特許第5831752号(P5831752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831752
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】プルハンドルボックスの支持構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20151119BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20151119BHJP
【FI】
   B60J5/00 501A
   B60J5/04 F
   B60R13/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-252605(P2011-252605)
(22)【出願日】2011年11月18日
(65)【公開番号】特開2013-107444(P2013-107444A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2014年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 和樹
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−062350(JP,U)
【文献】 特開平11−321314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/02
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアトリムのアームレスト部に形成された開口部に取り付けられ、上方が開口した形状をなすプルハンドルボックスと、
前記アームレスト部を構成し、前記プルハンドルボックスの車室内側に配されるトリムボードと、
前記トリムボードの車室外側面に対して、前記プルハンドルボックスの下方に配される形で取り付けられるドアポケットと、を備え、
前記ドアポケットの上端部は、前記トリムボードの車室外側面に取り付けられる2つの被取付部を少なくとも有するとともに、前記トリムボードと前記プルハンドルボックスとの間に配される形で延びており、
前記上端部における前記2つの被取付部の間の部分又は前記プルハンドルボックスにおける前記2つの被取付部の間の部分と対向する対向壁部のうち、いずれか一方には、立設リブが他方に向かって立設されるとともに、他方には前記立設リブが当接可能なリブ当接部が設けられ、
前記ドアポケットの上端部は、前記プルハンドルボックスにおける前記対向壁部と対向する位置まで延び、
前記対向壁部が車室内側に変位した際には、前記立設リブと前記リブ当接部とが当接することで前記対向壁部が車室内側から支持される構成であることを特徴とするプルハンドルボックスの支持構造。
【請求項2】
前記立設リブは、前記プルハンドルボックスの前記対向壁部から底壁部に亘って連なって延びていることを特徴とする請求項1に記載のプルハンドルボックスの支持構造。
【請求項3】
前記立設リブは、前記対向壁部に形成され、
前記リブ当接部は、前記ドアポケットの前記上端部における前記2つの被取付部の間の部分とされ、前記2つの被取付部よりも前記立設リブ側に突出していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプルハンドルボックスの支持構造。
【請求項4】
前記リブ当接部と前記立設リブは、隙間を空けて対向配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプルハンドルボックスの支持構造。
【請求項5】
前記車両用ドアトリムが取り付けられるドアパネルから延設され、前記プルハンドルボックスの底壁部が固定されるブラケットを備え、
前記プルハンドルボックスが車室内側に変位した際には、前記上端部における前記2つの被取付部の間の部分に、前記ブラケットが当接する構成であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプルハンドルボックスの支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルハンドルボックスの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用のドアトリムに設けられるプルハンドルボックスとして、下記特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1のものでは、プルハンドルボックスが、ドアトリムを構成するトリムボード(メインボード)のアームレスト部に形成された開口部内に設けられている。また、トリムボードにおける車室外側の壁面には、プルハンドルボックスを支持可能な支持リブが設けられている。これにより、プルハンドルボックスの使用時など、プルハンドルボックスが車室内側への荷重を受けた場合には、支持リブによって、プルハンドルボックスを支持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−195340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成では、プルハンドルボックスをメインボードにおける開口部付近で支持することとなる。アームレスト部の開口部付近では、トリムボードの剛性が低くなりやすい。このため、プルハンドルボックスの使用時などプルハンドルボックスが車室内側へ荷重を受けた場合には、トリムボードの開口部付近が撓みやすく、プルハンドルを強固に支持することができない。このため、プルハンドルボックスを支持する構造として、アームレスト部の車室内側面をなすトリムボードの開口部付近の撓みを抑え、プルハンドルボックスをより強固に支持する構造が求められている。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、アームレスト部の車室内側面をなすトリムボードの開口部付近の撓みを抑え、プルハンドルボックスをより強固に支持することができるプルハンドルボックスの支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のプルハンドルボックスの支持構造は、車両用ドアトリムのアームレスト部に形成された開口部に取り付けられ、上方が開口した形状をなすプルハンドルボックスと、前記アームレスト部を構成し、前記プルハンドルボックスの車室内側に配されるトリムボードと、前記トリムボードの車室外側面に対して、前記プルハンドルボックスの下方に配される形で取り付けられるドアポケットと、を備え、前記ドアポケットの上端部は、前記トリムボードの車室外側面に取り付けられる2つの被取付部を少なくとも有するとともに、前記トリムボードと前記プルハンドルボックスとの間に配される形で延びており、前記上端部における前記2つの被取付部の間の部分又は前記プルハンドルボックスにおける前記2つの被取付部の間の部分と対向する対向壁部のうち、いずれか一方には、立設リブが他方に向かって立設されるとともに、他方には前記立設リブが当接可能なリブ当接部が設けられ、前記対向壁部が車室内側に変位した際には、前記立設リブと前記リブ当接部とが当接することで前記対向壁部が車室内側から支持される構成であることに特徴を有する。
【0007】
本発明によれば、例えば、プルハンドルボックスの使用時など、プルハンドルボックスが受けた荷重によって、対向壁部が車室内側に変位した際には、立設リブとリブ当接部とが当接することで対向壁部が車室内側から支持される。これにより、対向壁部の車室内側への変位を規制することができ、トリムボードにおいてアームレスト部の開口部付近の撓みを抑え、プルハンドルボックスをより強固に支持することができる。
【0008】
また、立設リブとリブ当接部とが当接することで、対向壁部に作用する荷重をドアポケットで受けることができ、荷重を分散させることができる。さらに、立設リブ(又はリブ当接部)は、トリムボードに対して取り付けられる2つの被取付部(上端部における固定端)の間の箇所に設けられているから、対向壁部に作用する荷重をより確実に受けることができる。
【0009】
上記構成において、前記立設リブは、前記対向壁部の表面から前記プルハンドルボックスを構成する底壁部の表面に亘って延びているものとすることができる。
【0010】
立設リブを対向壁部の表面から底壁部の表面に亘って延びる形で設けることで、プルハンドルボックスの剛性をより高くすることができ、プルハンドルボックスが車室内側への荷重を受けた場合には、プルハンドルボックス自体が撓むことを抑制できる。
【0011】
また、前記リブ当接部は、前記ドアポケットの上端部における前記2つの被取付部の間の部分に設けられ、前記立設リブは、前記対向壁部に形成され、前記リブ当接部は、前記立設リブに向かって突き出す形状をなしているものとすることができる。
【0012】
リブ当接部を立設リブに向かって突き出す形状とすれば、リブ当接部を突き出した分だけ、リブ当接部に当接させるために必要な立設リブの高さを小さくすることができる。例えば、対向壁部及び立設リブを合成樹脂で一体的に形成する場合、立設リブを高くすると、ひけによって、対向壁部における車室外側の面(プルハンドルボックスの内面)に凹みが生じてしまう可能性がある。これにより、乗員がプルハンドルボックスに手を掛けた時に、その内面に凹凸感を感じてしまい、プルハンドルボックスを使用する際の使用感を損なう場合がある。本発明においては、リブ当接部が、立設リブに向かって突き出す形状でない構成と比較して、立設リブの高さを比較的小さくすることができるので、このような事態を抑制できる。
【0013】
また、前記リブ当接部と前記立設リブは、隙間を空けて対向配置されているものとすることができる。
【0014】
リブ当接部と立設リブは、隙間を空けて対向配置されている。このため、プルハンドルボックスの未使用時、車両の振動などによって、リブ当接部と立設リブとが連続的に当接する事態を抑制でき、その結果、リブ当接部と立設リブとの当接に起因した異音が発生する事態を抑制できる。
【0015】
また、前記車両用ドアトリムが取り付けられるドアパネルから延設され、前記プルハンドルボックスの底壁部が固定されるブラケットを備え、前記プルハンドルボックスが車室内側に変位した際には、前記上端部における前記2つの被取付部の間の部分に、前記ブラケットが当接する構成であるものとすることができる。
【0016】
ブラケットがドアポケットの上端部に当接することで、ブラケット、ひいてはプルハンドルボックスの車室内側への変位を規制でき、アームレスト部の開口部付近の撓みを抑え、プルハンドルボックスをより強固に支持することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、アームレスト部の車室内側面をなすトリムボードの開口部付近の撓みを抑え、プルハンドルボックスをより強固に支持することができるプルハンドルボックスの支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1に係るプルハンドルボックスを備えるドアトリムを示す正面図
図2図1のドアトリムを示す裏面図
図3】実施形態1に係るプルハンドルボックスを示す斜視図
図4】実施形態1に係るドアポケットを示す斜視図
図5図1のドアトリムを示す断面図(図3のA−A線で切断した図に対応)
図6図5においてプルハンドルボックス周辺を拡大して示す拡大図
図7】プルハンドルボックス周辺を示す断面図(図4のB−B線で切断した図に対応)
図8】プルハンドルボックス周辺を示す断面図(図3のC−C線で切断した図に対応)
図9図8においてプルハンドルボックスを使用した状態を示す断面図
図10】実施形態2に係るプルハンドルボックスを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。図1は、本実施形態のプルハンドルボックス60を備えるドアトリム10(車両用ドアトリム)を示す正面図である。ドアトリム10は、ドアパネルを構成するドアインナパネル11(図5及び図6にて図示)に取り付けられることで車両ドアを構成するものである。
【0020】
ドアトリム10は、トリムボード12と、当該トリムボード12に取り付けられるオーナメント15とを主体に構成されている。また、トリムボード12には、インサイドハンドル17や、パワーウインドなどを操作するためのスイッチ18などが設けられている。
【0021】
トリムボード12は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂材料などによって構成されている。なお、トリムボード12の材質は、合成樹脂材料に限定されず、例えば、木質系材料と合成樹脂を混合したものなどを用いてもよい。トリムボード12は、正面視略方形状をなし、アッパーボード13とロアボード30とを備えている。また、トリムボード12の表面を覆う形で、表皮材14が貼り付けられている(図5参照)。
【0022】
ロアボード30には、ドアポケット40や、スピーカグリル16などが設けられている。オーナメント15は、アッパーボード13とロアボード30との間に介在される形で取り付けられている。なお、ドアトリム10とドアインナパネル11との間には、シート状のフェルト材23(防音材)が部分的に介在されている(図5参照)。
【0023】
ドアトリム10は、車室内側に張り出す形状をなすアームレスト部10Aを備えている。このアームレスト部10Aには、図6に示すように、上方に開口した開口部10Bが形成されている。プルハンドルボックス60は、開口部10Bに収容される形で取り付けられている。
【0024】
アームレスト部10Aは、図1に示すように、車両前後方向に長い形状をなし、ロアボード30の上端部の一部と、ロアボード30の上端に取り付けられたアームレスト側壁部20から構成されている(図6参照)。
【0025】
アームレスト側壁部20は、主にアームレスト部10Aの上部を構成するものとされる。なお、アームレスト側壁部20の車室後部には、図1に示すように、オーナメント15の後方に配される形で立ち上がる立壁部21が一体的に形成されている。
【0026】
上述した開口部10Bは、図6に示すように、アームレスト側壁部20とオーナメント15との間、及びロアボード30の上端部とオーナメント15との間に形成されている。また、ロアボード30の上端部(トリムボード12の一部)は、プルハンドルボックス60の車室内側に配されている。言い換えると、ロアボード30の上端部は、開口部10Bを構成する車室内側の壁部(トリムボード12における開口部10B付近の部分)とされ、アームレスト部10Aの車室内側面をなすものとされる。
【0027】
また、ドアポケット40は、図2及び図5に示すように、ロアボード30の裏面(車室外側面)に対して、プルハンドルボックス60の下方に配される形で取り付けられている。なお、ロアボード30の裏面においてドアポケット40の車両後方には、EAパッド34が取り付けられている。
【0028】
ドアポケット40は、図4及び図5に示すように、車両前後方向(図4の左右方向)に長い形状をなす本体部41を備えている。この本体部41は、車室内側に開口する形状をなしており、この開口がロアボード30に形成されたポケット開口部31と連通される構成となっている。これにより、車室内側からポケット開口部31を通じて、ドアポケット40の内部(より正確には、ロアボード30及び本体部41に囲まれた空間)に荷物を収容可能となっている。
【0029】
本体部41は、図4に示すように、正面視略方形状をなしている。本体部41の外周縁には、外側に向かって延びるフランジ部42が形成されている。このフランジ部42は、複数の取付孔43Aが貫通形成されている。この取付孔43Aには、図5及び図7に示すように、ロアボード30の裏面から突設された取付ボス32が挿通される構成となっている。
【0030】
取付孔43Aに挿通された取付ボス32は、例えば、超音波溶着などの溶着手段によって、溶着(熱カシメ)される。これにより、ロアボード30の車室外側面に対してドアポケット40が取り付けられる構成となっている。なお、ロアボード30に対するドアポケット40の取り付け手段は、溶着に限定されず適宜変更可能である。例えば、ビス止めなどでドアポケット40を取り付けてもよい。
【0031】
次にプルハンドルボックス60の構成について説明する。プルハンドルボックス60は、図3に示すように上方及び車室外側に開口された箱状をなしており、図5に示すように、アームレスト20及びロアボード30の車室外側に設けられるともに、オーナメント15の車室内側に配されている。
【0032】
プルハンドルボックス60は、ロアボード30と対向配置される対向壁部61と、対向壁部61の下端から車室外側に向かって延びる底壁部62を備えている。対向壁部61において車両前後方向における両端には、取付孔63Aが貫通形成された取付片63がそれぞれ形成されている。この取付孔63Aには、ロアボード30の裏面から突設された取付ボス(図示せず)が挿通される構成となっており、この結果、プルハンドルボックス60がロアボード30に対して取り付けられる。
【0033】
また、底壁部62には、挿通孔62Aが貫通形成されている。これに対して、ドアインナパネル11からは、ブラケット22が底壁部62の下方に延びる形で延設されている。ブラケット22の先端部には、挿通孔22Aが貫通形成されている。
【0034】
底壁部62の挿通孔62A及びブラケット22の挿通孔22Aの双方にネジ19を挿通させることで、ブラケット22に対して底壁部62が固定されている。より具体的には、ネジ19と、挿通孔62A及び挿通孔22Aの間には、ネジ19を螺合させることが可能な螺合部材24が介在されている。なお、このような螺合部材24を備えていなくてもよい。つまり、ネジ19を挿通孔62A及び挿通孔22Aの内周面に直接螺合させる構成としてもよい。
【0035】
なお、プルハンドルボックス60の底壁部62には、ネジ19を覆う形で板状のキャップ部材66が配されている。これにより、プルハンドルボックス60の内部に乗員が指先を入れたときに、この指先がネジ19の頭部に触れることを防止し、操作性を向上させている。
【0036】
プルハンドルボックス60は、例えば、合成樹脂材料により一体に成形され、乗員が上方から内部に指先を入れることによって車両ドアを開閉するために使用される。車両ドアを閉める際には、乗員は、対向壁部61の裏面(車室外側の面)に指を掛け、プルハンドルボックス60を車室内側に引っ張る。この時の荷重によって、プルハンドルボックス60が車室内側に変位する。次に、プルハンドルボックス60が車室内側に変位した際にプルハンドルボックス60を支持する支持構造について説明する。
【0037】
プルハンドルボックス60における対向壁部61の表面(車室内側の面)には、図3に示すように、複数本(本実施形態では3本)の立設リブ65が立設されている。これに対して、ドアポケット40のフランジ部42のうち、上端側のフランジ部(ドアポケットの上端部、以下の説明では符号45を付す)には、図4及び図6に示すように、リブ当接部46が形成されている。フランジ部45は、図6に示すように、ロアボード30とプルハンドルボックス60との間に配される形で延びている。
【0038】
リブ当接部46は、図4に示すように、フランジ部45の一部とされ、フランジ部45において、2つの取付孔43A(2つの被取付部、以下の説明では符号45Aを付す)の間となる部分に設けられている。リブ当接部46は、図6に示すように、立設リブ65に向かって突き出す断面視U字状をなしている。つまり、リブ当接部46は本体部41における上壁部41Aの車両内側端部から延びており、プルハンドルボックス60における対向壁部61の下部と対向配置されている。
【0039】
立設リブ65は、リブ当接部46に向かって立設されており、リブ当接部46と立設リブ65は、隙間を空けて対向配置されている。これにより、対向壁部61(及び立設リブ65)が車室内側に変位した際には、図9に示すように、立設リブ65とリブ当接部46とが当接可能な構成となっており、対向壁部61が車室内側から支持される構成となっている。
【0040】
なお、リブ当接部46における立設リブ65との対向面46A(立設リブ65と当接する面)には、不織布などの緩衝部材(図示せず)が貼り付けられている。なお、このような緩衝部材を備えていなくてもよい。また、リブ当接部46において対向面46Aとは反対側の面には、補強リブ47が形成されており、リブ当接部46の剛性を高くしている。
【0041】
また、3本の立設リブ65は、対向壁部61において車両前後方向に配列されている。これに対してリブ当接部46は各立設リブ65を覆う形で車両前後方向に長い形状をなしている(図4参照)。つまり、各立設リブ65は、それぞれリブ当接部46に当接可能な構成とされる。このため、リブ当接部46によって、対向壁部61を車両前後方向に亘って支持することが可能となっている。
【0042】
各立設リブ65は、上下方向に延びる形状をなしている。3本の立設リブ65のうち、例えば、端部側の立設リブ65(以下の説明では符号65Aを付す)は、図8に示すように、対向壁部61の表面(リブ当接部46との対向面)から底壁部62の表面(下面)に亘って延びる略L字状をなしている。
【0043】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、プルハンドルボックス60の使用時など、プルハンドルボックス60が受けた荷重によって、対向壁部61が車室内側に変位した際には、立設リブ65とリブ当接部46とが互いの対向面において当接する(図9参照)。これにより、対向壁部61がリブ当接部46によって車室内側から支持される。この結果、対向壁部61がリブ当接部46に当接した以降の対向壁部61の車室内側への変位を規制することができ、アームレスト部10Aの開口部10B付近(特に、ロアボード30の上端部)の撓み(主に車室内側への撓み)を抑え、プルハンドルボックス60をより強固に支持することができる。
【0044】
言い換えると、本実施形態においては、ロアボード30の上端部(アームレスト部10Aの開口部10Bを構成する部分)と、プルハンドルボックス60との間に、リブ当接部46を介在させることで、プルハンドルボックス60が受けた荷重をリブ当接部46で受けることができる。これにより、プルハンドルボックス60が受けた荷重が、意匠部品であるロアボード30の上端部(及びアームレスト側壁部20)に対して直接的に作用する事態を防止している。
【0045】
なお、リブ当接部46における立設リブ65との対向面46Aには、緩衝部材として不織布が貼り付けられているから、当接時に異音(ガタツキ音)が発生する事態を抑制することができる。
【0046】
また、立設リブ65とリブ当接部46とが当接することで、対向壁部61に作用する荷重をドアポケット40(ひいては、ドアポケット40が取り付けられたロアボード30全体)で受けることができ、荷重を分散させることができる。さらに、立設リブ65を受けるリブ当接部46は、ロアボード30に対して取り付けられる2つの取付孔45A(フランジ部45における固定端)の間の箇所に設けられているから、対向壁部61に作用する荷重をより確実に受けることができる。
【0047】
言い換えると、リブ当接部46は、車両前後方向における両端部がトリムボード12に対して固定されているから、フランジ部45において特に剛性が高い箇所となり、立設リブ65を受ける箇所として好適である。なお、本実施形態においては、立設リブ65は3本設けられているが、対向壁部61の変形の態様によっては、その全てがリブ当接部46に当接しない場合もある。少なくとも一本の立設リブ65がリブ当接部46に当接すれば、上記の効果を奏することができる。
【0048】
また、立設リブ65Aは、対向壁部61の表面から底壁部62の表面に亘って延びている。
【0049】
立設リブ65Aを対向壁部61から底壁部62に亘って延びる形で設けることで、プルハンドルボックス60の剛性をより高くすることができ、プルハンドルボックス60が車室内側への荷重を受けた場合には、プルハンドルボックス60自体が撓むことを抑制できる。
【0050】
また、リブ当接部46は、ドアポケット40のフランジ部45における2つの取付孔45Aの間の部分に設けられ、立設リブ65は、対向壁部61に形成され、リブ当接部46は、立設リブ65に向かって突き出す形状をなしている。
【0051】
リブ当接部46を立設リブ65に向かって突き出す形状とすれば、リブ当接部46を突き出した分だけ、リブ当接部46に当接させるために必要な立設リブ65の高さを小さくすることができる。対向壁部61及び立設リブ65を合成樹脂で一体的に形成する場合、立設リブ65を高くすると、ひけによって、対向壁部61における車室外側の面(プルハンドルボックス60の内面、図9における右側の面)に凹みが生じてしまう可能性がある。
【0052】
これにより、乗員がプルハンドルボックス60に手を掛けた時に、その内面に凹凸感を感じてしまい、プルハンドルボックス60を使用する際の使用感を損なう場合がある。本実施形態においては、リブ当接部46が、立設リブ65に向かって突き出す形状でない構成と比較して、立設リブ65の高さを比較的小さくすることができるので、このような事態を抑制できる。
【0053】
また、リブ当接部46と立設リブ65は、隙間を空けて対向配置されている。
【0054】
リブ当接部46と立設リブ65は、隙間を空けて対向配置されている。このため、プルハンドルボックス60の未使用時、車両の振動などによって、リブ当接部46と立設リブ65とが連続的に当接する事態を抑制でき、その結果、リブ当接部46と立設リブ65との当接に起因した異音が発生する事態を抑制できる。
【0055】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図10によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態のプルハンドルボックス60の支持構造においては、リブ当接部146及びブラケット122の構成が上記実施形態と相違する。
【0056】
本実施形態においては、図10に示すように、ブラケット122の先端122Aがリブ当接部146の対向面146Aとの間に隙間を空けて対向配置されている。これにより、プルハンドルボックス60が車室内側に引っ張られた際には、ブラケット122が車室内側に変位する結果、ブラケット122の先端122Aがリブ当接部146(ドアポケットの上端部における2つの被取付部の間の部分)の対向面146Aに当接する。つまり、本実施形態では、立設リブ65及びブラケット122の双方がリブ当接部146に当接可能な構成となっている。
【0057】
このように、ブラケット122がリブ当接部146(ドアポケット40の上端部)に当接することで、ブラケット122、ひいてはプルハンドルボックス60の車室内側への変位を規制でき、アームレスト部10Aの開口部10B付近の撓みを抑え、プルハンドルボックス60をより強固に支持することができる。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0059】
(1)上記実施形態では、立設リブ65がプルハンドルボックス60に、リブ当接部46がドアポケット40に設けられている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、フランジ部45に立設リブ65を設け、プルハンドルボックスにおける対向壁部61を立設リブ65に当接させる構成としてもよい。なお、この構成の場合、対向壁部61が、本発明のリブ当接部の一例となる。
【0060】
(2)立設リブ65の形状及び本数は適宜変更可能である。例えば、立設リブ65を一本のみ備える構成であってもよい。
【0061】
(3)リブ当接部の形状は、上記実施形態の形状(断面視U字状)に限定されず適宜変更可能である。
【0062】
(4)上記実施形態では、2つの被取付部として、取付孔45Aを例示したが、これに限定されない。被取付部は、トリムボードに対して、ドアポケットを取り付けることが可能なものであればよく、例えば、ビスや取付爪などを例示することもできる。
【0063】
(5)上記実施形態では、立設リブ65とリブ当接部46との間に隙間が生じており、プルハンドルボックス60使用時に立設リブ65とリブ当接部46とが当接する構成を例示したが、これに限定されない。立設リブ65とリブ当接部46とが、常に当接している構成であってもよい。
【0064】
(6)上記実施形態2では、ブラケット122とリブ当接部146との間に隙間が生じており、プルハンドルボックス60使用時にブラケット122とリブ当接部146とが当接する構成を例示したが、これに限定されない。ブラケット122とリブ当接部146とが、常に当接している構成であってもよい。
【0065】
(7)上記実施形態では、ブラケット22,122に対して底壁部62をネジ19で固定する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、底壁部62に取付爪などを形成し、この取付爪によってブラケット22,122に底壁部62を固定してもよい。
【0066】
(8)トリムボード12は、アッパーボード13とロアボード30に分割されていなくてもよく一体部品として構成されていてもよい。
【0067】
(9)上記実施形態では、アームレスト部10Aが、ロアボード30の上端部の一部と、アームレスト側壁部20から分割構成されているものを例示したが、これに限定されない。例えば、アームレスト側壁部20がロアボード30と一体的に形成されていてもよい。また、アームレスト部10Aが、トリムボード12を構成する壁部のみから構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10…ドアトリム(車両用ドアトリム)、10A…アームレスト部、10B…開口部、11…ドアインナパネル(ドアパネル)、12…トリムボード、40…ドアポケット、45…フランジ部(ドアポケットの上端部)、45A…取付孔(被取付部)、46,146…リブ当接部、60…プルハンドルボックス、61…プルハンドルボックスにおける対向壁部、62…底壁部(プルハンドルボックスを構成する底壁部)、65…立設リブ、122…ブラケット
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