特許第5830145号(P5830145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5830145無線通信方法、第1の端末装置および無線通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5830145
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】無線通信方法、第1の端末装置および無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04J 11/00 20060101AFI20151119BHJP
   H04L 27/01 20060101ALI20151119BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20151119BHJP
   H04J 13/18 20110101ALI20151119BHJP
【FI】
   H04J11/00 Z
   H04L27/00 K
   H04W72/04 131
   H04J13/18
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-174657(P2014-174657)
(22)【出願日】2014年8月29日
(62)【分割の表示】特願2013-24260(P2013-24260)の分割
【原出願日】2008年9月12日
(65)【公開番号】特開2015-29281(P2015-29281A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2014年8月29日
(31)【優先権主張番号】特願2007-236422(P2007-236422)
(32)【優先日】2007年9月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】浜口 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】窪田 稔
(72)【発明者】
【氏名】難波 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】藤 晋平
(72)【発明者】
【氏名】横枕 一成
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/114435(WO,A1)
【文献】 特開平09−107583(JP,A)
【文献】 特開2001−069072(JP,A)
【文献】 特表2006−523408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
H04J 13/18
H04L 27/01
H04W 72/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と無線通信を行う端末装置の無線通信方法であって、
前記基地局装置によって割り当てられたスロットを示す情報を受信するステップと、
受信した前記情報を、Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)方式を用いて復調するステップと、
前記基地局装置によって割り当てられた前記スロットを用いて、他の端末装置に、DFT-spread-OFDM(DFT−S−OFDM)方式でデータを送信するステップとを含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項2】
前記OFDM方式および前記DFT−S−OFDM方式は、前記基地局装置によって割り当てられる前記スロットの位置に応じて特定されることを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記スロットは、周波数サブチャネルと時間サブチャネルとから構成される割当単位であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項4】
基地局装置および第2の端末装置と通信を行う第1の端末装置であって、
前記基地局装置によって割り当てられたスロットを示す情報を受信する受信部と、
受信した前記情報を、Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)方式を用いて復調する復調部と、
前記基地局装置によって割り当てられた前記スロットを用いて、前記第2の端末装置に、DFT-spread-OFDM(DFT−S−OFDM)方式でデータを送信する送信部とを備えることを特徴とする第1の端末装置。
【請求項5】
基地局装置と2つ以上の端末装置とを含む無線通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記端末装置毎に、データを送信するために割り当てたスロットを示す情報を送信し、
前記2つ以上の端末装置のうちの第1の端末装置は、
前記基地局装置から送信された前記情報を、Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)方式を用いて復調し、
前記基地局装置によって割り当てられた前記スロットを用いて、他の装置に、DFT-spread-OFDM(DFT−S−OFDM)方式でデータを送信することを特徴とする無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信方法、第1の端末装置および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代移動体通信システムの研究が盛んに行われ、システムの周波数利用効率を高めるための方式として、各セルが同じ周波数帯域を使用する1周波数繰り返しセルラシステムが提案されている。
【0003】
下りリンク(基地局装置から移動局への通信)においては、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数多元接続)方式が最も有力な候補となっている。OFDMA方式は、情報データに64QAM(64-ary Quadrature Amplitude Modulation:64値直交振幅変調)やBPSK(Binary Phase Shift Keying:2相位相変調)などの変調をかけたOFDM信号を用いて、時間軸と周波数軸で構成されるアクセス単位であるスロットを複数の移動端末装置で分割して通信を行うシステムである。OFDM信号を使用するため、非常にPAPR(Peak to Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)が高くなることがある。送信電力増幅機能に比較的余裕のある下りリンクの通信においては、高いピーク電力がそれほど大きな問題とはならないが、送信電力増幅機能に余裕のない上りリンク(移動局から基地局装置への通信)では大きな問題となってしまう。
【0004】
また、1セル繰り返しで生じる干渉の影響を低減するため、1つのデータを複数のキャリアに分散し(この作業を「拡散」と称する。)、複数のデータを多重して(多重するため直交符号を用いてデータを拡散する)送信するCDM−OFDM方式が検討されている。CDM―OFDM信号を生成する際、直交符号を用いると、理想的には受信機でデータの分離が可能であり、基地局固有のスクランブル符号を使用することで、干渉をも拡散できると言われている。
【0005】
下記非特許文献1は、CDM―OFDM(文献中では「OFCDM」と記載されている。)について開示されている。非特許文献1によると、孤立セルでは干渉の影響が少ないため、周波数領域での拡散を使用しない方がスループット特性はよく、1周波数繰り返しシステムのような干渉の影響が大きい環境では周波数領域での拡散を行った方が特性がよいとされている。
【0006】
一方、下記特許文献1では、アクセス方式を切り替える方式が提案されている。ここで示される方式はマルチキャリア方式とシングルキャリア方式を切り替える方式である。この方式は原則として上りリンクを対象としており、高い送信電力が必要な場合は、シングルキャリア方式を、低い送信電力が必要な場合はOFDM方式を選択することを想定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−151059号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】IEICE TRANS. COMMUN., VOL.E86-B, NO.1 JANUARY 2003 “Variable Spreading Factor-Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing (VSF-OFCDM) for Broadband Packet Wireless Access”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記非特許文献1では、通信環境を考慮してCDM−OFDMシステムにおける拡散率を変える方式が提案されている。しかしながら、信号のPAPR特性を考慮していないため、サービスエリアを広げることについては問題が残る。
【0010】
また、特許文献1では、アクセス方式をシングルキャリア方式とマルチキャリア方式を切り替えることでPAPR特性の影響を軽減することが記載されているが、2段階の切り替えであることから、通信特性の変化が大きいという問題点がある。
【0011】
シングルキャリア通信では、通信帯域が広くなると周波数選択性フェージングの影響を受け特性が劣化する。従って、使用する周波数帯域が広い通信システムでは、特性の劣化が顕著になり、スループットが落ちてしまうといった問題がある。すなわち、セルラシステムにおける下りリンクの通信において、PAPR特性の点からはサービスエリアを広げることは可能であるが、特性劣化の影響が広いエリアにわたるという問題がある。
【0012】
本発明は、このような問題点を鑑みなされたものであり、CDM−OFDM方式おいて、PAPR特性を考慮し、かつ、特性劣化を最小限に抑えながらサービスエリアを広くする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、基地局装置と無線通信を行う端末装置の無線通信方法であって、前記基地局装置によって割り当てられたスロットを示す情報を受信するステップと、受信した前記情報を、第1の通信方式を用いて復調するステップと、前記基地局装置によって割り当てられた前記スロットを用いて、他の端末装置に、第2の通信方式でデータを送信するステップとを含む。
また、本発明の他の態様は、基地局装置および第2の端末装置と通信を行う第1の端末装置であって、前記基地局装置によって割り当てられたスロットを示す情報を受信する受信部と、受信した前記情報を、第1の通信方式を用いて復調する復調部と、前記基地局装置によって割り当てられた前記スロットを用いて、前記第2の端末装置に、第2の通信方式でデータを送信する送信部とを備える。
また、本発明の他の態様は、基地局装置と2つ以上の端末装置とを含む無線通信システムであって、前記基地局装置は、前記端末装置毎に、データを送信するために割り当てたスロットを示す情報を送信し、前記2つ以上の端末装置のうちの第1の端末装置は、前記基地局装置から送信された前記情報を、第1の通信方式を用いて復調し、前記基地局装置によって割り当てられた前記スロットを用いて、他の装置に、第2の通信方式でデータを送信する。
また、本発明の他の態様は、基地局装置と2つ以上の端末装置とを含む無線通信システムであって、前記基地局装置は、前記2つ以上の端末装置のうち、少なくとも第1の端末装置および第2の端末装置に割り当てた、データ送信のために使用するスロットを示す情報を送信し、前記第1の端末装置および前記第2の端末装置から、前記各端末装置に割り当てた前記スロットを用いて送信されたデータを受信し、前記第1の端末装置と前記第2の端末装置それぞれに割り当てられた前記スロットは、同一の周波数サブチャネルと異なる時間サブチャネルとから構成されるスロットである。
また、本発明の他の態様は、2以上のスロットを含むフレームを用いて複数の端末装置と通信を行う基地局装置であって、前記複数の端末装置は、少なくとも第1の端末装置と第2の端末装置を含み、前記第1の端末装置と前記第2の端末装置に対し、前記スロットの構成を示す情報を送信する送信部備えて、前記スロットの構成を示す情報は、前記端末装置毎に異なる情報である。
【0014】
また、これらの伝送方法や送信装置における各機能をコンピュータなどのマイコンに実行させるためのプログラムも本発明の範疇に入るものであり、このプログラムを実行させるためのマイコンで読みとり可能なプログラムを記憶した記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0015】
高い送信電力が必要な端末に対しては、回転直交符号を用い、高いSFで送信することで、信号を歪ませることなく通信ができる。必要となる送信電力に応じてSFを変えることにより、通信が広帯域になることによる特性劣化を最小限に抑えながら、より柔軟な通信を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A図1Aは、高出力アンプの入出力電力特性の例を示す図である。
図1B】本発明の一実施の形態による通信技術に用いられる送信装置の一例を示す機能ブロック図である。
図2図1Bにおける可変SF拡散部3の詳細を示す機能ブロック図の一例を示す図である。
図3図2に示す拡散部の動作例を示す模式図である。
図4】サブキャリア総数が64の場合におけるSF毎のPAPR特性を示す図である。
図5】可変SF拡散部について、回路規模を削減した構成例を示す図である。
図6】受信機のブロック構成の一例を示す図である。
図7図6に示す可変SF逆拡散部68において、IDFTを用いる場合を示す図である。
図8】本発明の第2の実施の形態による送信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
図9】本実施の形態による受信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
図10】本実施の形態による送信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
図11】連続したサブキャリアに割り当てる場合と、4サブキャリアずつグルーピングを行う場合のサブキャリア割り当て例について示す図である。
図12】全体のサブキャリア数をこれまでの例と同様に64とし、使用するサブキャリア数を32とした場合のグルーピングするサブキャリア数によるPAPR特性を示す図である。
図13】本実施の形態による受信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
図14】本実施の形態において使用するフレームフォーマットの一例を示す図である。
図15】セルを3つの領域、A、B、Cに分割し、通信を行う場合のセル配置の一例を示す図である。
図16】時間干渉コーディネーションを行う場合の各セクタにおける送信電力の変化を示す図である。
図17】DFT−s−OFDMの送信機の一構成例を示す機能ブロック図である。
図18】中継を行う場合のフレームフォーマット例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の本発明の実施の形態による通信技術は、可変拡散率(以下、拡散率をSF:Spreading Factorと称する。)の符号分割多重(Code Division Multiplexing:CDM)マルチキャリア通信方式として、MC−CDM(Multi-Carrier CDM)を例にして説明する。マルチキャリア方式としては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を例にしているため、本明細書中では、CDM−OFDMと称する場合もある。OFDM信号のサブキャリア総数を64として説明する。SFとしては1(通常のOFDM)、4、16、64が使用可能であるとして説明する。SFとは、1つのデータを送信するに当たり、いくつのサブキャリアを使用するかということを意味する。また、以下に示す実施の形態では、特に限定をしない限りSFと同じ数のデータ多重する(SFと同じ数の直交符号を使用する)場合を示す。また、本実施の形態では、特に断りのない限り、一般的に言われる基地局から移動局への通信である下りリンクでの通信をイメージしている。
【0018】
以下、本発明の第1の実施の形態による通信技術について図面を参照しながら説明を行う。本発明の第1の実施の形態では、ローカルエリアのサービスが前提となる。ローカルエリアのサービスでは、干渉の影響をあまり考慮する必要はない。これは非特許文献1にも干渉の影響は少ないことが記載されており、SFを1、即ち通常のOFDM信号を使用することが最も高いスループットを得ることができる方法であると記されている。SFを1に設定できる要因として、基地局では高出力アンプの線形性が高く保てることを前提としており、PAPR(Peak to Average Power Ratio:最大瞬時電力対平均電力比)が高いOFDM信号を歪みなく送信できると仮定している。アンプによる信号の歪みについて、図1Aを参照しながら説明を行う。
【0019】
図1Aは、高出力アンプの入出力電力特性の例を示す図である。図1Aにおいて、横軸が入力電力、縦軸が出力電力である。また、図1A中の太い矢印が信号の瞬時入力電力の変化を示している。アンプの線形性が高いとは、図1Aにおいて、アンプへの入力平均電力をI1としたような場合を指す(以後、このような領域を「線形領域」と称する)。すなわち、入力信号のいかなる瞬時入力電力に対しても、一定の利得が得られるという意味である。それに対して、アンプへの入力平均電力をI2にしたような場合は、瞬時入力電力変動に対し一定の利得が得られない(瞬時入力電力が高いときには、瞬時入力電力が低いときに比べて利得が少なくなる)。これにより信号が歪んだり、帯域外に信号が漏れこんだりすることが問題となる(以後、このような領域を「非線形領域」と称する)。
【0020】
これまでは、通信では、非特許文献1に示されるように、基地局では、信号は歪まない、即ち、線形処理であると仮定して議論が行われてきた。しかしながら、1つの基地局あたりのサービスエリアを広くすることを考えると、更に送信電力を上げることが必要であり、アンプの性能改善を図るには限界があるため、非線形領域で動作させることを考慮しなくてはならない。非線形領域での動作を可能にするためには、信号のPAPR、すなわち、図1Aにおける太い矢印の変動範囲を低く抑えることが重要となる。通常のOFDM信号方式は、この太い矢印の領域が広い信号を用いており、アンプの非線形動作に弱い方式として知られている。
【0021】
図1Bは、本発明の一実施の形態による通信技術に用いられる送信装置の一例を示す機能ブロック図である。図1Bにおいて、符号1はデータの符号化を行う符号化部であり、符号2はBPSKなどの変調を行う変調部(ここでの変調を1次変調と称する場合がある)である。符号3は制御部10からの制御情報Aにより、可変SFにて拡散を行う可変SF拡散部であるが詳細については後述する。符号4は拡散部の出力に対してIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform:逆離散フーリエ変換)を行うIDFT部である。もちろん、一般的にはIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)が使用されることが多い。符号5はガードインターバル(Guard Interval:GI)挿入部であり、このGIは、OFDM信号ではシンボル間干渉の影響を軽減するため、殆どのシステムで使用されている。符号6はGI挿入部5の出力をシリアルデータ列に変換するパラレル/シリアル(P/S)変換部である。符号7はディジタルデータをアナログデータに変換するディジタル/アナログ(D/A)変換部である。符号8はアナログ信号を送信する周波数帯域に変換し、適切な送信電力に制御した後、アンテナから信号を送信するRF部である。このRF部8には出力電力を調整する可変利得アンプ85と前述の高出力アンプ86とが含まれる。そして符号10が制御部であり、可変SFを決定するための制御情報Aを生成し、可変SF拡散部3、RF部8に入力するように構成されている。制御情報Aにおいては、必要となる送信電力に応じてSFを変更する。
【0022】
図2は、図1Bにおける可変SF拡散部3の詳細を示す機能ブロック図の一例を示す図である。図2において、符号31から符号33までは、入力されるデータをシリアルからパラレルに変換する第1から第3までのシリアル/パラレル変換部(S/P変換部)であり、符号34から符号36までは、データの拡散を行う第1から第3までの拡散部であり、符号37、符号38はデータの結合を行うデータ結合部であり、符号39は制御信号AによりSFを選択するデータ選択部である。第1から第3までのS/P変換部31から33までは、それぞれレートが異なり、第1のS/P変換部31では64のパラレルデータが、第2のS/P変換部32では16個、第3のS/P変換部33では4個のパラレルデータが出力される。第1から第3までの拡散部34から36では、それぞれのSFに応じて拡散が行われる。第1から第3までのデータ拡散部34から36の動作については、拡散部34を例にして後述する。
【0023】
ここでは、64サブキャリアを想定しているため、データ結合部37・38では、第2・第3の拡散部35、36の出力を複数連結し、64サブキャリア分のデータを作成する。第2の拡散部35の出力は16個であるため、データ結合部37で4個結合して64サブキャリアのデータを作成し、第3の拡散部36の出力は4個であるためデータ結合部38で16個のデータを連結し、64サブキャリアのデータを作成する。また、S/P変換部31の出力がそのまま、データ選択部39に入力されるケースがあるが、これは、SFが1、即ち通常のOFDM信号を生成する場合に相当する。データ選択部39では、制御信号Aに応じて、どのデータを使用するかを選択し、出力する。図2において信号の流れを示す矢印に付されている数値(4、16、64)は、一度に入出力されるデータ数である。
【0024】
図3は、図2に示す拡散部の動作例を示す模式図である。入力されるデータDkは、D1からD64までの複素データであり、Dk=ak+bkj(kはデータ番号)で表される。ここで、ak、bkは1次変調方式により決定される値であり、例えば1次変調方式がBPSKの場合、ak=±1であり、bk=0となる。また、j×j=−1である。
【0025】
本実施の形態では、CDMに用いる符合に回転直交符号を用いる。符合長Lの回転直交号Cm(mは符号の種類を示す添え字であり1からLまでの自然数)は、Cm=(ej×θ×(m−1)×0、ej×θ×(m−1)×1、…、ej×θ×(m−1)×(L−1))、θ=2×π/Lと表すことができる。
【0026】
図3には、L=64の場合の回転直交符号が示されている。入力されるDkはCmを構成する各要素と乗算される。ただし、簡単にするためにk=mとなる組を乗算するペアとしている。これにより、Dkが64個に拡散される。この64個に拡散された結果をそれぞれの要素ごとに加算し、拡散部の出力とする。この出力される信号をCMとした場合、CM=(Σm(am+bmj)×ej×θ×(m−1)×0、Σm(am+bmj)×ej×θ×(m−1)×1、…、Σm(am+bmj)×ej×θ×(m−1)×(L−1))となる。ただし、Σmはmに関する加算である。
【0027】
尚、図3では64拡散の例を示したが、図2に示される拡散部35では、L=16とした場合の拡散が、拡散部36ではL=4とした場合の拡散処理が行われる。そして可変SF拡散部では制御信号Aにより選択されたSFに基づく信号が選択されることになる。
回転直交符号を拡散に用いるメリットを示すために、図4にサブキャリア総数が64の場合におけるSF毎のPAPR特性を示す。図4において、横軸はPAPR(dB)、縦軸は信号が横軸のPAPR以上となる確率(%)である。但し、このデータは、信号の一部のパターンをシミュレーションにより算出した値である。また、CDM−OFDMの前に付されている数値がSFを示し、図中の四角のプロット点で示される特性がSF1(通常のOFDM)のPAPR特性、三角がSF4、丸がSF16、×がSF64の特性である。
【0028】
図4に示すグラフからわかるように、SFが大きくなるに従って、PAPR特性が改善される。例えば、PAPR特性が1%を基準として(グラフの縦軸が1のところ)、高出力アンプへの入力電力を設定すると考えた場合、通常のOFDM信号に対し、SFが4の場合0.3dB程度、16の場合1.3dB程度、64の場合3dB程度の余裕が生まれることになる。即ち、同じ高出力アンプを使用した場合、SFが4の場合平均入力電力を0.3dB、16の場合1.3dB、64の場合3dB上げることができるので、それに応じて出力電力も高くできるようになる。
【0029】
更に具体的に示すと、通常のOFDM信号送信時の高出力アンプへの入力平均電力限界(それ以上の入力平均電力を入力すると、非線形歪みの影響を無視できなくなる電力)をIinとした場合、SF4の場合は(Iin+0.3)dB、SF16の場合は(Iin+1.3)dB、SF64の場合は(Iin+3)dBまで、入力平均電力限界を大きくすることができる。
【0030】
以上に説明したように、ローカルエリアでの通信を考慮し、サービスエリアを広げることを考慮すると、高い送信電力が必要な端末に対しては、回転直交符号を用い、高いSFで送信することで、信号を歪ませることなく通信ができるようになる。また、PAPR特性はSFに依存するため、必要となる送信電力に応じてSFを変えることにより、通信が広帯域になることによる特性劣化を最小限に抑えながら、より柔軟な通信を実現することができる。
【0031】
図5は、可変SF拡散部について、回路規模を削減した構成例を示す図である。これは、拡散をDFTにより構成する方法であり、数個のバタフライ演算器とメモリとで構成することができる。DFTは高速演算処理が可能であり、かつ、先に示した構成より、回路を簡略化できる。図5では、時間間引き法について書いているが、周波数間引き法でも実現可能である。
【0032】
図5においては、バタフライ演算器としては基数が4の場合を示している。図中には、以降の説明をわかりやすくするために、16×3(ステージ)=48個のバタフライ演算器(DFT4で表す)が必要であるように書かれているが、これらは全く同じ構成であるため、バタフライ演算器は少なくとも1つあれば実現することができる。DFT処理では、基数に応じた処理ステージという概念があり、64(DFTポイント数)=4(基数)3と表されることから、本実施の形態では、処理が3ステージあるということになる。
基数4のバタフライ演算は、入力をX1、X2、X3、X4、出力をY1、Y2、Y3、Y4とした場合、式(1)で表される。
【0033】
【数1】
【0034】
jは複素数を示している。図5中のDFT4は全て(1)式で示される演算処理である。また、DFT4間のデータの流れを示す矢印上にWaと書かれている信号がある。このWaは、ひねり因子と呼ばれる数値であり、各矢印上を流れるデータに乗ぜられる。本実施の形態では、DFTのポイント数が64であるため、ひねり因子は(2)式で定義される。
【0035】
【数2】
【0036】
図5に示す可変SF拡散部は、S/P変換部31と、データ並び替え部50、データ選択部39およびバタフライ演算部(DFT4)で構成される。ここで、図2に示す機能ブロック図と同じ機能を有するブロックに対しては、同じ符号を付している。
【0037】
図5に示す可変SF拡散部に入力されたデータに対してS/P変換が施される。ここでは、最大サブキャリア数と同じ64のパラレルデータを生成する例が示されている。このS/P出力がデータ選択部64に入力されるが、これを選択することはSF1を選択する場合、即ち、OFDM方式を選択することを意味する。
【0038】
次に、このパラレルに変換されたデータに対して並び替え処理が行われる。この際、制御信号Aに示されるSFに応じて並び替えが行われる。図5では、SFとして64を選択した場合の並び替え処理の結果が示されている。SFが16のときは、並び替えされる出力は(D1、D5、D9、D13、D2、D6、…)となり、SFが4のときは、並び替えされる出力は(D1、D2、D3、D4、D5、D6…)となる。
【0039】
ここで示した順序で入力すると、データの並び順がきれいになる。SF16の場合、最初の16サブキャリアでD1からD16に対して拡散が行われ、次の16サブキャリアでD17からD32に対して拡散が行われ、以降、データの添え字の順に従って拡散される。SF4の場合も同様である。このデータ順を必要としない場合は、送受信機間で既知であれば、並び替えについては、必ずしも必要ではない。
【0040】
SFが64の場合は全てのステージの処理を行い、データ選択部64でステージ3の出力が選択される。SFとして16が選択された場合は、データ選択部64ではステージ2の出力が選択される。SFが4の場合はデータ選択部64ではステージ1の出力が選択される。
【0041】
このように、1つのDFTにおけるステージの出力を選択することで、回転直交符号を用いた可変SFのCDM信号を生成することが可能となる。
【0042】
次に、受信機の構成例について示す。ただし、可変SF逆拡散処理としては、図5に示したDFTに対応するIDFTを使用する場合について示す。図6は受信機のブロック構成の一例を示す図である。図6において、符号61は受信した信号をディジタル信号に変換できる周波数帯域まで変換する機能を有するRF部であり、符号62はアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部、符号63はOFDM信号に対してシンボル同期を取り送信側で付加されるGIを除去するシンボル同期部、符号64はシンボル同期が取られた信号をDFTの入力ポイント数にあわせるためシリアルパラレル変換を行うS/P変換部(本実施形態では64ポイントに変換)、符号65はDFT処理を行うDFT部である。もちろん、一般的にはFFT(Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)が使用されることが多い。DFTされた信号のうち、伝搬路推定に使用される信号は伝搬路推定部66に入力され伝搬路推定処理が行われる。データ用の信号は伝搬路補正部67に入力され、伝搬路推定信号を基準に伝搬路補正を行う。この際、ノイズ強調が行われにくい処理をすることが好ましい。
【0043】
伝搬路補正が施された信号は可変SF逆拡散部68に入力され可変SF逆拡散処理が施される。この可変SF逆拡散部68には、制御部74からSFに関する制御情報A’が入力され、SFに基づいて可変SF逆拡散処理が行われる。逆拡散処理について、詳しくは後述する。可変SF逆拡散された信号はパラレルシリアル変換部69においてシリアルデータに変換される。そして、復調部70において、送信装置で施された1次変調に対する復調が行われ、復号部71に入力される。復号部71では、送信装置で施された符号化に対する処理が行われ、送信データを得ることができる。また、制御部74はSFの情報を通知する機能を有し、SFはデータを復調する段階では既知であるとする。
【0044】
図7は、図6に示す可変SF逆拡散部68において、IDFTを用いる場合を示す図である。これは、拡散処理と同様にIDFTにより構成する方法であり、IDFTを数個のバタフライ演算器とメモリとで構成することが出来る。IDFTは高速演算処理が可能であるため、従来の逆拡散処理に対して、回路を簡略化できる。図7では、周波数間引き法を例にして示しているが、時間間引き法でも実現可能である。
【0045】
図7において、バタフライ演算器としては、基数が4の場合を示している。図7中においては、以降の説明をわかりやすくするために、1ステージ16個ずつ、すなわち、16×3(ステージ)=48個のバタフライ演算器(図7ではIDFT4と記載している。)が設けられているが、これらのバタフライ演算器は全く同じ構成であるため、少なくとも1つあれば実現することができる。
【0046】
基数4のバタフライ演算は出力をX1、X2、X3、X4、入力をY1、Y2、Y3、Y4とした場合、式(3)で表される。
【0047】
【数3】
【0048】
上記の(3)式は、(1)式を、X1、X2、X3、X4について解いたものである。図7中のIDFT4は、全て(3)式で示される演算である。また、IDFT4間のデータの流れを示す矢印上にWa(aは数字)と書かれている信号がある。このWaは、ひねり因子と呼ばれる数値であり、各矢印上を流れるデータに乗ぜられる。本実施の形態では、IDFTのポイント数が64であるため、ひねり因子は(4)式で定義される。
【0049】
【数4】
【0050】
図7に示す可変SF逆拡散部68は、データ並び替え部80、データ選択部79およびバタフライ演算部(IDFT4)で構成される。
【0051】
図7に示す可変SF逆拡散部68に入力されたデータが、データ選択部79に入力されるが、これを選択することは、SF1を選択する場合、即ち、OFDM方式を選択することを意味する。次に、ステージ1のIDFT処理が行われる。この出力は、SFが4の場合の出力、即ち、逆拡散値に相当する。同様に、ステージ2の出力がSF16、ステージ3の出力がSF64の逆拡散値に相当する。データ並び替え部80では、データの並び替えを行う。受信データをRkとすると、ステージ1では出力データが、上からの順(R1、R2、R3、R4、R5…)で出力され、ステージ2では(R1、R5、R9、R13、R2、R6…)の順で出力され、ステージ3では図でも示すように(R1、R17、R33、R49、R2、R18…)の順で出力されるため、SFに応じて並びかえる必要があるからである。送信装置でも、同じデータ位置関係になるように並び替えが行われていることを前提としている。
【0052】
このような可変逆拡散装置を有する受信機構成とすることで、SF(拡散率)に応じた逆拡散処理が容易にできるという利点がある。
【0053】
本実施の形態では、下りリンクを想定しており、OFDM方式とシングルキャリア方式との間に、いくつかのステップがあることが特徴の1つである。そして、DFT(逆離散フーリエ変換)とSF(拡散率)との関係より、上記ステップを実現しうる回路構成例を記載している。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明を行う。上記第1の実施の形態では、干渉を考慮する必要がないローカルエリアでのサービスを前提としていた。一方、本実施の形態では、今後、公衆網の通信に用いられる1周波数繰り返しシステムを想定している。1周波数システムでは、セルを構成する基地局が、全て同じ周波数帯域を用いて通信を行うシステムであり、そのため、セルエッジでの通信品質の確保が重要な課題となっている。
【0055】
上記非特許文献1においては、セルラシステムでは拡散を行い、スクランブル符号を乗じることで、他セルからの影響を軽減する方法が示されている。拡散、スクランブル処理はOFDM信号の周波数領域で行われている。先に説明したように、非特許文献1においては、PAPRについて考慮していない。しかしながら、データ効率=(多重数/SF)を0.25程度に設定し、スクランブル処理を用いることで、受信機において逆拡散処理により干渉を拡散できるため通信効率が上がることが示されている。
【0056】
本発明の第1の実施の形態では、周波数領域で拡散は行っているものの、データ効率を1にしているため、干渉信号が同じような信号形態である場合に影響を拡散することができず、通信品質の劣化の要因となる。これは、干渉の影響を与えるセル全てが同じ拡散符号を使用しているため、相関が大きくなってしまうからである。干渉のみを考慮すると非特許文献1でも示されるようにスクランブル符号を乗じる方法があるが、これでは信号のPAPR特性が大きく劣化してしまう。本実施の形態では、PAPR特性を劣化させることなく、干渉の影響を軽減する送受信装置の構成について説明する。
【0057】
図8は、本発明の第2の実施の形態による送信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。図1に示した機能ブロックと同じ機能を有するブロックには、同じ番号を付している。図8に示す送信装置では、図1Bに対して、繰り返し部11とスクランブル部12とが加えられている。また、制御部10からは制御情報Bが繰り返し部11に入力される。繰り返し部11では、入力される信号を、制御信号Bで指定される回数繰り返す機能を有する。また、スクランブル部12では、入力されるデータをランダムな符号でスクランブルする機能を有する。このスクランブル機能は、簡単には入力される信号に対しランダムに±1を乗ずることで実現できる。スクランブルするためのランダム信号は、様々なパターンが考えられるが、隣接する基地局で相関がないものが好ましい。また、定常的な誤りを回避するには、パケットやフレーム単位で変更することが好ましい。
【0058】
このデータ繰り返し部11とスクランブル部12により、受信機において干渉を拡散することができる。また、繰り返し回数を多くすることで干渉への耐性が向上する。このデータ繰り返し処理とスクランブル処理とは、1次変調のデータパターンを本質的に変えるものではない。従って、PAPR特性は、制御情報Aで指定されるSFに依存した特性となり、SFを64とすれば、PAPR特性が良い状態(図4における64CDM−OFDMの特性)を維持できる。
【0059】
また、このデータ繰り返し部11で、多重することもできる。例えば、先の例では、指定される回数だけ単純に繰り返す場合を示したが、奇数番目のデータを偶数番目のデータと異なる直交符号を乗じて加算してから、スクランブルをかける方法である。このような方法によれば、PAPR特性は若干劣化するものの、繰り返しによるデータレートの損失をある程度防ぐことが可能になるという利点がある。
【0060】
図9は、本実施の形態による受信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。図6に示したブロックと同じ機能を有するブロックには同じ番号を付している。図6に対して、デスクランブル部75と加算部76とが加えられている。また、制御部74からは制御情報B’が加算部76に入力される。デスクランブル部75は、入力されるデータをランダムな符号でデスクランブルする機能を有する。このランダムな符号は通信相手が使用しているランダムな符号で除算することで実現できる。加算部76では制御情報B’に基づいて、データの加算を行う。この加算するデータ数は送信側で用いた繰り返し回数と同じである。
【0061】
この受信機でのデスクランブルと加算とにより干渉を拡散することができ、セルエッジのような干渉が大きな領域においても高精度の通信が可能となるという利点がある。
【0062】
尚、図8図9では、干渉が大きな領域であることを前提に説明したが、セルの中央など干渉があまりない領域では、送信側における繰り返し、スクランブル、受信側におけるデスクランブル、加算処理を行わなければ、第1の実施の形態で示した構成となり、その効果を得ることができる。実際には繰り返し数を1とすれば問題なく、スクランブルの有無は大きく影響しない。
【0063】
次に、周波数領域の処理により、干渉を回避する方法について示す。先の例では、時間領域のデータ(変調部2の出力)を繰り返すことにより干渉を拡散したが、以下に示す例では、使用するサブキャリア数を低減し、異なる位置のサブキャリアを使用することで干渉を低減する。
【0064】
図10は、本実施の形態による送信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。図1Bに示した機能ブロック図と同じ機能を有するブロックについては、同じ番号を付している。図1Bに対して、0挿入部13とサブキャリア割り当て部14とが加えられている。また、制御部10からは制御情報Cが0挿入部13に、制御情報Dがサブキャリア割り当て部14に入力されるように構成されている。
【0065】
以下、使用するサブキャリア数を低減する場合の信号の流れについて説明する。0挿入部13では、使用するサブキャリア数の減少数に応じて0を挿入する。例えば、本実施の形態では、64サブキャリアを前提として説明しているが、16サブキャリアを使用する場合は、16個のデータが変調部2から入力された後、0挿入部13において48個の0データを挿入する。
【0066】
使用するサブキャリア数に応じて、制御信号Aも変更する。使用するサブキャリア数が16の場合、制御信号AはSF16を設定する(使用するサブキャリア数とSFを同一にする)。このような信号処理をすることで、可変SF拡散部3の出力はデータが16個続いた後、0が48個続いて出力される。
【0067】
本実施の形態では、使用するサブキャリア数を低減しているため、全てのサブキャリアを使用する場合と帯域全体での電力を同一にすると、サブキャリア当たりの送信電力を大きくできるため、干渉の影響を低減することが可能になる。
【0068】
この場合、サブキャリア割り当て部14では、できるだけ干渉の低い連続する16サブキャリアを選択して、可変SF拡散部3の出力を割り当てると、より特性を改善することができる。この割り当ては、制御部10からの制御情報Dとして、サブキャリア割り当て部14に入力されるように構成されている。
【0069】
使用するサブキャリア数を低減し、干渉の低いサブキャリアを選択することで、干渉の影響を低減させることは可能であるが、他のセルと拡散に使用している符号が同一である状態には変化がないため、干渉に相関が残ることに変わりはない。そこで、他のセルからの干渉の相関を更に低減する方法について以下に示す。
【0070】
0挿入を行うところまでは、先の例と同様である。サブキャリア割り当て部14では、入力される0以外のデータに対してグルーピングを行う。例えば、先の例では、入力される16のデータが信号を有するので、16のデータを4データずつ4グループに分割する。そして、その4グループ毎に品質のよいサブキャリアを選択し、割り当てる。このような割り当てを行うことで、よい品質のよいサブキャリアを選択できる可能性が高くなり、他のセルからの干渉の相関を低くすることが可能になる。これは、受信機で逆拡散処理を行う際、データの並び替えを行うため、他のセルで使用された回転直交符号との相関が低くなるためである。
【0071】
図11に、連続したサブキャリアに割り当てる場合と、4サブキャリアずつグルーピングを行う場合のサブキャリア割り当て例について示す。図11では、横軸が周波数であり、四角の1つが1本のサブキャリアを示している。網掛けを付された四角が実際に信号電力を有するサブキャリアであり、白い四角が信号電力の割り当てが行われないサブキャリアである。
【0072】
図11(a)は、可変SF拡散部3からの出力であってサブキャリア割り当て部14への入力を示している。可変SF拡散部3の制御により、周波数領域では低域に信号電力が集中している(ハッチの施されている領域)。サブキャリア割り当て部14では、制御部10からの制御情報Dに従って割り当てを行う。全てが連続するサブキャリアに割り当てた場合が図11(b)であり、4サブキャリアずつグルーピングして割り当てた例が図11(c)である。
【0073】
グルーピングするサブキャリア数を少なくすることで、品質のよいサブキャリアを選択できる可能性は高くなり、さらに、干渉の影響を軽減する効力も大きくなるが、PAPR特性の劣化が大きくなる懸念がある。
【0074】
図12は、全体のサブキャリア数をこれまでの例と同様に64とし、使用するサブキャリア数を32とした場合のグルーピングするサブキャリア数によるPAPR特性を示す図である。縦軸、横軸は図4と同じである。図12中のS1の“1”は、グルーピングするサブキャリア数を示している。“1”であれば、グルーピングしないことになる。OFDMは32サブキャリアのOFDM信号のPAPR特性、32CDM−OFDMは32サブキャリアを連続して配置した場合の特性である。このようにグルーピングすることによりPAPR特性は劣化しているが、グルーピングするサブキャリア数が4の場合(S4)、PAPR特性が1%で比較しても(グラフの縦軸が1のところで比較する)、その劣化量は1.5dB程度と小さいので、電力削減の効果があるため、セルエッジへの通信に十分使用できることがわかる。
【0075】
図13は、本実施の形態による受信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。図9に示したブロックと同じ機能を有するブロックについては、同じ番号を付している。図9に対して、抽出部77と0削除部78とが加えられている。また、制御部74からは制御情報C’が0削除部78に、制御情報D’が抽出部77に入力される。
【0076】
以下、使用したサブキャリア数が低減されている場合の信号の流れについて説明する。
【0077】
抽出部77では、制御情報D’に従って、送信装置で電力が割り当てられたサブキャリアを抽出する。図11(b)あるいは図11(c)で示す網掛けのサブキャリアの信号を抽出することを意味する。さらに、抽出部77では、抽出した信号がIDFTの入力の低域に集まるように、IDFT部(可変SF逆拡散部)68に入力する機能を有する。即ち、図11(a)に示すように信号を入力することを意味する。可変SF逆拡散部68では、使用されているサブキャリア数に応じてSFを設定する。その後、0削除部78において、関係のないデータを削除する。これらは、送信装置の逆の機能を有することになる。
【0078】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、受信機で信号の割り当てられたサブキャリアを再配置することにより、同じ拡散符号を使用することによる干渉の相関を低くすることができる。従って、セルエッジのような干渉が大きな領域においても高精度の通信が可能となるという利点がある。
【0079】
次に、本発明の第3の実施の形態による通信技術について図面を参照しながら説明を行う。本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態又は第2の実施の形態で示したCDM−OFDM信号をOFDMAシステムに適応する場合の例である。第1及び第2の実施の形態では、サブキャリア数が64のOFDMシステムについて示したが、本実施の形態では、このOFDMシステムを1つの周波数サブチャネルとみなし、OFDMAシステムを形成する。本明細書ではこのようなシステムをCDM−OFDMAシステムと呼ぶ。サブチャネル数は12の場合を示し、その場合、サブキャリアの総数は、64×12=768となる。
【0080】
図14は、本実施の形態において使用するフレームフォーマットの一例を示す図である。図14において、縦軸が周波数、横軸が時間である。周波数軸にはF1からF12までの周波数サブチャネルがあり、時間軸にはT1からT9までの時間サブチャネルがある。各サブチャネル間には空白が示されているが、実際に使用しないサブキャリアや時間が必要という意味ではない。図14では、12個の周波数サブチャネルF1からF12までと、9個の時間サブチャネルT1からT9までで1フレームとなり、これを繰り返すことで、基地局と端末局とが通信することになる。周波数サブチャネルと時間サブチャネルとで構成される単位をスロットと称すると、通信を行う際にはスロットが割り当てられ、そのスロットで基地局と端末局とが通信することになる。また、T1とF1からF12までで構成される時間サブチャネル(図14中の斜線で示されるスロット)は、制御情報としてフレームの構成などに関する情報が送信され、セル全体にデータを送信する必要があるフレームである。
【0081】
図15は、セルを3つの領域、A、B、Cに分割し、通信を行う場合のセル配置の一例を示す図である。このようにセルを分割した領域A〜Cをセクタと称するが、全てのセクタは、同じ周波数を使用している。但し、図15においては、隣接するセクタ間では、同じ領域指定がされないように配置している。この状態で干渉を考慮すると、ある記号で示される領域には、その記号を除く領域の信号が最も大きな影響を及ぼすことになる。即ち、セクタAに対しては、セクタB、セクタCの影響が最も大きくなる。
【0082】
このようなセル構成では、例えばセクタAにおいて、セルエッジの端末と通信しようとした場合、セクタB、Cの信号電力、即ち干渉電力が小さいことが好ましい。このような状態が形成できるように信号を配置すれば、干渉を削減することができる。以降、各セクタあるいはセルが他のセルあるいはセクタの送信電力を考慮して、互いの干渉電力ができる限り少なくなるようにする方法を干渉コーディネーションと称する。
【0083】
図16は、時間干渉コーディネーションを行う場合の各セクタにおける送信電力の変化を示す図である。図14に示すフレーム構成を前提としているため、データ通信に使用できる時間サブチャネルはT2からT9までの8個の時間サブチャネルである。図16では、各セクタにおいて、最大送信電力の時間サブチャネルを2個、最小送信電力のそれを4個、その間の送信電力を2個とし、他のセクタにおいて最大送信電力でデータの送信が行われているときは、送信電力を最小にするように制御される例である。このように、干渉コーディネーションを行うことにより、各セクタ間における干渉を軽減することができる。また、干渉コーディネーションを行うには、周波数サブチャネルを使用する方法もある。しかしながら、本実施の形態では、直交符号に回転直交符号を用い、CDM−OFDMシステムにおいてPAPRを削減することを考慮しているため、干渉コーディネーションは時間サブチャネルを用いて行うことが望ましい。
【0084】
図16において、最大送信電力でデータを送信する時間サブチャネル(例えば、セクタAにおけるT2、T3)では、全周波数サブチャネルにおいて、SFを64に設定する。これにより、PAPR劣化を抑えることができる。これは、実施形態1で示したように、CDM−OFDM信号においてSFが64の場合、PAPR特性が優れていることに起因している。通常、OFDM信号のPAPR特性はサブキャリア数が多くなるに従い劣化する。従って、ここで示したように、時間サブチャネルで干渉コーディネーションを行い、各周波数サブチャネルが同一のSFで拡散することでPAPRの劣化を抑えることが可能となる。
【0085】
尚、図16において、中間の送信電力でデータを送信する時間サブチャネルではSFを16に設定し、最小の送信電力の時間サブチャネルではSFを1に設定することになる。T1フレームであるが、先述のように制御情報は全ての端末が受信することを前提としている。従って、送信電力を低くすることは好ましくない。また、セクタ間ハンドオーバを考慮すると、干渉コーディネーションの対象時間サブチャネルすることは、好ましくない(各セクタで時間サブチャネルの位置を変えたくない)。従って、第2の実施の形態で示したように、使用するサブキャリアを削減し、使用するサブキャリアの配置により干渉を拡散する方法をとることになる。
【0086】
次に、本発明の第4の実施の形態による通信技術について図面を参照しながら説明を行う。第1の実施の形態で示したDFTを用いる回路構成は、DFT−s−OFDM(DFT-spread-OFDM)通信方式とほぼ同じ構成になる。図17は、DFT−s−OFDMの送信機の一構成例を示す機能ブロック図である。図2の送信機と同じ機能を有するブロックには同じ番号を付している。図17において、符号80は時間―周波数変換を行うDFT部であり、符号81はサブキャリアを選択し、割り当てを行うサブキャリア割り当て部である。このDFT−s−OFDMという通信方式は、シングルキャリアの変調方式としてPAPR特性が良く、上りリンクの通信方式に使用することが提案されている。この構成からわかるように、第1の実施の形態で示した回転直交符号を用いるCDM−OFDMシステムにおいて、SFをサブキャリア数と同一とした場合と同じ構成になる。但し、上りリンクを想定しているため、他の端末とFDM(Frequency Division Multiplexing)により多重化することを想定している。従って、サブキャリア割り当て部81により、送信に使用するサブキャリアを選択するブロックが挿入されている。
【0087】
従って、第1の実施の形態で示した受信装置は、タイミングなどの制約が合えば、DFT−s−OFDM通信方式により生成された信号を復調することが可能となる。従って、第1の実施の形態で示した送信方式(回転直交符号を用いたCDM−OFDM)を下りリンク使用するシステムにおいて、上りリンクの通信方式をDFT−s−OFDM方式にすると、基地局に接続可能な端末は、端末間での通信を行うことも可能となることを意味し、移動端末による再送を容易に実現できることになる。
【0088】
具体的な例として、基地局と端末局Bの下りリンクの通信について、端末Aが中継を行う例を、第3の実施の形態で示したOFDMAシステムを前提に示す。図18は、中継を行う場合のフレームフォーマット例を示す図であり、T3におけるF1からF3までのスロット(網掛けで示すスロット)が基地局から端末Aへの通信に割り当てられたスロットであり、F1のT7からT9までのスロット(灰色で塗りつぶしたスロット)が端末Aから端末Bへの通信に割り当てられたスロットであるとする。この際、F1のT7からT9までのスロットでは、基地局は送信を行わないものとする。
【0089】
基地局から端末Aには、端末Bに宛てられたデータが送信されるが、この際、最適なSFは特になく、端末Aが受信できる方式であればよい。ただし、同じフレームで再送を完結するには、フレームの早い段階(時間サブチャネル番号の少ない段階)でデータを送信し終えることが好ましい。従って、本実施の形態では、上記のように、T3において、複数のサブチャネルを使用して送信を完結している。端末Aはこの受信したデータを復調し、上りリンクの通信方式、即ちDFT−s−OFDM(図17に示す送信機)を用いて端末Bに対しデータを送信する。一般的に、端末で使用される高出力アンプは、基地局のアンプと比較して性能的に劣ることが多い。そこで、出来るだけPAPR特性の劣化を抑えるために、使用するサブキャリア数を少なくすることが好ましい。そこで、本実施の形態では、下りリンクの1サブチャネルにあたるサブキャリア(64サブキャリア)を使用して、DFT−s−OFDM信号を送信することとした。
【0090】
従って、基地局はF1のT7からT9までのスロットを端末Aから端末Bへの通信に割り当てている。端末Bでは、下りリンクの受信方式においてSFを64と設定してデータの復調を行う。ただし、上りと下りがFDD(Frequency Division Duplex)の場合は、端末Aから端末Bへの通信の際、RF周波数を下りリンクの周波数に変更する必要がある。
【0091】
このように、セルラシステムなどにおいて、片側の通信方式に回転直交符号を用いるCDM−OFDM方式を用い、もう片側の通信方式にDFT−s−OFDM方式を用いることで、他に復調回路などを用意しなくても、端末による再送が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、通信装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0093】
1…符号化部、2…変調部、3…可変SF拡散部で、4…IDFT部、5…ガードインターバル(Guard Interval:GI)挿入部、6…パラレル/シリアル(P/S)変換部、7…ディジタル/アナログ(D/A)変換部、8…RF部、10…制御部、85…可変利得アンプ、86…高出力アンプ。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18