特許第5831269号(P5831269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831269
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/00 20060101AFI20151119BHJP
【FI】
   B60R21/00 628D
   B60R21/00 621B
   B60R21/00 626C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-25012(P2012-25012)
(22)【出願日】2012年2月8日
(65)【公開番号】特開2013-159295(P2013-159295A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2014年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】宇恵 崇
(72)【発明者】
【氏名】脇田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】天野 正規
(72)【発明者】
【氏名】本田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 彩香
(72)【発明者】
【氏名】河合 順平
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−149249(JP,A)
【文献】 特開2000−177513(JP,A)
【文献】 米国特許第06356828(US,B1)
【文献】 特開平10−114273(JP,A)
【文献】 特開2009−040272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/00
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場が有する駐車箇所に前向きで駐車した車両が前記駐車箇所から出庫するときの支援を行う運転支援装置であって、
前記車両の後方から接近する接近車両を検出する接近車両検出手段と、
前記車両と前記車両後方の障害物との間の空きスペースの幅を検出する空きスペース幅検出手段と、
前記接近車両検出手段により検出された接近車両が、前記空きスペース幅検出手段により検出された幅の空きスペースを通過できるか否かを判定する通過可否判定手段と、
前記通過可否判定手段による前記接近車両が前記空きスペースを通過できるか否かの判定結果に応じた警報を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記接近車両検出手段は、前記車両の左後方、右後方へレーダ装置から発射されたレーダ波の反射波をもとに前記車両の左後方、右後方へ接近する接近車両を検出することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記空きスペース幅検出手段は、前記車両後方の障害物へレーダ装置から発射されたレーダ波の反射波をもとに前記車両と前記車両後方の障害物との間の空きスペースの幅を検出することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記通過可否判定手段による判定結果に応じた警報の出力を指示する警報指示手段と、前記警報指示手段の指示に応じて前記警報を音声アナウンスにより出力する音声出力部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場が有する駐車箇所から車両を出庫させるとき他車両との間の安全を確保するための運転支援を行う運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の周囲、特に車両後方の障害物を検知する障害物検出センサを搭載した車両が多く見受けられるようになってきている。このような車両後方の障害物を検知する障害物検出センサとしては、車両後部に撮像カメラあるいはレーダ装置を設置して、撮像カメラの場合には車両後方の障害物を撮影し、またレーダ装置の場合には電波を車両後方へ照射したときの障害物で反射されて戻ってくる反射波を検出する。
このような障害物検出センサにより撮像した車両後方の画像により後退走行時の運転支援を行う運転支援装置がある。この運転支援装置では、車両が前進した後に駐車し、駐車した状態から後退する動作が行われたとき、カメラにより撮像される車両後方の水平画角の広い広角画像をディスプレイに表示し、また前記動作が行われないときには車両後方の水平画角の狭い狭角画像を前記ディスプレイに表示することで、後退走行時の運転支援を行う(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−112267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような運転支援装置では車両後方の画像をドライバーに提供するだけで後退走行している車両の停止あるいは後退走行続行の判断は、ドライバーが視認した車両後方の画像からドライバー自身が障害物を判断して行うことになり、各ドライバーの個人差により運転支援効果が変動するなど、後退走行時の運転支援が不確実であるという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、駐車場所から後退走行で出庫するときの後退走行時の安全性を高められる運転支援を実現する運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、駐車場が有する駐車箇所に前向きで駐車した車両が前記駐車箇所から出庫するときの支援を行う運転支援装置であって、前記車両の後方から接近する接近車両を検出する接近車両検出手段と、前記車両と前記車両後方の障害物との間の空きスペースの幅を検出する空きスペース幅検出手段と、前記接近車両検出手段により検出された接近車両が、前記空きスペース幅検出手段により検出された幅の空きスペースを通過できるか否かを判定する通過可否判定手段と、前記通過可否判定手段による前記接近車両が前記空きスペースを通過できるか否かの判定結果に応じた警報を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、駐車場が有する駐車箇所に前向きで駐車した車両が前記駐車箇所から出庫するときの支援を行う運転支援装置であって、前記車両の後方から接近する接近車両を接近車両検出手段により検出し、前記車両と前記車両後方の障害物との間の空きスペースの幅を空きスペース幅検出手段により検出し、前記接近車両検出手段により検出された接近車両が、前記空きスペース幅検出手段により検出された幅の空きスペースを通過できるか否かを通過可否判定手段により判定し、前記通過可否判定手段による前記接近車両が前記空きスペースを通過できるか否かの判定結果に応じた警報を報知手段により報知するように構成したので、駐車場所から後退走行で出庫するときの後退走行時の安全性を高められる運転支援を実現する運転支援装置を提供できる効果がある。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、車両の左後方、右後方へレーダ装置から発射されたレーダ波の反射波をもとに前記車両の左後方、右後方へ接近する接近車両を検出する接近車両検出手段を備えるように構成したので、前記車両の左後方、右後方へ接近する接近車両に対し駐車場所から後退走行で出庫するときの後退走行時の安全性を高められる運転支援を実現する運転支援装置を提供できる効果がある。
【0009】
請求項3記載の発明によれば、車両後方の障害物へレーダ装置から発射されたレーダ波の反射波をもとに前記車両と前記車両後方の障害物との間の空きスペースの幅を検出する空きスペース幅検出手段を備えるように構成したので、接近車両が前記空きスペースを通過できるか否かの警報により駐車場所から後退走行で出庫するときの後退走行時の安全性を高められる運転支援を実現する運転支援装置を提供できる効果がある。
【0010】
請求項4記載の発明によれば、通過可否判定手段による判定結果に応じた警報の出力を警報指示手段により指示し、前記警報指示手段の指示に応じて音声出力部から前記警報を音声アナウンスにより出力するように構成したので、音声アナウンスにより出力される前記警報により駐車場所から後退走行で出庫するときの後退走行時の安全性を高められる運転支援を実現する運転支援装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態の運転支援装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態の運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施の形態の運転支援装置における車両後方の障害物を検知する障害物検出センサとその障害物検出エリアを示す説明図である。
図4】本発明の実施の形態の運転支援装置における駐車場所から後退走行で出庫するときの運転支援の状況を示す説明図である。
図5】本発明の実施の形態の運転支援装置における駐車場所から後退走行で出庫するときの運転支援の状況を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態の運転支援装置の構成を示すブロック図である。
この運転支援装置は、車両に搭載されており、車両の左後方の障害物を探査する機能を備えた左後方探査レーダ装置1、車両の右後方の障害物を探査する機能を備えた右後方探査レーダ装置2を利用し、前記車両が駐車場が有する駐車箇所から後退走行で出庫するとき前記車両に接近する他車両があると、前記車両のドライバーに対し接近する他車両との間の安全を確保するための運転支援を行う。
具体的には、前進して駐車箇所に前向きで駐車した状態で、駐車箇所からバックで出庫するときの後退走行が開始されると、自車両後方から自車両に接近する他車両を左後方探査レーダ装置1あるいは右後方探査レーダ装置2により探知し、さらに自車両後端から自車両後方の障害物までの空きスペース幅を検出する。
そして、自車両に接近する他車両が前記空きスペースを通過可能であるか否かを判定し、自車両後方から他車両が接近していることと、自車両後方の障害物までの空きスペースを自車両に接近している前記他車両が通過可能であるか否かの判定結果を自車両のドライバに報知する。
これにより、駐車箇所から後退走行で出庫するときの接近する他車両との間の安全性を高める確実な運転支援を実現する。
【0013】
この運転支援装置は、左後方探査レーダ装置1、右後方探査レーダ装置2、メータECU3、スピーカ4、液晶ディスプレイ5、ナビゲーションECU6、ナビゲーション装置用液晶ディスプレイ7およびコントローラ8を構成要素としている。
左後方探査レーダ装置1および右後方探査レーダ装置2は、自車両の後方から自車両に接近する他車両を検知して、例えば自車両が進路変更を行うときの自車両後方を走行する他車両の存在をドライバーに報知するなどの運転支援のためのレーダ装置を利用することが出来る。
左後方探査レーダ装置1は、自車両左後方へ例えばミリ波を照射したときの方向と反射波から自車両左後方へ接近する他車両の有無、自車両左後方へ接近する他車両の速度、速度変化を検出することが可能である。また、自車両左後端部から自車両後方の障害物までの距離Lを計測可能である。
右後方探査レーダ装置2は、自車両右後方へ例えばミリ波を照射したときの方向と反射波から自車両右後方へ接近する他車両の有無、自車両右後方へ接近する他車両の速度、速度変化を検出することが可能である。また、自車両右後端部から自車両後方の障害物までの距離Lを計測可能である。
【0014】
図3は、自車両101の後部バンパー内に取り付けられた左後方探査レーダ装置1と右後方探査レーダ装置2、および左後方探査レーダ装置1による左後方探査エリア201と右後方探査レーダ装置2による右後方探査エリア202を示す説明図である。
【0015】
メータECU3は、運転席に設置されている各種計器類とその表示を制御するものであり、外気温センサを含む各種センサによる検出結果、前記各種計器類による表示結果をスピーカ4により音声出力したり、あるいは液晶ディスプレイ5へ画像として出力するマイクロコンピュータにより構成されている。
スピーカ4は、前記各種センサによる検出結果、各種計器類による表示結果を聴覚的に音声あるいは特定の音色で表示出力する。
液晶ディスプレイ5は、前記各種計器類による表示結果を液晶ディスプレイ上へ画像として出力する。
【0016】
ナビゲーションECU6は、ナビゲーション装置を制御し、ナビゲーション装置における自車両の現在位置、地図情報、自車両の姿勢情報、走行情報などを含む車両情報の検出結果をナビゲーション装置用液晶ディスプレイ7へ出力するマイクロコンピュータであり、ナビゲーション装置により検出した自車両の現在位置情報、姿勢情報、走行情報などの車両情報を他のECUとの間で送受信する機能を備えている。
ナビゲーション装置用液晶ディスプレイ7は、ナビゲーション装置により検出した自車両の現在位置情報、姿勢情報、走行情報などの車両情報を液晶ディスプレイ画面上に表示する。
【0017】
コントローラ8は、この運転支援装置の各部を制御するマイクロコンピュータにより構成され、車両検出部11、スペース計算部12、通過可否判定部13および警報指示部14を備えている。
車両検出部11は、左後方探査レーダ装置1から自車両左後方へ電波を照射したときの反射波を検出し、あるいは右後方探査レーダ装置2から自車両右後方へ電波を照射したときの反射波を検出し、自車両後部へ接近する他車両を検出する。
スペース計算部12は、自車両後端から自車両後方の障害物までの距離Lを計算する。
通過可否判定部13は、スペース計算部12で計算した距離Lの幅の自車両後端から自車両後方の障害物までの自車両後方スペースを、車両検出部11で検出した自車両後部へ接近する他車両が通過可能であるか否かを判定する。この場合の自車両後部へ接近する他車両については、一般的な車両幅として例えば1.7メートルが基準値として設定されている。
警報指示部14は、通過可否判定部13の判定結果に応じて、通過可否判定部13の判定結果が通過可能である場合には“接近車両が自車両後方スペースを通過しますのでこの位置で停止して下さい”旨の音声アナウンスの指示をメーターECU3へ出力し、あるいは通過可否判定部13の判定結果が通過不可である場合には“接近車両が自車両後方スペースを通過できません”旨の音声アナウンスの指示をメーターECU3へ出力する。
なお、左後方探査レーダ装置1、右後方探査レーダ装置2とコントローラ8は一体的に構成することも可能である。
【0018】
次に動作について説明する。
図2は、この実施の形態の運転支援装置の動作を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して運転支援装置の動作を説明する。
図2のフローチャートに示される運転支援装置の動作を示す運転支援プログラムは、コントローラ8を構成するマイクロコンピュータのメモリに格納されており、アクセサリ電源が投入されて車両が走行可能な状態で繰り返し実行される。この運転支援プログラムでは、先ず自車両が後退走行を開始したか否かを判定する(ステップS1)。
この後退走行を開始したか否かの判定は、シフトレバー(セレクターレバー)の位置から判定する。すなわちシフトレバーの位置がリバースの位置にあることを検出することで行う。あるいはシフトレバーの位置と、ブレーキペダルが非操作状態、アクセルペダルが操作状態であることを判定条件に後退走行の開始を判定する。
この結果、後退走行が開始されていないと判定した場合にはこの運転支援プログラムをぬける。
一方、後退走行が開始されたと判定した場合には、続いて左後方探査レーダ装置1により自車両左後方へ接近する他車両を検出し、また右後方探査レーダ装置2により自車両右後方へ接近する他車両を検出し、これら左後方探査レーダ装置1と右後方探査レーダ装置2による検出結果から自車両の左後方、右後方から自車両へ接近する他車両の有無について判定する(ステップS2)。
【0019】
図4は、駐車箇所から後退走行で出庫するときの運転支援の状況の一例を示す説明図である。
図4に示す例では、自車両101が前進駐車した駐車箇所から出庫しようとして後退走行を開始するときに、自車両101の左後方から他車両102が接近している状況を示している。
【0020】
図4に示す状況では、自車両101は後退走行しながらドライバーのステアリング操作により自車両後部を左方向あるいは右方向へ振ることになるが、自車両101の左後方探査レーダ装置1により左後方から自車両101に接近する他車両102を検知する。
この結果、自車両の左後方あるいは右後方へ接近する他車両があると判定すると、続いて左後方あるいは右後方から自車両に接近する他車両がある旨を、図4に示す例では“左後方から自車両に接近する他車両があります”という音声アナウンスの出力指示をコントローラ8の警報指示部14がメータECU3へ送信し、スピーカ4から出力させ、自車両のドライバーに報知する(ステップS3)。
【0021】
そして、左後方探査レーダ装置1と右後方探査レーダ装置2により自車両101から自車両101の後方の障害物、図4に示す例では駐車場内走行路を隔てた後方駐車区画に駐車している他車両103までの距離、すなわち自車両101の後方スペース幅Lを検出する(ステップS4)。
この自車両101から自車両101の後方の障害物までの距離、すなわち自車両101の後方スペース幅Lは、左後方探査レーダ装置1から自車両左後方へ電波を照射してから、後方の障害物で反射された反射波を検出するまでに要した時間と、電波の照射する方向、あるいは右後方探査レーダ装置2から自車両右後方へ電波を照射してから、後方の障害物で反射された反射波を検出するまでに要した時間と、電波の照射する方向から算出する。
【0022】
そして、ステップS4で算出した自車両101から自車両101の後方の障害物までの距離、自車両101の後方スペース幅Lに対し、ステップS2で自車両101に接近する車両として判定した他車両102が通過可能であるか否かを判定する(ステップS5)。
この自車両101から自車両101の後方の障害物までの距離、自車両101の後方スペース幅Lを他車両102が通過可能であるか否かを判定は以下のように行うことができる。
すなわち、ステップS2で自車両101に接近する車両として判定した他車両の車両幅として設定されている基準値“1.7メートル”に対し、自車両101から自車両101の後方の障害物までの距離、自車両101の後方スペース幅Lが余裕距離αを有した幅であるか、つまり自車両101の後方スペース幅Lが1.7+αメートルを超えているか否かを判定する。
自車両101の後方スペース幅Lが1.7+αメートルを超えていれば他車両102は通過可能であるということになる。
【0023】
この結果、自車両101から自車両101の後方の障害物までの距離、自車両101の後方スペース幅を他車両102が通過可能と判定すると、ステップS2で検出した他車両が自車両に接近する方向、すなわち自車両の左後方あるいは右後方に応じて、例えば“自車両左後方から接近する他車両は自車両後方スペースを通過できます”あるいは“自車両右後方から接近する他車両は自車両後方スペースを通過できます”という音声アナウンスの出力指示をコントローラ8の警報指示部14がメータECU3へ送信し、スピーカ4から出力させ、自車両のドライバーに報知する(ステップS6)。
【0024】
一方、自車両101から自車両101の後方の障害物までの距離、自車両101の後方スペース幅を他車両102が通過不可能と判定すると、ステップS2で検出した他車両が自車両に接近する方向、すなわち自車両の左後方あるいは右後方に応じて、例えば“自車両左後方から接近する他車両は自車両後方スペースを通過できません”あるいは“自車両右後方から接近する他車両は自車両後方スペースを通過できません”という音声アナウンスの出力指示をコントローラ8の警報指示部14がメータECU3へ送信し、スピーカ4から出力させ、自車両のドライバーに報知する(ステップS7)。
ステップS2からステップS6あるいはステップS7までの処理は、自車両101が駐車箇所から出庫のための後退走行中、自車両の後方へ他車両が接近するたびに繰り返されることになる。
【0025】
図5は、駐車箇所から後退走行で出庫するときの運転支援の状況の一例を示す説明図である。
図5に示す例では、駐車箇所から出庫のため後退走行したときに自車両の左後方から他車両が接近した状況を示している。
自車両101が駐車箇所に前進駐車している状態(図5の破線で示す自車両101’)では、自車両101’の後方スペース幅Lは、駐車している自車両101’と、自車両101’の真後ろに位置する駐車区画の他車両103との距離であり、実際の後方スペース幅との誤差は小さい。
しかしながら、自車両101のドライバーがステアリングを操作して自車両101の後部を左方向へ振り、図5の実線で示す位置まで後退走行により出庫した状態になると、自車両101’の後方スペース幅L’は、自車両101と、自車両101の左後方に位置する駐車区画の他車両104との距離であり、実際の後方スペース幅との誤差が大きくなる。
従って、この誤差を抑制し、正確な後方スペース幅を算出するため、前進駐車した状態からのステアリングの操作角度θ、つまり自車両101の後退走行に伴う転回角度と、このとき算出された後方スペース幅L’とからL’・cosθにより誤差が抑制された正確な後方スペース幅を算出できる。
【0026】
ステップS2において自車両の左後方、右後方へ接近する他車両がないと判定すると、報知処理を終了させ、それまで音声アナウンスによる報知が行われていた状態であるときには音声アナウンスによる報知を終了させ(ステップS8)、後退走行している自車両について後退走行を終了したか否かを判定する(ステップS9)。
この後退走行している自車両が後退走行を終了したか否かの判定は、シフトレバーの位置から判定する。すなわちシフトレバーの位置がリバースの位置にないことを検出することで行う。
ステップS9において自車両が後退走行を終了したと判定した場合には、この運転支援プログラムをぬける。
一方、ステップS9において自車両が後退走行を終了していないと判定した場合、つまりシフトレバーの位置がリバースの位置にあり、後退走行が継続しており後退走行が終了していないと判定した場合にはステップS2へ戻る。そして、継続して後退走行中の自車両について左後方探査レーダ装置1により自車両左後方へ接近する他車両を検出し、また右後方探査レーダ装置2により自車両右後方へ接近する他車両を検出し、これら左後方探査レーダ装置1と右後方探査レーダ装置2による検出結果から、後退走行中の自車両の左後方、右後方へ接近する他車両の有無について再度判定し、ステップS3以下の処理あるいはステップS8、ステップS9の処理を繰り返す。
【0027】
以上、説明したように、この実施の形態によれば、自車両101が駐車場の駐車区画へ駐車している状態から後退走行で出庫するとき、シフトレバー(セレクターレバー)の位置がリバースへ操作されて後退走行が開始され、自車両101の右後方あるいは左後方から自車両101へ接近する他車両102が左後方探査レーダ装置1あるいは右後方探査レーダ装置2により検出されると、前記検出された右後方あるいは左後方の方向から自車両101へ接近する他車両102があることを自車両101のドライバーへ音声アナウンスにより報知し、自車両101のドライバーへ注意喚起を行う。
さらに前記接近する他車両102を検出したときの自車両101と自車両後方の障害物との間の後方スペース幅を算出し、接近する他車両102が前記後方スペースを通過可能であるか否かを判定し、通過可能であれば、接近する他車両102が自車両101の後方スペースを通過できる旨を音声アナウンスにより自車両101のドライバーへ報知し、自車両101のドライバーに対し安全確保を促す。
また通過不可能であれば、自車両101の後方スペースを接近する他車両102が通過できない旨を音声アナウンスにより自車両101のドライバーへ報知し、自車両101のドライバーに対し安全確保を促すなどの、駐車している状態から後退走行で出庫するときの接近する他車両との間の安全確保のための運転支援を行う。
従って、駐車箇所から後退走行で出庫するときの接近する他車両との間の安全確保のための確実な運転支援を実現できる。
【符号の説明】
【0028】
1……左後方探査レーダ装置(接近車両検出手段、空きスペース幅検出手段、レーダ装置)、2……右後方探査レーダ装置(接近車両検出手段、空きスペース幅検出手段、レーダ装置)、3……メータECU(報知手段、警報指示手段、音声出力部)、4……スピーカ(報知手段、警報指示手段、音声出力部)、11……車両検出部(接近車両検出手段)12……スペース計算部(空きスペース幅検出手段)、13……通過可否判定部(通過可否判定手段)、14……警報指示部(報知手段、警報指示手段、音声出力部)。
図1
図2
図3
図4
図5