【文献】
ARNAL-HERAULT C. et al.,Chemistry A European Journal,2007年,Vol.13,p.6792-800
【文献】
ZHANG L.G. et al.,Chinese Chemical Letters,1999年,Vol.10, No.3,p.195-8
【文献】
DUTTA S.P. et al.,Journal of Carbohydrate, Nucleosides, Nucleotides,1980年,Vol.7, No.4,p.217-40
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明の詳細な説明
本発明は、式Iによって示される化合物が酸セラミダーゼ活性を阻害または調整するという知見に由来する。従って、このような化合物は、ある臓器または身体区画におけるセラミドのレベルの低下に関連する疾患の処置のために有利に用いられ得る。
【0029】
I.式Iの化合物
従って、本発明の第一の態様によれば、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩であって
【0031】
式中:
AはOまたはSであり;
Yは、存在する場合、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wは、水素、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、基−(CR
eR
f)
p−CR
gR
hR
iまたは基Z−R
4であり;
R
1は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基C(=O)R
5であり;
R
2は、水素、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または−CN、O−R
6、S−R
6、もしくはNR
7R
8から選択される基であり;
R
3は、水素、ハロゲン、または必要に応じて置換されているアルキルであり;
Qは、O、S、NR
9、C(=O)であり;
Zは、O、S、NR
9であり;
R
4は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
5は、水素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、またはO−R
10もしくはS−R
10から選択される基であり;
R
6は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
7およびR
8は、独立して水素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、基(C=O)R
5であるか、またはそれらが結合されている窒素原子と一緒になった場合、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
9は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
10は、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h、およびR
iは、独立して水素、ハロゲン、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され;
nは、1〜12の整数であり;
mは、0〜12の整数であり;
pは、0〜6の整数である;
化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、ただし、
Aが、酸素であり、R
1、R
2およびR
3が水素であるならば、基Y−Wは、メチル、n−プロピル、n−ヘキシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、シクロヘキシルまたはフェニルではなく;
Aが、酸素であり、R
1がメチルであり、R
2およびR
3が水素であるならば、基Y−Wは、n−ヘキシルではなく;
Aが酸素であり、R
1が水素であり、R
2がメチルであり、かつR
3が水素であるならば、基Y−Wは、メチル、n−ヘキシル、2−プロペン−1−イル、シクロヘキシル、フェニル、またはリジンもしくはオルニチン残基ではなく;
Aが酸素であり、R
1が水素であり、R
2がフルオロメチルであり、かつR
3が水素であるならば、基Y−Wは、n−ヘキシルではなく;
Aが酸素であり、R
1が水素であり、R
2が臭素であり、かつR
3が水素であるならば、基Y−Wはメチルではなく;
Aが酸素であり、R
1がi−プロピルであり、R
2が臭素であり、かつR
3がメチルであるならば、基Y−Wは、フェニルではなく;
Aが酸素であり、R
1が水素であり、R
2がヨウ素であり、かつR
3が水素であるならば、基Y−Wは、フェニルではない、化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0032】
炭素−炭素の間の二重結合を含んでいる式Iの化合物は、E幾何異性体およびZ幾何異性体として存在し得る。1つ以上の炭素−炭素の間の二重結合を含んでいる式Iの化合物の幾何異性体は、本発明の範囲内である。
【0033】
式Iの化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでもよい。1つのキラル中心を含んでいる化合物は、単一の光学異性体として存在してもよいし、または2つの光学異性体の混合物として存在してもよい。このような混合物は、ラセミ化合物またはラセミ混合物として存在する。2つ以上の不斉中心を含んでいる化合物は、単一の光学異性体としておよび光学異性体の対として、ならびにジアステレオ異性体と呼ばれる、光学異性体ではない立体異性体として存在してもよい。式Iの化合物は、全ての可能な立体異性体およびそれらの混合物を包含することを意味する。
【0034】
本明細書に記載される化合物のいくつかは、互変異性体と呼ばれる、水素原子の結合のポイントが異なって存在してもよい。このような例は、ケトンおよびそのエノール型(ケト−エノール互変異性体として公知)であってもよい。個々の互変異性体およびその混合物は、式Iによって包含される。
【0035】
式Iの化合物は、それらの原子のうちの1つ以上で異常な比の原子の同位体を有してもよい。例えば、この化合物は、トリチウムまたは炭素−14のような同位体で放射性標識されてもよい。本発明の化合物の全ての同位体のバリエーションは、放射性であろうとなかろうと、本発明の範囲内である。
【0036】
式Iの化合物は、それらの薬学的に許容される酸付加塩類、例えば、無機酸および有機酸由来の塩の形態で単離されてもよい。「薬学的に許容される塩」という用語は、無機または有機の酸を含む、薬学的に許容される非毒性の酸から調製された塩を指す。このような酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、マロン酸などが挙げられる。
【0037】
本発明はまた、式Iの化合物の活性な代謝物も包含する。
【0038】
特定の実施形態では、上記のような式Iの化合物であって
式中:
Aが、OまたはSであり;
Yが、存在する場合、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wが、水素、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、基−(CR
eR
f)
p−CR
gR
hR
iまたは基Z−R
4であり;
R
1が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基C(=O)R
5であり;
R
2が水素、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、またはO−R
6もしくはNR
7R
8から選択される基であり;
R
3が水素、ハロゲン、または必要に応じて置換されているアルキルであり;
QがO、NR
9、C(=O)であり;
ZがO、NR
9であり;
R
4が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
5が必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基O−R
10であり;
R
6が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
7およびR
8が、独立して水素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、基(C=O)R
5であるか、またはそれらが結合されている窒素原子と一緒になった場合、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
9が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリールであり;
R
10が必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h、およびR
iが、独立して水素、ハロゲン、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nが1〜12の整数であり;
mが0〜12の整数であり;
pが0〜6の整数である、化合物、
あるいはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0039】
これらの実施形態では、AがOである式Iの特定の化合物が提供される。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、式Iの化合物であって、式中:
AがOであり;
Yが、存在する場合、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wが、水素、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、基−(CR
eR
f)
p−CR
gR
hR
iまたは基Z−R
4であり;
R
1が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基C(=O)R
5であり;
R
2が水素、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、またはO−R
6もしくはNR
7R
8から選択される基であり;
R
3が水素またはハロゲンであり;
QがO、NR
9であり;
ZがO、NR
9であり;
R
4が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
5が必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基O−R
10であり;
R
6が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
7およびR
8が、独立して水素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、基(C=O)R
5であるか、またはそれらが結合されている窒素原子と一緒になった場合、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
9が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリールであり;
R
10が必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h、およびR
iが、独立して、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nが1〜12の整数であり;
mが0〜12の整数であり;
pが0〜6の整数である、化合物が提供される。
【0041】
特定の実施形態では、適切なアリール基は、フェニル、α−またはβ−ナフチル、インダニルおよびビフェニルから選択される。
【0042】
特定の実施形態によれば、式Iの化合物であって、式中:
AがOであり;
Yが、存在する場合、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wが水素、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、基−(CR
eR
f)
p−CR
gR
hR
iまたは基Z−R
4であり;
R
1が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基C(=O)R
5であり;
R
2が水素、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、またはO−R
6もしくはNR
7R
8から選択される基であり;
R
3が水素であり;
QがO、NR
9であり;
ZがO、NR
9であり;
R
4が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
5が必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または基O−R
10であり;
R
6が水素、必要に応じて置換されているアルキル、または必要に応じて置換されているシクロアルキルであり;
R
7およびR
8が、独立して水素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、基(C=O)R
5であり;
R
9が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリールであり;
R
10が必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h、およびR
iが、独立して、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nが1〜12の整数であり;
mが0〜12の整数であり;
pが0〜6の整数である、化合物が提供される。
【0043】
本発明のこの第一の態様の特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下を含む群から選択される:
2,4−ジオキソ−N−(4−フェニルブチル)ピリミジン−1−カルボキサミド
N−(2,2−ジフェニルエチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
5−クロロ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−1−カルボキサミド
5−ブロモ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−モルホリノ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
5−[ベンジル(メチル)アミノ]−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−メチルアミノ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキサミド
5−[ベンゾイル(メチル)アミノ]−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−ヨード−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−メトキシ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
3−(シクロプロピルメチル)−N−ヘキシル−5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
3−ブテン−3−イル−N−ヘキシル−5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
5−シアノ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5,6−ジメチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
5−(4−フルオロフェニル)−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−(4−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(p−トリル)ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−(2−ナフチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
メチル5−ブロモ−3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート
イソブチル5−ブロモ−3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート
5−ブロモ−N−ヘキシル−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
イソブチル3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキシレート
N−ヘキシル−3−メチル−2,4−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
イソブチル3−(ヘキシルカルバモイル)−5−(ヒドロキシメチル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート
イソブチル5−クロロ−3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(3−ピリジル)ピリミジン−1−カルボキサミド
N−オクチル−2,4−ジオキソ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−1−カルボキサミド
2,4−ジオキソ−N−(5−フェニルペンチル)ピリミジン−1−カルボキサミド
N−[5−(4−フルオロフェニル)ペンチル]−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−[(4−ブチルフェニル)メチル]−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−[(4−プロピルシクロヘキシル)メチル]−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−(2−メチルピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−(2−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド。
【0044】
本発明のこの第一の態様の他の実施形態では、式Iの化合物は、以下からなる群より選択される:
N−(4−シクロヘキシルブチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(2−ピリジル)ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−1−カルボキサミド
5−(2−シクロヘキシルエチル)−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−フェネチル−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(4−ピリジル)ピリミジン−1−カルボキサミド
5−クロロ−N−ヘキシル−3−(メトキシメチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−(1−メチルヘキシル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(1−ピペリジル)ピリミジン−1−カルボキサミド
【0045】
II.式Iの化合物のサブセット
本発明者らはまた、ウラシルの5位および6位が非置換であり、かつ1−カルボキサミド部分が親油基で終わるアルキル鎖を保有する特定のウラシル誘導体が、効果的な治療的な活性、特に抗ガン活性を示すことを見出した。
【0046】
本発明の特定の実施形態によれば、AがOである式Iaの化合物のサブセットが提供され、
【0048】
かつ、式中、
R
1は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基C(=O)R
5であり;
R
2およびR
3は水素であり;
Yは、存在する場合、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wは、水素、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、基−(CR
eR
f)
p−CR
gR
hR
iまたは基Z−R
4であり;
Qは、O、NR
9であり;
Zは、O、NR
9であり;
R
4は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
5は、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または基O−R
10であり;
R
9は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリールであり;
R
10は、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h、およびR
iは、独立して、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nは1〜12の整数であり;
mは0〜12の整数であり;
pは0〜6の整数であり;
ただし、Wが水素である場合、Yは基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−である。
【0049】
特定の実施形態では、R
1はC(=O)R
5である。
【0050】
式Iaの化合物の特定の実施形態では、AはOである。
【0051】
式Iaの化合物の特定の実施形態では、
AはOであり、
R
1は、水素、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンより選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、オキセタン、テトラヒドロフランもしくはテトラヒドロピランから選択されるか、または基C(=O)R
5であって、式中、R
5は必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、およびピラジンから選択されるか、または基O−R
10であって;
R2およびR3は水素であり;
Yは、必要に応じて置換されているアルキル、好ましくはC
1−C
8アルキル、または基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wは、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジンもしくはピリミジンから選択されるか、または必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択され;
QがOであり;
R
10が必要に応じて置換されているC1−C6アルキルであるか、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、ピラゾールもしくはピリジンから選択されるか、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、もしくはピペラジンから選択され;
R
a、R
b、R
c、R
dは、独立して水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、オキセタン、テトラヒドロフラン、もしくはテトラヒドロピランから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、およびピラジンから選択されるか、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nは1〜12の整数であり;
mは0〜12の整数である。
【0052】
特定の実施形態では、nは1〜6の整数であり、mは0〜6の整数である。
【0053】
特定の実施形態では、式Iの化合物であって、式中、
AがOであり、
R
1が水素、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは基C(=O)R
5であり
ここで、R
5が必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル、インダニル、およびビフェニルから選択され、ならびに必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、およびピラジンから選択されるか、または基O−R
10であり;
R
2およびR
3が水素であり;
Yが、存在する場合、必要に応じて置換されているアルキルまたは基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wが必要に応じて置換されているアリールもしくはヘテロアリールであるか、または必要に応じて置換されているシクロアルキルであり;
QがOであり;
R
10が必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
a、R
b、R
c、R
dが、独立して、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nが1〜12の整数であり;
mが0〜12の整数である化合物が提供される。
【0054】
特定の実施形態では、Wが必要に応じて置換されているアリールであって、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル、インダニル、ビフェニルから選択されるか、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジンもしくはピリミジンから選択されるか、または必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択される式Iaの化合物が提供される。
【0055】
III.式Ibの化合物のサブセット
本発明者らは、また、ウラシルの5位が非置換であり、6位が非置換であり、かつ1−カルボキサミド部分が親油基で終わるアルキル鎖を保有する特定のウラシル誘導体が、有効な治療的な活性、特に抗ガン活性を保持することを見出した。
【0056】
本発明のさらなる態様によれば、AがOである式Ibの化合物のサブセットが提供され、
【0058】
かつ式中、
Yは、存在する場合、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wは、水素、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、基−(CR
eR
f)
p−CR
gR
hR
iまたは基Z−R
4であり;
R
1は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基C(=O)R
5であり;
R
2は、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、またはO−R
6もしくはNR
7R
8から選択される基であり;
R
3は水素であり;
QはO、NR
9であり;
ZはO、NR
9であり;
R
4は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
5は、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または基O−R
10であり;
R
6は、水素、必要に応じて置換されているアルキルまたは必要に応じて置換されているシクロアルキルであり;
R
7およびR
8は、独立して、水素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、基(C=O)R
5であるか、またはそれらが結合されている窒素原子と一緒になった場合、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
9は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリールであり;
R
10は、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h、およびR
iは、独立して、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nは1〜12の整数であり;
mは0〜12の整数であり;
pは0〜6の整数である。
【0059】
式Ibの化合物のサブセットの特定の実施形態では、必要に応じて置換されているアルキルは、C
1−C
8アルキルであり、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシから選択される基で必要に応じて置換されている。
【0061】
式Ibのサブセットの特定の実施形態では、
Aは、Oであり、
Yは、存在する場合、必要に応じて置換されているアルキル、好ましくは低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、または基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wは、水素、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているシクロアルキルであり;
R
1は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基C(=O)R
5であり;
R
2は、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、またはO−R
6もしくはNR
7R
8から選択される基であり;
R
3は水素であり;
Qは、O、NR
9であり;
R
5は、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または基O−R
10であり;
R
6は、水素、必要に応じて置換されているアルキルまたは必要に応じて置換されているシクロアルキルであり;
R
7およびR
8は、独立して、水素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリールであるか、またはそれらが結合されている窒素原子と一緒になった場合、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
9は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリールであり;
R
10は、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり;
R
a、R
b、R
c、R
dは、独立して、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nは、1〜12の整数であり;
mは、0〜12の整数である。
【0062】
式Ibのサブセットにおける特定の実施形態によれば、
Aは、Oであり、
Yは、必要に応じて置換されているC
1−C
8アルキル、または基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wは、水素、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル、もしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択され;
R
1は、水素、必要に応じて置換されているC1−C8アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、または基C(=O)R
5であり;
R
2は、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、もしくはピペラジンから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル、もしくはビフェニルから選択されるか、または基O−R
6もしくはNR
7R
8から選択される基であり;
R
3は、水素であり;
QはOであり;
R
5は必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、チアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾールもしくはピリジンから選択されるか、または基O−R
10であり;
R
6は、水素、必要に応じて置換されているC1−C8アルキルまたは必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択され;
R
7およびR
8は、独立して、水素、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル、インダニル、もしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、チアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾールもしくはピリジンから選択されるか、またはそれらが結合されている窒素原子と一緒になった場合、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、もしくはピペラジンから選択され、
R
10は、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、ピラゾールもしくはピリジンから選択されるか、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、もしくはピペラジンから選択され;
R
a、R
b、R
c、R
dは、独立して、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、オキセタン、テトラヒドロフラン、もしくはテトラヒドロピランから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、およびピラジンから選択されるか、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、またはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nは、1〜12の整数であり;
mは、0〜12の整数である。
【0063】
式Ibの化合物のサブセットの特定の実施形態によれば、nは1〜6の整数であり、mは0〜6の整数である。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、式Ibの化合物であって、式中
AがOであり、
Yが必要に応じて置換されているC1−C8アルキル、または基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−であり;
Wが水素、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているシクロアルキルであり;
R
1が水素、必要に応じて置換されているC1−C8アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、または基C(=O)R
5であり;
R
2が塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、およびモルホリンから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル、インダニル、およびビフェニルから選択されるか、またはO−R
6もしくはNR
7R
8から選択される基であり;
R
3が水素であり;
QがOであり;
R
5が必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシルから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニル、もしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、チアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾールもしくはピリジンから選択されるか、または基O−R
10であり;
R
6が水素、必要に応じて置換されているC1−C8アルキルまたは必要に応じて置換されているシクロアルキルであり;
R
7およびR
8が、独立して水素、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシルから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル、インダニル、およびビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジンもしくはピラジンから選択されるか、またはそれらが結合されている窒素原子と一緒になった場合、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、およびモルホリンから選択され、
R
10は、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニルから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロアリールであって、ピラゾールもしくはピリジンから選択されるか、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、もしくはピペラジンから選択され;
R
a、R
b、R
c、R
d、は、独立して、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1−C6アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキルであって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキサンから選択されるか、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであって、オキセタン、テトラヒドロフラン、もしくはテトラヒドロピランから選択されるか、必要に応じて置換されているアリールであって、フェニルもしくはビフェニル、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、もしくはトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
nは、1〜12の整数であり;
mは、0〜12の整数である、化合物が提供される。
【0065】
典型的には、式IaおよびIbの化合物のサブセットは、(R)−および(S)−光学異性体として、ならびにラセミ混合物として存在してもよい。本発明は、その保護の範囲内に、全ての可能性のある異性体およびそれらのラセミ混合物を包含する。さらなる対称中心が存在すべき場合はいずれも、本発明は、全ての可能なジアステレオ異性体および同様に関連の混合物を包含する。
【0066】
IV.定義
本明細書に用いられる全ての技術用語および科学用語は、別段規定しない限り、当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0067】
本出願の詳細な説明および特許請求の範囲で用いられる以下の用語は、別段規定しない限り、本明細書において以降に特定される意味を有する。
【0068】
「アルキル」という用語は、本明細書において用いる場合、1〜16個の炭素原子の直鎖および分岐鎖の基を含んでいる、飽和された脂肪族炭化水素基を示す。特定の実施形態では、アルキルとは、具体的には、1〜12個の炭素原子を指す。
【0069】
「低級アルキル」という用語は、本明細書において用いる場合、1〜6個の炭素原子の直鎖および分岐鎖のラジカルを指す。アルキルの非限定的な例は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、iso−アミル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどである。
【0070】
任意のアルキル基が、非置換であっても、または1つ以上の置換基で置換されてもよい。従って、「置換されたアルキル」という用語は、アルキル部分の1つ以上の原子または官能基が、例としては、アルキル、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アルキルアミノ、硫酸塩を含めて別の原子または官能基で置き換えられている、本明細書において上記のアルキル基を包含する。特定の実施形態では、アルキルは、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノからなる群より独立して選択される1つ以上の置換基で置き換えられる。
【0071】
「アルケニル」という用語は、本明細書において用いる場合、少なくとも2つの炭素原子からなっており、かつ少なくとも1つの炭素−炭素の二重結合を含んでいる、本明細書において定義されるようなアルキル基を示す。代表的な例としては、限定するものではないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−または2−ブテニルなどが挙げられる。任意のアルケニル基は、非置換であってもよいし、またはハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、もしくはジアルキルアミノからなる群より独立して選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい。
【0072】
「アルキニル」という用語は、本明細書において用いる場合、本明細書において定義されるような、アルキル基であって、少なくとも2つの炭素原子からなっており、かつ少なくとも1つの炭素−炭素間の三重結合を含んでいる、アルキル基を指す。代表的な例としては、限定するものではないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−または2−ブチニル、などが挙げられる。任意のアルキニル基は、非置換であってもよく、またはハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノからなる群より独立して選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい。
【0073】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書において用いる場合、3員〜7員の全てが炭素の単環式の環であって、1つ以上の二重結合を含んでもよいが、完全にコンジュゲートされたπ電子系は有さない、環を示す。
【0074】
シクロアルキル基の例としては、限定するものではないが、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、およびシクロヘプタンが挙げられる。
【0075】
特定の実施形態では、適切なシクロアルキル基は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、およびシクロヘプタンから選択される。
【0076】
シクロアルキル基は、非置換であってもよいし、または低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、もしくはジアルキルアミノを含む基から独立して選択される1〜3つの置換基で置換されてもよい。
【0077】
「アリール」という用語は、本明細書において用いる場合、単環、二環または三環式の環系からなる炭化水素であって、ここでこの環が一緒に縮合されているか、またはお互いに対して共有結合されており、かつ炭素環のうちの少なくとも1つが芳香族である、炭化水素を示す。特定の実施形態では、「アリール」という用語は、環状芳香族、例えば、6員の炭化水素、2つの6員の縮合された炭化水素、および2つの共有結合された6員の炭化水素を意味する。
【0078】
アリール基の非限定的な例としては、限定するものではないが、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル、9,10−ジヒドロアントラセニル、インダニル、フルオレニル、ビフェニル、などが挙げられる。アリール基は、1つ以上のアリール基置換基で必要に応じて置換されていてもよく(「置換されたアリール」)、この置換基は同じであっても異なってもよく、ここで「アリール基置換基」としては、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシル、アラルキルオキシル、カルボキシル、アシル、ハロ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アシルオキシル、アシルアミノ、アロイルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールチオ、アルキルチオ、アルキレン、および−NK’K’’が挙げられ、ここでK’およびK’’は各々独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、およびアラルキルであってもよい。
【0079】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書において用いる場合、窒素、酸素およびイオウから選択される1〜3個のヘテロ原子を含んでいる単環、二環または三環式の環系であって、ここでこの環は、一緒に縮合されるか、またはお互いに共有結合されており、その環の少なくとも一つは芳香族である環系を示す。
【0080】
ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ピロリル、フロイル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニルが挙げられる。
【0081】
特定の実施形態では、適切なヘテロアリール基は、チオフェニル、フロイル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、およびキナゾリニルから選択される。
【0082】
ヘテロアリール基は、非置換であってもよいし、または1つ以上のヘテロアリール基置換基で置換されてもよく(置換されたヘテロアリール)、この置換基は、同じであってもまたは異なってもよく、ここで、「ヘテロアリール基置換基」としては、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシル、アラルキルオキシル、カルボキシル、アシル、ハロ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アシルオキシル、アシルアミノ、アロイルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールチオ、アルキルチオ、アルキレン、および−NK’K’’が挙げられ、ここでK’およびK’’は、各々、独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、およびアラルキルであってもよい。
【0083】
「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語は、本明細書において用いる場合、3員〜7員の、飽和または部分的に不飽和の炭素環であって、ここで1つ以上の炭素原子が独立して窒素、酸素およびイオウで置き換えられている炭素環を意味する。ヘテロ原子の窒素およびイオウは必要に応じて酸化され、窒素原子(単数または複数)は、必要に応じて四級化される。ヘテロシクリル基の非限定的な例としては、例えば、オキシラン、アジリジン、オキセタン、アゼチジン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオフェン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ピペリジン、ピラゾリン、オキサゾリン、イソオキサゾリジン、イソオキサゾリン、チアゾリジン、チアゾリン、イソチアゾリン、ジオキサン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、エキサメチレンイミン、ホモピペラジン、などに由来の基が挙げられる。
【0084】
ヘテロシクリル基または複素環は、非置換であってもよいし、または低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、もしくはジアルキルアミノからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0085】
特定の実施形態では、適切なヘテロシクリル基は、オキセタン、テトラヒドロフラン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、オキサゾリン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、およびモルホリンから選択される。
【0086】
「芳香族」という用語は、構成要素の原子が不飽和環系を形成しており、この環系中の全ての原子がsp2対合され、π電子の総数が4n+2に等しく、ここでnが整数である部分を指す。
【0087】
「アルコキシ」という用語は、本明細書において用いる場合、酸素原子を通じて分子の残りと結合された非置換のアルキル鎖または置換されたアルキル鎖を意味する。アルコキシの例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシなどが挙げられる。
【0088】
「アミノ」という用語は、−NH
2ラジカルを意味する。
【0089】
「アリールオキシ」という用語は、本明細書において用いる場合、酸素原子を通じて分子の残りと結合された非置換のアリール基または置換されたアリール基を意味する。アリールオキシの例としては、限定するものではないが、フェノキシ、α−もしくはβ−ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ、などが挙げられる。
【0090】
「シクロアルキルオキシ」という用語は、本明細書において用いる場合、酸素原子を通じて分子の残りと結合された非置換のシクロアルキル基または置換されたシクロアルキル基を意味する。シクロアルキルオキシの例としては、限定するものではないが、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロペンテニルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘキセニルオキシ、シクロヘキサジエニルオキシ、シクロヘプタニルオキシなどが挙げられる。
【0091】
「ヘテロアリールオキシ」という用語は、本明細書において用いる場合、酸素原子を通じて分子の残りと結合された非置換のヘテロアリール基または置換されたヘテロアリール基を意味する。そこで用いられる「ヘテロシクリルオキシ」という用語は、酸素原子を通じて分子の残りと結合された非置換のヘテロシクリル基または置換されたヘテロシクリル基を意味する。
【0092】
「ハロゲン」という用語は、本明細書において用いる場合、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を示す。
【0093】
「ヒドロキシル」という用語は、−OH基を意味する。
【0094】
「モノアルキルアミノ」という用語は、本明細書において用いる場合、水素原子のうちの1つがアルキル鎖で置換されているアミノ基に相当する。モノアルキルアミノの非限定的な例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、などが挙げられる。
【0095】
「ジアルキルアミノ」という用語は、本明細書において用いる場合、両方の水素原子がアルキル鎖で置換されている、アミノ基に相当する。2つのアルキル鎖は、同じであっても異なってもよい。ジアルキルアミノの非限定的な例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、などが挙げられる。
【0096】
「トリフルオロメチル」という用語は、−CF
3基を意味する。
【0097】
「トリフルオロメトキシ」という用語は、−OCF
3基を意味する。
【0098】
V.薬学的に許容される塩
本明細書において用いる場合、式I、Ia、Ibの化合物に対する言及は、薬学的に許容される塩またはその誘導体も含むことを意味することが理解される。
【0099】
さらに、式I、Ia、Ibの化合物は、置換基の種類次第で、酸付加塩または塩基との塩を形成し得、それらの塩は、それらが薬学的に許容される塩である限り、本発明に包含される。
【0100】
「本発明の化合物(単数および複数)」および「式Iの化合物」という用語は、式I、Ia、Ibの化合物の各々を指し、かつ、それらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および結晶型、ならびに本明細書において以降に図示される任意の適切な形態も含むことを意味する。
【0101】
本明細書において用いる場合、「塩」という用語は、無機または有機の酸または塩基から調製された本発明による化合物の任意の塩、および内部形成された塩を指す。典型的には、このような塩は、生理学的に許容される陰イオンまたは陽イオンを有する。
【0102】
本発明の化合物の適切に生理学的に許容される塩または薬理学的に許容される塩としては、塩酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩および硝酸塩が挙げられ、塩酸塩が好ましい。
【0103】
式I、Ia、Ibの化合物の塩は、塩基化合物と所望の酸とを溶液中で反応することによって調製され得る。
【0104】
生理学的にまたは薬学的に許容される塩は、それらが親化合物に対して水溶性が大きいという理由で、医薬適用のために特に適切である。
【0105】
薬学的に許容される塩はまた、従来の方法を用いて、式I、Ia、Ibの化合物の他の薬学的に許容される塩を含む、他の塩から調製してもよい。
【0106】
有機化学の分野における当業者は、多くの有機化合物が、溶媒であって、それらがその中で反応されるか、またはそれから沈殿されるかもしくは結晶化される溶媒と複合体を形成し得ることを理解する。これらの複合体は、「溶媒和物」として公知である。例えば、水との複合体は、「水和物」として公知である。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。式Iの化合物を、適切な溶媒の結晶化またはエバポレーションによって溶媒分子と会合して容易に単離して、対応する溶媒和物を得てもよい。
【0107】
本発明の式I、Ia、Ibの化合物は、結晶型であってもよい。特定の実施形態では、式I、Ia、Ibの化合物の結晶型は、多形である。
【0108】
本発明の主題はまた、式Iおよび以下で言及された化合物とは、1つ以上の原子が、自然界で通常みられる原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子で置換されているという事実以外は、同一である、同位体的に標識された化合物を包含する。本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩に組み込まれてもよい同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素、ヨウ素、および塩素、例えば、
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
36Cl、
123Iおよび
125Iが挙げられる。
【0109】
本発明の化合物およびこのような化合物の薬学的に許容される塩(上述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む)は、本発明の範囲内である。同位体的に標識された本発明の化合物、例えば、
3H、
14Cのような放射性同位体が組み込まれている化合物は、薬物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化された、すなわち、
3H、および炭素−14、すなわち、
14C、同位体は、特にその調製が容易でかつ検出性について好ましい。
11Cおよび
18F同位体は、特にPET(ポジトロン放出断層撮影)で有用であり、
125I同位体は、特にSPECT(単一光子放出型コンピュータ断層撮影)で有用であり、すべてが脳画像化に有用である。さらに、より重い方の同位体、例えば、重水素、すなわち、
2Hでの置換は、より大きい代謝安定性から生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の延長または投薬必要量の低下をもたらし得、従って、いくつかの環境では好ましい場合がある。式Iの同位体的に標識された化合物、および本発明の以下は一般には、同位体ではない標識の試薬を、容易に利用可能な同位体的に標識された試薬で置換することによって、下のスキームで、および/または実施例で開示される手順を行うことによって調製され得る。
【0110】
本発明に含まれる特定の基/置換基は、異性体として存在しても、または1つ以上の互変異性体型で存在してもよい。従って、特定の実施形態では、式I、Ia、Ibの化合物は、置換基の種類によって、他の互変異性体または幾何異性体の形態で、ある場合には存在してもよい。本明細書では、この化合物は、このような異性体の1つの形態でのみ記載されている場合があるが、本発明は、このような異性体、その異性体の単離型、またはそれらの混合物を包含する。さらに、式I、Ia、Ibの化合物は、不斉炭素原子、または軸非対称をある場合には有してもよく、対応して、これは、(R)型、(S)型などのような光学異性体の形態で存在してもよい。本発明は、ラセミ化合物、光学異性体、およびそれらの混合物を含む、全てのこのような異性体をその範囲内に包含する。
【0111】
具体的には、本発明の範囲内には、全ての立体異性体型が含まれ、これには、光学異性体、ジアステレオ異性体、およびそれらの混合物が含まれ、これには、ラセミ化合物を含んでおり、かつ式I、Ia、Ibの化合物に対する一般的な言及には、別段示さない限り、全ての立体異性体型を包含する。
【0112】
一般的には、本発明の化合物または塩は、それ自体であっても、または水中であっても、化学的に不安定であり、経口、非経口その他いずれであっても全ての投与経路を通じた薬学的な使用について明らかに不適切である化合物は(もしあっても)除外すると解釈されるべきである。このような化合物は、熟練した科学者には公知である。しかし、エキソビボで安定であり、哺乳動物(例えば、ヒト)身体中で本発明の化合物に変換可能であるプロドラッグまたは化合物は包含される。
【0113】
VI.式I、Ia、Ibの化合物を調製するための方法
さらなる態様では、本発明は、式Ia、Ibの化合物を含む、式Iの化合物を調製するための方法を提供する。
【0114】
式Iの化合物は、参照として本明細書に援用される、例えば、Michael Smith,Jerry March−マーチの新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry):反応の機構および構造(reactions mechanisms and structure)第6版,John Wiley & Sons Inc.,2007に報告される、人工的な変換を含むプロセスを通じて調製され得る。化学基の別のものへの変換には、この官能基を含んでいる化合物中の1つ以上の反応性中心を保護して、望ましくない副反応を回避することを必要とする場合があるということが当業者には周知である。このような反応性中心の保護および人工的な変換の終わりにおける引き続く脱保護は、例えば、参照として本明細書に援用される、Theodora W.GreenおよびPeter G.M.Wuts−Protective Groups in Organic Synthesis,第4版,John Wiley & Sons Inc.,2006に記載される標準的手順に従って達成され得る。
【0115】
本明細書において用いる場合、式Iの化合物に対する言及は、適切な場合には、本明細書において以降に記載されるような、式IaおよびIbの化合物のサブセットも包含することを意味することが理解される。
【0116】
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式IIの化合物またはその塩と、式IIIのイソシアネートとの反応によって得てもよく、
【0118】
式中、A、R
2、R
3、YおよびWは、上記のとおりであり、かつR
1は、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0119】
式IIの化合物は、市販されているか、または、例えば、Michael Smith,Jerry March−マーチの新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry):反応の機構および構造(reactions mechanisms and structure)第6版,John Wiley & Sons Inc.,2007において;またはJavier I.Bardagi、Roberto A.Rossi−Organic Preparations and Procedures International,2009,41,479−514、およびそこに引用される引用文献(参照として本明細書に援用される)に報告されるような、標準的な合成方法によって調製され得るかのいずれかである。
【0120】
一実施形態では、式IIの化合物は、当業者に公知のように、同じ式IIによって示される別の化合物を適切な試薬で処理して、合成工程の1つに導入された1つ以上の保護基を除去することによって得てもよい。このような反応性中心の保護および引き続く脱保護は、例えば、参照によって本明細書に援用されるTheodora W.GreeneおよびPeter G.M.Wuts−Protective Groups in Organic Synthesis,第4版,John Wiley & Sons Inc.,2006に記載の標準的な手順に従って達成され得る。
【0121】
別の実施形態では、式IIの化合物は、同じ式IIによって示される別の化合物を適切な試薬で処理して、1つ以上の官能基を1つ以上の新規な官能基に変換することによって得てもよい。
【0122】
式IIIのイソシアネートは、上記のとおり、市販されているか、または例えば、参照として本明細書に援用される、Molina P.,Tarraga A.,Arques A.in Katritzky A.R.,Taylor R.J.k.,Comprehensive Organic Functional Group Trasformations II Elsevier,2004,Vol.5,Pag.949−973において;またはMichael Smith,Jerry March−マーチの新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry):反応の機構および構造(reactions mechanisms and structure)第6版,John Wiley & Sons Inc.,2007、ならびにそこに引用される参考文献に報告されているような合成方法によって調製されてもいずれでもよい。
【0123】
式IIの化合物であって、式中、R
1およびR
3が水素であり、Aが上記されており、かつR
2が基NR
7R
8である化合物は、式IVの化合物であって、式中Aが上記されたとおりである化合物と、式Vの二級アミンとの反応によって得てもよく、
【0125】
式中、R
7およびR
8は独立して、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであるか、またはそれらが結合されている窒素原子と一緒になった場合、それらは必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0126】
上記で定義されるような、式Vのアミンは、市販されているか、または例えば、参照によって本明細書に援用される、Michael Smith,Jerry March−マーチの新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry):反応の機構および構造(reactions mechanisms and structure)第6版,John Wiley & Sons Inc.,2007、およびそこに引用される参考文献に報告されるような、標準的な合成方法によって、当業者に公知の、適切な前駆体から調製されるかのいずれかである。
【0127】
式IIの化合物(ここで、R
1およびAは、上で定義されるとおりであり、R
3は水素であり、かつR
2は、必要に応じて置換されているアリールである)は、式VIの化合物であって、
【0129】
式中、R
1およびAが上で定義されるとおりであり、かつR
2が必要に応じて置換されているアリールである、化合物のベンズヒドリル基の酸媒介性の切断によって得てもよい。
【0130】
上記で定義されるような式VIの化合物は、R
1およびAが上記で定義されたとおりである式VIIの化合物と、式VIIIのボロン酸であって、
【0132】
式中、R
2が必要に応じて置換されているアリールであるボロン酸との間の金属触媒交差カップリング反応によって得てもよい。
【0133】
上記で定義されたとおりである、式VIIの化合物は、例えば、参照によって本明細書に援用される、Fan Wu、Musole G.Buhendwa、Donald F.Weaver,Journal of Organic Chemistry,2004,69,9307〜9309、およびそこに引用される参考文献に報告されるような、標準的な合成手順によって、当業者に公知であるように、R
1およびAが上記で定義されたとおりであり、R
2がヨウ素であり、かつR
3が水素である、式IIの化合物と、ブロモジフェニルメタンとの反応によって得てもよい。
【0134】
上記で定義されるような、式VIIIのボロン酸は、商業的に入手されるか、または例えば、参照として本明細書に援用される、Norio MiyauraおよびAkira Suzuki,有機ホウ素化合物のパラジウム触媒クロスカップリング反応(Palladium−Catalyzed Cross−Coupling Reactions of Organoboron Compounds).Chemical Reviews 1995,95,2457−2483に、またはMichaelSmith,Jerry March−マーチの新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry):反応の機構および構造(reactions mechanisms and structure)第6版,John Wiley & Sons Inc.,2007,およびそこに引用される参考文献に報告されるような標準的な合成方法によって、当業者に公知のように、適切な前駆体から調製されてもよい。
【0135】
別の実施形態では、R
2およびAが上記で定義されるとおりであり、R
3が水素であり、かつR
1が必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである、式IIの化合物は、式IXの化合物のtert−ブチルオキシカルボニル基であって、
【0137】
式中R
2およびAが上記で定義されたとおりであり、かつR
1が必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである基の塩基媒介性の切断によって得てもよい。
【0138】
上記で定義されるような、式IXの化合物は、R
2およびAが上記で定義されるとおりである式Xの化合物と、式XIのハロゲン化物であって
【0140】
式中、Halが臭素またはヨウ素であり、かつR
1が必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、または必要に応じて置換されているアリールである、ハロゲン化物との反応によって得てもよい。
【0141】
上記で定義されるような式Xの化合物は、当業者に公知であるような、標準的な合成手順によって、AおよびR
2が上記で定義されたとおりであり、かつR
1およびR
3が水素である式IIの化合物と、ジ−tert−ブチルジカルボネートとの反応によって得てもよい。
【0142】
上記で定義されるような、式XIのハロゲン化物は、市販されているか、または例えば、参照として本明細書に援用される、Michael Smith,Jerry March−マーチの新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry):反応の機構および構造(reactions mechanisms and structure)第6版,John Wiley & Sons Inc.,2007、およびそこに引用される参考文献に報告されるように、標準的な合成方法に従って、当業者に公知のように、適切な前駆体から調製することができるかのいずれかである。
【0143】
別の実施形態では、A、R
1、R
2、R
3、Y、およびWが上記で定義されたとおりである式Iの化合物は、A、R
1、R
2、およびR
3が上記で定義されたとおりである、式IIの化合物(塩化カルバモイルとして)の活性化および式XIIのアミンであって、
【0145】
式中、YおよびWが上記で定義されたとおりである式XIIのアミンとの引き続く反応によって得てもよい。
【0146】
式XIIのアミンは、市販されているか、または、例えば、参照として本明細書に援用される、Michael Smith,Jerry March−マーチの新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry):反応の機構および構造(reactions mechanisms and structure)第6版,John Wiley & Sons Inc.,2007,およびそこに引用される引用文献に報告されるように、標準的な合成方法によって、当業者に公知のとおり、適切な前駆体から調製することができるかのいずれかである。
【0147】
別の実施形態では、式Iの化合物は、式Iの化合物を同じ式Iによって示される別の化合物に変換する工程を包含するプロセスによって得てもよい。このような変換は、限定するものではないが、以下の例によって例示される。
【0148】
R
3、YおよびWが上記で定義されたとおりであり、R
1が基(C=O)R
5であり、ここでR
5が上記のとおりであり、かつR
2が水素、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または−CN、O−R
6、S−R
6、もしくはNR
7R
8から選択される基であり、ここでR
7およびR
8が水素とは異なる式Iの化合物は、R
3、YおよびWが上記で定義されたとおりであり、R
1が水素であり、かつR
2が水素、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または−CN、O−R
6、S−R
6、もしくはNR
7R
8から選択される基であり、ここでR
7およびR
8が水素とは異なる、同じ式Iによって示される別の化合物を、式XIIIの適切な塩化物であって、
【0150】
式中、R
5が上記のとおりである塩化物を用いて処理することによって得てもよい。
【0151】
R
1、R
3、YおよびWが上記で定義されたとおりであり、R
2が基NR
7R
8であり、式中R
7が基(C=O)R
5であり、式中R
5が上記で定義されるとおりであり、かつR
8が水素または必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルである、式Iの化合物は、同じ式Iによって提示される別の化合物であって、R
1、R
3、YおよびWが上記で定義されたとおりであり、R
2が基NR
7R
8であり、式中R
7が水素であり、かつR
8が水素または必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルである化合物を、R
5が上記で定義されるとおりである式XIIIの適切な塩化物を用いて処理することによって、得てもよい。
【0152】
式XIIIの塩化物は、市販されているか、または例えば、参照によって本明細書に援用される、Michael Smith,Jerry March−マーチの新有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry):反応の機構および構造(reactions mechanisms and structure)第6版,John Wiley & Sons Inc.,2007、およびそこに引用される参考文献に報告されるような、標準的な合成方法によって、当業者に公知のとおり、適切な前駆体から調製することができるかいずれかである。
【0153】
上記の合成プロセスによる、式Iの化合物の合成は、段階的に行われてもよく、それによって、各々の中間体は、引き続く反応を行う前に、例えば、カラムクロマトグラフィーなどの標準的な精製技術によって単離および精製される。あるいは、合成順序の2つ以上の工程は、当該分野で公知のとおり、いわゆる「ワンポット」手順で行われてもよく、それによって、2つ以上の工程から生じる化合物のみが単離され精製される。
【0154】
上記の化合物は、以下の手順で例示されるとおり調製され得る。
【0155】
式Iの化合物であって、A、R
2、R
3、Y、およびWが上記で定義されたとおりであり、かつR
1が水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである化合物は、上記のような式IIの化合物と、上記のような式IIIのイソシアネートとの反応によって得てもよい。この反応は好ましくは、無水、極性の非プロトン性溶媒、例えば、ピリジン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタンなどの中で、室温から100℃までにおよぶ温度で、10分〜18時間の期間行われる。その反応は、4−ジメチルアミノピリジン、ジ−イソプロピルエチルアミン、などのような三級アミンの存在下で行ってもよい。
【0156】
R
1およびR
3が水素であり、Aが上記で定義されるとおりであり、かつR
2が基NR
7R
8である、式IIの化合物は、上記で定義されるような式IVの化合物と、上記で定義されるような式Vの二級アミンとの反応によって得てもよい。この反応は好ましくは、溶媒なしで、マイクロ波照射の下で、90℃〜160℃の範囲の温度で、10分〜6時間の期間にわたって、行われる。
【0157】
R
1およびAが上記で定義されたとおりであり、R
3が水素であり、かつR
2が必要に応じて置換されているアリールである式IIの化合物は、上記のような式VIの化合物を、トリフルオロメタンスルホン酸のような強い無機酸を用いて処理することによって得てもよい。この反応は、好ましくは、トリフルオロ酢酸(TFA)中で、−10℃〜室温におよぶ温度で、かつ1時間〜5時間の期間行う。
【0158】
R
1およびAが上記で定義されたとおりであり、かつR
2が必要に応じて置換されているアリールである式VIの化合物は、上記のような式VIIの化合物と上記のような式VIIIのボロン酸との間の金属−触媒のクロスカップリング反応によって得てもよい。この反応は好ましくは、トルエン/エタノール、アセトニトリル/水、テトラヒドロフラン/水のような溶媒、または、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメトキシエタン(DME)、ジオキサンのような溶媒の混合物中で、室温〜160℃におよぶ温度で、かつ10分〜48時間の期間行われる。この反応は、無機塩基、例えば、炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)、炭酸カリウム(K
2CO
3)、炭酸セシウム(Cs
2CO
3)、水酸化カリウム(Ba(OH)
2)、水酸化ナトリウム(NaOH)、フッ化カリウム(KF)、など、およびパラジウムを含んでいる触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)などの存在を必要とする。
【0159】
R
1およびAが上記で定義されたとおりである式VIIの化合物は、R
1およびAが上記で定義されたとおりであり、R
2がヨウ素であり、かつR
3が水素である式IIの化合物とブロモジフェニルメタンとの反応によって得てもよい。この反応は、適切な溶媒、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、などの中で、室温〜90℃におよぶ温度で、かつ2時間〜10時間の期間行われる。その反応は、シリル含有O保護試薬、例えば、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)などの存在下で、および触媒、例えば、ヨウ素(I
2)およびテトラブチルアンモニウムヨウ素などの存在下で行う。
【0160】
R
2およびAが上記で定義されたとおりであり、R
3が水素であり、かつR
1が必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである式IIの化合物は、上記のような、式IXの化合物のtert−ブチルオキシカルボニル基の塩基媒介性の切断によって得てもよい。その反応は、水、メタノール、エタノールなどの極性のプロトン性溶媒中で、かつ炭酸カリウム(K
2CO
3)、カリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下で行われる。この反応は、0℃〜100℃にわたる温度で、かつ15分〜18時間の期間にわたって行われる。
【0161】
R
2およびAが上記で定義されたとおりであり、かつR
1が必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである式IXの化合物は、上記のような式Xの化合物と、上記のような式XIのハロゲン化物との反応によって得てもよい。この反応は、適切な溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(MeCN)、テトラヒドロフラン(THF)などの中で、かつ無機塩基、例えば、水素化ナトリウム(NaH)、炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)、炭酸カリウム(K
2CO
3)、炭酸セシウム(Cs
2CO
3)などの存在下で、0℃〜40℃におよぶ温度で、1時間〜18時間の期間にわたって、行われる。
【0162】
R
2およびAが上記で定義されたとおりである式Xの化合物は、Aが上記で定義されるとおりであり、かつR
1およびR
3が水素である式IIの化合物と、ジ−tert−ブチルジカーボネートとの反応によって得てもよい。この反応は、適切な溶媒、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、ジメトキシエタン(DME)などの中で、0℃〜50℃におよぶ温度で、1時間〜18時間の期間行う。時には、この反応は、三級アミン、例えば4−ジメチルアミノピリジン、ジ−イソプロピルエチルアミン、イミダゾール、トリエチルアミンなどの存在下で行ってもよい。
【0163】
上記で定義されるような式Iの化合物は、上記のような式IIの化合物を、活性化剤、例えば、ホスゲン、エチルクロロギ酸エステル、p−ニトロフェニルクロロギ酸エステル、1,1’−カルボニルジイミダゾール、トリホスゲンなどを用いる処理、および上記のような、式XIIのアミンとの引き続く反応によって調製してもよい。このような反応は、いわゆる「ワンポット」手順において、適切な溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ピリジン、またはそれらの混合物の中で、および適切な塩基、例えば、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミンまたはピリジンの存在下で、−10℃〜40℃におよぶ温度で、かつ1時間〜72時間の期間にわたって、行う。
【0164】
R
3、YおよびWが上記で定義されたとおりであり、R
1が基(C=O)R
5であり、かつR
2が水素、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または−CN、O−R
6、S−R
6、もしくはNR
7R
8から選択される基であって、ここでR
7およびR
8が水素とは異なる式Iの化合物は、同じ式Iによって示される別の化合物であって、R
1、R
3、YおよびWが上記で定義されたとおりであり、R
2が水素、塩素、臭素、ヨウ素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または−CN、O−R
6、S−R
6、もしくは基NR
7R
8から選択される基であり、ここでR
7およびR
8が水素とは異なる化合物を、上記で定義されるような式XIIIの塩化物を用いて処理することによって得てもよい。このような反応は、適切な溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ピリジン、またはそれらの混合物の中で、かつ適切な塩基、例えば、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、またはピリジンの存在下で、−10℃〜40℃におよぶ温度で、かつ1時間〜72時間の期間にわたって、行う。
【0165】
R
1、R
3、YおよびWが上記で定義されたとおりであり、かつR
2が基NR
7R
8であり、ここでR
7が基(C=O)R
5であり、かつR
8が水素、必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである式Iの化合物は、同じ式Iによって示される別の化合物であって、ここでR
1、R
3、YおよびWが上記で定義されたとおりであり、R
2が基NR
7R
8であり、ここでR
7が水素であり、かつR
8が水素または必要に応じて置換されている低級アルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリルである化合物を、上記で定義されるような式XIIIの塩化物を用いて処理することによって得てもよい。このような反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ピリジン、またはそれらの混合物のような適切な溶媒中で、かつトリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、またはピリジンのような適切な塩基の存在下で、−10℃〜40℃におよぶ温度で、かつ1時間〜72時間におよぶ期間行う。
【0166】
VII.式I、Ia、Ibの化合物の医学的使用
本発明の第二の態様によれば、式I、Ia、Ibの化合物は、医薬としての使用のために提供される。
【0167】
さらなる態様によれば、本発明は、例えば、酸セラミダーゼが過活性であるかまたは過剰発現される被験体における、酸セラミダーゼのタンパク質または機能のレベルの増大(生理学的レベルまたは所望のレベルに対して)に関連する疾患または障害を処置することにおける使用のための、式I、Ia、Ibの化合物を提供する。
【0168】
別の態様によれば、例えば、酸セラミダーゼが過活性であるかまたは過剰発現される被験体における、酸セラミダーゼのタンパク質または機能のレベルの増大(生理学的レベルまたは所望のレベルに対して)に関連する疾患または障害の処置の方法も提供される。
【0169】
いくつかの実施形態では、式I、Ia、Ibの化合物、およびそれらの薬学的組成物ならびにそれらを投与する方法は、細胞の過剰増殖および/またはスフィンゴ脂質のシグナル伝達の機能不全に関与する疾患および障害を処置するのに有用である。
【0170】
これらの疾患および障害としては、限定するものではないが、原発性および転移性の腫瘍性疾患が挙げられる。細胞の過剰増殖に関与する疾患および障害としては、前癌状態、限定するものではないが、例えば、過形成、異形成または形成不全、癌、癌転移、良性腫瘍、過剰増殖性障害、および良性異常増殖性障害が挙げられる。
【0171】
この処置は、予防的であっても、または治療的であってもよい。
【0172】
処置されるべき被験体は、動物(例えば、マウス、ラット、非ヒト霊長類、および非ヒト哺乳動物)であっても、またはヒトであってもよい。
【0173】
ここに開示した主題の方法、化合物および組成物によって処置されるか、および/または予防され得る原発性および転移性の腫瘍性疾患および関連の障害としては、限定するものではないが、前立腺癌、結腸直腸癌、肝癌、頭頸部癌、乳癌、黒色腫、転移性黒色腫、前癌性皮膚状態、例えば光線性角化症、皮膚癌、例えば扁平上皮癌および基底細胞癌、ならびに血液学的悪性腫瘍、例えば慢性骨髄性白血病が挙げられる。
【0174】
特定の実施形態によれば、本発明は、処置の必要な被験体において、上記の実施形態のうちの1つ以上による、式I、Ia、Ibの治療上有効な化合物の投与を包含する、癌、癌転移、または乾癬の処置または予防のための方法を提供する。
【0175】
ここで開示した主題の方法および組成物によって処置および/または予防され得る癌および関連の障害としては、限定するものではないが、急性および慢性の白血病;真性赤血球増加症;リンパ腫、例えば、ホジキン病、非ホジキン病;多発性骨髄腫、プラズマ細胞腫;ヴァルデンストレームマクログロブリン血症(acroglobulinemia);免疫グロブリン異常症;重鎖病;骨および結合組織の肉腫;脳腫瘍;乳癌;副腎癌;甲状腺癌;膵臓癌;下垂体癌;眼癌;膣癌;外陰部癌;子宮頸癌;子宮癌;卵巣癌;頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCCs)、食道癌;胃癌;結腸癌;直腸癌;肝臓癌;胆管癌;精巣癌、前立腺癌;陰茎癌;口腔癌;基底癌;唾液腺癌;咽頭癌;皮膚癌;腎臓癌;ウィルムス腫瘍;膀胱癌、粘液肉腫、骨肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、内皮腫、滑液腫瘍、血管芽細胞腫、上皮性腫瘍、嚢胞腺癌、気管支癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌および乳頭腺癌が挙げられる。特定の実施形態では、本発明は、乳癌、前立腺癌、黒色腫、肺胞癌、または頭頸部癌の処置および/または予防における使用のための式I、Ia、Ibの化合物を提供する。
【0176】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、およびそれらの薬学的組成物、ならびにそれらを投与する方法は、他の処置と組み合わせて施した場合、疾患または障害を処置するかまたは予防するのに有用である。
【0177】
さらなる態様では、本発明はまた、式I、Ia、Ibの化合物またはそれらを含んでいる薬学的組成物を用いる併用の治療または処置にも関する。
【0178】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、およびそれらの薬学的組成物、ならびにそれらを投与する方法は、他の薬剤または活性成分と組み合わせて投与した場合に癌の処置に有用である。
【0179】
特定の実施形態では、これらの薬剤は、化学療法剤であって、これには限定するものではないが、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、テガフール−ウラシル(UFT)、ダカルバジン、フェンレチニド、カンプトテシン、イリノテカン、フルダラビン、ビンブラスチン、タキソール、マイトマイシンCが挙げられる。
【0180】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、およびそれらの薬学的組成物ならびにそれらを投与する方法は、放射線療法による患者の処置の前、間または後に投与された場合に種々の癌を処置するのに有用である。
【0181】
追加の態様によれば、本発明は、上記のような式I、Ia、Ibの化合物と生物学的サンプルとを接触させることによってセラミダーゼ関連活性を阻害する方法を提供する。
【0182】
特定の実施形態では、この生物学的サンプルは、インビトロの細胞サンプルまたはインビボの細胞サンプルである。この生物学的サンプルとしては、培養培地中の細胞または溶解された細胞(酸セラミダーゼを含む)が挙げられる。この生物学的サンプルとしては、血漿、尿、組織もしくは臓器のサンプル中に存在する細胞、または被験体中に存在する細胞が挙げられる。特定の実施形態によれば、本発明の方法は、酸セラミダーゼおよびセラミダーゼ関連活性に関連する医学的研究または科学的研究で有用であり得る。
【0183】
VIII.薬学的組成物
第三の態様では、本発明は、式I、Ia、Ibの化合物の薬学的組成物を提供する。
【0184】
本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を混合することによって作製された任意の組成物を包含する。このような組成物は、動物またはヒトにおける薬学的な使用のために適切である。
【0185】
本発明の薬学的組成物は、治療上有効な量の1つ以上の式I、IaもしくはIbの化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む。薬学的組成物は必要に応じて、他の活性成分を含んでもよい。
【0186】
「担体」という用語は、治療成分または活性成分が一緒に投与されるビヒクル、賦形剤、希釈剤、またはアジュバントを指す。投与について所望される調製物の形態について適切な任意の担体および/または賦形剤が、本明細書に開示される化合物での使用について考慮される。
【0187】
担体は、投与について所望される調製の形態、例えば経口または非経口(静脈内を含む)次第で広範な種々の形態をとってもよい。経口剤形のための組成物を調製するには、任意の有用な薬学的媒体、例えば、水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、防腐剤、着色剤など(経口液体調製物、例えば、懸濁液、エリキシル、および溶液などの場合);または担体、例えば、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤など(経口固体調製物、例えば、粉末、硬性および軟性のカプセル、および錠剤などの場合)を使用してもよく、固体の経口調製物が、液体調製物よりも好ましい。
【0188】
特定の実施形態では、本発明の化合物は、従来の薬学的な配合技術によって、適切な薬学的な担体および/または賦形剤との均質混合中に活性成分として組み合わされてもよい。
【0189】
この組成物は、皮下、筋肉内、および静脈内、肺、経鼻、直腸、局所または経口投与を含めて、非経口投与に適切な組成物を包含する。任意の所定の場合における投与の適切な経路は、一部は処置されている状態の性質および重篤度に、およびその活性成分の性質に依存する。投与の例示的な経路は、経口経路である。その組成物は、便宜上単位剤形で存在してもよく、製剤の当該分野で周知の任意の方法で調製されてもよい。好ましい組成物としては、経鼻または口腔内吸入投与の形態における、口腔、非経口、局所、皮下または肺のために適切な組成物が挙げられる。この組成物は、製剤の当該分野で周知の任意の方法によって調製され得る。
【0190】
薬学的組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、溶液、懸濁剤、エマルジョン、粉末、坐剤の形態、および徐放性処方物としてであってもよい。
【0191】
必要に応じて、錠剤は、標準的な水性技術でコーティングしても、または非水性技術でコーティングしてもよい。特定の実施形態では、このような組成物および調製物は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含んでもよい。これらの組成物中の活性化合物のパーセンテージは、当然ながら、変化してもよく、適宜単位の重量の約1パーセント〜約60パーセントであってもよい。このような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、治療上有効な投薬量が得られるような量である。この活性化合物はまた、例えば、液体の点滴またはスプレーとして鼻腔内に投与されてもよい。錠剤、丸剤、カプセルなどはまた、結合剤、例えば、ガムトラガカント、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン;賦形剤、例えば、リン酸二カルシウム;崩壊剤、例えば、コーンスターチ、ジャガイモでんぷん、アルギン酸;潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;および甘味料、例えば、スクロース、ラクトースまたはサッカリンを含んでもよい。投与剤形がカプセルである場合、これは、上記の種類の材料に加えて、液体担体、例えば、脂肪油を含んでもよい。
【0192】
種々の他の材料が、コーティングとして存在してもよいし、または剤形の物理的形態を改変するために存在してもよい。例えば、錠剤は、セラック、糖または両方でコーティングされてもよい。シロップまたはエリキシルは、活性成分に加えて、スクロースを甘味料として、メチルおよびプロピルパラベンを防腐剤として、色素および芳香剤、例えば、チェリーまたはオレンジの香料を含んでもよい。胃腸管の上部を通じた移行の間の破壊を防ぐために、組成物は、腸溶性のコーティング処方物であってもよい。
【0193】
局所投与のための組成物としては、限定するものではないが、軟膏、クリーム、ローション、溶液、ペースト、ゲル、スティック、リポソーム、ナノ粒子、パッチ、バンデージおよび創傷被覆材が挙げられる。特定の実施形態では、局所処方物は、浸透促進剤を含む。
【0194】
肺投与のための組成物としては、限定するものではないが、式I、Ia、Ibの化合物またはその塩の粉末、ならびに適切な担体および/または潤滑剤の粉末からなる乾燥粉末組成物が挙げられる。肺投与のための組成物は、当業者に公知の任意の適切な乾燥粉末吸入デバイスから吸入されてもよい。組成物の投与は、被験体における炎症および疼痛を低減するために十分なプロトコールおよび投与量のもとで行われる。
【0195】
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的組成物中では、活性成分(単数または複数)が一般には、剤形に処方される。この剤形は、毎日の投与のために1投与量あたり0.1〜1000mgの式I、Ia、Ibの化合物を含んでもよい。
【0196】
いくつかの実施形態では、局所処方物についての有効な量は、疾患、障害または状態の重篤度、以前の治療、個体の健康状態および薬物に対する応答に依存する。いくつかの実施形態では、この用量は、処方物の重量あたり0.001重量%〜約60重量%の範囲である。
【0197】
1つ以上の他の活性成分と組み合わせて用いる場合、本発明の化合物および他の活性成分は、お互いを単独で用いる場合よりも低用量で用いてもよい。
【0198】
投与の任意の種々の投与経路に関する処方物に関して、薬物の投与のための方法および処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,Gennaroら、編集、Mack Publishing Co.,1985、およびRemington’s Pharmaceutical Sciences,Gennaro AR第20版,2000,Williams & Wilkins PA,USA、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,第21版,Lippincott Williams & Wilkins編集,2005において;ならびにAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,第8版.Lippincott Williams & Wilkins編,2005,(参照として本明細書に援用される)に開示される。
【0199】
IX.酸セラミダーゼについて化合物を試験するための方法
ラット酸セラミダーゼ
リソソームラット酸セラミダーゼ(rAC)タンパク質調製は、0.32Mのスクロースを含む20mMのTris HCl(pH 7.5)中に再懸濁したrACを安定に発現する細胞から得た。サンプルを超音波処理して、800×gで15分間4℃で遠心分離した。次いで上清を12,000×gで、30分間4℃で遠心分離した。ペレットをPBS(pH7.4)中に再懸濁して、−80℃で2回の凍結解凍サイクルに供した。その懸濁物を最後は、105,000×gで、1時間4℃で遠心分離し、次いで、rACを含有する上清を酵素アッセイに用いた。
【0200】
r−ACタンパク質サンプルを、種々の濃度の試験化合物またはビヒクルコントロールとともに、100mMのNaH
2PO
4/クエン酸緩衝液(pH4.5),0.1%のNonidet P−40,3mMのDTTの中で、30分間、37℃でプレインキュベートした。サンプルを100μMのN−ラウロイルセラミド(Nu−Chek Prep,Elysian,MN)とともに37°で30分間インキュベートした。その反応を、1nmolのヘプタデカン酸(HDA;NuChek Prep)を含有するクロロホルム/メタノール(2:1の容積/容積)の混合物の添加によって停止した。その有機相を収集し、窒素下で乾燥し、内部標準としてヘプタデカン酸(HDA)を用いて陰イオン方式でLC/MSで分析した(ラウリン酸についてはm/z=199、HDAについてはm/z=269)。HDAは、0.25%酢酸および5mMの酢酸アンモニウムを両方が含んでいる95%のメタノールおよび5%の水の溶媒混合物を用いて、XDB Eclipse C18カラムで、等張性で、2.2mL/分で1分間溶出した。カラムの温度は50℃であった。エレクトロスプレーイオン化(ESI)は、ネガティブモードであって、キャピラリー電圧は4kVであって、かつフラグメンター(fragmentor)電圧は100Vであった。窒素は、乾燥ガスとして13L/分の流速で、かつ350℃の温度で用いた。ネブライザーの圧力は、60psiに設定した。本発明者らは、内部標準としてHDAを用いて選択イオンモニタリング(SIM)モードで[M−H]−をモニタリングした。
【0201】
rAC活性の阻害は、ビヒクルコントロールに比較したサンプル中のラウリン酸の低下として算出した。半抑制濃度(IC
50)値は、標準の勾配曲線フィッティングを適用するGraphPad Prism 5(GraphPad Software,Inc.,CA,USA)を用いて、log[濃度]/阻害曲線の非線形回帰分析で算出した。
【0202】
ヒトの酸セラミダーゼ
組み換えヒト酸セラミダーゼ発現
ヒト酸セラミダーゼ(hAC)cDNAは、Open Biosystem(clone ID 3923451)から購入し、ネオマイシン耐性遺伝子を含んでいる、哺乳動物発現ベクターpCDNA3.1中にサブクローニングした。細胞株HEK293を、製造業者の指示に従って、JetPEI試薬(Polypus transfection(商標),Illkirch,FR)を用いてhAC−pCDNA3.1構築物でトランスフェクトした。hAC過剰発現HEK293の安定な細胞株を、G418(1mg/ml)での選択によって生成して、細胞クローンは、限外希釈プレートによって誘導した。hAC発現クローンは、ウエスタンブロットによって分析した。
【0203】
タンパク質調製
hACを過剰発現するHek293細胞を、0.32Mのスクロースを含有する20mMのTris HCl(pH7.5)中に懸濁して、超音波処理して、800×gで15分間4℃で遠心分離した。上清を、再度、12,000×gで30分間4℃で遠心分離した。そのペレットをリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に懸濁して、−80℃で2回の凍結−解凍のサイクルに供した。その懸濁物を105,000×gで1時間4℃で遠心分離した。hACを含有する上清を、使用まで−80℃で保持した。タンパク質濃度は、ビシンコニン酸(BCA)アッセイ(Pierce)を用いて測定した。
【0204】
酸セラミダーゼ活性
hACタンパク質調製物(10μg)を、インヒビター(最終DMSO濃度1%)とともに、アッセイ緩衝液(100mMのリン酸ナトリウム,0.1%のNonidet P−40,150mMのNaCl,3mMのDTT,100mMのクエン酸ナトリウム,pH4.5)の中で、30分間、37℃でプレインキュベートした。反応は、50μMのN−ラウロイルセラミド(Nu−Chek Prep,Elysian,MN)の添加によって開始して、37℃で30分間行った。反応は、1nmolの11−ラウロレイン酸(NuChek Prep)を含有するクロロホルム/メタノールの混合物(2:1,容積/容積)の添加によって停止した。有機相を収集し、窒素下で乾燥して、内部標準として11−ラウロレイン酸を用いる反応生成物(ラウリン酸,m/z=199)をモニタリングする陰イオンモードでUPLC/MS(Acquity,Waters)によって分析した。
【0205】
脂質は、0.25%酢酸および5mMの酢酸アンモニウムを両方が含有している、アセトニトリル(CH
3CN)および水を用いて1.5分間で0.5ml/分で、Acquity UPLC BEH C18カラム(50mm長,2.1mmの内径,1.7μmの細孔サイズ,Waters)で溶出した(70%〜100%のCH
3CNが0.5分、100%のCH
3CNが0.5分、70%のCH
3CNが0.4分)。カラム温度は、40℃であった。エレクトロスプレーイオン化(ESI)は、ネガティブモードであり、キャピラリー電圧は、1kVであって、コーン電圧は50Vであった。窒素を乾燥ガスとして500L/hの流速で、かつ400℃の温度で用いた。
【0206】
[M−H]
−イオンは、選択イオンモニタリングモード(m/z値:ラウリン酸199,11−ラウロレイン酸197.35)中でモニターした。較正曲線は、標準のラウリン酸(Nu Check Prep)を用いて生成した。酸セラミダーゼ活性の阻害は、ビヒクルコントロールに比較したサンプル中のラウリン酸の低下として算出した。IC
50は、標準の勾配曲線フィッティングを適用するGraphPad Prism 5(GraphPad Software,Inc.,CA,USA)を用いて、log[濃度]/阻害曲線の非線形回帰分析で算出した。
【0207】
実施例に記載された選択された化合物のIC
50値は、以下の表1に報告される。
【0209】
治療活性について化合物をスクリーニングするための方法
脂質抽出およびセラミド分析。脂質は、内部標準を含んでいるクロロホルム/メタノール混合物(2:1容積/容積,3mL)を用いて抽出した。有機相を収集して、窒素下で乾燥して、LC/MS分析のためにメタノール/クロロホルム(3:1容積/容積)に溶解した。
【0210】
セラミドは、LC/MS
nによって、Ion TrapXCTを装備し、ESI(Agilent Technologies)とインターフェースした1100−LCシステム(Agilent Technologies)を用いて、分析した。それらを、30℃に維持したPoroshell 300 SB C18 カラム(2.1×75mm(内径),5μm;Agilent Technologies)で分離した。5mMの酢酸アンモニウムおよび0.25%の酢酸を含んでいる水の中のメタノールの直線勾配(80%〜100%のメタノールを3分に)を、1mL/分の流速で適用した。検出は、ポジティブモードであって、キャピラリー電圧は4.5kV,スキマー(skimmer)電圧は−40V、およびキャピラリー出口は−151Vであった。窒素は、10L/minの流速、350℃の温度、および80psiのネブライザー圧力で乾燥ガスとして用いた。ヘリウムは、衝突ガスとして用いた。
【0211】
組織由来のセラミドは、それらのLC保持時間およびMS
n断片化パターンとそれらの認証標準(Avanti Polar Lipids)との比較によって特定した。抽出されたイオンクロマトグラムを用いて、ミリストイルセラミド(C14:0,m/z510.5>492.5>264.3)、パルミトイルセラミド(C16:0,m/z 538.5>520.3>264.3)、ステアロイルセラミド(C18:0 m/z 566.5>548.3>264.3)、リグノセロイルセラミド(C24:0 m/z 650.5>632.3>264.3)、ネルボノイルセラミド(C24:1 m/z 648.5>630.3>264.3)を定量し、ラウロイルセラミド標準(m/z 482.5>464.5>264.3)を用いた。検出および分析は、Agilent/Bruker Daltonicsソフトウェアバージョン5.2で制御した。MSスペクトルは、Advanced Chemistry DevelopmentのMSプロセッサ(Processor)を用いて処理した。
【0212】
化合物4および5は、
図1に示されるように、ヒト結腸腺癌細胞株SW403中で、C14:0、C16:0およびC18:0セラミドのレベルを増大した。細胞を、3時間、化合物4および化合物5を3μMの濃度で用いて処理し、次いで、セラミドレベルを測定した。
【0213】
細胞生存度および増殖アッセイ
細胞生存度は、サンプル中の生きた細胞の数として定義してもよい。細胞生存度を評価するためには、トリパンブルー色素排除、MTT還元またはクリスタルバイオレットのような、多くの十分規定され、広範に用いられている方法がある[概説に関しては、Stoddart MJ、Cell viability assays:introduction,Methods in Molecular Biology,2011,Vol.740を参照のこと]。
【0214】
細胞を、12ウェルまたは96ウェルのプレート中で、完全培地中で、処理前に24時間播種し、次いで、血清なしの培地中で種々の薬物濃度で24時間(単回処理)または72時間(複数回処理)インキュベートした。次いで、細胞生存度を評価した。
【0215】
トリパンブルー排除アッセイは、生きている細胞がインタクトな細胞膜を有しており、従ってトリパンブルー色素を排除できるという原理に基づく。細胞生存度は薬物とのインキュベーション24時間後に測定した。細胞を回収して、1200rpmで10分間遠心分離して、ペレットをPBS中に再懸濁した。生存度を評価するために、細胞を0.4%のトリパンブルー色素(Sigma)を用いて1:1希釈して、1分間インキュベートし、白い(生きている)細胞を、血球計でカウントした。
【0216】
あるいは、細胞生存度は、ミトコンドリアによる不溶性ホルマザンへの可溶性テトラゾリウム塩MTT[(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド]の還元に基づく、MTTアッセイによってミトコンドリア機能を測定して評価した。要するに、処理後、細胞を、PBSで洗浄して、0.5mg/mlのMTTを用いて室温で2時間インキュベートした。MTT還元は、UV可視プレートリーダーを用いて570nmで吸収によって定量した。
【0217】
最終的に、クリスタルバイオレットアッセイを用いて、細胞形態および増殖を評価した:特定の時点(7日間の間に24時間ごと)に培地を取り出し、細胞を、PBSを用いて1回洗浄し、4%ホルムアルデヒドを用いて10分間固定した。細胞を、50%MeOH中に含まれる0.4%クリスタルバイオレットを用いて20分間染色して、水で徹底的に洗浄して、過剰の色素を除いた。クリスタルバイオレットをDMSO中に溶解した。溶解した色素の吸光度(生存細胞の数に相当する)をUV可視プレートリーダー中で570nmで測定した。
【0218】
イソボログラフィック分析。薬物の間の相互作用は、個々の薬物の用量効果曲線に従う用量等価の概念に基づいて、イソボログラフィック分析によって評価した(Tallarida RJ,Interactions between drugs and occupied receptors.Pharmacol.Ther.2007,113,197〜209;Tallarida RJ,Raffa RB,The application of drug dose equivalence in the quantitative analysis of receptor occupation and drug combinations.Pharmacol.Ther.2010,127,165−174)。具体的には、個々の薬物の能力および有効性によって、2つの薬物の組み合わせの予期される効果を算出することが可能になる。
【0219】
併用処置の実験では、イソボログラムを、72時間の慢性には至らない処置の後のトリパンブルーアッセイによって測定した単一薬物のED
50データを垂直軸および水平軸にプロットすることによって構築した。軸切片を有する直線は、加法性のイソボール(isobole)に相当し、理論上の添加用量を算出することが可能になる。特定の効果に関してはイソボールの下をプロットする、観察された対(x,y)による相乗作用が示されるが、観察された対(x,y)がイソボールの上にプロットする時は、加法にはいたらないことが示される。
【0220】
化合物4および5は、トリパンブルーアッセイ(
図2Aおよび2B)によって、またはMTTアッセイ(
図3)によって測定した場合、ヒト結腸腺癌細胞株SW403の生存度の低下を生じた。
図3は、SW403細胞の慢性にはいたらない処理(72時間)であって、5−フルオロウラシル(5FU,300nM)、化合物4(30μM,上部パネル)、および化合物5(30μM,下側パネル)を用いる処理が、MTTアッセイによって測定した場合の細胞生存度を低下したことを示す。化合物4および5は、細胞生存度の低下において5FUでの相乗効果を示した。
【0221】
化合物4および5はまた、SW403細胞の生存度の低下において、2つの別個の抗悪性腫瘍剤、5−フルオロウラシル(5FU,
図2および
図3)、およびタキソール(
図2)での相乗効果を示した。化合物4または化合物5および5−FUを用いるSW403細胞の長期の処理後に得られたデータのイソボログラフィック分析を、
図2Cおよび
図2Dに報告する。イソボログラムは、トリパンブルーアッセイによって測定した半有効量(ED
50)データで構築した。相加効果を得るために300nMの5FUで用いられるべき化合物4または化合物5の理論的用量(T
h)は、実験値(E
X)より高い、それぞれ、7.8μMおよび14.9μMであった。その効果は、相乗作用的であった。結果は、平均±SEM(n=3)として表し、各々の実験は2回行った。
【0222】
化合物4または化合物5およびタキソールでのSW403細胞の長期の処理後に得られたデータのイソボログラフィック分析を、
図2Eおよび
図2Fに報告する。イソボログラムは、トリパンブルーアッセイによって測定したED
50データで構築した。相加効果を得るために20nMタキソールで用いられるべき化合物4または化合物5の理論的用量(T
h)は、実験値(E
X)より高い、それぞれ、4.9μMおよび9.5μMであった。その効果は、相乗作用的であった。結果は、平均±SEM(n=3)として表し、各々の実験は2回行った。
【0223】
統計学。GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.,USA)を、統計学的分析のために用いた。データは、スチューデントのt検定または一元ANOVA、続いてBonferroniポストホック検定を用いて多重比較のために分析した。二元ANOVAを用いて、2つの独立の変数とデータの平均を比較した。群の間の相違は、p<0.05の値で統計学的に有意とみなした。結果は平均±SEMとして表した。
【0224】
一般的な精製および分析の方法
UPLC−MS分析を、エレクトロスプレーイオン化インターフェースおよびフォトダイオードアレイ検出器を装備したSQD Single Quadrupole Mass SpectrometerからなるWaters ACQUITY UPLC−MSで行った。この分析は、ACQUITY UPLC BEH C18カラム(50×2.1mmのID,粒径1.7μm)で、VanGuard BEH C18 pre−カラム(5×2.1mmのID,粒径1.7μm)を用いて行った。移動相は、酢酸で調節したpH5の10mMの酢酸アンモニウム(A)と、pH5のアセトニトリル−水(95:5)に含有される10mMの酢酸アンモニウム(B)とであった。エレクトロスプレーイオン化を、ポジティブモードおよびネガティブモードで、質量スキャン範囲100〜500Daで用いた。
【0225】
自動化カラムクロマトグラフィー精製は、異なるサイズ(4g〜40g)の正常な相の事前充填シリカゲルカラムを備える、Teledyne ISCO装置(CombiFlash(登録商標)Rf)を用いて行った。代表的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーとは、固定相としてMerckシリカゲル60(230−400メッシュ)を充填した正常なガラスカラムを用いて行った精製とする。両方の場合に、シクロヘキサンまたは石油エーテルおよび酢酸エチルの漸増する極性の混合物を溶出液として用いた。
【0226】
フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Biotageの事前充填シリカカートリッジ(2gまたは5g)で、またはガラスカラムで、Merckシリカゲル60(230−400メッシュ)を固定相として用いて手動で行った。
【0227】
分取HPLC−MSによる精製は、エレクトロスプレーイオン化インターフェースおよび2998フォトダイオード・アレイ・検出器(Photodiode Array Detector)を装備した3100 Single Quadropole Mass SpectrometerからなっているWaters Autopurificationシステムで行った。このHPLCシステムは、2747サンプルマネージャー(Sample Manager),2545 Binary Gradient Module、SystemXBridge(商標)Prep C
18 OBD カラム(100×19mmID,粒径5μm)とともにXBridge(商標)Prep C
18(10×19mmID,粒径5μm)Guard Cartridgeを備えた。移動相は、1)水およびアセトニトリル(B)または2)10mMの酢酸アンモニウム(pH5)(酢酸で調節)(A)およびアセトニトリル−水(95:5)の中に含まれる10mMの酢酸アンモニウム(pH5)(B)のいずれかであった。エレクトロスプレーイオン化は、ポジティブモードおよびネガティブモードで、質量スキャン範囲100〜500Daで用いた。
【0228】
流動水素化(flow hydrogenation)反応を、種々の市販の事前充填された異種触媒のカートリッジを用いて、Thalesnano Nanotechnology Inc.のH−Cube装置で行った。小型フォーマット(s−cart)カートリッジを、採用した(30×4mm,約140mgの触媒を含む)。マイクロ波加熱を、Explorer(登録商標)−48ポジション装置(CEM)を用いて行った。NMR実験は、BBIインバースプローブおよびZ−グラジエントを装備したBruker Avance III 400システム(
1Hについて400.13MHz、および
13Cについて100.62MHz)で行った。示さない限り、スペクトルは、重水素化したジメチルスルホキシド(DMSO−d
6)および重水素化したクロロホルム(CDCl
3)を溶媒として用いて、300Kで得た。
【0229】
本発明をさらによく例示する目的であって、ここに限定はしないが、下の表2に報告される実施例を示す。
【0237】
表2に報告される化合物は、下に記載の通り合成した。
【実施例】
【0238】
以下の実施例によって例示的な実施形態が示される。本開示および当業者の一般的なレベルに照らして、当業者は、以下の実施例が、例示的なものに過ぎないこと、ならびに多くの変化、改変および変更がここで開示された主題の範囲から逸脱することなく使用され得ることを理解し得る。
【0239】
材料および方法
以下の手順では、出発材料の後に、詳細な説明に対する言及を一般的に示す。出発材料は、言及された説明から調製されている必要がない場合がある。
【0240】
以下の実施例で用いられる溶媒および試薬は、種々の供給業者から市販されており、さらに精製することなく用いた。簡便のために、溶媒および試薬は以下のとおり示した。
【0241】
アセトニトリル(MeCN)、塩化アンモニウム(NH
4Cl)、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(DMAP)、N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル(EtOAc)、塩酸(HCl)、ヨウ素(I
2)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)、メタノール(MeOH)、シリカ(SI)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)、水素化ナトリウム(NaH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)、テトラヒドロフラン(THF),トリフルオロ酢酸(TFA)。
【0242】
実施例1
2,4−ジオキソ−N−(4−フェニルブチル)ピリミジン−1−カルボキサミド
ウラシル(0.10g,0.89mmol)を、乾燥ピリジン(4.4ml)に溶解した。DMAP(0.12g,0.96mmol)を添加して、反応混合物を、窒素雰囲気下で室温で30分間撹拌した。次いで、4−フェニルブチルイソシアネート(0.27mL、1.60mmol,1.8当量)を添加して、得られた混合物を、12時間撹拌した。その溶媒を減圧下でエバポレートして、その粗生成物を、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc50:50〜30:70)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題の化合物(0.10g,59%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 1.59−1.82(m,4H)、2.66(t,J=7.2Hz,2H)、3.29−3.60(m,2H)、5.89(d,J=8.5Hz,1H)、7.11−7.22(m,3H)、7.23−7.34(m,2H)、8.41(d,J=8.5Hz,1H)。8.66(s,1H)、9.06(t,J=5.7Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 28.69、28.92、35.56、41.23、77.16、104.01、126.06、128.53、139.08、141.95、149.84、151.51、162.30 MS(ESI)m/z:310[M−Na]
−。
【0243】
実施例2
N−(2,2−ジフェニルエチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、ウラシル(0.37g,3.34mmol)から出発して得た;1.3当量の2,2−ジフェニルエチルイソシアネートを、その中では用いた。粗生成物をジクロロメタン中に採取した;表題の化合物を沈殿させて、ろ過して除いた。表題の化合物(0.85g,76%)を白色の粉末として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 3.97(dd,J=8.0,5.5Hz,2H)、4.32(t,J=7.9Hz,1H)、5.78(d,J=8.4Hz,1H)、7.17−7.25(m,2H)、7.27−7.39(m,8H)、8.19(d,J=8.4Hz,1H)、9.20(t,J=5.5Hz,1H)、11.66(s,1H)。
13C NMR(101MHz,DMSO−d
6):δ 44.93、50.61、103.98、127.09、127.18、128.60、138.79、142.58、142.91 150.27、151.93、161.03.MS(ESI) m/z:334[M−H]
−。
【0244】
実施例3
5−クロロ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−クロロウラシル(0.10g,0.68mmol)から出発して得た;1.2当量のヘキシルイソシアネートを、その中では用いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(石油エーテル:EtOAc70:30〜50:50)を用いて精製して、表題の化合物(0.06g,31%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.86(t,J=6.8Hz,3H)、1.21−1.35(m,6H)、1.46−1.54(m,2H)、3.24−3.29(m,2H)、8.41(s,1H)、9.07(t,J=5.3Hz,1H)、12.24(s,1H)。
13C NMR(101MHz,DMSO−d
6):δ 13.85、21.97、25.81、28.57、30.82、40.55、109.55、135.56、149.21、150.61、158.78.MS(ESI)m/z:272[M−H]
−。
【0245】
実施例4
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−(トリフルオロメチル)ウラシル(0.20g,1.11mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、SI(5g)カートリッジ(石油エーテル:EtOAcが90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.12g,34%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.90(t,J=6.7Hz,3H)、1.16−1.49(m,6H)、1.49−1.75(m,2H)、3.41(dt,J=5.7,7.1Hz,2H)、7.48(s,1H)、8.93(m,2H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.14、22.56、26.56、31.33、31.41、41.71、108.21、121.27(q、J=270.7 Hz)、140.13、148.48、150.25、157.41.MS(ESI)m/z:306[M−H]
−。
【0246】
実施例5
5−ブロモ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例1の化合物の合成について記載された手順に従って、5−ブロモウラシル(0.03g,1.57mmol)から出発して得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(石油エーテル:EtOAcが60:40〜100%のEtOAc)を用いて精製して、表題の化合物(0.31g,62%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.87(t,J=6.5Hz,3H)、1.24−1.32(m,6H)、1.40−1.61(m,2H)、3.26(td,J=7.0,5.7Hz,2H)、8.47(s,1H)、9.07(t,J=5.7Hz,1H)、12.20(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.12、22.65、26.61、29.23、31.49、41.63、100.15、138.41、148.91、150.70、158.08. MS(ESI)m/z:317[M−H]
−。
【0247】
実施例6
5−シアノ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
5−シアノウラシル(0.10g,0.73mmol)を、乾燥ピリジン(5.0ml)に溶解して、ヘキシルイソシアネート(0.08mL、1.10mmol)を添加した。その混合物を、マイクロ波照射下で100℃まで10分間加熱し、次いで水(50ml)に注いだ。その生成物を、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出して、合わせた有機層を、Na
2SO
4上で乾燥し、その溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、SI(2g)カートリッジ(ジクロロメタン)を用いて精製し、引き続いて温かいヘプタンを用いて洗浄して、表題の化合物(0.03g,16%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.86−0.96(m,3H)、1.29−1.41(m,6H)、1.57−1.70(m,2H)、3.44(q,J=6.4,2H)、5.01(s,1H)、8.85(br s,1H)、9.05(s,1H)。MS(ESI)m/z:263[M−H]
−。
【0248】
実施例7
N−ヘキシル−5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例6の合成について記載された手順に従って、5−(ヒドロキシメチル)ウラシル(0.07g,0.49mmol)および1.1当量のジヘキシルイソシアネートから出発して得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトンが60:40)によって精製して、表題の化合物(0.04g,27%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.90(t,J=6.9Hz,3H)、1.31−1.39(m,6H)、1.56−1.64(m,2H)、2.40(t,J=6.5Hz,1H)、3.39(td,J=7.1,5.6Hz,2H)、4.48(d,J=6.6Hz,2H)、8.33(s,1H)、8.45(s,1H)、9.00(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.13、22.66、26.63、29.27、31.51、41.47、58.82、115.26、136.19、149.74、151.09、162.49.MS(ESI)m/z:292[M−Na]
+、308[M−K]
+.MS(ESI)m/z:268[M−H]
−。
【0249】
実施例8
N−ヘキシル−5−ヨード−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−ヨードウラシル(0.10g,0.42mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、SI(5g)カートリッジ(シクロヘキサン:EtOAc 90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.30g,19%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.77−0.95(m,3H)、1.22−1.46(m,6H)、1.55−1.66(m,2H)、3.41(dt,J=5.6,7.1Hz,2H)、8.49(s,1H)、8.86(s,1H)、8.96(t,J=5.6Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 13.98、22.50、26.46、29.08、31.34、41.42、134.64、143.41、148.71、150.97、159.06.MS(ESI)m/z:366[M−H]
+。
【0250】
実施例9
N−ヘキシル−5−メトキシ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
5−メトキシウラシル(0.05g,0.33mmol)を、乾燥DMSO(1.6mL)に溶解し、およびヘキシルイソシアネート(0.09mL、0.59mmol)を添加した。その混合物を50℃で4時間加熱した。その反応物を水(5mL)に注いで、形成された沈殿物を濾過して、水およびヘキサンで洗浄した。粗生成物を、シクロヘキサンを用いて粉砕して、表題の化合物(0.05g,56%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.86(t,J=6.9Hz,3H)、1.26−1.31(m,6H)、1.47−1.54(m,2H)、3.27(td,J=7.0,5.7Hz,2H)、3.66(s,3H)、7.71(s,1H)、9.22(t,J=5.6Hz,1H)、11.94(s,1H)。
13C NMR(101MHz,DMSO−d
6):δ 13.86、21.97、25.87、28.67、30.83、40.35、56.49、116.17、136.52、150.13、150.24、158.78.MS(ESI)m/z:270[M−H]
+、287[M−NH
4]
+、308[M−K]
+。MS(ESI)m/z:268[M−H]
−。
【0251】
実施例10
5−(ベンジル(メチル)アミノ)−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1. 5−[ベンジル(メチル)アミノ]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
5−ブロモウラシル(0.15g,0.78mmol)を、N−ベンジルメチルアミン(2.0mL、15.70mmol)に分散して、120℃で1時間マイクロ波照射下で加熱した。反応混合物を、水(1mL)で希釈して、濃縮した。得られた白色固体を、水(10mL)、MeOH(5mL)で洗浄し、次いでEtOAc(10mL)中での分散によって収集した。その溶媒をエバポレーションによって取り除いて、表題の化合物(0.22g,86%)を白色の粉末として得た。分析データは、文献で報告されるデータと一致した(Tetrahedron2005,61(12),3107−3113)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 2.42(s,3H)、4.07(s,2H)、6.62(s,1H)、7.15−7.39(m,5H)、10.40(br s,1H)、11.07(s,1H)。MS(ESI)m/z:232[M−H]
+。
【0252】
工程2.5−(ベンジル(メチル)アミノ)−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−[ベンジル(メチル)アミノ]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.12g,0.52mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、SI(5g)カートリッジ(石油エーテル:EtOAc 60:40)を用いて精製して、表題の化合物(0.14g,76%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.84(t,J=6.8Hz,3H)、1.20−1.35(m,6H)、1.48−1.58(m,2H)、2.58(s,3H)、3.31(dt,J=5.7,7.0Hz,2H)、4.21(s,2H)、7.19−7.32(m,5H)、7.65(s,1H)、8.85(s,1H)、9.11(t,J=5.7Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 13.99、22.50、26.52、29.19、31.39、38.99、41.23、57.44、122.21、127.46、128.11、128.36、128.88、137.04、150.22、150.42、160.32.MS(ESI)m/z:357[M−H]
−。
【0253】
実施例11
N−ヘキシル−5−メチルアミノ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
5−(ベンジル(メチル)アミノ)−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド(0.10g,0.28mmol)を、EtOAc(30mL)中に溶解して、H−Cube装置中で水素化した(10%のPd/Cを触媒として,1barの水素圧力、40℃で用いる)。その反応混合物を、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、SI(2g)カートリッジ(シクロヘキサン:EtOAc 85:15)を用いて精製して、表題の化合物(0.02g,27%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.78−0.99(m,3H)、1.17−1.36(m,6H)、1.50(dd,J=14.0,7.0Hz,2H)、2.57(s,3H)、3.27(dd,J=5.7,6.9Hz,2H)、5.01(s,1H)、7.05(s,1H)、9.32(t,J=5.7Hz,1H)、11.87(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ13.85、21.96、25.89、28.71、29.70、30.82、40.21、106.74、126.49、150.01、150.68、160.01.MS(ESI)m/z:267[M−H]
−。
【0254】
実施例12
N−ヘキシル−5−モルホリノ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.5−モルホリノ−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例10の合成について記載された手順(工程1)にしたがって、5−ブロモウラシル(0.10g,0.52mmol)および20当量のモルホリンから出発して得た。粗生成物を、酸性水(10mL、pH5)中での沈殿によって精製して、表題の化合物(0.08g,76%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 2.74−2.84(m,4H)、3.64(t,J=4.6Hz,4H)、6.72(s,1H)、10.47(s,1H)、11.05(s,1H)。
【0255】
工程2.N−ヘキシル−5−モルホリノ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−モルホリノ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.06g,0.32mmol)から出発して得た。その粗生成物を、分取HPLC−MSによって精製して、表題の化合物(0.04g,60%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.77−0.95(m,3H)、1.26−1.43(m,6H)、1.51−1.66(m,2H)、2.90−3.07(m,4H)、3.36(dt,J=5.7,7.1Hz,2H)、3.73−3.94(m,4H)、7.83(s,1H)、8.32(s,1H)、9.10(t,J=5.7Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 13.98、22.50、26.50、29.18、31.37、41.28、50.32、66.54、122.44、128.33、150.06、150.14、159.59.MS(ESI)m/z:323[M−H]
−。
【0256】
実施例13
N−ヘキシル−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例10の合成について記載された手順(工程1)に従って、5−ブロモウラシル(0.10g,0.52mmol)および20当量の1−メチルピペラジンから出発して得た。粗生成物を、水(10mL)、ジクロロメタン(5mL)で洗浄することによって精製し、次いでEtOAc(10mL)中への分散によって収集した。その溶媒をエバポレーションによって取り除いて、表題の化合物(0.15g,91%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 2.18(s,3H)、2.34−2.42(m,4H)、2.74−2.84(m,4H)、6.72(s,1H)。10.41(br s,1H)、11.04(br s,1H)。
【0257】
工程2.N−ヘキシル−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.15g,0.71mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、SI(5g)カートリッジ(石油エーテル:EtOAc 60:40)を用いて精製して、表題の化合物(0.04g,17%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.83−0.94(m,3H)、1.20−1.37(m,6H)、1.45−1.55(m,2H)、2.27(br s,3H)、2.94(br s,4H)、3.23−3.36(m,6H)、7.55(s,1H)、9.22(t,J=5.6Hz,1H)、11.79(br s,1H)。
13C NMR(101MHz,DMSO−d
6):δ 14.35、22.45、26.35、29.14、31.31、40.80、45.88、49.37、54.65、121.17、128.26、150.72、150.86、160.61.MS(ESI)m/z:336[M−H]
−。
【0258】
実施例14
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
5−ヨードウラシル(0.10g,0.42mmol)を、乾燥MeCN(2.1mL)中に懸濁して、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.25mL、1.05mmol)を、窒素雰囲気下で添加した。反応混合物が透明になった場合、ブロモジフェニルメタン(0.15g,0.63mmol)および触媒量のI
2を添加して、その反応混合物を、84℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を、減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈して、水で洗浄した。その水相を、EtOAc(3×15mL)で抽出し、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥して、溶媒を減圧下で取り除いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが60:40)を用いて精製して、表題の化合物(0.15g,87%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 7.02(s,1H)、7.14−7.18(m,4H)、7.38−7.45(m,6H)、7.46(s,1H)、8.58(s,1H)。MS(ESI)m/z:405[M−H]
+。
【0259】
工程2.1−ベンズヒドリル−5−フェニル−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.06g,0.15mmol)を、1:1のトルエン/エタノール混合物(1.6mL)中に懸濁した。フェニルボロン酸(0.03g,0.22mmol)を添加し、続いて2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.082mL、0.16mmol)を添加した。得られた懸濁物を、窒素雰囲気下で10分間脱気し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.017g,0.015mmol)を添加した。反応物を、マイクロ波照射下で100℃で30分間加熱した。その反応混合物を、EtOAcで希釈して、水を添加した。2つの相を分けて、水層を、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、その溶媒を減圧下で取り除いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 60:40)を用いて精製して、表題の化合物(0.03g,62%)を、淡黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 7.13(s,1H)、7.20−7.24(m,5H)、7.25(s,1H)、7.32−7.35(m,5H)、7.37−7.44(m,5H)、8.19(br s,1H)。MS(ESI)m/z:355[M−H]
+。
【0260】
工程3.5−フェニル−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
1−ベンズヒドリル−5−フェニル−ピリミジン−2,4−ジオン(0.13g,0.35mmol)を、0℃に冷却したTFA(0.87mL)中のトリフル酸(0.09mL、0.99mmol)の溶液に添加した。その反応混合物を、2時間撹拌し、次いで、氷を添加することによってクエンチした。その白色沈殿物を濾過して、乾燥した。その濾液をEtOAcで希釈して、2つの相を分けた。その水層をさらにEtOAc(3×15mL)で抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、その溶媒を減圧下で取り除いた。粗生成物を、1:1のジクロロメタン/ジエチルエーテル混合物で採取して;その生成物を白色固体として沈殿させ、それを濾過して、単離された最初の画分と合わせた(0.06g,65%)。分析データは、文献で報告されるデータと一致した(J.Org.Chem.1990,55,1396−1399);
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 7.25−7.30(m,1H)、7.32−7.39(m,2H)、7.51−7.56(m,2H)、7.60(s,1H)、11.10(br s,1H)、11.22(br s,1H)。MS(ESI)m/z:187[M−H]
−。
【0261】
工程4.N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−フェニルウラシル(0.05g,0.26mmol)から出発して得た;1.8当量のヘキシルイソシアネートを、その中では用いた。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:EtOAcが70:30)によって精製して、表題の化合物(0.04g,44%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.87(t,J=6.5Hz,3H)、1.16−1.37(m,6H)、1.43−1.61(m,2H)、3.23−3.32(m,2H)、7.30−7.46(m,3H)、7.48−7.57(m,2H)、8.28(s,1H)、9.19(t,J=5.6,1H)、11.94(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.14、22.67、26.66、29.31、31.53、41.50、116.87、128.53、128.76、131.49、136.05、149.92、151.03、161.31.MS(ESI)m/z:333[M−NH
4]
+.MS(ESI)m/z:314[M−H]
−。
【0262】
実施例15
N−ヘキシル−5,6−ジメチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
トリホスゲン(0.12g,0.71mmol)を、乾燥ピリジン(2.0mL)に0℃で添加した。その混合物を、10分間撹拌し、次いで乾燥ピリジン(3.0mL)中の5,6−ジメチルウラシル(0.10g,0.71mmol)の溶液を滴下した。形成された淡黄色の懸濁物を、室温で5時間撹拌し、次いで0℃に冷却した後に、ヘキシルアミン(0.10mL、0.71mmol)を添加した。その反応混合物を、室温で18時間撹拌した。水(30mL)を添加して、その生成物をEtOAc(3×30mL)で抽出した。その合わせた有機層を、Na
2SO
4上で乾燥して、その溶媒を減圧下で取り除いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.02g,6%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.90(t、J=6.6Hz、3H)、1.25−1.38(m、6H)、1.53−1.67(m、2H)、1.83(br s、3H)、2.19(br s、3H)、3.30(dt、J=5.6、7.0Hz、2H)、7.42−7.65(m、1H)、9.68(br s、1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 9.00、13.34、15.77、22.35、26.12、28.91、31.30、40.70、104.68、146.24、149.35、162.15、164.20.MS(ESI)m/z:266[M−H]
−。
【0263】
実施例16
3−(シクロプロピルメチル)−N−ヘキシル−5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.tert−ブチル3−(シクロプロピルメチル)−5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレートの調製
Tert−ブチル5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート(0.10g,0.44mmol)を、乾燥MeCN(2.2mL)中に溶解して、炭酸セシウムを添加し(0.22g,0.66mmol)、続いて(ブロモメチル)シクロプロパン(0.13mL、1.33mmol)を添加した。その反応混合物を、窒素雰囲気下で室温で18時間撹拌した。次いで、その反応物を、EtOAcで希釈して、飽和されたNH
4Cl水溶液を添加した。その水層を、EtOAc(3×15mL)で抽出し、その合わせた有機相を、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、その溶媒を、減圧下で取り除いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(石油エーテル:EtOAc 80:20)を用いて精製して、表題の化合物(0.09g,72%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.38−0.43(m,2H)、0.43−0.50(m,2H)、1.21−1.32(m,1H)、1.61(s,9H)、1.97(s,3H)、3.84(d,J=7.2Hz,2H)、7.64(s,1H)。MS(ESI)m/z:303[M−Na]
−。
【0264】
工程2.3−(シクロプロピルメチル)−5−メチル−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、文献に記載の手順に従って(Synthetic Comm.2001,31,3739−3746)、tert−ブチル3−(シクロプロピルメチル)−5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート(0.09g,0.32mmol)から出発して得た。粗生成物(0.06g)を、白色粉末として得て、それを次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.37−0.43(m,2H)、0.44−0.52(m,2H)、1.15−1.37(m,1H)、1.94(s,3H)、3.83(d,J=7.2Hz,2H)、6.92−7.11(m,1H)、9.94(s,1H)。MS(ESI)m/z:179[M−H]
−。
【0265】
工程3.3−(シクロプロピルメチル)−N−ヘキシル−5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、3−(シクロプロピルメチル)−5−メチル−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.05g,0.30mmol)から出発して得た;1.8当量のヘキシルイソシアネートを、その中では用いた。その粗生成物を、分取HPLC−MSによって精製して、表題の化合物(0.02g,23%)を、無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.36−0.44(m,2H)、0.44−0.53(m,2H)、0.89(t,J=6.7Hz,3H)、1.17−1.48(m,6H)、1.50−1.77(m,3H)、2.00(d,J=1.3Hz,3H)、3.38(td,J=7.1,5.5Hz,2H)、3.86(d,J=7.2Hz,2H)、8.23(q,J=1.3Hz,1H)、9.37(t,J=5.5Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 4.02、9.76、13.47、14.15、22.66、26.70、29.35、31.55、41.34、46.25、111.81、132.62、150.77、152.71、163.16.MS(ESI)m/z:308[M−H]
+。
【0266】
実施例17
5−[ベンゾイル(メチル)アミノ]−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
N−ヘキシル−5−メチルアミノ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド(0.08g,0.30mmol)を、乾燥ピリジン(4mL)中に溶解した。得られた溶液中に、塩化ベンゾイル(0.04mL、0.39mmol)を添加した。その反応物を室温で、窒素雰囲気下で18時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。その粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、SI(5g)カートリッジ(シクロヘキサン:EtOAc 84:16)を用いて精製して、表題の化合物(0.05g,45%)を無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.89(t,J=6.9Hz,3H)、1.28−1.33(m、6H)、1.53−1.59(m、2H)、3.29(s、3H)、3.34(dt、J=5.7、7.0Hz、2H)、7.33−7.43(m、5H)、8.22(br s、1H)、8.31(br s、1H)8.88(t、J=5.7Hz、1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 13.96、22.48、26.44、29.04、31.31、37.17、41.41、121.47、127.17、128.43、130.27、135.29、137.63、149.03、150.05、159.01、171.78.MS(ESI)m/z:371[M−H]
−。
【0267】
実施例18
5−(4−フルオロフェニル)−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程2)に従って、1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.30g,0.74mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 70:30)を用いて精製して、表題の化合物(0.17g,63%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 6.98(s,1H)、7.12−7.21(m,2H)、7.26−7.30(m,4H)、7.31(s,1H)、7.35−7.46(m,8H)、11.69(s,1H)。MS(ESI)m/z:373[M−H]
+371[M−H]
−。
【0268】
工程2.5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−5−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2,4−ジオン(0.17g,0.47mmol)から出発して得た。その粗生成物(0.10g)を、白色粉末として得て、それを次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 7.14−7.21(m,2H)、7.55−7.61(m,2H)、7.62(s,1H)、11.13(s,1H)、11.24(s,1H)。
【0269】
工程3.5−(4−フルオロフェニル)−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例6の合成について記載された手順に従って、5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.10g,0.48mmol)から出発して得た;4.5当量のヘキシルイソシアネートをここで用いて、2つのアリコート(各々が2.2当量)に分けて、その反応混合物を、マイクロ波照射下で、110℃まで1時間加熱した(各々30分の2サイクル)。その粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 84:16)を用いて精製して、表題の化合物(0.03g,2段階にわたって22%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 0.91(d、J=6.3Hz、3H)、1.27−1.42(m、6H)、1.58−1.68(m、2H)、3.41(td、J=7.1、5.6Hz、2H)、7.06−7.17(m、2H)、7.45−7.63(m、2H)、8.35(s、1H)、8.55(s、1H)、8.93−9.16(m、1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ 14.41、22.33、26.62、29.26、31.38、41.46、115.62、126.97、130.27、135.83、149.57、150.60、160.93、162.81(d、J=250.5 Hz).MS(ESI)m/z:207[M−H]
+。
【0270】
実施例19
N−ヘキシル−5−(4−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程2)に従って、1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.30g,0.74mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 60:40)を用いて精製して、表題の化合物(0.14g,49%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 3.72(s,3H)、6.85−6.91(m,2H)、6.97(s,1H)、7.20(s,1H)、7.23−7.29(m,5H)、7.35−7.40(m,2H)、7.40−7.47(m,3H)、11.62(s,1H)。MS(ESI)m/z:385[M−H]
+。
【0271】
工程2.5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−5−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4−ジオン(0.14g,0.36mmol)から出発して得た。粗生成物(0.06g)は、白色粉末として得て、これを次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 3.75(s,3H)、6.86−6.95(m,2H)、7.43−7.49(m,2H)、7.51(d,J=5.9Hz,1H)、11.01(d,J=5.7Hz,1H)、11.17(s,1H)。MS(ESI)m/z:219[M−H]
+。
【0272】
工程3.N−ヘキシル−5−(4−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例6の合成について記載された手順に従って、5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.06g,0.27mmol)から出発して得た;5.4当量のヘキシルイソシアネートを、ここで用いて、3つのアリコート(各々が1.8当量)に分けて、その反応混合物を、マイクロ波照射下で100℃まで1時間加熱した(各々20分の3サイクル)。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 80:20)を用いて精製して、表題の化合物(0.02g,2工程にまたがって17%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 0.90(d,J=6.8Hz,3H)、1.29−1.43(m,6H)、1.58−1.67(m,2H)、3.41(td,J=7.1,5.5Hz,2H)、3.83(s,3H)、6.89−7.00(m,2H)、7.41−7.57(m,2H)、8.46(s,1H)、8.51(s,1H)、9.11(t、J=5.5Hz、1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ 14.63、22.47、26.85、29.26、31.63、41.34、55.37、114.14、116.32、123.66、129.39、134.34、149.83、150.71、159.87、161.58。
【0273】
実施例20
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(p−トリル)ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−(p−トリル)ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程2)に従って、1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.11g,0.27mmol)およびp−トリルボロン酸(0.06g,0.41mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが75:25)を用いて精製して、表題の化合物(0.05g,50%)白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 2.32(s,3H)、7.11−7.15(m,3H)、7.20−7.24(m,6H)、7.34−7.44(m,6H)、8.16(s,1H)。MS(ESI)m/z:369[M−H]
+。
【0274】
工程2.5−(p−トリル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−5−(p−トリル)ピリミジン−2,4−ジオン(0.05g,0.13mmol)から出発して得た。オレンジ色の反応混合物を、ここで1時間0℃で撹拌し、次いで、氷冷の水(15mL)およびジクロロメタン(20mL)の添加によってクエンチした。氷冷のジエチルエーテル(50mL)を添加し、その生成物を沈殿させた。−20℃で15時間保管した後、表題の化合物を、濾過によって得て(白色固体)、さらなる精製なしに次の工程で用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ2.30(s,3H)、7.15(d,J=7.9Hz,2H)、7.42(d,J=8.1Hz,2H)、7.55(d,J=5.9Hz,1H)、11.10(d,J=6.5Hz,1H)、11.18(s,1H)。
【0275】
工程3.N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(p−トリル)ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−(p−トリル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.03g,0.13mmol)から出発して得た。その反応物を、ここで66時間撹拌し、その粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 80:20)を用いて精製して、表題の化合物を(0.013g,2工程にわたって30%)白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.87(t,J=6.9Hz,3H)、1.23−1.35(m,6H)、1.48−1.55(m,2H)、2.32(s,3H)、3.25−3.34(m,2H)、7.22(d,J=8.0Hz,1H)、7.42(d,J=8.1Hz,1H)、8.25(s、1H)、9.19(t、J=5.6Hz、1H)、11.90(s、1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.14、21.38、22.67、26.66、29.32、31.53、41.48、116.85、128.39、128.54、129.45、135.54、138.74、149.99、151.12、161.48.MS(ESI)m/z:328[M−H]
−。
【0276】
実施例21
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程2)に従って、1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.33g,0.82mmol)および4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(0.23g,1.22mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 70:30)を用いて精製して、表題の化合物(0.15g,45%)を白色粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 6.99(s,1H)、7.27−7.33(m,4H)、7.35−7.46(m,6H)、7.47(s,1H)、7.55−7.63(m,2H)、7.65−7.73(m,2H)、11.78(s,1H)。MS(ESI)m/z:371[M−H]
−。MS(ESI)m/z:373[M−H]
+,390[M−NH
4]
+。
【0277】
工程2.5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−5−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4−ジオン(0.15g,0.37mmol)から出発して得た。粗生成物(0.09g)を、褐色粉末として得て、これを、次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 7.67−7.74(m,2H)、7.77−7.84(m,3H)、11.30(d,J=6.3Hz,1H)、11.33−11.37(m,1H)。MS(ESI)m/z:255[M−H]
−.MS(ESI)m/z:257[M−H]
+。
【0278】
工程3.N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、粗生成物5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.09g,0.35mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 70:30)を用いて精製して、表題の化合物(0.03g,2工程にまたがって22%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 0.90(t,J=8.0Hz,3H)、1.26−1.45(m,6H)、1.53−1.75(m,2H)、3.42(td,J=7.1,5.6Hz,2H)、7.64−7.74(m,4H)、8.66(s,1H)、8.93(s,1H)9.10(t,J=5.2Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):14.31、22.47、26.62、29.16、31.47、41.38、115.36、124.22(q、J=271.5 Hz)、125.55、128.70、130.50、134.93、149.73、150.97、161.01.MS(ESI)m/z:382[M−H]
−。
【0279】
実施例22
N−ヘキシル−5−(2−ナフチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−(2−ナフチル)ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程2)に従って、1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.11g,0.27mmol)および2−ナフチルボロン酸(0.07g,0.41mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが70:30)を用いて精製して、表題の化合物(0.09g,80%)オフホワイトの固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):7.17(s,1H)、7.24−7.27(m,2H)、7.36(s,1H)、7.38−7.47(m,10H)、7.76−7.88(m,5H)、8.28(br s,1H)。MS(ESI)m/z:405[M−H]
+。
【0280】
工程2.5−(2−ナフチル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−5−(2−ナフチル)ピリミジン−2,4−ジオン(0.09g,0.21mmol)から出発して得た。ここでは、オレンジ色の反応混合物を、0℃で1時間撹拌し、次いで、氷冷の水(15mL)の添加およびジクロロメタン(20mL)の添加によってクエンチした。氷冷ジエチルエーテル(50mL)を添加して、生成物を沈殿させた。−20℃で15時間貯蔵した後、表題の化合物を、濾過によって得て(淡緑色の固体,0.033g,65%)、さらなる精製なしに次の工程で用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ7.46−7.53(m,2H)、7.70(dd,J=8.6,1.7Hz,1H)、7.77(d,J=5.9Hz,1H)、7.86−7.90(m,3H)、8.12(d,J=1.4Hz,1H)、11.21(d,J=4.8Hz,1H)、11.29(s,1H)。MS(ESI)m/z:237.0[M−H]
−。
【0281】
工程3.N−ヘキシル−5−(2−ナフチル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−(2−ナフチル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.03g,0.13mmol)から出発して得た。反応物をここで、66時間撹拌して、その粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 80:20)を用いて精製して、表題の化合物(0.013g,28%)白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.88(t,J=6.8Hz,3H)、1.21−1.36(m,6H)、1.49−1.59(m,2H)、3.27−3.34(m,2H)、7.51−7.56(m,2H)、7.67(dd,J=8.6,1.5Hz,1H)、7.90−7.98(m,3H)、8.13(br s,1H)、8.43(s,1H)、9.22(t,J=5.2Hz,1H)、12.00(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.15、22.67、26.67、29.32、31.54、41.53、116.81、125.90、126.56、126.75、127.77、127.90、128.37、128.46、128.95、133.29、133.37、136.27、149.98、151.10、161.47.MS(ESI)m/z:364[M−H]
−。
【0282】
実施例23
メチル5−ブロモ−3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート
5−ブロモ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド(実施例5)(0.18g,0.58mmol)を、ジクロロメタン(12mL)およびピリジン(0.10mL、1.24mmol)の中に溶解した。クロロギ酸メチル(0.05mL、0.66mmol)を0℃で添加して、その反応物を、室温で5時間撹拌して、室温まで緩徐に温めさせた。追加部のクロロギ酸メチル(0.20mL、2.69mmol)を0℃で添加して、その反応を室温でさらに15時間撹拌した。その溶媒を減圧下で取り除いて、その粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが75:25)を用いて精製して、表題の化合物(0.016g,7.4%)を、透明な、黄色っぽい油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.89(t,J=7.2Hz,3H)、1.27−1.38(m,6H)、1.57−1.64(m,2H)、3.39(td,J=7.1,5.6,2H)、4.08(s,3H)、8.74(s,1H)、8.76(br s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.13、22.64、26.59、29.17、31.48、41.78、56.92、98.71、137.79、148.46、149.05、149.40、155.99.MS(ESI)m/z:393[M−NH
4]
+。
【0283】
実施例24
イソブチル5−ブロモ−3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート
5−ブロモ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド(実施例5)(0.06g,0.18mmol)を、乾燥ピリジン(1.5mL)に溶解し、クロロギ酸イソブチル(0.03mL、0.21mmol)を、0℃で添加した。その反応物を室温で15時間撹拌し、その溶媒を減圧下で取り除いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 85:15)を用いて精製して、表題の化合物(0.10g,48%)を透明な、無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.89(t,J=6.8Hz,3H)、1.01(d,J=6.7Hz,6H)、1.28−1.38(m,6H)、1.57−1.64(m,2H)、2.11(h,J=6.7Hz,1H)、3.39(td,J=7.1,5.7,2H)、4.25(d,J=6.6,2H)、8.74(s,1H)、8.80(t,J=4.6Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.12、18.90、22.63、26.58、27.81、29.18、31.47、41.76、76.84、98.78、137.72、148.46、148.55、149.44、156.04.MS(ESI)m/z:289[M−CONH(CH
2)
5CH
3]
−。
【0284】
実施例25
5−ブロモ−N−ヘキシル−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.tert−ブチル5−ブロモ−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレートの調製
表題の化合物は、実施例16について記載の手順(工程1)に従って、tert−ブチル5−ブロモ−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート(1.43g,4.92mmol)から出発して得た;ここではヨードメタンを用い、その反応物は、窒素下で1.5時間撹拌した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 70:30)を用いて精製して、表題の化合物(0.85g,57%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 1.62(s,9H)、3.40(s,3H)、8.18(s,1H)。
【0285】
工程2.5−ブロモ−3−メチル−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、文献(Synthetic Comm.2001,31,3739−3746)に記載の手順に従って、tert−ブチル5−ブロモ−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート(0.85g,2.80mmol)から出発して得た。粗生成物(0.50g)を、白色粉末として得て、これを、次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ 3.32(s,3H)、7.78(s,1H)。MS(ESI)m/z:205[M−H]
+。
【0286】
工程3.5−ブロモ−N−ヘキシル−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−ブロモ−3−メチル−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.17g,0.81mmol)から出発して得た。その粗化合物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが80:20)を用いて精製して、表題の化合物(0.14g,51%)を透明な、無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.89(t,J=6.6Hz,3H)、1.28−1.39(m、6H)、1.55−1.64(m、2H)、3.37−3.42(m、2H)、3.43(s、3H)、8.75(s、1H)、9.16−9.22(m、1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.14、22.65、26.64、29.25、29.49、31.51、41.60、99.09、136.31、149.40、151.80、158.55.MS(ESI)m/z:203[M−CONH(CH
2)
5CH
3]
−。
【0287】
実施例26
イソブチル3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキシレート
表題の化合物は、実施例24の合成について記載された手順に従って、N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキサミド(実施例14)(0.05g,0.17mmol)から出発して得た;9.0当量のクロロギ酸イソブチルを、その中では用いた。追加部のクロロギ酸イソブチル(9.0当量)を、5時間後に添加して、その反応物を室温で15時間撹拌した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.043g,39%)を透明な、無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.90(t,J=6.8Hz,3H)、1.02(d,J=6.8Hz,6H)、1.29−1.41(m,6H)、1.57−1.65(m,2H)、2.12(h,J=6.7Hz,1H)、3.41(td,J=7.1,5.7Hz,2H)、4.27(d,J=6.7Hz,2H)、7.36−7.45(m,3H)、7.53−7.57(m,3H)、8.57(s,1H)、8.96(t,J=5.0Hz、1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.14、18.96、22.65、26.63、27.84、29.26、31.52、41.65、76.42、116.58、128.58、128.78、128.92、131.19、135.34、149.45、149.54、149.78、159.35.MS(ESI)m/z:416[M−H]
+。
【0288】
実施例27
N−ヘキシル−3−メチル−2,4−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−3−メチル−5−フェニル−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例16の合成について記載された手順(工程1)に従って、1−ベンズヒドリル−5−フェニル−ピリミジン−2,4−ジオン(実施例14、工程2のとおり調製)(0.37g,1.01mmol)から出発して得た;1:1混合物の乾燥MeCN/THFおよびヨードメタンを、その中では用いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 80:20)を用いて精製して、表題の化合物(0.16g,43%)を淡赤色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 3.46(s,3H)、7.19−7.24(m,6H)、7.28−7.43(m,11H)。MS(ESI)m/z: 369[M−H]
+。
【0289】
工程2.N−ヘキシル−3−メチル−2,4−ジオキソ−5−フェニル−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−3−メチル−5−フェニル−ピリミジン−2,4−ジオン(0.160g,0.43mmol)から出発して得た。オレンジ色の反応混合物を、1時間窒素下で0℃で撹拌し、次いで、氷(約20mL)の添加によってクエンチした。ジクロロメタン(30mL)を添加して、2つの相を分けた。その水層をさらに、ジクロロメタン(2×15mL)で抽出し、その合わせた有機相を、Na
2SO
4上で乾燥した。その溶媒を、減圧下で取り除いて、3−メチル−5−フェニル−1H−ピリミジン−2,4−ジオンを、粗生成物の赤/褐色の固体として得た(MS(ESI)m/z:203[M−H]
+)。粗生成物3−メチル−5−フェニル−1H−ピリミジン−2,4−ジオンを用いて、表題の化合物を、実施例1の合成について記載された手順に従って調製した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.059g,42%)を黄色い、粘着性の固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.91(t,J=6.7Hz,3H)、1.30−1.42(m,6H)、1.58−1.67(m,2H)、3.39−3.45(m,2H)、3.45(s,3H)、7.34−7.44(m,3H)、7.53−7.56(m,2H)、8.57(s,1H)、9.38(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.15、22.67、26.69、28.55、29.33、31.55、41.48、116.18、128.52、128.63、128.74、132.46、134.03、150.43、152.20、161.52.MS(ESI)m/z:330[M−H]
+。
【0290】
実施例28
N−ヘキシル−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
イミダゾール(0.20g,3.0mmol)およびtert−ブチルジメチルシリルクロライド(0.72g,4.8mmol)を、ジクロロメタン(5mL)およびMeCN(5mL)の中の5−(ヒドロキシメチル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.284g,2mmol)の溶液に0℃で添加した。白色のスラリーを、室温で48時間撹拌し、飽和NH
4Cl(10mL)水溶液でクエンチして、EtOAc(10mL)で希釈した。その水相を、EtOAc(3×15mL)で抽出して、合わせた有機層を、ブライン(10mL)で洗浄し、その溶媒を減圧下で取り除いた。粗化合物(白色固体,0.28g,54%)を、次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ 0.13(s,6H)、0.94(s,9H)、4.44(s,2H)、7.32(t,J=1.2Hz,1H)。MS(ESI)m/z:257[M−H]
+。
【0291】
工程2.5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.28g,1.08mmol)から出発して得た;2.2当量のDMAPおよび2.2当量のヘキシルイソシアネートを、その中では用いた。その反応物を、ここでは66時間撹拌し、その粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 75:25)を用いて精製して、表題の化合物(0.30g,73%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.12(s,6H)、0.89(t,J=6.9Hz,3H)、0.94(s,9H)、1.29−1.39(m,6H)、1.58−1.63(m,2H)、3.39(td,J=7.1,5.7Hz,2H)、4.52(d,J=1.7Hz,2H)、8.28(s,1H)、8.47(t,J=1.7Hz,1H)、9.06(t,J=4.8Hz,1H)。MS(ESI)m/z:384[M−H]
+。
【0292】
工程3.5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−N−ヘキシル−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例16の合成について記載された手順(工程1)に従って、5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド(0.14g,0.37mmol)から出発して得た;ヨードメタンを、ここでは用いて、その反応物を、窒素下で室温で45分撹拌した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.055g,37%)を透明な、無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.12(s,6H)、0.90(t,J=6.6Hz,3H)、0.95(s,9H)、1.29−1.41(m,6H)、1.57−1.65(m,2H)、3.36(s,3H)、3.40(td,J=7.1,5.7Hz,2H)、4.53(d,J=1.7Hz,2H)、8.47(t,J=1.6Hz,1H)、9.32(t,J=4.5Hz,1H)。MS(ESI)m/z:398[M−H]
+。
【0293】
工程4.N−ヘキシル−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−N−ヘキシル−3−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド(0.05g,0.13mmol)を、AcOH/THF/H
2O(3mL、4:1:1)を用いて室温で処理した。その反応物を、22時間撹拌した。水(3mL)を添加し、その溶液を、EtOAc/シクロヘキサン1:1(3×6mL)を用いて抽出した。合わせた有機相を、約1mLに濃縮し、次にこれをジクロロメタン(1.5mL)で希釈して、4gのSiO
2カラムに注入し、続いて、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 70:30)を用いて精製して、表題の化合物(0.033g,88%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.90(t,J=6.8Hz,3H)、1.28−1.38(m,6H)、1.55−1.65(m,2H)、2.53(bs,1H)、3.38(s,3H)、3.39(td,J=6.9,5.8Hz,2H)、4.48(s,2H)、8.44(bs、1H)、9.26(t、J=4.5Hz、1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.15、22.66、26.67、28.06、29.30、31.53、41.47、59.62、114.39、133.97、150.22、152.31、162.77.MS(ESI)m/z:284[M−H]
+。
【0294】
実施例29
イソブチル3−(ヘキシルカルバモイル)−5−(ヒドロキシメチル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート
工程1.イソブチル5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレートの調製
表題の化合物は、実施例24の合成について記載された手順に従って、5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド(実施例28、工程2)(0.30g,0.78mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.17g,45%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.12(s,6H)、0.89(t,J=6.7Hz,3H)、0.94(s,9H)、1.00(d,J=6.9Hz,6H)、1.28−1.38(m,6H)、1.55−1.63(m,2H)、2.11(h,J=6.7Hz,1H)、3.38(td,J=7.2,5.5Hz,2H)、4.24(d,J=6.7Hz,2H)、4.52(d,J=1.7Hz,2H)、8.47(t,J=1.5Hz,1H)、8.91(t,J=5.1Hz,1H)。MS(ESI)m/z:484[M−H]
+。
【0295】
工程2.イソブチル3−(ヘキシルカルバモイル)−5−(ヒドロキシメチル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレートの調製
表題の化合物は、実施例28の合成について記載された手順(工程4)に従って、イソブチル5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート(0.16g,0.34mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 70:30)を用いて精製して、表題の化合物(0.11g,89%)を透明な、無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.89(t,J=6.5Hz,3H)、1.01(d,J=6.7Hz,6H)、1.28−1.38(m,6H)、1.55−1.63(m,2H)、2.11(h,J=6.7Hz,1H)、2.15(t,J=6.3Hz,1H)、3.38(td,J=7.1,5.6Hz,2H)、4.25(d,J=6.6Hz,2H)、4.49(br s,2H)、8.45(t,J=1.1Hz,1H)、8.87(t,J=5.6Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.13、18.92(2C)、22.65、26.61、27.83、29.23、31.50、41.62、58.77、76.48、115.01、135.52、149.08、149.37、149.89、160.30.MS(ESI)m/z:370[M−H]
+。
【0296】
実施例30
イソブチル5−クロロ−3−(ヘキシルカルバモイル)−2,6−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキシレート
表題の化合物は、実施例24の合成について記載された手順に従って、5−クロロ−N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド(実施例3)(0.119g,0.431mmol)から出発して得た;2.4当量のクロロギ酸イソブチルを、その中では用いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 85:15)を用いて精製して、表題の化合物(0.047g,29%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.89(t,J=6.8Hz,3H)、1.01(d,J=6.7Hz,6H)、1.28−1.38(m,6H)、1.57−1.64(m,2H)、2.11(h,J=6.7Hz,1H)、3.39(td,J=7.1,5.5,2H)、4.26(d,J=6.6,2H)、8.62(s,1H)、8.80(t,J=4.9Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.12、18.89(2C)、22.63、26.58、27.81、29.19、31.48、41.77、76.77、111.14、135.14、148.40、148.58、149.20、156.04.MS(ESI)m/z:391[M−NH
4]
+。
【0297】
実施例31
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(3−ピリジル)ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−(3−ピリジル)ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程2)に従って、1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.81g,2mmol)および3−ピリジルボロン酸(0.370g,3mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 30:70)を用いて精製して、表題の化合物(0.17g,24%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 7.14(s,1H)、7.20−7.24(m,4H)、7.29−7.33(m,2H)、7.36−7.46(m,6H)、7.93(dt,J=8.1,2.0Hz,1H)、8.41(d,J=1.7Hz,1H)、8.45(s,1H)、8.52(dd,J=4.9,1.6Hz,1H)。MS(ESI)m/z:356[M−H]
+。
【0298】
工程2.5−(3−ピリジル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−5−(3−ピリジル)ピリミジン−2,4−ジオン(0.085g,0.239mmol)から出発して得た。ここでは、アニソール(0.163g,1.5mmol)を、トリフル酸/TFA混合物とともに添加して、そのオレンジ色の反応混合物を、ここでは1時間0℃で撹拌した。TFAを、窒素のストリームによって、取り出し、残りのTFAを、ジエチルエーテル(40mL)での同時エバポレーションによって取り除いた。水(15mL)およびアセトニトリル(15mL)を添加し、ドライアイス−アセトン浴中で固定して、粗生成物の表題の化合物を、凍結乾燥によって得た。その粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(ジクロロメタン:ジクロロメタン中に含有される20%メタノールが30:70)を用いて精製して、表題の化合物をトリフル酸塩(0.067g,81%)として、白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 7.91(dd,J=8.2,5.8Hz,1H)、8.07(d,J= 6.1Hz,1H)、8.60(dt,J=8.2,1.6Hz,1H)、8.72(dd,J=5.4,1.4Hz,1H)、9.06(d,J=2.1Hz,1H)、11.55(s,1H)、11.58(d,J=5.5Hz,1H)。MS(ESI)m/z:190[M−H]
+。
【0299】
工程3.N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(3−ピリジル)ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−(3−ピリジル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.067g,0.198mmol)から出発して得た。ここでは、2当量のDMAPおよび2.7当量のヘキシルイソシアネートが含有される4mlピリジンを用いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 40:60)を用いて精製して、表題の化合物(0.04g,57%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.90(t,J=6.0Hz,3H)、1.29−1.41(m,6H)、1.58−1.67(m,2H)、3.42(dt,J =7.1,5.5Hz,2H)、7.37(ddd,J=8.0,4.9,0.9Hz,1H)、7.97(td,J=8.0,2.0Hz,1H)、8.64(dd,J=4.9,1.7Hz,1H)、8.66(s,1H)、8.80(dd,J=2.4,0.9Hz,1H)、9.11(t,J=5.0Hz,1H)、9.21(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.13、22.66、26.64、29.29、31.51、41.58、77.16、113.74、123.50、127.93、136.39、136.58、148.70、149.48、149.74、151.09、161.30.MS(ESI)m/z:317[M−H]
+。
【0300】
実施例32
N−オクチル−2,4−ジオキソ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−(トリフルオロメチル)ウラシル(0.10g,0.55mmol)から出発して得た;3.0当量のオクチルイソシアネートを、その中では用いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが70:30からシクロヘキサン:EtOAcが60:40までの勾配)を用いて精製し、次いで、n−ヘプタンで洗浄して、表題の化合物(0.04g,22%)を白色粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 0.88(d,J=6.8Hz,3H)、1.18−1.44(m,10H)、1.53−1.70(m,2H)、3.41(td,J=7.1,5.5Hz,2H)、8.90−8.97(m,3H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ 14.20、22.75、26.92、29.20、29.26、31.89、41.80、121.16(q、J=268.7 Hz)、139.73、148.25、150.83、156.86.MS(ESI)m/z:334[M−H]
−。
【0301】
実施例33
N−ヘキシル−2,4−ジオキソ−5−(3−ピリジル)ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.2−(5−フェニルペンチル)イソインドリン−1,3−ジオン
5−フェニルペンタン−1−オール(0.50g,3mmol)、トリフェニルホスフィン(0.45g,3mmol)、およびフタルイミド(0.80g,3mmol)を乾燥THF(5mL)中で、0℃まで冷却しながら徹底的に撹拌した。5mLの乾燥THF中のDIAD(0.62g,3mmol)の溶液を、冷却した混合物中に滴下した。室温で12時間撹拌した後、その溶媒を、減圧下で取り除いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.68g,76%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 1.22−1.34(m,2H)、1.49−1.69(m,4H)、2.52−2.58(m,2H)、3.56(t,J=7.06Hz,2H)、7.06−7.27(m,5H)、7.75−7.95(m,4H)。MS(ESI)m/z:334[M−H]
−。
【0302】
工程2.5−フェニルペンタン−1−アミンの調製
ヒドラジン一水和物(0.36g,7.2mmol)を、25mLのEtOH中に含まれる2−(5−フェニルペンチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.68g,2.3mmol)の溶液に添加した。その溶液を、還流下で5時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。その白色沈殿物を、濾過によって取り除いて、濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を、1N溶液のNaOH(80mL)中に溶解して、クロロホルム(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥して、その溶媒を減圧下で取り除いた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(TEAによる固体沈着,溶出液:1%のTEAを含むジクロロメタン中の20%のMeOH)を用いて精製して、表題の化合物(0.28g,73%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):1.37−1.48(m,2H)、1.58−1.72(m,4H)、2.57−2.69(m,2H)、3.29(t,J=6.70Hz,2H)、7.13−7.24(m,3H)、7.26−7.34(m,2H)。
【0303】
工程3.2,4−ジオキソ−N−(5−フェニルペンチル)ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
5−フェニルペンタン−1−アミン(0.07g,0.43mmol)を、乾燥ジクロロメタン(4.5mL)中に溶解した。その溶液を、0℃まで冷却し、飽和NaHCO
3水溶液(4.5mL)を添加した。二相性の混合物を、10分間0℃で撹拌し、その層を分離させ、次いで、乾燥トルエン(2.5mL)中のトリホスゲンの溶液(0.51g,0.52mmol)を有機層に添加した。15分後、その水層を、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を、Na
2SO
4上で乾燥して、その溶媒を、減圧下で取り除いた。得られた残渣を、乾燥ピリジン(5mL)中に含まれるウラシル(0.05g,0.43mmol)およびDMAP(0.01g,0.01mmol)の溶液に添加した。その懸濁物を、室温で18時間撹拌した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 75:25)を用いて精製して、表題の化合物(0.04g,32%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):1.25−1.42(m,2H)、1.46−1.64(m,5H)、2.54−2.60(m,2H)、3.21−3.28(m,2H)、5.79(d,J=8.38Hz,1H)、7.06−7.36(m,5H)、8.20(d,J=8.40Hz,1H)、9.11(t,J=5.65Hz,1H)、11.71(s,1H)。
13C NMR(101MHz,DMSO−d
6)δ 26.18、28.56、30.79、35.12、41.81、40.26、103.48、125.78、128.11、129.30、139.70、149.23、151.13、161.80。
【0304】
実施例34
N−[5−(4−フルオロフェニル)ペンチル]−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.5−(4−フルオロフェニル)ペンタン−1−オールの調製
窒素雰囲気下で、0℃で、乾燥Et
2O(6mL)の中のLiAlH
4(0.27g,7.1mmol)の撹拌混合物に、乾燥Et
2O(5mL)の中の5−(4’−フルオロフェニル)吉草酸(0.35g,1.8mmol)を滴下した。その混合物を、室温で4時間反応させて、次いで0℃でH
2O(0.35mL)、3MのKOH溶液(0.35mL)およびH
2O(1mL)を、極めて緩徐に添加した。その混合物を、1時間0℃で撹拌し、濾過して、固体残渣を取り除き、そして有機相を、Na
2SO
4上で乾燥した。その有機溶液を、再度濾過して、乾燥するまで濃縮し、表題の化合物(0.32g,97%)を無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 1.34−1.47(m,2H)、1.55−1.72(m,4H)、2.49−2.68(m,2H)、3.64(t,J=6.56Hz,2H)、6.86−7.03(m,2H)、7.06−7.17(m,2H)。
【0305】
工程2.2−[5−(4−フルオロフェニル)ペンチル]イソインドリン−1,3−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例33の合成について記載された手順(工程1)に従って、5−(4−フルオロフェニル)ペンタン−1−オール(0.32g,1.75mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.37g,66%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 1.22−1.34(m,2H)、1.49−1.69(m,4H)、2.52−2.58(m,2H)、3.56(t,J=7.06Hz,2H)、6.86−7.03(m,2H)、7.06−7.17(m,2H)、7.75−7.95(m,4H)。MS(ESI)m/z:312[M−H]
+。
【0306】
工程3.5−(4−フルオロフェニル)ペンタン−1−アミンの調製
表題の化合物は、実施例33の合成について記載された手順(工程2)に従って、2−[5−(4−フルオロフェニル)ペンチル]イソインドリン−1,3−ジオン(0.37g,1.18mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(TEAでの固体沈着,溶出液:1%のTEAを有するジクロロメタン中の20%MeOH)を用いて精製して、表題の化合物(0.15g,70%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 1.22−1.34(m,2H)、1.37−1.46(m,2H)、1.46−1.59(m,2H)、2.52−2.64(m,4H)、7.01−7.12(m,2H)、7.16−7.27(m,2H)。MS(ESI)m/z:182[M−H]
+。
【0307】
工程4.N−[5−(4−フルオロフェニル)ペンチル]−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例33の合成について記載された手順(工程3)に従って、5−(4−フルオロフェニル)ペンタン−1−アミン(0.07g,0.39mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 75:25)を用いて精製して、表題の化合物(0.015g,13%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 1.29−1.46(m,2H)、1.56−1.72(m,4H)、2.50−2.56(m,2H)、3.38(td,J=5.54,7.09Hz,2H)、5.89(dd,J=1.71,8.40Hz,1H)、6.89−7.02(m,2H)、7.06−7.17(m,2H)、8.41(d,J=8.49Hz,1H)、8.48(s,1H)、9.04(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ 26.28、29.00、31.05、34.88、41.11、103.87、114.90、115.11、129.59、129.67、138.86、149.58、151.29、161.85。
【0308】
実施例35
N−[(4−ブチルフェニル)メチル]−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例33の合成について記載された手順(工程3)に従って、(4−ブチルフェニル)メタンアミン(0.12g,0.66mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが75:25)を用いて精製して、表題の化合物(0.072g,36%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ 0.92(t,J=7.33Hz,3H)、1.24−1.43(m,2H)、1.50−1.69(m,2H)、2.52−2.66(m,2H)、4.54(d,J=5.60Hz,2H)、5.89(dd,J=1.85,8.52Hz,1H)、7.14−7.25(m,4H)、8.43(d,J=8.52Hz,1H)、8.69(s,1H)、9.33−9.46(m,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ 13.91、22.31、33.58、35.28、44.93、103.98、127.63、128.88、134.01、138.88、142.69、149.80、151.29、162.11.MS(ESI)m/z:286[M−H]
+。
【0309】
実施例36
N−[(4−プロピルシクロヘキシル)メチル]−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.(4−プロピルシクロヘキシル)メタノールの調製
表題の化合物は、実施例34の合成について記載された手順(工程1)に従って、4−トランス−N−プロピルシクロヘキサンカルボン酸(0.50g,2.9mmol)から出発して得た。粗生成物(0.45g,99%)を、無色の油状物として得て、これを、次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.80−0.88(m,7H)、1.10−1.18(m,3H)、1.23−1.33(m,3H)、1.64−1.79(m,4H)、3.18(t,J=5.52Hz,2H)、4.30(t,J=5.52Hz,1H)。
【0310】
工程2.2−[(4−プロピルシクロヘキシル)メチル]イソインドリン−1,3−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例33の合成について記載された手順(工程1)に従って、(4−プロピルシクロヘキシル)メタノール(0.45g,2.88mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが90:10)を用いて精製して、表題の化合物(0.69g,83%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.80−0.88(m,7H)、1.10−1.18(m,3H)、1.23−1.33(m,3H)、1.64−1.79(m,4H)、3.46(d,J=5.52Hz,2H)、7.75−7.95(m,4H)。MS(ESI)m/z:286[M−H]
+。
【0311】
工程3.(4−プロピルシクロヘキシル)メタンアミンの調製
表題の化合物は、実施例33の合成について記載された手順(工程2)に従って、2−[(4−プロピルシクロヘキシル)メチル]イソインドリン−1,3−ジオン(0.69g,2.4mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(TEAでの固体沈着、溶出液:1%のTEAを有するジクロロメタン中の20%のMeOH)を用いて精製して、表題の化合物(0.15g,70%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ 0.77−0.90(m,7H)、1.08−1.19(m,4H)、1.22−1.35(m,2H)、1.66−1.79(m,4H)、2.38(d,J=6.45Hz,2H)。
【0312】
工程4.N−[(4−プロピルシクロヘキシル)メチル]−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例33の合成について記載された手順(工程3)に従って、(4−プロピルシクロヘキシル)メタンアミン(0.07g,0.45mmol)から出発して得た。粗生成物は、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが75:25)を用いて精製して、表題の化合物(0.005g,4%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):0.77−1.04(m,7H)、1.10−1.38(m,6H)、1.71−1.82(m,4H)、3.24(dd,J=5.72,6.75Hz,2H)、5.82−5.95(m,1H)、8.08(s,1H)、8.41(d,J=8.49Hz,1H)、9.07(s,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ 14.26、20.06、30.78、32.52、37.38、38.00、40.03、47.45、103.57、138.93、149.70、151.32、161.49.MS(ESI)m/z:311[M−NH
4]
+。
【0313】
実施例37
3−ブタ−3−エニル−N−ヘキシル−5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
表題の化合物は、実施例16の調製における副生成物として得て、無色の油状物として単離した。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 0.90(t,J=6.8Hz,3H)、1.27−1.39(m,6H)、1.59−1.65(m,2H)、1.99(d,J=1.2Hz,3H)、2.37−2.43(m,2H)3.35−3.40(m,2H)、4.00−4.06(m,2H)、5.03−5.10(m,2H)、5.81(ddt,J=17.1,10.2,7.0Hz,1H)、8.22(d,1H)、9.33(s,1H)。
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 13.40、14.14、22.66、26.70、29.34、31.55、31.98、41.02、41.37、77.16、111.70、117.40、132.62、134.62、150.69、152.46、162.88。MS(ESI)m/z:308[M−H]+。
【0314】
実施例38
N−ヘキシル−5−(2−メチルピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−(2−メチルピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジオンの調製。
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程2)に従って、1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.20g,0.50mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 30:70)を用いて精製して、表題の化合物(0.12g,34%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 3.57(s,3H)、6.11(d,J=1.9Hz,1H)、6.95(s,1H)、7.25−7.30(m,4H)、7.30(s,1H)、7.33(d,J=1.9Hz,1H)、7.35−7.46(m,6H)、11.79(s,1H)。MS(ESI)m/z:359[M−H]
+,381[M−Na]
+。
【0315】
工程2.5−(2−メチルピラゾール−3−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−5−(2−メチルピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジオン(0.12g,0.33mmol)から出発して得た。粗生成物(0.09g)は、淡いオレンジ色の粉末として得て、これを、次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 3.67(s,3H)、6.22(d,J=1.8Hz,1H)、7.38(d,J=1.8Hz,1H)、7.58(d,J=6.0Hz,1H)、11.20−11.32(m,1H)、11.32−11.45(m,1H)。MS(ESI)m/z:193[M−H]
+。
【0316】
工程3.N−ヘキシル−5−(2−メチルピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−(2−メチルピラゾール−3−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.05g,0.26mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 50:50)を用いて精製して、表題の化合物(0.02g,2工程にまたがって17%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 0.90(t,J=7.0Hz,3H)、1.28−1.42(m,6H)、1.58−1.69(m,2H)、3.41(td,J=7.1,5.5Hz,2H)、3.84(s,3H)、6.32(d,J=1.9Hz,1H)、7.51(d,J=1.9Hz,1H)、8.51−8.59(m,2H)、8.77(s,1H)、9.04(t,J=5.2Hz,1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ 14.35、22.45、27.02、29.13、31.73、37.84、41.54、108.32、133.24、133.40、138.50、149.24、150.76、160.11.MS(ESI)m/z:320[M−H]
+。MS(ESI)m/z:318[M−H]
−。
【0317】
実施例39
N−ヘキシル−5−(2−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミド
工程1.1−ベンズヒドリル−5−(2−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程2)に従って、1−ベンズヒドリル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジオン(0.30g,0.50mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAcが60:40〜EtOAc100%)を用いて精製して、表題の化合物(0.17g,61%)を褐色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 3.57(s,3H)、6.91(td,J=7.5,1.1Hz,1H)、6.97(dd,J=8.4,1.1Hz,1H)、7.00(s,1H)、7.17−7.28(m,5H)、7.28−7.32(m,2H)、7.35−7.48(m,6H)、11.60(s,1H)。MS(ESI)m/z:385[M−H]
+,407[M−Na]
+。
【0318】
工程2.5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの調製
表題の化合物は、実施例14の合成について記載された手順(工程3)に従って、1−ベンズヒドリル−5−(2−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4−ジオン(0.17g,0.80mmol)から出発して得た。粗生成物(0.06g)を、灰色の粉末として得た。これを、次の工程でさらなる精製なしに用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 3.72(s,3H)、6.90−6.96(m,1H)、7.02(m,1H)、7.18−7.22(m,1H)、7.27−7.32(m,1H)、7.37(d,J=5.9Hz,1H)、10.88−10.94(m,1H)、11.11(s,1H)。MS(ESI)m/z:219[M−H]
+,236[M−NH
4]
+。
【0319】
工程3.N−ヘキシル−5−(2−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボキサミドの調製
表題の化合物は、実施例1の合成について記載された手順に従って、5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(0.06g,0.30mmol)から出発して得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、Teledyne ISCO装置(シクロヘキサン:EtOAc 80:20)を用いて精製して、表題の化合物(0.015g,2工程にまたがって6%)を白色の粉末として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 0.86−0.99(m,3H)、1.28−1.43(m,6H)、1.57−1.68(m,2H)、3.40(td,J=7.1,5.5Hz,2H)、3.82(s,3H)、6.96(dd,J=8.4,1.0Hz,1H)、7.00(td,J=7.5,1.1Hz,1H)、7.28(dd,J=7.5,1.8Hz,1H)、7.37(ddd,J=8.3,7.5,1.8Hz,1H)、8.23(s,1H)、8.49(s,1H)、9.11(t,J=5.1 Hz 1H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ 14.26、22.16、26.66、29.10、31.46、40.58、55.36、110.74、120.31、120.70、130.15、131.16、137.16、150.60、150.68、157.29、160.90.MS(ESI)m/z:346[M−H]
+。