(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のユーザ端末は、所定のゲームを提供するゲーム端末として機能する可能性がある。そして、このようなユーザ端末は、ユーザの移動に伴って配置される場所が変化し得る。また、場所の変化に応じて、ユーザの周囲の環境も変化する。さらに、周囲の環境の変化は、ユーザの生活に直接関係しているため、ユーザの心理に与える影響も大きい。したがって、このようなユーザの生活に関連する周囲の環境の変化をゲームに反映することにより、ゲームの興趣性を向上させる余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、各ゲーム端末が属する地域に関連する地域特性をゲームに反映することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ゲームを提供する複数のゲーム端末(4)に通信回線(3)を介して接続されるサーバ装置(2)と、各ゲーム端末の属する地域に関連付けられる地域特性の情報をゲーム端末毎に取得する情報取得手段(10)と、前記地域特性の情報に基づいて前記ゲーム中に所定の変化が付与されるように、前記情報取得手段によって取得された前記地域特性の情報を各ゲーム端末に提供する情報提供手段(10)と、を備えている。
【0007】
本発明のゲームシステムによれば、各ゲーム端末の属する地域に関連付けられる地域特性の情報が各ゲーム端末に提供される。また、その地域特性に基づいて所定の変化がゲーム中に付与される。つまり、各ゲーム端末が属する地域に関連する地域特性をゲームに反映することができる。地域特性は、地域に関連づけられているので、ユーザの生活に関連する場合が多い。したがって、地域特性をゲームに反映することにより、ユーザの生活に関連する情報をゲームに反映することができる。また、地域特性への関心を向上させることもできる。これらにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。なお、地域特性の情報とは、例えば、地域に固有の植物、生物、産品等に関連する情報を意味する。さらに、地域特性の情報は、時間の経過に応じて変化する地域環境の情報を含んでいる。そして、地域環境の情報とは、例えば、天気、昼及び夜等の時間帯、大気、気温、季節等の情報を意味する。
【0008】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記情報提供手段は、少なくとも2つのゲーム端末が一つのグループに含まれるように各ゲーム端末がグループ化されている場合に、同一グループに属する2つのゲーム端末のうちの一方のゲーム端末の地域特性の情報が他方のゲーム端末のゲームに反映されるように、前記一方のゲーム端末の地域特性の情報を前記他方のゲーム端末に提供してもよい。この場合、グループ内の一方のゲーム端末の地域特性が他方のゲームに反映される。したがって、地域特性の情報が異なっている方がゲームに付与される変化の効果は大きい。これにより、異なる地域特性のゲーム端末間におけるグループ化を促すことができる。さらに、グループ間に関係を形成することができるので、グループ内の各ゲーム端末のプレイヤ間における協力プレイ等、チームプレイを促すことができる。
【0009】
各ゲーム端末がグループ化される態様において、前記情報提供手段は、前記他方のゲーム端末に当該他方のゲーム端末及び前記一方のゲーム端末の両方の地域特性の情報が反映されるように、前記他方のゲーム端末及び前記一方のゲーム端末の両方の地域特性の情報を前記他方のゲーム端末に提供してもよい。この場合、グループ内のゲーム端末数が多いほど、ゲームに反映される地域特性の情報の種類も多い。また、地域特性の情報の種類が多いほど、ゲーム中に付与される変化のバリエーションも増える。したがって、よりグループ化を促すことができる。また、グループ内の各ゲーム端末が相互に地域特性の情報を提供し合っているため、よりチームプレイを促すことができる。これにより、同一グループに属する各ゲーム端末のプレイヤ間の連帯感を高めることができる。
【0010】
一方、各ゲーム端末がグループ化される態様において、前記情報提供手段は、前記一方のゲーム端末の地域特性の情報が前記他方のゲーム端末に、前記他方のゲーム端末の地域特性の情報が前記一方のゲーム端末に、それぞれ反映されるように、前記一方のゲーム端末及び前記他方のゲーム端末に互いの地域特性の情報を入れ替えて提供してもよい。この場合、自己の属する地域の地域特性ではなく、同一グループの他のゲーム端末の属する地域の地域特性をゲームに反映することができる。これにより、ゲーム中に予想外の変化を付与することができる。
【0011】
さらに、各ゲーム端末がグループ化される態様において、各ゲーム端末は、前記ゲームの進行状況に関する進行条件に基づいて、ランダムにグループ化されていてもよい。この場合、例えば、ゲームの進行が類似するゲーム端末同士を同一グループにすることができる。これにより、よりチームプレイに適したグループを形成することができる。また、ランダムにグループ化されるので、同一グループに同じ地域特性を持つゲーム端末が属することを抑制することができる。
【0012】
地域特性の情報として、各種の情報が利用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記地域特性の情報として、時間の経過に応じて変化する地域環境の情報が利用されていてもよい。また、この態様において、前記地域環境の情報として、天気に関する情報が利用されていてもよい。
【0013】
本発明の制御方法は、ゲームを提供する複数のゲーム端末(4)に通信回線(3)を介して接続されるサーバ装置(2)を備えるゲームシステム(1)に適用され、各ゲーム端末の属する地域に関連付けられる地域特性の情報をゲーム端末毎に取得する情報取得手順と、前記地域特性の情報に基づいて前記ゲーム中に所定の変化が付与されるように、前記情報取得手順によって取得された前記地域特性の情報を各ゲーム端末に提供する情報提供手順と、を備えている。
【0014】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、ゲームを提供する複数のゲーム端末(4)に通信回線(3)を介して接続されるサーバ装置(2)を備えるゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(10)を、各ゲーム端末の属する地域に関連付けられる地域特性の情報をゲーム端末毎に取得する情報取得手段、及び前記地域特性の情報に基づいて前記ゲーム中に所定の変化が付与されるように、前記情報取得手段によって取得された前記地域特性の情報を各ゲーム端末に提供する情報提供手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法或いはコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上、説明したように、本発明によれば、各ゲーム端末が属する地域に関連する地域特性をゲームに反映することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムについて説明する。
図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の概要を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2を含んでいる。また、センターサーバ2には、通信回線としてのネットワーク3を介して、ゲーム端末としての複数のユーザ端末4が接続される。センターサーバ2は、一台の物理的装置によって構成されている例に限らない。例えば、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ2が構成されてもよい。更に、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0019】
ユーザ端末4は、センターサーバ2から配信されるゲームソフトフェアを実行することにより、ゲーム装置として機能するネットワーク端末装置の一種である。
図1に示すように、ユーザ端末4の一例として、携帯電話(スマートフォンを含む)4bやパーソナルコンピュータ4aが利用されてよい。また、ユーザ端末4として、例えば、その他にも携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のネットワーク端末装置が利用されてよい。さらに、ユーザ端末4には、Global Positioning System(以下、GPSという)用の受信機が搭載され、いわゆるGPS機能が設けられていてもよい。つまり、各ユーザ端末4は、衛星を利用して、自己の位置情報を取得可能に構成されていてもよい。また、本明細書において、ユーザがユーザ端末4を通じてゲームをプレイする場合に、当該ユーザを特にプレイヤと称すことが有る。
【0020】
ネットワーク3は、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネットと、LANとしてのイントラネットと、を組み合わせてネットワーク3が構成される。
図1の例では、センターサーバ2は、ルータ5を介してネットワーク3に接続されている。
【0021】
センターサーバ2は、ネットワーク3を介してユーザ端末4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスとして、例えば、ゲームに関する各種の情報を提供するゲーム情報サービスを提供する。また、Webサービスには、各ユーザ端末4に各種データ或いはアプリケーション(ゲームソフトウェアを含む)を配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスが含まれる。
【0022】
図2を参照して、ゲームシステム1について、更に説明する。
図2は、
図1のゲームシステム1の要部の構成を示す図である。
図2に示すように、センターサーバ2は、コンピュータとしての制御ユニット10と、記憶ユニット11と、を備えている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。
【0023】
記憶ユニット11は、制御ユニット10に接続されている。記憶ユニット11は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気テープ等の大容量記憶媒体により構成されている。記憶ユニット11には、サーバ用プログラム15が記憶されている。サーバ用プログラム15は、センターサーバ2がユーザ端末4に各種のサービスを提供するために必要なコンピュータプログラムである。制御ユニット10がサーバ用プログラム15を読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、Webサービス管理部17が設けられる。Webサービス管理部17は、上述のWebサービスを提供するために必要な処理を実行する。Webサービス管理部17は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0024】
また、記憶ユニット11には、サーバ用プログラム15の実行に伴って参照され得る各種のデータが記憶されている。このような各種のデータには、例えば、ID管理データ22、端末位置データ25、及び特性データ26が含まれる。これらのデータの詳細は、後述する。
【0025】
さらに、記憶ユニット11には、その他にもゲームアプリケーション及びゲームアプリケーション用のアプリケーションデータが記憶されていてもよい。そして、ゲームアプリケーションは、ゲームソフトウェアとしてユーザ端末4に配信されてもよい。ユーザ端末4は、ゲームアプリケーションを実行することにより、ゲームアプリケーションに対応するゲームを提供する。また、アプリケーション用データは、ゲームアプリケーションの実行に伴って参照されるべき各種データである。
【0026】
一方、ユーザ端末4は、制御ユニット30と、記憶ユニット31と、を備えている。制御ユニット30は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。また、記憶ユニット31は、ユーザ端末4に接続されている。記憶ユニット31は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、ハードディスク、フラッシュSSD(Solid State Drive)などにより構成されている。
【0027】
記憶ユニット31には、端末プログラム35及び端末用データが記憶されている。端末プログラム35は、ユーザ端末4が各種のサービスを提供するために必要なプログラムである。端末プログラム35が実行されることにより、制御ユニット30の内部には、Webサービス処理部36が設けられる。Webサービス処理部36は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。Webサービス処理部36は、例えば、ゲームを提供するために必要な各種の処理を単独で或いはWebサービス管理部17と協働して実行する。一方、端末用データは、端末プログラム35の実行に伴って参照されるべき各種のデータである。端末用データは、例えば、ID管理データ22、端末位置データ25、及び特性データ26を含んでいる。これらのデータは、例えば、必要に応じて適宜にセンターサーバ2からネットワーク3を通じて配信され、記憶ユニット31に記憶される。なお、記憶ユニット31には、ゲームを提供するためのゲームアプリケーション及びそのゲームアプリケーション用のアプリケーションデータも記憶されているが、それの図示は省略した。
【0028】
次に、ユーザ端末4で実行されるゲームについて説明する。ユーザ端末4では、各種のゲームアプリケーションを通じて各種のゲームが提供されてよい。また、ゲームは、有償で提供されてもよいし、無償で提供されてもよい。一例として、ユーザ端末4がアクションゲームを提供する場合について説明する。アクションゲームは、プレイヤがゲーム中のキャラクタを操作しつつ各種のミッションをクリアすることによりゲームを進行させるゲームである。また、ミッションがクリアされた場合には、各種の特典が付与されてもよい。そして、ユーザ端末4は、このようなアクションゲームとして、地域環境の情報としての天気の情報を使用するアクションゲームを提供する。具体的には、ユーザ端末4は、一例として、オプションの増減、有利な状況或いは不利な状況といった所定の変化が天気の情報に応じて付与されるアクションゲームを提供する。
【0029】
所定の変化の一例について更に説明する。例えば、アクションゲーム内において、プレイ中に増減するエネルギーが利用されている場合について説明する。エネルギーの量は、例えば、ゲーム中に有利な効果を付与する特定のオプションを選択するために所定量消費される。一方、エネルギー量は、例えば、プレイ時間(或いは有償でゲームが提供されている場合にはプレイに必要な対価の量)に応じて増加する。このような場合に、所定の変化の一例として、天気が晴れの地域に位置する各ユーザ端末4のプレイヤには、ゲーム中のエネルギーの増加速度が2倍、3倍といった具合に通常よりも早くなるという変化が付与される。これにより、通常よりも特定のオプションの使用が容易になる。つまり、晴れという天気の情報が有利な条件の付与に利用される。
【0030】
反対に、天気が雨の地域に位置する各ユーザ端末4のプレイヤには、不利な条件が付与されてもよい。例えば、不利な条件の一例として、通常ゲーム中で使用可能なオプションの選択ができなくなくなってもよいし、オプションの効果が弱まってもよい。例えば、ゲーム中のキャラクタが“火”を道具として使用可能な場合に、この道具が使用できなくなってもよいし、この道具の効果、例えば、ミッションクリアの障壁として登場する敵キャラクタに与えるダメージという効果が弱まってもよい。一方で、天気が台風の地域に位置する各ユーザ端末4は、さらに特別なオプションが付与されてもよい。例えば、このような特別なオプションとして、敵キャラクタに与えるダメージが通常よりも大きいオプション、つまり効果の大きいオプションが採用されてもよい。即ち、台風の地域に位置するユーザ端末4に限定して提供される特別なオプションが用意されていてもよい。このように、ユーザ端末4では、一例として、天気の情報に応じて所定の変化が付与されるアクションゲームが提供される。また、以下において、天気の情報に応じて付与される変化を特性と呼ぶ場合がある。例えば、“雨”に対応する変化を雨特性、若しくは“晴れ”に対応する変化を晴れ特性と呼ぶ場合がある。
【0031】
さらに、このアクションゲームは、チームプレイも可能に構成されていてよい。また、例えば、所定のグループ条件に基づいて少なくとも2台以上のユーザ端末4が一つのグループに含まれるようにグループ化された各グループが、このようなチームとして機能する。また、所定のグループ条件として、例えば、同じ天気に対応する各ユーザ端末4といった天気条件、近隣に位置する各ユーザ端末4といった位置条件、ランダムに選択された各ユーザ端末4といったランダム条件、或いは各プレイヤによって指定された各プレイヤが使用するユーザ端末4といった指定条件等が採用されてよい。また、ランダム条件が採用される場合において、更にゲームの進行状況に関する進行条件が追加されてもよい。つまり、例えば、同じミッションを実行中の各ユーザ端末4等、類似した進行状況のゲームを提供中の各ユーザ端末4がランダムにグループ化されてもよい。
【0032】
ランダム条件に基づいてグループ化され、同じグループに属する各ユーザ端末4のプレイヤが一つのチームとして機能する場合を一例として、チームプレイについて更に説明する。各グループに属するユーザ端末4がランダムに決定される場合には、地理的に離れて位置する各ユーザ端末4が同じグループに属する場合も生じ得る。このような場合、同じグループ内の各ユーザ端末4によって使用される天気の情報が相違する。つまり、同じグループ内でもゲーム中に付与される所定の変化の内容に差が生じる。結果として、ゲームのプレイ条件が同一グループ内においても相違する。
図3は、チーム内の各ユーザ端末4のプレイ条件の相違を説明するための説明図である。
図3に示すように、各グループに属するユーザ端末4がランダムに決定される場合には、一方の“A”というユーザ端末4が九州に位置し、他方の“B”というユーザ端末4が北海道に位置する場合も生じ得る。結果として、“A”ユーザ端末4が属する九州の天気は“雨”に該当し、“B”ユーザ端末4が属する北海道の天気は“晴れ”に該当する。この場合、例えば、“A”ユーザ端末4のゲーム中には雨特性に応じてオプションの制限等の不利な条件が付与される一方で、“B”ユーザ端末4のゲーム中には晴れ特性に応じてエネルギーの増加速度の上昇等の有利な条件が付与される。チームプレイでは、このような異なる条件下の各プレイヤが一つのチームとして協力してゲームを進行させる。
【0033】
チームプレイとして、例えば、ゲームの進行に必要な各ミッションをチーム内の各プレイヤで分担して実行する形態や、同一のミッションを協力して実行する形態が採用されてよい。さらに、チームプレイの一例として、同一グループ内の各ユーザ端末4のプレイ条件を相互に利用し合う形態が採用されてもよい。
図4を参照して、プレイ条件を相互に利用し合う形態について説明する。
図4は、プレイ条件を相互に利用し合う形態のチームプレイを説明するための説明図である。また、
図4は、
図3に示す“A”ユーザ端末4及び“B”ユーザ端末4が属するグループを一例として示している。
図3及び
図4に示すように、一方のゲーム端末としての“A”ユーザ端末4及び他方のゲーム端末としての“B”ユーザ端末4は、プレイ条件が異なっている。具体的には、“A”ユーザ端末4は雨特性が、“B”ユーザ端末4は晴れ特性が、それぞれゲーム中に付与される。そして、プレイ条件を相互に利用し合う形態では、グループ内の各ユーザ端末4間で他のユーザ端末4に付与される天気特性を相互に使用し合うことができる。
【0034】
具体的には、
図4に示すように、“A”ユーザ端末4の雨特性は“B”ユーザ端末4にも提供され、“B”ユーザ端末4の晴れ特性は“A”ユーザ端末4にも提供される。つまり、“A”ユーザ端末4は同チームに属する“B”ユーザ端末4の晴れ特性を、“B”ユーザ端末4は同チームに属する“A”ユーザ端末4の雨特性を、それぞれ使用することができる。即ち、プレイ条件を相互に利用し合う形態では、同グループ内の各ユーザ端末4が互いに天気特性を提供し合うという態様によりチームプレイが実現される。したがって、例えば、同グループ内に天気が台風の地域に属するユーザ端末4が存在する場合には、その台風到来の時期にゲームをプレイすることにより、晴れの地域に属するユーザ端末4のプレイヤは、ゲーム内において台風特性も使用することができる。このように、プレイ条件を相互に利用し合う形態では、同チーム内の各プレイヤは、相互の天気特性を互いに提供し合ってゲームを進行させる。
【0035】
次に、ID管理データ22、端末位置データ25、及び特性データ26の詳細について説明する。ID管理データ22は、ゲームシステム1で使用される各種のIDの対応関係が記述されたデータである。例えば、上述のユーザIDと各ユーザの情報との対応関係がID管理データ22に記述される。また、各ユーザIDと各ユーザ端末4を識別するための端末IDとの対応関係が記述されていてもよい。その他にもID管理データ22は、例えば、グループIDに基づいて各グループに含まれるユーザ端末4を管理するグループ管理データを含んでいてもよい。
【0036】
端末位置データ25は、各ユーザ端末4の位置を管理するためのデータである。
図5は、端末位置データ25の内容の一例を示す図である。
図5に示すように、端末位置データ25は、例えば、端末ID、都道府県、及び天気の情報を含んでいる。端末位置データ25は、これらの情報が互いに関連付けられて記述されたレコードの集合である。端末IDは、上述のように各ユーザ端末4を識別するための情報である。端末IDの一例として、ユーザ端末4毎にユニークな数字が使用される。都道府県は、各ユーザ端末4が位置する都道府県を示す情報である。都道府県の情報は、例えば、ユーザ端末4にGPS機能が搭載されている場合には、そのGPS機能によって算出される位置情報に基づいて取得される。具体的には、都道府県の情報は、例えば、算出された位置情報が対応する都道府県に基づいて取得される。或いは、各ユーザが登録した都道府県の情報に基づいて取得されてもよい。天気は、“雨”、“晴れ”といった各都道府県の天気を示す情報である。天気の情報は、例えば、ユーザ端末4が天気の情報を所有している場合には、各ユーザ端末4から取得される。一方、各ユーザ端末4が天気の情報を所有していない場合には、都道府県の情報に基づいて、例えば、天気の情報を提供する他のサーバ等から取得される。
【0037】
特性データ26は、天気の特性、つまりゲーム中に付与されるべき所定の変化と天気との関係を定義するためのデータである。即ち、天気の種類に応じて付与されるべき変化が特性データ26によって定義される。
図6は、特性データ26の内容の一例を示す図である。
図6に示すように、特性データ26は、特性ID、天気及び特性の情報を含んでいる。特性データ26は、これらの情報が互いに関連付けられて記述されたレコードの集合である。特性IDは、天気と特性とを関連付けるための各レコードを管理するための情報である。特性IDの情報として、例えば、レコード毎、つまり天気及び特性の組み合わせ毎にユニークな数字が使用される。天気は、端末位置データ25の天気と同様の情報である。特性は、エネルギーの増加速度の上昇、特別なオプションの選択許可等といった具体的な変化の内容を示す情報である。特性データ26では、これらの情報が互いに関連付けられるように記述されることにより、所定の変化と天気との関係が定義されている。なお、特性データ26は、ID管理データ22の一部として機能してもよい。
【0038】
次に、情報提供処理について説明する。情報提供処理は、プレイ条件を相互に利用し合う形態のチームプレイを実現するために実行される。より具体的には、情報提供処理は、同一グループ内の各ユーザ端末4が互いの天気特性を相互に使用するために必要な処理として実行される。
図7は、情報提供処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。
図7のルーチンは、例えば、Webサービス管理部17を通じて制御ユニット10によって実行される。また、
図7のルーチンは、例えば、プレイ条件を相互に利用し合う形態のチームプレイを希望する所定の操作が実行される毎に実行される。なお、センターサーバ2の制御ユニット10及びユーザ端末4の制御ユニット30は、その他にもそれぞれ単独で或いは互いに協働してアクションゲームを提供するために必要な各種の周知な処理を実行するが、それらの詳細な説明は省略する。
【0039】
図7のルーチンを開始すると、Webサービス管理部17は、まずステップS11において、チームプレイを希望する操作が実行されたユーザ端末4(以下、対象のユーザ端末4と呼ぶことがある。)が属するグループを判別する。この判別は、例えば、グループ管理データに基づいて実行される。続くステップS12において、Webサービス管理部17は、ステップS11で判別したグループに属する各ユーザ端末4の天気の情報を取得する。具体的には、Webサービス管理部17は、端末位置データ25を参照し、各ユーザ端末4の端末IDに対応する天気の情報を取得する。なお、端末位置データ25は、ユーザ端末4にGPS機能が設けられている場合には、ユーザ端末4の位置の変化に応じて所定の周期で更新されてよい。また、ステップS12において、Webサービス管理部17は、まず端末位置データ25を生成する処理を実行し、生成した端末位置データ25から天気の情報を取得してもよい。
【0040】
次のステップS13において、Webサービス管理部17は、ステップS11で判別したグループに属する各ユーザ端末4の天気特性を特定する。この特定は、特性データ26に基づいて実行される。具体的には、Webサービス管理部17は、特性データ26を参照し、ステップS12で取得した各ユーザ端末4の天気の情報に対応する天気特性を特定する。このようにして、ステップS11で判別したグループに属する各ユーザ端末4の天気特性が特定される。続くステップS14において、Webサービス管理部17は、ステップS13で特定した各ユーザ端末4に対応する天気特性の情報を対象のユーザ端末4に提供する。これにより、対象のユーザ端末4には、同一グループに属する他のユーザ端末4の天気特性の付与が許可される。つまり、対象のユーザ端末4のゲーム中には、同一グループに属する他のユーザ端末4の天気特性を付与するという選択肢が追加される。したがって、対象のユーザ端末4のプレイヤは、同一グループに属する他のユーザ端末4の天気特性に対応する変化を状況に応じてゲーム中に付与することができる。
【0041】
以上に説明したように、この形態によれば、ユーザ端末4が属する地域の天気の情報に基づいてゲーム中に所定の変化が生じる。つまり、天気の情報をゲームに反映することができる。天気は、ユーザの生活に直接関連し、心理面にも影響を与え易い。したがって、天気の情報を変化の付与に利用することにより、ユーザの生活に関連する情報をゲームに反映することができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0042】
さらに、例えば、プレイ条件を相互に利用し合う形態のチームプレイでは、同一グループ内の各ユーザ端末4の天気特性が相互に提供され合う。したがって、チームプレイを通じて各プレイヤの連帯感を向上させることができる。また、各グループに属するユーザ端末4がランダムに選択される場合には、天気条件或いは位置条件等に比べて、同じ天気特性のユーザ端末4が同一グループに属するケースを抑制することができる。つまり、異なる天気特性のユーザ端末4を含むグーループの形成を促進することができる。これにより、同一チームに属する各プレイヤは、異なる天気特性をゲーム中で使用することができる。つまり、同一グループ内の他のユーザ端末4の天気特性に基づいて、ゲームに付与可能な変化のバリエーションを増やすことができる。これにより、チームプレイを促進することができる。結果として、ゲームの興趣性を更に向上させることができる。
【0043】
以上の形態において、センターサーバ2の制御ユニット10が、Webサービス管理部17を通じて
図7のルーチンを実行することにより本発明の情報取得手段及び情報提供手段として機能する。
【0044】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、例えば、同一グループに属する2台のユーザ端末4には、それぞれに両方のユーザ端末4の天気の情報が提供されている。そして、一方のユーザ端末4によって、自己及び他方のユーザ端末4の両方の天気特性が使用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、同一グループに属する2台のユーザ端末4のうち一方には他方の天気の情報が、他方には一方の天気の情報が、それぞれ相互に入れ替えられて提供されてもよい。そして、一方のユーザ端末4では他方の天気特性が、他方のユーザ端末4では一方の天気特性が、それぞれ使用されてよい。この場合、各ユーザ端末4のゲームには、自己の属する地域の天気特性ではなく、他の地域の天気特性が反映される。他の地域の天気は、自己の生活との関連が低い。このため、他の地域の特性をゲーム中に反映することにより、予想外の変化を付与することができる。したがって、この場合もゲームの興趣性を向上させることができる。
【0045】
上述の形態では、ユーザ端末4が属する地域として、都道府県の単位が利用されている。しかし、ユーザ端末4が属する地域の単位は、都道府県に限定されない。例えば、ユーザ端末4が属する地域の単位として、関東、東北等、都道府県を基準に分類される単位が採用されてもよい。或いは、都道府県よりも小さい市町村単位が採用されてもよい。つまり、天気の情報が取得できる限りにおいて、ユーザ端末4が属する地域は適宜の単位で設定されてよい。
【0046】
上述の形態では、天気の情報がゲームに反映されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、昼及び夜等の時間帯、大気、気温、季節といった時間の経過に応じて変化する地域環境の情報がゲームに反映されてもよい。さらに、例えば、沖縄県のサンゴ等、地域の特徴的もの、或いは固有の植物、生物、産品等といった時間の経過に応じて変化しない地域特性の情報がゲームに反映されてもよい。
【0047】
上述の形態では、ユーザ端末4が提供するゲームとして、アクションゲームが採用されている。しかし、ユーザ端末4が提供するゲームは、このような形態に限定されない。天気の情報等、地域特性の情報が反映される限り、例えば、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム等の各種のゲームがユーザ端末4によって提供されてよい。
【0048】
また、上述の形態では、ゲーム端末としてユーザ端末4が採用されている。しかし、ゲーム端末は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム端末として、業務用のゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機等、適宜の形態が採用されてよい。