(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
動力駆動のポンプと蓄圧器を備えた補助液圧源から供給される液圧を、スプール弁を有する調圧装置でブレーキ操作部材の操作量に応じた値に調圧してブースト室に導入し、その液圧をブーストピストンに作用させてブレーキ操作量に応じた助勢力を発生させ、助勢された力(車両の運転者によるブレーキ操作力に助勢力を加えた力)をマスタシリンダのピストンに加える液圧ブースタの基本技術として、下記特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
また、電子制御装置からの指令に基づいてABS(アンチロック制御)やESC(車両安定化制御)を実行する還流式の調圧ユニットを備えた液圧ブレーキ装置が市場に供されている。
【0004】
還流式の調圧ユニットは、車輪速、ブレーキ操作部材の操作ストローク、ブレーキ液圧、車両の挙動などを検出する既知の各種センサからの情報に基づいて電子制御装置がホイールシリンダの減圧の必要性を判断したときに、マスタシリンダからホイールシリンダに至る液圧経路を増圧用電磁弁で遮断し、減圧用電磁弁でホイールシリンダを低圧液溜めに接続して減圧制御を行なう。
【0005】
また、この後に電子制御装置が再加圧の必要性を判断すると、動力駆動の還流用のポンプを駆動して低圧液溜め中のブレーキ液を汲み上げ、増圧用電磁弁を開き、減圧用電磁弁を閉じて汲みあげたブレーキ液をマスタシリンダからホイールシリンダに至る液圧経路に還流させる。
【0006】
この還流式調圧ユニットを採用した液圧ブレーキ装置は、還流用のポンプで汲み上げたブレーキ液がマスタシリンダからホイールシリンダに至る液圧経路に導入される位置(還流点)よりも上流側(マスタシリンダ側)に遮断弁を設置し、ABSなどの制御が実行されるときにその遮断弁を閉じるものと、上記遮断弁を設置しないものの2形態が提案されている。
【0007】
このうち、遮断弁の無い後者の形態は、還流用のポンプが汲み上げたブレーキ液がマスタシリンダに向けて逆流する(これはポンプバックと称されている。ここではその呼び名を使用する)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
還流式の調圧ユニットを備える従来の液圧ブレーキ装置で、運転者のブレーキ操作を助勢するブースタを組み合わせるものは、エンジンの負圧を利用して助勢力を発生させる真空ブースタを採用していたが、吸気バルブのリフト量を連続可変とすることで吸気バルブをスロットルバルブとして機能させるバルブマチック化車両やHEV(ハイブリッド車)、EV(電気自動車)などではエンジンの負圧による助勢を期待できないため、液圧ブースタを組み合わせることが検討されている。その液圧ブースタは、ブースト室に導入された液圧(ブースト圧)をブーストピストンに作用させて助勢力を発生させる。
【0010】
ところが、真空ブースタに代えて液圧ブースタを採用する場合には、ポンプバックに起因したマスタシリンダ圧とブースト圧の異常高圧化が問題となる。
【0011】
即ち、ポンプバックが起こると、調圧ユニットから逆流した液圧によってマスタシリンダのピストン(マスタピストン)が押し戻され、その力がブーストピストン(真空ブースタではパワーピストンと称されている)に伝わってブーストピストンも押し戻される。
【0012】
負圧室と大気室の圧力差でパワーピストンを作動させて助勢力を発生させる真空ブースタを採用した液圧ブレーキ装置では、パワーピストンが押し戻しされても、パワーピストンの変位によって圧縮されるのは大気室に封じ込められた空気であるため、大気室の圧力上昇はさほど大きくならず、ポンプバックによる影響は軽微に抑えられる。
【0013】
これに対し、液圧ブースタは、ポンプバックによるブーストピストンの押し戻しによって圧縮されるのがブースト室に封じ込められたブレーキ液であり、そのブレーキ液が非圧縮性の油であるため、ブースト室を大気圧リザーバに連通させる排出ポートが開くまでの間のブースト室の昇圧が無視できないものになる。
【0014】
マスタシリンダ圧やブースト圧が異常に高まると、マスタシリンダや液圧ブースタの液封シール部がダメージを受けてその液封シール部の耐久性が低下する。また、極端な圧力上昇が起こると、マスタシリンダや液圧ブースタの破損も懸念されるようになる。
【0015】
この発明は、マスタシリンダや液圧ブースタの耐久性低下や破損の懸念を無くすために、液圧ブースタを還流式の調圧ユニット(ABSユニットやESCユニット)と組み合わせて使用するときのポンプバックに起因したマスタシリンダ圧とブースト圧の異常昇圧を抑制することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、この発明においては、下記(1)〜(3)の策を講じた液
圧ブースタと、それを用いた下記(4),(5)の
ポンプバックタイプの液圧ブレーキ装置を提供する。
(1)動力駆動のポンプと蓄圧器とを有する補助液圧源と、その補助液圧源から供給され
る液圧をスプール弁の変位によってブレーキ操作部材の操作量に応じた値に調圧してブー
スト室に導入する調圧装置と、前記ブースト室に導入された液圧を受けて助勢力を発生さ
せ、助勢された力でマスタシリンダのマスタピストンを作動させるブーストピストンとを
具備する液圧ブレーキ装置用の液圧ブースタに対して
、前記ブースト室とマスタシリンダの圧力室のいずれか一方を
前記調圧装置を迂回して前記補助液圧源と大気圧リザーバのいずれか一方につなぐ液圧経路を設け、さらに、その液圧経路に、前記ブースト室又はマスタシリンダの圧力室から前記補助液圧源又は大気圧リザーバへの液圧排出のみを許容する逆止弁を設ける。
前記液圧経路と逆止弁は、前記ブースト室とマスタシリンダの圧力室のいずれか一方を前記補助液圧源につなぐものについては、前記ブースト室と前記補助液圧源との間、又は、前記マスタシリンダの圧力室と前記補助液圧源との間に設ける。また、前記ブースト室とマスタシリンダの圧力室のいずれか一方を前記大気圧リザーバにつなぐものについては、その液圧経路と逆止弁を前記補助液圧源を迂回した状態で、前記ブースト室と前記大気圧リザーバとの間、又は、前記マスタシリンダの圧力室と前記大気圧リザーバとの間に設ける。
【0017】
(2)前記(1)の策を講じた液圧ブースタに対して、逆止弁の固着を防止する固着防止機構をさらに追設する。ここで言う固着防止機構は、運転者によるブレーキ操作によって液圧ブースタの内部で起こる2つの部材の相対移動などを利用してブレーキ操作が実施されていないときにその逆止弁の弁体が開弁位置に変位し、ブレーキ操作が開始されたときには閉弁位置に戻るように動かすものである。
【0018】
例えば、ブーストピストンや、ブレーキ操作力をブーストピストンに伝える入力ピストンやマスタピストンなどは可動体であり、駆動力を受けるとブースタのハウジング内で移動する。その可動体とハウジングのどちらか一方で逆止弁の弁体を支持し、他方に逆止弁の弁座を形成すれば可動体とハウジングの相対移動を利用して逆止弁を開閉させることができる。
【0019】
また、運転者のブレーキ操作に伴ってマスタシリンダの圧力室に発生する液圧や液圧ブースタのブースト室に導入される液圧(アシスト圧)を一面に受けて作動するピストンを設けてそのピストンの変位で逆止弁を開閉させることもできる。
【0020】
さらに、ブレーキ操作の開始又は終了を検知して駆動される電磁アクチュエータを設け、その電磁アクチュエータの駆動力で逆止弁を開閉させることもでき、これ等を固着防止機構として利用することができる。
【0021】
(3)前記(1)の策を講じた液圧ブースタに、逆止弁の組み込まれる液圧経路を並列配置にして複数設ける。
【0022】
なお、前記逆止弁の設置される液圧経路を前記ブースト室(又はマスタシリンダの圧力室)と大気圧リザーバとの間に設ける液圧ブースタにおいては、前記逆止弁として、前記ブースト室やマスタシリンダの圧力室の液圧が設定値を超えたときに開弁するリリーフ弁を用いる。
【0023】
この発明の液圧ブレーキ装置で用いる上記(1)〜(3)の液圧ブースタの好ましい態様を以下に列挙する。
i)前記液圧経路の一部と前記逆止弁を、前記ブーストピストン又はマスタピストンの内部に設けたもの。
ii)前記逆止弁が球状の弁体を備えるもの。
iii)前記逆止弁が、弁座との当接部がゴム又は樹脂で形成された弁体を平坦な弁座に接離させて液圧経路を開閉するように構成されたもの。
iv)前記ブーストピストンを収容するハウジングの内部に、前記ブースト室と前記補助液圧源とをつなぐ隙間が存在し、その隙間を前記液圧経路とし、その隙間の軸方向途中を封止する環状のカップシールを当該カップシールのカップ開口が前記隙間の補助液圧源につながる側を臨む向きに配置し、そのカップシールで前記逆止弁を構成したもの。
v)前記ブーストピストンを収容するハウジングの内部に、前記ブースト室と前記補助液圧源とをつなぐ隙間が存在し、その隙間を前記液圧経路とし、その隙間の軸方向途中に前記補助液圧源の液圧と前記ブースト室の液圧を両面に対向して受ける環状シール部材と、その環状シール部材を前記ブーストピストンの軸線方向に移動可能に収容する環状溝を設け、
前記ブースト室の液圧が所定の差圧を超えて前記補助液圧源の液圧を上回ったとき以外は前記環状シール部材が前記補助液圧源の液圧で前記隙間の前記環状溝に面したブースト室側開放口を閉じる位置に保持され、前記ブースト室の液圧が所定の差圧を超えて前記補助液圧源の液圧を上回ったときのみ前記環状シール部材が前記ブースト室側開放口を開放して前記ブースト室を前記隙間経由で前記補助液圧源に連通させるようにし、その環状シール部材で前記逆止弁を構成したもの。
vi)前記v)に記載の液圧ブースタであって、前記環状シール部材を、前記環状溝の内部にブーストピストンの軸線方向に往復動可能に収容し、この環状シール部材が前記隙間の前記環状溝に面したブースト室側開放口を閉じる位置にあるときに環状シール部材の内周側又は外周側に密着して環状シール部材と前記環状溝の溝底面との間を封止するOリングを前記環状溝の内部に配置したもの。
【0024】
これらのうち、iv),v),vi)の構造は、逆止弁を伴う前記液圧経路が前記ブースト室(又はマスタシリンダの圧力室)と前記補助液圧源との間に設けられる液圧ブースタを備えた液圧ブレーキ装置に適用する。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの液圧ブースタと、その液圧ブースタにブレーキ操作力を加えるブレーキ操作部材と、前記液圧ブースタに助勢されてマスタピストンが作動するマスタシリンダと、そのマスタシリンダから供給される液圧で制動力を発生させるホイールシリンダと、
前記ホイールシリンダの液圧を流出させる減圧用電磁弁、そのホイールシリンダに液圧を導入する増圧用電磁弁、及び前記減圧用電磁弁経由で前記ホイールシリンダから流出させたブレーキ液を汲み上げて前記マスタシリンダから前記ホイールシリンダに至る液圧経路に還流させる還流用のポンプを備える還流式調圧ユニットと、
前記ホイールシリンダの減圧の必要性と再加圧の必要性を判断して前記減圧用電磁弁と増圧用電磁弁に作動指令を出す電子制御装置を組み合わせた液圧ブレーキ装置。
【0025】
(5)前記(4)の液圧ブレーキ装置に、さらに、マスタシリンダ圧とブースト圧の少なくとも一方が予め設定した閾値を超えて高まったときにそれを検知してポンプによるブレーキ液の汲み上げを停止させるコントローラを設ける。ここで言うマスタシリンダ圧やブースト圧は、圧力センサを用いて直接検出した圧力、還流式調圧ユニットに含まれた増・減圧用電磁弁やポンプ駆動用のモータに供給される電力(電流又は電圧)などから推定した圧力のどちらであってもよい。
【0026】
圧力センサを設けてマスタシリンダ圧やブースト圧を監視すれば、マスタシリンダ圧やブースト圧が逆止弁の作動すべき圧力を超えて高まったときに、その原因が逆止弁の固着によるものであると推測することができる。そのときに、ポンプによるブレーキ液の汲み上げを停止すれば、マスタシリンダ圧とブースト圧の異常昇圧を防止することができる。
【0027】
液圧ブレーキ装置が前述のように増圧用電磁弁や減圧用電磁弁を備える場合、例えば、後述する特開2003−19952号公報や特開2007−91051号公報などに詳細が記載されるように、その電磁弁に供給される駆動用の電流や電圧がマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧の差圧に応じたものとなるよう電子制御装置を構成することで、この電磁弁に供給される電流や電圧からマスタシリンダ圧を推定することができる。また、還流式調圧ユニットのポンプ駆動用のモータも駆動用の電流や電圧が負荷に応じて変動する特性を有しているので、そのモータの駆動電流や駆動電圧からもマスタシリンダ圧を推定することができ、その推定したマスタシリンダ圧が閾値を超えて高まったときにポンプによるブレーキ液の汲み上げを停止させてもよい。
【発明の効果】
【0028】
この発明の液圧ブースタとそれを用いた液圧ブレーキ装置は、ポンプバックによってマスタシリンダのピストンとブーストピストンが押し戻されると、それに伴うブースト室の昇圧によりこの発明で設けた逆止弁が開いてブースト室の圧力が補助液圧源もしくは大気圧リザーバに逃げる。そのために、ブースト室の過剰な昇圧が抑制され、過大圧力に起因したマスタシリンダや液圧ブースタの耐久性の低下が抑えられ、破損の懸念も解消される。
【0029】
また、ブースト室の異常昇圧が抑えられることで、ブレーキの操作フィーリングの悪化なども抑制される。
【0030】
さらに、逆止弁の固着防止機構を追設したものは、逆止弁が固着する懸念が減少し、フェールセーフに関する信頼性が高まる。
【0031】
また、前記逆止弁の組み込まれる液圧経路を並列配置にして複数設けたものは、複数ある逆止弁のどれかが固着したときに正常な逆止弁で機能を補足することができ、フェールセーフに関する信頼性がより高まる。
【0032】
マスタシリンダ圧やブースト圧が予め設定した閾値を超えて高まったときにそれを検知してポンプによるブレーキ液の汲み上げをコントローラで停止させるものも、逆止弁が固着して逆止弁による圧力の逃がしがなされなくなるとポンプによるブレーキ液の汲み上げが停止するので、マスタシリンダ圧やブースト圧の異常昇圧が防止される。
【0033】
なお、コントローラからの指令に基づくブレーキ液の汲み上げの停止は、前記逆止弁が固着したときに非常時対応として実施されるのが好ましいが、この機能を単独で利用することも考えられる。汲み上げの停止によってポンプバック自体がストップするため、液封シール部の耐久性の低下の抑制、及び、マスタシリンダ、液圧ブースタの破損の懸念の解消を、逆止弁を設けずに実現することができ、単独での利用もポンプバック対策として有効である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面の
図1〜
図17に基づいて、この発明の液圧ブースタとそれを用いた液圧ブレーキ装置の実施の形態を説明する。
【0036】
図1に示す液圧ブレーキ装置(第1実施形態)は、ブレーキ操作部材(図のそれはブレーキペダル)1と、マスタシリンダ2と、液圧ブースタ3と、マスタシリンダ2から供給される液圧で制動力を発生させるホイールシリンダ4と、還流式調圧ユニット30と、電子制御装置5を組み合わせて構成されている。6は、補液源として設けられる大気圧リザーバである。電子制御装置5がホイールシリンダ4の減圧、増圧の必要性を判断するための情報を流すセンサ類は図には示していない。
【0037】
マスタシリンダ2は、マスタピストン2aを推進させて圧力室2bに液圧を発生させる復帰スプリング2cの含まれた既知のタンデム型のものを例示した。
【0038】
液圧ブースタ3は、補助液圧源7と、その補助液圧源7とブースト室3bとの間に設置されて補助液圧源7から供給される液圧をブレーキ操作部材1の操作量に応じた値に調圧してブースト室3bに導入する調圧装置8を有している。
【0039】
また、ブースト室3bに導入された液圧(ブースト圧)を受けて助勢力を発生させ、助勢された力(推力)でマスタシリンダ2のマスタピストン2aを作動させるブーストピストン3cと、この発明を特徴づける液圧経路12と逆止弁13を有している。液圧経路12は、ブースト室3bを補助液圧源7に連通させる経路であり、逆止弁13はその液圧経路12の途中に配置されている。
【0040】
補助液圧源7は、ポンプ7a、そのポンプを駆動するモータ7b、蓄圧器(アキュムレータ)7c及び圧力センサ7dを組み合わせたものであって、圧力センサ7dによる検出圧力に基づいてモータ7bをオン、オフさせ、蓄圧器7cに蓄える液圧を規定の上下限値内に保持する。
【0041】
調圧装置8は、ブレーキ操作部材1から入力される操作力を受けて変位するスプール弁8aとそのスプール弁の復帰スプリング8bを有する。また、ブーストピストン3cに形成された導入路8cと排出路8dを有する。
【0042】
その導入路8cと排出路8dは、スプール弁8aの変位によって開かれ、導入路8cが開いたときに、ブースト室3bが補助液圧源7につながり、排出路8dが開いたときにはブースト室3bが液室9経由で大気圧リザーバ6につながる。
【0043】
この調圧装置8は、スプール弁8aの変位によって補助液圧源7と大気圧リザーバ6に対するブースト室3bの接続の切り換えと、補助液圧源7と大気圧リザーバ6の双方からの切り離しがなされる。この調圧装置8の働きで、補助液圧源7からブースト室3bに導入される液圧(ブースト圧)が、ブレーキ操作部材の操作量に応じた値に調圧される。その調圧のメカニズムは周知であるので、ここでは詳細説明を省く。
【0044】
ブーストピストン3cは、ブースト室3bのブースト圧を受けて前進し、その推力(助勢された力)が動力伝達部材10経由でマスタシリンダ2に伝達されてマスタピストン2aが作動し、圧力室2bにブレーキ液圧が発生する。タンデムマスタシリンダは、
図1において右側のマスタピストン2aが作動して右側の圧力室2bに液圧が発生するとその液圧を受けて左側のマスタピストン2aも作動し、左側の圧力室2bにも右側と同圧の液圧が発生する。
【0045】
マスタシリンダの各圧力室2bに発生する圧力は、ブースト室3bのブースト圧と均衡する値となる。その圧力室2bに発生した圧力の反力が、動力伝達部材10、ゴムディスク11及びスプール弁8aを介してマスタピストン2aからブレーキ操作部材1に伝わる。ゴムディスク11は、ブレーキ操作量に応じた反力を作り出す。これは周知の好ましい要素であるが、必須ではない。
【0046】
液圧経路12と逆止弁13は、
図3に示すように、ブーストピストン3cの内部に設けると、液圧ブースタの小型化が図れて好ましいが、
図1に示すように、ハウジング3aの外部に液圧経路12を設けてその液圧経路に逆止弁13を設置しても構わない。
【0047】
図3における液圧経路12は、ブーストピストン3cに、ブースト室3bを中継室14に連通させる孔をあけてその孔で形成している。中継室14は、ブーストピストン3cとそのピストンを収容したハウジング(シリンダ部材)3aとの間に設けられており、補助液圧源7に常時連通する。
【0048】
逆止弁13は、ブースト室3bから補助液圧源7に向って流れる液圧の通過を許容し、逆向きの流れを阻止する。ここで用いた逆止弁13は、ブースト室3bの液圧と補助液圧源7の液圧を両端に対向して受ける弁体と、その弁体を閉弁方向に付勢するスプリングを組み合わせたものであって、ブースト室3bの液圧が所定値を超えて補助液圧源7の液圧を上回ると、弁体が2者の差圧で作動して開弁する。
【0049】
還流式調圧ユニット30は、ホイールシリンダ4の液圧を流出させる減圧用電磁弁31と、ホイールシリンダ4に液圧を導入する増圧用電磁弁32と、減圧用電磁弁31経由でホイールシリンダ4から流出させたブレーキ液を一時的に取り込む低圧液溜め33と、ホイールシリンダ4から流出させたブレーキ液を汲み上げてマスタシリンダ2からホイールシリンダ4に至る液圧経路15に還流させる還流用のポンプ34と、そのポンプ34を駆動するモータ35を組み合わせた既知のユニットである。
【0050】
還流式調圧ユニット30を構成する減圧用電磁弁31と増圧用電磁弁32は、オン、オフ式の電磁弁、コイルに流す電流の大きさに応じて弁部の開度が調整される既知のリニア電磁弁のどちらであってもよい。
【0051】
このように構成した
図1の液圧ブレーキ装置は、制動中に電子制御装置5からの指令でポンプ34が駆動されるとポンプバックが生じ、マスタシリンダのマスタピストン2aとブーストピストン3cが押し戻される。このとき(ポンプ34が駆動される状況のとき)、ブースト室3bは、大気圧リザーバ6と補助液圧源7の双方から切り離されて封止されている。
【0052】
この状況でブーストピストン3cが押し戻されると、ブースト室3bの液圧が補助液圧源7の液圧よりも高くなり、両液圧の差(差圧)が所定値を超えたときに逆止弁13が差圧で開弁してブースト室3bの液圧が補助液圧源7に逃げる。そのために、ブースト室3bの圧力上昇が抑制され、異常昇圧によるマスタシリンダや液圧ブースタの耐久性低下の問題とマスタシリンダや液圧ブースタの破損の懸念が解消され、ブレーキの操作フィーリングに違和感がでることも抑えられる。
【0053】
図2に、第2実施形態の液圧ブレーキ装置を示す。この
図2の液圧ブレーキ装置は、液圧経路12を、ブースト室3bと大気圧リザーバ6との間に設けてその液圧経路12に逆止弁13を配置したものである。ここで用いた逆止弁13は、ブースト室3bの液圧が設定値を超えたときに開弁するリリーフ弁である。この逆止弁13の開弁圧を、維持すべきブースト圧の上限値よりも少し高めに設定しておくことで、ポンプバックが起こったときに、ブースト室3bの液圧を逆止弁13経由で大気圧リザーバ6に排出してブースト室3bの異常昇圧を防止することができる。
【0054】
なお、この第2実施形態の液圧ブレーキ装置も、
図4に示すように、液圧経路12と逆止弁13をブーストピストン3cの内部に設けると小型化が図れて好ましい。
図4では、液圧経路12が液室9に開口し、ブースト室3bが液室9経由で大気圧リザーバ6につながる。
【0055】
この発明の液圧ブースタに採用する逆止弁13の好ましい態様を、
図5〜
図9に示す。
図5の逆止弁13は、球状の弁体13aをスプリング13bで閉弁方向に付勢して円錐状の弁座13cに押し付けるものであって、構造がシンプルで生産性に優れる。
【0056】
また、
図6の逆止弁13は、弁座との当接部がゴム又は樹脂で形成された弁体13aを、平坦な弁座13cに接離させて液圧経路12を開閉するようにしたものであって、この
図6の逆止弁13も、構造がシンプルで生産性に優れる。
【0057】
図8の逆止弁13は、第1実施形態の液圧ブレーキ装置(
図3の液圧ブレーキ装置)に採用するものであって、ブースト室3bと補助液圧源7を連通させる隙間16の途中に、その隙間16を封止する環状のカップシール13dを、当該カップシールのカップ開口が隙間16の補助液圧源7につながる側を臨む向きに配置している。カップシール13dは、環状シール溝13eに組み付けられている。
【0058】
隙間16は、液圧ブースタの構造上の理由からブーストピストン3cを収容するハウジング3aの内部に不可避に形成されるものを示した。
図7に示すように、ハウジング3aに形成されるシリンダとそのシリンダに挿入されるブーストピストン3cとの間、或いは、ブーストピストン3cとスプール弁8aとの間に介在したガイドスリーブ17との間には不可避の隙間16ができ、その隙間16を介してブースト室3bと補助液圧源7が連通する。このために、隙間16の途中に界面シール部を設けてブーストピストン3cとスプール弁8aとの間を液封することがなされている。
【0059】
元々必要なその界面シール部の構造を工夫する(カップシールを使用してそれを
図8のように配置する)ことで、界面シール部のシール部材をこの発明の逆止弁13として機能させることができる。隙間16は、新たに追設するものであっても差し支えないが、不可避に生じる隙間に
図8の逆止弁を配置すると、界面シール部のシール部材をOリングなどからカップシールに置き換えるだけでよく、部品の追加が不要で、コストアップを回避できる。
【0060】
図9の逆止弁13も、第1実施形態の液圧ブレーキ装置(
図3の液圧ブレーキ装置)に採用するものである。この逆止弁13も、ハウジング3aの内部に存在してブースト室3bを補助液圧源7に連通させる隙間16を利用してその隙間16の途中に配置している。この
図9の逆止弁13は、補助液圧源7の液圧とブースト室3bの液圧を両面に対向して受ける断面が楔状の環状シール部材13fと、その環状シール部材をブーストピストン3cの軸線方向に移動可能に収容する環状溝13gを設けて構成されている。
【0061】
環状シール部材13fは、
図9において左側の端面に、その端面が環状溝13gの溝面に接した位置で環状溝13gに対する隙間16のブースト室側開放口16iを補助液圧源側開放口16oに連通させるスリットsによって形成される通路を有する。
【0062】
その環状シール部材13fは、ブースト室3bの液圧が所定の差圧を超えて補助液圧源7の液圧を上回ったとき以外は、補助液圧源7の液圧によって前記ブースト室側開放口16iを閉じる位置に保持される。また、ブースト室3bの液圧が所定の差圧を超えて補助液圧源7の液圧を上回ったときには前記ブースト室側開放口16iを開放するようにしており、ブースト室側開放口16iが開放されたときにブースト室3bが隙間16経由で補助液圧源7に連通して、ブースト室3bの液圧が補助液圧源7に排出されるようになっている。
【0063】
この
図9の逆止弁13の環状シール部材13fは、ゴム製のものよりも硬質樹脂で形成されたものが好ましい。ブースト室3bと補助液圧源7の液圧差が大きくなるときには耐久性が要求され、硬質樹脂で形成した環状シール部材13fであれば、その要求に応えることができる。
【0064】
この
図9の逆止弁13は、環状溝13gを形成した部材(例えば、ガイドスリーブ17)に、環状シール部材13fのテーパ面に対応させたテーパ面を一体に形成し、そのテーパ面を弁座にして閉弁位置で環状シール部材13fを接触させるものであってもよい。
【0065】
なお、硬質樹脂製の環状シール部材13fを採用する際には、
図9に示すように、Oリング13hを追加し、環状溝13g内に配置したそのOリング13hを環状シール部材13fの内周(環状溝13gが環状シール部材13fの外径側にあるときには環状シール部材13fの外周)に密着させて閉弁状態を作りだすとよい。この構造は、硬質の弁体と硬質の弁座を組み合わせる構造と比較してシールの安定性に優れる。
【0066】
上記の形態では、液圧経路12と逆止弁13を、ブースト室3bと補助液圧源7(又は大気圧リザーバ6)との間に設けたが、マスタシリンダの圧力室2bと補助液圧源7(又は大気圧リザーバ6)との間に設けてもよい。この形態も逆止弁13として、マスタシリンダ圧が設定圧を超えたときに開弁するリリーフ弁を用いる。
【0067】
図10は、逆止弁13の固着防止の策を施した液圧ブースタを表している。この態様では、液圧経路12を介してブースト室3bを補助液圧源7につなぎ、液圧経路12の一部をブーストピストン3cに設けて逆止弁13をブーストピストン3cの内部に設けている。これは、
図3の液圧ブレーキ装置と同じであって、逆止弁13の固着防止機構18が追設された点が
図3の液圧ブレーキ装置と相違する。
【0068】
図10の液圧ブースタ3に設けた固着防止機構18は、逆止弁13の弁体13aにプッシュピン18aを取り付け、そのプッシュピンを受け止めるストッパ18b(図のそれはハウジング3aの内端面)と、液圧経路12のブースト室3b側の開口を取り巻く弁シール18cを設けてなる。
【0069】
逆止弁の弁体13aと弁座13cは、ブーストピストン3cの内部に設けられており(弁体13aはブーストピストン3cから抜け出ないようにしてある)、運転者による通常のブレーキ操作(サービスブレーキ)がなされてブーストピストン3cが初期位置(ストッパ18bに当接する位置)から前進した
図10の状態では逆止弁13が閉弁してプッシュピン18aがブースト室3bに突出する。
【0070】
運転者によるブレーキ操作が解除されてブーストピストン3cが初期位置に戻されると、直前にプッシュピン18aがストッパ18bに当接し、これにより、弁体13aが弁座13cから離反して逆止弁13が開弁する。また、このときには、弁シール18cがストッパ18bに接して液圧経路12を封鎖し、補助液圧源7とブースト室3bの液圧経路12経由での連通が遮断されるようになっている。
【0071】
この固着防止機構18を追設したことで、運転者によるブレーキ操作がなされる度に逆止弁13が開閉され、逆止弁13が長時間作動しない状況がなくなってその逆止弁13の長時間の非作動に起因した固着が回避される。この
図10の態様は、逆止弁13と固着防止機構18がブーストピストン3bに内蔵されるので、小型化や省スペース化の面で有利である。
【0072】
固着防止機構18は、
図11〜
図14に示すようなものでもよい。
図11の態様は、筐体19の内部に弁座13cを伴った弁室Vcを形成し、その弁室内に弁体13aを配置して逆止弁13を形成している。また、逆止弁の内蔵された筐体19の内部にシリンダ19aを形成し、そのシリンダ内に、一面に弁シール18cが設けられ、その一面がブースト室3b又はマスタシリンダの圧力室2bに通じる液室c1を臨み、他面が大気圧リザーバ6に通じる液室c2を臨むピストン18dを組み付けている。
【0073】
そして、ピストン18dをスプリング18eで逆止弁13のある側に付勢し、液室c1に液圧が導入されないブレーキ非操作時にピストン18dに設けたプッシュピン18aで弁体13aを突き動かして逆止弁13を開弁させ、同時に、弁シール18cで液圧経路12を封鎖するようになっている。
【0074】
この態様の固着防止機構18は、弁室Vcを補助液圧源7と大気圧リザーバ6のどちらかに、液室c1をブースト室3bとマスタシリンダの圧力室2bのどちらかにそれぞれつなぎ、さらに、液室c2を大気圧リザーバ6につないで使用する。
【0075】
運転者によるブレーキ操作がなされて液室c1にアシスト圧又はマスタシリンダ圧が導入されると、ピストン18dが液室c2側に押し動かされて逆止弁13が閉弁する。従って、この構造でも運転者によるブレーキ操作がなされる度に逆止弁13が開閉されることになる。
【0076】
図12の態様は、ピストン18dを段付きピストンにしてそのピストンの一面側に液室c1に導入される液圧と液室c3に導入される液圧を作用させるものになっている。液室c1と液室c3は一方がブースト室3bにつながれ、他方がマスタシリンダの圧力室2bにつながれる。その他は、
図11の態様と同様に構成される。この態様も、
図11の態様と同様に動作する。
【0077】
図13の態様も、ピストン18dを段付きピストンにしてそのピストンの小径部の端面を液室c1に、段差部の端面を液室c3に、ピストン18dの他端を液室c2にそれぞれ臨ませている。また、この態様では、ピストン18dの内部に液圧経路12の一部を設けてその経路、すなわち、ピストン18dの内部に逆止弁13を配置している。
【0078】
図13の態様は、逆止弁13と固着防止機構の構成要素のプッシュピン18aと弁シール18cを、ブーストピストン3cとは別体の液圧応動のピストン18dに組み付けている。また、液室c1を補助液圧源7と大気圧リザーバ6のどちらかに、液室c3を大気圧リザーバ6に、液室c2をブースト室3bとマスタシリンダの圧力室2bのどちらかにそれぞれつなぐようにしており、この点が
図12の態様と異なる。
【0079】
図11〜
図13の筐体19は、既述の液圧ブースタのハウジング3aと一体のもの、別体のものを問わない。
【0080】
図14の態様は、ブーストピストン3cの内部にスプール弁8aを挿入するガイドスリーブ17を設け、そのガイドスリーブの内部にブースト室3bを大気圧リザーバ6につなぐ液圧経路12の一部と逆止弁13を設け、その逆止弁のスプリング13bの一端をスプール弁8aに対してブレーキ操作力を伝達する入力ピストン20に固定し、さらに、そのスプリング13bの他端に弁体13aを固定している。
【0081】
この態様は、運転者によるブレーキ操作が解除されて入力ピストン20が初期位置に復帰すると弁体13aが弁座13cから離反して逆止弁13が開弁する。また、運転者がブレーキ操作を行なうと入力ピストン20が前進して弁体13aが弁座13cに当接して逆止弁13が閉弁する。
【0082】
図15は、第3実施形態の液圧ブレーキ装置である(マスタシリンダ2の下流側の要素は図示省略)。この第3実施形態は、液圧ブースタ3に、逆止弁13の組み込まれた液圧経路12を並列配置にして複数設けて冗長化を図っている。この形態は、複数ある逆止弁のどれかが固着しても他のどれかが正常な状態を維持して初期の機能を発揮するので、ブースト圧やマスタシリンダ圧の異常昇圧の回避がより確実になり、フェールセーフに関する信頼性がより高まる。
【0083】
図16、17は、第4実施形態の液圧ブレーキ装置である。この第4実施形態は、逆止弁13の固着対策として、ポンプバックによるマスタシリンダ圧やブースト圧の異常上昇の前兆を検知して還流式調圧ユニットのポンプによるブレーキ液の汲み上げを停止させる機能を付与したものである。
【0084】
図16の液圧ブレーキ装置は、前述の第1実施形態の液圧ブレーキ装置(逆止弁の固着防止機構は図示省略)に、マスタシリンダ圧を検出する圧力センサ21とコントローラ22を設け、マスタシリンダ圧が予め設定した閾値を超えたときにコントローラ22からの指令で還流式調圧ユニット30のポンプ34によるブレーキ液の汲み上げを停止させるようにしている。適用対象は、第2実施形態や第3実施形態の液圧ブレーキ装置であってもよい。
【0085】
この場合の前記閾値は、マスタシリンダ圧が逆止弁13が正常に開弁するときの圧力を超えたときに汲み上げ停止の指令が発せられるように設定される。
【0086】
マスタシリンダ圧の代わりにブースト圧を、圧力センサを用いて監視し、そのブースト圧が予め設定した閾値を超えたときにコントローラ22からの指令でポンプ34によるブレーキ液の汲み上げを停止させてもよい。
【0087】
また、還流式調圧ユニットを備える液圧ブレーキ装置においては、増圧用電磁弁32と減圧用電磁弁31とが備えられている。この場合、例えば、特開2003−19952号公報や特開2007−91051号公報などに詳細が記載されているように、車体速度と車輪速度とに基づいて、電磁弁に供給される駆動用の電流を、電磁弁を境にした上流と下流の差圧に応じたものとすることができる。このように、電磁弁に供給される電流は電磁弁の負荷(すなわち上流と下流の差圧)と密接に関係しており、従って、モニタした電流からマスタシリンダ圧を推定することができる。
【0088】
そこで、
図17(これも逆止弁の固着防止機構は図示省略)のように、コントローラ22で電磁弁31,32に供給される電流や電圧、或いは、車体速度及び車輪速度を監視して前述のようにその監視データからコントローラ22でマスタシリンダ圧をリアルタイムで推定し、その推定した圧力が予め設定した閾値を超えたときに、コントローラ22からの指令でポンプ34によるブレーキ液の汲み上げを停止させてもよい。
【0089】
還流式調圧ユニット30のポンプ駆動用のモータ35は、駆動用の電流や電圧が負荷(すなわち吐出圧)に応じて変動する特性を有しているので、そのモータ35の駆動電流や駆動電圧からもマスタシリンダ圧を推定することができる。その推定したマスタシリンダ圧が閾値を超えたときにポンプ34によるブレーキ液の汲み上げを停止させてもよい(この装置の構成と制御フローは
図17と同一になる)。
【0090】
ポンプによるブレーキ液の汲み上げを停止した後にセンサで検出したマスタシリンダ圧や推定したマスタシリンダ圧が閾値以下に低下し、そのときに、電子制御装置5がホイールシリンダの調圧の必要性を判断している場合には、コントローラ22からの汲み上げ停止指令を止め、あらためて汲み上げ指令を出してポンプ34を作動させればよい。
【0091】
なお、コントローラ22からの指令でポンプ34によるブレーキ液の汲み上げを停止させるものは、ポンプによる汲み上げの停止によってポンプバックそのものが停止するので、上述した液圧経路12と逆止弁13が無くても液封シール部の耐久性の低下やマスタシリンダ、液圧ブースタの破損を回避することがきる。ESCの実行機能を有する液圧ブレーキ装置は、概ねマスタシリンダ圧を検出する圧力センサを備えているので、逆止弁13を設けたもの、設けていないもののどちらも、ポンプバック対策を、装置の体格増やコスト増を招く大掛かりな構造変更を伴わずに実現することが可能である。