特許第5830930号(P5830930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5830930
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】半導体素子および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20151119BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20151119BHJP
   H01L 51/05 20060101ALI20151119BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20151119BHJP
【FI】
   H01L29/78 616T
   H01L29/78 618B
   H01L29/78 616U
   H01L29/78 616V
   H01L21/28 301B
   H01L29/28 100A
   H01L29/50 M
【請求項の数】4
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2011-112316(P2011-112316)
(22)【出願日】2011年5月19日
(65)【公開番号】特開2012-243936(P2012-243936A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098785
【弁理士】
【氏名又は名称】藤島 洋一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109656
【弁理士】
【氏名又は名称】三反崎 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100130915
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 政男
(74)【代理人】
【識別番号】100155376
【弁理士】
【氏名又は名称】田名網 孝昭
(72)【発明者】
【氏名】小野 秀樹
【審査官】 岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−062183(JP,A)
【文献】 特開2010−251574(JP,A)
【文献】 特開2011−077500(JP,A)
【文献】 特開2006−073993(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/061823(WO,A1)
【文献】 特開2005−260216(JP,A)
【文献】 特開平08−321623(JP,A)
【文献】 特開2009−094422(JP,A)
【文献】 特開2005−303119(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0229393(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/28
H01L 21/336
H01L 29/417
H01L 29/786
H01L 51/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機半導体層と、前記有機半導体層の上面に設けられると共に金属、金属酸化物、および導電性高分子のうち少なくとも一つにより構成された層とを有し、
前記層が設けられた前記有機半導体層の上面および側面に配線層が設けられており、
前記層は、前記有機半導体層と前記配線層とのコンタクト層であり、
前記層の外形線は、前記有機半導体層の外形線よりも内側にある
半導体素子。
【請求項2】
前記配線層は、前記層と同一の材料により構成されている
請求項記載の半導体素子。
【請求項3】
前記配線層は、前記層と異なる材料により構成されている
請求項記載の半導体素子。
【請求項4】
半導体素子を備えた電子機器であって、
前記半導体素子は、
有機半導体層と、前記有機半導体層の上面に設けられると共に金属、金属酸化物、および導電性高分子のうち少なくとも一つにより構成された層とを有し、
前記層が設けられた前記有機半導体層の上面および側面に配線層が設けられており、
前記層は、前記有機半導体層と前記配線層とのコンタクト層であり、
前記層の外形線は、前記有機半導体層の外形線よりも内側にある
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有機半導体層を有する半導体素子、およびこの半導体素子を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)などの有機半導体を用いた半導体素子は、フレキシブル有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイあるいはフレキシブル電子ペーパーなどの表示装置、またはフレキシブルプリント基板、有機薄膜太陽電池、タッチパネルなどの電子機器への応用を目指して開発が進められている。
【0003】
有機TFTの製造工程では、チャネルとなる有機半導体層を島状に成形する際に、まず、有機半導体層の上面に保護膜として金属などの層を形成し、この層の上に一般的なフォトレジストを塗布する。続いて、フォトレジスト膜を例えばフォトリソグラフィによりパターニングしてマスクを形成し、このマスクを用いて保護膜および有機半導体層を順にエッチングする(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO/2010/061823
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された従来方法では、有機半導体層およびその上面の層を同一形状にエッチングするようにしていたので、エッチングの際に、有機半導体層の上面の層の端部が有機半導体層からはみ出して、庇部分が形成されてしまう可能性があった。このような庇部分は、有機半導体層の上に成膜される配線層の断線の原因となるものであり、改善が求められていた。
【0006】
本開示の目的は、有機半導体層の上面の層の形状不良を抑えることが可能な半導体素子およびこれを備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示による半導体素子は、有機半導体層と、有機半導体層の上面に設けられると共に金属、金属酸化物、および導電性高分子のうち少なくとも一つにより構成された層とを有し、層が設けられた有機半導体層の上面および側面に配線層が設けられており、層は、有機半導体層と配線層とのコンタクト層であり、層の外形線は、有機半導体層の外形線よりも内側にあるものである。
【0008】
本開示の半導体素子では、有機半導体層の上面の層の外形線が、有機半導体層の外形線よりも内側にあるので、有機半導体層の上面の層の端部が有機半導体層からはみ出して、庇部分などの形状不良が生じてしまうことが抑えられる。よって、有機半導体層の上に設けられる配線層が庇部分で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0009】
本開示による電子機器は、上記の半導体素子を備えたものである。
【0010】
本開示の電子機器では、庇部分などの形状不良が抑えられた上記の半導体素子を備えているので、有機半導体層の上に設けられた配線層の断線が抑えられている。よって、上記の半導体素子を多数連結し、大規模な集積回路を構成することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の半導体素子によれば、有機半導体層の上面に、有機半導体層と配線層とのコンタクト層として金属、金属酸化物、および導電性高分子のうち少なくとも一つよりなる層を設け、この層の外形線を、有機半導体層の外形線よりも内側にするようにしたので、有機半導体層の上面の層の端部が有機半導体層からはみ出して、庇部分などの形状不良が生じてしまうことを抑えることが可能となる。よって、この半導体素子を用いて電子機器を構成すれば、有機半導体層の上に設けられた配線層の断線を抑え、上記の半導体素子を多数連結して大規模な集積回路を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1(A)は、本開示の第1の実施の形態に係る有機TFTの構成を表す平面図であり、図1(B)は、図1(A)のIB−IB線に沿った構成を表す断面図である。
図2図1に示した有機TFTの製造方法を工程順に表す断面図である。
図3図2に続く工程を表す断面図である。
図4図3に続く工程を表す断面図である。
図5】従来の製造方法の一部を工程順に表す断面図である。
図6】従来の製造方法の問題点を説明するための断面図である。
図7図7(A)は、本開示の第2の実施の形態に係る有機TFTの構成を表す平面図であり、図7(B)は、図7(A)のVIIB−VIIB線に沿った構成を表す断面図である。
図8図7に示した有機TFTの製造方法を工程順に表す断面図である。
図9】有機TFTを備えた表示装置の構成例を表す図である。
図10図9に示した表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
図11】適用例2の外観を表す斜視図である。
図12】(A)は適用例3の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
図13】適用例4の外観を表す斜視図である。
図14】適用例5の外観を表す斜視図である。
図15】(A)は適用例6の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
図16】(A)は、本開示に係る有機半導体ダイオードの構成を表す平面図であり、(B)は、(A)のXVIB−XVIB線に沿った構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(有機半導体層の上面の層を金属により構成し、この層と同一の材料により配線層を構成した例)
2.第2の実施の形態(有機半導体層の上面の層を金属により構成し、この層と異なる材料により配線層を構成した例)
3.第3の実施の形態(有機半導体層の上面の層を金属酸化物により構成した例)
4.第4の実施の形態(有機半導体層の上面の層を導電性高分子により構成した例)
5.表示装置および適用例
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る半導体素子である有機TFT100の構成を表したものである。この有機TFT100は、例えば表示装置のアクティブマトリクス回路などに用いられるトップコンタクト・スタッガード型のものである。有機TFT100は、例えば、基板11上に、ゲート電極20,ゲート絶縁膜30,有機半導体層40,上面層50,ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dをこの順に有している。ここで、上面層50は、本開示における「有機半導体層の上面に設けられた層」の一具体例に対応し、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、本開示における「配線層」の一具体例に対応している。
【0015】
基板11は用途によって使い分けられるが、例えば、ガラス、プラスチック材料または金属材料などの基板でもよいし、プラスチック材料または金属材料などのフィルムでもよいし、紙(一般紙)でもよい。また、基板11は、可撓性基板(フレキシブル基板)でもよい。プラスチック材料は、例えば、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリエチルエーテルケトン(PEEK)などである。金属材料は、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)またはステンレスなどである。なお、基板11の表面には、例えば、密着性を確保するためのバッファ層またはガス放出を防止するためのガスバリア層などの各種層が設けられていてもよい。
【0016】
ゲート電極20は、基板11の上に設けられ、例えば、金属材料、無機導電性材料、有機導電性材料または炭素材料のいずれか1種類または2種類以上により構成されている。金属材料は、例えば、アルミニウム、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)またはそれらを含む合金などである。無機導電性材料は、例えば、酸化インジウム(In2 O3 )、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)または酸化亜鉛(ZnO)などである。有機導電性材料は、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)またはポリスチレンスルホン酸(PSS)などである。炭素材料は、例えば、グラファイトなどである。なお、ゲート電極20は、上記した各種材料の層が2層以上積層されたものでもよい。
【0017】
ゲート絶縁膜30は、ゲート電極20を覆っていると共に、例えば、無機絶縁性材料または有機絶縁性材料のいずれか1種類または2種類以上により構成されている。無機絶縁性材料は、例えば、酸化ケイ素(SiOx )、窒化ケイ素(SiNx )、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、酸化チタン(TiO2 )、酸化ハフニウム(HfOx )またはチタン酸バリウム(BaTiO3 )などである。有機絶縁性材料は、例えば、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリイミド、ポリメタクリル酸アクリレート、感光性ポリイミド、感光性ノボラック樹脂またはポリパラキシリレンなどである。なお、ゲート絶縁膜30は、上記した各種材料の層が2層以上積層されたものでもよい。
【0018】
有機半導体層40は、例えば、PXX(peri-xanthenoxanthene)誘導体により構成されている。また、有機半導体層40は、例えば、ペンタセン(C22H14),ポリチオフェンなどの他の有機半導体材料により構成されていてもよい。
【0019】
上面層50は、有機半導体層40の上面に設けられ、有機半導体層40とソース電極60Sおよびドレイン電極60Dとの良好な電気的接続をとるためのコンタクト層である。そのため、上面層50は、導電性材料、特に、そのまま有機半導体層40とオーミック接触を与えうる金属により構成されていることが好ましい。また、上面層50は、後述する製造工程において有機半導体層40がフォトレジストに直接接触しないようにするための保護膜としての機能も有している。更に、上面層50は、ウェットエッチング加工が可能な材料により構成されていることが好ましい。このような上面層50の構成材料としては、例えば、金(Au),銅(Cu),銀(Ag),ニッケル(Ni)またはチタン(Ti)が挙げられる。具体的には、上面層50は、例えば、厚みが50nmであり、金(Au)により構成されている。金(Au)は仕事関数が最も高いので、上面層50に正孔注入層としての優れた機能を持たせることが可能となる。
【0020】
上面層50の外形線51は、有機半導体層40の外形線41よりも内側にある。これにより、この有機TFT100では、上面層50の形状不良を抑えることが可能となっている。
【0021】
上面層50の外形線51の引っ込み量(外形線51,41の間の距離)dは、例えば、1μm−2μm程度であることが望ましい。
【0022】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、上面層50が設けられた有機半導体層40の上面および側面と、ゲート絶縁膜30の上面とに、互いに離間して設けられている。ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、例えば、厚みが200nmであり、コンタクト層50と同一の材料、すなわち金(Au)により構成されている。
【0023】
この有機TFT100は、例えば次のようにして製造することができる。
【0024】
図2ないし図4は、図1に示した有機TFT100の製造方法を工程順に表したものである。まず、上述した材料よりなる基板11を用意し、この基板11に、例えば真空成膜法、塗布法またはめっき法により、上述した金属材料よりなるゲート電極材料膜(図示せず)を形成する。真空成膜法は、例えば、真空蒸着法、フラッシュ蒸着法、スパッタリング法、物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)、パルスレーザ堆積法(PLD)またはアーク放電法などである。塗布法は、例えば、スピンコート法、スリットコート法、バーコート法またはスプレーコート法などである。めっき法は、例えば、電解めっき法または無電解めっき法などである。
【0025】
次いで、このゲート電極材料膜の上にレジストパターンなどのマスク(図示せず)を形成する。続いて、マスクを用いてゲート電極材料膜をエッチングしたのち、アッシング法またはエッチング法などを用いてマスクを除去する。これにより、図2(A)に示したように、基板11上にゲート電極20を形成する。
【0026】
レジストパターンを形成する場合には、例えば、フォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成したのち、フォトリソグラフィ法、レーザ描画法、電子線描画法またはX線描画法などを用いてフォトレジスト膜をパターニングする。ただし、レジスト転写法などを用いてレジストパターンを形成してもよい。ゲート電極材料膜のエッチング方法は、例えば、ドライエッチング法、またはエッチャント溶液を用いたウェットエッチング法であり、そのドライエッチング法は、例えば、イオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE)などである。マスクを除去するためのエッチング方法も、同様である。
【0027】
なお、ゲート電極20等の形成方法は、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法またはグラビアオフセット印刷法などの印刷法でもよい。また、レーザアブレーション法、マスク蒸着法またはレーザ転写法などを用いて、マスクとしてレジストパターンの代わりに金属パターンを形成してもよい。もちろん、ゲート電極20等を形成するために、金属材料の代わりに上述した無機導電性材料、有機導電性材料または炭素材料などを用いることも可能である。
【0028】
続いて、同じく図2(A)に示したように、ゲート電極20を覆うようにゲート絶縁膜30を形成する。このゲート絶縁膜30の形成手順は、例えば、その形成材料により異なる。無機絶縁性材料を用いる場合の形成手順は、例えば、塗布法がゾル・ゲル法などでもよいことを除き、ゲート電極20等を形成する場合と同様である。有機絶縁性材料を用いる場合の形成手順は、例えば、フォトリソグラフィ法などを用いて感光性材料をパターニングしてもよいことを除き、ゲート電極20を形成した場合と同様である。
【0029】
そののち、上述した有機半導体材料、例えばPXX誘導体を有機溶剤などの溶媒に分散または溶解させた溶液(混合溶液)を調製し、この混合溶液をゲート絶縁膜30の上面に塗布し、加熱(焼成)する。これにより、同じく図2(A)に示したように、ゲート絶縁膜30上に、上述した有機半導体材料、例えばPXX誘導体よりなる有機半導体材料膜40Aを形成する。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレンまたはテトラリンなどを用いることが可能である。
【0030】
そののち、同じく図2(A)に示したように、有機半導体材料膜40Aの上に、例えば抵抗加熱真空蒸着により、例えば金(Au)よりなる上面層材料膜50Aを、例えば50nmの厚みで形成する。
【0031】
上面層材料膜50Aを形成したのち、同じく図2(A)に示したように、上面層材料膜50Aの表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト膜71を形成する。フォトレジストとしては、例えば、ノボラック系樹脂のポジ型フォトレジストを用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
【0032】
フォトレジスト膜71を形成したのち、図2(B)に示したように、例えばフォトリソグラフィにより、フォトレジスト膜71を、例えば100μm角の矩形の半導体素子分離パターンに成形する。なお、半導体素子分離パターンの形状および寸法は、上述した例に限られない。
【0033】
フォトレジスト膜71を成形したのち、図2(C)に示したように、このフォトレジスト膜71をマスクとして、上面層材料膜50Aをウェットエッチングすることにより、上面層50を形成する。
【0034】
その際、上面層50(または上面層材料膜50A)の材料とエッチング液の組み合わせは、以下のようになる。上面層50(または上面層材料膜50A)を金(Au)により構成する場合には、エッチング液としてヨウ化カリウム水溶液を用いる。上面層50(または上面層材料膜50A)を銅(Cu)により構成する場合には、エッチング液として、アンモニア水および過酸化水素水、または、重クロム酸および硫酸および塩化ナトリウムおよび水、または、無水クロム酸、または、塩化鉄、または、塩化鉄および硝酸および水、または、過硫酸アンモニウム、または、水酸化ナトリウム、または、硫酸および酢酸および硝酸および水、などを用いる。上面層50(または上面層材料膜50A)を銀(Ag)により構成する場合には、エッチング液として、硝酸鉄(II)水、または、無水クロムおよび硫酸および水、または、硫酸および酢酸および硝酸および水、などを用いる。上面層50(または上面層材料膜50A)をニッケル(Ni)により構成する場合には、エッチング液として、硝酸および硫酸および過酸化物および硝酸塩および水、または、硝酸第2セリウムアンモニウム系の酸性液、などを用いる。上面層50(または上面層材料膜50A)をチタン(Ti)により構成する場合には、エッチング液として、フッ化アンモニウム水溶液、または、フッ化水素酸および水、または、アンモニア水および過酸化水素水、などを用いる。
【0035】
エッチング液としては、下にある有機半導体材料膜40Aを溶解しないものを選択する必要がある。ここでは、例えば、上面層50(または上面層材料膜50A)を金(Au)により構成し、エッチング液としてはヨウ化カリウム水溶液を用いる。
【0036】
上面層50を形成したのち、図3(A)に示したように、フォトレジスト膜71をマスクとして、有機半導体材料膜40Aをエッチングすることにより、有機半導体層40を形成する。その際のエッチング方法としては、ウェットエッチングの場合には、エッチング液として例えば4−ブチロラクトンを用いる。ドライエッチングの場合には、酸素プラズマによるRIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)を用いる。
【0037】
有機半導体層40を形成したのち、図3(B)に示したように、フォトレジスト膜71を残したまま、上面層50の外縁部を除去するエッジトリミング加工を行う。これにより、上面層50の外形線51が有機半導体層40の外形線41よりも内側に後退する。
【0038】
エッジトリミング加工の方法としては、図2(C)に示した上面層材料膜50Aのエッチング工程において説明したウェットエッチングを用いる。エッジトリミング加工のエッチングは上面層50の側面から横方向に進行するので、図3(A)に示した有機半導体材料膜40Aのエッチング時間に対して、2倍ないし3倍のエッチング時間をとることが望ましい。ただし、パターン形状や要求される寸法により、エッチング時間は適宜選択する必要がある。
【0039】
上面層50のエッジトリミング加工を行ったのち、フォトレジスト膜71を全面紫外線照射により感光させたのち、現像液に浸漬する。これにより、図3(C)に示したように、フォトレジスト膜71を剥離する。
【0040】
フォトレジスト膜71を剥離したのち、図4(A)に示したように、基板11の全面に、例えば抵抗加熱真空蒸着により、上面層50と同一の材料、例えば金(Au)よりなるソース・ドレイン電極材料膜60Aを、例えば200nmの厚みで形成する。
【0041】
続いて、ソース・ドレイン電極材料膜60Aの上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、例えばフォトリソグラフィにより所定の形状に成形する。そののち、このフォトレジスト膜(図示せず)をマスクとしてソース・ドレイン電極材料膜60Aおよび上面層50をエッチングする。エッチングの方法としては、図2(C)に示した上面層材料膜50Aのエッチング工程において説明したウェットエッチングを用いることが可能である。ここでは、例えば、ソース・ドレイン電極材料膜60Aを金(Au)により構成し、エッチング液としてはヨウ化カリウム水溶液を用いる。これにより、図4(B)に示したように、上面層50が設けられた有機半導体層40の上面および側面と、ゲート絶縁膜30の上面とに、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを互いに離間して形成する。
【0042】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを形成したのち、フォトレジスト膜(図示せず)を全面紫外線照射により感光させたのち、現像液に浸漬することにより、フォトレジスト膜(図示せず)を剥離する。以上により、図1に示した有機TFT100が完成する。
【0043】
ここでは、上面層50の外形線51が、有機半導体層40の外形線41よりも内側にあるので、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分などの形状不良が生じてしまうことが抑えられる。よって、有機半導体層40の上に設けられるソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが庇部分で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0044】
これに対して、エッジトリミング加工を行わない場合には、例えば、図5(A)に示したように、フォトレジスト膜71を剥離したのち、図5(B)に示したように、基板11の全面にソース・ドレイン電極材料膜60Aを形成する。そののち、図5(C)に示したように、ソース・ドレイン電極材料膜60Aをエッチングしてソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを形成する。
【0045】
このようにした場合には、図6(A)に示したように、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分52などの形状不良が生じるおそれがあり、図6(B)に示したように、ソース・ドレイン電極材料膜60Aが庇部分52で切断される。その結果、図6(C)に示したように、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dに、庇部分52で断線60Bが生じてしまう。
【0046】
この現象は、ある確率で起こるものである。そのため、データ線(ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dと同一層にある連結配線)が長くなった場合(すなわち、連結する有機TFT100の数が大きい場合、例えばトップコンタクト・スタッガード型有機TFTでアクティブマトリックス回路等の大規模な集積回路を構成しようとした場合)、集積回路が形成できないという深刻な問題を生じる。また、データ線が細い場合には、断線の発生確率が大きくなり、さらに深刻な問題になる。
【0047】
このように本実施の形態では、上面層50の外形線51が、有機半導体層40の外形線41よりも内側にあるようにしたので、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分52などの形状不良が生じてしまうことを抑えることが可能となる。よって、有機半導体層40の上に設けられるソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが庇部分52で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0048】
(第2の実施の形態)
図7は、本開示の第2の実施の形態に係る有機TFT100の構成を表したものである。本実施の形態は、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを上面層50とは異なる金属により構成したものである。このことを除いては、本実施の形態の有機TFT100は、上記第1の実施の形態の有機TFT100と同一の構成、作用および効果を有している。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0049】
基板11,ゲート電極20,ゲート絶縁膜30および有機半導体層40は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0050】
上面層50は、第1の実施の形態と同様に、有機半導体層40の上面に設けられ、有機半導体層40とソース電極60Sおよびドレイン電極60Dとの良好な電気的接続をとるためのコンタクト層である。そのため、上面層50は、導電性材料、特に、そのまま有機半導体層40とオーミック接触を与えうる金属により構成されていることが好ましい。また、上面層50は、後述する製造工程において有機半導体層40がフォトレジストに直接接触しないようにするための保護膜としての機能も有している。更に、上面層50は、ウェットエッチング加工が可能な材料により構成されていることが好ましい。このような上面層50の構成材料としては、例えば、金(Au),銅(Cu),銀(Ag),ニッケル(Ni)またはチタン(Ti)が挙げられる。具体的には、上面層50は、例えば、厚みが50nmであり、金(Au)により構成されている。金(Au)は仕事関数が最も高いので、上面層50に正孔注入層としての優れた機能を持たせることが可能となる。
【0051】
上面層50の外形線51は、第1の実施の形態と同様に、有機半導体層40の外形線41よりも内側にある。これにより、この有機TFT100では、第1の実施の形態と同様に、上面層50の形状不良を抑えることが可能となっている。
【0052】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、第1の実施の形態と同様に、上面層50が設けられた有機半導体層40の上面および側面と、ゲート絶縁膜30の上面とに、互いに離間して設けられている。
【0053】
本実施の形態では、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、上面層50とは異なる材料により構成されている。具体的には、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、例えば、厚み20nmのチタン(Ti)層61と、厚み200nmのアルミニウム(Al)層62と、厚み20nmのチタン(Ti)層63とをこの順に積層した構成を有している。
【0054】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが上面層50とは異なる材料により構成されていることにより、以下の三つの利点が得られる。
【0055】
(第1の利点)
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dの構成材料として、第1の実施の形態よりも低コストな金属を選択可能な可能性があり、それにより完成物である有機TFT100の低コスト化につながる。有機半導体の場合、半導体と良好なオーミック接触を得るために、一般的に仕事関数〜5eVの金属を選択することが望まれる場合が多い。しかしながら、このような仕事関数を持ち、かつウェットエッチング可能である性質をもつ金属には限りがある。このような性質をもつ代表的な金属は金(Au)であるが、これは高コストな材料である。そのため、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dと上面層50とをともに金により構成した場合には、配線材料のコストが大きくなってしまう。ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを上面層50とは異なる材料により構成するようにすれば、金よりなる上面層50により良好なオーミック接触を確保しつつ、材料コストを低減させることが可能となる。
【0056】
(第2の利点)
後述する製造方法において、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dの成膜方法として、第1の実施の形態で選択した方法とは違う、より高速な成膜方法を選択可能な場合があり、これにより更にタクトタイムの短い成膜工程を導入できる可能性がある。これも、結果的には完成物である有機TFT100の低コスト化につながる。
【0057】
また、後述する製造方法において、ソース・ドレイン電極材料膜60Aの成膜時には、第1の実施の形態と同様に、上面層材料膜50Aが有機半導体層40の上面を被覆した状態となっている。そのため、ソース・ドレイン電極材料膜60Aの成膜方法としてスパッタ法やCVD法のような高速な成膜方法(基板表面に到達する金属粒子の有するエネルギーが大きい成膜方法)を選択しても、有機半導体層40に対するダメージを小さくすることが可能である。
【0058】
(第3の利点)
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dの構成材料として、第1の実施の形態とは違う付着力をもつ金属を選択することが可能となる。例えば、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを金(Au)により構成した場合、一般的に金(Au)は下地との付着力が弱く、部分的に剥がれてソース電極60Sおよびドレイン電極60Dなどの配線に断線が生じる可能性がある。そこで、例えば、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを積層構造とし、その積層構造の下層にチタン(Ti)やクロム(Cr)等の付着力の強い材料を導入すれば、金よりなる上面層50により良好なオーミック接触を確保しつつ、ソース電極60Sおよびドレイン電極60D等の配線を剥がれにくくすることが可能となる。
【0059】
この有機TFT100は、例えば次のようにして製造することができる。
【0060】
図8は、図7に示した有機TFT100の製造方法を工程順に表したものである。なお、第1の実施の形態と重複する工程については、図2および図3を参照して説明する。
【0061】
まず、図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、上述した材料よりなる基板11に、ゲート電極20およびゲート絶縁膜30を順に形成する。次いで、同じく図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、ゲート絶縁膜30上に、上述した有機半導体材料、例えばPXX誘導体よりなる有機半導体材料膜40Aを形成する。
【0062】
そののち、同じく図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、有機半導体材料膜40Aの上に、例えば抵抗加熱真空蒸着により、例えば金(Au)よりなる上面層材料膜50Aを、例えば50nmの厚みで形成する。
【0063】
上面層材料膜50Aを形成したのち、同じく図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、上面層材料膜50Aの表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト膜71を形成する。
【0064】
フォトレジスト膜71を形成したのち、図2(B)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、例えばフォトリソグラフィにより、フォトレジスト膜71を、例えば100μm角の矩形の半導体素子分離パターンに成形する。なお、半導体素子分離パターンの形状および寸法は、上述した例に限られない。
【0065】
フォトレジスト膜71を成形したのち、図2(C)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、このフォトレジスト膜71をマスクとして、上面層材料膜50Aをウェットエッチングすることにより、上面層50を形成する。その際、上面層50(または上面層材料膜50A)の材料とエッチング液の組み合わせは、第1の実施の形態と同様である。
【0066】
上面層50を形成したのち、図3(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71をマスクとして、有機半導体材料膜40Aをエッチングすることにより、有機半導体層40を形成する。その際のエッチング方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0067】
有機半導体層40を形成したのち、図3(B)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71を残したまま、上面層50の外縁部を除去するエッジトリミング加工を行う。これにより、上面層50の外形線51が有機半導体層40の外形線41よりも内側に後退する。エッジトリミング加工の方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0068】
上面層50のエッジトリミング加工を行ったのち、図3(C)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71を剥離する。
【0069】
フォトレジスト膜71を剥離したのち、図8(A)に示したように、基板11の全面に、例えばスパッタ法またはCVD法により、上面層50とは異なる材料よりなるソース・ドレイン電極材料膜60Aを形成する。具体的には、ソース・ドレイン電極材料膜60Aとして、例えば、厚み20nmのチタン(Ti)層61Aと、厚み200nmのアルミニウム(Al)層62Aと、厚み20nmのチタン(Ti)層63Aとをこの順に積層する。
【0070】
続いて、ソース・ドレイン電極材料膜60Aの上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、例えばフォトリソグラフィにより所定の形状に成形する。そののち、このフォトレジスト膜(図示せず)をマスクとしてソース・ドレイン電極材料膜60Aおよび上面層50をエッチングする。これにより、図8(B)に示したように、上面層50が設けられた有機半導体層40の上面および側面と、ゲート絶縁膜30の上面とに、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが互いに離間して形成される。
【0071】
本実施の形態では、ソース・ドレイン電極材料膜60Aを上面層50とは異種金属により構成しているので、第1の実施の形態のように同種金属を用いた場合に比べて、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dの加工が難しくなる。なぜなら、異なる金属材料からなる積層膜をウェットエッチングする場合には、異種金属接合腐食により所望のパターン加工が不可能となる場合が起こりうるからである。これを回避するためには、例えば、以下のような方法を用いることが可能である。まず、ソース・ドレイン電極材料膜60Aのチタン層61A,アルミニウム層62Aおよびチタン層63Aを、CF4(対Ti)とCl2(対Al)とによるドライエッチングで加工する。そののち、Auよりなる上面層50を、ヨウ化カリウム水溶液を用いてウェットエッチングする。
【0072】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを形成したのち、フォトレジスト膜(図示せず)を全面紫外線照射により感光させたのち、現像液に浸漬することにより、フォトレジスト膜(図示せず)を剥離する。以上により、図7に示した有機TFT100が完成する。
【0073】
ここでは、第1の実施の形態と同様に、上面層50の外形線51が、有機半導体層40の外形線41よりも内側にあるので、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分などの形状不良が生じてしまうことが抑えられる。よって、有機半導体層40の上に設けられるソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが庇部分で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0074】
このように本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、上面層50の外形線51が、有機半導体層40の外形線41よりも内側にあるようにしたので、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分52などの形状不良が生じてしまうことを抑えることが可能となる。よって、有機半導体層40の上に設けられるソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが庇部分52で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0075】
また、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを上面層50とは異なる金属により構成するようにしたので、低コスト化が可能となると共に、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dの付着力を高めることが可能となる。
【0076】
(第3の実施の形態)
以下、本開示の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態の有機TFT100は、上面層50を金属酸化物により構成したことを除いては、上記第2の実施の形態において図7を参照して説明した有機TFT100と同一の構成、作用および効果を有している。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0077】
基板11,ゲート電極20,ゲート絶縁膜30および有機半導体層40は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0078】
上面層50は、第1の実施の形態と同様に、有機半導体層40の上面に設けられ、有機半導体層40とソース電極60Sおよびドレイン電極60Dとの良好な電気的接続をとるためのコンタクト層である。そのため、上面層50は、導電性材料、特に、そのまま有機半導体層40とオーミック接触を与えうる金属酸化物により構成されていることが好ましい。また、上面層50は、後述する製造工程において有機半導体層40がフォトレジストに直接接触しないようにするための保護膜としての機能も有している。更に、上面層50は、ウェットエッチング加工が可能な材料により構成されていることが好ましい。このような上面層50の構成材料としては、例えば、CuOx,NiOx,TiOx,ITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)またはMoOx,WOxが挙げられる。具体的には、上面層50は、例えば、厚みが50nmであり、ITOにより構成されている。ITOは仕事関数が高いので、上面層50に正孔注入層としての優れた機能を持たせることが可能となる。
【0079】
上面層50の外形線51は、第1の実施の形態と同様に、有機半導体層40の外形線41よりも内側にある。これにより、この有機TFT100では、第1の実施の形態と同様に、上面層50の形状不良を抑えることが可能となっている。
【0080】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、第1の実施の形態と同様に、上面層50が設けられた有機半導体層40の上面および側面と、ゲート絶縁膜30の上面とに、互いに離間して設けられている。
【0081】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、例えば、第2の実施の形態と同様に、厚み20nmのチタン(Ti)層61と、厚み200nmのアルミニウム(Al)層62と、厚み20nmのチタン(Ti)層63とをこの順に積層した構成を有している。
【0082】
この有機TFT100は、例えば次のようにして製造することができる。なお、第1の実施の形態と重複する工程については、図2および図3を参照して説明し、第2の実施の形態と重複する工程については、図8を参照して説明する。
【0083】
まず、図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、上述した材料よりなる基板11に、ゲート電極20およびゲート絶縁膜30を順に形成する。次いで、同じく図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、ゲート絶縁膜30上に、上述した有機半導体材料、例えばPXX誘導体よりなる有機半導体材料膜40Aを形成する。
【0084】
そののち、同じく図2(A)に示したように、有機半導体材料膜40Aの上に、例えばスパッタ法により、例えばITOよりなる上面層材料膜50Aを、例えば50nmの厚みで形成する。
【0085】
上面層材料膜50Aを形成したのち、同じく図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、上面層材料膜50Aの表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト膜71を形成する。
【0086】
フォトレジスト膜71を形成したのち、図2(B)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、例えばフォトリソグラフィにより、フォトレジスト膜71を、例えば100μm角の矩形の半導体素子分離パターンに成形する。なお、半導体素子分離パターンの形状および寸法は、上述した例に限られない。
【0087】
フォトレジスト膜71を成形したのち、図2(C)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、このフォトレジスト膜71をマスクとして、上面層材料膜50Aをウェットエッチングすることにより、上面層50を形成する。エッチング液としては、シュウ酸水溶液、または、シュウ酸水溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸、などを用いることが可能である。
【0088】
上面層50を形成したのち、図3(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71をマスクとして、有機半導体材料膜40Aをエッチングすることにより、有機半導体層40を形成する。その際のエッチング方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0089】
有機半導体層40を形成したのち、図3(B)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71を残したまま、上面層50の外縁部を除去するエッジトリミング加工を行う。エッジトリミング加工の方法としては、図2(C)に示した上面層材料膜50Aのエッチング工程と同様に、シュウ酸水溶液、または、シュウ酸水溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸、などをエッチング液としたウェットエッチングを用いる。これにより、上面層50の側面から横方向にエッチングが進行し、上面層50の外形線51が有機半導体層40の外形線41よりも内側に後退する。
【0090】
上面層50のエッジトリミング加工を行ったのち、図3(C)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71を剥離する。
【0091】
フォトレジスト膜71を剥離したのち、図8(A)に示した工程により、第2の実施の形態と同様にして、基板11の全面に、例えばスパッタ法またはCVD法により、上面層50とは異なる材料よりなるソース・ドレイン電極材料膜60Aを形成する。具体的には、ソース・ドレイン電極材料膜60Aとして、例えば、厚み20nmのチタン(Ti)層61Aと、厚み200nmのアルミニウム(Al)層62Aと、厚み20nmのチタン(Ti)層63Aとをこの順に積層する。
【0092】
続いて、ソース・ドレイン電極材料膜60Aの上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、例えばフォトリソグラフィにより所定の形状に成形する。そののち、このフォトレジスト膜(図示せず)をマスクとしてソース・ドレイン電極材料膜60Aおよび上面層50をエッチングする。
【0093】
その際のエッチング方法としては、まず、第2の実施の形態と同様にして、ソース・ドレイン電極材料膜60Aのチタン層61A,アルミニウム層62Aおよびチタン層63Aを、CF4(対Ti)とCl2(対Al)とによるドライエッチングで加工する。そののち、ITOよりなる上面層50をウェットエッチングする。その際のエッチング液としては、シュウ酸水溶液、または、シュウ酸水溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸、などを用いる。
【0094】
これにより、図8(B)に示したように、上面層50が設けられた有機半導体層40の上面および側面と、ゲート絶縁膜30の上面とに、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが互いに離間して形成される。
【0095】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを形成したのち、フォトレジスト膜(図示せず)を全面紫外線照射により感光させたのち、現像液に浸漬することにより、フォトレジスト膜(図示せず)を剥離する。以上により、図7に示した有機TFT100が完成する。
【0096】
ここでは、第1の実施の形態と同様に、上面層50の外形線51が、有機半導体層40の外形線41よりも内側にあるので、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分などの形状不良が生じてしまうことが抑えられる。よって、有機半導体層40の上に設けられるソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが庇部分で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0097】
このように本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、上面層50の外形線51が、有機半導体層40の外形線41よりも内側にあるようにしたので、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分52などの形状不良が生じてしまうことを抑えることが可能となる。よって、有機半導体層40の上に設けられるソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが庇部分52で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0098】
また、上面層50を金属酸化物により構成するようにしたので、半導体と電極接触界面における、電極表面の酸化が起こらないことから、コンタクト特性が安定化する。
【0099】
なお、上記第3の実施の形態では、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが、第2の実施の形態と同様に、チタン(Ti)層61と、アルミニウム(Al)層62と、チタン(Ti)層63とをこの順に積層した構成を有している場合について説明した。しかしながら、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、第1の実施の形態と同様に金(Au)により構成されていてもよい。また、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、金(Au)のほか、銅,銀,ニッケルまたはチタンなどの他の金属材料により構成されていてもよい。
【0100】
(第4の実施の形態)
以下、本開示の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態の有機TFT100は、上面層50を導電性高分子により構成したことを除いては、上記第2の実施の形態において図7を参照して説明した有機TFT100と同一の構成、作用および効果を有している。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0101】
基板11,ゲート電極20,ゲート絶縁膜30および有機半導体層40は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0102】
上面層50は、第1の実施の形態と同様に、有機半導体層40の上面に設けられ、有機半導体層40とソース電極60Sおよびドレイン電極60Dとの良好な電気的接続をとるためのコンタクト層である。そのため、上面層50は、導電性材料、特に、そのまま有機半導体層40とオーミック接触を与えうる導電性高分子により構成されていることが好ましい。また、上面層50は、後述する製造工程において有機半導体層40がフォトレジストに直接接触しないようにするための保護膜としての機能も有している。更に、上面層50は、ウェットエッチング加工が可能な材料により構成されていることが好ましい。このような上面層50の構成材料としては、例えば、水溶性PEDOT−PSSが挙げられる。上面層50の厚みは、例えば約50nmである。
【0103】
上面層50の外形線51は、第1の実施の形態と同様に、有機半導体層40の外形線41よりも内側にある。これにより、この有機TFT100では、第1の実施の形態と同様に、上面層50の形状不良を抑えることが可能となっている。
【0104】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、第1の実施の形態と同様に、上面層50が設けられた有機半導体層40の上面および側面と、ゲート絶縁膜30の上面とに、互いに離間して設けられている。
【0105】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、例えば、第2の実施の形態と同様に、厚み20nmのチタン(Ti)層61と、厚み200nmのアルミニウム(Al)層62と、厚み20nmのチタン(Ti)層63とをこの順に積層した構成を有している。
【0106】
この有機TFT100は、例えば次のようにして製造することができる。なお、第1の実施の形態と重複する工程については、図2および図3を参照して説明し、第2の実施の形態と重複する工程については、図を参照して説明する。
【0107】
まず、図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、上述した材料よりなる基板11に、ゲート電極20およびゲート絶縁膜30を順に形成する。次いで、同じく図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、ゲート絶縁膜30上に、上述した有機半導体材料、例えばPXX誘導体よりなる有機半導体材料膜40Aを形成する。
【0108】
そののち、同じく図2(A)に示したように、有機半導体材料膜40Aの上に、例えばスピンコート法等の塗布法により、例えばPEDOT−PSSよりなる上面層材料膜50Aを、例えば約50nmの厚みで形成する。
【0109】
上面層材料膜50Aを形成したのち、同じく図2(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、上面層材料膜50Aの表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト膜71を形成する。
【0110】
フォトレジスト膜71を形成したのち、図2(B)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、例えばフォトリソグラフィにより、フォトレジスト膜71を、例えば100μm角の矩形の半導体素子分離パターンに成形する。なお、半導体素子分離パターンの形状および寸法は、上述した例に限られない。
【0111】
フォトレジスト膜71を成形したのち、図2(C)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、このフォトレジスト膜71をマスクとして、上面層材料膜50Aをウェットエッチングすることにより、上面層50を形成する。エッチング液としては、水を用いることが可能である。
【0112】
上面層50を形成したのち、図3(A)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71をマスクとして、有機半導体材料膜40Aをエッチングすることにより、有機半導体層40を形成する。その際のエッチング方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0113】
有機半導体層40を形成したのち、図3(B)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71を残したまま、上面層50の外縁部を除去するエッジトリミング加工を行う。エッジトリミング加工の方法としては、図2(C)に示した上面層材料膜50Aのエッチング工程と同様に、水をエッチング液としたウェットエッチングを用いる。これにより、上面層50の側面から横方向にエッチングが進行し、上面層50の外形線51が有機半導体層40の外形線41よりも内側に後退する。
【0114】
上面層50のエッジトリミング加工を行ったのち、図3(C)に示した工程により、第1の実施の形態と同様にして、フォトレジスト膜71を剥離する。
【0115】
フォトレジスト膜71を剥離したのち、図8(A)に示した工程により、第2の実施の形態と同様にして、基板11の全面に、例えばスパッタ法またはCVD法により、上面層50とは異なる材料よりなるソース・ドレイン電極材料膜60Aを形成する。具体的には、ソース・ドレイン電極材料膜60Aとして、例えば、厚み20nmのチタン(Ti)層61Aと、厚み200nmのアルミニウム(Al)層62Aと、厚み20nmのチタン(Ti)層63Aとをこの順に積層する。
【0116】
続いて、ソース・ドレイン電極材料膜60Aの上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、例えばフォトリソグラフィにより所定の形状に成形する。そののち、このフォトレジスト膜(図示せず)をマスクとしてソース・ドレイン電極材料膜60Aおよび上面層50をエッチングする。
【0117】
その際のエッチング方法としては、まず、第2の実施の形態と同様にして、ソース・ドレイン電極材料膜60Aのチタン層61A,アルミニウム層62Aおよびチタン層63Aを、CF4(対Ti)とCl2(対Al)とによるドライエッチングで加工する。そののち、PEDOT−PSSよりなる上面層50をウェットエッチングする。その際のエッチング液としては、水を用いる。
【0118】
これにより、図8(B)に示したように、上面層50が設けられた有機半導体層40の上面および側面と、ゲート絶縁膜30の上面とに、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが互いに離間して形成される。
【0119】
ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dを形成したのち、フォトレジスト膜(図示せず)を全面紫外線照射により感光させたのち、現像液に浸漬することにより、フォトレジスト膜(図示せず)を剥離する。以上により、図7に示した有機TFT100が完成する。
【0120】
ここでは、第1の実施の形態と同様に、上面層50の外形線51が、有機半導体層40の外形線41よりも内側にあるので、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分などの形状不良が生じてしまうことが抑えられる。よって、有機半導体層40の上に設けられるソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが庇部分で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0121】
このように本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、上面層50の外形線51が、有機半導体層40の外形線41よりも内側にあるようにしたので、上面層50の端部が有機半導体層40からはみ出して、庇部分52などの形状不良が生じてしまうことを抑えることが可能となる。よって、有機半導体層40の上に設けられるソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが庇部分52で切断されて断線となってしまうことが抑えられる。
【0122】
また、上面層50を導電性高分子により構成するようにしたので、半導体と電極接触界面における、電極表面の酸化が起こらないことから、コンタクト特性が安定化する.また、真空成膜法を使用するよりも、若干工程が簡便になる。
【0123】
なお、上記第4の実施の形態では、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dが、第2の実施の形態と同様に、チタン(Ti)層61と、アルミニウム(Al)層62と、チタン(Ti)層63とをこの順に積層した構成を有している場合について説明した。しかしながら、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、第1の実施の形態と同様に金(Au)により構成されていてもよい。また、ソース電極60Sおよびドレイン電極60Dは、金(Au)のほか、銅,銀,ニッケルまたはチタンなどの他の金属材料により構成されていてもよい。
【0124】
(表示装置)
図9は、上述の有機TFT100を備えた表示装置の概略構成を模式的に表したものであり、図9(B)は平面構成(上面構成)を、図9(A)は、図9(B)におけるIXA−IXA線に沿った矢視断面構成を、それぞれ表している。この表示装置1は、基板111、TFT層112、表示層113および透明基板114をこの順に積層したものである。具体的には、基板111における表示領域110A上には、TFT層112、表示層113および透明基板114が積層される一方、基板111における額縁領域(非表示領域)110B上には、これらのTFT層112、表示層113および透明基板114は積層されていない。
【0125】
基板111は、例えば、ガラス,石英,シリコン,ガリウム砒素等の無機材料あるいは、ポリイミド,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリメチルメタクリレート(PMMA),ポリカーボネート(PC),ポリエーテルスルホン(PES),ポリエチルエーテルケトン(PEEK),芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等のプラスチック材料等からなる。この基板111は、ウェハなどの剛性の基板であってもよく、薄層ガラスやフィルムなどの可撓性基板(フレキシブル基板)であってもよい。
【0126】
TFT層112は、薄膜(金属膜等の導電膜や、絶縁膜など)を含む複数のデバイスを含む層である。このデバイスとしては、画素を選択するためのスイッチング素子としてのTFTの他、容量素子(保持容量素子など)、配線(走査線,信号線など)および電極(画素電極など)等が挙げられる。すなわち、TFT層112に含まれるデバイスは、TFT、容量素子、配線および電極のうちの少なくとも一つである。ここで、TFT層112に含まれるTFTは、上記実施の形態の有機TFT100により構成されている。
【0127】
表示層113は、例えば画素電極と共通電極との間に電気泳動粒子を有するものである。すなわち、表示装置1は、電気泳動現象を利用して画像(例えば文字情報等)を表示する電気泳動型ディスプレイ(いわゆる電子ペーパーディスプレイ)である。画素電極はTFT層112に画素ごとに設けられ、共通電極は透明基板114の一面に亘り設けられている。
【0128】
透明基板114は、例えば、基板111と同様の材料を用いて構成されている。なお、この透明基板114上に、更に表示層113への水分の浸入を防止する防湿膜および外光の表示面への映り込みを防止するための光学機能膜を設けるようにしてもよい。
【0129】
なお、水分や有機ガスによるTFT層112および表示層113の劣化を防止するため、基板111とTFT層112との間にバリア層を設けてもよい。このようなバリア層は、例えばAlOx N1−X (ただし、X=0.01〜0.2)または窒化シリコン(Si3 N4 )からなる。
【0130】
この表示装置1は、例えば次のようにして製造することができる。すなわち、まず、基板111上(具体的には、基板111の表示領域110A上)に、フォトリソグラフィ技術を用いて、前述した各種のデバイスを含むTFT層112を形成する。
【0131】
次いで、TFT層112上に、例えば同様にフォトリソグラフィ技術を用いて、表示層113を形成する。そののち、この表示層113上に透明基板114を貼り合わせる。以上により、図9(A),図9(B)に示した表示装置1が完成する。
【0132】
(適用例)
続いて、図10図15を参照して、表示装置1の適用例について説明する。表示装置1は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、この表示装置1は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0133】
(適用例1)
図10(A)および図10(B)はそれぞれ、表示装置1が適用される電子ブックの外観を表したものである。この電子ブックは、例えば、表示部210および非表示部220を有しており、この表示部210が表示装置1により構成されている。
【0134】
(適用例2)
図11は、表示装置1が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300が表示装置1により構成されている。
【0135】
(適用例3)
図12は、表示装置1が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、この表示部420が表示装置1により構成されている。
【0136】
(適用例4)
図13は、表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、この表示部530が表示装置1により構成されている。
【0137】
(適用例5)
図14は、表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有している。そして、この表示部640が表示装置1により構成されている。
【0138】
(適用例6)
図15は、表示装置1が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そして、これらのうちのディスプレイ740またはサブディスプレイ750が、表示装置1により構成されている。
【0139】
以上、実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
【0140】
また、上記実施の形態では有機TFTを例に挙げて説明したが、本開示は有機TFTのほか、ダイオードなど、有機半導体を用いた他の半導体素子にも適用可能である。図16は、本開示に係る有機半導体ダイオードの一例を表したものである。この有機半導体ダイオード100Aは、図1に示した有機TFT100からゲート電極20を取り除いた構成を有しており、例えば、基板11上に、絶縁膜30,有機半導体層40,上面層50,アノード80Aおよびカソード80Cをこの順に有している。このような有機半導体ダイオード100Aは、回路によっては、有機TFT100と同一基板内にあって、有機TFT100と同じ作製工程で形成することが可能であり、便利である。また、図示しないが、アノードおよびカソードを積層した縦型の構成とすることも可能である。
【0141】
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
有機半導体層と、前記有機半導体層の上面に設けられた層とを有し、
前記層の外形線は、前記有機半導体層の外形線よりも内側にある
半導体素子。
(2)
前記層は、金属により構成されている
前記(1)記載の半導体素子。
(3)
前記層が設けられた前記有機半導体層の上面および側面に配線層が設けられており、
前記層は、前記有機半導体層と前記配線層とのコンタクト層である
前記(2)記載の半導体素子。
(4)
前記配線層は、前記層と同一の材料により構成されている
前記(3)記載の半導体素子。
(5)
前記配線層は、前記層と異なる材料により構成されている
前記(3)記載の半導体素子。
(6)
前記層は、金属酸化物により構成されている
前記(1)記載の半導体素子。
(7)
前記層は、導電性高分子により構成されている
前記(1)記載の半導体素子。
(8)
半導体素子を備えた電子機器であって、
前記半導体素子は、
有機半導体層と、前記有機半導体層の上面に設けられた層とを有し、
前記層の外形線は、前記有機半導体層の外形線よりも内側にある
電子機器。
【符号の説明】
【0142】
11…基板、20…ゲート電極、30…ゲート絶縁膜、40…有機半導体層、41,51…外形線、50…上面層、60S…ソース電極、60D…ドレイン電極、71…フォトレジスト膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16