特許第5828865号(P5828865)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧
特許5828865区分装置、区分方法および区分プログラム
<>
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000002
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000003
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000004
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000005
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000006
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000007
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000008
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000009
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000010
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000011
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000012
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000013
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000014
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000015
  • 特許5828865-区分装置、区分方法および区分プログラム 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5828865
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】区分装置、区分方法および区分プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 19/00 20110101AFI20151119BHJP
   B07C 3/18 20060101ALN20151119BHJP
【FI】
   G06F19/00 600
   !B07C3/18
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-128706(P2013-128706)
(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公開番号】特開2015-5044(P2015-5044A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2013年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100125612
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 裕昭
(72)【発明者】
【氏名】志水 秀也
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 渡邊 賢治,屋内位置推定システムのための間取り推定に関する一検討,情報処理学会研究報告2008-UBI-19,2008年 7月10日,Vol.2008 No.66,pp.129-134
【文献】 空間データ分析マシン SDAM,[online],2008年 6月 4日,[検索日:平成27年7月24日],URL,http://m.webry.info/at/standardization/200806/article_3.htm?i=&p=&c=m&guid=on
【文献】 渡邊 康志,GIS自習室,古今書院,2009年 6月 1日,初版,p.206
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 19/00
G06Q 10/00−50/34
B07C 3/18
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ属性が対応付けられた点が配置されたエリア内の前記点の密度が所定以下の領域内に、無属性の点を配置する配置手段と、
前記配置手段により無属性の点が配置された前記エリアを点毎の多角形の領域に区分する区分手段と、
を有することを特徴とする区分装置。
【請求項2】
前記配置手段は、前記エリアを所定サイズのメッシュで区分けした際に、点の密度が所定以下のメッシュ内に無属性の点を配置する
ことを特徴とする請求項1に記載の区分装置。
【請求項3】
それぞれ属性が対応付けられた点が配置されたエリア内の前記点の配置状況が所定の基準よりも低い部分に、無属性の点を配置する配置手段と、
前記配置手段により無属性の点が配置された前記エリアを点毎の多角形の領域に区分する区分手段と、
前記区分手段により区分された各領域のうち、互いに隣接しかつ同じ属性が対応付けられた点の領域を統合する統合手段と、
を有することを特徴とする区分装置。
【請求項4】
前記統合手段は、無属性の点の領域が同一の属性の領域に周囲を所定以上囲まれている場合、当該無属性の点の領域を当該同一の属性の領域に統合する
ことを特徴とする請求項3に記載の区分装置。
【請求項5】
前記エリア内の領域の境界を示す境界情報に基づき、前記統合手段により統合された領域を前記境界に合わせて補正する補正手段
をさらに有することを特徴とする請求項3または4に記載の区分装置。
【請求項6】
コンピュータが、
それぞれ属性が対応付けられた点が配置されたエリア内の前記点の密度が所定以下の領域内に、無属性の点を配置する配置ステップと、
前記配置ステップにより無属性の点が配置された前記エリアを前記点毎の多角形の領域に区分する区分ステップと、
を実行することを特徴とする区分方法。
【請求項7】
コンピュータに、
それぞれ属性が対応付けられた点が配置されたエリア内の前記点の密度が所定以下の領域内に、無属性の点を配置する配置ステップと、
前記配置ステップにより無属性の点が配置された前記エリアを前記点毎の多角形の領域に区分する区分ステップと、
を実行させることを特徴とする区分プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、区分装置、区分方法および区分プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から対象の分布状況に応じて、区分対象のエリアの区分が行われている。例えば、学校の校区は、ボロノイ分割を用いて区分が行われている。この校区は、学区、通学区域などとも呼ばれる。ボロノイ分割は、区分対象のエリア内に配置された各点について隣接する点との二等分線を求め、二等分線を境界としてエリアを各点の領域に区分する。これにより、区分対象のエリアは、配置された各点に近い領域に区分される。
【0003】
特許文献1には、ボロノイ分割を利用して所定領域に分割し、給水栓を割り当てる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−054757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、区分対象のエリア内の各点に属性を対応付け、ボロノイ分割等を利用してエリアを各点の多角形の領域に区分し、同じ属性の点の多角形の領域を併合することで、属性毎の勢力範囲を視覚化することを考える。これは、施設と利用者の居住地域のように、予め定まっていない商圏その他の視覚化のほか、例えば、市内局番、郵便番号、校区、送電エリアなどの非公開又は曖昧な区割りを、実際の多数の割当結果から逆算する場合や、移動体通信網、公衆無線LAN(Local Area Network)などの基地局のサポート範囲を特定する場合などにも使用できる。
【0006】
しかしながら、ボロノイ分割は、性質として、点が存在しない空白エリアがあっても、周囲の点の間の二等分線が延びる形で多角形に区分するため、点が存在しない空白エリアにトゲ状に多角形の領域が入り込んでしまう場合がある。そして、同じ属性の多角形の領域を一体化した場合、空白エリアがトゲ状の領域が割拠されて実態から乖離した状態に区分されてしまう場合があるという問題があった。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、実態から乖離した状態に区分されることを抑制できる区分装置、区分方法および区分プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る区分装置は、それぞれ属性が対応付けられた点が配置されたエリア内の前記点の配置状況が所定の基準よりも低い部分に、無属性の点を配置する配置手段と、前記配置手段により無属性の点が配置された前記エリアを点毎の多角形の領域に区分する区分手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、実態から乖離した状態に区分されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、領域の区分方法の一例を示す説明図である。
図2図2は、システムの全体の概略構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る区分装置の機能的な構成の一例を示す図である。
図4図4は、地点情報のデータ構成の一例を示す図である。
図5図5は、区分対象のエリアの一例を示す図である。
図6A図6Aは、境界線の一例を示す図である。
図6B図6Bは、境界線の一例を示す図である。
図6C図6Cは、境界線の一例を示す図である。
図7図7は、区分対象のエリアを区分して属性毎の勢力範囲を視覚化する区分処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、区分対象のエリア内に点を配置した一例を示す図である。
図9図9は、エリアを多角形の領域に区分した一例を示す図である。
図10図10は、無属性の点の領域を他の属性の領域に統合する一例を示す図である。
図11図11は、区分された各点の領域を統合した一例を示す図である。
図12図12は、統合した領域を境界線に合わせて補正した一例を示す図である。
図13図13は、区分装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る区分装置、区分方法および区分プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。そして、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0012】
[1.領域の区分方法]
まず、図1を用いて、領域の区分方法の一例について説明する。図1は、領域の区分方法の一例を示す説明図である。図1(A)に示すように、区分対象のエリア1は、内部に複数の点2が配置されている。エリア1は、上部において点2の配置が少ない。図1(B)は、図1(A)に示したエリア1を各点2の領域3に区分した状態を示している。図1(B)は、エリア1を各点2の領域3にボロノイ分割を行ったボロノイ図である。エリア1は、各点2について隣接する点2との二等分線を境界としてエリア1を各点2の領域3に区分されている。ボロノイ図では、点2は母点とも呼ばれる。図1(B)に示すように、エリア1の上部での点2の配置が少ない場合、領域3aは、トゲ状に多角形の領域に区分される。
【0013】
そこで、エリア1内の点2の配置状況が所定の基準よりも低い部分に、点5を配置する。例えば、所定の範囲内に点2が配置されていない場合、点5を配置する。図1(C)では、図1(A)に示したエリア1の上部の領域4に点2の配置されていないため、点5が配置されている。そして、エリア1を点2および点5毎の多角形の領域3に区分する。図1(D)は、図1(C)に示したエリア1を各点2、5の領域3に区分した状態を示している。
【0014】
このように、点2の配置状況が低い部分に点5を配置することにより、図1(D)に示すように、エリア1の点2に配置されていない上部が点2の領域3に区分されることが抑制されるため、実態から乖離した状態に区分されることを抑制できる。以下、収集装置12に対して、このような領域の区分方法を用いて勢力範囲を視覚化するシステム10について詳細に説明する。
【0015】
[2.システムの構成]
次に、実施形態に係るシステム10について説明する。図2は、システムの全体の概略構成の一例を示す図である。図2に示すように、システム10は、区分装置11と、収集装置12と、利用者端末13とを有する。なお、図2の例では、システム10は、収集装置12および利用者端末13を1つずつ有する場合を例示したが、開示のシステムはこれに限定されず、収集装置12および利用者端末13を任意の数とすることができる。
【0016】
区分装置11と、収集装置12と、利用者端末13は、各種の情報を交換することが可能とされている。例えば、区分装置11と、収集装置12と、利用者端末13は、ネットワーク14を介して通信可能に接続され、各種の情報を交換することが可能とされている。かかるネットワーク14の一態様としては、有線または無線を問わず、LANやVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網などの任意の通信網が挙げられる。
【0017】
収集装置12は、区分対象のエリアの区分に用いる各種の情報を収集する装置である。例えば、収集装置12としては、デスクトップ型PC(パーソナル・コンピュータ)、タブレット型PC、ノート型PCなどの情報処理装置や、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機などの携帯端末が挙げられる。区分装置11は、区分対象のエリア内の位置の位置情報と、当該位置に割当られた属性情報を収集する。例えば、区分対象のエリア内の校区を逆算する場合、区分装置11は、区分対象のエリア内の生徒の自宅の位置情報と、通学する学校を属性情報として収集する。また、例えば、複数の店舗の商圏を逆算する場合、区分装置11は、各店舗に来訪する顧客の自宅の位置情報と、来訪する店舗を属性情報として収集する。また、例えば、移動体通信網などの基地局のサポート範囲を特定する場合、区分装置11は、位置情報と、当該位置情報が示す位置で通信可能な基地局の識別情報を属性情報として収集する。例えば、収集装置12をスマートフォンとした場合、収集装置12は、各生徒や顧客から、自宅の位置情報や属性情報を入力させたり、定期的にGPS(Global Positioning System)等による位置の測位と、当該位置で通信可能な基地局を特定することにより各種の情報を収集する。収集装置12は、収集した各種の情報を区分装置11へ送信する。例えば、収集装置12は、位置情報と属性情報とを対応付けて区分装置11へ送信する。
【0018】
区分装置11は、収集装置12により収集された各種の情報を用いて区分対象のエリアの区分する装置である。区分装置11は、例えば、サーバコンピュータなどのコンピュータである。区分装置11は、1台のコンピュータとして実装してもよく、また、複数台のコンピュータによるクラウドとして実装することもできる。なお、本実施形態では、区分装置11を1台のコンピュータとした場合を例として説明する。区分装置11の詳細な構成は後述する。
【0019】
利用者端末13は、区分装置11による処理結果を利用する利用者の端末装置である。例えば、利用者端末13としては、上述の情報処理装置や携帯端末が挙げられる。なお、図2の例では、機能的な構成を示したため、収集装置12と利用者端末13を別に分けているが、例えば、利用者端末13が収集装置12を兼ねてもよい。
【0020】
[3.区分装置の構成]
次に、実施形態に係る区分装置11の構成について説明する。図3は、実施形態に係る区分装置の機能的な構成の一例を示す図である。
【0021】
区分装置11は、一般的なコンピュータの構成として、少なくとも、ネットワーク14との通信手段20(LANアダプタなど)と、外部記憶装置(HDD(Hard Disk Drive)等)や主メモリ等の記憶部23と、CPU(Central Processing Unit)などの制御部24と、を有する。
【0022】
区分装置11では、記憶部23に予め記憶(インストール)した図示しない所定のコンピュータ・プログラムが制御部24を制御することで、図3に示す各手段などの要素(40〜45)を実現する。例えば、制御部24は、受付手段40と、配置手段41と、区分手段42と、統合手段43と、補正手段44と、出力手段45として機能する。
【0023】
また、記憶部23は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部23は、地点情報30と、エリア情報31と、境界情報32と、領域情報33とを記憶する。
【0024】
地点情報30は、収集装置12により収集された各種の情報を記憶したデータである。
例えば、地点情報30は、位置の座標と、当該位置の属性とを対応付けて記憶する。図4は、地点情報のデータ構成の一例を示す図である。図4の例では、位置(x1,y1)に対応付けて属性Aが記憶され、位置(x3,y3)に対応付けて属性Bが記憶されている。この属性A,Bは、例えば、校区の区割りを特定する場合、学校名などの学校の識別情報となり、市内局番の区割りを特定する場合、市内局番となり、商圏を特定する場合、店舗名などの店舗の識別情報となり、基地局のサポート範囲を特定する場合、通信可能な基地局の識別情報となる。
【0025】
エリア情報31は、区分対象のエリアに関する情報を記憶したデータである。例えば、エリア情報31は、区分対象のエリアの外形に関する情報を記憶する。図5は、区分対象のエリアの一例を示す図である。例えば、区分対象のエリアを、図5に例示するように、行政区画とした場合、エリア情報31は、区分対象のエリアの外形の座標など輪郭の情報を記憶する。
【0026】
境界情報32は、区分対象のエリア内で領域の境界に関する情報を記憶したデータである。ここで、人の生活圏などの範囲は、道路、鉄道、河川などを境界として分かれる場合がある。例えば、校区は、道路などによって区分けされる。エリア情報31は、エリアを属性毎の領域に区割する際の属性毎の領域の境界となり得る境界線の座標情報を記憶する。図6A図6Cは、境界線の一例を示す図である。図6Aは、道路を境界線とした場合を示し、図6Bは、鉄道を境界線とした場合を示し、図6Cは、河川を境界線とした場合を示している。境界情報32には、領域の境界となり得る境界線の座標情報を記憶する。なお、境界線とする道路は、例えば、道路幅6m以上の道路や、片側2車線以上の対面通行道路、交通量が一定以上の道路など、生活圏の境界となりうる所定の条件を満たす道路のみとしてもよい。また、境界線は、道路、鉄道、河川を組み合わせたものであってもよく、その他、管理者等が設定してもよい。
【0027】
領域情報33は、区分対象のエリア内の属性毎の領域に関する情報を記憶したデータである。例えば、領域情報33は、後述する区分処理により特定された、属性毎の領域の境界の座標のデータを記憶する。
【0028】
[4.作用]
上記のように構成した区分装置11では、受付手段40が、収集装置12から各種の情報を受け付ける。例えば、受付手段40は、収集装置12から位置情報と属性情報とを受け付ける。受付手段40は、受け付けた位置情報が示す位置の座標と、属性情報が示す属性を対応付けて地点情報30に格納する。
【0029】
区分装置11は、地点情報30が記憶されると、当該地点情報30に基づいて、エリア情報31により示す区分対象のエリアを区分し、属性毎の勢力範囲を視覚化する。図7は、区分対象のエリアを区分して属性毎の勢力範囲を視覚化する区分処理の手順の一例を示すフローチャートである。この区分処理は、例えば、管理者から処理開始が指示されたタイミングや、地点情報30が格納されたタイミングで実行される。
【0030】
図7に示すように、配置手段41は、エリア情報31を読み出し、エリア情報31が示す区分対象のエリアの外形の座標から区分対象のエリアの範囲を特定する(ステップS10)。配置手段41は、地点情報30を読み出し、区分対象のエリア内の地点情報30の各座標が示す位置に、属性が対応付けられた点を配置する(ステップS11)。図8は、区分対象のエリア内に点を配置した一例を示す図である。なお、図8では、区分対象のエリア50の一部を拡大したエリア60も示している。図8に示すエリア60内の一点鎖線61は、領域の境界となり得る道路の位置を示している。以下では、処理による変化を判別しやすくするため、拡大したエリア60を用いて説明する。
【0031】
図8に示すように、エリア60は、地点情報30の各座標が示す位置に点62が配置されている。このそれぞれの点62には、属性が対応付けられている。例えば、エリア60内の点62のうち、点62Aは、属性Aが対応付けられている。また、エリア60内の点62のうち、点62Bは、属性Bが対応付けられている。
【0032】
配置手段41は、エリア60内の点62の配置状況が所定の基準よりも低い部分に、無属性の点63を配置する(図7のステップS12)。例えば、配置手段41は、エリア60を所定サイズのメッシュで区分けした際に、点62の密度が所定以下のメッシュ内に無属性の点63を配置する。例えば、図8の例では、エリア60を点線64でメッシュ領域に区切り、メッシュ領域内に点62の数が2個未満のメッシュ領域の中心に無属性の点63を配置している。このエリア60を区分けするメッシュのサイズ、および、無属性の点63を配置すると判定する点62の密度は、管理者が設定してもよく、点62の配置状況に応じて設定してもよい。例えば、エリア50の面積を点62の総数で割って1つの点62に対する平均面積を求め、平均面積の複数倍(例えば、5倍)をメッシュサイズとする。また、メッシュ領域内に配置する無属性の点63の数は、1つに限定されず、複数配置してもよい。例えば、メッシュ領域を均等な4つの領域に区分し、それぞれの区分した領域の中心に無属性の点63を配置してもよい。また、無属性の点63を配置する位置は、メッシュ領域の中心に限定されず、メッシュ領域内でランダムに配置するものとしてもよい。無属性の点は、属性値が設定されていない(例えば「null」)点に限らず、無属性として扱われる所定の属性値が設定されている点でもよい。
【0033】
区分手段42は、ボロノイ分割を用いて、エリア60を点62、63毎の多角形の領域に区分する(図7のステップS13)。図9は、区分対象のエリアを多角形の領域に区分した一例を示す図である。図9の例は、図8のエリア60を多角形の領域に区分した一例を示している。エリア60は、各点62、63について隣接する点62、63との二等分線を境界として各点62、63の領域65に区分されている。なお、本実施形態では、ボロノイ分割を用いて、エリア60を多角形の領域65に区分するが、他の分割法を用いてもよい。
【0034】
統合手段43は、区分された各点62、63の領域65を統合する(図7のステップS14)。例えば、統合手段43は、各点62、63の領域65のうち、互いに隣接しかつ同じ属性が対応付けられた領域65を統合する。また、統合手段43は、無属性の点63の領域65が同一の属性の領域65に周囲を所定以上囲まれている場合、当該無属性の点63の領域65を当該同一の属性の領域65に統合する。例えば、統合手段43は、属性毎に、無属性の点63の領域65の境界線がそれぞれの属性の領域65と接する割合を求める。そして、統合手段43は、境界線が接する割合が所定以上(例えば、70%)以上の属性がある場合、無属性の点63の領域65を隣接する当該属性の領域65に統合する。
【0035】
図10は、無属性の点の領域を他の属性の領域に統合する一例を示す図である。図10(A)の例では、無属性の点63の領域70の周囲に、属性Aの領域71と、属性Bの領域72が示されている。また、無属性の点63の領域70は、属性Aの領域71に周囲を所定以上囲まれているものとする。この場合、統合手段43は、図10(B)に示すように、無属性の点63の領域70を属性Aの領域71に統合する。なお、統合手段43は、無属性の点63の領域70の周囲が全て属性Aの領域71である場合、無属性の点63の領域70を属性Aの領域71に統合するものとしてもよい。また、統合手段43は、属性毎に、無属性の点63の多角形の領域の各辺がそれぞれの属性の領域と接する割合を求め、辺が接する割合が所定以上(例えば、70%)以上の属性がある場合、無属性の点63の領域を隣接する当該属性の領域に統合してもよい。
【0036】
図11は、区分された各点の領域を統合した一例を示す図である。図11の例は、図9のエリア60の区分された領域65を統合した一例を示している。エリア60は、属性Aの領域81と、属性Bの領域82と、無属性の領域83に統合されている。
【0037】
ところで、図11示すように、統合した領域81〜83は、統合した多角形の領域65の影響により、外形に起伏がある。一般的に、市内局番、郵便番号、校区、送電エリアなどでは、道路、鉄道、河川などを境界としてエリア60が区割りされる。
【0038】
そこで、補正手段44は、境界情報32に基づき、統合された領域を境界に合わせて補正する(図7のステップS15)。例えば、補正手段44は、統合した領域が境界情報32により示される境界を超えてはみ出ている場合、はみ出た部分を分離して、分離した部分をはみ出た側の領域に統合する。
【0039】
図12は、統合した領域を境界線に合わせて補正した一例を示す図である。図12の例は、図11の統合した領域81〜83を、一点鎖線61を境界として補正した一例を示す図である。エリア60は、属性Aの領域81、属性Bの領域82、無属性の領域83がそれぞれ一点鎖線61が境界に補正されている。これにより、統合した領域の形状を道路や鉄道、河川などの実際の境界の形状に合わせることができる。
【0040】
なお、統合された領域の補正は、必須の処理ではない。例えば、動体通信網などの基地局のサポート範囲を特定する場合、基地局のサポート範囲は、道路等が境界とならないため、統合された領域の補正を行わなくてもよい。また、境界を越えてはみ出している領域が補正するか否かの基準とする所定サイズ以下の場合に、はみ出している領域を補正するようにしてもよい。これにより、例えば、属性の領域が実際に境界を越えて割り当てられている場合に、実際の近い状態で各属性の領域を特定できる。
【0041】
この区分処理により特定された属性毎の領域の情報は、領域情報33に記憶される。
【0042】
出力手段45は、領域情報33に基づき、利用者へ各種の情報を出力する。例えば、利用者端末13から属性毎の領域の提示要求を受けた場合、出力手段45は、属性毎の領域を地図上で示した画面情報を利用者端末13へ出力する。また、例えば、出力手段45は経路検索サービスを提供しており、利用者端末13から検索条件として、例えば、移動体通信網のサポート範囲を通過することが条件とされている場合、領域情報33に基づき、移動体通信網のサポート範囲を通過する経路を検索し、検索結果を利用者端末13へ出力する。
【0043】
[5.効果]
このように、本実施形態に係る区分装置11は、それぞれ属性が対応付けられた点62が配置されたエリア50、60内の点62の配置状況が所定の基準よりも低い部分に、無属性の点63を配置する。そして、区分装置11は、無属性の点63が配置されたエリア50、60を点62、63毎の多角形の領域65に区分する。これにより、区分装置11は、エリア50、60が実態から乖離した状態に区分されることを抑制できる。
【0044】
また、本実施形態に係る区分装置11は、エリア50、60を所定サイズのメッシュで区分けした際に、点62の密度が所定以下のメッシュ内に無属性の点63を配置する。これにより、区分装置11は、無属性の点63を配置する領域を適切に判断して無属性の点63を配置できる。
【0045】
また、本実施形態に係る区分装置11は、区分された各領域65のうち、互いに隣接しかつ同じ属性が対応付けられた点の領域65を統合する。これにより、区分装置11は、属性毎の勢力範囲を特定できる。
【0046】
また、本実施形態に係る区分装置11は、無属性の点63の領域65が同一の属性の領域65に周囲を所定以上囲まれている場合、当該無属性の点63の領域65を当該同一の属性の領域65に統合する。これにより、区分装置11は、無属性の領域65がある場合でも周囲の属性と同じと推定される場合、周囲の属性の領域に統合できる。
【0047】
また、本実施形態に係る区分装置11は、エリア50、60内の領域の境界を示す境界情報32に基づき、統合された領域を境界に合わせて補正する。これにより、区分装置11は、統合した領域の形状を境界情報32に記憶された境界の形状に合わせることができる。
【0048】
[6.他の実施形態]
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本発明において、各手段などの要素は、コンピュータの演算制御部に限らず、ワイヤードロジック等に基づく電子回路や、今後登場する非ノイマン型等の情報処理機構で実現してもよい。また、各構成図、データの図、フローチャートの図などは例示に過ぎず、各要素の有無、その順序や具体的内容などは適宜変更可能である。
【0049】
例えば、区分装置11を複数のサーバ装置で実現したり、各端末を含めて本発明のシステムとして把握したり、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0050】
なお、上記実施形態における区分装置11は、例えば、図13に示すような構成のコンピュータ200によって実現される。図13は、区分装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ200は、CPU(Central Processing Unit)210、RAM(Random Access Memory)220、ROM(Read Only Memory)230、HDD(Hard Disk Drive)240、通信インターフェイス(I/F)250、入出力インターフェイス(I/F)260、およびメディアインターフェイス(I/F)270を備える。
【0051】
CPU210は、ROM230またはHDD240に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM230は、コンピュータ200の起動時にCPU210によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ200のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0052】
HDD240は、CPU210によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス250は、ネットワーク14を介して他の機器からデータを受信してCPU210へ送り、CPU210が生成したデータを、ネットワーク14を介して他の機器へ送信する。
【0053】
CPU210は、入出力インターフェイス260を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU210は、入出力インターフェイス260を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU210は、生成したデータを、入出力インターフェイス260を介して出力装置へ出力する。
【0054】
メディアインターフェイス270は、記録媒体280に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM220を介してCPU210に提供する。CPU210は、当該プログラムを、メディアインターフェイス270を介して記録媒体280からRAM220上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体280は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0055】
コンピュータ200が本実施形態における区分装置11として機能する場合、コンピュータ200のCPU210は、RAM220上にロードされたプログラムを実行することにより、受付手段40、配置手段41、区分手段42、統合手段43、補正手段44および出力手段45の各機能を実現する。また、HDD240には、地点情報30、エリア情報31、境界情報32および領域情報33が格納される。
【0056】
コンピュータ200のCPU210は、これらのプログラムを、記録媒体280から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワーク14を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0057】
また、特許請求の範囲に記載した「手段」は、「部(section、module、unit)」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配置手段は、配置部や配置回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0058】
10 システム
11 区分装置
23 記憶部
24 制御部
30 地点情報
31 エリア情報
32 境界情報
40 受付手段
41 配置手段
42 区分手段
43 統合手段
44 補正手段
45 出力手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13