特許第5827465号(P5827465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許5827465-レール破断検知装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5827465
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】レール破断検知装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20151112BHJP
   B61L 1/18 20060101ALI20151112BHJP
【FI】
   B61L23/00 Z
   B61L1/18 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-240631(P2010-240631)
(22)【出願日】2010年10月27日
(65)【公開番号】特開2012-91671(P2012-91671A)
(43)【公開日】2012年5月17日
【審査請求日】2013年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130476
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 昭穂
(74)【代理人】
【識別番号】100170678
【弁理士】
【氏名又は名称】江頭 達哉
(72)【発明者】
【氏名】山崎 広達
(72)【発明者】
【氏名】本間 健一
(72)【発明者】
【氏名】香川 卓也
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−321110(JP,A)
【文献】 実開昭60−073328(JP,U)
【文献】 特開2003−002196(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/213267(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 23/00
B61L 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のレールの一方によって構成された第1検知区間と、
前記レールの他方によって構成された第2検知区間と、
レール破断がない場合は前記レール間で互いに平衡しレール破断が生じると前記レール間で互いに不平衡となる帰線電流により、前記第1検知区間に生じた電圧降下信号及び前記第2検知区間に生じた電圧降下信号の不平衡から前記レールの破断を検知する信号処理装置と、を備え
前記第1検知区間と前記第2検知区間とを設定する導線接続部は、それぞれ任意の位置に設置される、レール破断検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたレール破断検知装置であって、
前記第1検知区間及び前記第2検知区間は、1つの閉塞区間において複数組備えられており、
前記信号処理装置は、前記第1検知区間及び前記第2検知区間の各組の電圧降下信号から、各組の故障状態を検知する機能を有し、一方の組の前記第1検知区間及び前記第2検知区間の不平衡判定と他の組の前記第1検知区間及び前記第2検知区間の不平衡判定とが不一致ではなく、一方の組と他方の組とから出力された信号が不平衡である場合にはレール破断が生じていると判定する、レール破断検知装置。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道用レールの破断を検知するレール破断検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道では、列車の位置検知を軌道回路によって行っており、この軌道回路の副次的な機能として、レール破断の検知が行われていた。一方、近年では、新たな列車制御システムとして、軌道回路を用いない移動閉塞システムの開発が進んでいる。移動閉塞システムでは、列車の位置検知は軌道回路によらず、列車自身において、例えば車軸に取り付けた速度発電機の回転数や、地上装置との無線通信によって自車の走行位置を算出し、算出した現在位置を、無線通信によって他の列車や地上装置等に送信する構成となっている。
【0003】
このようなシステムでは、従来の軌道回路を用いたレール破断検知を行うことができない。そこで、軌道回路を用いずにレール破断を検知する手段として、例えば、特許文献1は、左右一対のレールに流れる各々の帰線電流を検知し、各々の帰線電流から不平衡を求めて、不平衡が予め設定した値を越えたことにより、レール破断を検知する技術を開示している。しかし、特許文献1は、車上側で帰線電流を検出する技術を開示し、地上側で帰線電流を検出する点については、その可能性を示唆するにとどまり、具体的な開示はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−321110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、地上側でレール破断を検知し得るレール破断検知装置を提供することである。
【0006】
本発明のもう一つの課題は、コストの安価なレール破断検知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明に係るレール破断検知装置は、第1検知区間と、第2検知区間と、信号処理装置とを含む。前記第1検知区間は、一対のレールの一方による所定のレール長によって構成されており、前記第2検知区間は、前記一対のレールの他方による所定のレール長によって構成されている。そして、第1検知区間と第2検知区間とを設定する導線接続部は、それぞれ任意の位置に設置される。
【0008】
前記信号処理装置は、地上に備えられ、前記レールに流れる帰線電流により、前記第1検知区間に生じた第1電圧降下信号、及び、前記第2検知区間に生じた第2電圧降下信号が入力され、前記第1電圧降下信号及び前記第2電圧降下信号の不平衡から前記レールの破断を検知する。
【0009】
第1電圧降下信号及び第2電圧降下信号は、第1検知区間及び第2検知区間の長さに応じたレールのインピーダンスと、レールに流れる帰線電流とによって定まる電圧値となる。レール破断がない場合、列車から一対のレールに流れ出る帰線電流は、ほぼ平衡した値であり、第1検知区間及び第2検知区間の長さがほぼ等しいという条件下では、レールの一方に構成された第1検知区間に生じる第1電圧降下信号、及び、レールの他方によって構成された第2検知区間に生じる第2電圧降下信号も、ほぼ平衡した値になる。
【0010】
ところが、一対のレールの何れかにレール破断が生じると、破断レール側では、帰線電流が地中に漏れるため、一対のレールの各々を流れる帰線電流に不平衡が生じ、第1検知区間に生じる第1電圧降下信号、及び、第2検知区間に生じる第2電圧降下信号も、不平衡になる。
【0011】
第1電圧降下信号及び第2電圧降下信号は信号処理装置に入力される。信号処理装置は入力された第1電圧降下信号及び第2電圧降下信号からレールの破断を検知する。即ち、第1電圧降下信号及び第2電圧降下信号の不平衡からレールの破断を検知する。
【0012】
上述したように、本発明では、第1検知区間、第2検知区間および信号処理装置は、地上に設置されており、レール破断を地上側で検知することができる。
【0013】
しかも、帰線電流からレール破断を検知するものであって、検知のための特別の信号発生回路、信号送信回路を用いるものではない。したがって、設備コストが安価になる。信号処理装置は、列車制御用地上装置の一部によって構成できるもので、しかも、レール破断検知は、実際にはソフトウエアによって実行され得る。追加すべきものは、第1検知区間および第2検知区間を画定するためのレールへのターミナル打ち込み、ケーブル配線作業などであるから、その実施も容易である。
【0014】
具体的形態として、前記第1検知区間は、前記レールの一方に互いに距離をおいて設定された一対の導線接続部を含む。前記第1電圧降下信号は前記一対の導線接続部間において前記レールの一方に生じる電圧降下信号である。前記第2検知区間も、前記レールの他方に互いに距離をおいて設定された一対の導線接続部を含む。前記第2電圧降下信号は前記一対の導線接続部間において前記レールの他方に生じる電圧降下信号である。
【0015】
更に好ましくは、前記第1検知区間及び前記第2検知区間は、1つの閉塞区間において複数組備えられており、前記信号処理装置は、前記第1検知区間及び前記第2検知区間の各組の電圧降下信号から、各組の故障状態を検知する機能を有し、一方の組の前記第1検知区間及び前記第2検知区間の不平衡判定と他の組の前記第1検知区間及び前記第2検知区間の不平衡判定とが不一致ではなく、一方の組と他方の組とから出力された信号が不平衡である場合にはレール破断が生じていると判定する。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)地上側でレール破断を検知し得るレール破断検知装置を提供することができる。
(b)コストの安価なレール破断検知装置を提供することができる。
(c)複数検知区間の電圧降下信号から、導線接続部における接続不良を検知する機能を有する場合には、故障検知、それに続く保守によって、システムの健全性を、永続的に保持しえるレール破断検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るレール破断検知装置の構成を示す図である。
図2】本発明に係るレール破断検知装置の別の構成を示す図である。
図3図2に示したレール破断検知装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、一対のレール11、12の上に矢印F1の方向に走行する列車2が在線している。列車2の車体21の屋根などに集電装置(パンタグラフ)22が取り付けられており、変電所などの電力供給設備5から架線3に供給された電力が、架線3に接触する集電装置22によって列車2の内部に導入され、その電力によって図示しないモータ等が駆動される。架線3から集電装置22を経て列車2の内部に導入された電流I1は、車軸23などを通してレール11、12に導かれ、レール11、12を通って電力供給設備5に戻る。したがって、レール11、12には、帰線電流I21、I22が流れることになる。本発明の特徴は、帰線電流I21、I22を利用して、レール11、12の破断を地上側で検知するところにある。
【0019】
その手段として、本発明に係るレール破断検知装置は、第1検知区間L1と、第2検知区間L2と、信号処理装置4とを含む。第1検知区間L1は、レール11によって構成されており、第2検知区間L2は、レール12によって構成されている。第1検知区間L1及び第2検知区間L2の長さは、例えば、3m〜6m程度の範囲であればよい。このような検知区間を、一つの閉塞区間に少なくとも一箇所設ける。第1検知区間L1及び第2検知区間L2の設置位置は、特に問わない。閉塞区間の中間であってもよいし、端部側であってもよい。
【0020】
第1検知区間L1の設定に当たっては、レール11の側部などの適当な位置に、互いに距離L1をおいて、導線接続部P11、P12を設定し、導線接続部P11、P12にケーブル線などの導線61、を接続する。第2検知区間L2の設定に当たっても、同様に、レール12の側部に、互いに距離をおいて導線接続部P21、P22を設定し、導線接続部P21、P22にケーブル線などの導線62を接続する。導線61、62は信号処理装置4に導かれる。導線接続部P11、P12と導線接続部P21、P22とは、互いに対向関係にあることは必要でない。レール11、12の長さ方向にずれを生じていてもよい。
【0021】
信号処理装置4は、地上に備えられ、レール11、12に流れる帰線電流I21、I22により、第1検知区間L1に生じた第1電圧降下信号V1及び第2検知区間L2に生じた第2電圧降下信号V2が入力され、第1電圧降下信号V1及び第2電圧降下信号V2からレール11、12の破断を検知する。第1電圧降下信号V1及び第2電圧降下信号V2は、第1検知区間L1及び第2検知区間L2の長さに応じたレールのインピーダンスと、レール11、12に流れる帰線電流I21、I2とによって定まる電圧値となる。
【0022】
レール破断がない場合、列車からレール11、12に流れる帰線電流I21、I22は、ほぼ平衡しており、第1検知区間L1及び第2検知区間L2の長さがほぼ等しいという条件下では、レール11によって構成された第1検知区間L1に生じる第1電圧降下信号V1、及び、レール12によって構成された第2検知区間L2に生じる第2電圧降下信号V2は、ほぼ平衡した値になる。
【0023】
ところが、レール11、12の何れか、例えばレール11にレール破断Bが生じると、破断レール側であるレール11では、帰線電流I21が地中に漏れるため、レール11、12の各々を流れる帰線電流I21、I22に不平衡が生じ、第1検知区間L1に生じる第1電圧降下信号V1、及び、第2検知区間L2に生じる第2電圧降下信号V2も不平衡になる。
【0024】
第1電圧降下信号V1及び第2電圧降下信号V2は、信号処理装置4に入力される。信号処理装置4は、入力された第1電圧降下信号V1及び第2電圧降下信号V2からレール11の破断を検知する。即ち、第1電圧降下信号V1及び第2電圧降下信号V2の不平衡からレール11の破断を検知する。具体的には、不平衡率(V1−V2)/(V1+V2)等を求め、基準として予め設定された不平衡率よりも高くなったときに、破断ありとするような判断手法を採ることができる。
【0025】
上述したように、本発明では、第1検知区間L1、第2検知区間L2および信号処理装置4は、全て、地上に設置されており、レール破断を地上側で検知することができる。
【0026】
しかも、帰線電流I21、I22からレール破断を検知するものであって、検知のための特別の信号発生回路、信号送信回路を用いるものではない。したがって、設備コストが安価になる。信号処理装置4は、列車制御用地上装置の一部によって構成できるもので、しかも、レール破断検知は、実際には、列車制御用地上装置などを用いて、ソフトウエアによって実行され得る。追加すべきものは、第1検知区間L1および第2検知区間L2を画定するためのレール11、12への導線接続部(P11、P12)、(P21、P22)の設定、導線61、62の準備、接続及び敷設作業などであるから、その実施・実現も容易である。
【0027】
ところで、図1に示したレール破断検知装置の場合、導線接続部(P11、P12)、(P21、P22)の何れかにおいて、導線61又は62の接続が外れてしまったような場合、正常なレール破断検知動作ができなくなる。図2にそのための対策を施したレール破断検知装置の一例を示す。図2において、図1に現れた部分と対応する部分については、同一又は類似の参照符号を付し、重複説明は省略する。
【0028】
図2を参照すると、1つの閉塞区間に、第1検知区間L11及び第2検知区間L21からなる第1検知系Aと、この第1検知系Aから、例えば、4kmの距離をおいて、第1検知区間L12及び第2検知区間L22からなる第2検知系Bが設定されている。もっとも、検知系は、2以上の複数あればよいのであって、2つに限らない。
【0029】
まず、第1検知系Aにおいて、第1検知区間L11は、導線接続部P11、P12を有しており、この導線接続部P11、P12にケーブル線などの導線611が接続されている。第2検知区間L21は、導線接続部P21、P22を有しており、この導線接続部P21、P22に導線621が接続されている。
【0030】
一方、第2検知系Bにおいて、第1検知区間L12は、導線接続部P13、P14を有しており、この導線接続部P13、P14に導線612が接続されている。第2検知区間L22は、導線接続部P23、P24を有しており、この導線接続部P23、P24に導線622が接続されている。
【0031】
信号処理装置4は、第1検知系Aを構成する第1検知区間L11及び第2検知区間L12の電圧降下信号V11、V21と、第2検知系Bを構成する第1検知区間L12及び第2検知区間L22の電圧降下信号V12、V22とから、導線接続部(P11、P12)、(P21、P22)、(P13、P14)又は(P23、P24)における導線(611、621)、(612、622)の接続不良を検知する。
【0032】
図2には、信号処理装置4の具体的な構成がブロック図として示されており、第1信号処理部41、第2信号処理部42及び第3信号処理部43を含んでいる。これらは、処理の流れを示すもので、必ずしも、ハードウエア的に互いに独立して存在するものではない。ソフトウエアとしての概念と捉えてもよい。
【0033】
第1信号処理部41は、第1検知系Aを構成する第1検知区間L11及び第2検知区間L12の電圧降下信号(V11、V21)の不平衡率を検知する。第2信号処理部42は、第2検知系Bを構成する第1検知区間L12及び第2検知区間L22の電圧降下信号(V12、V22)の不平衡率を検知する。
【0034】
第3信号処理部43は、第1信号処理部41及び第2信号処理部42から供給される信号S11及びS21から、レール破断の有無を判定すると共に、導線接続部(P11、P12)、(P21、P22)における導線611、621の接続不良、接続外れ、並びに、導線接続部(P13、P14)及び(P23、P24)における導線612又は622の接続不良、接続外れを検知する。さらには、導線611、621、612、622の断線なども検知する。
【0035】
導線接続部(P11、P12)、(P21、P22)、(P13、P14)及び(P23、P24)の何れにおいても、導線(611、621)、(612、622)が正常に接続されている場合において、レール破断を生じたときは、第1検知系Aの電圧降下信号(V11、V21)の不平衡率と、第2検知系Bの電圧降下信号(V11、V22)の不平衡率は、ほぼ同じような値になる。第3信号処理部43は、このとき、第1信号処理部41、42から供給される信号S11、S21から、レール破断を検知する。
【0036】
一方、導線接続部(P11、P12)、(P21、P22)、(P13、P14)、(P23、P24)の何れかにおいて、導線(611、621)、(612、622)の接続不良が生じた場合、第1検知系Aを構成する第1検知区間L11及び第2検知区間L21の電圧降下信号(V11、V21)、及び、第2検知系Bを構成する第1検知区間L12及び第2検知区間L22の電圧降下信号(V12、V22)のうち、接続不良を生じた側の電圧降下信号が変化し、電圧不平衡率が大きくなる。従って、第1信号処理部41、42から供給される信号S11、S21の相互間の不平衡率も大きくなる。第3信号処理部43は、第1信号処理部41、42より供給される信号S11、S21から、接続不良を検知する。
【0037】
このように、ケーブルが外れる(ボンド脱落)などの接続不良を検知することができることは、高度のシステム安全性が要求される列車運行システムにおいて、きわめて重要で、技術的に価値の高いものである。なぜなら、故障検知、それに続く保守によって、システムの健全性を、永続的に保持しえるレール破断検知装置を実現できるからである。
【0038】
レール破断も、導線接続不良も生じていない正常時は、第1検知系A及び第2検知系Bにおける各電圧不平衡率は、小さく、しかも、等価的な関係を保つ。第3信号処理部43は、このとき、第1信号処理部41及び第2信号処理部42より供給される信号S11、S21に基づき、レール破断も、導線接続不良も生じていないと判定する。第3信号処理部43から出力される判定信号S3は、例えば、警報信号やディスプレイ表示信号などに利用される。
【0039】
次に、図3のフローチャートを参照し、図2に示したレール破断検知装置の動作を更に詳しく説明する。第1検知系Aと第2検知系Bは同じ構成で同じ動作をするので、第1検知系Aを中心に説明する。レール11に設定された第1検知区間L11で検出された電圧降下信号V11が第1信号処理部41に入力されると、第1信号処理部41は、電圧降下信号V11が規定値以上である場合、帰線電流I21が流れたことによる電圧降下分であると判断する。また、レール12に設定された第2検知区間L21で検出された電圧降下信号V21が第1信号処理部41に入力されると、第1信号処理部41は、電圧降下信号V21が規定値以上である場合、帰線電流I22が流れたことによる電圧降下分であると判断する。そして、電圧降下信号V11と電圧降下信号V21の不平衡率を求め、それが基準値(例えば70%)よりも大きいかどうかを判定する。電圧降下信号V11と電圧降下信号V21の不平衡率が基準値(例えば70%)よりも大きくなければ、不平衡でないと判定し、大きければ不平衡であると判定する。これらの判定結果は、第1信号処理部41から第3信号処理部43に供給される。
【0040】
第2検知系Bでも、第2信号処理部42において同様のフロー処理が実行され、その判定結果が第2信号処理部42から第3信号処理部43に供給される。
【0041】
第3信号処理部43では、第1信号処理部41から供給された第1検知系Aの不平衡判定結果と、第2信号処理部42から供給された第2検知系Bの不平衡判定結果とが、不一致であるかどうかを判定し、不一致でない場合は、一致判定を出力する。即ち、導線接続に異常なしという判定結果を出力する。不一致である場合は、不一致判定を出力する。この不一致判定は、導線接続異常、導線接続不良、導線断線等に相当する。不一致判定の信号は、例えば、警報信号やディスプレイ表示信号などに利用されることは、前述したとおりである。そして、導線接続異常、導線接続不良、導線断線などを修理する作業に資する。
【0042】
一致判定が出た場合であって、第1信号処理部41及び第2信号処理部42から出力される信号が「不平衡である」ことを示すものならば、「レール破断」であると判定することになる。
【0043】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0044】
L1 第1検知区間
L2 第2検知区間
4 信号処理装置
図1
図2
図3