状態の認識を、マトリックス状に配列される複数の発光部111がそれぞれ備える全てのLEDについて、予め定める順序で実行する。
【0080】
LED状態認識部52は、さらに、状態を認識した各LEDの、液晶パネル2に対する配置位置を示す座標データを取得する。
【0081】
LED状態認識部52が取得した座標データは、各LEDの状態と関連付けられて、座標データ記憶部41に記憶される。
【0082】
ステップS32では、LED駆動制御部51は、座標データ記憶部41から座標データを読み出し、異常LEDの有無を判断する。異常LEDがなければ、ステップS33に進み、異常LEDがあれば、ステップS34に進む。
【0083】
ステップS33では、LED駆動制御部51は、予め定める通常条件でLEDが駆動するように、電流制御部32を制御する。また、液晶パネル表示処理部58は、予め定める通常条件で液晶パネル2の表示が行われるように、表示制御部31を制御する。
【0084】
ステップS34では、表示装置200は、LED駆動制御処理を実行する。ステップS34のLED駆動制御処理は、
図5に示すLED駆動制御処理と同じであるため、記載を省略する。本実施形態の表示装置200の制御方法では、報知方法記憶部42には、異常LED以外の全てのLEDが周囲LEDに設定された点灯異常LED制御テーブルおよび消灯異常LED制御テーブルが記憶されていることが好ましい。なお、この場合、
図5に示すステップS15は行われない。報知方法記憶部42に、異常LED14以外の全てのLEDが周囲LEDに設定された点灯異常LED制御テーブルおよび消灯異常LED制御テーブルが記憶されている場合、LED駆動制御処理後の表示装置200は、
図9に示すような点灯状態になる。
図9は、異常LED14以外の全てのLEDが周囲LEDに設定された表示装置200を示す図である。すなわち、異常LED14が消灯し、周囲LED配置領域15内の周囲LEDが点灯した状態になる。LED駆動制御処理が実行された後、ステップS35に進む。
【0085】
ステップS35では、表示装置200は、画像データ表示処理を実行する。
図10は、画像データ表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0086】
液晶パネル表示処理部58は、複数のLEDそれぞれに対応する(対向する)液晶パネル2の矩形領域の全てに、画像データ表示処理を実行する。液晶パネル表示処理部58は、LEDの配置位置に基づいて画像データ表示処理を実行する。そのため、液晶パネル表示処理部58は、LED駆動制御処理と同じ予め定める順序で、LEDが周囲LEDであるか否か順に判断していき、そのLEDに対応する液晶パネル2の矩形領域に画像データ表示処理を実行する。
【0087】
ステップS41では、液晶パネル表示処理部58は、座標データ記憶部41から読み出した座標データから、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDが周囲LEDか否か判断する。液晶パネル表示処理部58は、まず座標データ記憶部41から座標データを読み出すとともに、報知方法記憶部42から、たとえば表4に示す液晶パネル表示テーブルを読み出す。
【0089】
液晶パネル表示処理部58は、液晶パネル表示テーブルに示された、周囲LEDに関する情報のうち、「個数」の情報に従い、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDが周囲LEDか否か判断する。表4の「個数」が50とは、異常LED14の周囲50個のLEDが周囲LEDであることを示す。これによって、LED駆動制御処理時に対して、画像データ表示処理時における周囲LEDを変更する。周囲LEDであれば、ステップS43に進み、周囲LEDでなければ、ステップS42に進む。
【0090】
ステップS42では、表示制御部31は、対応する液晶パネル2の矩形領域に、黒色の矩形画像データが表示されるように液晶パネル2を制御する。その後、ステップS50に進む。
【0091】
ステップS43では、液晶パネル表示処理部58は、液晶パネル表示テーブルに基づいて、記号の指定があるか否か判断する。記号の指定があればステップS44に進み、記号の指定がなければステップS46に進む。
【0092】
ステップS44では、液晶パネル表示処理部58は、座標データおよび液晶パネル表示テーブルに基づいて、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDが、記号画像データが表示される液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDであるか否か判断する。本実施形態において、記号画像データが表示される液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDの配置位置は、周囲LED配置領域15内において、異常LED14を中心とした直交線上のLEDと、そのLEDの周辺に配置されたLEDである。記号画像データが表示される液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDであればステップS45に進み、そうでなければ、ステップS46に進む。
【0093】
ステップS45では、記号画像データ生成部55は、報知方法記憶部42から液晶パネル表示テーブルを読み出し、液晶パネル表示テーブルに示された「文字/記号」の情報に従って、記号画像データを生成する。記号画像データ生成部55が生成する記号画像データとしては、たとえば矢印記号の画像データが挙げられる。その後、ステップS46に進む。
【0094】
ステップS46では、液晶パネル表示処理部58は、液晶パネル表示テーブルから、文字の指定があるか否か判断する。文字の指定があればステップS47に進み、文字の指定がなければステップS49に進む。
【0095】
ステップS47では、液晶パネル表示処理部58は、座標データに基づいて、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDの配置位置が、文字画像データが表示される液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDであるか否か判断する。本実施形態において、文字画像データが表示される液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDは、周囲LED配置領域15内において、異常LED14を中心として放射線状に延びる直線のうちの1つの直線上のLEDと、そのLEDの周辺に配置されたLEDである。文字画像データが表示される液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDであればステップS48に進み、そうでなければ、ステップS49に進む。
【0096】
ステップS48では、文字画像データ生成部56は、報知方法記憶部42から液晶パネル表示テーブルを読み出し、液晶パネル表示テーブルに示された「文字/記号」の情報に従って、文字画像データを生成する。文字画像データ生成部56は、座標データ記憶部41から座標データを読み出し、異常LEDの座標データを示す文字を、文字画像データとして生成する。その後、ステップS49に進む。
【0097】
ステップS49では、液晶パネル表示処理部58は、液晶パネル表示テーブルに示された「表示色」の情報に従って、その色の矩形画像データを生成する。液晶パネル表示処理部58は、生成した矩形画像データを、記号画像データおよび文字画像データと重ね合わせる。記号画像データまたは文字画像データのいずれか一方のみが生成された場合には、その生成された方の画像データと重ね合わせる。液晶パネル表示処理部58は、記号画像データとして矢印記号の画像データを重ね合わせる場合、矢印記号の先端が異常LEDに対応する液晶パネル2の矩形領域に向くように、矩形画像データと記号画像データとを重ね合わせる。表示制御部31は、この画像データを、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に表示する。その後、ステップS50に進む。
【0098】
ステップS50では、液晶パネル表示処理部58は、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDの配置位置を示す座標データについて、x座標値およびy座標値が最大であるか否か判断する。x座標値およびy座標値が最大であれば、全ての液晶パネル2の矩形領域について画像データ表示処理を実行したことになる。x座標値およびy座標値が最大でなければ、ステップS51に進む。
【0099】
ステップS51では、液晶パネル表示処理部58は、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDの配置位置を示す座標データについて、x座標値が最大であるか否か判断する。x座標が最大であれば、ステップS52に進み、x座標が最大でなければ、ステップS53に進む。
【0100】
ステップS52では、液晶パネル表示処理部58は、座標データのx座標値が1となり、y座標値が1つ大きくなるように、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDを変更する。その後、ステップS41に戻る。
【0101】
ステップS53では、液晶パネル表示処理部58は、座標データのx座標値が1つ大きくなるように、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDを変更する。その後、ステップS41に戻る。
【0102】
以上のようにして、液晶パネル2の矩形領域についてLED駆動制御処理を実行すると、異常LEDの配置位置報知処理が終了となる。表4に示す液晶パネル表示テーブルに従って画像データ表示処理を行った場合の、異常LEDの配置位置報知処理が終了後の液晶パネル2を
図11に示す。
図11は、異常LEDの配置位置報知処理終了後の液晶パネル2を示す図である。
図11において、斜線の領域には、黒色の矩形画像データが表示されており、内部が白抜きの領域は、周囲LEDに対応する液晶パネル2の矩形領域である周囲LED領域17を示し、赤色の矩形画像データが表示されている。このような、異常LEDの配置位置報知処理が終了後の液晶パネル2を見ることによって、周囲LED領域17で囲まれた矩形領域16に対応するLEDが、異常LEDであることが分かる。異常LEDの配置位置報知処理を実行することによって、異常LEDの配置位置を容易に報知することができるので、故障したLEDを迅速に交換することができる。
【0103】
液晶パネル表示テーブルの各項目は、操作部60から操作することで、適宜変更することができる。たとえば、表4に示す液晶パネル表示テーブルを、表5,6に示す液晶パネル表示テーブルに変更することができる。
【0106】
表5に示す液晶パネル表示テーブルに従って画像データ表示処理を行った場合の、異常LEDの配置位置報知処理が終了後の液晶パネル2を
図12に示す。
図12は、記号画像データが表示された、異常LEDの配置位置報知処理終了後の液晶パネル2を示す図である。
図12には、周囲LED領域17において、記号画像データ生成部55で生成した矢印の記号画像データ18が、矩形画像データと重ね合わせて表示されている。
【0107】
また、表6に示す液晶パネル表示テーブルに従って画像データ表示処理を行った場合の、異常LEDの配置位置報知処理が終了後の液晶パネル2を
図13に示す。
図13は、文字画像データが表示された、異常LEDの配置位置報知処理終了後の液晶パネル2を示す図である。
図13には、周囲LED領域17において、文字画像データ生成部56で生成した、異常LEDの配置位置を示す座標データを示す文字画像データ19が、矩形画像データと重ね合わせて表示されている。
図13では、文字画像データ19として、「(a,b)」という文字が表示される。
【0108】
このように、記号画像データまたは文字画像データを液晶パネル2に表示することによって、異常LEDの配置位置を一層容易に報知することができる。なお、矩形画像データとともに、記号画像データおよび文字画像データを重ね合わせて表示してもよい。
【0109】
なお、異常LEDが複数ある場合、特に、複数の異常LEDが隣接している場合には、画像データ表示処理において、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDが周囲LEDであるか否か判断する前に、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDが、異常LEDであるか否か判断することが好ましい。これによって、画像データ表示処理を実行する液晶パネル2の矩形領域に対応するLEDが、異常LEDであるにもかかわらず、周囲LEDであると判断されることを防止することができる。