特許第5828403号(P5828403)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5828403
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/56 20060101AFI20151112BHJP
【FI】
   H01R13/56
【請求項の数】5
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2012-220809(P2012-220809)
(22)【出願日】2012年10月2日
(65)【公開番号】特開2014-75201(P2014-75201A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2014年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智哉
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−352897(JP,A)
【文献】 特開2004−199990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の端末部に接続された端子金具を挿入可能なキャビティを有するとともに、前記電線が引き出される電線引出面を有し、且つ、前記電線引出面内における第1方向の両端部に間隔をあけて配置されるとともに前記第1方向と略直交する第2方向に対向して配置される一対ずつの側壁を有するハウジングと、
前記電線引出面から引き出された前記電線を覆うように前記ハウジングに装着されるものであり、前記電線を内側に収容して前記第2方向に対向配置される一対の側板を有し、前記両側板の端縁が前記電線引出面を摺動することにより、正規装着される前の初期位置と正規装着された装着位置とに前記第1方向にスライド移動可能とされ、且つ前記初期位置及び前記装着位置を互いに入れ替えることで移動方向を変更することが可能とされ、さらに、前記初期位置から前記装着位置に向かう過程では、少なくとも前記一対ずつの側壁のうち前記移動方向の後方に位置する一対の側壁の外面に前記両側板の内面が摺動可能に配置され、前記装着位置では、前記移動方向の前後両方向に位置する前記一対ずつの側壁の外面に前記両側板の内面が当接可能に配置されるようになっている電線カバーとを備え、
前記側壁の外面には、前記電線カバーが前記初期位置に向かう際に前記側板の内面が摺動可能であって、斜面状に切り欠かれた形態のカバー誘い込み面が形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記カバー誘い込み面が、前記側壁の先端部のみに形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
電線の端末部に接続された端子金具を挿入可能なキャビティを有するとともに、前記電線が引き出される電線引出面を有し、且つ、前記電線引出面内における第1方向の両端部に間隔をあけて配置されるとともに前記第1方向と略直交する第2方向に対向して配置される一対ずつの側壁を有するハウジングと、
前記電線引出面から引き出された前記電線を覆うように前記ハウジングに装着されるものであり、前記電線を内側に収容して前記第2方向に対向配置される一対の側板を有し、前記両側板の端縁が前記電線引出面を摺動することにより、正規装着される前の初期位置と正規装着された装着位置とに前記第1方向にスライド移動可能とされ、且つ前記初期位置及び前記装着位置を互いに入れ替えることで移動方向を変更することが可能とされ、さらに、前記初期位置から前記装着位置に向かう過程では、少なくとも前記一対ずつの側壁のうち前記移動方向の後方に位置する一対の側壁の外面に前記両側板の内面が摺動可能に配置され、前記装着位置では、前記移動方向の前後両方向に位置する前記一対ずつの側壁の外面に前記両側板の内面が当接可能に配置されるようになっている電線カバーとを備え、
前記ハウジングの前記電線引出面には、前記一対ずつの側壁のうち前記第2方向に対向配置される一対の側壁同士を互いに連結する連結壁が形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
電線の端末部に接続された端子金具を挿入可能なキャビティを有するとともに、前記電線が引き出される電線引出面を有し、且つ、前記電線引出面内における第1方向の両端部に間隔をあけて配置されるとともに前記第1方向と略直交する第2方向に対向して配置される一対ずつの側壁を有するハウジングと、
前記電線引出面から引き出された前記電線を覆うように前記ハウジングに装着されるものであり、前記電線を内側に収容して前記第2方向に対向配置される一対の側板を有し、前記両側板の端縁が前記電線引出面を摺動することにより、正規装着される前の初期位置と正規装着された装着位置とに前記第1方向にスライド移動可能とされ、且つ前記初期位置及び前記装着位置を互いに入れ替えることで移動方向を変更することが可能とされ、さらに、前記初期位置から前記装着位置に向かう過程では、少なくとも前記一対ずつの側壁のうち前記移動方向の後方に位置する一対の側壁の外面に前記両側板の内面が摺動可能に配置され、前記装着位置では、前記移動方向の前後両方向に位置する前記一対ずつの側壁の外面に前記両側板の内面が当接可能に配置されるようになっている電線カバーとを備え、
前記ハウジングにおける前記電線引出面を挟んだ両側には、前記第1方向にほぼ沿った内面を有する一対のカバー装着板が形成され、
前記両カバー装着板の内面には、前記第1方向に延びる装着位置ガイド部と、前記第1方向及び前記第2方向の両方向と略直交する第3方向に延びる初期位置ガイド部とが形成され、
前記両側板の外面には、前記初期位置ガイド部に摺動することで前記電線カバーを前記初期位置に誘導する初期位置ガイド受け部と、前記装着位置ガイド部に摺動することで前記初期位置の前記電線カバーを前記装着位置に誘導する装着位置ガイド受け部とが形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
前記ハウジングには、相手ハウジングが嵌合可能な嵌合凹部が嵌合方向の前方に開口して形成され、前記装着位置ガイド部及び前記初期位置ガイド部が、前記カバー装着板の内面に突出するカバーガイド部に形成され、前記カバーガイド部における前記嵌合方向の前方の端面が、前記嵌合凹部に対向して臨むように配置されていることを特徴とする請求項4記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のコネクタは、端子金具を収容可能なキャビティを有し、後面から電線が引き出されるハウジングと、電線を覆うようにハウジングに後方から装着され、電線を内側に収容して対向配置される一対の側板を有する電線カバーとを備えている。ハウジングの外面には、複数のロック突起が形成され、電線カバーの両側板には、枠状をなす複数のロック片が前方に突出して形成されている。この場合、各ロック突起が各ロック片の孔内に弾性的に嵌ることにより、電線カバーがハウジングに固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3266115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の場合、電線カバーの両側板がハウジングの外面に装着されるため、両側板の板厚分、コネクタが大型になるという事情がある。特に、上記の場合、電線カバーのさらに外側にレバーが跨るように配置されるため、レバーの大型化も招来するという問題がある。これに鑑み、電線カバーがハウジングの後面の内側に装着されるようにすれば、コネクタ及びレバーが大型にならずに済む。しかるにこの場合、電線カバーの両側板が内側に弾性変形して倒れる可能性がある。また、かかる両側板の内倒れを防止するべく、両側板の内面と当接可能な内倒れ防止用の壁をハウジングの後面に設けるとしても、ハウジングの後面からは電線が引き出されていてスペース的に余裕がないことから、該壁を設けるにあたり、スペース効率の点も考慮しなければならない。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ハウジングに対して電線カバーをスペース効率良く内倒れしないように装着することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、電線の端末部に接続された端子金具を挿入可能なキャビティを有するとともに、前記電線が引き出される電線引出面を有し、且つ、前記電線引出面内における第1方向の両端部に間隔をあけて配置されるとともに前記第1方向と略直交する第2方向に対向して配置される一対ずつの側壁を有するハウジングと、前記電線引出面から引き出された前記電線を覆うように前記ハウジングに装着されるものであり、前記電線を内側に収容して前記第2方向に対向配置される一対の側板を有し、前記両側板の端縁が前記電線引出面を摺動することにより、正規装着される前の初期位置と正規装着された装着位置とに前記第1方向にスライド移動可能とされ、且つ前記初期位置及び前記装着位置を互いに入れ替えることで移動方向を変更することが可能とされ、さらに、前記初期位置から前記装着位置に向かう過程では、少なくとも前記一対ずつの側壁のうち前記移動方向の後方に位置する一対の側壁の外面に前記両側板の内面が摺動可能に配置され、前記装着位置では、前記移動方向の前後両方向に位置する前記一対ずつの側壁の外面に前記両側板の内面が当接可能に配置されるようになっている電線カバーとを備えているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
電線カバーの両側板の端縁が電線引出面を摺動することにより、電線カバーが初期位置から装着位置にスライド移動させられ、初期位置から嵌合位置に向かう過程では、少なくとも電線引出面の各側壁のうち移動方向後方に位置する一対の側壁に両側板が摺動可能に配置されて電線カバーの移動案内がなされ、嵌合位置では移動方向前後両方向に位置する各側壁に両側板が当接可能に配置されて両側板の内倒れが防止され、しかも、電線カバーの移動方向が変更されても各側壁が遊ぶことなく上記した移動案内機能と内倒れ防止機能を発揮するため、ハウジングに対して電線カバーをスペース効率良く内倒れしないように装着することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1に係るコネクタの正面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3】リブ受け孔内に相手ハウジングのリブが進入した状態をあらわす断面図である。
図4】コネクタの側面図である。
図5図4のB−B断面図である。
図6】アウタハウジングの正面図である。
図7】レバーが装着されたアウタハウジングの平面図である。
図8】アウタハウジングの側面図である。
図9】インナハウジングが装着されたアウタハウジングの正面図である。
図10図9のC−C断面図である。
図11図9のD−D断面図である。
図12】ホルダの正面図である。
図13】ホルダの平面図である。
図14】ホルダの側面図である。
図15】インナハウジングの平面図である。
図16】インナハウジングの正面図である。
図17】インナハウジングの側面図である。
図18】シール部材及びホルダが装着されたインナハウジングの平面図である。
図19図18のE−E断面図である。
図20】シール部材の正面図である。
図21】シール部材の側面図である。
図22】リテーナの正面図である。
図23】リテーナの側面図である。
図24】電線カバーの正面図である。
図25】電線カバーの側面図である。
図26】電線カバーが初期位置に留め置かれたコネクタの背面図である。
図27】電線カバーが装着位置に留め置かれたコネクタの背面図である。
図28】電線カバーが組み付けられる前のコネクタの断面図である。
図29】電線カバーが初期位置に留め置かれたコネクタの断面図である。
図30】電線カバーが装着位置に留め置かれたコネクタの断面図である。
図31】アウタハウジングの連結壁の部分の拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記側壁の外面には、前記電線カバーが前記初期位置に向かう際に前記側板の内面が摺動可能な斜面状のカバー誘い込み面が切り欠いて形成されている。これによれば、電線カバーがカバー誘い込み面に誘導されて初期位置に円滑に至らしめられる。
【0010】
前記カバー誘い込み面が、前記側壁の先端部のみに形成されている。側壁の外面のうちカバー誘い込み面を除く部分に、側板の内面が摺動可能又は当接可能に配置されるため、電線カバーに対する側壁の移動案内機能及び内倒れ防止機能が支障なく発揮される。
【0011】
前記ハウジングの前記電線引出面には、前記一対ずつの側壁のうち前記第2方向に対向配置される一対の側壁同士を互いに連結する連結壁が形成されている。連結壁によって両側壁が補強され、且つ装着位置に至った電線カバーを連結壁に当て止めさせることができる。
【0012】
前記ハウジングにおける前記電線引出面を挟んだ両側には、前記第1方向にほぼ沿った内面を有する一対のカバー装着板が形成され、前記両カバー装着板の内面には、前記第1方向に延びる装着位置ガイド部と、前記第1方向及び前記第2方向の両方向と略直交する第3方向に延びる初期位置ガイド部とが形成され、前記両側板の外面には、装着位置ガイド受け部と、初期位置ガイド受け部とが形成され、前記初期位置ガイド部に前記初期位置ガイド受け部が摺動することで前記電線カバーが前記初期位置に誘導され、次いで、前記装着位置ガイド部に前記装着位置ガイド受け部が摺動することで前記電線カバーが前記装着位置に誘導されるようになっている。これにより、電線カバーがL字状に移動案内されて装着位置に至らしめられるから、ハウジングから電線カバーが抜け難くなる。
【0013】
前記ハウジングには、相手ハウジングが嵌合可能な嵌合凹部が嵌合方向の前方に開口して形成され、前記装着位置ガイド部及び前記初期位置ガイド部が、前記カバー装着板の内面に突出するカバーガイド部に形成され、前記カバーガイド部における前記嵌合方向の前方の端面が、前記嵌合凹部に対向して臨むように配置されている。嵌合凹部の成型に用いられる金型により、カバーガイド部における嵌合方向の前方の端面を成型することができるため、成形性に優れる。
【0014】
<実施例1>
本発明の実施例1を図1図31によって説明する。本実施例のコネクタは、インナハウジング10、アウタハウジング30、リテーナ70、レバー90、シール部材100、シールリング120、ホルダ130、電線カバー150、及び端子金具200を備えて構成される。
【0015】
インナハウジング10は合成樹脂製であって、図15図17に示すように、幅方向に沿った扁平角ブロック状をなしている。インナハウジング10には、図2及び図16に示すように、複数のキャビティ11が前後方向に貫通して形成されている。各キャビティ11は、上下2段で且つ幅方向に複数列となって配置されている。また、上段の各キャビティ11の内上面及び下段の各キャビティ11の内下面には、それぞれ撓み可能なランス12が前方に突出して形成されている。各キャビティ11内には後方から端子金具200が挿入され、正規挿入された各端子金具200はランス12によって弾性的に抜け止め係止されるようになっている。なお、インナハウジング10の上下外面には、図15に示すように、各ランス12の成形時に図示しない金型が通過することに伴ってなる型抜き孔13がキャビティ11毎に形成されている。
【0016】
また、インナハウジング10の上下外面における型抜き孔13の後方には、図15及び図17に示すように、一対の装着溝14が開口して形成されている。両装着溝14は、インナハウジング10の上下外面から両側面に跨って開口するとともに各キャビティ11に連通する形態とされ、一側方からリテーナ70がスライドして装着可能とされている。両装着溝14内には、各ランス12の基端部15が突出して配置されている。また、図17に示すように、インナハウジング10の上下外面には、両装着溝14の後端開口縁に沿った段差16が形成されている。
【0017】
図15及び図17に示すように、インナハウジング10の両側面における両装着溝14の直後方には、爪状をなす一対のアウタ用インナロック部18が突出して形成されている。
また、インナハウジング10の後面には、各キャビティ11の後端開口を挟んだ高さ方向両側のうちの一側に、一対のホルダ用インナロック部19が突出して形成されている。両ホルダ用インナロック部19は、矩形板状をなし、互いに幅方向に離間して配置されている。図15に示すように、両ホルダ用インナロック部19の後端部の外面には、ホルダ用インナロック凹部21が略矩形に開口して形成されている。また、インナハウジング10の後端部にはフランジ部20が周方向に張り出して形成されている。
【0018】
インナハウジング10の後面には、各キャビティ11の後端開口を挟んだ高さ方向両側に、ピン状をなす多数のインナ側位置決め突起22が幅方向に並んで形成されている。各インナ側位置決め突起22のうち、高さ方向一側に配置されるものは、図17に示すように、両ホルダ用インナロック部19とほぼ同じ高さに位置している。
【0019】
端子金具200は導電金属製であって、図3に示すように、筒状の端子接続部201と、端子接続部201の後方に位置するオープンバレル状のバレル部202とを有している。端子接続部201内には、インナハウジング10が相手ハウジング600に嵌合された場合に、相手ハウジング600に装着された相手端子金具の雄タブ610が挿入接続されるようになっている。また、バレル部202は、電線800の端末部に圧着により接続されている。
【0020】
端子接続部201の周壁には、ランス12に係止可能な係止突起203が突出して形成されている。また、端子接続部201の後端縁には、後述するリテーナ70の抜け止め部75が係止可能な抜け止め受け部204が高さ方向にほぼ沿って形成されている。
【0021】
シール部材100はシリコンゴム等のゴム製であって、図20及び図21に示すように、幅方向に長い略矩形マット状をなしている。このシール部材100は、インナハウジング10の後面全体を覆うようにインナハウジング10の後面に当接して配置される。図2に示すように、シール部材100には、各キャビティ11と同軸で連通する位置に、複数のシール孔101が貫通して形成されている。そして、各シール孔101の内周面には、前後方向に複数条の内周リップ102が周回して形成されている。各シール孔101には、端子金具200の通過後、電線800が挿入され、各内周リップ102が、電線800の外周面に弾性的に密着するようになっている。
【0022】
また、図21に示すように、シール部材100の外周面には、前後方向に複数条の外周リップ103が周回して形成されている。図2に示すように、インナハウジング10がアウタハウジング30の後述する収容室33内に収容されると、各外周リップ103が収容室33の内周面に弾性的に密着するようになっている。
【0023】
また、図20に示すように、シール部材100には、各シール孔101を挟んだ高さ方向両側のうちの高さ方向一側に、横長スリット状をなす一対のロック受け孔104が貫通して形成されている。両ロック受け孔104は、互いに幅方向に離間して配置され、その内周面に、図19に示すように、前後方向に複数条のロック側内周リップ105が周回して形成されている。
【0024】
また、図20に示すように、シール部材100の前面には、各シール孔101を挟んだ高さ方向両側に、多数のインナ用位置決め凹部106が幅方向に並んで形成されている。各インナ用位置決め凹部106のうち、高さ方向一側に配置されるものは、両ロック受け孔104とほぼ同じ高さに位置している。
【0025】
図19に示すように、シール部材100がインナハウジング10に組み付けられると、ロック受け孔104にホルダ用インナロック部19の基端部が挿入され、各ロック側内周リップ105がホルダ用インナロック部19の外面に弾性的に密着するようになっている。また、シール部材100がインナハウジング10に組み付けられると、各インナ用位置決め凹部106に各インナ側位置決め突起22が位置決め状態で嵌り込むようになっている。さらに、図19に示すように、シール部材100の後面には、各インナ用位置決め凹部106と対向する反対側の背合わせ位置に、多数のホルダ用位置決め凹部107が幅方向に並んで形成されている。
【0026】
ホルダ130は合成樹脂製であって、図12及び図13に示すように、幅方向に長い矩形板状をなしている。そして、ホルダ130は、図18及び図19に示すように、シール部材100の後面全体を覆うようにシール部材100の後面に当接して配置される。図2に示すように、ホルダ130には、各シール孔101と同軸で連通する位置に、略矩形をなす複数の貫通孔131が貫通して形成されている。各貫通孔131には、端子金具200の通過後、電線800が遊嵌状態で挿入されるようになっている。
【0027】
また、図12に示すように、ホルダ130には、各貫通孔131を挟んだ高さ方向両側のうちの一側に、横長スリット状をなす一対のインナ用ホルダロック部132が貫通して形成されている。インナ用ホルダロック部132内には、爪状のインナ用ホルダロック突起133が突出して配置されている。この場合、インナ用ホルダロック突起133は、インナ用ホルダロック部132の高さ方向両側の内縁のうち、各貫通孔131側とは反対側の内縁に形成されている。
【0028】
また、ホルダ130の前面には、図12及び図13に示すように、各貫通孔131を挟んだ高さ方向両側に、ピン状をなす多数のホルダ側位置決め突起134が幅方向に並んで形成されている。各ホルダ側位置決め突起134のうちの一側に配置されるものは、両インナ用ホルダロック部132とほぼ同じ高さに位置している。
【0029】
ホルダ130は、シール部材100に続いてインナハウジング10に組み付けられる。このとき、図19に示すように、両ホルダ用インナロック部19の後端部が両インナ用ホルダロック部132内に挿入され、ホルダ用インナロック凹部21にインナ用ホルダロック突起133が弾性的に係止されることにより、ホルダ130がインナハウジング10に固定され、それに伴ってシール部材100がインナハウジング10から抜け出るのが規制されるようになっている。また、ホルダ130がインナハウジング10に固定されると、各ホルダ側位置決め突起134が各ホルダ用位置決め凹部107に位置決め状態で嵌り込むようになっている。
【0030】
また、図12に示すように、ホルダ130には、各貫通孔131を挟んだ高さ方向両側のうちの一側で、且つ幅方向に関して両インナ用ホルダロック部132間における各ホルダ側位置決め突起134の上方に、アウタ用ホルダロック部135が形成されている。アウタ用ホルダロック部135は、ホルダ130の外縁のうち、各貫通孔131の形成領域から離れた高さ方向一側の外縁に沿って配置される両持ち梁状の架橋部136と、架橋部136の幅方向中央部から外側に突出するアウタ用ホルダロック突起137とを有している。架橋部136は、ホルダ130の外縁(高さ方向一側の外縁)のうち、この架橋部136を挟んだ幅方向両側の部分と段差無く同一高さで連なる形態とされている。また、ホルダ130の内部には、架橋部136の撓み動作を許容する横長スリット状の肉抜き部138が貫通して形成されている。言い換えれば、架橋部136は、肉抜き部138によって区画され、肉抜き部138側に撓み変形可能とされている。なお、ホルダ130における各貫通孔131を挟んだ高さ方向両側のうち、インナ用ホルダロック部132及びアウタ用ホルダロック部135が配置される高さ方向一側は、他側よりも高さ方向に関して大きなスペースが確保されている。
【0031】
さらに、図12に示すように、ホルダ130には、各貫通孔131を挟んだ幅方向両側に、別の一対のアウタ用ホルダロック部135が形成されている。このアウタ用ホルダロック部135の場合、架橋部136は、ホルダ130の外縁のうち、各貫通孔131の形成領域を挟んだ幅方向両側の外縁に沿って配置され、アウタ用ホルダロック突起137は、架橋部136の高さ方向中央部から側外方に突出する形態とされ、架橋部136を区画する肉抜き部138は、上下2段のキャビティ11と並んで縦長スリット状に貫通する形態とされている。
【0032】
続いて、アウタハウジング30について説明する。アウタハウジング30は合成樹脂製であって、図6及び図10に示すように、略角筒状の収容部31と、収容部31の周りを取り囲む略角ケース状の嵌合部32とを備えている。収容部31には、インナハウジング10を収容可能な一対の収容室33が高さ方向に並んで形成されている。両収容室33は、前後方向に貫通する形態とされ、収容部31の高さ方向中央部に配置された水平板状の隔壁34を介して互いに分割されている。収容部31の後端部と嵌合部32の後端部とは径方向に沿った連結部35を介して互いに連結されている。また、収容部31の前端は嵌合部32の前端よりも後方に控えて位置している。
【0033】
図10に示すように、収容室33には、段付き部36が形成され、段付き部36を境とする前方領域が後方領域よりも開口寸法が小さくされている。また、図6に示すように、収容室33内の幅方向両側面の前端部には、段付き状の一対のインナ用アウタロック部380が形成されている。収容室33内にインナハウジング10が正規深さで挿入されると、図10に示すように、フランジ部20が段付き部36に当接してインナハウジング10のそれ以上前方への挿入動作が規制され、且つ、図5に示すように、アウタ用インナロック部18がインナ用アウタロック部380に弾性的に係止されることによってインナハウジング10の後方への抜け止めがなされ、もってインナハウジング10がアウタハウジング30に固定されるようになっている。そして、インナハウジング10がアウタハウジング30に固定されると、図10に示すように、インナハウジング10の前部が嵌合部32内において収容部31の前端よりも前方に突出して配置され、装着溝14が収容部31の前端より少し前方に位置するようになっている。なお、アウタハウジング30の両収容室33内に、シール部材100及びホルダ130を組み付けたインナハウジング10が収容されることによってハウジング500が構成される。
【0034】
図2に示すように、収容部31と嵌合部32との間で且つ連結部35の前方には、嵌合時に相手ハウジング600が進入する嵌合凹部900が開放して形成されている。収容部31の外面には略角環状のシールリング120が嵌着されている。シールリング120は、シリコンゴム等のゴム製であって、段付き部36の段差状の前面に当接することにより、後方への抜けが規制されるようになっている。そして、シールリング120は、嵌合時に、相手ハウジング600と収容部31との間に径方向に弾性的に圧縮され、これによって両ハウジング500、600間を液密にシールする役割をはたす。
【0035】
図6に示すように、収容部31の上下両壁の前端縁には、幅方向に沿った一対のガイド片37が前方に突出して形成されている。また、ガイド片37の前端の幅方向一端部には、爪状のリテーナ用アウタロック部38が前方に突出して形成されている。ガイド片37及びリテーナ用アウタロック部38は、収容部31の上下両壁の壁厚範囲に形成され、詳細には、ガイド片37及びリテーナ用アウタロック部38の内外両面は、収容部31の上下両壁の内外両面と段差無く面一で連続している(図8を参照)。
【0036】
アウタハウジング30の後部における両収容室33の内面に臨む位置には、複数のホルダ用アウタロック部39が形成されている(図2及び図26に一部開示)。各ホルダ用アウタロック部39は、上段の収容室33における内上面及び内両側面と、下段の収容室33における内下面及び内両側面とに配置されている。そして、各ホルダ用アウタロック部39は、各アウタ用ホルダロック突起137が嵌合可能な凹状をなし、連結部35を貫通して嵌合凹部900内に連通する形態とされている。
【0037】
また、図26に示すように、アウタハウジング30の後面には、同後面内における各電線800の引き出し領域を挟んだ幅方向両側(両収容室33を挟んだ幅方向両側でもある)に、一対のカバー装着部(後述するように、側壁41と連結壁42とからなるものであり、側壁41と連結壁42とを区別しないで説明する場合には、カバー装着部41、42と符号を付す)が突出して形成されている。両カバー装着部41、42は、上段の収容室33の上端部及び下段の収容室33の下端部と同一高さに位置して幅方向に延び且つ互いに略平行に対向して配置される一対ずつの側壁41と、高さ方向で対をなす側壁41の幅方向外端に連結されて高さ方向に延びる一対の連結壁42とからなり、アウタハウジング30の幅方向両端部において互いに略対称に配置されている。連結壁42の外面は、嵌合部32の後述する側壁部53の外面と段差無く面一で連続している。また、両側壁41及び連結壁42で区画される門型枠内には、幅方向両端部に配置された各ホルダ用アウタロック部39が位置している。
【0038】
図4に示すように、両側壁41の後端部(突出端部)の外面には、後方へ向けて次第に内側に傾斜するテーパ状の一対のカバー誘い込み面43が形成されている。後述するように、電線カバー150はカバー誘い込み面43によって初期位置に誘い込まれるようになっている。また、両側壁41の外面のうち、カバー誘い込み面43を除く部分となる前端部(基端部)は、前後方向にほぼ沿った平面とされ、電線カバー150の後述する側板152の内面と摺動可能に対面するようになっている。
【0039】
また、図26に示すように、アウタハウジング30の後面には、同後面内における各電線800の引き出し領域を挟んだ高さ方向両側(両収容室33を挟んだ高さ方向両側でもある)に、平板状をなす一対のカバー装着板44が後方に突出して形成されている。両カバー装着板44は、幅方向に沿って互いに略平行に対向して配置され、その外面が嵌合部32の後述する内壁56の外面と段差無く面一で連続している。
【0040】
図26及び図28に示すように、カバー装着板44の内面には、幅方向に一対のカバー抜け止め部45が突出して形成されている。両カバー抜け止め部45は、カバー装着板44の突出方向(前後方向)の全長に亘って延びるリブ状の形態とされ、連結部35の後端及び収容部31の後端に一体に連結されている。
【0041】
また、図28に示すように、カバー装着板44の内面には、両カバー抜け止め部45の幅方向外方に、一対のカバー装着案内部46が形成されている。カバー装着案内部46は、電線カバー150を後述する初期位置に案内する初期位置ガイド部47と、電線カバー150を後述する装着位置に案内する装着位置ガイド部48とを有している。
【0042】
図28に示すように、初期位置ガイド部47は、前後方向に沿ってほぼ一定幅で延びて後方に開口する溝状の形態とされ、幅方向に一対の壁間に形成されている。両壁のうち、一方の壁は、前後方向に延びるリブ状の形態とされている。幅方向一側(後述する電線カバー150の移動方向後方)の初期位置ガイド部47の場合、一方の壁は、図26に示すように、カバー装着板44の幅方向一端に屈曲形成された端部リブ49で構成され、幅方向他側(後述する電線カバー150の移動方向前方)の初期位置ガイド部47の場合、一方の壁は、幅方向他側のカバー抜け止め部45に構成されている。なお、端部リブ49は、カバー装着板44の幅方向他端にも幅方向一端側との間に対をなすように屈曲形成されている。
【0043】
また、両壁のうち、他方の壁は、図28に示すように、カバー装着板44における後部から突出する略角ブロック状のカバーガイド部51とされている。カバーガイド部51の前面は、図1及び図28に示すように、連結部35を貫通する透孔52を介して、嵌合凹部900に対向して臨むように配置される。この場合、透孔52は、カバーガイド部51を成形する図示しない金型が前方に型抜きされることに伴って連結部35に略矩形に開口して形成される。また、カバーガイド部51は、嵌合凹部900側となる前方から透孔52を通して目視可能とされている。
【0044】
図28に示すように、装着位置ガイド部48は、幅方向に沿って延びる溝状の形態とされ、初期位置ガイド部47の略前半部に交差連通し、且つ透孔52と幅方向他端側で交差連通している。この場合、初期位置ガイド部47と装着位置ガイド部48とによってL字状の溝が形成されるようになっている。また、装着位置ガイド部48の後端は、カバーガイド部51によって区画されている。つまり、カバーガイド部51における四辺部のうち、前後方向に沿った短辺側の一辺によって初期位置ガイド部47が区画され、これに隣接する幅方向に沿った長辺側の一辺によって装着位置ガイド部48が区画されるようになっている。なお、連結部35の後面のうち初期位置ガイド部47の前端を閉止する部分により、装着位置ガイド部48の幅方向一端側が区画されている。また、各カバー抜け止め部45及び各カバー装着案内部46は、それぞれアウタハウジング30の後面における幅方向中央を挟んだ両側に略対称に対をなして配置されている。
【0045】
嵌合部32は、図6に示すように、高さ方向にほぼ沿った一対の側壁部53と、幅方向にほぼ沿った一対の上下壁部54とからなる。両側壁部53のうちの一方の側壁部53には、挿入部55が開口して形成されている。図8に示すように、挿入部55は、収容部31の高さ寸法以上の開口高さを有し、且つ側壁部53の前端に開口する側面視略矩形の開口形状を有している。挿入部55の後端縁は、収容部31の前端より少し後方に位置している。このため、収容部31の前端部(ガイド片37及びリテーナ用アウタロック部38を含む)は、挿入部55を通して側方から目視可能とされている。なお、他方の側壁部53における挿入部55と対向する部分は閉塞されている。
【0046】
上下壁部54は、図5に示すように、両側壁部53に連なる内壁56と、内壁56の前端部の外側を覆う外壁57との二重壁構造の部分を有している。図7に示すように、外壁57の後端には円弧状の縁取り58が形成されている。図5に示すように、内壁56の幅方向両端部と外壁57の幅方向両端部とは、幅方向に一対の脚壁部59を介して互いに連結されている。脚壁部59の外面は、側壁部53の外面にほぼ段差無く高さ方向に連続している。そして、内壁56と外壁57との間には、後述するレバー90のカム板92が収容可能とされる収容空間400が後方に開口して形成されている。また、内壁56の幅方向中央部には、カムフォロア導入溝60が前後方向に延出して形成されている。カムフォロア導入溝60には、前方から相手ハウジング600の図示しないカムフォロアが導入可能とされている。さらに、内壁56の外面の後部には、カムフォロア導入溝60の直後方に、略円柱状の支軸61が突出して形成されている。
【0047】
レバー90は合成樹脂製であって、図26に示すように、高さ方向にほぼ沿った操作部91と、操作部91の高さ方向両端から幅方向に互いに略平行に突出する一対のカム板92とを有している。そして、レバー90は、ハウジング500に後方から跨るように装着され、両カム板92が支軸61に嵌合保持された状態で、操作部91がハウジング500の後方に離間する回動初期位置(図7を参照)と、操作部91がハウジング500の一端に当接可能に配置される回動完了位置(図26を参照)とに、支軸61の周りに回動可能とされている。両カム板92は、両内壁56及び両カバー装着板44の外側に重なるように配置され、回動完了位置では、両カム板92の後端部が両カバー装着板44の後端よりも後方に突出して配置されるようになっている。
【0048】
操作部91には図示しないカバー用レバーロック部が形成され、図7に示すように、カム板92にはカム溝93が形成されている。回動初期位置では、カム溝93の入り口がカムフォロア導入溝60と連通し、カムフォロア導入溝60を介して相手ハウジング600の図示しないカムフォロアが進入可能とされている。レバー90が回動初期位置から回動完了位置に向けて回動されると、カムフォロアがカム溝93の溝面を摺動して、両ハウジング500、600間にカム作用が発揮され、両ハウジング500、600が低嵌合力で嵌合される。そして、レバー90が回動完了位置に到達すると、カムフォロアがカム溝93の奥端側に至り、カバー用レバーロック部が後述するレバー用カバーロック部153に弾性係止されて、レバー90の回動操作が規制されるとともに、両ハウジング500、600が正規嵌合状態に保持されるようになっている。なお、レバー90の回動過程では、両カム板92に嵌合力が付与されて、両カム板92が外側に拡開しようとするが、本実施例の場合、図7に示すように、両カム板92の外周縁部の外側に外壁57が位置しているため、両カム板92が外壁57に当接すれば、両カム板92がそれ以上に拡開することはない。
【0049】
電線カバー150は合成樹脂製であって、図30に示すように、ハウジング500の後面を覆うように同後面に取り付けられる。具体的には、電線カバー150は、図24及び図25に示すように、キャップ状をなし、ハウジング500の後面と対向して配置される背板151と、背板151の上下両縁から前方に突出する一対の側板152とを有している。ハウジング500の後面から引き出された各電線800は、両側板152間に収容され、且つ背板151によって強制的に屈曲されて電線カバー150の一端開口から外部に導出されるようになっている。背板151における一端開口とは反対側の端部には、レバー用カバーロック部153が撓み可能に形成され、且つ、両側板152との間に前後方向に沿ったスリット154を介して高さ方向にほぼ沿った垂れ板155が形成されている。
【0050】
そして、電線カバー150は、ハウジング500への装着時に、ハウジング500の後面に沿って初期位置(図29を参照)と装着位置(図30を参照)とに幅方向にスライド移動可能とされている。電線カバー150がスライド移動する間、両側板152の前端縁が、ハウジング500の後面、詳細には連結部35の後面を摺動可能とされている。
【0051】
また、図29に示すように、側板152の外面には、幅方向に一対の抜け止め突部156が突出して形成されている。さらに、側板152の外面には、両抜け止め突部156の幅方向両外方に、一対のカバー装着案内受け部157が形成されている。カバー装着案内受け部157は、前後方向に沿った第1リブ158と、幅方向に沿った第2リブ159とからなり、全体としてL字形をなしている。そして、カバー装着案内受け部157の幅方向両端(図29における第1リブ158の右側縁と図29における第2リブ159の左側縁)は、初期位置ガイド部47と摺動可能な初期位置ガイド受け部161として構成されている。また、カバー装着案内受け部157の第2リブ159の前後両端は、装着位置ガイド部48と摺動可能な装着位置ガイド受け部162として構成されている。本実施例の場合、図24に示すように、装着位置ガイド受け部162の前端は、側板152の前端に位置して幅方向にほぼ沿って配置されている。
【0052】
続いて、リテーナ70について説明する。リテーナ70は合成樹脂製であって、図2図4及び図5に示すように、挿入部55を通して嵌合部32内に側方から挿入され、さらに両収容室33内に正規深さで収容されたインナハウジング10の装着溝14内に進入して端子金具200に係止可能とされている。
【0053】
リテーナ70は、図22及び図23に示すように、略矩形板状の前壁71と、前壁71における高さ方向両端から後方に突出する一対の案内壁72と、前壁71における幅方向他側端から後方に突出し且つ高さ方向両端が案内壁72に連なる閉止壁73と、前壁71の高さ方向中央部から後方に突出し且つ幅方向他端が閉止壁73に連なる連絡壁74と、両案内壁72の後端部及び連絡壁74の後端部から内側(後述するインナ挿入空間77側)に突出する高さ方向にほぼ沿った複数の抜け止め部75とを有している。リテーナ70の幅方向一側端は、両収容室33に収容された2つのインナハウジング10が一括して進入可能な進入開口76とされている。また、リテーナ70内における連絡壁74を挟んだ両側の空間は、両インナハウジング10のそれぞれが挿入可能なインナ挿入空間77とされている。閉止壁73は、挿入部55と対応する形状をなし、図4に示すように、側面視した場合に挿入部55を閉止可能な大きさで構成されている。
【0054】
また、前壁71は、正面視した場合に両インナハウジング10の前面を一括して覆うことが可能な大きさで構成されている。前壁71には、図3に示すように、両インナハウジング10の各キャビティ11と対向する位置に、複数のタブ挿入部78が開口して形成されている。各タブ挿入部78内には、嵌合時に相手ハウジング600に装着された雄タブ610が挿入されるようになっている。また、図22に示すように、前壁71の高さ方向中央部には、幅方向に沿ったスリット状をなす一対のリブ受け孔79が貫通して形成されている。リブ受け孔79は連絡壁74と同じ高さに位置しており、連絡壁74におけるリブ受け孔79と対向する部位は開放されている。図3に示すように、リブ受け孔79内には相手ハウジング600のリブ630が前方から挿入可能とされている。
【0055】
両案内壁72の後端部の内面で且つ抜け止め部75の後面には、図5及び図23に示すように、ガイド片37が嵌合可能な一対のレール部80が形成されている。レール部80内は、幅方向に延びる溝状の形態とされ、幅方向一端部に、アウタ用リテーナロック部81が形成されている。アウタ用リテーナロック部81は、案内壁72の内面からレール部80内に突出する形態とされている。リテーナ70がアウタハウジング30に装着される過程では、レール部80にガイド片37がスライド案内され、リテーナ70がアウタハウジング30に正規装着されると、図5に示すように、アウタ用リテーナロック部81がリテーナ用アウタロック部38に弾性的に係止されて、リテーナ70がアウタハウジング30に抜け止めされるようになっている。
【0056】
また、図2図5及び図23に示すように、連絡壁74の後端には、案内壁72と略平行して幅方向に延びる橋渡し部82が形成されている。そして、複数の抜け止め部75は、図23に示すように、上段の収容室33内に収容されたインナハウジング10に対応するように、上側の案内壁72の後端部及び橋渡し部82の上端から互いに対向状に突出する一対の上段インナ用抜け止め部83と、下段の収容室33内に収容されたインナハウジング10と対応するように、下側の案内壁72の後端部及び橋渡し部82の下端から互いに対向状に突出する一対の下段インナ用抜け止め部84とからなる。橋渡し部82では、上段インナ用抜け止め部83と下段インナ用抜け止め部84とが上下両方向に突出するようになっている。各抜け止め部75は、リテーナ70のほぼ全幅に亘って延びる垂直板状をなし、対応するインナハウジング10の装着溝14内に進入可能とされている。
【0057】
各抜け止め部75の前面には、装着溝14内への挿入時に各ランス12の基端部15との干渉を回避する逃がし溝85が全幅に亘って凹み形成されている。また、各抜け止め部75の前面のうち、逃がし溝85よりも突出方向先端側の部分は、抜け止め受け部204に当接可能な抜け止め本体部86とされている。各抜け止め部75が装着溝14内に正規挿入されると、各キャビティ11内に正規挿入された端子金具200の抜け止め受け部204に抜け止め本体部86が対面し、これによって端子金具200がキャビティ11内に抜け止めされるようになっている。
【0058】
次に、本実施例の作用について説明する。
組み付けに際し、まずインナハウジング10の後面にシール部材100が取り付けられる。すると、両ロック受け孔104内に両ホルダ用インナロック部19が液密に挿入され、且つ各インナ側位置決め突起22が各インナ側位置決め凹部内に位置決め状態で挿入される。この場合、シール部材100がインナハウジング10に対して上下反転又は表裏反転した姿勢をとっていると、インナハウジング10の外縁からシール部材100が大きくはみ出るため、これによってシール部材100がインナハウジング10に不正姿勢で取り付けられていることを知ることができる。
【0059】
続いて、インナハウジング10に後方からホルダ130が取り付けられる。図19に示すように、両インナ用ホルダロック部132内に両ホルダ用インナロック部19が挿入接続されることにより、ホルダ130がインナハウジング10に固定され、且つホルダ130とインナハウジング10との間にシール部材100が挟持される。この場合、ホルダ130がインナハウジング10及びシール部材100に対して上下反転又は表裏反転した姿勢をとっていると、インナハウジング10の外縁及びシール部材100の外縁からホルダ130が大きくはみ出るとともに、インナ用ホルダロック突起133がホルダ用インナロック凹部21を係止しえず、これによってホルダ130がインナハウジング10に不正姿勢のまま取り付けられるのを回避可能とされている。
【0060】
続いて、インナハウジング10の各キャビティ11内に後方から電線800付きの端子金具200を挿入する。挿入過程では、端子金具200が貫通孔131からシール孔101を経て対応するキャビティ11内に挿入される。各キャビティ11内に端子金具200が正規挿入されると、係止突起203にランス12が弾性的に係止されて、各端子金具200がキャビティ11内に一次的に抜け止めされる。また、各電線800の外周面はシール部材100の各内周リップ102に弾性的に密着することで各電線800周りのシールがとられる。
【0061】
次いで、図10に示すように、アウタハウジング30の両収容室33内にそれぞれ後方から上記インナハウジング10が挿入される。インナハウジング10が両収容室33内に正規深さで収容されると、両アウタ用インナロック部18が両インナ用アウタロック部380に弾性的に係止されて、インナハウジング10が収容室33内に抜け止めされるとともに、各アウタ用ホルダロック部135が肉抜き部138の変形動作を伴ったあと各ホルダ用アウタロック部39に弾性的に係止されて、ホルダ130が収容室33内に遊動規制状態に保持される。これにより、ホルダ130によるシール部材100の押さえ位置の変動が抑制され、相手ハウジング600との嵌合後にもシール部材100の所定のシール性が確保される。
【0062】
上記の場合、アウタハウジング30の両収容室33内にインナハウジング10が正規収容されると、両収容室33の内周面に各外周リップ103が弾性的に密着して、収容室33内のシールがとられる。また、インナハウジング10がアウタハウジング30に対して上下反転した姿勢をとっていると、各アウタ用ホルダロック部135が各ホルダ用アウタロック部39と対応位置せず、インナハウジング10が収容室33内に保持されない。
【0063】
次いで、図1図4及び図5に示すように、アウタハウジング30内に挿入部55を通して側方からリテーナ70が挿入される。この場合、リテーナ70は挿入部55に略位置決め状態で挿入され、リテーナ70のインナ挿入空間77に進入開口76を通して対応するインナハウジング10の前部(装着溝14より前方の部分)が嵌合される。挿入過程では、各抜け止め部75が両インナハウジング10の対応する装着溝14内に進入するとともに、各段差16内に両レール部80及び橋渡し部82が嵌合し、且つ両レール部80内に両ガイド片37が進入して、リテーナ70の装着動作が案内される。
【0064】
図5に示すように、リテーナ70が正規の装着位置に至ると、アウタ用リテーナロック部81がリテーナ用アウタロック部38に弾性的に係止されるとともに、閉止壁73がインナハウジング10の前部側面に当接可能に配置されて、リテーナ70がアウタハウジング30及びインナハウジング10に保持される。また、リテーナ70が正規の装着位置に至ると、図2に示すように、各抜け止め部75が両インナハウジング10の各キャビティ11内に正規挿入された端子金具200を抜け止め係止して、各端子金具200がキャビティ11内に二次的に抜け止めされる。このとき、仮に、キャビティ11内に正規挿入されずに半挿入位置に留まっている端子金具200が含まれていると、その半挿入状態の端子金具200に抜け止め部75が干渉するため、リテーナ70が正規の装着位置に至るのが規制される。その場合は、半挿入状態の端子金具200を正規挿入位置に押し込めばよい。
【0065】
一方、仮に、両インナハウジング10のうちの少なくとも一方のインナハウジング10が対応する収容室33内に正規深さで収容されずに半挿入位置で留まっていると、装着溝14が収容室33内に隠蔽され、又は装着溝14が収容室33の前方に位置していても、挿入部55によって略位置決めされたリテーナ70の抜け止め部75に装着溝14が対応位置しないことから、抜け止め部75が装着溝14内に進入するのが規制される。このため、リテーナ70の装着動作が規制されることをもってインナハウジング10が正規収容されていないことを早期に知ることができる。また、インナハウジング10が収容室33内に正規深さで収容されていないと、抜け止め部75に装着溝14が対応位置しないことに加えて、アウタ用リテーナロック部81がリテーナ用アウタロック部38に係止し得ないため、リテーナ70がアウタハウジング30から脱落することをもってインナハウジング10に正規収容されていないことを確実に知ることができる。
【0066】
また、ハウジング500の後面には電線カバー150が取り付けられる。この場合、図26から図29にかけて示すように、レバー90が回動完了位置に留め置かれた状態で(この点は図28では非開示)、電線カバー150はハウジング500の後面に対して略直交する方向(ハウジング500の嵌合方向)から引き下ろされる。すると、各初期位置ガイド受け部161が各初期位置ガイド部47を摺動して、電線カバー150が幅方向に位置決めされた状態で初期位置に誘導される。また、初期位置への移動過程では、両側板152が、各側壁41のカバー誘い込み面43に沿って摺動可能に変位することにより、各側壁41の外面側に円滑に誘導される。
【0067】
図26に示すように、初期位置では、電線カバー150の移動方向前後両側(幅方向両側)に位置する両カバー装着部41、42のうち、電線カバー150の装着位置への移動方向後方に位置するカバー装着部41、42における側壁41の外面に電線カバー150の両側板152の内面が当接可能に配置される。このため、両側板152が内側に倒れ込むのが各側壁41によって規制される。なお、電線カバー150の移動方向後方に位置するカバー装着部41、42における側壁41は、高さ方向で端部リブ49と対向位置しており、端部リブ49との間に側板152を挟むように配置される。
【0068】
上記の状態で、図29から図30にかけて示すように、電線カバー150はハウジング500の後面に沿って装着位置にスライド移動させられる。このとき、各装着位置ガイド受け部162が各装着位置ガイド部48を摺動して、電線カバー150が前後方向に位置決めされた状態で装着位置に誘導される。また、図26から図27にかけて示すように、電線カバー150の移動過程では、両側板152が側壁41の外面を摺動可能に変位することにより、電線カバー150が内倒れすることなく装着位置へと円滑に案内される。
【0069】
図27及び図30に示すように、電線カバー150が装着位置に至ると、各抜け止め突部156が各カバー抜け止め部45を弾性的に乗り越えて、電線カバー150の初期位置への戻り移動が規制される。また、電線カバー150が装着位置に至ると、各第1リブ158が各カバーガイド部51に当接可能に配置されるとともに、図27に示すように、垂れ板155が連結壁42に当接可能に配置され、これによって電線カバー150のさらなる移動操作が規制される。よって、電線カバー150は装着位置に移動規制状態に保持される。なお、垂れ板155は、両スリット154内に両側壁41が進入することによって連結壁42と当接可能な位置に至らしめられる。また、装着位置では、図27に示すように、両スリット154内に両側壁41が進入することにより、両カバー装着部41、42の側壁41の外面に両側板152の内面が当接可能に配置され、両側板152が内側に倒れ込むのが確実に規制される。
【0070】
ところで、本実施例の場合、レバー90の回動方向を時計周りと反時計周りのいずれかの方向に選択可能とされ、それに伴い、電線カバー150の移動方向も装着位置と初期位置とを入れ替えて幅方向両側のうちのいずれかに変更可能とされている。しかし、電線カバー150の移動方向が変更されても、上記同様に、移動方向後方に位置する両カバー装着部41、42における側壁41の外面に両側板152の内面が当接可能及び摺動可能に配置されて、両側板152の内倒れが防止されるとともに、電線カバー150の装着位置への案内機能が発揮され、さらに、装着位置では、全ての側壁41の外面に両側板152の内面が当接可能に配置されて、両側板152の内倒れが確実に防止される。
【0071】
その後、ハウジング500は相手ハウジング600に嵌合される。この場合、図3に示すように、相手ハウジング600には嵌合動作を案内可能な略水平板状のリブ630が前方に突出して形成され、嵌合時には、両リブ630が、リブ受け孔79を通してリテーナ70の内部に挿入され、且つ上下一対の両インナハウジング10間の隙間に進入して配置されるようになっている。ここで、両リブ630は、嵌合時には収容室33内の隔壁34とほぼ同じ高さに位置し、連絡壁74とともに、両インナハウジング10の前部間を仕切る隔壁としての役割をはたすことになる。
【0072】
以上説明したように、本実施例によれば、次の効果を奏することができる。
まず、複数のインナハウジング10毎に個別にリテーナ70を設けなくて済むため、部品点数が削減されるとともに、リテーナ70の組み付けに要する作業負担も軽減される。
【0073】
また、収容室33内にインナハウジング10が挿入された後、その挿入方向と交差する方向からリテーナ70が挿入部55を通してアウタハウジング30内に挿入されるため、収容室33内に正規挿入されないインナハウジング10にリテーナ70が側方から干渉し、リテーナ70の挿入動作が規制されることをもって、インナハウジング10が収容室33内に正規収容されていないことを検知することができる。
【0074】
また、アウタハウジング30の嵌合部32のうち、挿入部55を挟んだ両側で且つ挿入部55が開口する側壁部53と略直交して配置される上下壁部54に、内壁56及び外壁57からなる二重壁構造の部分が形成されているため、アウタハウジング30に挿入部55が大きく開口するという事情があっても、アウタハウジング30の強度が低下するのが効果的に抑えられる。しかも、内壁56及び外壁57との間には、レバー90のカム板92の収容空間400が形成されているため、二重壁構造が単なるアウタハウジング30の強度確保のためではなく、カム板92の収容部分として有効に利用される。
【0075】
また、相手ハウジング600との嵌合時には、相手ハウジング600のリブ630がリブ受け孔79を通してリテーナ70内に挿入されて、リブ630が両インナハウジング10間を仕切る隔壁34を兼用することになるため、全体の構成が簡素化され、且つアウタハウジング30内に装着されるリテーナ70と隔壁34との干渉を容易に回避することが可能となる。
【0076】
また、本実施例によれば、ホルダ130がインナ用ホルダロック部132を介してインナハウジング10に固定される上、アウタ用ホルダロック部135を介してアウタハウジング30に固定されるため、アウタハウジング30内におけるホルダ130の遊動が規制され、ホルダ130によるシール部材100の押さえ位置の変動が抑えられる。その結果、シール部材100のシール性が良好に発揮される。しかも、ホルダ130がインナハウジング10に固定されるに際し、インナ用ホルダロック部132がホルダ用インナロック部19に弾性的に係止されるため、作業性が良好となる。
【0077】
しかも、インナハウジング10がアウタ用インナロック部18を有し、アウタハウジング30がインナ用アウタロック部380を有し、アウタ用インナロック部18がインナ用アウタロック部380に弾性的に係止されることにより、インナハウジング10がアウタハウジング30に固定されるため、シール部材100の前後両側が位置決めされ、シール部材100のシール性がより良好に発揮される。
【0078】
また、アウタ用ホルダロック部135は、ホルダ130の外周縁において撓み可能な両持ち梁状の架橋部136を有し、ホルダ130の内部には、架橋部136の撓み動作を許容する肉抜き部138が形成されているため、ホルダ130の大型化が回避されるのに加え、アウタ用ホルダロック部135の撓み動作の円滑性が担保される。
【0079】
また、本実施例によれば、ホルダ130のうち複数の貫通孔131が形成される領域とは反対側の領域に、インナ用ホルダロック部132及びアウタ用ホルダロック部135が偏って配置されているため、各貫通孔131の形成領域とインナ用ホルダロック部132及びアウタ用ホルダロック部135の配置領域とが区別されることとなり、スペース効率が良好となるのに加え、ホルダ130がインナハウジング10及びアウタハウジング30に対して両領域の並び方向に反転して装着される事態が回避される。
【0080】
また、ホルダ用インナロック部19及びインナ用ホルダロック部132はインナハウジング10及びホルダ130が不正な組み付け姿勢をとる場合には相互に係止し得ない位置に配置されているため、ホルダ130がインナハウジング10に正規姿勢で組み付けられるのが保障される。
【0081】
さらに、ホルダ用アウタロック部39及びアウタ両ホルダロック部135も、アウタハウジング30及びホルダ130が不正な組み付け姿勢をとる場合には相互に係止し得ない位置に配置されているため、ホルダ130がアウタハウジング30に正規姿勢で組み付けられるのが保障される。
【0082】
また、本実施例によれば、インナハウジング10がアウタハウジング30の収容室33内に正規深さで収容されない場合には、アウタ用リテーナ係合部としての案内壁72がリテーナ用アウタ係合部としての挿入部55内に挿入された状態で、インナ用リテーナ係合部としての各抜け止め部75がリテーナ用インナ係合部としての装着溝14内に進入するのが規制され、且つアウタ用リテーナロック部81がリテーナ用アウタロック部38に係止し得ないため、リテーナ70が正規装着されないことにより、インナハウジング10がアウタハウジング30の収容室33内に正規収容されていないことを検知することができる。この場合、リテーナ70がインナハウジング10の収容状態を検知する機能を兼備するため、リテーナ70に加えて専用の検知部材が設けられるよりも、構成が簡素化される。
【0083】
また、インナハウジング10にリテーナ用インナ係合部としての装着溝14が開口して形成され、インナ用リテーナ係合部としての各抜け止め部75は、インナハウジング10が収容室33内に正規深さで挿入される場合にその挿入方向と交差する方向から装着溝14内に進入するようになっている。したがって、インナ用リテーナ係合部が装着溝14内に進入しないことにより、インナハウジング10がアウタハウジング30の収容室33内に正規収容されていない状態にあることを早い段階で知ることができる。
【0084】
また、アウタハウジング30にリテーナ用アウタ係合部としての挿入部55が開口して形成され、アウタ用リテーナ係合部としての案内壁72が挿入部55内に挿入されることにより、各抜け止め部75が装着溝14内に進入可能な位置に略位置決めされるため、挿入部55を通して各抜け止め部75が装着溝14と正確に対応位置することになり、検知信頼性が高められる。
【0085】
また、リテーナ用アウタ係合部及びアウタ用リテーナ係合部が相互に弾性係止可能なリテーナ用アウタロック部38及びアウタ用リテーナロック部81によっても構成されるため、リテーナ70がアウタハウジング30に弾性係止されないことにより、インナハウジング10がアウタハウジング30の収容室33内に正規収容されてない状態にあることを確実に知ることができる。
【0086】
また、リテーナ用アウタロック部38が、収容室33の前端縁から前方に突出する形態とされているため、コネクタが高さ方向又は幅方向に大型になるのが回避される。
【0087】
また、本実施例によれば、電線カバー150の両側板152の端縁がハウジング500の後面を摺動することにより、電線カバー150が初期位置から装着位置にスライド移動させられ、初期位置から嵌合位置に向かう過程では、各側壁41のうち移動方向後方に位置する一対の側壁41に両側板152が摺動可能に配置されて電線カバー150の移動案内がなされ、嵌合位置では移動方向の前後両側に位置する各側壁41に両側板152が当接可能に配置されて両側板152の内倒れが防止され、しかも、電線カバー150の移動方向が変更されても各側壁41が遊ぶことなく上記した移動案内機能と内倒れ防止機能とが適正に発揮されるため、ハウジング500に対して電線カバー150をスペース効率良く内倒れしないように装着することが可能となる。
【0088】
また、側壁41の外面には、電線カバー150が初期位置に向かう際に側板152の内面が摺動可能な斜面状のカバー誘い込み面43が切り欠いて形成されているため、電線カバー150がカバー誘い込み面43に誘導されて初期位置に円滑に至らしめられる。
【0089】
しかも、カバー誘い込み面43が側壁41の先端部のみに形成され、側壁41の外面のうちカバー誘い込み面43を除く部分に、側板152の内面が摺動可能又は当接可能な領域が確保されているため、電線カバー150に対する側壁41の移動案内機能及び内倒れ防止機能が支障なく発揮される。
【0090】
また、ハウジング500の後面には、一対ずつの側壁41のうち前後方向(第2方向)に対向配置される一対の側壁41同士を互いに連結する連結壁42が形成されているため、両側壁41が補強され、さらに、電線カバー150が装着位置に至ったときに、垂れ板155が連結壁42に当接して、電線カバー150が移動を停止させられる。
【0091】
また、ハウジング500の後面を挟んだ高さ方向(第3方向)両端部には、幅方向(第1方向)にほぼ沿った内面を有する一対のカバー装着板44が形成され、両カバー装着板44の内面には、幅方向に延びる装着位置ガイド部48と、高さ方向に延びる初期位置ガイド部47とが形成され、両側板152の外面には、装着位置ガイド受け部162と、初期位置ガイド受け部161とが形成され、初期位置ガイド部47に初期位置ガイド受け部161が摺動することで電線カバー150が初期位置に誘導され、次いで、装着位置ガイド部48に装着位置ガイド受け部162が摺動することで電線カバー150が装着位置に誘導されるため、電線カバー150がL字状に移動案内されて装着位置に至らしめられ、ハウジング500から電線カバー150が抜け難くなる。
【0092】
また、ハウジング500には、相手ハウジング600が嵌合可能な嵌合凹部900が前方に開口して形成され、装着位置ガイド部48及び初期位置ガイド部47が、カバー装着板44の内面に突出するカバーガイド部51に形成され、カバーガイド部51の前端面が、嵌合凹部900に対向して臨むように配置されているため、嵌合凹部900の成型に用いられる図示しない金型により、カバーガイド部51における嵌合方向の前方の端面を成型することが可能となり、成形性に優れる。
【0093】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)図31に示すように、連結壁42の後端に円弧状の凹部69を切り欠き形成してもよい。こうすると、ハウジング500の後面から引き出された各電線800が凹部69内に進入して逃がされる。
(2)アウタハウジングに3つ以上の収容室が形成され、各収容室に収容される3つ以上のインナハウジングに対応する1つのリテーナがアウタハウジング内に組み付けられるものであってもよい。
(3)フロントタイプのリテーナがアウタハウジング内に前方から組み付けられ、インナハウジングが収容室内に正規挿入されていない場合に、インナ用リテーナ係合部がリテーナ用インナ係合部に係合しない構成であってもよい。
(4)初期位置では、電線カバーの移動方向両側の各カバー装着部における各側壁の外面に電線カバーの両側板の内面が当接可能に配置されるものであってもよい。
(5)上記実施例において、凹状の部分と突状の部分とが凹凸嵌合する複数の場合において、特に問題無ければ、凹状を突状に、突状を凹状に、それぞれ変更してもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…インナハウジング
11…キャビティ
14…装着溝
18…アウタ用インナロック部
19…ホルダ用インナロック部
30…アウタハウジング
33…収容室
34…隔壁
38…リテーナ用アウタロック部
39…ホルダ用アウタロック部
41…側壁(カバー装着部)
42…連結壁(カバー装着部)
43…カバー誘い込み面
44…カバー装着板
47…初期位置ガイド部
48…装着位置ガイド部
51…カバーガイド部
55…挿入部
56…内壁
57…外壁
70…リテーナ
71…前壁
75…抜け止め部
79…リブ受け孔
81…アウタ用リテーナロック部
90…レバー
91…操作部
92…カム板
100…シール部材
101…シール孔
130…ホルダ
131…貫通孔
132…インナ用ホルダロック部
135…アウタ用ホルダロック部
137…アウタ用ホルダロック突起
138…肉抜き部
150…電線カバー
161…初期位置ガイド受け部
162…装着位置ガイド受け部
200…端子金具
380…インナ用アウタロック部
500…ハウジング
600…相手ハウジング
610…雄タブ
630…リブ
800…電線
900…嵌合凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31