【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の「発明の概要」と下記の「発明を実施するための形態」で開示する主題に加えて、この項の以下の各節では、必要に応じて、本出願の手続中に使用することがある代替の請求項表現をさらに基礎固めすることが意図されている。本出願が認可された場合、いくつかの態様は本出願の手続中に追加された請求項に関連する可能性があり、別の態様は本出願の手続中に削除された請求項に関連する可能性があり、また別の態様は請求項に記載しなかった主題に関連する可能性がある。さらに、以下に詳細に説明するさまざまな態様は、他に別段の記載がない限り、互いに独立している。1つの態様に対応するいかなる請求項も、請求項に明記しない限り、残りの態様のいかなる要素又は特徴も組み込んでいると解釈すべきではない。
【0010】
第1の態様によれば、メディアディスペンサ内で使用する着脱式のメディアアイテム収納装置であって、
振り分けられたメディアアイテムをメディアアイテムのスタッキングの前に受領するダイバータ入口と、
メディアアイテムのスタッキング後、メディアアイテムのスタックの顧客への提示前にメディアアイテムのスタックを受領する非提示スタック入口と、
メディアアイテムのスタックの顧客への提示後にメディアアイテムのスタックを受領する提示スタック入口と
を備える着脱式のメディアアイテム収納装置が提供される。
【0011】
着脱式のメディアアイテム収納装置は、容器内に旋回可能に取り付けられ、閉位置側へ付勢したダイバータ入口シャッターと、ダイバータ入口シャッターを閉位置に維持する戻り止めと、容器がメディア提示装置内に取り付けられた時に爪を収容するチャネルと、リンクアームによってダイバータ入口シャッターに結合されたコグであって、チャネルに整列して、爪がチャネル内に収容された時に、ダイバータ入口シャッターを開位置へ駆動するように動作するコグとをさらに備える。
【0012】
着脱式のメディアアイテム収納装置は、第1のチャネルに平行で、容器がメディア提示装置内に取り付けられた時に爪を収容する第2のチャネルと、第2のリンクアームによってダイバータ入口シャッターに結合された第2のコグであって、第2のチャネルに整列して、爪が各チャネル内に収容された時に、ダイバータ入口シャッターを開位置へ駆動するように動作する第2のコグとをさらに含む。
【0013】
非提示スタック入口及び提示スタック入口の各々は、アパーチャを有してもよく、非提示スタック入口及び提示スタック入口は、非提示及び提示アパーチャの各々の幅にほぼ等しい距離だけ離間してもよい。
【0014】
容器は、容器の上面に摺動可能に取り付けられたフレームをさらに備えてもよく、該フレームは、非提示アパーチャの幅に対応する寸法を有し、板によって各々の側に画定された非提示スロットを画定し、板の1つが少なくとも非提示アパーチャの幅に等しい幅を有し、板が閉位置側へ付勢された時に、非提示及び提示アパーチャの両方は、フレームによって閉鎖され、フレームが開位置側へ付勢された時に非提示アパーチャは非提示スロットに整列し、フレームの縁部は非提示アパーチャと提示アパーチャの間の領域の下に位置する。
【0015】
旋回軸によってフレームに歯止めを旋回可能に結合できるため、爪が歯止めを下方に付勢し、爪による歯止めのさらなる付勢によってフレームは後方へ付勢される。戻り止めを提供してフレームが終端位置から先へ移動することを防止してもよい。
【0016】
メディアアイテム収納装置は、ダイバータ入口と反対側のアクセスドアを含んでもよい。アクセスドアは、留め金で閉止してもよい。
【0017】
メディアアイテム収納装置は、下面、下面の第1の部分と反対側に延在する中上面、及び下面の第2の部分の反対側に延在する上面を画定するスプリットレベルハウジングを含んでもよく、容器は、中上面と下面との間に結合し下面と中上面とによって画定されたダイバータコンパートメントを下面と上面とによって画定されたパージコンパートメントから分離する分割器をさらに含んでもよい。
【0018】
メディアアイテム収納装置は、(i)中上面と下面との間に結合された第1の部分と、(ii)非提示入口と提示入口との間の地点で第1の部分と上面との間に結合された第2の部分とを含み、ダイバータコンパートメント、提示パージコンパートメント、及び非提示パージコンパートメントを提供する3ウェイ分割器をさらに備えてもよい。
【0019】
第1の部分は中上面に旋回可能に結合されてもよく、下面にスナップ嵌め結合を有してもよく、したがって、第1の部分は上方に(中上面へ向かって)旋回してダイバータコンパートメントへのアクセスを提供できる。
【0020】
第2の部分は第1の部分に旋回可能に結合されてもよい。第2の部分は第1の部分に蝶着可能に結合してもよく、上面にスナップ嵌め結合を有してもよく、したがって、第2の部分を下面へ向けて下方に蝶着して提示パージコンパートメントへのアクセスを提供してもよい。
【0021】
第2の部分は、着脱式で、提示パージコンパートメントと非提示パージコンパートメントとの代わりに単一のパージコンパートメントを作成してもよい。
【0022】
メディアアイテム収納装置は、ダイバータ入口と反対側にあってアクセスドアアパーチャを閉鎖するように動作可能なアクセスドアと、第2の部分が上面に結合されていない場合にアクセスドアが閉じることを防止するように動作可能な警告機構をさらに備えてもよい。
【0023】
第2の部分は、(i)アクセスドアアパーチャと、(ii)第2の部分が第1の部分に結合する地点との間の距離を超える長さを含んでもよく、したがって、第2の部分が上面に結合していない場合(例えば、スナップ嵌め結合により)、第2の部分はアクセスドアアパーチャより先に突き出すため、アクセスドアは所定位置に配置できない。これは、補充器に対するメディアアイテム収納装置が正確に構成されていないという表示としての役割を果たすはずである。
【0024】
第2の態様によれば、
メディア提示装置であって、自身に結合されたノーズを含むシャーシであって、(i)シャーシから遠位側の提示端部と、(ii)シャーシから提示端部へ延在する提示トラックとを含むシャーシと、提示トラック上に取り付けられ、それに沿って移動するキャリッジであって、該キャリッジが、キャリッジ板に結合されたキャリッジ本体を備え、キャリッジがメディアアイテムの束を、(i)パージ端、又は(ii)パージ端と反対側の積載端のいずれかから搬送するように動作するキャリッジと、 カムトラックを画定し、カムフォロワに係合してメディアアイテムをキャリッジ板上に配置できる開位置と、キャリッジ板とキャリッジ本体との間にメディアアイテムをクランプする閉位置との間でキャリッジを移動させるカムブロックとを備え、 キャリッジは、(i)メディアアイテムの束が顧客に提示される提示位置と、(ii)パージ端が提示スタック入口に整列する提示パージ位置と、(iii)パージ端が非提示スタック入口に整列する非提示パージ位置との間で移動可能であるメディア提示装置が提供される。
【0025】
提示位置、提示パージ位置、及び非提示パージ位置は、提示トラックに沿って長手方向に離間していてもよい。
【0026】
第3の態様によれば、キャリッジ内に位置するメディアアイテムの束をメディアアイテム収納装置へ搬送する方法であって、メディアアイテムの束をメディアアイテム収納装置へ搬送することを確認するステップと、(i)メディアアイテムの束が顧客に提示されていない場合、(a)キャリッジを非提示パージ位置へ搬送し、(b)非提示スタック入口を通してメディアアイテムの束を非提示パージコンパートメント内に排出するステップ、又は(ii)メディアアイテムの束が顧客に提示されている場合、(a)キャリッジを非提示パージ位置から空間的に離れた提示パージ位置へ搬送し、(b)提示スタック入口を通してメディアアイテムの束を提示パージコンパートメント内に排出するステップとを含む方法が提供される。
【0027】
提示パージ位置は、非提示パージ位置から提示トラックに沿って横方向にオフセットされてもよい。
【0028】
この態様は、顧客に提示され、次に後退してパージされたメディアアイテムの束が、顧客に提示されずにパージされたメディアアイテムの束と別のコンパートメント内に保管されるという利点を有する。
【0029】
第4の態様によれば、メディア提示装置であって、自身に結合されたノーズを含むシャーシであって、シャーシ及びノーズが、(i)シャーシから遠位側の提示端部と、(ii)シャーシから提示端部へ延在する提示トラックとを含むシャーシと、提示トラック上に取り付けられ、それに沿って移動するキャリッジであって、リンク機構によってキャリッジ板に結合されたキャリッジ本体を備え、メディアアイテムをキャリッジ板上に配置できる開位置と、キャリッジ板とキャリッジ本体との間にメディアアイテムをクランプする閉位置との間でキャリッジ板が移動可能なキャリッジとを備えるメディア提示装置が提供される。
【0030】
キャリッジ本体は、キャリッジシャーシと、キャリッジシャーシ上に取り付けられ、キャリッジ板側に弾力的に付勢された上板と、上板に取り付けられ、複数の伸縮式ベルトを含む上部搬送部と、キャリッジシャーシ上の上板より上方に取り付けられたモータとを備えてもよい。
【0031】
キャリッジ板は、複数の伸縮式ベルトを含む下部搬送部をさらに備えてもよく、モータは上部搬送部及び下部搬送部を制御してキャリッジの取得端又はキャリッジの取得端と反対側の操作端からメディアアイテムの束を搬送させるように動作可能である。
【0032】
モータは、(i)メディアアイテムの束をパージ容器へ搬送する時には操作端、(ii)メディアアイテムの束を顧客に提示する時には取得端からメディアアイテムの束を搬送するように動作可能であってもよい。
【0033】
リンク機構は、(i)キャリッジ板をメディア入口端でキャリッジ本体に結合する第1の1対のリンクアームと、(ii)キャリッジ板を入口端と反対側の非入口端でキャリッジ本体に結合する第2の1対のリンクアームとを備えてもよい。
【0034】
モータは、キャリッジのメディア入口端の遠位側で、キャリッジの非入口端の近位側の取付点でシャーシに取り付けてもよい。
【0035】
キャリッジシャーシは、キャリッジシャーシを反転すると、モータ取付点がメディア入口端の近位側でキャリッジの非入口端の遠位側になるように反転可能であってもよい。
【0036】
メディア提示装置は、シャーシに結合され、キャリッジ板が開位置にある時にキャリッジ板上に配置されたメディアアイテムを整列状態に維持する位置合わせデバイスをさらに備えてもよい。
【0037】
位置合わせデバイスは、キャリッジ板が開位置にある時にキャリッジ板の上方に延在する複数のフィンガを備えてもよく、複数のフィンガは、(i)シャーシに旋回可能に結合され、(ii)キャリッジ板側へ弾力的に付勢されている。
【0038】
キャリッジ板は、キャリッジ板が開位置へ移動した時に複数のフィンガを偏向させてメディアアイテムを複数のフィンガの上方で搬送し、キャリッジ板上に配置するように構成されたバンパーをメディア入口端にさらに備えてもよい。
【0039】
フィンガは、バンパーによって十分に偏向させられた時に、フィンガがメディアアイテムがキャリッジ板上に配置された後に対向する位置合わせ縁部を提供するように配置され構成されてもよい。
【0040】
キャリッジ板は、閉鎖位置に戻る時に閉鎖経路を横切ってもよく、フィンガはバンパーに付勢され、閉鎖経路の第1の部分中にキャリッジ板上に位置合わせした束としてメディアアイテムを維持してもよく、フィンガは、閉鎖経路の第2の部分中にバンパー及びメディアアイテムスタックとの接触を停止してもよい。
【0041】
リンク機構は、(i)閉鎖経路の第1の部分中にメディアアイテムが重力によって滑落する比較的急峻な角度から、(ii)閉鎖経路の第2の部分中にメディアアイテムが重力によって滑落しない比較的浅い角度へキャリッジ板を移動させてもよい。
【0042】
第5の態様によれば、キャリッジから顧客にメディアアイテムの束を提示する方法であって、キャリッジが積載位置に達するまで提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、キャリッジを開いてキャリッジ本体から空間的に分離したキャリッジ板の上面を露出させるステップと、位置合わせ縁部を偏向させてメディアアイテム搬送部の出口部分をキャリッジ板に整列させるステップと、個々のメディアアイテムをキャリッジ板の上面へ搬送してメディアアイテムの束を形成するステップと、キャリッジを閉じてキャリッジ板の上面とキャリッジ本体の下面との間にメディアアイテムの束を挟持するステップと、キャリッジが提示位置に達するまで提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、メディアアイテムの束をキャリッジから顧客へ搬送するステップとを含む方法が提供される。
【0043】
位置合わせ縁部を偏向させるステップは、キャリッジ板が開位置へ移動する時にキャリッジ板を用いて複数の弾性フィンガを偏向させるサブステップを含んでもよい。
【0044】
メディアアイテムは、紙幣、チケット、クーポンなどを含んでもよい。
【0045】
第6の態様によれば、第2の態様のメディア提示装置に結合されたピックユニットを備えるメディアディスペンサが提供される。
【0046】
第7の態様によれば、第6の態様のメディアディスペンサを組み込むセルフサービス端末が提供される。セルフサービス端末は現金自動預払機であってもよい。
【0047】
第8の態様によれば、メディアアイテムの束を顧客に提示する方法であって、キャリッジが積載位置に達するまで提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、カムトラックに沿ってキャリッジ上のカムフォロワを第1の方向に案内してキャリッジを開いてキャリッジ本体から空間的に分離したキャリッジ板の上面を露出させるステップと、個々のメディアアイテムをキャリッジ板の上面へ搬送してメディアアイテムの束を形成するステップと、カムトラックに沿ってキャリッジ上のカムフォロワを第1の方向と逆の第2の方向に案内してキャリッジを閉じてキャリッジ板の上面とキャリッジ本体の下面との間にメディアアイテムの束を挟持するステップと、キャリッジが提示位置に達するまで提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、メディアアイテムの束をキャリッジから顧客へ搬送するステップとを含む方法が提供される。
【0048】
この方法は、キャリッジ板を用いてキャリッジ板が開位置へ移動する時に複数の弾性フィンガを偏向させるステップをさらに含んでもよい。
【0049】
この方法は、メディアアイテムがキャリッジ板の上面に配置された後に対向する縁部を提供するように、弾性フィンガを用いて、キャリッジ板の上面に搬送された個々のメディアアイテムをキャリッジ板の上面に位置合わせした状態で維持するステップをさらに含んでもよい。
【0050】
この方法は、メディアアイテムの束内の1つ又は複数のメディアアイテムが顧客によって取り除かれていないことを検出するステップと、キャリッジが積載位置にある時にカムトラックに沿ってカムフォロワが案内されないようにカムトラックへのリードイントラックがレッジトラックに引き継がれるレッジ位置へカムトラックを回転させるステップと、現在位置から積載位置より先に提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、残りのメディアアイテムをキャリッジからパージドメディアアイテム収納装置内へ搬送するステップとをさらに含んでもよい。
【0051】
第9の態様によれば、第3の態様のステップを実施するようにプログラミングされたコントローラが提供される。
【0052】
説明を分かりやすく簡潔にするために、上記の態様で提供された要素はそのすべての組合せを明示しているわけではない。それにもかかわらず、技術的に不可能でない限り、又はその逆の内容が明示されていない限り、1つの態様を指すコンシストリクローズ(consistory clause)は、それらのコンシストリクローズが関連する可能性があるすべての他の態様のオプションの特徴として準用されることを当業者であれば直接かつ明確に認識することができるであろう。
【0053】
上記及びその他の態様は、添付の図面を参照しながら以下の具体的な説明を読むことで明らかになるだろう。