特許第5830156号(P5830156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5830156
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】液体加熱器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/21 20060101AFI20151119BHJP
【FI】
   A47J27/21 101T
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-235991(P2014-235991)
(22)【出願日】2014年11月20日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】芳井 基也寿
(72)【発明者】
【氏名】花野 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】岡田 俊範
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大輔
(72)【発明者】
【氏名】木路 仁
(72)【発明者】
【氏名】後藤 惇
(72)【発明者】
【氏名】長井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】田中 源基
【審査官】 白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−61127(JP,A)
【文献】 特開2014−16052(JP,A)
【文献】 特許第3395723(JP,B2)
【文献】 特開2002−306338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00−27/13
A47J 27/20−29/06
A47J 33/00−36/42
F24H 1/00−1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給部から搬送部にて搬送される搬送中の液体を電力による加熱部にて加熱する液体加熱器において、
上記供給部での供給液体温度を検知する液体温度検知部と、
上記搬送部による液体搬送流速を検出する流速検出部と、
上記加熱部の加熱温度を検知する加熱温度検知部と、
必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力する入力部と、
上記液体を搬送する前に加熱部を予備加熱し、かつ該予備加熱以降の加熱温度を少なくとも2点以上検知したときの温度勾配及び加熱温度に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、上記液体搬送流速を制御する制御部とが設けられていることを特徴とする液体加熱器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度と、検知された前記供給液体温度と、検知された加熱温度と、温度勾配とによって初期の目標液体搬送流速を設定すると共に、
目標液体搬送流速と、液体の搬送と同時に行う加熱部の本加熱を開始した後に検出された液体搬送流速との比較により、該目標液体搬送流速を変更可能となっていることを特徴とする請求項1記載の液体加熱器。
【請求項3】
前記入力部は、前記加熱部の予備加熱を停止するときの加熱停止温度をさらに設定可能となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体加熱器。
【請求項4】
前記制御部は、
目標液体搬送流速が時間の経過に伴って次第に大きくなるように制御することを特徴とする請求項2又は3記載の液体加熱器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記予備加熱時の加熱温度が前記加熱停止温度以下の場合の初期の目標液体搬送流速をV1とし、前記予備加熱停止後における自然冷却期間の初期の目標液体搬送流速をV3とし、上記予備加熱時の加熱温度が上記加熱停止温度を越え、かつ自然冷却期間になるまでの期間の初期の目標液体搬送流速をV2とした場合、
V1<V3<V2
の関係を有するように初期の目標液体搬送流速を制御することを特徴とする請求項3記載の液体加熱器。
【請求項6】
前記電力の電源電圧を検知する電圧検知部がさらに設けられていると共に、
前記制御部は、
さらに、検知された上記電源電圧に基づいて、前記目標液体搬送流速を変更可能となっていることを特徴とする請求項2記載の液体加熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給部から搬送部にて搬送される搬送中の液体を電力による加熱部にて加熱する液体加熱器に関するものである。詳しくは、給湯開始時における精度のよい加熱温度制御に関する。
【背景技術】
【0002】
茶やコーヒー等の飲料を提供する用途として、電気の熱で湯を沸かす製品がある。電気式のケトルやポットのように、貯水部を持ち、該貯水部に収容された水を貯水部の底部や側面部に配置されたヒータで加熱する製品が広範に知られている。
【0003】
これらの製品においては、貯水部に収容された状態の水を加熱するため、湯が沸くまで時間がかかることや、随時供給させるためには貯水部にて保温しておく必要があるという課題があった。
【0004】
上記の課題に対し、短時間で湯を沸かすことができる装置として、例えば、液体を保有するタンクと液体を搬送するポンプと液体を搬送する配管を加熱するヒータとを備えた特許文献1に開示された湯沸かし装置が知られている。本構成においては、液体を加熱しつつ供給するため、ポンプ及びヒータの出力を制御し、必要な量及び必要な温度の湯を供給することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−61127号公報(2012年3月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の液体加熱器では、以下の問題点を有している。
【0007】
すなわち、特許文献1の湯沸かし装置は、電熱ヒータ用ドライバと電磁ポンプ用ドライバとを備え、コントローラからの制御信号に基づきポンプの液体搬送速度制御のみによる湯温制御をしている点で、精密な制御が可能と言える。
【0008】
ここで、特許文献1の湯沸かし装置等の従来技術では、所望の温度の湯をすぐに給湯するために、ヒータを予備加熱する場合がある。
【0009】
しかしながら、ユーザーが給湯するタイミングはランダムであると共に、時系列で液体が供給される際のヒータの熱容量は変動する。このため、給湯開始時に安定的に所望の湯温の湯を供給することができないという問題点を有している。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、加熱部を予備加熱する場合に、給湯開始時においても所望温度の湯を精度良く安定してかつ早く供給し得る液体加熱器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様における液体加熱器は、上記の課題を解決するために、供給部から搬送部にて搬送される搬送中の液体を電力による加熱部にて加熱する液体加熱器において、上記供給部での供給液体温度を検知する液体温度検知部と、上記搬送部による液体搬送流速を検出する流速検出部と、上記加熱部の加熱温度を検知する加熱温度検知部と、必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力する入力部と、上記液体を搬送する前に加熱部を予備加熱し、かつ該予備加熱以降の加熱温度を少なくとも2点以上検知したときの温度勾配及び加熱温度に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、上記液体搬送流速を制御する制御部とが設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、加熱部を予備加熱する場合に、給湯開始時においても所望温度の湯を精度良く安定してかつ早く供給し得る液体加熱器を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1における液体加熱器の構成を示すブロック図である。
図2】(a)は上記液体加熱器に使用される加熱部としての鋳込みヒータの外観を示す斜視図であり、(b)は上記鋳込みヒータの内部構造を透視して示す斜視図である。
図3】上記鋳込みヒータの内部構造を示す断面図である。
図4】上記液体加熱器にて液体を加熱するときの制御動作を示すフローチャートである。
図5】上記液体加熱器において、給湯前にヒータを予備加熱した場合のヒータ温度の時系列変化を示すグラフである。
図6】本発明の実施形態2における液体加熱器の構成を示すブロック図である。
図7】上記液体加熱器の制御動作を示すフローチャートである。
図8】上記液体加熱器の予備加熱領域において、液体を搬送する前にヒータを予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ及びヒータ温度データに基づいて、給湯を開始して液体搬送流速を制御する場合の実験結果を示すグラフである。
図9】本発明の実施形態3における液体加熱器を示すものであって、オーバーシュート領域において、液体を搬送する前にヒータを予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ及びヒータ温度データに基づいて、給湯を開始して液体搬送流速を制御する場合の実験結果を示すグラフである。
図10】本発明の実施形態4における液体加熱器を示すものであって、自然冷却領域において、液体を搬送する前にヒータを予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ及びヒータ温度データに基づいて、給湯を開始して液体搬送流速を制御する場合の実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0015】
本実施の形態の液体加熱器の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態の液体加熱器の構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施の形態の液体加熱器1Aは、図1に示すように、各単位操作を行う装置本体部10と、各単位操作の制御を行う制御装置20とによって構成されている。
【0017】
装置本体部10は、電源が供給される電源部11と、液体としての供給水が供給される供給部としての水供給部12と、供給液体を搬送する搬送部としてのポンプ13と、搬送中の液体を加熱する加熱部としてのヒータ14と、ヒータ14にて加熱された供給液体を吐出する吐出部15と、ポンプ13を制御するポンプ制御素子16と、ヒータ14を制御するヒータ制御素子17とを備えている。
【0018】
また、装置本体部10は、電源電圧を検知する電圧検知部VSと、供給水の温度を検知する供給水温度検知部TLSと、ヒータ14の温度を検知するヒータ温度検知部THSと、供給水の流量を検知する流量検知部FLSとをさらに備えている。尚、本実施の形態では、流量検知部FLSにて、単位時間の供給水の流量を検知することにより、ポンプ13にて搬送される水の搬送速度が演算により直ちに算出できるものとなっている。したがって、流量検知部FLSは、本発明の搬送部による液体搬送流速を検出する液体搬送流速検出部としての機能を有している。
【0019】
上記水供給部12、ポンプ13、流量検知部FLS、ヒータ14及び吐出部15は直列に接続されている。この結果、液体加熱時には、ヒータ14を常時通電すると共に、ポンプ13の制御のみで供給水の温度制御ができるものとなっている。
【0020】
一方、制御装置20は、各種制御処理を行う制御部としてのコントローラ21と、水量と温度とを設定する入力部22Aとで構成されている。
【0021】
本実施の形態では、供給水の温度制御は、流量検知部FLSにより検知された流量から計算される流速に基づき、ポンプ13の制御を行うようになっている。
【0022】
また、本実施の形態では、ポンプ13の制御は、ヒータ14を常時通電した場合の、供給水の流速変化に対して、加熱後、吐出される湯の温度変化データに基づいて、入力部22Aにて設定入力された温度を目標値として、ポンプ13の出力を目標流速値に変化させるようになっている。
【0023】
上記目標流速値は、供給水温度検知部TLS及びヒータ温度検知部THSによる検知結果と、電圧検知部VSによる検知結果と、流量検知部FLSによる検知結果に対応して随時変化させるようになっている。
【0024】
さらに、本実施の形態では、供給水を搬送する前にヒータ14を予備加熱する場合に、加熱温度を少なくとも2点以上検知したときの温度勾配及び加熱温度に基づいて、入力部22Aにて設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、コントローラ21によってポンプ13による液体搬送流速が制御されるようになっている。
【0025】
上記ヒータ14は、例えば鋳込みヒータにてなっている。この鋳込みヒータは、配管等の立体形状の被加熱部とシーズヒータとの両方を鋳型に納め、この鋳型にアルミや真鍮、鉄、AL青銅等の導電性材料を鋳込んだヒータである。この鋳込みヒータは、導電性材料に内部に配管とシーズヒータとが一体化されているので、加熱の効率が良く、均一な過熱が可能であり、かつ長寿命が期待できる。尚、シーズヒータとは、ニクロム線が金属パイプで包まれた構造のヒータであり、ニクロム線は絶縁粉末によりヒーターパイプから絶縁されている。
【0026】
本実施の形態の鋳込みヒータの具体的な構成について、図2の(a)(b)及び図3に基づいて説明する。図2の(a)は、本実施の形態の鋳込みヒータの外観を示す斜視図である。図2の(b)は、鋳込みヒータの内部構造を透視して示す斜視図である。図3は、鋳込みヒータの内部構造を示す断面図である。
【0027】
本実施の形態のヒータ14である鋳込みヒータ40は、図2の(a)(b)及び図3に示すように、熱伝導材料からなる鋳物43に、液体が流れる螺旋状流路41と、該螺旋状流路41を加熱するためのヒータ電極42とが一体に構成されたものからなっている。
【0028】
鋳物43は、アルミや真鍮、鉄、AL青銅等の熱伝導材料からなっている。ヒータ電極42は、鋳物43の内部において、螺旋状流路41よりも内側において螺旋状に設けられており、外部に電極端子42a・42bが露出している。
【0029】
また、螺旋状流路41は、螺旋状に設けられており、外部に流路入口41aと流路出口41bとが露出している。
【0030】
本実施の形態では、鋳込みヒータ40の上部に前述したヒータ温度検知部THSが取り付けられており、このヒータ温度検知部THSにて鋳込みヒータ40の温度を検知できるようになっている。
【0031】
上記構成の液体加熱器1Aにて液体を加熱するときの制御動作について、図4に基づいて説明する。図4は、液体加熱器1Aにて液体を加熱するときの制御動作を示すフローチャートである。
【0032】
図2に示すように、液体加熱器1Aにて液体を加熱するときの制御は、コントローラ21における目標設定部21aとヒータ制御部21bとポンプ制御部21cとによって行われる。
【0033】
したがって、液体加熱器1Aにて液体を加熱するときには、図4に示すように、入力部22Aにて湯の温度及び量を設定入力する(S1)。これにより、目標設定部21aは、入力データ31と電源電圧値32と供給液体温度としての供給水温度データ33と、ヒータ温度検知部THSにて検知されたヒータ14の加熱温度とから初期目標流速を決定する(S2)。
【0034】
次いで、ヒータ制御部21bは、ヒータ14をオンするようにヒータ14の駆動を指示する(S3)。
【0035】
これにより、コントローラ21は、水の供給量と設定量とが等しいか否か判断する(S4)。このとき、水の供給量と設定量とが等しい場合には、終了する(S4)。
【0036】
一方、水の供給量と設定量とが等しくない場合には、ポンプ制御部21cの制御に遷る。すなわち、ポンプ制御部21cは、まず、ポンプ13を駆動するように指示する(S6)。その後、コントローラ21は、検知流速が目標流速に等しいか否を判断する(S7)。このとき、検知流速が目標流速に等しくない場合には、差分補正を行った後(S8)、再びS6に戻る。
【0037】
一方、S7において、検知流速が目標流速に等しいと判断されたときには、各検知手段からの現状の状態を判断し、さらに現状の流速の検知結果から、ヒータ14での突沸が発生していないかどうかと、現状の状態と目標湯温とに対して流速が早すぎないかどうかとを判断し、目標流速を状態に合わせ、随時再設定する(S9)。
【0038】
ここで、目標流速を再決定する場合には、S2で説明したように、入力データ31と、電源電圧値32と、供給液体温度としての供給水温度データ33と、ヒータ温度検知部THSにて検知されたヒータ14の加熱温度とから再決定される。
【0039】
また、ヒータ14の本加熱の前に予備加熱する場合には、ヒータ14の加熱温度を少なくとも2点以上検知し、その検知温度から求めた温度勾配としてのヒータ温度勾配データ35も目標流速の決定に使用される。
【0040】
上述のように、本実施の形態の液体加熱器1Aでは、水供給部12から搬送部としてのポンプ13にて搬送される搬送中の液体を電力による加熱部としてのヒータ14にて加熱する。そして、水供給部12での供給液体温度としての供給水温度データ33を検知する供給水温度検知部TLSと、ポンプ13による液体搬送流速を検出する流量検知部FLSと、ヒータ温度データ34を検知するヒータ温度検知部THSと、必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力する入力部22Aと、供給水温度データ33及びヒータ温度データ34に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御する制御部としてのコントローラ21とが設けられている。
【0041】
従来の液体加熱器では、生成される湯の温度を調整するために、例えば、大電力である加熱部の出力を変化させたり、液体搬送流速を変化させたりしていた。しかし、このような調整は、通常、段階的に行われており、湯の温度を精密に制御することはできなかった。具体的には、大電力である加熱部の出力を例えば大、中、小の3段階出力としたり、液体搬送流速を例えば高速、中速、低速の3段階出力としたりして湯の温度を調整していたが、繊細な湯の温度の調整は困難であった。
【0042】
そこで、本実施の形態では、水供給部12での供給水温度データ33を検知する供給水温度検知部TLSによる液体搬送流速を検出する流量検知部FLSと、ヒータ温度データ34を検知するヒータ温度検知部THSとを設けている。
【0043】
このため、入力部22Aにて必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力すると、コントローラ21は、供給水温度データ33及びヒータ温度データ34に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御する。
【0044】
この結果、本実施の形態では、実測による供給水温度データ33及びヒータ温度データ34に基づいて、液体搬送流速を制御するので、ヒータ温度データ34を自在に精度良くコントロールできる。したがって、繊細な湯の温度の調整を行うことができる。それゆえ、供給水温度データ33及びヒータ温度データ34の変動を考慮して液体搬送流速を制御することにより、湯温を精度良く制御し得る液体加熱器1Aを提供することができる。
【0045】
また、このような構成では、ヒータ14のオン・オフ制御なしで、かつ電源電圧や水供給部12の液体温度の変動に依存することなく、少量かつ高温まで供給温度を制御することができる。換言すれば、大電力であるヒータ14を制御する必要が無いため、放熱板や放熱ファンが必要な半導体素子を使用する必要が無く、部材費を抑えることができる上、環境に依存せず、高温かつ少量まで、目標通りの湯温・供給量に加熱された湯を早く供給することが可能である。
【0046】
ここで、例えば、電熱ヒータ用ドライバと電磁ポンプ用ドライバとを備え、コントローラからの制御信号に基づいて通電を制御する構成を採用した場合には、とりあえず、精密な制御が可能と言える。しかし、大電流であるヒータの通電を制御する場合、ドライバとして機械接点のリレーを用いた場合には、接点部の機械的寿命から精密な制御を求めた動作は困難である。また、半導体素子をドライバとした場合は、精密な制御が可能であるが、高電力対応の半導体素子と放熱部品とが必要となり、部材費の増加が懸念される。この点、本実施の形態の液体加熱器1Aでは、ヒータ制御素子17を頻繁にオン・オフする機構を採用していないので、この問題は解消される。
【0047】
また、例えば、ガス瞬間式湯沸かし器においては、加熱手段の能力限界を越えた範囲の湯温が設定された場合に、給水配管内に備えられた給水量を制限するバルブによって、給水量を設定湯温が実現できる限界値へ制御する場合がある。これによって、設定湯温の湯を、最大限の流速で供給することが可能となっている。
【0048】
しかしながら、本実施の形態の液体加熱器1Aのような飲料用途のような少量の湯を供給しようとした場合、このような方法では、設定された湯温への立ち上がりが遅くなってしまう。このため、仕上がりの湯温として、安定的に供給できないことが懸念される。
【0049】
この課題に対して、他のガス瞬間湯沸かし器の構成では、水の供給が開始されたことを検知し、供給水を数秒絞ることによって湯温の立ち上がり時間を早くする方法も提案されている。
【0050】
しかしながら、沸騰付近の高温を供給する場合に、単純に給水量を絞ってしまうと、連続使用等の加熱手段の状態によっては、容易に加熱手段内での突沸が発生する。このため、供給口からの湯の飛び散り等、前記課題と同様に安定的に供給できない。
【0051】
これに対して、本実施の形態の液体加熱器1Aでは、少量かつ沸騰付近の高温の液体でも、部材コストを抑えた上で、安定的でかつ早く、供給可能な液体加熱器1Aとなっている。
【0052】
次に、液体加熱器1Aにおけるヒータ14を予備加熱する場合の動作について、図5に基づいて説明する。図5は、給湯前にヒータ14を予備加熱した場合のヒータ温度の時系列変化を示すグラフである。
【0053】
本実施の形態では、例えば、所望の給湯温度が98℃である場合、予備加熱によるヒータ温度は、オーバーシュート量を考慮し、ヒータ14の予備加熱終了温度は40〜60℃程度に設定される。具体的には、本実施の形態では、予備加熱終了温度は例えば50℃に設定されている。ここで、オーバーシュートとは、ヒータ14は鋳込みヒータ40を用いているので、熱エネルギー及び保温エネルギーが高い。このため、ヒータ14の電力をオフしても鋳込みヒータ40の内部を通る螺旋状流路41の液体の温度がさらに上昇する現象をいう。このことは、予備加熱の終了に伴うヒータ14のオフ時の加熱停止温度が高い場合には、その後さらに、鋳込みヒータ40の内部を通る螺旋状流路41の液体の温度が上昇するので、突沸の可能性があることが容易に理解できる。このため、上述したように、所望の給湯温度が98℃である場合のヒータ14の予備加熱終了温度は40〜60℃程度に設定される。
【0054】
この結果、予備加熱時のヒータ14の加熱温度の推移は、図5に示すように、予備加熱領域H1と、オーバーシュート領域H2と、自然冷却領域H3とに大別される。
【0055】
ところで、従来の液体加熱器では、所望の湯温をすぐに供給するために、ヒータを予備加熱する場合がある。この場合、一般的には、予備加熱によって、ヒータが一定温度以上になってから湯の供給を行う。このため、ヒータ電源をオンしてからヒータが一定温度以上になるまでに時間がかかるので、ヒータを予備加熱する前の状態において湯の供給を希望しても即時に湯を得ることはできない。
【0056】
具体例として、例えば、ポンプの制御のみによる湯温制御を行う特許文献1に記載の湯沸かし装置を用いてヒータを予備加熱することを考える。この場合、ユーザーが予備加熱中のどのタイミングで給湯を開始するかはランダムである。すなわち、ユーザーが、ヒータの予備加熱中において、図5に示す予備加熱領域H1、オーバーシュート領域H2又は自然冷却領域H3のいずれの領域で湯の供給を開始するかは定まっていない。つまり、いずれの領域で、ヒータ14の本加熱を行いかつポンプ13を駆動することによる液体の搬送を開始するかは定まっていない。
【0057】
ここで、予備加熱領域H1、オーバーシュート領域H2及び自然冷却領域H3に分けられた各領域では、ヒータ14の熱容量が大きく異なる。このため、湯の供給を開始した時の液体搬送流速によっては、所望の湯温まで到達するには立ち上がりに多くの時間が必要になることがある。また、吐出される湯が突沸やスチーム化することにより安定的な給湯ができないこともある。
【0058】
そこで、例えば、予備加熱領域H1にて給湯するときは、給湯開始を予備加熱終了温度まで待機させるのが一般的な考え方であるが、給湯時間が長くなる。
【0059】
また、オーバーシュート領域H2にて給湯するときは、直ちに給湯を開始することは可能である。具体的には、図5に示すように、予備加熱により十分にヒータ14が加熱されているので、予備加熱領域H1及び自然冷却領域H3に比べて、素早く高温の湯が給湯される。
【0060】
しかし、湯の供給を開始した時の液体搬送流速によっては、吐出される湯が突沸やスチーム化することにより安定的な給湯ができないという問題を防ぐためには、ポンプ13の制御だけでなく、半導体素子をドライバとした精密なヒータ14の制御も必要となる。
【0061】
このため、高電力対応の半導体素子と放熱部品とが必要となり、部材費の増加が懸念される。
【0062】
次に、自然冷却領域H3にて給湯するときも、直ちに給湯開始可能である。しかし、オーバーシュート領域H2での給湯と同様の理由で、ポンプ13の制御だけでなく、精密なヒータ14の制御が必要となる。この結果、同様にして、部材費の増加が懸念される。
【0063】
以上のように、従来の液体加熱器では、給湯を安定化するために、ヒータの予備加熱が一般的であるが、ユーザーがどのタイミングで給湯を開始するかはランダムであり、ヒータ14の給湯開始時の状態が変動する。
【0064】
そこで、本実施の形態の液体加熱器1Aでは、ヒータ14の予備加熱を行う場合に、ヒータ14の温度検知、ヒータ14の制御、及びポンプ13の制御を行って給湯温度の調整を行うときに、ヒータ14の温度を少なくとも2点検知し、そのヒータ温度と温度勾配とからヒータ14の初期状態を同定する。これにより、ポンプ13の制御のみで給湯温度を適切に調整することができる。
【0065】
具体的には、以下のようにする。
【0066】
一例として、図5に示すように、給湯を開始する2秒前のヒータ14の加熱温度が予備加熱温度終了温度の50℃よりも低い30℃であるとする。また、給湯を開始する1秒前のヒータ14の加熱温度が予備加熱温度終了温度の50℃よりも低く、1秒前の加熱温度の30℃よりも高い32℃であるとする。
【0067】
この場合、給湯を開始する時のヒータ14の直前の状態は、温度勾配がプラスの2℃/秒であり、32℃よりも数℃高くなっている。この結果、図5に示す予備加熱領域H1の状態にあることを同定することができる。したがって、ヒータ14の制御のみで給湯温度を調整することができる。
【0068】
それゆえ、従来技術と比較して、大電力である加熱部を制御する必要がないため、制御手段として、放熱板や放熱ファンが必要な半導体素子を使用する必要がなく、制御手段の部材費を抑えることができる。また、環境に依存せずに、給湯開始時に低温から高温まで、さらに大量から少量まで、所望通りの温度・量に加熱された液体を早く供給することが可能である。
【0069】
このように、本実施の形態の液体加熱器1Aでは、供給部としての水供給部12から搬送部としてのポンプ13にて搬送される搬送中の液体を電力による加熱部としてのヒータ14にて加熱する。そして、水供給部12での供給液体温度としての供給水温度データ33を検知する液体温度検知部としての供給水温度検知部TLSと、ポンプ13による液体搬送流速を検出する流速検出部としての流量検知部FLSと、ヒータ14の加熱温度としてのヒータ温度データ34を検知する加熱温度検知部としてのヒータ温度検知部THSと、必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力する入力部22Aと、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ該予備加熱以降の加熱温度を少なくとも2点以上検知したときの温度勾配としてのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御する制御部としてのコントローラ21とが設けられている。
【0070】
従来のポンプ制御により湯温を制御する液体加熱器においては、所望の温度の湯をすぐに給湯するために、ヒータを予備加熱する場合がある。
【0071】
しかしながら、ユーザーが給湯するタイミングはランダムであると共に、時系列で液体が供給される際のヒータの熱容量は変動する。このため、給湯開始時に安定的に所望の湯温の湯を供給することができないという問題点を有している。
【0072】
そこで、本実施の形態では、水供給部12での供給液体温度を検知する供給水温度検知部TLSと、ポンプ13による液体搬送流速を検出する流量検知部FLSと、ヒータ14の加熱温度を検知するヒータ温度検知部THSとを設けている。
【0073】
そして、入力部22Aにて必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力すると、コントローラ21は、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ該予備加熱以降の加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及び加熱温度に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御する。
【0074】
このため、予備加熱時の温度勾配を考慮して、給湯開始時、つまり液体の搬送と同時に行うヒータ14の本加熱を開始する時に、適切な湯温及び温液体搬送流速が得られるように調整する。
【0075】
この結果、給湯開始時の湯温及び温液体搬送流速が適切であるので、本実施の形態の制御をしない場合に比べて、給湯開始時において安定的に所望の湯温の湯を早く供給することができる。すなわち、このような制御をしない場合には、給湯開始時に生成される湯温が、所望の温度になっておらず、例えば給湯温度がぬるい等の現象が発生したり、逆に、熱過ぎて突沸現象が生じたりし易い。
【0076】
したがって、給湯開始時においても所望温度の湯を精度良く安定してかつ早く供給し得る液体加熱器1Aを提供することができる。また、給湯開始時において、少量の液体であったり、沸騰付近の高温の液体であったりしても、部材コストを抑えた上で、安定的かつ早く、供給可能な液体加熱器1Aを提供することができる。
【0077】
また、本実施の形態における液体加熱器1Aでは、コントローラ21は、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度と、検知された供給水温度データ33と、検知されたヒータ温度データ34と、温度勾配としてのヒータ温度勾配データ35とによって初期の目標液体搬送流速を設定すると共に、目標液体搬送流速と、液体の搬送と同時に行うヒータ14の本加熱を開始した後に検出された液体搬送流速との比較により、該目標液体搬送流速を変更可能となっている。
【0078】
すなわち、コントローラ21は、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように液体搬送流速を制御する際に、まず、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度と、検知された供給水温度データ33と、検知されたヒータ温度データ34と、ヒータ温度勾配データ35とによって、初期の目標液体搬送流速を設定する。さらに、制御部は、目標液体搬送流速と、液体の搬送と同時に行うヒータ14の本加熱を開始した後に検出された液体搬送流速とを比較したときに、例えば、目標液体搬送流速と検出された液体搬送流速とが異なっていれば、該目標液体搬送流速を変更する。
【0079】
この結果、検出された液体搬送流速が目標液体搬送流速と異なっている場合には、直ちにフィードバックして、目標液体搬送流速を設定し直すので、迅速かつ確実に精度良く湯温を制御することができる。
【0080】
したがって、目標通りの加熱温度に加熱された所望量の液体を早く供給することが可能となる。
【0081】
また、本実施の形態における液体加熱器1Aは、電力の電源電圧を検知する電圧検知部としての電圧検知部VSがさらに設けられていると共に、コントローラ21は、さらに、検知された上記電源電圧に基づいて、前記目標液体搬送流速を変更可能となっている。
【0082】
すなわち、ヒータ14の加熱温度は、ヒータ14やポンプ13に入力される電力によって変動する。これに対して、本実施の形態では、電力の電源電圧を検知する電圧検知部VSを設け、検知された電源電圧に基づいて、目標液体搬送流速を変更するので、電源電圧の変動による湯温の変動を抑制することができる。この結果、確実に精度良く湯温を制御することができる。
【0083】
したがって、目標通りの加熱温度に加熱された所望量の液体を早く供給することが可能となる。
【0084】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図6図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
本実施の形態の液体加熱器1Bは、前記実施の形態1の液体加熱器1Aの構成に加えて、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱したときに、入力部22Bには、ヒータ14の予備加熱を停止するときの加熱停止温度をさらに設定可能となっている点が異なっている。
【0086】
本実施の形態の液体加熱器1Bの構成及び動作について、図6及び図7に基づいて説明する。図6は、本実施の形態の液体加熱器1Bの構成を示すブロック図である。図7は、本実施の形態の液体加熱器1Bの制御動作を示すフローチャートである。
【0087】
本実施の形態の液体加熱器1Bには、図6に示すように、必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度に加えて、加熱部としてのヒータ14の予備加熱を停止するときの加熱停止温度をさらに設定可能となっている入力部22Bが設けられている。
【0088】
上記構成の液体加熱器1Bでは、図7に示すように、液体を加熱するときには、入力部22Bにて湯の温度及び量つまり所望加熱水温度及び必要供給量を設定入力すると共に、ヒータ14の予備加熱を停止するときの加熱停止温度を設定入力する(S11)。
【0089】
これにより、本実施の形態の液体加熱器1Bでは、前記図5に示すように、予備加熱するときに、この加熱停止温度以下を予備加熱領域H1とし、加熱停止温度を越えて自然冷却領域H3になるまでをオーバーシュート領域H2として、明確に3区分し、この3区分された領域毎に異なる制御をするようになっている。
【0090】
尚、これ以外の構成及び制御動作については、前記実施の形態1の液体加熱器1Aにて説明した構成及び制御動作であるので、その説明を省略する。
【0091】
次に、予備加熱領域H1において、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように液体搬送流速を制御する場合の効果について、図8に基づいて説明する。図8は、予備加熱領域H1において、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、給湯を開始して液体搬送流速を制御する場合の実験結果を示すグラフである。尚、給湯温度の値は、吐出部15から給湯される湯の温度をロガーにて実測した値である。また、図8においては、加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、液体搬送流速を制御する場合を実施例1と称し、そのような制御をしない場合を比較例1と称している。
【0092】
まず、実験条件として、環境温度は25〜30℃、給湯設定温度は98℃、供給される水の温度は25〜28℃である。この条件において、ヒータ14としては螺旋状流路41を含む鋳込みヒータ40を用い、給湯時には1300Wの電力を常に通電し、ポンプ13とヒータ14は同時にスタートさせる。
【0093】
その結果、比較例1では、上記環境化で給湯設定温度を98℃にするために、制御回路にてポンプ13の初期目標設定流速は233cc/minに設定されている。
【0094】
これに対して、実施例1では、コントローラ21にてヒータ14のヒータ温度データ34及びヒータ温度勾配データ35から、ヒータ14の状態が予備加熱領域H1の領域になっていることが同定できる。そこで、実施例1では、ポンプ13の初期目標設定流速を50cc/minとし、15秒後に目標流速の233cc/minになるように、コントローラ21にて差分補正をかけ、流速を変化させた。
【0095】
その結果、実施例1は、比較例1つまり233cc/minの一定流速にて給湯される場合に比べて、目標給湯温度の98℃に到達するまでの時間が早く、給湯温度の精度も向上することが可能であることが把握された。
【0096】
ここで、比較例1では、実施例1と同等の給湯をするためには、ヒータ14の制御が必要となる。したがって、実施例1は比較例1と比較して、大電力であるヒータ14を制御する必要が無いため、制御回路として放熱板や放熱ファンが必要な半導体素子を使用する必要が無く、制御回路の部材費を抑えることができる。また、環境に依存せず、給湯開始時かつ高温かつ少量まで、所望通りの温度・量に加熱された液体を早く供給することが可能である。
【0097】
このように、本実施の形態の液体加熱器1Bでは、入力部22Bは、ヒータ14の予備加熱を停止するときの加熱停止温度をさらに設定可能となっている。
【0098】
すなわち、加熱停止温度を設定しないで予備加熱したときには、加熱温度が高くなり過ぎ、ヒータ14の本加熱と液体の搬送とを同時に開始した時に、湯が突沸状態になる場合がある。
【0099】
そこで、本実施の形態では、ヒータ14の予備加熱を停止するときの加熱停止温度が設定可能となっている。これにより、ヒータ14の予備加熱を停止しても、通常、加熱温度が加熱停止温度を越えて上昇するが、適切な加熱停止温度を設定することにより、その上昇温度の最大値を一定値で抑えることができる。その結果、突沸を避けることができる。
【0100】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1及び実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0101】
本実施の形態では、液体加熱器1Bにおけるオーバーシュート領域H2において、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御する場合の効果について、図9に基づいて説明する。図9は、オーバーシュート領域H2において、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、給湯を開始して液体搬送流速を制御する場合の実験結果を示すグラフである。尚、給湯温度の値は、吐出部15から給湯される湯の温度をロガーにて実測した値である。また、図9においては、加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、液体搬送流速を制御する場合を実施例2と称し、そのような制御をしない場合を比較例2と称している。
【0102】
まず、実験条件としては、前記実施の形態2の実施例1と同じであり、環境温度は25〜30℃、給湯設定温度は98℃、供給される水の温度は25〜28℃である。この条件において、ヒータ14としては螺旋状流路41を含む鋳込みヒータ40を用い、給湯時には1300Wの電力を常に通電し、ポンプ13とヒータ14は同時にスタートさせる。
【0103】
その結果、比較例2では、上記環境化で給湯設定温度を98℃にするために、制御回路にてポンプ13の初期目標設定流速は233cc/minに設定されている。
【0104】
これに対して、実施例2では、コントローラ21にてヒータ14のヒータ温度データ34及びヒータ温度勾配データ35から、ヒータ14の状態がオーバーシュート領域H2の領域になっていることが同定できる。
【0105】
そこで、実施例2では、ポンプ13の初期目標設定流速を150cc/minとし、15秒後に目標流速の233cc/minになるように、コントローラ21にて差分補正をかけ、流速を変化させた。
【0106】
その結果、実施例2は、比較例2つまり233cc/minの一定流速にて給湯される場合に比べて、目標給湯温度の98℃に到達するまでの時間が早く、給湯温度の精度も向上することが可能であることが把握された。
【0107】
ここで、比較例2では、実施例2と同等の給湯をするためには、ヒータ14の制御が必要となる。したがって、実施例2は、比較例2と比較して、大電力であるヒータ14を制御する必要が無いため、制御回路として放熱板や放熱ファンが必要な半導体素子を使用する必要が無く、制御回路の部材費を抑えることができる。また、環境に依存せず、給湯開始時かつ高温かつ少量まで、所望通りの温度・量に加熱された液体を早く供給することが可能である。
【0108】
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜実施の形態3と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
本実施の形態では、液体加熱器1Bにおける自然冷却領域H3において、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御する場合の効果について、図10に基づいて説明する。図10は、オーバーシュート領域H2において、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、給湯を開始して液体搬送流速を制御する場合の実験結果を示すグラフである。尚、給湯温度の値は、吐出部15から給湯される湯の温度をロガーにて実測した値である。また、図10においては、加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、液体搬送流速を制御する場合を実施例3と称し、そのような制御をしない場合を比較例3と称している。
【0110】
まず、実験条件としては、前記実施の形態2及び実施の形態3と同じであり、環境温度は25〜30℃、給湯設定温度は98℃、供給される水の温度は25〜28℃である。この条件において、ヒータ14としては螺旋状流路41を含む鋳込みヒータ40を用い、給湯時には1300Wの電力を常に通電し、ポンプ13とヒータ14は同時にスタートさせる。
【0111】
その結果、比較例3では、上記環境化で給湯設定温度を98℃にするために、制御回路にてポンプ13の初期目標設定流速は233cc/minに設定されている。
【0112】
これに対して、実施例3では、コントローラ21にてヒータ14のヒータ温度データ34及びヒータ温度勾配データ35から、ヒータ14の状態が自然冷却領域H3の領域になっていることが同定できる。
【0113】
そこで、実施例3では、ポンプ13の初期目標設定流速を100cc/minとし、15秒後に目標流速の233cc/minになるように、コントローラ21にて差分補正をかけ、流速を変化させた。
【0114】
その結果、実施例3は、比較例3つまり233cc/minの一定流速にて給湯される場合に比べて、目標給湯温度の98℃に到達するまでの時間が早く、給湯温度の精度も向上することが可能であることが把握された。
【0115】
ここで、比較例3では、実施例3と同等の給湯をするためには、ヒータ14の制御が必要となる。したがって、実施例3は比較例3と比較して、大電力であるヒータ14を制御する必要が無いため、制御回路として放熱板や放熱ファンが必要な半導体素子を使用する必要が無く、制御回路の部材費を抑えることができる。また、環境に依存せず、給湯開始時かつ高温かつ少量まで、所望通りの温度・量に加熱された液体を早く供給することが可能である。
【0116】
ここで、本実施の形態2〜4の説明において、比較例1〜3においては、給湯設定温度を98℃にするために、制御回路にてポンプ13の初期目標設定流速は一定の233cc/minに設定されている。これに対して、液体加熱器1Bでは、実施の形態2の予備加熱領域H1では、初期目標設定流速50cc/minから233cc/minまで目標液体搬送流速を上昇させ、オーバーシュート領域H2では初期目標設定流速150cc/minから233cc/minまで目標液体搬送流速を上昇させ、自然冷却領域H3では初期目標設定流速100cc/minから233cc/minまで目標液体搬送流速を上昇させている。
【0117】
このように、本実施の形態2〜4における液体加熱器1Bでは、コントローラ21は、目標液体搬送流速を時間の経過に伴って次第に大きくなるように制御する。
【0118】
すなわち、予備加熱時の加熱温度が小さいときに給湯開始となった場合には、ヒータ14の加熱温度が低いので、この状態で、目標液体搬送流速を大きくすると所望の湯温を得ることが困難となる。このため、初期の目標液体搬送流速は小さい方がよい。
【0119】
一方、時間の経過に伴って次第にヒータ14の加熱温度が高くなる。この場合には、目標液体搬送流速を大きくしても所望の高温の湯を得ることができる。逆に、温度が高くなり過ぎるのを防止するために、目標液体搬送流速を大きくするのがよい。
【0120】
したがって、目標液体搬送流速が時間の経過に伴って次第に大きくなるように制御することによって、適切な温度の湯を得ることができる。
【0121】
また、本実施の形態2〜4の説明において、液体を搬送する前にヒータ14を予備加熱し、かつ該予備加熱以降の加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ35及びヒータ温度データ34に基づいて、給湯を開始して液体搬送流速を制御する場合の初期の目標液体搬送流速は、以下の通りになっている。
【0122】
すなわち、予備加熱領域H1ではポンプ13の初期の目標液体搬送流速V1は50cc/minであり、オーバーシュート領域H2ではポンプ13の初期の目標液体搬送流速V2は150cc/minであり、自然冷却領域H3ではポンプ13の初期の目標液体搬送流速V3は100cc/minである。
【0123】
このように、本実施の形態2〜4における液体加熱器1Bでは、コントローラ21は、予備加熱時の加熱温度が加熱停止温度以下の場合の初期の目標液体搬送流速をV1とし、予備加熱停止後における自然冷却期間の初期の目標液体搬送流速をV3とし、さらに、予備加熱時の加熱温度が加熱停止温度を越え、かつ自然冷却期間になるまでの期間の初期の目標液体搬送流速をV2とした場合、
V1<V3<V2
の関係を有するように初期の目標液体搬送流速を制御する。
【0124】
すなわち、予備加熱時の加熱温度が加熱停止温度以下の場合つまり予備加熱領域H1では、加熱温度が最も低いので、初期の目標液体搬送流速V1を小さくすることが好ましい。
【0125】
また、予備加熱時の加熱温度が上記加熱停止温度を越え、かつ自然冷却期間つまり自然冷却領域H3になるまでの期間の初期の目標液体搬送流速V2は、所謂オーバーシュート期間つまりオーバーシュート領域H2であり、加熱停止後の放置状態にて自然に加熱部の温度が上昇する。この結果、ヒータ14の熱エネルギーが高いので、初期の目標液体搬送流速V2を最も大きくしても所望の高温の湯を供給することができる。
【0126】
さらに、自然冷却領域H3は、ヒータ14の熱エネルギーが加熱停止温度以下の場合つまり予備加熱領域H1と所謂オーバーシュート期間つまりオーバーシュート領域H2との間の状態である。このため、自然冷却期間の初期の目標液体搬送流速V3は、初期の目標液体搬送流速V2と初期の目標液体搬送流速V1との間に設定する。
【0127】
これにより、加熱停止温度以下の期間つまり予備加熱領域H1、所謂オーバーシュート期間つまりオーバーシュート領域H2又は自然冷却領域H3のいずれの場合でも、給湯開始時においても所望温度の湯を安定して早く供給することができる。
【0128】
〔まとめ〕
本発明の態様1における液体加熱器1A・1Bは、供給部(水供給部12)から搬送部(ポンプ13)にて搬送される搬送中の液体を電力による加熱部(ヒータ14)にて加熱する液体加熱器において、上記供給部(水供給部12)での供給液体温度(供給水温度データ33)を検知する液体温度検知部(供給水温度検知部TLS)と、上記搬送部(ポンプ13)による液体搬送流速を検出する流速検出部(流量検知部FLS)と、上記加熱部(ヒータ14)の加熱温度(ヒータ温度データ34)を検知する加熱温度検知部(ヒータ温度検知部THS)と、必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力する入力部22Aと、上記液体を搬送する前に加熱部(ヒータ14)を予備加熱し、かつ該予備加熱以降の加熱温度(ヒータ温度データ34)を少なくとも2点以上検知したときの温度勾配(ヒータ温度勾配データ35)及び加熱温度(ヒータ温度データ34)に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、上記液体搬送流速を制御する制御部(コントローラ21)とが設けられていることを特徴としている。
【0129】
上記の発明によれば、供給部での供給液体温度を検知する液体温度検知部と、搬送部による液体搬送流速を検出する流速検出部と、加熱部の加熱温度を検知する加熱温度検知部とを設けている。そして、入力部にて必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力すると、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御する。
【0130】
この結果、実測による供給液体温度及び加熱温度に基づいて、液体搬送流速を制御するので、加熱液体温度を自在に精度良くコントロールできる。したがって、繊細な湯の温度の調整を行うことができる。
【0131】
特に、本発明では、液体を搬送する前に加熱部を予備加熱し、かつ該予備加熱以降の加熱温度を少なくとも2点以上検知したときの温度勾配及び加熱温度に基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御する。このため、予備加熱時の温度勾配を考慮して、給湯開始時、つまり液体の搬送と同時に行う加熱部の本加熱を開始する時に、適切な湯温及び温液体搬送流速が得られるように調整する。
【0132】
この結果、給湯開始時の湯温及び温液体搬送流速が適切であるので、本発明の制御をしない場合に比べて、給湯開始時において安定的に所望の湯温の湯を早く供給することができる。すなわち、このような制御をしない場合には、給湯開始時に生成される湯温が、所望の温度になっておらず、例えば給湯温度がぬるい等の現象が発生したり、逆に、熱過ぎて突沸現象が生じたりし易い。
【0133】
したがって、給湯開始時においても所望温度の湯を精度良く安定してかつ早く供給し得る液体加熱器を提供することができる。
【0134】
本発明の態様2における液体加熱器1A〜1Bは、態様1における液体加熱器において、前記制御部(コントローラ21)は、前記設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度と、検知された前記供給液体温度(供給水温度データ33)と、検知された加熱温度(ヒータ温度データ34)と、温度勾配(ヒータ温度勾配データ35)とによって初期の目標液体搬送流速を設定すると共に、目標液体搬送流速と、液体の搬送と同時に行う加熱部の本加熱を開始した後に検出された液体搬送流速との比較により、該目標液体搬送流速を変更可能となっているとすることができる。
【0135】
すなわち、制御部は、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように液体搬送流速を制御する際に、まず、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度と、検知された前記供給液体温度と、検知された前記加熱温度と、温度勾配とによって、初期の目標液体搬送流速を設定する。さらに、制御部は、目標液体搬送流速と、液体の搬送と同時に行う加熱部の本加熱を開始した後に検出された液体搬送流速とを比較したときに、例えば、目標液体搬送流速と検出された液体搬送流速とが異なっていれば、該目標液体搬送流速を変更する。
【0136】
この結果、検出された液体搬送流速が目標液体搬送流速と異なっている場合には、直ちにフィードバックして、目標液体搬送流速を設定し直すので、迅速かつ確実に精度良く湯温を制御することができる。
【0137】
したがって、目標通りの加熱温度に加熱された所望量の液体を早く供給することが可能となる。
【0138】
本発明の態様3における液体加熱器1Bは、態様1又は2における液体加熱器において、入力部22Bは、前記加熱部(ヒータ14)の予備加熱を停止するときの加熱停止温度をさらに設定可能となっていることが好ましい。
【0139】
すなわち、加熱停止温度を設定しないで予備加熱したときには、加熱温度が高くなり過ぎ、加熱部の本加熱と液体の搬送とを同時に開始した時に、湯が突沸状態になる場合がある。
【0140】
そこで、本発明では、加熱部の予備加熱を停止するときの加熱停止温度が設定可能となっている。これにより、加熱部の予備加熱を停止しても、通常、加熱温度が加熱停止温度を越えて上昇するが、適切な加熱停止温度を設定することにより、その上昇温度の最大値を一定値で抑えることができる。その結果、突沸を避けることができる。
【0141】
本発明の態様4における液体加熱器1Bは、態様2又は3における液体加熱器において、前記制御部は、目標液体搬送流速が時間の経過に伴って次第に大きくなるように制御することが好ましい。
【0142】
すなわち、予備加熱時の加熱温度が小さいときに給湯開始となった場合には、加熱部の加熱温度が低いので、この状態で、目標液体搬送流速を大きくすると所望の湯温を得ることが困難となる。このため、初期の目標液体搬送流速は小さい方がよい。
【0143】
一方、時間の経過に伴って次第に加熱部の加熱温度が高くなる。この場合には、目標液体搬送流速を大きくしても所望の高温の湯を得ることができる。逆に、温度が高くなり過ぎるのを防止するために、目標液体搬送流速を大きくするのがよい。
【0144】
したがって、目標液体搬送流速が時間の経過に伴って次第に大きくなるように制御することによって、適切な温度の湯を得ることができる。
【0145】
本発明の態様5における液体加熱器1Bは、態様3における液体加熱器において、前記制御部(コントローラ21)は、前記予備加熱時の加熱温度が前記加熱停止温度以下の場合の初期の目標液体搬送流速をV1とし、前記予備加熱停止後における自然冷却期間の初期の目標液体搬送流速をV3とし、上記予備加熱時の加熱温度が上記加熱停止温度を越え、かつ自然冷却期間になるまでの期間の初期の目標液体搬送流速をV2とした場合、
V1<V3<V2
の関係を有するように初期の目標液体搬送流速を制御することが好ましい。
【0146】
すなわち、予備加熱時の加熱温度が加熱停止温度以下の場合には、加熱温度が最も低いので、初期の目標液体搬送流速V1を小さくすることが好ましい。
【0147】
また、予備加熱時の加熱温度が上記加熱停止温度を越え、かつ自然冷却期間になるまでの期間の初期の目標液体搬送流速V2は、所謂オーバーシュート期間であり、加熱停止後の放置状態にて自然に加熱部の温度が上昇する。この結果、加熱部の熱エネルギーが高いので、初期の目標液体搬送流速V2を最も大きくしても所望の高温の湯を供給することができる。
【0148】
さらに、自然冷却期間は、加熱部の熱エネルギーが加熱停止温度以下の場合と所謂オーバーシュート期間との間の状態である。このため、自然冷却期間の初期の目標液体搬送流速V3は、初期の目標液体搬送流速V2と初期の目標液体搬送流速V1との間に設定することが好ましい。
【0149】
これにより、加熱停止温度以下の期間、所謂オーバーシュート期間又は自然冷却期間のいずれの場合でも、給湯開始時においても所望温度の湯を安定して早く供給することができる。
【0150】
本発明の態様6における液体加熱器1A・1Bは、態様2における液体加熱器において、前記電力の電源電圧を検知する電圧検知部(電圧検知部VS)がさらに設けられていると共に、前記制御部(コントローラ21)は、さらに、検知された上記電源電圧に基づいて、前記目標液体搬送流速を変更可能となっていることが好ましい。
【0151】
すなわち、加熱部の加熱温度は、加熱部や搬送部に入力される電力によって変動する。これに対して、本発明では、電力の電源電圧を検知する電圧検知部を設け、検知された上記電源電圧に基づいて、目標液体搬送流速を変更するので、電源電圧の変動による湯温の変動を抑制することができる。この結果、確実に精度良く湯温を制御することができる。
【0152】
したがって、目標通りの加熱温度に加熱された所望量の液体を早く供給することが可能となる。
【0153】
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明は、ミルクを生成したり、コーヒーを生成したり、ティーパックを含む茶葉と混ぜて茶を作成したり、又は粉末ジュースと混ぜてジュースを作成したりする飲料生成器の液体加熱器に適用することができる。
【符号の説明】
【0155】
1A 液体加熱器
1B 液体加熱器
10 装置本体部
11 電源部
12 水供給部(供給部)
13 ポンプ(搬送部)
14 ヒータ(加熱部)
15 吐出部
16 ポンプ制御素子
17 ヒータ制御素子
20 制御装置
21 コントローラ(制御部)
21a 目標設定部
21b ヒータ制御部
21c ポンプ制御部
22A 入力部
22B 入力部
31 入力データ
32 電源電圧値(電源電圧)
33 供給水温度データ(供給液体温度)
34 ヒータ温度データ(加熱温度)
35 ヒータ温度勾配データ(温度勾配)
40 鋳込みヒータ(加熱部)
41 螺旋状流路
42 ヒータ電極

FLS 流量検知部(液体搬送流速検出部)
THS ヒータ温度検知部(加熱温度検知部)
TLS 供給水温度検知部(供給液体温度検知部)
V1〜V3 初期の目標液体搬送流速
VS 電圧検知部
【要約】
【課題】加熱部を予備加熱する場合に、給湯開始時においても所望温度の湯を精度良く安定してかつ早く供給し得る液体加熱器を提供する。
【解決手段】供給水温度検知部(TLS)と、流量検知部(FLS)と、ヒータ温度検知部(THS)と、必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を設定入力する入力部(22A)と、液体を搬送する前にヒータ(14)を予備加熱し、かつ該予備加熱以降の加熱温度を少なくとも2点以上検知したときのヒータ温度勾配データ及びヒータ温度データに基づいて、設定入力された必要加熱液体量及び所望の加熱液体温度を得るように、液体搬送流速を制御するコントローラ(21)とが設けられている。
【選択図】図1
図1
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図10