特許第5828875号(P5828875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5828875
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】定着装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20151119BHJP
【FI】
   G03G15/20 525
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-233813(P2013-233813)
(22)【出願日】2013年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-149515(P2014-149515A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2013年11月12日
(31)【優先権主張番号】特願2013-1683(P2013-1683)
(32)【優先日】2013年1月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 博一
(72)【発明者】
【氏名】浪崎 広介
(72)【発明者】
【氏名】太田 基希
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−304180(JP,A)
【文献】 実開平02−148164(JP,U)
【文献】 特開平04−204471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する回転部材と、前記回転部材に圧接して前記用紙を加圧する加圧部材と、前記回転部材および/または前記加圧部材の周面に対して離接自在に設けられたクリーニング部材とを備え、前記回転部材と前記加圧部材とで前記用紙を挟持して、前記用紙に形成されたトナー像を定着させる定着装置であって、
前記回転部材に対し前記加圧部材を離接させる離接部を備え、
前記離接部は、離接軸を備え、前記離接軸を回動させることで前記加圧部材を離接させる構成とされ、
前記クリーニング部材は、前記離接軸に接続された離接連動部に支持され、前記離接部による前記加圧部材の離接動作に連動して、前記周面に対して規制された区間内で離接し、
前記離接連動部は、前記離接軸の軸回りに回動する第1連結部と、前記第1連結部に牽引される第2連結部とを備え、
前記第1連結部は、一端が前記離接軸に固定され、他端が前記第2連結部の一端に連結されており、
前記第2連結部は、他端が前記クリーニング部材の回転軸を支持していること
を特徴とする定着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の定着装置であって、
前記クリーニング部材は、前記回転部材の周面に対して離接自在に設けられ、前記離接部による前記加圧部材の離接動作に連動して、前記回転部材に対して離接すること
を特徴とする定着装置。
【請求項3】
請求項2に記載の定着装置であって、
前記クリーニング部材は、前記離接部による前記加圧部材の圧接動作に連動して前記回転部材から離間し、前記離接部による前記加圧部材の離間動作に連動して前記回転部材に当接すること
を特徴とする定着装置。
【請求項4】
請求項1に記載の定着装置であって、
前記クリーニング部材は、前記加圧部材の周面に対して離接自在に設けられ、前記離接部による前記加圧部材の圧接動作に連動して前記加圧部材に当接し、前記離接部による前記加圧部材の離間動作に連動して前記加圧部材から離間すること
を特徴とする定着装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の定着装置であって、
送り出しローラおよび巻取りローラに張架されたクリーニングウェブと、前記クリーニングウェブを介して前記クリーニング部材を押圧する押圧ローラとを備えていること
を特徴とする定着装置。
【請求項6】
請求項5に記載の定着装置であって、
前記送り出しローラおよび前記巻取りローラのうち一方は、前記送り出しローラおよび前記巻取りローラのうち他方と前記押圧ローラとの共通外接線の略内側に配置されていること
を特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項に記載の定着装置であって、
前記クリーニングウェブは、前記用紙の搬送方向と略平行に張架されていること
を特徴とする定着装置。
【請求項8】
請求項に記載の定着装置であって、
前記回転部材および/または前記加圧部材は、周面のうち一部に平面とされた平面領域を有し、
前記クリーニングウェブは、前記平面領域と略平行に張架されていること
を特徴とする定着装置。
【請求項9】
請求項1から請求項までのいずれか1つに記載の定着装置であって、
前記クリーニング部材は、アルミパイプで形成されていること
を特徴とする定着装置。
【請求項10】
請求項1から請求項までのいずれか1つに記載の定着装置であって、
前記クリーニング部材は、ヒートパイプが内蔵されていること
を特徴とする定着装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1つに記載の定着装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を搬送する回転部材と、回転部材に圧接して用紙を加圧する加圧部材と、回転部材の周面に対して離接自在に設けられたクリーニング部材とを備える定着装置に関し、また、定着装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタなどの画像形成装置では、感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像した後、用紙などの記録媒体上に転写し、定着装置の定着部材(例えば、加熱ローラおよび加圧ローラ)で形成されるニップ部を通過する際に、トナー像が転写された記録媒体を加熱および加圧してトナー像の定着を行う。このようなトナー像の定着に際して、記録媒体が通過した後、定着部材に溶融したトナーの一部や紙粉などが付着することがあった。その結果、残留したトナーなどによって、画像を汚すことが知られている。
【0003】
これを防止するために、定着部材にクリーニングローラやクリーニングウェブなどを接触させて、トナーを回収することが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−215587号公報
【特許文献2】特開2009−122554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の定着装置では、加圧部材にウェブを介して当接する当接ローラと、加圧部材が定着部材に圧接する位置を変更する減圧機構とを備え、当接ローラを減圧機構の動きに追従させて、加圧部材に対する当接位置、当接方向、当接力を一定とする構造とされている。ところで、定着装置においては、定着時にニップ部を加熱しているが、常に当接させている当接ローラが吸熱源となるため、余分に加熱する必要があり、省エネルギー化を妨げている。また、当接ローラへの熱移動によって加圧部材の温度分布が不均一になるといった課題がある。
【0006】
特許文献2に記載の定着装置では、ロール状のシート部とクリーニングローラとを備え、シート部の一方の面に加熱ローラが当接され、シート部の他方の面にクリーニングローラが当接されている。また、クリーニングローラは、加熱ローラに対して接離可能に構成されており、通紙中に加熱ローラに当接する位置に配設され、非通紙中に加熱ローラから離間する位置に配設されている。ところで、特許文献2では、加熱ローラと加圧ローラとを離間させる機構が考慮されておらず、残留したトナーが加熱ローラより温度の低い加圧ローラへ移動する虞がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、定着時にクリーニングローラを離間させておくことで、吸熱による温度低下を回避することができる定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る定着装置は、用紙を搬送する回転部材と、前記回転部材に圧接して前記用紙を加圧する加圧部材と、前記回転部材および/または前記加圧部材の周面に対して離接自在に設けられたクリーニング部材とを備え、前記回転部材と前記加圧部材とで前記用紙を挟持して、前記用紙に形成されたトナー像を定着させる定着装置であって、前記回転部材に対し前記加圧部材を離接させる離接部を備え、前記離接部は、離接軸を備え、前記離接軸を回動させることで前記加圧部材を離接させる構成とされ、前記クリーニング部材は、前記離接軸に接続された離接連動部に支持され、前記離接部による前記加圧部材の離接動作に連動して、前記周面に対して規制された区間内で離接し、前記離接連動部は、前記離接軸の軸回りに回動する第1連結部と、前記第1連結部に牽引される第2連結部とを備え、前記第1連結部は、一端が前記離接軸に固定され、他端が前記第2連結部の一端に連結されており、前記第2連結部は、他端が前記クリーニング部材の回転軸を支持していることを特徴とする。
【0009】
この構成によると、クリーニング部材を離間させておくことで、クリーニング部材で回収したトナーが再付着することを防ぐことができる。また、クリーニング部材を加圧部材の動作に連動させているため、離接部の駆動構成を容易に共用することができ、定着装置の小型化などを図ることができる。また、離接連動部によってクリーニング部材を支持することで、加圧部材とクリーニング部材とを連動させる構成とすることが容易になる。さらに、クリーニング部材は、回転部材に対して予め設定された軌跡を辿って離接する構造とされている。離接軸の回転角度は、加圧部材の圧接動作に応じて設定されるが、単にクリーニング部材を離接軸の軸回りに回動させる構造とした場合、回転部材を過剰に押圧する虞がある。しかしながら、第1連結部と第2連結部とを備えた離接連動部とすることで、クリーニング部材の移動区間を離接軸の軸回りとは異なる軌跡とすることができる。従って、離接軸の回転角度に関わらず、クリーニング部材の移動量を適切な範囲に調節することができる。
【0010】
本発明に係る定着装置では、前記クリーニング部材は、前記回転部材の周面に対して離接自在に設けられ、前記離接部による前記加圧部材の離接動作に連動して、前記回転部材に対して離接する構成としてもよい。
【0011】
この構成によると、クリーニング部材を回転部材から離間させておくことで、クリーニング部材で回収したトナーが回転部材に再付着することを防ぐことができる。また、クリーニング部材を加圧部材の動作に連動させているため、離接部の駆動構成を容易に共用することができ、定着装置の小型化などを図ることができる。
【0012】
本発明に係る定着装置では、前記クリーニング部材は、前記離接部による前記加圧部材の圧接動作に連動して前記回転部材から離間し、前記離接部による前記加圧部材の離間動作に連動して前記回転部材に当接する構成としてもよい。
【0013】
この構成によると、加圧部材を回転部材に圧接させた定着時には、クリーニング部材を離間させておくことで、吸熱による回転部材の温度低下を回避することができる。また、定着が終了した後は、加圧部材を離間させておくことで、回転部材から加圧部材への残留トナーの移動を防ぐことができる。
【0018】
本発明に係る定着装置では、前記クリーニング部材は、前記加圧部材の周面に対して離接自在に設けられ、前記離接部による前記加圧部材の圧接動作に連動して前記加圧部材に当接し、前記離接部による前記加圧部材の離間動作に連動して前記加圧部材から離間する構成としてもよい。
【0019】
この構成によると、クリーニング部材を加圧部材に当接させることで、回転部材から加圧部材へ移行したトナーを除去することができる。さらに、加圧部材の回転が停止している際に、クリーニング部材を加圧部材から離間させることで、摩擦による損傷を回避することができる。
【0020】
本発明に係る定着装置では、前記離接部は、離接軸を備え、前記離接軸を回動させることで前記加圧部材を離接させる構成としてもよい。
【0021】
この構成によると、離接部によって加圧部材とクリーニング部材とを連動させる構成とすることが容易になる。
【0022】
本発明に係る定着装置では、送り出しローラおよび巻取りローラに張架されたクリーニングウェブと、前記クリーニングウェブを介して前記クリーニング部材を押圧する押圧ローラとを備えている構成としてもよい。
【0023】
この構成によると、クリーニング部材に付着したトナーをクリーニングウェブでふき取る構造とすることができ、クリーニング部材の表面を清浄な状態で保つことができる。
【0024】
本発明に係る定着装置では、前記送り出しローラおよび前記巻取りローラのうち一方は、前記送り出しローラおよび前記巻取りローラのうち他方と前記押圧ローラとの共通外接線の略内側に配置されている構成としてもよい。
【0025】
この構成によると、送り出しローラと巻取りローラとを近接させて配置することで、クリーニングユニットの薄型化を図ることができ、画像形成装置の設計の自由度を向上させることができる。
【0026】
本発明に係る定着装置では、前記クリーニングウェブは、前記用紙の搬送方向と略平行に張架されている構成としてもよい。
【0027】
この構成によると、定着装置において、長い距離を必要とする用紙の搬送方向に平行にして、クリーニングウェブを張架することで、他の方向へ張架した場合と比較して、定着装置のサイズを縮小することができる。
【0028】
本発明に係る定着装置では、前記回転部材および/または前記加圧部材は、周面のうち一部に平面とされた平面領域を有し、前記クリーニングウェブは、前記平面領域と略平行に張架されている構成としてもよい。
【0029】
この構成によると、定着装置において、長い距離を必要とする平面領域と平行にして、クリーニングウェブを張架することで、他の方向へ張架した場合と比較して、定着装置のサイズを縮小することができる。
【0030】
本発明に係る定着装置では、前記クリーニング部材は、アルミパイプで形成されている構成としてもよい。
【0031】
この構成によると、熱伝導性に優れたアルミパイプで形成することによって、クリーニング部材の温度の均一化を図ることができる。つまり、定着を行う際、回転部材において用紙に接する領域と用紙に接しない領域とが存在し、温度の偏りが生じるため、回転部材に当接するクリーニング部材においても、部分的な温度差が生じるが、クリーニング部材の温度を均一に保つことによって、回転部材の部分的な温度差を緩和することができる。
【0032】
本発明に係る定着装置では、前記クリーニング部材は、ヒートパイプが内蔵されている構成としてもよい。
【0033】
この構成によると、熱伝導性に優れたヒートパイプを内蔵することによって、クリーニング部材の温度の均一化を図ることができる。
【0034】
本発明に係る定着装置では、前記加圧部材は、前記回転部材を圧接する圧接位置と前記回転部材から離間した離間位置との間を移動する構成としてもよい。
【0035】
この構成によると、加圧部材が動作する範囲を設定することで、クリーニング部材を動作させる範囲を容易に設計することができる。
【0036】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着装置を備えていることを特徴とする。
【0037】
この構成によると、本発明に係る定着装置を備えることで、本発明に係る定着装置と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0038】
本発明によると、クリーニング部材を離間させておくことで、クリーニング部材で回収したトナーが再付着することを防ぐことができる。また、クリーニング部材を加圧部材の動作に連動させているため、離接部の駆動構成を容易に共用することができ、定着装置の小型化などを図ることができる。さらに、定着時には、クリーニング部材を離間させておけば、吸熱による温度低下を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す側面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る定着装置の要部を抜き出して示す要部側面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る定着装置の側面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る定着装置の上面図である。
図5A】圧接モードにおける離接部を示す説明図である。
図5B】圧解モードにおける離接部を示す説明図である。
図5C】クリーニングモードにおける離接部を示す説明図である。
図6A】圧接モードにおけるクリーニング機構を示す説明図である。
図6B】圧解モードにおけるクリーニング機構を示す説明図である。
図6C】クリーニングモードにおけるクリーニング機構を示す説明図である。
図7】クリーニングユニットを示す側面図である。
図8図7の矢符F方向から見たクリーニングユニットを示す概略図である。
図9A】本発明の第2実施形態に係る定着装置の圧接モードを示す側面図である。
図9B】本発明の第2実施形態に係る定着装置のクリーニングモードを示す側面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る定着装置を適用した画像形成装置の概略構成を示す側面図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る定着装置の要部を抜き出して示す要部側面図である。
図12】本発明の第3実施形態に係る定着装置を適用した画像形成装置の概略構成を示す側面図である。
図13】本発明の第4実施形態に係る定着装置の要部を抜き出して示す要部側面図である。
図14】本発明の第4実施形態に係る定着装置を適用した画像形成装置の概略構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0041】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す側面図である。
【0042】
画像形成装置1は、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙に対して多色及び単色の画像を形成する画像形成部1aを備えている。
【0043】
画像形成部1aは、露光装置11、現像装置12、感光体ドラム13、クリーナ装置14、帯電器15、中間転写ベルト装置16、定着装置17、給紙トレイ18、排紙トレイ19、およびシート搬送装置20を備える構成とされている。
【0044】
本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置12、感光体ドラム13、帯電器15、クリーナ装置14は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0045】
感光体ドラム13は、画像形成装置1の画像形成部1aの略中央に配置されている。帯電器15は、感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光装置11は、感光体ドラム13の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置12は、感光体ドラム13の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13の表面にトナー像を形成する。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム13の表面に各色のトナー像が形成される。クリーナ装置14は、現像および画像転写の後に感光体ドラム13の表面の残留トナーを除去および回収する。
【0046】
中間転写ベルト装置16は、感光体ドラム13の上側に配置され、中間転写ベルト21、中間転写ベルト駆動ローラ22、中間転写ベルト従動ローラ23、中間転写ローラ24、中間転写ベルトクリーニング装置25、およびテンションローラ26を備えている。なお、中間転写ローラ24は、YMCK用の各色の画像ステーションに対応して4本設けられている。
【0047】
中間転写ベルト駆動ローラ22、中間転写ベルト従動ローラ23、中間転写ローラ24、およびテンションローラ26は、中間転写ベルト21を張架して、中間転写ベルト21の表面を所定方向(図中矢符C方向)に移動させるように構成されている。
【0048】
中間転写ベルト21は、矢符Cの方向へ周回移動し、中間転写ベルトクリーニング装置25によって残留トナーを除去および回収され、各感光体ドラム13の表面に形成された各色のトナー像が順次転写して重ね合わされて、中間転写ベルト21の表面にカラーのトナー像が形成される。
【0049】
画像形成部1aは、転写ローラ27aを含む2次転写装置27をさらに備えている。転写ローラ27aは、中間転写ベルト21との間にニップ域が形成されており、シート搬送経路Sを通じて搬送されて来た用紙Pをニップ域に挟み込んで搬送する。用紙Pは、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト21の表面のトナー像が転写される。
【0050】
給紙トレイ18は、画像形成に使用する用紙Pを蓄積しておくためのトレイであり、露光装置11の下側に設けられている。また、排紙トレイ19は、画像形成部1aの上側に設けられており、画像形成済みの用紙Pを載置するためのトレイである。
【0051】
また、画像形成装置1の画像形成部1aには、給紙トレイ18の用紙Pを2次転写装置27や定着装置17を経由させて排紙トレイ19に送るためのシート搬送装置20が設けられている。シート搬送装置20は、S字状のシート搬送経路Sを有し、シート搬送経路Sに沿って、ピックアップローラ31、一対の分離ローラ31a,31b、レジストローラ32、レジスト前ローラ33、定着装置17、および排紙ローラ34が配置されている。
【0052】
ピックアップローラ31は、給紙トレイ18の端部近傍に備えられ、給紙トレイ18から用紙Pを1枚ずつシート搬送経路Sに供給する呼び込みローラである。一方の分離ローラ31aは、他方の分離ローラ31bとの間に用紙Pを通過させて1枚ずつ分離しつつシート搬送経路Sへと搬送する。レジストローラ32は、給紙トレイ18から搬送されている用紙Pを一旦保持し、感光体ドラム13上のトナー像の先端と用紙Pの先端とを合わせるタイミングで用紙Pを転写ローラ27aに搬送する。レジスト前ローラ33は、用紙Pの搬送を促進補助するための小型のローラである。
【0053】
定着装置17は、ベルト定着方式の定着装置とされており、複数のローラ(ここでは定着ローラ171および加熱ローラ172)に定着ベルト173(回転部材の一例)が巻き掛けられている。定着ベルト173は、加熱ローラ172から定着ローラ171へ熱伝達できるようになっている。定着装置17では、定着ベルト173を介して定着ローラ171に加圧ローラ174(加圧部材の一例)が押圧されるようになっている。また、定着ベルト173は、予め定めた所定の厚み(例えば、250μm)を有しており、幅が最大サイズ(具体的にはA4横サイズ)の用紙Pの搬送方向に直交する幅よりも少し大きめ(例えば、350mm程度)になっている。定着装置17では、未定着のトナー像が形成された用紙Pを受け取り、用紙Pを定着ベルト173と加圧ローラ174との間に挟み込んで搬送する。定着後の用紙Pは、排紙ローラ34によって排紙トレイ19上に排出される。なお、定着装置17については、後述する図2ないし図4を参照して詳細を説明する。
【0054】
本実施の形態では、定着装置17は、ベルト定着方式の定着装置とされているがこれに限定されず、加圧ローラ174で定着ローラ171を直接押圧する方式としてもよい。この場合、上述した回転部材は、定着ローラ171に相当する。
【0055】
次に、本発明の第1実施形態に係る定着装置について、図面を参照して説明する。
【0056】
図2は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の要部を抜き出して示す要部側面図である。
【0057】
図では、図1に示す定着装置17から定着ローラ171、加熱ローラ172、加圧ローラ174、および定着ベルト173を抜き出して拡大している。なお、図1では、画像形成部1aの正面側から示しているのに対して、図2は、画像形成部1aの背面側から示しているため、左右が反転している。また、図2では、図の見易さを考慮して、後述する図3に示す離接部100およびクリーニングローラ41等を省略している。
【0058】
図に示すように、定着ローラ171と加圧ローラ174とを相互に圧接した状態では、定着ベルト173と加圧ローラ174との間に定着ニップ域Nが形成されている。なお、定着装置17は、加圧ローラ174を定着ローラ171に向けて圧接する離接部100(図3参照)を備えている。
【0059】
具体的には、定着ローラ171は、定着軸171aが定着装置17の本体フレームFL(後述する図4参照)に支持されており、定着ベルト173を介して用紙P上における未定着のトナーTに対向するように配置されている。加熱ローラ172は、加熱軸172aが本体フレームFLに支持されており、加熱軸172aの内側には、ハロゲンヒータ等の熱源177が設けられている。加圧ローラ174は、加圧軸174aが離接部100(図3参照)に支持されており、定着ローラ171に対して離接する方向に揺動する。本実施の形態では、定着軸171aに図示しない駆動源が接続されており、定着ローラ171を回転させる。定着ローラ171の回転に伴い、定着ベルト173は、矢符Eの方向へ周回移動し、加熱ローラ172および加圧ローラ174が従動回転する。なお、定着軸171a、加熱軸172a、および加圧軸174aは、互いに平行に配置されている。
【0060】
図3は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の側面図であって、図4は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の上面図である。なお、図の見易さを考慮して、図3では、本体フレームFLを省略しており、図4では、本体フレームFLを透視的に示している。また、図4において、正面側(図では、右側)の加圧フレーム176およびフレーム付勢部175は、背面側(図では、左側)の加圧フレーム176およびフレーム付勢部175と同様の構成であるので、一部の符号を省略している。
【0061】
離接部100は、大別すると、加圧軸174aを支持する加圧フレーム176と、駆動源(図示しない)に接続され回動する離接軸113と、離接軸113に従って回動する回動部材110と、加圧ローラ174を定着ローラ171に圧接させるフレーム付勢部175(例えば、コイルスプリング等)とを備えている。
【0062】
加圧フレーム176は、画像形成部1aの正面側および背面側の2箇所に対向して設けられており、加圧軸174aの軸方向の両端部をそれぞれ支持している。加圧フレーム176は、加圧軸174aから加圧軸174aと直交する方向に離間した位置(図3では、加圧軸174aの右斜め下側)に設けられた回動ピン176aが本体フレームFLに固定されており、回動ピン176aを中心とした加圧方向Wに回動する。そして、加圧ローラ174は、加圧フレーム176が回動するのに応じて、定着ローラ171(定着ベルト173)に対して離接する方向に揺動する。
【0063】
具体的には、加圧フレーム176は、加圧軸174aに直交する方向に沿った一対の支持板1761,1761と、一対の支持板1761,1761を定着ローラ171とは反対側で連結する連結板1762とを備えている。上述した回動ピン176aは、一対の支持板1761,1761に設けられた穴に挿入されている。また、支持板1761には、加圧軸174aを間にして回動ピン176aとは反対側(図3では、加圧軸174aの左斜め上側)に係止ボス176eが設けられている。係止ボス176eには、フレーム付勢部175のフレーム側係止部175aが係止されている。
【0064】
離接軸113は、加圧軸174aと平行に配置され、定着ニップ域Nの下流側(図3では、定着ベルト173の上側)に設けられ、本体フレームFLに支持されている。回動部材110は、正面側および背面側の2箇所に設けられており、それぞれ離接軸113の軸方向の両端部に固定されている。回動部材110には、回動ボス112が設けられており、回動ボス112にフレーム付勢部175の回動側係止部175bが係止されている。回動部材110は、離接軸113を中心に回動し、回動ボス112が離接軸113の軸回りに移動する。
【0065】
また、定着ベルト173の近傍には、定着ベルト173の温度を検知するサーミスタ178が配置されている。具体的には、サーミスタ178は、定着ベルト173を介して加熱ローラ172に対向する側に配置されているが、配置位置は特に限定されず、定着ベルト173の周囲であれば、適宜移動させてもよい。
【0066】
定着装置17は、さらに、定着ベルト173の周面に対向するクリーニングローラ41(クリーニング部材の一例)と、クリーニングローラ41を支持する離接連動部50と、互いに同期して回転する送り出しローラ63および巻取りローラ64と、送り出しローラ63および巻取りローラ64に張架されたクリーニングウェブ65と、クリーニングウェブ65を介してクリーニングローラ41を押圧する押圧ローラ61とを備えている。なお、以下では、説明の簡略化のため、クリーニングローラ41、離接連動部50、送り出しローラ63、巻取りローラ64、クリーニングウェブ65、および押圧ローラ61とを併せて、クリーニング機構と呼ぶことがある。また、クリーニング機構は、定着ニップ域Nの下流側に設けられている。
【0067】
クリーニングローラ41は、回転軸41aの軸方向の両端部が本体フレームFLに設けられた規制穴71に挿入されている。そして、回転軸41aは、離接軸113と平行に配置されており、定着ベルト173に対して離接する離接方向X(後述する図6A参照)で往復移動する構成とされている。本実施の形態では、クリーニングローラ41は、アルミパイプで形成されているが、例えば、ヒートパイプが内蔵されたローラとしてもよい。なお、本発明では、クリーニング部材はクリーニングローラ41だけに限定されず、定着ベルト173から効率的にトナーTを回収できる構成であれば、他の形態としてもよい。
【0068】
離接連動部50は、図3および後述する図6A等に示すように、一端が離接軸113に固定された第1連結部51と、一端が第1連結部51に接続され、他端が回転軸41aの軸方向の両端部を支持する第2連結部52とで構成されている。この離接連動部50は、正面側および背面側の2箇所に設けられている。
【0069】
クリーニングウェブ65は、例えば、ナイロン繊維やポリエステル繊維などで形成されたシートであって、一端が送り出しローラ63に巻きつけられ、他端が巻取りローラ64に巻きつけられている。押圧ローラ61は、送り出しローラ63および巻取りローラ64に張架されたクリーニングウェブ65をクリーニングローラ41に向かって押圧している。詳しくは、図4および後述する図6A等に示すように、押圧ローラ61は、押圧軸61aの軸方向の両端部にそれぞれローラ付勢部材62が係止されており、ローラ付勢部材62によって、クリーニングウェブ65を介してクリーニングローラ41を押圧する付勢方向Y(図6A参照)に付勢されている。
【0070】
なお、クリーニング機構の詳細な構造については、後述する図6Aないし図6Cを参照して説明する。
【0071】
上述したように、加圧フレーム176は、フレーム付勢部175の付勢力によって、加圧ローラ174を定着ローラ171に圧接させている。従って、回動部材110を離接軸113を中心に図3に示す矢符W2の方向に回動させると、フレーム付勢部175を係止している回動側係止部175bの位置が移動するため、フレーム付勢部175の付勢力が変化して、加圧ローラ174は、加圧方向Wのうち定着ローラ171に対して離間する矢符W1の方向に揺動する。定着装置17では、回動部材110を回動させる角度を調節することによって、定着ローラ171に対する加圧ローラ174の位置を適宜調節することができる。本実施の形態では、加圧ローラ174の位置として、定着ローラ171を圧接する圧接位置と、圧接位置の場合よりも弱い力で定着ローラ171を圧接する圧解位置と、定着ローラ171から離間した離間位置とが設定されている。以下では説明のため、加圧ローラ174を圧接位置に配置した状態を圧接モードと呼び、加圧ローラ174を圧解位置に配置した状態を圧解モードと呼び、加圧ローラ174を離間位置に配置した状態をクリーニングモードと呼ぶ。
【0072】
次に、加圧ローラ174の定着ローラ171に対する圧接動作について、図面を参照して説明する。
【0073】
図5Aは、圧接モードにおける離接部を示す説明図である。図では、見易さを考慮して、図3からクリーニング機構を省略して示している。
【0074】
図5Aは、図2および図3に示す状態と同様であって、加圧ローラ174は、圧接位置に配置されており、フレーム付勢部175に付勢されて定着ローラ171(定着ベルト173)を押圧している。圧接モードでは、用紙Pを定着ベルト173と加圧ローラ174との間に挟み込んで加圧および加熱することで、未定着のトナー像を用紙Pに定着させる。
【0075】
図5Bは、圧解モードにおける離接部を示す説明図である。
【0076】
図5Bでは、図5Aに示す状態に対して、離接軸113が矢符Bの方向へ回転(回動部材110が矢符W2の方向へ回転)した後、停止している。加圧ローラ174は、離接軸113を回転させることによって、圧接位置よりも定着ローラ171から離間する方向へ移動した圧解位置に配置されている。なお、加圧ローラ174は、定着ベルト173と当接している。圧解モードでは、圧接モードよりも弱い力で用紙Pを挟み込むため、封筒やハガキといった厚い用紙Pに対して搬送不良を生じさせずに定着を行うことができる。
【0077】
図5Cは、クリーニングモードにおける離接部を示す説明図である。
【0078】
図5Cでは、図5Bに示す状態に対して、さらに離接軸113が矢符Bの方向へ回転(回動部材110が矢符W2の方向へ回転)した後、停止している。加圧ローラ174は、定着ローラ171から離間した離間位置に配置されている。クリーニングモードにおいて、加圧ローラ174が定着ローラ171から離間しているため、定着ベルト173を回転させても加圧ローラ174は回転せず、定着ベルト173の表面に残留したトナーなどが加圧ローラ174に付着しない。
【0079】
図5Aないし図5Cに示すように、離接部100は、離接軸113を回転させて加圧ローラ174を離接させる構成とされている。そして、本実施の形態では、離接部100を揺動させるのに連動して、さらにクリーニングローラ41が移動する構成とされている。換言すると、クリーニングローラ41は、離接部100による加圧ローラ174の離接動作に連動して、定着ベルト173に対して離接する。すなわち、クリーニングローラ41は、加圧ローラ174の位置に応じて定着ベルト173に対する位置が決定される。そこで、離接部100の状態に応じたクリーニングローラ41の移動位置について、図面を参照して説明する。
【0080】
図6Aは、圧接モードにおけるクリーニング機構を示す説明図である。図では、見易さを考慮して、図3から離接部100を省略して示しており、本体フレームFLを透視的に示している。
【0081】
図6Aは、図5Aに示す状態と同様であって、加圧ローラ174は圧接位置に配置されている。一方、加圧ローラ174が圧接位置に位置している場合、クリーニングローラ41は、定着ベルト173から離間した待機位置に位置している。
【0082】
上述したように、クリーニングローラ41の回転軸41aは、両端部がそれぞれ本体フレームFLの規制穴71に挿入されており、規制穴71は、付勢方向Yと交差する離接方向Xに延伸された開口部である。従って、クリーニングローラ41は、規制穴71に沿って移動し、移動する区間が規制穴71によって規制されている。なお、以下では説明のため、離接方向Xのうち、回転軸41aが定着ベルト173から離間する方向を離間方向X1と呼び、回転軸41aが定着ベルト173に接近する方向を当接方向X2と呼ぶ。
【0083】
第1連結部51および第2連結部52は、平板状とされ、それぞれ所定の方向に延伸されており、延伸された方向の両端が各部と連結されている。また、第1連結部51および第2連結部52は、離接軸113の軸方向に並べて配置されている(詳しくは、図4参照)。具体的には、第1連結部51は、一端が離接軸113に固定されており、離接軸113に応じて離接軸113の軸回りに回転する。また、第1連結部51の他端には、第2連結部52と対向する面に第2連結部52に向かって突出した円形状の連結ボス51aが設けられている。第2連結部52には、一端に連結ボス51aと同じ形状の穴が設けられており、連結ボス51aをこの穴に挿通することによって、第1連結部51と第2連結部52とが係止されている。従って、第2連結部52は、連結ボス51aを中心に回転し、第1連結部51が回転した際に、第1連結部51に牽引される。また、第2連結部52は、他端に回転軸41aが挿入された揺動穴52aが設けられている。揺動穴52aは、第2連結部52が延伸された方向に沿って回転軸41aより幅広に形成されている。つまり、回転軸41aは、揺動穴52aの範囲内で揺動する構成とされている。
【0084】
図6Aに示す基準線BLは、付勢方向Yに平行で押圧ローラ61(押圧軸61a)の中心を通る直線である。圧接モードでは、クリーニングローラ41(回転軸41a)は、基準線BLより離間方向X1の側(図では、左側)に配置されている。ここで、クリーニングローラ41は、押圧ローラ61の離間方向X1の側に当接しているため、押圧ローラ61によって離間方向X1へ付勢されている。クリーニングローラ41は、規制穴71および揺動穴52aの範囲内で揺動し、自重や押圧ローラ61に付勢された力などが均衡する位置で停止する。上述したように、クリーニングローラ41が停止している位置を待機位置と呼ぶ。
【0085】
図6Bは、圧解モードにおけるクリーニング機構を示す説明図である。
【0086】
図6Bは、図5Bに示す状態と同様であって、加圧ローラ174が圧解位置に配置されている。つまり、離接軸113は、図6Aに示す状態に対して矢符Bの方向へ回転し、停止している。そして、第1連結部51も離接軸に応じて、矢符Bの方向へ回転し、停止している。第2連結部52は、第1連結部51に牽引されて、クリーニングローラ41(回転軸41a)を当接方向X2へ付勢している。ここで、図6Aと同様に、クリーニングローラ41は、基準線BLより離間方向X1の側(図では、左側)に配置されており、押圧ローラ61の離間方向X1の側に当接しているため、押圧ローラ61によって離間方向X1へ付勢されている。その結果、クリーニングローラ41は、第2連結部52および押圧ローラ61に付勢された力が均衡する位置で停止し、定着ベルト173から離間している。
【0087】
図6Cは、クリーニングモードにおけるクリーニング機構を示す説明図である。
【0088】
図6Cは、図5Cに示す状態と同様であって、加圧ローラ174が離間位置に配置されている。つまり、離接軸113および第1連結部51は、図6Bに示す状態に対してさらに矢符Bの方向へ回転し、停止している。第2連結部52は、第1連結部51に牽引されて、クリーニングローラ41(回転軸41a)を当接方向X2へ付勢している。ここで、当接方向X2へ移動したクリーニングローラ41は、基準線BLより当接方向X2の側(図では、右側)に配置され、押圧ローラ61の当接方向X2の側に当接する。その結果、クリーニングローラ41は、押圧ローラ61によって当接方向X2へ付勢される。つまり、クリーニングローラ41は、押圧ローラ61に対して当接する位置が変わったことで、押圧ローラ61によって付勢される方向が変わる。図6Cでは、クリーニングローラ41は、定着ベルト173と当接したクリーニング位置に配置されており、定着ベルト173がクリーニングローラ41を押圧する力と第2連結部52および押圧ローラ61に付勢された力とが均衡する位置とされている。
【0089】
なお、クリーニングローラ41は、定着ニップ域Nの下流側であって、定着ベルト173の定着ローラ171と加熱ローラ172とに張架されている部分に当接する。つまり、定着ベルト173が定着ローラ171および加熱ローラ172に接していない部分にクリーニングローラ41を当接させることで、クリーニングローラ41が定着ローラ171および加熱ローラ172を押圧しない構造とすることができ、定着ローラ171および加熱ローラ172にかかる負荷を軽減することができる。
【0090】
クリーニングローラ41は、定着ベルト173と当接しているため、定着ベルト173に従動して回転し、定着ベルト173の表面に付着したトナーTを回収する。クリーニングウェブ65は、クリーニングローラ41と反対の方向へ巻き取られる。つまり、クリーニングウェブ65は、クリーニングローラ41との間に摩擦を生じさせる方向へ移動される。
【0091】
上述したように、クリーニングローラ41は、離接部100に応じて移動する。例えば、図5Cおよび図6Cに示すクリーニングモードから図5Aおよび図6Aに示す圧接モードとする場合、矢符Bと反対の方向へ離接軸113を回転させることで、クリーニングローラ41は、クリーニング位置から待機位置へ移動する。すなわち、クリーニングローラ41は、離接部100による加圧ローラ174の圧接動作に連動して、定着ベルト173から離間し、離接部100による加圧ローラ174の離間動作に連動して、定着ベルト173に対して当接する。
【0092】
また、クリーニングローラ41は、基準線BLを境界として押圧ローラ61に付勢される方向が変わる構成とされており、中心が基準線BLより定着ベルト173に近い場合、当接方向X2へ付勢され、中心が基準線BLより定着ベルト173から遠い場合、離間方向X1へ付勢される。
【0093】
本明細書では、揺動穴52aおよび規制穴71を軸支持部と呼び、軸支持部は、回転軸41aに対して遊びが設けられている。
【0094】
上述した図3では、送り出しローラ63および巻取りローラ64が離間して配置された構造を示したが、定着装置17では、送り出しローラ63および巻取りローラ64を近接して配置したクリーニングユニット80を用いてもよい。そこで、クリーニングユニット80について、図面を参照して説明する。
【0095】
図7は、クリーニングユニットを示す側面図であり、図8は、図7の矢符F方向から見たクリーニングユニットを示す概略図である。なお、図7では、見易さを考慮して、手前側のクリーニングフレーム81を透視的に示している。また、上述したクリーニング機構と機能が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0096】
クリーニングユニット80は、クリーニングローラ41、押圧ローラ61、ローラ付勢部材62、送り出しローラ63、巻取りローラ64、クリーニングウェブ65、クリーニングフレーム81、ユニット固定軸82、およびユニット揺動軸83を含む構成とされている。クリーニングフレーム81は、画像形成部1aの正面側および背面側の2箇所に対向して設けられており、クリーニングローラ41(回転軸41a)、押圧ローラ61(押圧軸61a)、送り出しローラ63、および巻取りローラ64の両端部をそれぞれ支持している。なお、回転軸41aおよび押圧軸61aは、クリーニングフレーム81に遊びを設けて支持する構造とし、クリーニングローラ41を揺動させて、定着ベルト173等に押圧される力を調節してもよい。ユニット固定軸82およびユニット揺動軸83は、2つのクリーニングフレーム81からそれぞれ回転軸41aの軸方向に突出して設けられている。ユニット固定軸82は、クリーニングフレーム81の上端(図7では、左上)に配置され、筐体(例えば、本体フレームFL)に揺動自在に支持されており、クリーニングユニット80は、ユニット固定軸82を中心に回転する。ユニット揺動軸83は、クリーニングフレーム81の下端(図7では、左下)に配置されている。
【0097】
上述したように、送り出しローラ63および巻取りローラ64は、近接して配置されている。具体的には、巻取りローラ64、送り出しローラ63、および押圧ローラ61の順にクリーニングフレーム81の上部から並べて配置され、送り出しローラ63は、巻取りローラ64と押圧ローラ61との共通外接線LNの略内側に配置されている。つまり、送り出しローラ63と巻取りローラ64とを近接させて配置することで、クリーニングユニットの薄型化を図ることができ、画像形成装置の設計の自由度を向上させることができる。また、図では、送り出しローラ63は、巻取りローラ64の下方に配置したが、巻取りローラ64と位置を入れ換えてもよい。
【0098】
次に、クリーニングユニットを適用した本発明の第2実施形態ないし第4実施形態に係る定着装置17について、図面を参照して説明する。
【0099】
図9Aは、本発明の第2実施形態に係る定着装置の圧接モードを示す側面図であり、図9Bは、本発明の第2実施形態に係る定着装置のクリーニングモードを示す側面図であり、図10は、本発明の第2実施形態に係る定着装置を適用した画像形成装置の概略構成を示す側面図である。なお、図9Aおよび図9Bでは、図の見易さを考慮して、本体フレームFLを省略し、離接連動カム90を透視的に示している。また、第1実施形態と機能、構造が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
第2実施形態では、第1実施形態に対して、クリーニングローラ41が加圧ローラ174に対して離接する構造とされている点で異なる。具体的には、クリーニングローラ41は、加圧ローラ174の周面に対向して配置され(図9Aでは、加圧ローラ174の左方)、クリーニングウェブ65は、用紙の搬送方向Dと略平行に張架されている。つまり、定着装置17において、長い距離を必要とする用紙の搬送方向Dに平行にして、クリーニングウェブ65を張架することで、他の方向へ張架した場合と比較して、定着装置17のサイズを縮小することができる。
【0101】
第2実施形態では、離接連動部50の替わりに、クリーニングローラ41を加圧ローラ174に対して離接させる離接連動カム90を備えている。離接連動カム90は、一端が離接軸113に固定され、他端に円弧状に形成されたカム部90aが設けられている。なお、クリーニングユニット80は、図示しないバネ等によって、加圧ローラ174に向かって付勢されている。
【0102】
図9Aに示すように、圧接モードにおいて、クリーニングローラ41は、加圧ローラ174と当接しているため、加圧ローラ174に従動して回転し、加圧ローラ174の表面に付着したトナーTを回収する。また、離接連動カム90は、クリーニングユニット80と離間している。
【0103】
図9Bに示すクリーニングモードでは、図9Aに示す状態に対して、離接軸113が矢符Bの方向へ回転した後、停止しており、加圧ローラ174は、定着ローラ171から離間した離間位置に配置されている。このとき、離接連動カム90は、離接軸113に連動して矢符Gの方向へ回転し、カム部90aがユニット揺動軸83を押圧する。クリーニングユニット80は、離接連動カム90に押圧されて矢符Hの方向へ回転し、クリーニングローラ41は、加圧ローラ174から離間する。
【0104】
なお、クリーニングモードから圧接モードとする場合、矢符Bと反対の方向へ離接軸113を回転させることで、離接連動カム90およびクリーニングユニット80も反対方向に回転し、クリーニングローラ41は、加圧ローラ174に当接する。すなわち、クリーニングローラ41は、離接部100による加圧ローラ174の圧接動作に連動して加圧ローラ174に当接し、離接部100による加圧ローラ174の離間動作に連動して加圧ローラ174から離間する構成とされている。
【0105】
上述したように、第2実施形態では、圧接モードにおいてクリーニングローラ41を加圧ローラ174に当接させることで、定着ベルト173から加圧ローラ174へ移行したトナーTを除去することができる。また、加圧ローラ174は、用紙P上における未定着のトナーTに接触しないため、温度低下の影響を考慮する必要がない。さらに、加圧ローラ174の回転が停止している際に、クリーニングローラ41を加圧ローラ174から離間させることで、摩擦による損傷を回避することができる。
【0106】
本実施の形態では、クリーニングローラ41を離接させる構造として、離接連動カム90を示したが、これに限定されず、回動部材110とユニット揺動軸83とに連結されたアームなど、加圧ローラ174の離接動作をクリーニングユニット80に伝達する部材を備える構成とすればよい。
【0107】
図11は、本発明の第3実施形態に係る定着装置の要部を抜き出して示す要部側面図であり、図12は、本発明の第3実施形態に係る定着装置を適用した画像形成装置の概略構成を示す側面図である。図11では、図の見易さを考慮して、離接部100およびクリーニングフレーム81等を省略している。なお、第1実施形態および第2実施形態と機能、構造が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0108】
第3実施形態では、クリーニングユニット80は、第1実施形態と同様の位置に設けられ、クリーニングローラ41は、定着ベルト173に対して離接する。つまり、第3実施形態は、第1実施形態に対して、クリーニングユニット80を適用している点で異なる。
【0109】
クリーニングローラ41は、定着ベルト173の周面のうち、定着ローラ171および加熱ローラ172の間に張架されているローラ非当接領域173aに当接する構成とされている。また、定着ベルト173は、周面のうち一部に平面とされた平面領域を有しており、ローラ非当接領域173aが平面領域に相当する。クリーニングウェブ65は、平面領域と略平行に張架されている。つまり、定着装置17において、長い距離を必要とする平面領域と平行にして、クリーニングウェブ65を張架することで、他の方向へ張架した場合と比較して、定着装置17のサイズを縮小することができる。
【0110】
図13は、本発明の第4実施形態に係る定着装置の要部を抜き出して示す要部側面図であり、図14は、本発明の第4実施形態に係る定着装置を適用した画像形成装置の概略構成を示す側面図である。図13では、図の見易さを考慮して、離接部100およびクリーニングフレーム81等を省略している。なお、第1実施形態ないし第3実施形態と機能、構造が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0111】
第4実施形態は、第2実施形態に対して、定着ローラ171に対して離接するクリーニングユニット80をさらに備える点で異なる。また、定着装置17は、加圧ローラ174で定着ローラ171を直接押圧する方式とされている。この場合、定着ローラ171は、ヒータ等を内蔵していることが望ましい。
【0112】
本実施の形態では、加圧ローラ174に対して離接するクリーニングユニット80と、定着ローラ171に対して離接するクリーニングユニット80とを備えている。2つのクリーニングユニット80において、クリーニングウェブ65は、それぞれ用紙の搬送方向Dと略平行にして張架されている。図13では、圧接モードにおける定着装置17を示しており、加圧ローラ174は、クリーニングローラ41と当接しており、定着ローラ171は、クリーニングローラ41と離間している。
【0113】
本実施の形態では、加圧ローラ174で定着ローラ171を直接押圧する方式において、複数のクリーニングユニット80を備える構成としたが、これに限定されず、定着ベルト方式において、複数のクリーニングユニット80を備える構成としてもよい。
【0114】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0115】
1 画像形成装置
17 定着装置
41 クリーニングローラ(クリーニング部材の一例)
41a 回転軸
50 離接連動部
51 第1連結部
52 第2連結部
52a 揺動穴(軸支持部の一例)
61 押圧ローラ
62 ローラ付勢部材
63 送り出しローラ
64 巻取りローラ
65 クリーニングウェブ
71 規制穴(軸支持部の一例)
80 クリーニングユニット
81 クリーニングフレーム
82 ユニット固定軸
83 ユニット揺動軸
100 離接部
113 離接軸
171 定着ローラ
172 加熱ローラ
173 定着ベルト(回転部材の一例)
174 加圧ローラ(加圧部材の一例)
175 フレーム付勢部
176 加圧フレーム
BL 基準線
D 搬送方向
LN 共通外接線
X 離接方向
X1 離間方向
X2 当接方向
Y 付勢方向
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14