特許第5831401号(P5831401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831401
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20151119BHJP
   H01L 25/10 20060101ALI20151119BHJP
   H01L 25/11 20060101ALI20151119BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20151119BHJP
【FI】
   H01L23/12 K
   H01L25/14 Z
   H01L25/10 Z
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-185354(P2012-185354)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2014-45010(P2014-45010A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2014年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 武敏
【審査官】 ▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−088150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 25/10
H01L 25/11
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面から下面に向かって貫通穴が設けられた半導体パッケージと、
前記半導体パッケージの前記貫通穴に挿入された電極棒と
前記半導体パッケージの下面に配置されたヒートスプレッダーと、
前記貫通穴の下方に配置され、前記電極棒と前記ヒートスプレッダーを絶縁する絶縁材料とを備え、
前記半導体パッケージは、
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に配置された半導体チップと、
前記絶縁基板上に配置され、前記半導体チップに接続された電極パターンと、
前記絶縁基板、前記半導体チップ、及び前記電極パターンを封止する樹脂と、
前記絶縁基板及び前記樹脂を貫通する前記貫通穴の内壁に配置され、前記電極パターンに接続された電極部とを有し、
前記貫通穴に挿入された前記電極棒は前記電極部に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
上面から下面に向かって貫通穴が設けられた半導体パッケージと、
前記半導体パッケージの前記貫通穴に挿入された電極棒とを備え、
前記半導体パッケージは、
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に配置された半導体チップと、
前記絶縁基板上に配置され、前記半導体チップに接続された電極パターンと、
前記絶縁基板、前記半導体チップ、及び前記電極パターンを封止する樹脂と、
前記絶縁基板及び前記樹脂を貫通する前記貫通穴の内壁に配置され、前記電極パターンに接続された電極部とを有し、
前記貫通穴に挿入された前記電極棒は前記電極部に接続され、
前記半導体パッケージは、同一平面に並べられた第1及び第2の半導体パッケージを有し、
前記第1及び第2の半導体パッケージの前記貫通穴にU字型の前記電極棒が挿入されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
上面から下面に向かって貫通穴が設けられた半導体パッケージと、
前記半導体パッケージの前記貫通穴に挿入された電極棒とを備え、
前記半導体パッケージは、
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に配置された半導体チップと、
前記絶縁基板上に配置され、前記半導体チップに接続された電極パターンと、
前記絶縁基板、前記半導体チップ、及び前記電極パターンを封止する樹脂と、
前記絶縁基板及び前記樹脂を貫通する前記貫通穴の内壁に配置され、前記電極パターンに接続された電極部とを有し、
前記貫通穴に挿入された前記電極棒は前記電極部に接続され、
前記半導体パッケージは、上面同士が向かい合わせになった第1及び第2の半導体パッケージを有し、
前記第1及び第2の半導体パッケージの下面にそれぞれヒートスプレッダーが配置され、
前記第1及び第2の半導体パッケージの前記貫通穴に前記電極棒が挿入されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
前記電極棒に接続され、前記第1及び第2の半導体パッケージの上面同士の間から引き出された端子を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の半導体パッケージを含むユニットが2つ並んだ状態で、両ユニットが前記端子により接続されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
上面から下面に向かって貫通穴が設けられた半導体パッケージと、
前記半導体パッケージの前記貫通穴に挿入された電極棒とを備え、
前記半導体パッケージは、
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に配置された半導体チップと、
前記絶縁基板上に配置され、前記半導体チップに接続された電極パターンと、
前記絶縁基板、前記半導体チップ、及び前記電極パターンを封止する樹脂と、
前記絶縁基板及び前記樹脂を貫通する前記貫通穴の内壁に配置され、前記電極パターンに接続された電極部とを有し、
前記貫通穴に挿入された前記電極棒は前記電極部に接続され、
前記半導体パッケージは、下面同士が向かい合わせになった第1及び第2の半導体パッケージを有し、
前記第1及び第2の半導体パッケージの前記下面同士の間に放熱フィンが配置された状態で、前記第1及び第2の半導体パッケージの前記貫通穴に前記電極棒が挿入されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の半導体パッケージと前記放熱フィンを含むユニットが複数個重ねられた状態で、それぞれのユニットの前記第1及び第2の半導体パッケージの前記貫通穴に前記電極棒が挿入されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の半導体パッケージを含むユニットが2つ並んだ状態で、両ユニットが前記放熱フィンにより接続されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体パッケージを接続する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同じ構造の複数の半導体パッケージを並列に接続することにより、製品に応じて電気的な容量を変更することができる。従来の半導体装置では、複数の半導体パッケージを平面的に並べていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−280667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の半導体パッケージを平面的に並べると、半導体パッケージの固定も兼ねる放熱フィンが大きくなってしまう。また、半導体パッケージの側面にリードが配置されるため、リード位置を考慮したレイアウトにしなければならない。また、半導体パッケージの端子を固定する台や、その台を固定するためのスペースが必要であるため、装置が大型化する。
【0005】
複数の半導体パッケージを重ねてそれらに設けた貫通穴にリード線を挿入する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、樹脂封止されていない絶縁基板に貫通孔があるため、他の電極との沿面距離が短く耐性が低いという問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的はレイアウトの自由度が高く、耐圧が高く小型化の半導体装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体装置は、上面から下面に向かって貫通穴が設けられた半導体パッケージと、前記半導体パッケージの前記貫通穴に挿入された電極棒と、前記半導体パッケージの下面に配置されたヒートスプレッダーと、前記貫通穴の下方に配置され、前記電極棒と前記ヒートスプレッダーを絶縁する絶縁材料とを備え、前記半導体パッケージは、絶縁基板と、前記絶縁基板上に配置された半導体チップと、前記絶縁基板上に配置され、前記半導体チップに接続された電極パターンと、前記絶縁基板、前記半導体チップ、及び前記電極パターンを封止する樹脂と、前記絶縁基板及び前記樹脂を貫通する前記貫通穴の内壁に配置され、前記電極パターンに接続された電極部とを有し、前記貫通穴に挿入された前記電極棒は前記電極部に接続されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、レイアウトの自由度が高く、耐圧が高く小型化の半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る半導体パッケージを示す断面図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る半導体装置を示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る半導体装置を示す断面図である。
図4】比較例に係る半導体装置を示す斜視図である。
図5】比較例に係る半導体装置を示す断面図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る半導体装置を示す断面図である。
図7】本発明の実施の形態3に係る半導体装置を示す断面図である。
図8】本発明の実施の形態4に係る半導体装置を示す斜視図である。
図9】本発明の実施の形態4に係る半導体装置を示す断面図である。
図10】本発明の実施の形態5に係る半導体装置を示す斜視図である。
図11】本発明の実施の形態5に係る半導体装置を示す断面図である。
図12】本発明の実施の形態6に係る半導体装置を示す斜視図である。
図13】本発明の実施の形態6に係る半導体装置を示す断面図である。
図14】本発明の実施の形態7に係る半導体装置を示す断面図である。
図15】本発明の実施の形態8に係る半導体装置を示す断面図である。
図16】本発明の実施の形態9に係る半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る半導体装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体パッケージを示す断面図である。半導体パッケージ1内において、絶縁基板2上にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やダイオードなどの半導体チップ3が配置されている。電極パターン4が絶縁基板2上に配置され、ワイヤ5により半導体チップ3に接続されている。なお、ワイヤ5の代わりに板状の電極を用いてもよい。絶縁基板2の裏面に放熱絶縁板6が配置されている。樹脂7が絶縁基板2、半導体チップ3、電極パターン4、及びワイヤ5を封止している。
【0012】
半導体パッケージ1の上面から下面に向かって貫通穴8が設けられている。この貫通穴8は絶縁基板2及び樹脂7を貫通する。電極部9が貫通穴8の内壁に配置され、電極パターン4に接続されている。貫通穴8の上端及び下端において貫通穴8の周囲に絶縁材料10が設けられている。
【0013】
図2及び図3は、それぞれ本発明の実施の形態1に係る半導体装置を示す斜視図及び断面図である。電極棒11が半導体パッケージ1の貫通穴8に挿入され、半導体パッケージ1内部において電極部9に接続されている。ヒートスプレッダー12が半導体パッケージ1の下面に配置されている。絶縁材料10が貫通穴8の下方に配置され、電極棒11とヒートスプレッダー12を絶縁する。
【0014】
電極棒11が電極部9と電極パターン4を介して半導体チップ3に接続され、回路を構成している。この電極棒11を介して半導体チップ3に電力を供給することができる。そして、複数の半導体パッケージ1を電極棒11により電気的・機械的に接合することで、製品に応じて電気的な容量を変更することができる。
【0015】
続いて、本実施の形態の効果を比較例と比較して説明する。図4及び図5は、それぞれ比較例に係る半導体装置を示す斜視図及び断面図である。比較例では、複数の半導体パッケージ1を平面的に並べるため、半導体パッケージ1の固定も兼ねる放熱フィン13が大きくなってしまう。また、半導体パッケージ1の側面にリード14が配置されるため、リード位置を考慮したレイアウトにしなければならない。また、半導体パッケージ1の端子15を固定する台16や、その台16を固定するためのスペースが必要であるため、装置が大型化する。
【0016】
これに対して本実施の形態では、複数の半導体パッケージ1を3次元的に組み立て、半導体パッケージ1の貫通穴8に電極棒11を挿入して互いを電気的・機械的に接合する。このため、装置を小型化することができ、レイアウトの自由度が高い。
【0017】
また、本実施の形態では、電極部9が絶縁基板2及び樹脂7を貫通する貫通穴8の内壁に配置されている。従って、電極棒11と接続される電極部9が半導体パッケージ1の樹脂7の内部に配置されているため、他の電極との沿面距離が長く、耐圧が高い。
【0018】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置を示す断面図である。3つの半導体パッケージ1が同じ方向を向いて重ね合わされ、それらの貫通穴8に電極棒11が挿入されている。これにより、容量アップのために3つの半導体パッケージ1が電気的・機械的に接合されたパワーデバイスが構成される。
【0019】
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る半導体装置を示す断面図である。2つの半導体パッケージ1が同一平面に並べられ、両半導体パッケージ1の貫通穴8にU字型の電極棒11が挿入されている。これにより、容量アップのために2つの半導体パッケージ1が電気的・機械的に接合されたパワーデバイスが構成される。
【0020】
実施の形態4.
図8及び図9は、それぞれ本発明の実施の形態4に係る半導体装置を示す斜視図で及び断面図である。2つの半導体パッケージ1の上面同士が向かい合わせになっている。2つの半導体パッケージ1の下面にそれぞれヒートスプレッダー12が配置されている。2つの半導体パッケージ1の貫通穴8に電極棒11が挿入されている。これにより、容量アップのために2つの半導体パッケージ1が電気的・機械的に接合されたパワーデバイスが構成される。
【0021】
実施の形態5.
図10及び図11は、それぞれ本発明の実施の形態5に係る半導体装置を示す斜視図及び断面図である。電極棒11が装置の上下面から出されず、電極棒11に接続された板状の端子15が2つの半導体パッケージ1の上面同士の間から引き出されている。この端子15により他の装置との電気的接続が可能である。また、2つの半導体パッケージ1の上面同士が密着していてパッケージ間の空間が存在しないため、左右の端子15間の電気的な沿面、空間距離を確保することができる。
【0022】
実施の形態6.
図12及び図13は、それぞれ本発明の実施の形態6に係る半導体装置を示す斜視図及び断面図である。2つの半導体パッケージ1を重ねたユニットが2つ並んだ状態で、両ユニットが端子15により接続されている。これらの全体の構成で一つの機能を果たすパワーモジュールとなっている。
【0023】
実施の形態7.
図14は、本発明の実施の形態7に係る半導体装置を示す断面図である。2つの半導体パッケージ1の下面同士が向かい合わせになっている。2つの半導体パッケージ1の下面同士の間に水冷フィンなどの放熱フィン13が配置された状態で、2つの半導体パッケージ1の貫通穴8に電極棒11が挿入されている。これにより、容量アップのために2つの半導体パッケージ1が電気的・機械的に接合されたパワーデバイスが構成される。そして、大容量化によって発生する熱を放熱フィン13により排熱することができる。
【0024】
実施の形態8.
図15は、本発明の実施の形態8に係る半導体装置を示す断面図である。2つの半導体パッケージ1と放熱フィン13を含むユニットが2個重ねられた状態で、それぞれのユニットの半導体パッケージ1の貫通穴8に電極棒11が挿入されている。これらの全体の構成で一つの機能を果たすパワーモジュールとなっている。
【0025】
実施の形態9.
図16は、本発明の実施の形態9に係る半導体装置を示す断面図である。2つの半導体パッケージ1を重ねたユニットが2つ並んだ状態で、両ユニットが1枚の放熱フィン13により接続されている。これらの全体の構成で一つの機能を果たすパワーモジュールとなっている。
【0026】
なお、半導体チップ3は、珪素によって形成されたものに限らず、珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成されたものでもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドである。このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成された半導体チップ3は、耐電圧性や許容電流密度が高いため、小型化できる。この小型化された素子を用いることで、この素子を組み込んだ半導体装置も小型化できる。また、素子の耐熱性が高いため、ヒートスプレッダー12や放熱フィン13を小型化でき、水冷部を空冷化できるので、半導体モジュールを更に小型化できる。また、素子の電力損失が低く高効率であるため、半導体装置を高効率化できる。
【符号の説明】
【0027】
1 半導体パッケージ
2 絶縁基板
3 半導体チップ
4 電極パターン
7 樹脂
8 貫通穴
9 電極部
10 絶縁材料
11 電極棒
12 ヒートスプレッダー
13 放熱フィン
15 端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16