(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
交流電源から供給される交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して負荷に供給するスイッチング電源装置と、少なくとも前記負荷に供給される直流電流と前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置と、前記スイッチング電源装置と前記パラメータ生成装置との間にあって、前記パラメータ生成装置により生成される制御パラメータを前記スイッチング電源装置に伝送する信号伝送部と、を備えた電源装置システムであって、
前記スイッチング電源装置は、
前記負荷に供給される前記直流電流を検出するとともに、前記パラメータ生成装置により生成される制御パラメータを記憶し、前記検出された直流電流と前記記憶した制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される前記直流電流が定電流となるように前記スイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する制御部を有し、
前記制御部は、
少なくとも前記負荷に供給される前記直流電流の検出結果に応じた帰還量を確定して出力する帰還回路と、
少なくとも前記制御パラメータを記憶する記憶回路と、
少なくとも前記帰還量と前記制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される直流電流が定電流となるように前記スイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成して出力する制御回路と、を備え、
前記パラメータ生成装置から出力される制御指令に基づき、前記信号伝送部を経由した前記パラメータ生成装置との間の信号伝送経路を確定するとともに、前記パラメータ生成装置から伝送される、少なくとも前記負荷に供給される前記直流電流と前記交流電源から供給される前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを、前記記憶回路に記憶させる制御を行う
ことを特徴とする電源装置システム。
少なくとも負荷に供給される直流電流と交流電源から供給される交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置とは信号伝送部を経由して接続され、前記交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して前記負荷に供給するスイッチング電源装置であって、
前記負荷に供給される前記直流電流を検出するとともに前記パラメータ生成装置により生成される制御パラメータを記憶し、前記検出された直流電流と、前記記憶した制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される前記直流電流が定電流となるように前記スイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する制御部を有し、
前記制御部は、
少なくとも前記負荷に供給される前記直流電流の検出結果に応じた帰還量を確定して出力する帰還回路と、
少なくとも前記制御パラメータを記憶する記憶回路と、
少なくとも前記帰還量と前記制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される直流電流が定電流となるように前記スイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成して出力する制御回路と、を備え、
前記パラメータ生成装置から出力される制御指令に基づき、前記信号伝送部を経由した前記パラメータ生成装置との間の信号伝送経路を確定するとともに、前記パラメータ生成装置から伝送される、少なくとも前記負荷に供給される前記直流電流と前記交流電源から供給される前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを、前記記憶回路に記憶させる制御を行う
ことを特徴とするスイッチング電源装置。
交流電源から供給される交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して負荷に供給するスイッチング電源装置とは信号伝送部を経由して接続され、少なくとも前記負荷に供給される直流電流と前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置であって、
少なくとも可視化された操作選択情報に基づいて、前記負荷に供給される直流電流に基づく出力仕様と前記交流電源から供給される交流電圧に基づく入力仕様のうちの少なくとも一つを含む、前記制御パラメータの基となる仕様設定情報を選択して入力する入力部と、
前記仕様設定情報を前記スイッチング電源装置の制御パラメータとして設定するにあたり、前記信号伝送部を経由した前記スイッチング電源装置との間の信号伝送経路を確定させる信号経路設定処理と、前記制御パラメータを前記スイッチング電源装置に設定する仕様設定処理と、当該設定した制御パラメータを確定する仕様確定処理と、を含む設定シーケンスを実行する処理部と、
を有することを特徴とするパラメータ生成装置。
コンピュータによって実行され、交流電源から供給される交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して負荷に供給するスイッチング電源装置とは信号伝送部を経由して接続され、少なくとも前記負荷に供給される直流電流と前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置のプログラムであって、
前記コンピュータに、
画面に表示される操作選択情報に基づいて、前記負荷に供給される直流電流に基づく出力仕様と前記交流電源から供給される交流電圧に基づく入力仕様のうちの少なくとも一つを含む、前記制御パラメータの基となる仕様設定情報を選択して入力する入力処理と、
前記仕様設定情報に基づいて、前記信号伝送部を経由した前記スイッチング電源装置との間の信号伝送経路を確定させ、前記仕様設定情報を前記スイッチング電源装置に制御パラメータとして設定し、当該設定した制御パラメータを確定する設定シーケンス実行処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した特許文献2に開示された技術によれば、外部装置からのスイッチング電源装置制御プログラムや特性パラメータの通信は、ライタとスイッチング電源装置のデータ取り込み部との物理的な接触によるものと推測される。しかしながら、特許文献2には、制御プログラムや特性パラメータについての具体的な記述が無く、したがって上記した課題を解決するには不十分である。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの設計変更を伴うことなく特性や仕様の変更を低いコストで実現する、電源装置システム、スイッチング電源装置、同装置への制御パラメータ生成装置、ならびにそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために本発明の第1の観点に係る電源装置システムは、交流電源から供給される交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して負荷に供給するスイッチング電源装置と、少なくとも前記負荷に供給される直流電流と前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置と、前記スイッチング電源装置と前記パラメータ生成装置との間にあって、前記パラメータ生成装置により生成される制御パラメータを前記スイッチング電源装置に伝送する信号伝送部と、を備えた電源装置システムであって、前記スイッチング電源装置は、前記負荷に供給される前記直流電流を検出するとともに、前記パラメータ生成装置により生成される制御パラメータを記憶し、前記検出された直流電流と前記記憶した制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される前記直流電流が定電流となるように前記スイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する制御部、を有
し、前記制御部は、少なくとも前記負荷に供給される前記直流電流の検出結果に応じた帰還量を確定して出力する帰還回路と、少なくとも前記制御パラメータを記憶する記憶回路と、少なくとも前記帰還量と前記制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される直流電流が定電流となるように前記スイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成して出力する制御回路と、を備え、前記パラメータ生成装置から出力される制御指令に基づき、前記信号伝送部を経由した前記パラメータ生成装置との間の前記信号伝送経路を確定するとともに、前記パラメータ生成装置から伝送される、少なくとも前記負荷に供給される前記直流電流と前記交流電源から供給される前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを、前記記憶回路に記憶させる制御を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、スイッチング電源装置は、制御部により、負荷に供給される直流電流を検出するとともに、パラメータ生成装置により生成される制御パラメータを記憶し、検出された直流電流と記憶した制御パラメータとに基づいて、負荷に供給される直流電流が定電流となるようにスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する。このため、スイッチング電源装置では、スイッチング素子のスイッチング動作を、記憶した制御パラメータを用いて制御することができ、したがって、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの変更を伴わずに特性や仕様の変更が可能になる電源装置システムを提供することができる。
【0012】
本発明において、前記制御回路は、少なくとも前記帰還量と前記制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される前記直流電流が定電流となるようにスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成して出力する機能を有するとともに、前記パラメータ生成装置からの前記制御指令に基づき、前記信号伝送部を経由した前記パラメータ生成装置との間の信号伝送路を確定する機能と、前記パラメータ生成装置から伝送される、少なくとも前記負荷に供給される直流電流と前記交流電源から供給される交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを、前記記憶回路に記憶させる制御を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明において、前記パラメータ生成装置は、少なくとも可視化された操作選択情報に基づいて前記制御パラメータの基となる仕様設定情報を選択して入力する入力部と、前記仕様設定情報に基づいて前記スイッチング電源装置の制御パラメータを設定する設定シーケンスを実行する処理部と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記可視化された操作選択情報は、画面に表示されるとともに前記選択操作の選択対象となっている、ことを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記制御パラメータは、前記負荷に供給される前記直流電流に基づく出力仕様パラメータと、前記交流電源から供給される前記交流電圧に基づく入力仕様パラメータのうちの、少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記処理部は、前記仕様設定情報に基づいて、少なくとも、前記信号伝送部を経由した前記パラメータ生成装置と前記スイッチング電源装置の制御部との信号伝送経路を確定させる信号経路設定処理と、前記制御パラメータを前記スイッチング電源装置の制御部に設定する仕様設定処理と、前記設定した制御パラメータを確定する仕様確定処理と、を含む設定シーケンスを実行することを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の観点に係るスイッチング電源装置は、少なくとも負荷に供給される直流電流と交流電源から供給される交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置とは信号伝送部を経由して接続され、前記交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して前記負荷に供給するスイッチング電源装置であって、前記負荷に供給される直流電流を検出するとともにパラメータ生成装置により生成される制御パラメータを記憶し、前記検出された直流電流と前記記憶した制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される前記直流電流が定電流となるように前記スイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する制御部、を有
し、前記制御部は、少なくとも前記負荷に供給される前記直流電流の検出結果に応じた帰還量を確定して出力する帰還回路と、少なくとも前記制御パラメータを記憶する記憶回路と、少なくとも前記帰還量と前記制御パラメータとに基づいて、前記負荷に供給される直流電流が定電流となるように前記スイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成して出力する制御回路と、を備え、前記パラメータ生成装置から出力される制御指令に基づき、前記信号伝送部を経由した前記パラメータ生成装置との間の前記信号伝送経路を確定するとともに、前記パラメータ生成装置から伝送される、少なくとも前記負荷に供給される前記直流電流と前記交流電源から供給される前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを、前記記憶回路に記憶させる制御を行うことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、制御部が、負荷に供給される直流電流を検出するとともに、パラメータ生成装置により生成される制御パラメータを記憶し、検出された直流電流と記憶した制御パラメータとに基づいて、負荷に供給される直流電流が定電流となるようにスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する。このため、スイッチング素子の制御を記憶した制御パラメータを用いて実行することができ、したがって、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの変更を伴わずに特性や仕様の変更が可能になるスイッチング電源装置を提供することができる。
【0019】
本発明の第3の観点に係るパラメータ生成装置は、交流電源から供給される交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して負荷に供給するスイッチング電源装置とは信号伝送部を経由して接続され、少なくとも前記負荷に供給される直流電流と前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置であって、少なくとも可視化された操作選択情報に基づいて、前記負荷に供給される直流電流に基づく出力仕様と前記交流電源から供給される交流電圧に基づく入力仕様のうちの少なくとも一つを含む、前記制御パラメータの基となる仕様設定情報を選択して入力する入力部と、前記仕様設定情報を前記スイッチング電源装置の制御パラメータとして設定するにあたり、前記信号伝送部を経由した前記スイッチング電源装置との間の信号伝送経路を確定させる信号経路設定処理と、前記制御パラメータを前記スイッチング電源装置に設定する仕様設定処理と、当該設定した制御パラメータを確定する仕様確定処理と、を含む設定シーケンスを実行する処理部と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、処理部は、入力部から入力された仕様設定情報をスイッチング電源装置に制御パラメータとして設定するにあたり、信号伝送部を経由したスイッチング電源装置との間の信号伝送経路を確定させる信号経路設定処理と、制御パラメータをスイッチング電源装置に設定する仕様設定処理と、当該設定した制御パラメータを確定する仕様確定処理と、を含む設定シーケンスを実行する。このため、設定シーケンスの実行によって制御パラメータの設定および確定がなされたスイッチング電源装置では、確定した制御パラメータを用いてスイッチング素子の制御を行うことが出来、したがって、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの変更を伴わずに特性や仕様の変更が可能になる。
【0021】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータによって実行され、交流電源から供給される交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して負荷に供給するスイッチング電源装置とは信号伝送部を経由して接続され、少なくとも前記負荷に供給される直流電流と前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置のプログラムであって、前記コンピュータに、画面に表示される操作選択情報に基づいて、前記負荷に供給される直流電流に基づく出力仕様と前記交流電源から供給される交流電圧に基づく入力仕様のうちの少なくとも一つを含む、前記制御パラメータの基となる仕様設定情報を選択して入力する入力処理と、前記仕様設定情報に基づいて、前記信号伝送部を経由した前記スイッチング電源装置との間の信号伝送経路を確定させ、前記仕様設定情報を前記スイッチング電源装置に制御パラメータとして設定し、当該設定した制御パラメータを確定する設定シーケンス実行処理と、を実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、コンピュータ(パラメータ生成装置)は、当該プログラムを逐次読み出し実行することにより、画面に表示される操作選択情報に基づいて、負荷に供給される直流電流に基づく出力仕様と前記交流電源から供給される交流電圧に基づく入力仕様のうちの少なくとも一つを含む、制御パラメータの基となる仕様設定情報を選択して入力し、ここで入力された仕様設定情報に基づいて、信号伝送部を経由したスイッチング電源装置との間の信号伝送経路を確定させ、入力された仕様設定情報をスイッチング電源装置に制御パラメータとして設定し、設定した制御パラメータを確定する一連の処理を、設定シーケンス実行処理として実行する。このため、設定シーケンス実行処理によって制御パラメータの設定および確定がなされたスイッチング電源装置では、確定した制御パラメータを用いてスイッチング素子の制御を行うことが出来、したがって、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの変更を伴わずに特性や仕様の変更が可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの設計変更を伴うことなく特性や仕様の変更を低いコストで実現する、電源装置システム、スイッチング電源装置、同装置への制御パラメータ生成装置、ならびにそのプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための実施の形態(以下、単に本実施形態という)について詳細に説明する。
【0026】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係る電源装置システム600の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施形態に係る電源装置システム600は、スイッチング電源装置1と、信号伝送部4と、制御パラメータの生成装置として用いられるパラメータ生成装置5(以下、ホストシステム5ともいう)とを含み構成される。
【0027】
スイッチング電源装置1は、交流電源3から電力(交流電圧Vac)の供給を受け、内蔵するスイッチング素子(コンバータ回路)のスイッチング動作により所定の直流電流に変換してLED等の定電流負荷2に対して定電流を供給する。ここでは更に、定電流負荷2に供給される直流電流を検出するとともに、ホストシステム5により生成される制御パラメータを記憶し、検出された直流電流と記憶した制御パラメータとに基づいて、定電流負荷2に供給される直流電流が定電流となるように内蔵のスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する。
【0028】
このため、スイッチング電源装置1は、電力変換部11と、制御部12と、インタフェース回路B(13)とにより構成される。電力変換部11は、交流電源3から電力を得て、内蔵するスイッチング素子によって定電流負荷2を駆動するのに必要な一定の直流電力に変換するスイッチングレギュレータであり、フィルタ回路111と、整流回路112と、PFC(Power Factor Correction)回路113と、スイッチング素子を内蔵するコンバータ回路114とを含み構成される。なお、定電流負荷2と帰還回路123との間に接続された抵抗R1は、帰還回路123が定電流負荷2に流れる電流を検出するための電流検出素子である。
【0029】
制御部12は、定電流負荷2に供給される直流電流を検出するとともに、ホストシステム5により生成される制御パラメータを記憶し、検出された直流電流と記憶した制御パラメータとに基づいて、定電流負荷2に供給される直流電流が定電流となるようにスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する。このため、制御部12は、定電流負荷2に供給される直流電流の検出結果に応じた帰還量を確定して出力する帰還回路123(F/B回路123)と、制御パラメータを記憶する記憶回路121と、帰還回路123による帰還量と記憶回路121に記憶された制御パラメータとに基づいて、定電流負荷2に供給される直流電流が定電流となるようにスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成して電力変換部11に出力する、例えばマイクロコントローラにより構成される制御回路122と、を含む一体化された演算回路で構成される。
【0030】
制御回路122は、ホストシステム5から出力される制御指令(リード/ライトコマンド)に基づき、信号伝送部4を経由したホストシステム5との間の信号伝送経路を確定するとともに、ホストシステム5から伝送される、少なくとも定電流負荷2に供給される直流電流と交流電源3から供給される交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを記憶回路121に記憶させる制御を行う。また、制御回路122は、帰還回路123による帰還量と記憶回路121に記憶された制御パラメータとに基づいて、定電流負荷2に供給される直流電流が定電流となるようにコンバータ回路114に含まれるスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する。
【0031】
インタフェース(I/F)回路B(13)は、スイッチング電源装置1と信号伝送部4との間で、例えば、RS(Recommended Standard)−232Cインタフェースに基づくデータ伝送を行う。なお、データ伝送は、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で行われても良く、また、WiFi(登録商標)やZigBee(登録商標)等の無線によるデータ伝送も考えられる。
【0032】
なお、本実施形態に係るスイッチング電源装置1では、制御部12は、記憶回路121と制御回路122と帰還回路123とを一体化した演算回路で構成するものとして説明したが、各構成要素のすべて、またはその一部は独立した回路や部品で構成しても良いものとする。
【0033】
また、
図1に示すスイッチング電源装置1では、制御回路122で生成されコンバータ回路114に含まれるスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスが、制御回路122から帰還回路123を経由してコンバータ回路114に供給される経路として記載しているが、駆動パルスは他の経路で供給されても良いものとする。
【0034】
信号伝送部4は、スイッチング電源装置1とホストシステム5との間にあって、ホストシステム5により生成される制御パラメータをスイッチング電源装置1に設定する際の通信を行う。このため、フォーマット変換を行う信号変換器41を内蔵する。ここでは、RS−232Cインタフェースによる有線の信号伝送形式とするが、無線による信号伝送形式でもよく、その場合、スイッチング電源装置1が有するインタフェース部回路B(13)と後述するホストシステム5が有するインタフェース回路A(51)に有線/無線の変換機能を備えることで、信号変換器41を不要とする回路構成で通信を行うことも可能である。
【0035】
なお、本実施形態に係る電源装置システム600では、信号伝送部4を要するものとして説明するが、PLC(Power Line Communication:電力線通信)等を使用して独立した信号伝送部4を必要としない方式でも良いものとする。
【0036】
ホストシステム5は、定電流負荷2に供給される直流電流と交流電源3により供給される交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成する、例えば、PC(Personal Computer)により構成される制御パラメータ生成装置である。ここでいう制御パラメータは、定電流負荷2に供給される直流電流に基づく出力仕様パラメータと、交流電源3から供給される交流電圧に基づく入力仕様パラメータのうちの少なくとも一つを含む。このため、ホストシステム5は、インタフェース回路A(51)と、処理部52と、入力部53とを含み構成される。
【0037】
インタフェース回路A(51)は、信号伝送部4との間で、例えば、RS−232Cインタフェースに基づくデータ伝送を行う。入力部53は、ユーザインタフェースとしての機能を有し、例えば、画面に表示される操作選択情報に基づき入力される、定電流負荷2に供給される直流電流に基づく出力仕様と、交流電源3から供給される交流電圧に基づく入力仕様のうちの少なくとも一つの仕様設定情報を取り込み、処理部52へ出力する。処理部52は、入力部53から出力された仕様設定情報をスイッチング電源装置1の制御パラメータとして設定するにあたり、信号伝送部4を経由したスイッチング電源装置1との間の信号伝送経路を確定させる処理と、制御パラメータをスイッチング電源装置1に設定する処理と、当該設定した制御パラメータを確定する処理とにより、設定シーケンスの実行を行う、アプリケーションプログラムを実行する機能を有する。
【0038】
なお、本実施形態に係るパラメータ生成装置(ホストシステム5)は、上記した機能を有するアプリケーションプログラムを実行するPCを用いた構成とするが、入力部53と処理部52等の各構成要素のすべて、またはその一部が独立した構成でも良く、また、PCの使用は必須でなく、例えば、信号伝送部4を含む制御パラメータ設定のための機器として設計されたものであってもよい。
【0039】
図2は、
図1に示す電源装置システム600のデータ通信に係る要部構成を示すブロック図である。
図2において、
図1に示す符号と同じ符号が付されたブロックは
図1に示すそれと同じとする。
図2において、ホストシステム5は、接続部A(54)を介して信号伝送部4の接続部B(42)に接続される。ここで、接続部A(54)と接続部B(42)は、ともに、D−sub9ピン、USB(Universal Serial Bus)等のコネクタとする。一方、スイッチング電源装置1は、接続部D(14)を介して信号伝送部4の接続部C(43)に接続される。ここで、接続部D(14)は専用端子B、接続部C(43)は専用端子Aとする。なお、図中、Txは送信ライン、Rxは受信ラインである。また、接続部A(54)および接続部B(42)を介して、インタフェース回路A(51)の送信ラインTxと受信ラインRxと信号変換器41の受信ラインRxと送信ラインTxとがそれぞれ接続され、接続部C(43)および接続部D(14)を介して、信号変換器41の送信ラインTxと受信ラインRxとインタフェース回路B(13)の受信ラインRxと送信ラインTxとがそれぞれ接続される。
【0040】
接続部A(54)、接続部B(42)、接続部C(43)、接続部D(14)は、上述したコネクタの種類に制限されるものではない。特に、接続部D(14)は、スイッチング電源装置1が図示せぬ筐体で覆われている場合には、筐体に開口部を設けて設置されても良く、またはスイッチング電源装置1を構成する制御回路122が実装されるプリント基板に実装されても良い。なお、ホストシステム5において、インタフェース回路A(51)を用いずに、信号伝送部4の信号変換器41から出力されるフォーマットのままスイッチング電源装置1の制御回路122に接続する構成としてもよい。
【0041】
図3は、本実施形態に係るパラメータ生成装置(ホストシステム5)が提供するユーザインタフェースを説明するために引用した入力部53の模式図である。
図3に示されるように、入力部53は、操作部531と表示部532とで構成される。パラメータ生成装置(ホストシステム5)は、前述のとおりPCを用いた構成としており、操作部531は、PCに接続されたキーボードやマウス等の入力デバイスと、PCに接続されたディスプレイに表示される操作画面とにより構成される。ここで、操作画面は、接続設定部533と、仕様設定部534とに領域分けされた画面構成が採用される。接続設定部533には、接続操作釦535と端子選択釦536が、仕様設定部534には、確定操作釦537と変更操作釦538がそれぞれ割り付けられて表示される。これらの釦の機能については後述する。
【0042】
表示部532は、ホストシステム5とスイッチング電源装置1とが信号伝送部4を介して接続されておりデータ通信を実行できる状態にあることと、ユーザが操作部531を操作することによって取り込まれる仕様設定情報を確認できる表示ができれば良いものとし、このためのディスプレイとしての形態や性能を制限するものではない。したがって、PCに接続されるディスプレイの他に、例えば、インジケータの点灯/消灯、点滅、色表示等で代替してもよい。また、この際、操作部531を構成する各釦は、制御パラメータ設定のための機器に操作可能に配置されていれば良いものとする。
【0043】
図4に、ユーザによる操作とスイッチング電源装置1への制御パラメータの設定との関係が表形式で示されている。ここでは、出力仕様(負荷電流仕様)の設定を
図4(a)に、入力仕様(交流入力電圧)の設定を
図4(b)に、保護仕様パラメータの設定を
図4(c)にそれぞれ示している。
【0044】
図4(a)によれば、操作部531の操作画面上に、例えば、プルダウン形式(
図6のW1を参照)で表示される出力仕様(負荷電流値)に係る設定項目をユーザが選択操作することにより、ホストシステム5がその内容を取り込み、その設定項目に応じて目標電流値や制御回路122のゲインからなる定電流制御パラメータを生成して、スイッチング電源装置1の制御部12に設定する。設定方法は、出力仕様である負荷電流値を直接入力する方法であっても良い。なお、
図4(a)において、設定可能な出力仕様(負荷電流値)の設定可能範囲と種類(数)は設計仕様に依存する。
【0045】
図4(a)において、出力仕様(負荷電流値)に係る設定項目は、定電流負荷2を構成し負荷電流値を決定する要素となるLED等の数や接続方法、またはこれらを組合せた項目としてもよく、この場合、定電流負荷が設置される電子機器や設備の配線仕様に応じて出力仕様を設定するユーザに、利便性をもたらすことができる。
【0046】
図4(b)によれば、操作部531の操作画面上に、例えば、プルダウン形式(
図6のW1を参照)で表示される入力仕様(交流入力電圧値)に係る設定項目をユーザが選択操作することにより、ホストシステム5がその内容を取り込み、設定項目に応じて目標電流値や目標電圧値、基準電圧値、制御回路122のゲインからなる定電流制御パラメータを生成して、スイッチング電源装置1の制御部12に設定する。設定方法は、入力仕様である交流入力電圧値を直接入力する方法であっても良い。なお、
図4(b)において、設定可能な入力仕様(交流入力電圧)の設定可能範囲と種類(数)は設計仕様に依存する。一般家庭用途の商用交流電源の電圧値として、100V,110V,120V,127V,200V,220V,230V,240V,250V,277V等が知られている。詳細は、URL1等に詳細に開示されている。
(URL1)http://users.telenet.be/worldstandards/electricity.htm
【0047】
図4(b)において、予め、一般家庭用途と事業場用途との用途別電圧値リストをそれぞれ作成し、所望の用途別電圧値リストを選択させるユーザインタフェースを提供することにより、ユーザに利便性をもたらすことができる。また、予め、アジア、北米、欧州等に対応した地域別電圧値リストを作成し、所望の用途別電圧値リストを選択させるユーザインタフェースを提供するようにしてもよい。このとき、設定項目を電圧値に変えてよりわかりやすい国名等にすれば一層の利便性向上が図れ、操作上の信頼性も高めることができる。
【0048】
図4(c)によれば、操作部531の操作画面に、例えば、プルダウン形式(
図6のW1を参照)で表示される、過電圧入力保護、過電圧出力保護、過電流出力保護等の保護仕様に係る設定項目をユーザが設定操作することにより、ホストシステム5がその内容を取り込み、その設定項目に応じて閾値や最小・最大許容値、時定数(ウエイト時間)等、設定項目に応じた保護機能制御パラメータを生成して、スイッチング電源装置1の制御部12に設定する。なお、
図4(c)において、設定項目の内容は設計仕様に依存する。また、保護仕様の設定は、出力仕様と入力仕様の設定に連動させることで設定を自動化することができ、この場合、個別の操作を不要とするためユーザの負担を軽減するとともに、保護仕様の設定ミスに起因してスイッチング電源装置1や定電流負荷2に発生し得る事故を、未然に防ぐ効果もある。
【0049】
なお、
図4(a)(b)(c)に示した制御パラメータは、一例であって、他の制御パラメータが含まれていても良い、ここでは、定電流負荷2としてLEDが例示されているため少なくとも目標電流値は必要である。
【0050】
図5に、本実施形態に係るパラメータ生成装置(ホストシステム5)によるアプリケーションプログラム(以下、単にプログラムという)の実行イメージが示されている。
図5において、
図1に示す符号と同じ符号が付されたブロックは
図1に示すそれと同じとする。本実施形態に係るプログラムは、制御パラメータを設定するための操作と状態表示とを兼ねた操作画面をPC上のディスプレイ上に表示する機能を備えている。ユーザは、
図5に示す状態表示部に表示される仕様設定情報を確認しながら、キーボードやポインティングデバイスを用い、接続設定部や仕様設定部に割り付けられて表示される各種釦を操作することにより制御パラメータの設定ができるユーザインタフェースを提供する構成になっている。
【0051】
なお、状態表示部には、制御パラメータの情報や設定処理の結果(OK/NG)情報等が表示される。また、状態表示部の情報表示機能は、
図3に示したように、接続設定部533や仕様設定部534の領域に直接表示させることによっても実現できる。また、制御パラメータは、インターネットやLAN等のネットワークを経由して、あるいは、CD−ROMやUSBメモリ等の記録媒体を用いて配布する方法も考えられる。
【0052】
また、本実施形態に係る上記プログラムは、パラメータ生成装置(ホストシステム5)が記憶し実行するものであるが、スイッチング電源装置1の製造段階で、制御部12の記憶部121に記憶され、制御回路122がそのプログラムを逐次読み出し実行することにより、上記した機能を実現するものであっても良い。
【0053】
(実施形態の動作)
図6は、本実施形態に係る電源装置システム600の動作シーケンス図であり、ここでは、ホストシステム5とスイッチング電源装置1間の動作シーケンスが示されている。以下、
図6の動作シーケンス図を参照しながら、
図1〜
図5に示した本実施形態に係る電源装置システム600の動作について詳細に説明する。
【0054】
まず、ユーザがホストシステム5により提供されるユーザインタフェースを用いて操作画面の接続設定部533に割り当てられ表示される「端子選択釦」536を操作し(SH1)、続いて、「接続操作釦」535を操作したとする(SH2)。この操作に応答して入力部53はその内容を取り込み、処理部52に引き渡す。これを受けて処理部52は信号伝送部4を経由してスイッチング電源装置1の制御部12に対して制御指令(設定状態読み込みコマンド)を送信する。設定状態読み込みコマンドの送信により、ホストシステム5はスイッチング電源装置1における現在の設定状態の問い合わせを行う(T1)。
【0055】
スイッチング電源装置1(制御部12)は、ホストシステム5から送信された設定状態読み込みコマンドを受信すると、制御回路122が、記憶回路121に記憶されている現在のスイッチング電源装置1の設定状態に関するデータを読み出し(SC1)、信号伝送部4を介してホストシステム5に通知する(R1)。続いてホストシステム5では、処理部52が、通知された現在のスイッチング電源装置1の設定状態に関するデータに基づき表示データを生成して入力部53に引き渡す。これを受けた入力部53は、スイッチング電源装置1の現在の設定状態を表示部532に画面表示する(SH3)。ここでは、設定されているスイッチング電源装置1の仕様に基づく制御パラメータに関する情報の設定状態が表示される。
【0056】
なお、表示部532に表示される状態表示の中には、スイッチング電源装置1の種類が複数存在する場合のモデル番号等の機種情報、設定処理の結果情報、ガイダンスやエラーメッセージ等、接続や操作に関する支援情報を表示させてもよい。
【0057】
画面によりスイッチング電源装置1の現在の設定状態を確認したユーザは、操作部531の操作画面の仕様設定部534に割り当てられ表示される「変更操作釦」538を操作すると、操作画面の一部にW1で示すプルダウンメニューがポップアップ表示される。ここで、ユーザによるプルダウンメニューを使用した入力仕様、出力仕様、保護仕様に関するそれぞれの選択設定操作が行われる(SH4〜SH6)。続いて、ユーザは「確定操作釦」537を操作すると、入力部53が、入力仕様、出力仕様、保護仕様に関するそれぞれの設定内容(仕様設定情報)を取り込んで処理部52に引き渡す。
【0058】
仕様設定情報が引き渡された処理部52は、スイッチング電源装置1に対して仕様変更書き込みコマンドを発行し、仕様設定情報と共に、信号伝送部4経由でスイッチング電源装置1の制御部12に送信する(ST2)。仕様変更書き込みコマンドを受信した制御部12は、その仕様設定情報に基づき設定状態を変更するように、制御回路122による制御の下、記憶回路121に記憶されてある設定状態の更新を行う(ステップSC2)。
【0059】
以降、スイッチング電源装置1は、制御部12の帰還回路123が、定電流負荷2に供給される直流電流の検出結果に応じた帰還量を確定して制御回路122に出力し、これを受けた制御回路122が、その帰還量と、記憶回路121に記憶されてある更新された制御パラメータとに基づいて、定電流負荷2に供給される直流電流が定電流となるようにスイッチング素子のスイッチング動作のための駆動パルスを生成し、帰還回路123経由で電力変換部11のコンバータ回路114に出力する。
【0060】
次に、制御部12は、ホストシステム5に対し、信号伝送部4経由で変更した設定状態(書き込みデータ)を通知する(R2)。これを受けてホストシステム5はその書き込みデータをベリファイして(SH8)、表示部532に結果(設定OK/NGおよび設定状態)を表示することより仕様変更のための設定操作に関する一連の処理が終了する(SH9)。
【0061】
なお、
図6において、ステップS101〜S103は、ホストシステム5の処理部52が実行する設定シーケンスを示す。ここでは、接続設定ステップ(S101)と、仕様設定ステップ(S102)と、仕様確定ステップ(S103)とを含む。すなわち、処理部52は、取り込まれた仕様設定情報に基づいて実行され、信号伝送部4を経由したホストシステム5とスイッチング電源装置1の制御部12との信号伝送経路を確定させる信号経路設定処理(S101)と、制御パラメータをスイッチング電源装置1の制御部12に設定する仕様設定処理(S102)と、当該設定した制御パラメータを確定する仕様確定処理(S103)と、を実行する。
【0062】
なお、
図6において、SH1で示される接続端子の選択は必須でなく、これは、ホストシステム5からの出力系統が複数ある場合の系統選択のための機能である。また、スイッチング電源装置1が単一の電源電圧を入力する仕様の場合は、SH4で示す入力仕様の選択は不要である。更に、SH6で示される保護仕様の選択は、SH7で示される出力仕様と入力仕様の確定に連動させて自動的に設定されるものであってもよい。ここでは、接続端子の選択や各仕様を設定する方法の一例として、操作画面の一部領域に表示するプルダウンメニューを用いて選択操作する例について説明したが、直接設定入力する方法でもよい。また、仕様の確定(SH3)からデータの確認(SH8)までの期間内に、ホストシステム5と制御部12との間で、必要に応じて書き込み介しコマンドや書き込み終了コマンドを用い、あるいはウエイト時間を設定する等により、よりスムーズに設定処理を実行することができる。
【0063】
なお、データ通信に有線を用いる場合は、
図6に示す設定シーケンスを実行する前に、ホストシステム5と制御部12との間で物理的な接続を行うものとする。また、ホストシステム5は、直接スイッチング電源装置1を制御することはないため、交流電源3や定電流負荷2とスイッチング電源装置1とを接続した動作を行う前に、ホストシステム5や信号伝送部4は、スイッチング電源装置1と物理的に切り離されるものとする。
【0064】
図7に本実施形態に係るパラメータ生成装置の動作がフローチャートで示されている。以下、
図7のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係るパラメータ生成装置(ホストシステム5)の動作について詳細に説明する。
【0065】
まず、入力部53により提供されるUI操作画面に基づくユーザによる「端子選択釦」の操作があり(ステップS201“YES”)、かつ、「接続操作釦」の操作があり(ステップS202“YES”)、このことが入力部53を介して通知された処理部52は、スイッチング電源装置1の制御部12に対して現在の設定状態を読み込むリードコマンド(設定状態読み込みコマンド)を送信する(ステップS203)。処理部52は、リードコマンドに対する応答としてスイッチング電源装置1の制御部12から現在の設定状態を示すリードデータを受信すると(ステップS204“YES”)、現在のスイッチング電源装置1の設定状態に関するリードデータに基づき表示データを生成して入力部53に引き渡す(ステップS205)。
【0066】
これを受けて入力部53は、スイッチング電源装置1の現在の設定状態を画面に表示する。続いて、入力部53は、プルダウンメニューによる出力仕様、入力仕様、そして、保護仕様に関するユーザによる設定選択操作の有無を監視する(ステップS206)。ここで、これら仕様変更情報に関する選択設定入力があり(ステップS206“YES”)、続いて「確定操作釦」537の操作を検知すると(ステップS207“YES”)、入力部53は、取り込んだ仕様設定情報を処理部52に引き渡す。処理部52はその仕様設定情報と共にスイッチング電源装置1(制御部12)にライトコマンド(仕様変更書き込みコマンド)を送信する(ステップS208)。
【0067】
仕様変更書き込みコマンドを受信したスイッチング電源装置1(制御部12)は、その仕様設定情報に基づき設定状態を変更するように、制御回路122による制御の下、記憶回路121に記憶されてある設定状態の更新を行う。以降、帰還回路123は、定電流負荷2に供給される直流電流の検出結果に応じた帰還量を確定して制御回路122に出力し、これを受けた制御回路122は、その帰還量と、記憶回路121に記憶された制御パラメータとに基づいて、定電流負荷2に供給される直流電流が定電流となるように電力変換部11(コンバータ回路114)が内蔵するスイッチング素子のスイッチング動作のための駆動パルスを生成し、帰還回路123経由でコンバータ回路114に出力する。
【0068】
続いて、ホストシステム5は、上記したライトコマンドに対する応答として制御部12から変更設定情報に関するライトデータを受信すると(ステップS209“YES”)、処理部52は、そのライトデータをベリファイにより確認し(ステップS210)、入力部53に制御パラメータ設定の結果表示(設定OK/NG、および設定状態)を行ない(ステップS211)、制御パラメータ設定処理の一連の動作が終了する。
【0069】
上記した各釦の操作は、PCに接続された画面上に表示される釦をマウス等のポインティングデバイスを用いて選択する方法の他、画面上に表示される釦や制御パラメータ設定のための機器に操作可能に配置された釦を直接押下する方法等によって行なわれる。
【0070】
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係る電源装置システム600によれば、スイッチング電源装置1は、定電流負荷2に供給される直流電流を検出するとともに、ホストシステム5により生成される制御パラメータを記憶し、検出された直流電流と記憶した制御パラメータとに基づいて、定電流負荷2に供給される直流電流が定電流となるようにスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する。このため、スイッチング電源装置1は、内蔵するスイッチング素子の制御を、記憶した制御パラメータを用いて実行することができ、したがって、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの変更を伴わずに特性や仕様変更が可能になる電源装置システム600を提供することができる。
【0071】
また、本実施形態に係るスイッチング電源装置1によれば、制御部12が、定電流負荷2に供給される直流電流を検出するとともに、ホストシステム5により生成される制御パラメータを記憶し、検出された直流電流と記憶した制御パラメータとに基づいて、負荷に供給される直流電流が定電流となるように電力変換部11(コンバータ回路114)が内蔵するスイッチング素子のスイッチング動作を行う駆動パルスを生成する。このため、スイッチング素子の制御を、記憶した制御パラメータを用いて実行することができ、したがって、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの変更を伴わずに特性や仕様変更が可能になるスイッチング電源装置1を提供することができる。
【0072】
本実施形態に係るパラメータ生成装置(ホストシステム5)によれば、処理部52は、入力部53によって取り込まれた仕様設定情報をスイッチング電源装置1に制御パラメータとして設定するにあたり、信号伝送部4を経由したスイッチング電源装置1との間の信号伝送経路を確定させる処理と、制御パラメータをスイッチング電源装置1に設定する処理と、当該設定した制御パラメータを確定する処理とにより、設定シーケンスの実行を行う。このため、制御パラメータが設定され、設定シーケンスの実行がなされたスイッチング電源装置1では、確定した制御パラメータを用いて電力変換部11(コンバータ回路114)が内蔵するスイッチング素子の制御を行うことが出来、したがって、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの変更を伴わずに特性や仕様変更が可能になる。
【0073】
なお、本実施形態に係るプログラムは、例えば、
図1に示されるように、パラメータ生成装置(ホストシステム5)によって実行され、交流電源3から供給される交流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により所定の直流電流に変換して負荷(定電流負荷2)に供給するスイッチング電源装置1とは信号伝送部4を経由して接続され、少なくとも前記負荷に供給される直流電流と前記交流電圧とのいずれか一方に対応した制御パラメータを生成するパラメータ生成装置5のプログラムである。そして、例えば、
図7に示されるように、PCに接続されたディスプレイ等に表示される操作選択情報に基づきPCに入力される、前記負荷に供給される直流電流に基づく出力仕様と前記交流電源3から供給される交流電圧に基づく入力仕様のうちの少なくとも一つの仕様設定情報を取り込む入力処理(ステップS201〜S207)と、前記取り込まれた仕様設定情報に基づき、前記信号伝送部を経由した前記スイッチング電源装置1との間の信号伝送経路を確定させ、前記取り込まれた仕様設定情報を前記スイッチング電源装置1に制御パラメータとして設定し、当該設定した制御パラメータを確定する設定シーケンス実行処理(ステップS208〜S211)と、を実行させる。
【0074】
本実施形態に係るプログラムによれば、パラメータ生成装置(ホストシステム5)は、当該プログラムを逐次読み出し実行することにより、PCに接続されるディスプレイ等に表示される操作選択情報に基づきPCに入力される、定電流負荷2に供給される直流電流に基づく出力仕様と交流電源3から供給される交流電圧Vacに基づく入力仕様のうちの少なくとも一つの仕様設定情報を取り込み、ここで取り込まれた仕様設定情報に基づき、信号伝送部4を経由したスイッチング電源装置1との間の信号伝送経路を確定させ、取り込まれた仕様設定情報をスイッチング電源装置1に制御パラメータとして設定し、当該設定した制御パラメータを確定する処理を実行する。このため、制御パラメータが設定され設定シーケンスの実行がなされたスイッチング電源装置1では、確定した制御パラメータを用いて内蔵するスイッチング素子の制御を行うことが出来、したがって、回路の構成や部品の定数等のハードウェアの変更を伴わずに特性や仕様変更が可能になる。
【0075】
なお、本実施形態に係る電源装置システム600によれば、負荷がLED等の定電流負荷2を前提とした定電流制御のスイッチング電源装置1を使用すること構成として説明したが、定電圧制御のスイッチング電源装置や定電力制御のスイッチング電源装置にも同様の構成と方法の適用が可能である。
【0076】
また、本実施形態に係る電源装置システム600によれば、可視化された操作選択情報に基づいて制御パラメータの基となる仕様設定情報を選択して入力する構成として説明したが、ユーザによる操作の援助や設定シーケンスの実行状態の報知などを目的として、可聴情報(音声情報)の生成や発生を行なう構成や方法を伴っても良い。
【0077】
更に、本発明は、定電流制御のスイッチング電源装置では出力電流を、定電圧制御のスイッチング電源装置では出力電圧を、定電力制御のスイッチング電源装置では出力電力を、それぞれ変更可能な機能を有することを妨げない。すなわち、例えば、定電流制御のスイッチング電源装置がLED等の定電流負荷を光源とする照明装置を駆動する場合に、出力電流を変化させてLED等の発光量を制御する調光機能を有しても良い。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。