(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記荷重伝達部は、板厚方向をシート幅方向にして配置される第1壁部と、板厚方向をシート前後方向にして配置される第2壁部と、を含んで構成された請求項1に記載の車両用シート。
前記シートバックフレームの外周部は枠フレーム部で構成され、前記第2壁部が前記枠フレーム部からシート幅方向中央側へ突出されている請求項2又は請求項3に記載の車両用シート。
前記シートバックフレームの中央部を構成する背面パネル部の板厚寸法が、前記荷重伝達部の板厚寸法に比して薄く設定された請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の車両用シート。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記車両用シートでは、車両の後面衝突時にヘッドレストからホルダに入力された荷重は、支持杆及びシートバックフレームのサイド部を介してシートバックフレームの連結部に伝達される。このため、車両の後面衝突時に該荷重をシートバックフレームの連結部へ効率よく伝達させる点において改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、板状に形成されたシートバックフレームにおいて車両の後面衝突時にヘッドレストに入力される荷重を連結部へ効率よく伝達できる車両用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用シートは、乗員が着座するシートクッションを構成するシートクッションフレームと、着座乗員の背部を支えるシートバックを構成し、板状に形成されると共に、シート幅方向両側下部において前記シートクッションフレームに連結される連結部を有するシートバックフレームと、前記シートバックフレームの上部に形成され、ヘッドレスト
からシート下方側へ突出されたステーを介して前記ヘッドレストを固定する固定部と、
前記固定部の下端部に結合され、前記固定部と前記連結部とを連結
すると共に、前記シートバックフレームのシート上下方向中間部の位置おける平断面視でシート後方側及びシート幅方向外側へ開放されたL字形状又はシート後方側へ開放されたU字形状に形成された荷重伝達部と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の車両用シートでは、シートバックフレームが板状に形成されている。このシートバックフレームは、シート幅方向両側下部の連結部において、シートクッションフレームと連結されている。また、シートバックフレームの上部には固定部が形成されており、ヘッドレストが固定部に固定されている。
【0008】
ここで、固定部と連結部とが荷重伝達部によって連結されている。このため、車両の後面衝突時にヘッドレストから固定部へ入力される荷重が荷重伝達部によって連結部に伝達される。しかも、荷重伝達部が、シートバックフレームのシート上下方向中間部の位置おける平断面視で、シート後方側及びシート幅方向外側へ開放されたL字形状又はシート後方側へ開放されたU字形状に形成されている。このため、上記荷重を連結部へ効率よく伝達できる。
また、ヘッドレストがステーを介して固定部に固定されており、ステーはヘッドレストからシート下方側へ突出されている。そして、車両の後面衝突時にシート後方側への荷重がヘッドレストに入力されると、ステーから固定部の上端部にシート後方側への荷重が作用して、ヘッドレストは、固定部の上端部を支点としてシート後方斜め下方側へ回転しようとする。これにより、ステーから固定部の下端部に主としてシート前方側への荷重が作用する。ここで、固定部の下端部に荷重伝達部が結合されている。このため、ステーから固定部の下端部に作用するシート前方側への荷重を荷重伝達部に効果的に伝達できる。
【0009】
また、請求項2に記載の車両用シートは、上記構成に加えて、前記荷重伝達部は、板厚方向をシート幅方向にして配置される第1壁部と、板厚方向をシート前後方向にして配置される第2壁部と、を含んで構成されている。
【0010】
また、請求項3に記載の車両用シートは、上記構成に加えて、前記シートバックフレームの中央部は背面パネル部で構成され、前記第1壁部が前記背面パネル部からシート前方側へ突出されている。
【0011】
また、請求項4に記載の車両用シートは、上記構成に加えて、前記シートバックフレームの外周部は枠フレーム部で構成され、前記第2壁部が前記枠フレーム部からシート幅方向中央側へ突出されている。
【0012】
また、請求項5に記載の車両用シートは、上記構成に加えて、前記第1壁部の前端部に前記第2壁部が結合されている。
【0013】
請求項6に記載の車両用シートは、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記荷重伝達部は、前記固定部と前記連結部との間を連続的に繋ぐ稜線が形成されたビードとされている。
【0014】
請求項6に記載の車両用シートでは、荷重伝達部がビードとされており、ビードには、固定部と連結部との間を連続的に繋ぐ稜線が形成されている。このため、固定部に入力された荷重がビードの稜線に沿って連結部に伝達されるため、車両の後面衝突時にヘッドレストに入力される荷重を連結部へ一層効率よく伝達できる。
【0015】
請求項7に記載の車両用シートは、
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記荷重伝達部が、前記シートバックフレームに一体に形成されている。
【0016】
請求項7に記載の車両用シートでは、荷重伝達部がシートバックフレームに一体に形成されているため、固定部及び連結部と荷重伝達部とを一体に形成できる。これにより、部品点数の増加を抑制しつつシートバックフレームに荷重伝達部を設けることができる。
【0017】
請求項8に記載の車両用シートは、
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックフレームの中央部を構成する背面パネル部の板厚寸法が、前記
荷重伝達部の板厚寸法に比して薄く設定されている。
【0018】
請求項8に記載の車両用シートでは、シートバックフレームの中央部を構成する背面パネル部の板厚寸法が、
荷重伝達部の板厚寸法に比して薄く設定されているため、シートバックフレームの軽量化を図りつつ、固定部に入力される荷重を連結部へ伝達できる。
【0022】
請求項
9に記載の車両用シートは、請求項1〜請求項
8の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、シート前方側から見て、前記荷重伝達部が、前記固定部及び前記連結部を起点としてシート幅方向外側へ凸となるように湾曲されている。
【0023】
請求項
9に記載の車両用シートでは、シート前方側から見て、荷重伝達部がシート幅方向外側へ凸となるように湾曲されているため、荷重伝達部と着座乗員の背部とのラップを抑制できる。これにより、シートバックフレームに荷重伝達部材を設けても、着座乗員に対する快適性を維持しつつ、固定部に入力された荷重を荷重伝達部によって連結部へ伝達できる。
【0024】
請求項
10に記載の車両用シートは、請求項1〜請求項
8の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、シート前方側から見て、前記荷重伝達部が、シート下方側へ向かうに従いシート幅方向外側へ直線状に傾斜されている。
【0025】
請求項
10に記載の車両用シートでは、シート前方側から見て、荷重伝達部が、シート下方側へ向かうに従いシート幅方向外側へ直線状に傾斜されているため、車両の後面衝突時にヘッドレストから固定部へ入力される荷重を荷重伝達部によって直接的に連結部に伝達できる。
【0026】
請求項
11に記載の車両用シートは、請求項1〜請求項3、請求項6〜請求項
8の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックフレームには一対の前記固定部が形成されており、一対の前記固定部は、シート幅方向に並んで配置されると共に、連結壁部によってシート幅方向に連結されている。
【0027】
請求項
11に記載の車両用シートでは、車両の後面衝突時に固定部に入力された荷重を連結壁部によって荷重伝達部へ分散して伝達させることができる。
【0028】
請求項
12に記載の車両用シートは、請求項1〜請求項
3の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記荷重伝達部は、板厚方向をシート幅方向にして配置される第1壁部と、板厚方向をシート前後方向にして配置される第2壁部と、を含んで構成されて、前記第1壁部と前記第2壁部とが前記連結部から分岐してシート上方側へ延びており、シートバックフレームは、前記シートバックフレームの外周部を構成し且つ第2壁部の外周部に結合されたフランジ部と、前記第1壁部と前記第2壁部との間に配置され且つ前記第1壁部及び前記第2壁部に結合された枠フレーム部と、を含んで構成され、前記第1壁部と前記枠フレーム部との境界、前記枠フレーム部と前記第2壁部との境界、及び前記第2壁部と前記フランジ部との境界には、それぞれ稜線が形成されている。
【0029】
請求項
12に記載の車両用シートでは、車両の後面衝突時に固定部に入力された荷重を、第1壁部と枠フレーム部との境界、枠フレーム部と第2壁部との境界、及び第2壁部とフランジ部との境界、の各稜線によって連結部へ効率よく伝達させることができる。
【0030】
請求項
13に記載の車両用シートは、請求項1〜請求項
3の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記荷重伝達部が、平断面視で、前記固定部の下縁から前記連結部まで同一断面形状でシート下方側に連続して延出される。
【0031】
請求項
13に記載の車両用シートでは、荷重伝達部が、固定部の下縁から連結部まで同一断面形状でシート下方側に連続して延出されるため、固定部に入力された荷重を効率よく連結部へ伝達できる。
【0032】
請求項
14に記載の車両用シートは、請求項1〜請求項
3の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックフレームには、複数の前記荷重伝達部が設けられており、前記荷重伝達部は、それぞれの長手方向中間部において、互いに結合されている。
【0033】
請求項
14に記載の車両用シートでは、例えば、荷重伝達部をシート前方側から見て略X字形状に形成できる。これにより、シートバックフレームにおける捩れ剛性を高くすることができる。
【0034】
請求項
15に記載の車両用シートは、請求項1〜請求項
8の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックフレームには、複数の前記荷重伝達部が設けられており、前記荷重伝達部は、それぞれの長手方向上端部において、互いに結合されている。
【0035】
請求項
15に記載の車両用シートでは、例えば、荷重伝達部をシート前方側から見てシート上方側へ向かうに幅広となる略三角形状に形成できる。これにより、シートバックフレームにおける捩れ剛性を高くすることができる。また、固定部に入力される荷重を荷重伝達部によって直接的に連結部に伝達できる。
【発明の効果】
【0036】
請求項1
〜請求項5に記載の車両用シートによれば、板状に形成されたシートバックフレームにおいて車両の後面衝突時にヘッドレストに入力される荷重を連結部へ効率よく伝達できる。
【0037】
請求項6に記載の車両用シートによれば、車両の後面衝突時にヘッドレストに入力される荷重を連結部へ一層効率よく伝達できる。
【0038】
請求項7に記載の車両用シートによれば、部品点数の増加を抑制しつつシートバックフレームに荷重伝達部を設けることができる。
【0039】
請求項8に記載の車両用シートによれば、シートバックフレームの軽量化を図りつつ、固定部に入力される荷重を連結部へ伝達できる。
【0041】
請求項
9に記載の車両用シートによれば、着座乗員に対する快適性を維持しつつ、固定部に入力された荷重を荷重伝達部によって連結部へ伝達できる。
【0042】
請求項
10に記載の車両用シートによれば、車両の後面衝突時にヘッドレストから固定部へ入力される荷重を直接的に連結部に伝達できる。
【0043】
請求項
11に記載の車両用シートによれば、車両の後面衝突時に固定部に入力された荷重を連結壁部によって荷重伝達へ分散して伝達させることができる。
【0044】
請求項
12及び請求項
13に記載の車両用シートによれば、車両の後面衝突時に固定部に入力された荷重を連結部へ効率よく伝達させることができる。
【0045】
請求項
14に記載の車両用シートによれば、シートバックフレームにおける捩れ剛性を高くすることができる。
【0046】
請求項
15に記載の車両用シートによれば、シートバックフレームにおける捩れ剛性を高くすることができると共に、固定部に入力される荷重を直接的に連結部に伝達できる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、
図1〜
図5を用いて第1の実施の形態に係る車両用シート10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRはシート前方を示し、矢印UPはシート上方を示し、矢印LHはシート左方(シート幅方向一側)を示している。また、シート前方、シート上方、及びシート左方は、それぞれ車両の車両前方、車両上方、及び車両左方に一致している。
【0050】
図2に示されるように、車両用シート10は、着座乗員Pの背部を支えるシートバック12と、着座乗員Pの頭部を支えるヘッドレスト60と、を含んで構成されている。
【0051】
シートバック12は、乗員Pが着座するシートクッション70の後端部に起立した状態で設けられている。
図1に示されるように、シートバック12の内部には、シートバック12の骨格部材を成すシートバックフレーム14が設けられている。シートバックフレーム14は、樹脂材(例えば、炭素繊維入り強化プラスチック)によって製作されると共に、シェルタイプ(全体として板状に形成されると共に、シート前方側へ開放された所謂シェル形を成すタイプ)のフレームとして構成されている。そして、シートバックフレーム14には、シート幅方向両側下部において、従来周知のリクライニング機構74が固定されており、リクライニング機構74は、シートクッション70の骨格部材を成すシートクッションフレーム72のシート後方の端部に固定されている。なお、シートバックフレーム14のシート前方側には、ウレタン等の発泡材により構成されたシートバックパッド50が設けられており、シートバックパッド50は表皮52によって覆われている(
図2参照)。
【0052】
シートバックフレーム14は、シートバックフレーム14の中央部を構成する背面パネル部16と、シートバックフレーム14の外周部を構成する枠フレーム部18と、を含んで構成されている。背面パネル部16は、略板状に形成されると共に、板厚方向を略シート前後方向にして配置されている。また、シート前方から見た正面視で、背面パネル部16の外周部は、シート下方側へ開放された略逆U字形状(詳しくは、シート上方側へ凸となるアーチ形状)に形成されており、シート上方側から見た平断面視で、背面パネル部16はシート後方側へ凸となるように湾曲されている(
図3参照)。
【0053】
枠フレーム部18は、正面視でシート下方側へ開放された略逆U字形板状に形成されて、背面パネル部16の外周部と結合されている。なお、枠フレーム部18のシート幅方向両側部分は、後述する縦壁ビード40を介して背面パネル部16に結合されている。そして、枠フレーム部18の上部は板厚方向を略シート前後方向にして配置されており、枠フレーム部18のシート幅方向両側部分は、シート下方側へ向かうに従いシート前方側へ折り曲げられるように形成されている。
【0054】
図4にも示されるように、シートバックフレーム14の上部には、「固定部」としての一対のブラケット固定部20が一体に形成されている。このブラケット固定部20は、シートバックフレーム14のシート幅方向中央部に対して左右対称に構成されている。ブラケット固定部20は、ブラケット固定部20の上部を構成するアッパ固定部22と、ブラケット固定部20の下部を構成するロア固定部28と、を含んで構成されている。
【0055】
アッパ固定部22は、枠フレーム部18の上端部に形成されている。
図5(A)に示されるように、アッパ固定部22は、平断面視でシート前方側へ開放された略凹状に形成され、枠フレーム部18からシート後方側へ突出されると共に、シート上下方向に延びている。具体的には、アッパ固定部22は、板厚方向をシート前後方向にしたアッパ後壁部24と、アッパ後壁部24のシート幅方向両端から略垂直にシート前方側へ延びる一対のアッパ側壁部26A,26Bと、を有しており、一対のアッパ側壁部26A,26Bの前端部が枠フレーム部18に結合されている。
【0056】
図1に示されるように、ロア固定部28は、背面パネル部16の上端部に且つアッパ固定部22のシート下方側に配置されている。このロア固定部28は、平断面視でシート後方側へ開放された略凹状に形成され、背面パネル部16からシート前方側へ突出されている。具体的には、
図5(B)に示されるように、ロア固定部28は、板厚方向をシート前後方向にしたロア前壁部30と、ロア前壁部30のシート幅方向両端から略垂直にシート後方側へ延びる一対のロア側壁部32A,32Bと、を有しており、一対のロア側壁部32A,32Bの後端部が背面パネル部16に結合されている。また、
図4に示されるように、ロア固定部28の下端には、ロア底壁部34が形成されており、ロア底壁部34は、背面パネル部16と結合されてロア固定部28の下端を塞いている。
【0057】
また、シート上下方向に対を成すアッパ側壁部26A,26Bとロア側壁部32A,32Bとのシート幅方向の位置が一致されており、アッパ後壁部24はロア前壁部30に対してシート後方側に配置されている。これにより、平面視でアッパ固定部22とロア固定部28とによって囲まれた領域が略矩形状を成している。さらに、枠フレーム部18には、アッパ固定部22とロア固定部28との間において、シート前後方向に貫通した略矩形状の孔部36が形成されている。
【0058】
そして、ロア固定部28におけるシート上下方向に延びる稜線が、それぞれ稜線L1,L2,L3,L4とされており(
図5(B)参照)、ロア固定部28のロア底壁部34におけるシート幅方向に延びる稜線が、それぞれ稜線L5,L6とされている(
図4参照)。
【0059】
また、アッパ固定部22及びロア固定部28には、ヘッドレスト60を支持するための支持ブラケット62(広義には、「支持部材」として把握される要素である)が固定されている。この支持ブラケット62は、略矩形筒状に形成されて、長手方向をシート上下方向にして配置されている。そして、支持ブラケット62の上部(支持ブラケット62のシート上下方向中央部からシート上方側の部分)の一部が、アッパ固定部22内に配置されて接着剤64(
図5(A)参照)を介してアッパ固定部22に固定されている。また、支持ブラケット62の下部(支持ブラケット62のシート上下方向中央部からシート下方側の部分)の一部が、ロア固定部28内に配置されて接着剤64(
図5(B)参照)を介してロア固定部28に固定されている。
【0060】
さらに、支持ブラケット62内には、略筒状のヘッドレストサポート(図示省略)が保持されている。このヘッドレストサポート内には、ヘッドレスト60からシート下方側へ突出されたステー66(
図2参照)がそれぞれ挿入されており、ステー66がヘッドレストサポートに支持されている。これにより、ヘッドレスト60が、ステー66、ヘッドレストサポート、及び支持ブラケット62を介してシートバックフレーム14のブラケット固定部20に固定(支持)されている。
【0061】
次に本発明の要部である縦壁ビード40について説明する。なお、縦壁ビード40が、本発明の「荷重伝達部」及び「ビード」に対応している。
【0062】
図1に示されるように、縦壁ビード40は、シートバックフレーム14に一体に形成されている。この縦壁ビード40は、各ブラケット固定部20(ロア固定部28)の下端部から背面パネル部16と枠フレーム部18との結合部分に沿うようにシート下方側へシートバックフレーム14の下端まで延びている。すなわち、シートバックフレーム14には、一対の縦壁ビード40が一体に形成されており、縦壁ビード40は、正面視でシート幅方向外側へ凸となるように湾曲されている。
【0063】
図3に示されるように、縦壁ビード40は、シートバックフレーム14のシート上下方向中間部の位置における平断面視で、シート後方側及びシート幅方向外側へ開放された略L字形状に形成されており、第1壁部42と第2壁部44とを含んで構成されている。
【0064】
第1壁部42は、シートバックフレーム14のシート上下方向中間部の位置における平断面視で、板厚方向を略シート幅方向にして配置されると共に、背面パネル部16からシート前方側へ突出されている。また、
図1に示されるように、第1壁部42は、その板厚方向がシート上方側へ向かうに従い略シート上下方向になるように湾曲されて、第1壁部42の上端が、ロア固定部28のロア底壁部34に滑らかに結合されている。
【0065】
第1壁部42の下端部には、前述したリクライニング機構74がボルト76によって締結固定されており、これにより、シートバックフレーム14が、リクライニング機構74を介してシートクッションフレーム72に連結されている。そして、縦壁ビード40におけるリクライニング機構74が固定された部分が連結部46とされており、連結部46における第1壁部42は板厚方向をシート幅方向にして配置されている。なお、図示は省略するが、第1壁部42には、上記ボルト76が挿通される挿通孔が形成されており、挿通孔はシート前後方向に並んで配置されている。
【0066】
図3に示されるように、第2壁部44は、シートバックフレーム14のシート上下方向中間部の位置における平断面視で、板厚方向を略シート前後方向にして配置されると共に、枠フレーム部18からシート幅方向中央側へ突出されて第1壁部42の前端部に結合されている。また、第2壁部44の上端部は、ロア前壁部30に滑らかに結合されている(
図1参照)。そして、縦壁ビード40における第1壁部42及び第2壁部44の板厚は、シートバックフレーム14における背面パネル部16及び枠フレーム部18の板厚と同じ厚さに設定されている。
【0067】
図1に示されるように、第1壁部42と背面パネル部16との境界における稜線BL1、第1壁部42と第2壁部44との境界における稜線BL2、及び第2壁部44と枠フレーム部18との境界における稜線BL3は、それぞれ曲線状の1本の稜線として構成されている。そして、稜線BL1がロア固定部28における稜線L5と接続され、稜線BL2がロア固定部28における稜線L6と接続され、稜線BL3がロア固定部28における稜線L3と接続されている。以上により、縦壁ビード40の稜線BL1〜BL3がブラケット固定部20と連結部46との間で連続的に延びて、ブラケット固定部20と連結部46とが縦壁ビード40によって繋がっている。なお、縦壁ビード40における稜線BL1〜BL3は、曲線状の1本の稜線として構成されているが、稜線BL1〜BL3を、例えば、直線状の複数の稜線を接続して1本の稜線として構成してもよい。すなわち、本発明の「固定部と連結部との間を連続的に繋ぐ稜線」とは、複数の稜線を互いに接続して1本の稜線として構成された場合も含む。
【0068】
一方、
図3に示されるように、シートバックフレーム14のシート後方側には、縦壁ビード40に対応する位置において、ガーニッシュ78が所謂スナップフィット嵌合等によって取付けられている。このガーニッシュ78の外周部は、平断面視で、シートバックフレーム14の後面に沿うように略円弧状に形成されており、これにより、背面パネル部16の後面と枠フレーム部18の後面とが、ガーニッシュ78の外周部によって滑らかに繋がるように構成されている。
【0069】
次に本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0070】
上記のように構成された車両用シート10では、シートバックフレーム14が、樹脂材により構成されると共に、板状に形成されている。また、シートバックフレーム14のブラケット固定部20には、支持ブラケット62が固定されており、支持ブラケット62内には、ヘッドレストサポートが保持されている。そして、ヘッドレスト60からシート下方側へ突出されたステー66が、ヘッドレストサポート内において支持されている。これにより、ヘッドレスト60が、ステー66、ヘッドレストサポート、及び支持ブラケット62を介してシートバックフレーム14のブラケット固定部20に固定(支持)されている。
【0071】
また、シートバックフレーム14の連結部46にはリクライニング機構74が締結固定されており、シートバックフレーム14が、リクライニング機構74を介してシートクッションフレーム72に連結されている。
【0072】
そして、車両の後面衝突時には、慣性力によって着座乗員Pの頭部がシート後方側へ移動して、着座乗員Pの頭部からヘッドレスト60にシート後方側への衝突荷重Fが作用する(
図2参照)。ヘッドレスト60にシート後方側への衝突荷重Fが作用すると、ヘッドレスト60のシート下方側に配置された支持ブラケット62の上端を支点として、ヘッドレスト60がシート後斜め下方へ回転しようとする。このため、支持ブラケット62の上部には主としてシート後方側への荷重が作用すると共に、支持ブラケット62の下部には主としてシート前方側への荷重が作用する。これにより、主としてシート後方側への荷重がアッパ固定部22に入力され、主としてシート前方側への荷重がロア固定部28に入力される。
【0073】
ここで、シートバックフレーム14には縦壁ビード40が一体に形成されており、縦壁ビード40は、ブラケット固定部20及び連結部46に結合されて、ブラケット固定部20と連結部46とをシート上下方向に連結している。そして、ブラケット固定部20のアッパ固定部22に入力された荷重は、枠フレーム部18を介して縦壁ビード40へ伝達され、ブラケット固定部20のロア固定部28に入力された荷重は縦壁ビード40へ伝達される。さらに、縦壁ビード40に入力された荷重は、縦壁ビード40に沿って連結部46へと伝達される。これにより、車両の後面衝突時にヘッドレスト60からブラケット固定部20へ入力された荷重が縦壁ビード40によって直接的に連結部46に伝達される。したがって、板状に形成されたシートバックフレーム14において、車両の後面衝突時にヘッドレスト60に入力される衝突荷重Fを連結部46へ効率よく伝達できる。
【0074】
また、上述したように、縦壁ビード40はシートバックフレーム14に一体に形成されているため、部品点数の増加を抑制して縦壁ビード40をシートバックフレーム14に設けることができる。
【0075】
さらに、縦壁ビード40には、ブラケット固定部20と連結部46との間を連続的に繋ぐ稜線BL1〜稜線BL3が形成されている。そして、稜線BL1がロア固定部28における稜線L5と接続され、稜線BL2がロア固定部28における稜線L6と接続され、稜線BL3がロア固定部28における稜線L3と接続されている。このため、ブラケット固定部20(ロア固定部28)に入力された荷重が縦壁ビード40の稜線BL1〜稜線BL3に沿って連結部46に伝達されるため、車両の後面衝突時にヘッドレスト60に入力される荷重を連結部46へ一層効率よく伝達できる。
【0076】
また、縦壁ビード40の第2壁部44は、ロア固定部28におけるロア前壁部30の下端部に結合されており、縦壁ビード40の第1壁部42は、ロア固定部28におけるロア底壁部34に結合されている。このため、縦壁ビード40をブラケット固定部20のシート上下方向中間部に仮に結合する場合と比べて、ブラケット固定部20に入力された荷重を縦壁ビード40に効果的に伝達できる。
【0077】
すなわち、上述したように、車両の後面衝突時には、主としてシート後方側への荷重がアッパ固定部22に入力され、主としてシート前方側への荷重がロア固定部28に入力される。このため、第2壁部44がロア前壁部30の下端部に結合され、第1壁部42がロア底壁部34に結合されていることで、ロア固定部28に入力された荷重が直接的に縦壁ビード40に伝達される。これにより、縦壁ビード40をブラケット固定部20のシート上下方向中間部に仮に結合する場合と比べて、ブラケット固定部20に入力された荷重を縦壁ビード40に効果的に伝達できる。
【0078】
また、シート前方側から見た正面視で、縦壁ビード40が、ブラケット固定部20及び連結部46を起点としてシート幅方向外側へ凸となるように湾曲されている。これにより、縦壁ビード40と着座乗員Pの背部とのラップを抑制して縦壁ビード40を配置できる。したがって、シートバックフレーム14に縦壁ビード40を設けても、着座乗員Pに対する快適性を維持しつつ、ブラケット固定部20に入力された荷重を縦壁ビード40によって連結部46に伝達できる。
【0079】
さらに、縦壁ビード40は、各ブラケット固定部20(ロア固定部28)の下端部から背面パネル部16と枠フレーム部18との結合部分に沿うようにシート下方側へシートバックフレーム14の下端まで延びている。すなわち、縦壁ビード40がシートバックフレーム14の外周部に対してシート幅方向内側に配置されている。このため、従来技術のようなシートバックフレームと比較して、シートバックフレーム14の両側部(枠フレーム部18)の厚みを薄く設定することができ、ひいては車両用シート10の両側部の厚みを薄く設定することができる。
【0081】
以下、
図6(A)を用いて第2の実施の形態に係る車両用シート100について説明する。第2の実施の形態では、以下に示す点を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0082】
すなわち、第2の実施の形態では、シートバックフレーム14の縦壁ビード40における第1壁部42の上端が、ロア固定部28におけるシート幅方向中央側のロア側壁部32Aの下端に結合されている。これにより、縦壁ビード40の稜線BL1が、ロア固定部28における稜線L1に接続され、縦壁ビード40の稜線BL2が、ロア固定部28における稜線L2に接続されている。また、シート前方側から見た正面視で、第1壁部42はシート下方側へ向かうに従いシート幅方向外側へ直線状に傾斜されている。
【0083】
これにより、第2の実施の形態においても、車両の後面衝突時にヘッドレスト60からブラケット固定部20へ入力される荷重が縦壁ビード40によって直接的に連結部46に伝達されるため、縦壁ビード40と着座乗員Pの背部とのラップを抑制する点を除いて、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
【0084】
また、第2の実施の形態では、第1壁部42の上端が、ロア固定部28におけるロア側壁部32Aの下端に結合されて、第1壁部42がロア側壁部32Aからシート下方側へ延びている。このため、主としてロア側壁部32Aに入力される荷重を縦壁ビード40の稜線BL1,BL2に沿って連結部46に効率よく伝達できる。
【0085】
(第2の実施の形態のバリエーション)
【0086】
以下、第2の実施の形態において、第1壁部42の上端が結合されるロア固定部28の部位を変更した2つのバリエーションを示す。
【0087】
図6(B)に示されるように、バリエーション1では、第1壁部42の上端が、ロア固定部28のロア底壁部34におけるシート幅方向中間部に結合されている。これにより、縦壁ビード40の稜線BL1が、ロア固定部28における稜線L5に接続され、縦壁ビード40の稜線BL2が、ロア固定部28における稜線L6に接続される。そして、この場合には、主としてロア前壁部30及びロア底壁部34に入力される荷重を縦壁ビード40の稜線BL1,BL2に沿って連結部46に効率よく伝達できる。
【0088】
図6(C)に示されるように、バリエーション2では、第1壁部42の上端が、ロア固定部28におけるシート幅方向外側のロア側壁部32Bの下端に結合されている。これにより、縦壁ビード40の稜線BL1が、ロア固定部28における稜線L5に接続され、縦壁ビード40の稜線BL2が、ロア固定部28における稜線L6に接続される。そして、この場合には、主としてロア側壁部32B及びロア底壁部34に入力された荷重を縦壁ビード40の稜線BL1,BL2に沿って連結部46に効率よく伝達できる。
【0090】
図7を用いて第3の実施の形態に係る車両用シート200について説明する。第3の実施の形態では、以下に示す点を除いて第2の実施の形態と同様に構成されている。
【0091】
すなわち、第3の実施の形態では、一対のロア固定部28がシート幅方向に連結されている。具体的には、一対のロア固定部28におけるロア前壁部30及びロア底壁部34が、シート幅方向中央側へそれぞれ延びて結合されている。また、一対のロア固定部28の間には、連結壁部202が形成されており、連結壁部202は、ロア固定部28におけるシート幅方向中央側に配置されたロア側壁部32Aの上縁204同士を繋いでいる。
【0092】
また、縦壁ビード40の第1壁部42の上端が、ロア固定部28のシート幅方向外側のロア側壁部32Bの下端に結合されている。つまり、第2の実施の形態のバリエーション2と同様に第1壁部42の上端がロア固定部28に結合されている。これにより、左右の縦壁ビード40が、一対のロア固定部28を連結する部分によって連結されている。
【0093】
そして、第3の実施の形態においても、車両の後面衝突時にヘッドレスト60からブラケット固定部20へ入力される荷重が縦壁ビード40によって直接的に連結部46に伝達される。このため、第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
【0094】
また、第3の実施の形態では、一対のロア固定部28を連結する部分によって左右の縦壁ビード40が連結されるため、車両の後面衝突時にブラケット固定部20に入力された荷重を左右の縦壁ビード40へ分散して伝達させることができる。
【0096】
以下、
図8を用いて第4の実施の形態に係る車両用シート300について説明する。第4の実施の形態では、以下に示す点を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0097】
すなわち、第4の実施の形態では、背面パネル部16が正面視で略台形状に形成されている。また、縦壁ビード40の第1壁部42と第2壁部44とが、連結部46から分岐してシート上方側へ延びており、第1壁部42と第2壁部44との間に枠フレーム部18が配置されている。つまり、第4の実施の形態では、縦壁ビード40が、枠フレーム部18のシート幅方向両側部分を含んで構成されている。そして、一対の第2壁部44は、枠フレーム部18の外周部に沿って延在されると共に、シートバックフレーム14の上部において互いに結合されている。これにより、第2壁部44が正面視でシート下方側へ開放された略U字形状に形成されている。さらに、シートバックフレーム14の外周部には、フランジ部302が設けられており、フランジ部302は第2壁部44の外周部と結合されている。
【0098】
そして、第1壁部42と枠フレーム部18との境界における稜線が稜線BL4とされている。また、枠フレーム部18と第2壁部44との境界における稜線が稜線BL5とされ、第2壁部44とフランジ部302との境界における稜線が稜線BL6とされており、稜線BL5が、アッパ固定部22の上縁32Aと接続されている。つまり、第4の実施の形態では、縦壁ビード40の稜線BL5が、アッパ固定部22の上縁32Aに接続されており、縦壁ビード40の稜線BL1が、ロア固定部28の稜線L5に接続されている。
【0099】
これにより、第4の実施の形態においても、車両の後面衝突時にヘッドレスト60からブラケット固定部20へ入力される荷重が縦壁ビード40によって直接的に連結部46に伝達されるため、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
【0100】
また、第4の実施の形態では、縦壁ビード40の稜線BL5が、アッパ固定部22の上縁32Aと接続されている。このため、アッパ固定部22に入力されるシート後方側への荷重を稜線BL5に沿って連結部46に効率よく伝達させることができる。これにより、車両の後面衝突時にヘッドレスト60からブラケット固定部20へ入力される荷重を縦壁ビード40によって連結部46に効果的に伝達することができる。
【0102】
以下、
図9(A)及び(B)を用いて第5の実施の形態に係る車両用シート400について説明する。第5の実施の形態では、以下に示す点を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0103】
すなわち、第5の実施の形態では、背面パネル部16がシート前方側から見て略台形状に形成されている。また、枠フレーム部18の外周部分には、フランジ部402が一体に形成されている。さらに、縦壁ビード40は、背面パネル部16に一体に形成されると共に、平断面視でロア固定部28と略同一断面形状を成してロア固定部28からシート下方側に連続して延出されている。すなわち、縦壁ビード40は、平断面視でシート後方側へ開放された略U字形状に形成されて、背面パネル部16からシート前方側へ突出されている。
【0104】
また、縦壁ビード40の第2壁部44が、縦壁ビード40のシート前方側の壁部を構成し、第1壁部42は、第2壁部44のシート幅方向中央側の端部からシート後方側へ延びている。さらに、第2壁部44のシート幅方向外側の端部からシート後方側へ延びる壁部が第3壁部404とされている。そして、第2壁部44と第3壁部404との境界における稜線が稜線BL7とされ、第3壁部404と背面パネル部16との境界の稜線が稜線BL8とされている。
【0105】
また、ブラケット固定部20にはロア底壁部34が省略されている。そして、縦壁ビード40の稜線BL1がロア固定部28の稜線L1と接続されており、縦壁ビード40の稜線BL2がロア固定部28の稜線L2と接続されている。さらに、縦壁ビード40の稜線BL7がロア固定部28の稜線L3と接続されており、縦壁ビード40の稜線BL8がロア固定部28の稜線L4と接続されている。
【0106】
リクライニング機構74は、縦壁ビード40の第1壁部42と第3壁部404との間に配置されており、連結部46における第1壁部42及び第3壁部404は、板厚方向をシート幅方向にして配置されている。
【0107】
そして、第5の実施の形態においても、車両の後面衝突時にヘッドレスト60からブラケット固定部20へ入力される荷重が縦壁ビード40によって直接的に連結部46に伝達される。このため、第5の実施の形態においても、縦壁ビード40の着座乗員の背部とのラップを抑制する点を除いて、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
【0108】
また、第5の実施の形態では、ロア固定部28と縦壁ビード40とが略同一断面形状でシート上下方向に延びているため、ブラケット固定部(ロア固定部28)に入力された荷重をより一層効率よく連結部46へ伝達できる。
【0110】
図10を用いて第6の実施の形態に係る車両用シート500について説明する。第6の実施の形態では、以下に示す点を除いて第5の実施の形態と同様に構成されている。
【0111】
第6の実施の形態では、一対の縦壁ビード40が、長手方向中間部において結合されて、シート前方側から見て略X字形状に形成されている。そして、シート右側に配置された縦壁ビード40の上端部が、シート左側に配置されたロア固定部28に結合され、シート左側に配置された縦壁ビード40の上端部が、シート右側に配置されたロア固定部28に結合されている。また、縦壁ビード40の下端部は、枠フレーム部18の下端部と結合されており、連結部46における第1壁部42が、板厚方向をシート幅方向にするように屈曲されている。これにより、第6の実施の形態においても、第5の実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
【0112】
また、第6の実施の形態では、ロア固定部28が、縦壁ビード40を介して左右の連結部46に各々連結されているため、ロア固定部28に入力された荷重を左右の連結部46に分散させることができる。
【0113】
さらに、第6の実施の形態では、縦壁ビード40が正面視で略X字形状に形成されているため、シートバックフレーム14における捩れ剛性を高くすることができる。
【0115】
図11を用いて第7の実施の形態に係る車両用シート600について説明する。第7の実施の形態では、以下に示す点を除いて第6の実施の形態と同様に構成されている。
【0116】
すなわち、第7の実施の形態では、背面パネル部16が正面視で略三角形状に形成されている。また、縦壁ビード40は、正面視でシート上方側へ向かうに幅広となる略三角形状に形成されて、その上端部において互いに結合されている。そして、縦壁ビード40では、第3壁部404が省略されており、第2壁部44が枠フレーム部18に結合されている。さらに、第2壁部44の上部は、シート幅方向に互いに結合されると共に、ロア固定部28のロア前壁部30に結合されている。これにより、第7の実施の形態においても車両の後面衝突時にヘッドレスト60からブラケット固定部20へ入力される荷重が縦壁ビード40によって直接的に連結部46に伝達されるため、第6の実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
【0117】
なお、第1の実施の形態〜第7の実施の形態では、縦壁ビード40の板厚は、シートバックフレーム14における背面パネル部16及び枠フレーム部18の板厚と同じ厚さに設定されている。これに代えて、シートバックフレーム14における背面パネル部16の板厚を縦壁ビード40の板厚よりも薄く設定してもよい。これにより、シートバックフレーム14の軽量化を図りつつ、ブラケット固定部20に入力された衝突荷重Fを連結部46に伝達できる。
【0118】
また、第1の実施の形態〜第7の実施の形態では、縦壁ビード40が、シートバックフレーム14と一体に形成されている。これに代えて、縦壁ビード40をシートバックフレーム14と別体に構成して、該縦壁ビード40をシートバックフレーム14に一体的に設けると共に、縦壁ビード40によってブラケット固定部20と連結部46とを連結してもよい。
【0119】
さらに、第1の実施の形態〜第7の実施の形態では、シートバックフレーム14のアッパ固定部22とロア固定部28との間に孔部36が形成されているが、孔部36を省略してもよい。すなわち、シート上下方向に対を成すアッパ側壁部26A,26Bとロア側壁部32A,32Bとをシート上下方向に結合してもよい。アッパ固定部22に入力された荷重をアッパ側壁部26A,26B及びロア側壁部32A,32Bを介してロア固定部28に伝達できる。
【0120】
また、第1の実施の形態〜第7の実施の形態では、連結部46における第1壁部42は、板厚方向をシート幅方向にして配置されている。すなわち、シート前方側から見て、連結部46における第1壁部42がシート上下方向に延びている。これに代えて、シート前方側から見て、連結部46における第1壁部42を縦壁ビード40の延在方向に沿うように傾斜させてもよい。これにより、縦壁ビード40による連結部46への荷重伝達効率をさらに向上できる。
【0121】
さらに、第1の実施の形態〜第7の実施の形態では、第1壁部42におけるボルト76が挿通される挿通孔がシート前後方向に並んで配置されている。これに代えて、当該挿通孔をシート上下方向に並んで配置させてもよい。