(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5830607
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】皮膚マッサージ用振動モジュール
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20151119BHJP
【FI】
A61H23/02 330
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-520133(P2014-520133)
(86)(22)【出願日】2012年7月13日
(65)【公表番号】特表2014-530641(P2014-530641A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】KR2012005573
(87)【国際公開番号】WO2013009124
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2014年2月7日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0069600
(32)【優先日】2011年7月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】株式会社アモーレパシフィック
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】510008514
【氏名又は名称】セントロニクス コーポレーション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】パク,チャン−マン
(72)【発明者】
【氏名】イ,チル−スン
(72)【発明者】
【氏名】イ,チャン−クン
(72)【発明者】
【氏名】シン,テ−ホン
(72)【発明者】
【氏名】イル,スン−ファン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チョン−ファン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ウ−ラム
(72)【発明者】
【氏名】パク,キュン−シン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョン−ミン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ビョン−ヨン
【審査官】
中屋 裕一郎
(56)【参考文献】
【文献】
韓国登録実用新案第20−0219490(KR,Y1)
【文献】
国際公開第2007/046081(WO,A2)
【文献】
登録実用新案第3089625(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3156656(JP,U)
【文献】
韓国登録特許第10−0291011(KR,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0039749(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 19/00 − 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷回路基板と、
前記印刷回路基板に設けられる振動子と、
前記印刷回路基板に実装され、電源供給の際に前記振動子の振動動力を提供する駆動部と、
前記駆動部を制御して前記振動子の振動状態を制御する制御部と、
前記駆動部及び制御部に電源を供給するバッテリーと、
前記印刷回路基板とバッテリーを一体的に連結する支持板と、
前記バッテリーの電源端子及び前記印刷回路基板に形成された前記駆動部の電源端子を電気的に連結する電源接続部材と、
前記バッテリーの電源端子及び電源接続部材間の接触領域に取り付けられ、前記バッテリーから分離されるとき、前記バッテリーの電源端子と電源接続部材間の接触を許容する絶縁部材とを
含み、
前記印刷回路基板には、前記バッテリー及び振動子の挿入及び固定のためのバッテリー孔と振動子孔がそれぞれ形成され、前記バッテリーは少なくとも一部が前記バッテリー孔に挿入固定され、前記振動子は少なくとも一部が前記振動子孔に挿入固定されることを特徴とする、皮膚マッサージ用振動モジュール。
【請求項2】
前記支持板は柔軟性を有する素材からなることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚マッサージ用振動モジュール。
【請求項3】
前記バッテリーと振動子は、振動モジュールの柔軟性増加のために、前記支持板の楕円形一面を基準に長軸方向の両端にそれぞれ位置するように前記支持板に固定されることを特徴とする、請求項2に記載の皮膚マッサージ用振動モジュール。
【請求項4】
前記制御部は、前記駆動部をパルス幅変調(PWM:pulse width modu
lation)方式で制御し、二つ以上の相異なる出力パルスを前記駆動部に出力し、前記二つ以上の相異なる出力パルスは前もって設定された基準によって順次出力されるか、あるいは前もって選択されたいずれか一種のみが継続出力されることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚マッサージ用振動モジュール。
【請求項5】
前記印刷回路基板には、前記駆動部の電源供給のための電源端子が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚マッサージ用振動モジュール。
【請求項6】
前記絶縁部材はシート状に形成され、前記バッテリーに前記電源端子を遮るように着脱可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚マッサージ用振動モジュール。
【請求項7】
前記支持板の一面に、前記振動子と人体皮膚間の直接接触を防止する緩衝パッドが付着されることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚マッサージ用振動モジュール。
【請求項8】
前記印刷回路基板はフレキシブル回路基板(FPCB:FlexiblePrinted Circuit Board)からなることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚マ
ッサージ用振動モジュール。
【請求項9】
前記駆動部は、振動モーター、ソレノイド(Solenoid)、圧電(Piezo)素子、及び線形振動器(LinearVibrator)のいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚マッサージ用振動モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚マッサージ用振動モジュールに係り、特に柔軟性を有する支持板に振動子とその駆動部及び駆動部の制御部が設けられた印刷回路基板とバッテリーが取り付けられて一体的に連結されるので、振動モジュールの体積及び厚さの最小化かつ柔軟性の確保が可能であるとともに、振動子の振動を振動モジュール全体の振動として人体皮膚に伝達することができるので、振動子のサイズに比べて比較的に広い人体皮膚領域に振動を伝達することができ、携帯性が向上する皮膚マッサージ用振動モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
人が美を追い求めるのは本能であり、よってきれいで美しい皮膚を持とうとする熱望から皮膚を整えて若さを維持しようとする努力は人類の歴史と共に多様に続いてきた。
【0003】
我が国の場合も過去から美を追い求めるために多様な努力を傾けてきたことが書籍などから確認することができ、近年にはこのような傾向がもっと高くなり、男女を問わず美容に対する関心が非常に高くなる趨勢である。
【0004】
そして、前述したように、美の追求において皮膚は非常に重要な事案であり、この中でも特に顔面の皮膚は外貌の美しさを決定する重要な要素の一つであるとともに印象にも大きな影響を及ぼす。
【0005】
したがって、性別や年齢などにかかわらず、大多数の人々が自分の皮膚を保護して管理しようとする努力をしており、このような趨勢に合わせるために、皮膚の手入れに役立つ多様な商品が提供されている。例えば、顔面皮膚管理に使われる商品として皮膚保湿用化粧品、栄養クリーム、化粧マスクなどがある。
【0006】
この中で、パッチは顔面の皮膚をしっとりした状態で維持させながら弾力も有するようにするものなので、女性たちが特に好む化粧道具の一種である。そして、パッチの種類を大別すれば、部分パッチと全面パッチ(通常、化粧マスク、マスクパックなどの用語として使われ、以下の説明では“化粧マスク”という)に分けられる。ここで、化粧マスクは顔面を覆うことができるように形成されたシートに液状の美容塗布剤を含有した形態に製造される。
【0007】
また、近年には化粧品を単純に皮膚に塗るとか、化粧マスクを顔面に付けるとかして皮膚自体の吸収力にだけ寄ることから脱し、化粧マスクの有効成分や化粧品が皮膚についた状態で該当皮膚に少しの物理的な刺激や振動を加えることで皮膚吸収力を向上させる器具が提供されている。
【0008】
図1は化粧マスクの有効成分や化粧品が顔面の皮膚にもっとよく染みこむように皮膚に人為的な刺激を与える従来の器具(以下、“皮膚刺激器具”と言う)を示した図である。同図に示したように、従来の皮膚刺激器具は、パッチ10、皮膚接触部20、及び振動器30からなる。
【0009】
パッチ10は顔面の局所部位に付けるもので、このようなパッチ10はその大きさ及び顔面に付ける数に制限はない。
【0010】
皮膚接触部20はシリコン材からなり、パッチ10が付けられてない顔の少なくとも一部に付けられるものであり、このような皮膚接触部20はシリコン材からなって接着力を有する。
【0011】
振動器30は電源部40と振動発生部31とからなり、振動発生部31の底面にはシリコン材の接着部が付着される。そして、振動発生部31はモーターの回転によって振動を発生させるもので、このような振動発生部31は既存の振動を発生させる技術であり、9000〜15000(rpm)の容量を有することが好ましい。
【0012】
前記のように構成される従来の皮膚補助器具の作用について説明すれば、使用者は振動を加えようとする顔の部位にパッチをつけた後、パッチが下側に位置した状態で皮膚接触部を顔に付ける。ついで、使用者は振動器の接着部をパッチが位置する皮膚接触部の領域に付けた後、振動器に電源を供給してその振動をパッチ及び顔の皮膚に伝達するようになる。ここで、振動器の接着部と皮膚接着部がシリコン材からなって互いに接着されるので、使用者は振動器を手で握っていなくても良い。
【0013】
しかし、前記のような従来の皮膚刺激器具は、振動器の振動発生部と電源部が所定長さの電線を介して連結される形態であるので、振動発生部が独立的に動作することができなくて電源部を常に一緒に備えていなければならない。これにより皮膚刺激器具の体積が相対的に大きくて携帯が不便である。また、比較的小さな振動発生部のみが皮膚の刺激に実際に作用するだけであり、電源部に含まれる殆どの構成は皮膚に刺激を与える作用とまったく無関係である。これにより、振動発生部周辺の比較的狭小な皮膚領域だけに刺激を加えることができ、結果として顔の皮膚の比較的広い領域に均一な刺激を加えるためには多数の振動発生部が必要となる。
【0014】
そして、従来の皮膚刺激器具は、電源部の電源を断続する別途のスイッチを備え、このようなスイッチのオン/オフ操作によって振動器に電源を供給する形態であるので、電源構造が比較的複雑であるとともに相対的に大きな体積を有するようになる。そして、このような現象を無くすために、スイッチを省略する場合、振動動作を停止させるために、いつも振動器の電源連結用ジャックを電源部から分離しなければならない不便がある。
【0015】
また、従来の皮膚刺激器具は、その振動発生部がモーターの回転数変化による単純な振動強弱の調節のみ可能であるので、多様な皮膚マッサージ機能を提供することができなくて機能的な限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、柔軟性を有する支持板に振動子とその駆動部及び駆動部の制御部が設けられた印刷回路基板及びバッテリーが取り付けられて一体的に連結されることにより、振動モジュールの体積及び厚さの最小化かつ柔軟性の確保が可能であるとともに振動子の振動を振動モジュール全体の振動として人体皮膚に伝達することができるので、振動子の大きさに比べて比較的広い人体皮膚領域に振動を伝達することができる皮膚マッサージ用振動モジュールを提供することに目的がある。
【0017】
また、本発明は、振動子を駆動する駆動部の電源供給構造が薄型端子及びシート型絶縁体によるスイッチング構造からなり、ボタンなどの操作部が含まれた比較的複雑なスイッチ構成を含まないことによる全体構造の単純化及び体積最小化を具現しながらも、バッテリーの駆動部への電源供給を絶縁部材のスイッチング機能によって断続でき、振動子の作動時にだけバッテリーが消耗されるようにする皮膚マッサージ用振動モジュールを提供することに目的がある。
【0018】
また、本発明は、パルス幅変調(PWM:pulse width modulation)方式で振動子の駆動部を制御する制御部によって振動子の振動方式が単純な強弱の調節から進一歩して、多様な方式の振動によって皮膚マッサージ効果を向上させるようにする皮膚マッサージ用振動モジュールを提供することに目的がある。
【0019】
また、本発明は、振動モジュール全体の柔軟性を確保して、人体の皮膚屈曲に応じて円滑に曲がりながら皮膚に密着してそれによる振動伝達機能を向上させることができる皮膚マッサージ用振動モジュールを提供することに目的がある。
【0020】
また、本発明は、振動モジュール全体にわたって振動の伝達が可能であって振動伝達の領域は相対的に拡大しながらも全体積は相対的に縮小して携帯性が向上する皮膚マッサージ用振動モジュールを提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記のような目的を達成するために、本発明による皮膚マッサージ用振動モジュールは、印刷回路基板と、前記印刷回路基板に設けられる振動子と、前記印刷回路基板に実装され、電源供給の際に前記振動子の振動動力を提供する駆動部と、前記駆動部を制御して前記振動子の振動状態を制御する制御部と、前記駆動部及び制御部に電源を供給するバッテリーと、前記印刷回路基板とバッテリーを一体的に連結する支持板と、前記バッテリーの電源端子及び前記印刷回路基板に形成された前記駆動部の電源端子を電気的に連結する電源接続部材と、前記バッテリーの電源端子及び電源接続部材間の接触領域に取り付けられ、前記バッテリーから分離されるとき、前記バッテリーの電源端子と電源接続部材間の接触を許容する絶縁部材とを含んでなる。
【0022】
また、前記支持板は柔軟性を有する素材からなることを特徴とする。
【0023】
また、前記バッテリーと振動子は、振動モジュールの柔軟性増加のために、前記支持板の楕円形一面を基準に長軸方向の両端にそれぞれ位置するように前記支持板に固定されることを特徴とする。
【0024】
また、前記制御部は前記駆動部をパルス幅変調(PWM:pulse width modulation)方式で制御し、二つ以上の相異なる出力パルスを前記駆動部に出力し、前記二つ以上の相異なる出力パルスは前もって設定された基準によって順次出力されるかあるいは前もって選択されたいずれか一種だけが継続出力されることを特徴とする。
【0025】
また、前記印刷回路基板には、前記バッテリー及び振動子の挿入及び固定のためのバッテリー孔と振動子孔がそれぞれ形成され、前記バッテリーは少なくとも一部が前記バッテリー孔に挿入固定され、前記振動子は少なくとも一部が前記振動子孔に挿入固定されることを特徴とする。
【0026】
また、前記印刷回路基板には、前記駆動部の電源供給のための電源端子が形成されることを特徴とする。
【0027】
また、前記絶縁部材はシート状に形成され、前記バッテリーに前記電源端子を遮るように着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0028】
また、前記支持板の一面に前記振動子と人体皮膚間の直接接触を防止する緩衝パッドが付着されることを特徴とする。
【0029】
また、前記印刷回路基板はフレキシブル回路基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Board)からなることを特徴とする。
【0030】
また、前記駆動部は、振動モーター、ソレノイド(Solenoid)、圧電(Piezo)素子、及び線形振動器(Linear Vibrator)のいずれか一つであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、柔軟性を有する支持板に振動子とその駆動部及び駆動部の制御部が設けられる印刷回路基板及びバッテリーが取り付けられ一体的に連結されるので、振動モジュールの体積及び厚さの最小化かつ柔軟性の確保が可能であるとともに振動子の振動を振動モジュール全体の振動として人体皮膚に伝達することができるので、振動子の大きさに比べて比較的広い人体皮膚領域に振動を伝達することができるようになる。
【0032】
また、振動子を駆動する駆動部の電源供給構造が薄型端子及びシート型絶縁体によるスイッチング構造からなり、ボタンなどの操作部が含まれた比較的複雑なスイッチ構成を含まないことによる全体構造の単純化及び体積の最小化を具現しながらも、バッテリーの駆動部への電源供給を絶縁部材のスイッチング機能によって断続でき、振動子の作動時にだけバッテリーが消耗されるようにすることができる。
【0033】
また、パルス幅変調(PWM:pulse width modulation)方式で振動子の駆動部を制御する制御部によって振動子の振動方式が単純な強弱の調節から進歩して、多様な方式の振動によって、撫で、擦り、掴み、押し、叩きなど、人の手によるマッサージ作用と類似したマッサージ効果を提供することができる。
【0034】
また、振動モジュール全体の柔軟性を確保して人体の皮膚屈曲に応じて円滑に曲がりながら皮膚に密着してそれによる振動伝達機能の向上が可能である。
【0035】
また、振動モジュール全体にわたって振動伝達が可能であるので、振動伝達領域は相対的に拡大しながらも全体積は相対的に縮小して携帯性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】従来の皮膚マッサージ用振動器具を示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールを示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールの側面図である。
【
図4a】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図4b】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図4c】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図4d】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図4e】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図4f】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図4g】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図4h】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図4i】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールにおいて制御部の出力パルス類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化した図である。
【
図5】本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールを詳細に説明する。
【0038】
図2は本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールを示した斜視図である。
図3は本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールの側面図である。
【0039】
図示したように、本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュール100は、印刷回路基板110、振動子120、駆動部130、制御部140、バッテリー150、支持板160、電源接続部材170、及び絶縁部材180を含んでなる。
【0040】
印刷回路基板110は、その一面に振動子120が設置されるとともに駆動部130と制御部140が実装される。よって、印刷回路基板110にはバッテリー150と駆動部120及び制御部130間の電気的接続のための回路パターンが形成される。そして、印刷回路基板110はフレキシブル回路基板(FPCB:Flexible Priented Circuit Board)から形成されることができ、これは皮膚マッサージ用振動モジュール100が皮膚の屈曲に応じて緩やかに曲がりながら膚表面に密着する機能を一層向上させるためである。
【0041】
振動子120は印刷回路基板110に設置され、駆動部130の駆動によって動力を受けて振動する。このような振動子120はその振動によって使用者の皮膚に刺激を加えるものである。すなわち、振動子120は皮膚マッサージ用振動モジュール100において皮膚マッサージを行う直接的な部分であるとともに皮膚マッサージのための動力を皮膚マッサージ用振動モジュール100の全体に伝達する部分である。そして、このような振動子120は印刷回路基板110及び支持板160に形成される振動子孔160aに挿設できる。
【0042】
これは、皮膚マッサージ用振動モジュール100の全体の厚さを減らすためのもので、言い換えれば振動子120が印刷回路基板110のいずれか一面に設置されるとき、皮膚マッサージ用振動モジュール100の全体の厚さは振動子120の厚さに印刷回路基板110及び支持板160の厚さを加えたものとなる。よって、印刷回路基板110と支持板160に振動子孔160aを形成し、このような振動子孔160aに振動子120を挿設することで、皮膚マッサージ用振動モジュール100の全体の厚さから印刷回路基板110及び支持板160の厚さの分だけが差し引かれて皮膚マッサージ用振動モジュール100の全体の厚さを減らすことができる。
【0043】
駆動部130は印刷回路基板110に実装され、バッテリー150から電源を受ける。このような駆動部130は振動子120に動力を提供する。このような駆動部130は、振動モーター、ソレノイド(Solenoid)、圧電(Piezo)素子、及び線形振動器(Linear Vibrator)のいずれか一つから形成されることができる。
【0044】
制御部140は印刷回路基板110に実装され、駆動部130の動作を制御して振動子120の振動状態を多様に調節する。このような制御部140は、パルス幅変調(PWM:Pulse width modulation)方式で駆動部130の動作を制御する。すなわち、制御部140はパルス幅変調方式の制御によって駆動部130を多様な形態に動作させる。この際、制御部140は二つ以上の相異なる出力パルスを出力し、出力パルスは、前もって設定された基準によって、二つ以上の相異なる出力パルスが順次出力される形態、あるいは前もって選択されたいずれか一種だけが継続出力される形態であることができる。そして、振動子120はこのような多様な出力パルス及びそれによる駆動部130の動作状態によって、撫で、擦り、掴み、押し、叩きなどの多様な形態のマッサージ機能を提供するように振動することができる。
【0045】
図4を参照すれば、
図4(a)〜
図4(i)は制御部140から駆動部130に出力される出力パルスの類型によって色々の異なる形態に振動する振動子のマッサージ作用をイメージ化したものである。すなわち、図面において濃く表示された部分は振動子の振動が伝達される部分にあたり、余白部分は振動子の振動が停止するかあるいはない部分にあたる。
【0046】
図4(a)は比較的強い振動が同一強度で所定時間持続する形態を示したものであり、
図4(b)は比較的強い振動が同一強度で短時間の間に短い間隔で繰り返される形態を示したものであり、
図4(c)は比較的強い振動が同一強度で所定時間ずつ短い間隔で繰り返される形態を示したものである。また、
図4(d)は弱い振動で始まり、その振動が徐々に強くなって所定時間持続する形態を示したものであり、
図4(e)は
図4(d)と反対に強い振動で始まり、その振動が徐々に弱くなって所定時間持続する形態を示したものである。
図4(f)は弱い振動で始まり、その振動が徐々に強くなって頂点を成してからさらに振動が徐々に弱くなる形態を示したものである。その外に、
図4(g)から
図4(i)についての説明は省略する。
【0047】
また、
図2及び
図3に戻り、バッテリー150は支持板160に設置され、電源接続部材170を介して駆動部130及び制御部140に電源を提供する。このようなバッテリー150は支持板160に形成されるバッテリー孔160bに挿設されることができる。これは皮膚マッサージ用振動モジュール100の全体の厚さを減らすためのもので、前述した振動子120が振動子孔160aに挿設されるものと同様な概念であるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0048】
支持板160は印刷回路基板110とバッテリー150を一体型に連結するために提供される。ここで、支持板160は皮膚マッサージ用振動モジュール100の柔軟性の確保のために柔軟素材から形成されることができる。また、支持板160の楕円形一面を基準に、バッテリー150と振動子120が支持板160の長軸方向の両端にそれぞれ実装される形態であることができる。よって、支持板160は、前記長軸の中央部に素子が実装されないことによって、これを基準に弾性を発揮してより高い柔軟性を有することができる。
【0049】
電源接続部材170は、バッテリー150の電源端子(図示せず)及び印刷回路基板110に形成された駆動部130の電源端子(図示せず)を電気的に連結する。言い換えれば、駆動部130は電源接続部材170を介してバッテリー150の電源を受ける。また、印刷回路基板110の電源端子は制御部140に対する電源供給の機能をすることもでき、これによって印刷回路基板110には電源端子と駆動部130及び制御部140を並列で連結する回路パターンが形成される。
【0050】
絶縁部材180はバッテリー150の電源端子及び電源接続部材170間の接触領域に取り付けられる。すなわち、絶縁部材180はバッテリー150に取り付けられ、バッテリー150の電源端子と電源接続部材170間の電気的接続を遮断し、この絶縁部材180がバッテリー150から分離されるとき、バッテリー150の電源端子と電源接続部材170間の電気的接続が形成される。ここで、絶縁部材180がバッテリー150に着脱可能に取り付けられ、絶縁部材180の着脱によってバッテリー150の電源端子と電源接続部材170間の電気的接続を制御し、駆動部130に対するバッテリー150の電源印加を断続することができる。
【0051】
すなわち、絶縁部材180がバッテリー150の電源端子及び電源接続部材170間のスイッチング動作をすることができる。この際、皮膚マッサージ用振動モジュール100は別途のスイッチ構造を持たないながらも、絶縁部材180のスイッチング機能によって使用時にだけバッテリー150の電源が消耗されるようにすることができる。言い換えれば、スイッチの省略による皮膚マッサージ用振動モジュール100の体積縮小は可能でありながらも、バッテリー150は振動子120の動作時にだけ消耗されるようにすることができる。
【0052】
また、この実施例においては、絶縁部材180が薄シート状に形成され、バッテリー150に電源端子を遮るように着脱可能に取り付けられる形態を例としたが、本発明がこれに限定されるものではないし、絶縁部材180はバッテリー150の電源端子領域に着脱可能でありながらもバッテリー150の電源端子と電源接続部材170間の電源印可が可能な条件の下で多様に変形実施可能である。
【0053】
そして、
図5は本発明の一実施例による皮膚マッサージ用振動モジュールの背面図であり、バッテリー150と振動子120が印刷回路基板110及び支持板160に形成されたバッテリー孔160b及び振動子孔160aにそれぞれ挿入固定された状態を例示したものである。そして、皮膚マッサージ用振動モジュール100の背面(支持板の背面)に緩衝パッド(図示せず)が付着されることができるものである。このような緩衝パッドは、振動子120と人体の皮膚との間の直接接触を防止する機能をする。
図5においては、バッテリー孔160bと振動子孔160a及びそれに挿入固定されたバッテリー150と振動子120の一面を表示するために緩衝パッドの図示を省略した。また、緩衝パッドは不織布または液状を含んだシートなどの多様な形態から実施されることができる。
【0054】
前述したような
図2〜
図5の実施例から分かるように、本発明の皮膚マッサージ用振動モジュール100は、柔軟性を有する支持板160に振動子120とその駆動部130及び駆動部130の制御部140を設けられた印刷回路基板110及びバッテリー150が取り付けられ一体的に連結されるので、振動モジュールの体積及び厚さの最小化かつ柔軟性の確保が可能であるとともに振動子120の振動を振動モジュール全体の振動として人体皮膚に伝達することができるので、振動子の大きさに比べて比較的広い人体皮膚領域に振動を伝達することができる。
【0055】
また、振動子120を駆動する駆動部130の電源供給構造が薄型端子及びシート型絶縁部材180によるスイッチング構造からなり、ボタンなどの操作部が含まれた比較的複雑なスイッチ構成を含まないことによる全体構造の単純化及び体積の最小化を具現しながらも、バッテリー150の駆動部130に対する電源供給を絶縁部材180のスイッチング機能によって断続することができるので、振動子120の作動時にだけバッテリーが消耗される。
【0056】
また、パルス幅変調(PWM:pulse width modulation)方式で振動子120の駆動部130を制御する制御部140によって振動子120の振動方式が単純な強弱の調節から進一歩して、多様な方式の振動によって、撫で、擦り、掴み、押し、叩きなどの如く人の手によるマッサージ作用と類似したマッサージ効果を提供することができる。
【0057】
また、振動モジュール全体の柔軟性が確保され、人体の皮膚屈曲に応じて円滑に曲がりながら皮膚に密着し、それによる振動伝達機能が向上する。
【0058】
また、振動モジュール全体にわたって振動伝達が可能であって、振動伝達領域は相対的に拡大しながらも全体積は相対的に縮小して携帯性が向上する。
【0059】
以上説明したものは本発明による皮膚マッサージ用振動モジュールを実施するための一実施例に過ぎないもので、本発明は前述した実施例に限定されなく、以下の請求範囲で請求するような本発明の要旨を逸脱することなしに本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言える。
【符号の説明】
【0060】
100 皮膚マッサージ用振動モジュール
110 印刷回路基板
120 振動子
130 駆動部
140 制御部
150 バッテリー
160 支持板
160a 振動子孔
160b バッテリー孔
170 電源接続部材
180 絶縁部材