特許第5831364号(P5831364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831364
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】意匠検討装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/00 20060101AFI20151119BHJP
   B60R 99/00 20090101ALI20151119BHJP
   A47C 31/12 20060101ALI20151119BHJP
【FI】
   B60N2/00
   B60R99/00
   A47C31/12
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-131564(P2012-131564)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-256144(P2013-256144A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2014年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】西村 真司
(72)【発明者】
【氏名】石丸 重利
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】中野 俊二
(72)【発明者】
【氏名】上田 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 論
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−052873(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0052890(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00
A47C 31/12
B62D 65/00
B60R 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡像を利用して車両に搭載される車両用搭載物の意匠を検討するための意匠検討装置であって、
縁部が前記車両用搭載物の一部の表面に沿って切欠かれた反射鏡と、
その反射鏡を保持するための保持フレームと、
その保持フレームを上下方向に移動可能に支持する支持機構と、
その支持機構が配設されるベースと、
そのベースの下部に付設された複数の車輪と
を備えることを特徴とする意匠検討装置。
【請求項2】
前記保持フレームが、
前記反射鏡を保持した状態で揺動させる揺動機構を有することを特徴とする請求項1に記載の意匠検討装置。
【請求項3】
前記車両用搭載物が、車両用シートであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の意匠検討装置。
【請求項4】
当該意匠検討装置が、
前記反射鏡と前記保持フレームと前記支持機構と前記ベースと前記複数の車輪との各々を1対備え、
1対の反射鏡の一方が、それの縁部が車両用シートの車両前方側の部分の表面に沿って切欠かれた形状とされるとともに、
1対の反射鏡の他方が、それの縁部が車両用シートの車両後方側の部分の表面に沿って切欠かれた形状とされることを特徴とする請求項3に記載の意匠検討装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠検討装置、詳しくは、鏡像を利用して車両に搭載される車両用搭載物の意匠を検討するための意匠検討装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には多くの物が搭載されており、その搭載物には、対称的な形状を含んでいるものがある。そのような対称的な形状を含んでいる車両用搭載物のデザインを検討する際には、搭載物全体を造形せずに、対称軸を含む半身の部分を造形し、その半身の部分を反射鏡等に映すことで、鏡像を利用して搭載物の全体意匠を検討する場合がある。下記特許文献には、鏡像を利用して、足のサイズを測定するための技術が記載されており、鏡像を利用した技術は種々の分野において活用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−296011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鏡像を利用して意匠が検討される車両用搭載物としては、例えば、車両用シートが良く知られている。車両用シートは、車両に搭載されるものとしては、比較的大きく、左右対称的な形状とされている。このため、造形作業の簡便化を図るべく、シートの半身のみを造形し、その半身のシートを反射鏡に映すことで、シートの全体の意匠を検討する手法が、従来より採用されている。
【0005】
しかしながら、車両用シートは、搭載される車種毎に、ヒップポイント,トルソー角(水平面に対するシートバックの角度)等が異なっているため、検討対象のシート毎に、反射鏡を作製し、その反射鏡をシートに沿って配置させるためのフレーム等も作製する必要があり、非常に無駄が多かった。また、対象となるシート毎に、反射鏡,反射鏡をシートに沿って配置させるためのフレーム等の作製者が異なる場合があり、反射鏡のシートへの取付方法が標準化されず、反射鏡をシートに適切に取り付けることができない虞があった。さらに言えば、反射鏡と造形したシートモデルとが接触しないように、反射鏡をシートに取り付けるべく、複数の人によって取り付け作業が行われており、人手のかかる作業であった。このように、鏡像を利用して意匠を検討するための意匠検討装置は、改良の余地を多分に残すものとなっており、種々の改良を施すことによって、意匠検討装置の実用性を高くすることが可能である。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い意匠検討装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の意匠検討装置は、鏡像を利用して車両に搭載される車両用搭載物の意匠を検討するための意匠検討装置であって、縁部が前記車両用搭載物の一部の表面に沿って切欠かれた反射鏡と、その反射鏡を保持するための保持フレームと、その保持フレームを上下方向に移動可能に支持する支持機構と、その支持機構が配設されるベースと、そのベースの下部に付設された複数の車輪とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の意匠検討装置は、請求項1に記載の意匠検討装置において、前記保持フレームが、前記反射鏡を保持した状態で揺動させる揺動機構を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の意匠検討装置は、請求項1または請求項2に記載の意匠検討装置において、前記車両用搭載物が、車両用シートであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の意匠検討装置は、請求項3に記載の意匠検討装置において、当該意匠検討装置が、前記反射鏡と前記保持フレームと前記支持機構と前記ベースと前記複数の車輪との各々を1対備え、1対の反射鏡の一方が、それの縁部が車両用シートの車両前方側の部分の表面に沿って切欠かれた形状とされるとともに、1対の反射鏡の他方が、それの縁部が車両用シートの車両後方側の部分の表面に沿って切欠かれた形状とされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の意匠検討装置では、反射鏡を保持する保持フレームが、支持機構によって、上下方向に移動可能に支持されており、その支持機構は、複数の車輪を有するベース上に配設されている。これにより、意匠検討装置を容易に移動させるとともに、反射鏡の上下方向の位置を容易に調整することが可能となっている。このため、例えば、意匠の検討対象が車両用シートである場合には、車両用シートのヒップポイント,トルソー角等に合わせて、反射鏡の位置を調整することが可能となり、請求項1に記載の意匠検討装置によって、あらゆる種類の車両用シートの検討を行うことが可能となる。また、支持機構による反射鏡の上下方向の位置調整および、車輪の転動による意匠検討装置の位置調整によって、反射鏡の車両用搭載物への取り付けを標準化することが可能となり、誰でも反射鏡を車両用搭載物に適切に取り付けることが可能となる。さらに言えば、支持機構による反射鏡の上下方向の位置調整および、車輪の転動による意匠検討装置の位置調整は、一人でも行うことが可能であり、人手をかけずに、意匠の検討作業を行うことが可能となる。
【0011】
また、請求項2に記載の意匠検討装置では、反射鏡を揺動させることが可能となっている。このため、意匠検討装置による車両用搭載物の意匠検討中に、反射鏡を揺動させて、車両用搭載物から一時的にずらすことで、車両用搭載物に対して造形作業等を行うことが可能となり、非常に便利である。
【0012】
また、請求項3に記載の意匠検討装置では、車両用搭載物が車両用シートに限定されている。これにより、車両用シートの意匠の検討作業を効率的に行うことが可能となる。
【0013】
また、請求項4に記載の意匠検討装置は、車両用シートの前方側に対応するフロント用の意匠検討装置と、車両用シートの後方側に対応するリア用の意匠検討装置とによって構成されている。これにより、車両用シートの前方及び後方の意匠全体を検討することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例の意匠検討装置および、意匠検討装置が取り付けられた車両用シートのクレーモデルを示す側面図である。
図2図1に示す意匠検討装置を構成するフロント用検討装置を側方からの視点において示す側面図である。
図3図1に示す意匠検討装置を構成するフロント用検討装置を前方からの視点において示す斜視図である。
図4図1に示す意匠検討装置を構成するフロント用検討装置を後方からの視点において示す斜視図である。
図5図1に示す意匠検討装置を構成するリア用検討装置を側方からの視点において示す側面図である。
図6図1に示す意匠検討装置を構成するリア用検討装置を前方からの視点において示す斜視図である。
図7図1に示す意匠検討装置を構成するリア用検討装置を後方からの視点において示す斜視図である。
図8】車両用シートへのフロント用検討装置およびリア用検討装置の取り付け手順を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0016】
<意匠検討装置の構成>
図1に、本発明の実施例の意匠検討装置10を示す。意匠検討装置10は、開発段階の車両用シート12の意匠、つまり、形状、模様、色彩等の形態を検討するためのものである。このため、意匠検討装置10によって検討される車両用シート12は、クレー、発泡スチロール等により造形されることが多く、クレー、発泡スチロール等により造形されるクレーモデル等は、数多くのデザインを検討するべく、シートセンターを中心に左右で異なる意匠で造形される場合がある。このような場合に、意匠検討装置10を車両用シート12のシートセンターに沿って配置させ、意匠検討装置10に映る鏡像を利用することで、車両用シート12の意匠全体を検討することが可能となっている。ちなみに、車両用シート12のシートセンターとは、車両用シート12の幅方向での中央であり、車両用シート12の幅方向での中央を含む車両用シート12の表面に沿った仮想のセンターラインである。
【0017】
意匠検討装置10は、車両用シート12の前方側の部分のシートセンターに沿って配置させられるフロント用検討装置20と、車両用シート12の後方側の部分のシートセンターに沿って配置させられるリア用検討装置22とによって構成されており、それら2台の検討装置20,22を、車両用シート12を前後方向から挟み込むように配置させることで、車両用シート12の前方及び後方の意匠全体を検討することが可能となっている。
【0018】
フロント用検討装置20は、図2ないし図4に示すように、概して矩形のベースフレーム30と、そのベースフレーム30の長手方向での端部に立設された長板形状の支持フレーム32と、その支持フレーム32に上下方向に移動可能に支持された保持フレーム34と、その保持フレーム34に保持されたフロント用反射鏡36と、ベースフレーム30の下面に付設された複数の車輪38とを備えている。なお、図3および図4に示すフロント用検討装置20では、フロント用反射鏡36が省略されている。
【0019】
フロント用反射鏡36は、両面において鏡面とされており、それの縁部が、車両用シート12の前方側の部分の表面に沿って切欠かれた形状とされている。そのフロント用反射鏡36を保持する保持フレーム34は、概してL字形状のスライドフレーム40と、そのスライドフレーム40の上端部に揺動可能に連結された揺動フレーム42とから構成されており、フロント用反射鏡36は、複数の固定具44によって揺動フレーム42に固定されている。これにより、フロント用反射鏡36をスライドフレーム40に対して揺動させることが可能となっている。なお、揺動フレーム42には、把持部43が取り付けられており、操作者が揺動フレーム42を操作し易くなっている。また、固定具44は、ネジの締結によりフロント用反射鏡36を揺動フレーム42に固定する構造とされており、ネジを外すことにより揺動フレーム42からフロント用反射鏡36を取り外すことが可能となっている。
【0020】
揺動フレーム42に固定されたフロント用反射鏡36の下端部には、磁石46が設けられており、揺動フレーム42が車両用シート12に向かう方向(図1での時計回りの方向)に揺動されることで、その磁石46が、スライドフレーム40に設けられた磁石48に吸着するようになっている。そして、2つの磁石46,48が吸着することで、フロント用反射鏡36は概してL字形状のスライドフレーム40に支持され、車両用シート12に向かう方向への揺動が制限されている。なお、スライドフレーム40と揺動フレーム42との連結部には、ロック機構50が設けられており、揺動フレーム42を任意の角度においてロックすることが可能となっている。
【0021】
また、ベースフレーム30に立設された支持フレーム32には、上下方向に延びるようにT型スロット(図示省略)が形成されており、そのT型スロットに、保持フレーム34のスライドフレーム40に取り付けられた複数のスロットナット(図示省略)が嵌合されている。これにより、スライドフレーム40が上下方向にスライド可能とされており、保持フレーム34に保持されたフロント用反射鏡36を上下方向に移動させることが可能とされている。なお、スライドフレーム40には、ロック機構52が設けられており、スライドフレーム40、つまり、フロント用反射鏡36を上下方向の任意の位置においてロックすることが可能となっている。
【0022】
また、ベースフレーム30には、それの長手方向に延びるように溝60が形成されており、その溝60には、当接板62がスライド可能に嵌合されている。そして、当接板62には、ロック機構(図示省略)が設けられており、当接板62のベースフレーム30の長手方向へのスライドを任意の位置においてロックすることが可能となっている。
【0023】
なお、支持フレーム32の上端部には、フロント用検討装置20の移動時に操作者が把持するためのハンドル66が取り付けられており、支持フレーム32の下端部には、フロント用検討装置20を任意の位置においてロックするためのストッパ機構68が取り付けられている。
【0024】
また、リア用検討装置22は、リア用反射鏡70および、そのリア用反射鏡70を保持する保持フレーム72を除き、フロント用検討装置20と略同じであり、フロント用検討装置20と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明を省略あるいは簡略に行うものとする。
【0025】
リア用検討装置22のリア用反射鏡70は、フロント用反射鏡36と同様に、両面において鏡面とされており、図1に示すように、それの縁部が、車両用シート12の後方側の部分の表面に沿って切欠かれた形状とされている。そのリア用反射鏡70を保持する保持フレーム72は、図5ないし図7に示すように、概してコの字形状とされており、リア用反射鏡70の上縁部を保持するフレーム上部74と、リア用反射鏡70の下縁部を保持するフレーム下部76と、リア用反射鏡70の側縁部を保持するフレーム本体部78とに区分けされる。なお、リア用反射鏡70は、フロント用反射鏡36と同様に、複数の固定具44によって、保持フレーム72に固定されており、ネジの取り外しによりリア用反射鏡70を保持フレーム72から取り外すことが可能となっている。なお、図6および図7に示すリア用検討装置22では、リア用反射鏡70が省略されている。
【0026】
また、フレーム本体部78には、複数のスロットナット(図示省略)が設けられており、支持フレーム32に形成されたT型スロット(図示省略)に嵌合されている。これにより、保持フレーム72が上下方向にスライド可能とされており、保持フレーム72に保持されたリア用反射鏡70を上下方向に移動させることが可能とされている。なお、フレーム本体部78には、ロック機構79が設けられており、フレーム本体部78、つまり、リア用反射鏡70を上下方向の任意の位置においてロックすることが可能となっている。
【0027】
また、リア用検討装置22のベースフレーム30および支持フレーム32には、フロント用検討装置20と同様に、当接板62,ハンドル66,ストッパ機構68が設けられている。
【0028】
なお、意匠検討装置10によって検討される車両用シート12は、図1に示すように、シートクッション80とシートバック82とヘッドレスト84とシールド85とによって構成されており、台座86に取り付けられている。その台座86の下面には、複数の車輪88が付設されており、車両用シート12を容易に移動させることが可能となっている。なお、シートクッション80とシートバック82とヘッドレスト84とは、シートセンターに沿った断面図とされている。
【0029】
<意匠検討装置の車両用シートへの装着>
上述したように構成された意匠検討装置10によって、車両用シート12を検討する際には、フロント用検討装置20とリア用検討装置22とが、図1に示すように、車両用シート12を前後方向から挟み込むように装着される。以下に、各検討装置20,22の車両用シート12への装着手順について、詳しく説明する。
【0030】
各検討装置20,22の車両用シート12への装着は、いずれの検討装置20,22から装着してもよいが、ここでは、フロント用検討装置20の車両用シート12への装着手順から説明する。まず、操作者は、保持フレーム34を上方にスライドさせ、フロント用反射鏡36の切欠かれた箇所を、車両用シート12のシートクッション80より上方に位置させる。詳しくは、フロント用反射鏡36のシートクッション80に対応して切欠かれたクッション切欠部90と、シートバック82に対応して切欠かれたバック切欠部92との連続部が、図8に示すように、シートクッション80の上面より上方に位置するように、保持フレーム34を上方にスライドさせる。
【0031】
次に、保持フレーム34を上方にスライドさせた状態で、フロント用検討装置20を車両用シート12に向かって移動させ、クッション切欠部90の前端とシートクッション80の前端とを、車両用シート12の前後方向において一致させる。そして、その位置において、フロント用検討装置20を、ストッパ機構68によって固定する。さらに、車両用シート12が取り付けられている台座86を固定するべく、当接板62を台座86に向かってスライドさせ、台座86に当接した状態で固定する。
【0032】
続いて、その位置において、保持フレーム34を下方にスライドさせ、フロント用反射鏡36を車両用シート12の前方側の表面に沿うように配置させる。なお、フロント用反射鏡36と車両用シート12とが接触しないように、保持フレーム34をスライドさせる必要があり、フロント用反射鏡36と車両用シート12との間の距離が10〜20mm程度となるように、保持フレーム34をスライドさせることが望ましい。そして、保持フレーム34を、その位置においてロック機構52によってロックすることで、フロント用反射鏡36の上下方向の位置が規定される。これにより、フロント用検討装置20が、車両用シート12に装着される。
【0033】
次に、リア用検討装置22を車両用シート12に装着する際には、操作者は、リア用反射鏡70の切欠かれた箇所と、車両用シート12の後方側の表面の形状とが一致するように、保持フレーム72を上下方向にスライドさせて調整する。そして、その位置において、保持フレーム72をロック機構79によってロックすることで、リア用反射鏡70の上下方向の位置が規定される。
【0034】
続いて、リア用検討装置22を車両用シート12の後方側に向かって移動させる。この際、リア用反射鏡70と車両用シート12とが接触しないように、リア用検討装置22を移動させる必要があり、リア用反射鏡70と車両用シート12との間の距離が10〜20mm程度となるように、リア用検討装置22を移動させることが望ましい。そして、リア用反射鏡70が車両用シート12の後方側の表面に沿った状態で、リア用検討装置22を、ストッパ機構68によって固定する。さらに、車両用シート12が取り付けられている台座86を固定するべく、当接板62を台座86に向かってスライドさせ、台座86に当接した状態で固定する。これにより、リア用検討装置22が、車両用シート12に装着される。なお、各検討装置20,22において、ロック機構52,79,ストッパ機構68等によるフレーム等の固定は、上述したタイミングと異なるタイミングで行うことが可能である。
【0035】
そして、車両用シート12に装着されたフロント用検討装置20とリア用検討装置22とを、図1に示すように、各保持フレーム34,72の上端部において、連結機構96によって連結することで、意匠検討装置10が車両用シート12に装着される。
【0036】
このように、意匠検討装置10では、フロント用検討装置20およびリア用検討装置22を容易に移動させるとともに、車両用シートを映すフロント用反射鏡36およびリア用反射鏡70の上下方向の位置を容易に調整することが可能となっている。このため、意匠の検討対象となる車両用シートのヒップポイント,トルソー角(水平面に対するシートバックの角度)等に合わせて、フロント用反射鏡36およびリア用反射鏡70の位置を調整することが可能となり、意匠検討装置10によって、あらゆる種類の車両用シートの検討を行うことが可能となる。
【0037】
また、意匠検討装置10のフロント用検討装置20では、フロント用反射鏡36を揺動させることが可能となっている。このため、意匠検討装置10による車両用シート12の意匠検討中に、フロント用反射鏡36を車両用シート12から一時的にずらし、車両用シートの造形作業等を行うことが可能となっている。具体的には、まず、連結機構96を取り外し、ロック機構50を解除する。これにより、揺動フレーム42を揺動させることが可能となる。そして、揺動フレーム42を車両用シート12から離れる方向に揺動させることで、フロント用反射鏡36を車両用シート12からずらすことが可能となり、車両用シート12に対する造形作業等を行うことが可能となる。
【0038】
また、揺動フレーム42を上方に揺動させた状態で、フロント用検討装置20を車両用シート12から離間させることで、車両用シート12に対する造形作業等が行い易くなる。なお、作業後に、再度、意匠検討を行う場合には、フロント用反射鏡36の上下方向の位置の調整を行うことなく、揺動フレーム42を車両用シート12に向かって揺動させることで、フロント用検討装置20を車両用シート12に再装着することが可能であり、便利である。
【0039】
ちなみに、上記実施例において、意匠検討装置10は、意匠検討装置の一例であり、その意匠検討装置10を構成するベースフレーム30,支持フレーム32,保持フレーム34および保持フレーム72,フロント用反射鏡36およびリア用反射鏡70,車輪38,揺動フレーム42は、ベース,支持機構,保持フレーム,反射鏡,車輪,揺動機構の一例である。また、車両用シート12は、車両用搭載物の一例である。
【0040】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。具体的には、例えば、上記実施例において、意匠検討装置10は、フロント用検討装置20とリア用検討装置22とによって構成されているが、フロント用検討装置20とリア用検討装置22とのいずれか一方のみによって構成されてもよい。
【0041】
また、上記実施例では、本発明の意匠検討装置によって検討される車両用搭載物として、車両用シートが採用されているが、対称的な形状を有するものであれば、種々のものを採用することが可能である。具体的には、例えば、バンパー,インストルメンタルパネル,ステアリングホイール等、種々のものを採用することが可能である。
【0042】
また、上記実施例では、反射鏡を保持する保持フレームを上下方向に移動させるための機構として、スライド機構が採用されているが、種々の構造の機構を採用することが可能である。また、各機構は手動で作動するように構成されているが、電磁モータ等を採用し、電動で作動するように構成されてもよい。
【0043】
また、上記実施例では、意匠検討装置は複数の車輪により移動可能とされているが、コロ、滑走部材等を採用し、移動させてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10:意匠検討装置
12:車両用シート(車両用搭載物)
30:ベースフレーム(ベース)
32:支持フレーム(支持機構)
34:保持フレーム
36:フロント用反射鏡(反射鏡)
38:車輪
42:揺動フレーム(揺動機構)
70:リア用反射鏡(反射鏡)
72:保持フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8