特許第5831811号(P5831811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831811
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】アンダーランプロテクタ構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/56 20060101AFI20151119BHJP
【FI】
   B60R19/56
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-71646(P2012-71646)
(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公開番号】特開2013-203129(P2013-203129A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】山本 遼太
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−296743(JP,A)
【文献】 特開2003−72493(JP,A)
【文献】 特開2011−16444(JP,A)
【文献】 特開2012−240511(JP,A)
【文献】 特開2013−52708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/56
B60R 19/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体フレームの前部又は後部の車幅方向の端部に固定されるアンダーランプロテクタブラケットと、
前記アンダーランプロテクタブラケットの前方又は後方で車幅方向に沿って配置され、前記車体フレームの車幅方向の端部よりも車幅方向外側に延びるプロテクタ本体と、前記アンダーランプロテクタブラケットの前方位置又は後方位置で前記プロテクタ本体に設けられ、前後方向と交叉する所定方向に離間して相対向する1対の板部と、前記1対の板部を前記所定方向に貫通する1対の第1挿通孔と、を有するアンダーランプロテクタと、
前記アンダーランプロテクタブラケットの前方位置又は後方位置で前記アンダーランプロテクタの後面又は前面に固定される一端と、前記アンダーランプロテクタブラケットの前面又は後面に固定される他端とを有し、前後方向に直線状に延びる筒状のエネルギ吸収体と、
前記アンダーランプロテクタの1対の板部の間に進入する前端部又は後端部から後方又は前方へ直線状に延びて前記エネルギ吸収体の内側を挿通するガイド部と、前記ガイド部の前端部又は後端部を前記所定方向に貫通して前記アンダーランプロテクタの1対の第1挿通孔と連通する第2挿通孔と、前記ガイド部の後端又は前端から車幅方向外側に曲折して前方又は後方へ延び、前記アンダーランプロテクタの車幅方向の端部に固定される連結部と、を有するガイド部材と、
前記車体フレームに固定され、前記ガイド部の移動方向を前後方向に規定する移動規制手段と、
前記1対の第1挿通孔と前記第2挿通孔とを挿通して、前記ガイド部の前端部又は後端部を前記アンダーランプロテクタに着脱自在に結合する棒体状部材と、を備えた
ことを特徴とするアンダーランプロテクタ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の衝突時に他の車両のもぐり込みを防止するとともに、他の車両が受ける衝撃荷重を緩和するアンダーランプロテクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2000−296743号公報には、車両の車幅方向に沿って配設されるプロテクタと、シャシフレームに固着されるブラケットと、該ブラケットとプロテクタとの間に介設される衝撃エネルギ吸収装置を備えた衝撃吸収型フロントアンダーランプロテクタが記載されている。衝撃エネルギ吸収装置は、中空円筒状のFRPエネルギ吸収体とこれを被包する管状体とからなり、衝撃力が衝撃エネルギ吸収装置に作用すると、管状体及びFRPエネルギ吸収体は、軸線方向に撓み、FRPエネルギ吸収体は、圧潰して衝撃エネルギを吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−296743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車両の前方に他の車両が衝突する際の態様は必ずしも一様ではなく、衝撃エネルギ吸収装置の軸線方向を前後方向に一致させて配置した場合であっても、衝撃荷重が常に衝撃エネルギ吸収装置の軸線方向に沿って入力するとは限らない。このため、エネルギ吸収体の圧潰時の変形挙動が安定せず、衝突の態様によっては衝撃エネルギ吸収量が低下して、他の車両が受ける衝撃を十分に緩和することができなくなるおそれがある。
【0005】
また、上記衝撃吸収型フロントアンダーランプロテクタの端部は、車幅方向内側で衝撃エネルギ吸収装置及びブラケットを介してシャシフレームに片持ち梁状に支持されているので、車両の外端部に他の車両が衝突する低オーバーラップ率の衝突が発生し、アンダーランプロテクタの車幅方向の端部に衝撃荷重が入力した場合には、アンダーランプロテクタの端部に衝撃エネルギ吸収装置を支点とした曲げ応力が発生する。このような曲げ応力は、衝撃エネルギ吸収装置に対して前後方向への押圧力として効率良く入力せず、エネルギ吸収体によって衝撃エネルギを十分に吸収できない可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、車両の外端部に他の車両が衝突した場合であっても、エネルギ吸収体の安定した変形挙動によって衝撃エネルギを確実に吸収して他の車両が受ける衝撃を好適に緩和することができるアンダーランプロテクタ構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明のアンダーランプロテクタ構造は、アンダーランプロテクタブラケットと、アンダーランプロテクタと、エネルギ吸収体と、ガイド部材と、移動規制手段と、棒体状部材とを備えている。アンダーランプロテクタブラケットは、車両の車体フレームの前部又は後部の車幅方向の端部に固定される。アンダーランプロテクタは、アンダーランプロテクタブラケットの前方又は後方で車幅方向に沿って配置され、車体フレームの車幅方向の端部よりも車幅方向外側に延びるプロテクタ本体と、アンダーランプロテクタブラケットの前方位置又は後方位置でプロテクタ本体に設けられ、前後方向と交叉する所定方向に離間して相対向する1対の板部と、1対の板部を所定方向に貫通する1対の第1挿通孔とを有する。エネルギ吸収体は、アンダーランプロテクタブラケットの前方位置又は後方位置でアンダーランプロテクタの後面又は前面に固定される一端と、アンダーランプロテクタブラケットの前面又は後面に固定される他端とを有し、前後方向に直線状に延びる筒状である。ガイド部材は、アンダーランプロテクタの1対の板部の間に進入する前端部又は後端部から後方又は前方へ直線状に延びてエネルギ吸収体の内側を挿通するガイド部と、ガイド部の前端部又は後端部を所定方向に貫通してアンダーランプロテクタの1対の第1挿通孔と連通する第2挿通孔と、ガイド部の後端又は前端から車幅方向外側に曲折して前方又は後方へ延び、アンダーランプロテクタの車幅方向の端部に固定される連結部とを有する。移動規制手段は、車体フレームに固定され、ガイド部の移動方向を前後方向に規定する。棒体状部材は、1対の第1挿通孔と第2挿通孔とを挿通して、ガイド部の前端部又は後端部をアンダーランプロテクタに着脱自在に結合する。
【0008】
上記構成では、前方又は後方から車両に他の車両が衝突し、アンダーランプロテクタに衝撃荷重が入力すると、アンダーランプロテクタにそれぞれ固定されたエネルギ吸収体とガイド部とがアンダーランプロテクタによって後方又は前方に押圧され、車体フレームに対して固定されていないガイド部は、アンダーランプロテクタとともに移動する。一方、エネルギ吸収体は、アンダーランプロテクタの後面又は前面に固定される一端と、車体フレームに固定されたアンダーランプロテクタブラケットの前面又は後面に固定される他端とを有しているので、アンダーランプロテクタとともに移動せず、アンダーランプロテクタからの押圧により潰れ変形をおこす。この潰れ変形時において、エネルギ吸収体の内側にはガイド部が挿通し、且つガイド部の移動方向が移動規制手段によって前後方向に規制されるので、エネルギ吸収体は、ガイド部の外周面に沿って前後方向から確実に圧潰される。このように、衝突の態様(衝撃荷重の入力位置や入力方向)による影響を受け難い状態でエネルギ吸収体が変形するので、エネルギ吸収体の圧潰時の変形挙動が安定し、エネルギ吸収体は衝撃エネルギを確実に吸収し、他の車両の受ける衝撃を好適に緩和することができる。
【0009】
また、アンダーランプロテクタの車幅方向の端部にはガイド部の後端又は前端から車幅方向外側に曲折して前方又は後方に延びる連結部が固定され、ガイド部の移動方向は前後方向に規制されるため、車両の外端部に他の車両が衝突し、アンダーランプロテクタの車幅方向の端部に衝撃荷重が入力すると、入力した衝撃荷重は連結部を介してガイド部に後方又は前方への引張り力として作用する。この引張り力によってガイド部が後方又は前方に移動すると、エネルギ吸収体がアンダーランプロテクタによって前後方向に押圧される。すなわち、アンダーランプロテクタの車幅方向の端部に入力した衝撃荷重は、連結部及びガイド部を介して前後方向の押圧力としてエネルギ吸収体に伝達される。このため、アンダーランプロテクタの端部に入力した衝撃エネルギをエネルギ吸収体の変形によって効率よく吸収することができ、アンダーランプロテクタの端部の車幅方向内側への曲げ変形が抑制される。従って、車両の外端部に他の車両が衝突し、アンダーランプロテクタの端部に衝撃荷重が入力した場合であっても、エネルギ吸収体の安定した変形挙動によって衝撃エネルギを確実に吸収し、他の車両に与える衝撃を好適に緩和することができる。また、アンダーランプロテクタの端部の曲げ変形が抑制されるので、他の車両のもぐり込みを有効に防止することができる。
【0010】
また、アンダーランプロテクタとガイド部の前端部又は後端部とは、アンダーランプロテクタの1対の第1挿通孔とガイド部の前端部又は後端部の第2挿通孔とに棒体状部材を挿通することによって着脱自在に結合されている。すなわち、1対の第1挿通孔と第2挿通孔とに挿通された棒体状部材を抜去することによって、アンダーランプロテクタとガイド部の前端部又は後端部との結合を解除することができる。ガイド部は前端部又は後端部から直線状に延びてエネルギ吸収体の内側を挿通しているので、結合が解除されたガイド部の前端部又は後端部を、エネルギ吸収体の内側を通過させエネルギ吸収体よりも後方又は前方まで移動させることによって、エネルギ吸収体とガイド部材とを容易に分離することができる。このため、エネルギ吸収体とガイド部材とを1個のアッセンブリとしてではなく、分離した個々の部品として取り扱うことができる。従って、衝突が発生しガイド部材やエネルギ吸収体に破損や潰れ変形が生じた場合であっても、ガイド部材とエネルギ吸収体とをアッセンブリとして一括して交換する必要はなく、破損等が生じたガイド部材やエネルギ吸収体のみを交換すればよいので修理費用を低減することができる。また、ガイド部材やエネルギ吸収体を部品単位で取り扱うことができるので、整備時等において、分解や組立て作業が容易となり作業工数が削減される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両の外端部に他の車両が衝突した場合であっても、エネルギ吸収体の安定した変形挙動によって衝撃エネルギを確実に吸収して他の車両が受ける衝撃を好適に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係わるフロントアンダーランプロテクタ構造を備えたキャブオーバートラックの模式側面図である。
図2】本発明に係わるフロントアンダーランプロテクタ構造の斜視図である。
図3図2のIII−III矢視断面図である。
図4】フロントアンダーランプロテクタ構造の分解及び組立ての説明図である。
図5】本発明に係わるリアアンダーランプロテクタ構造を備えたキャブオーバートラックの模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、図中FRは車両前方を、図中UPは車両上方を、図中INは車幅方向内側をそれぞれ示している。また、以下の説明における前後方向は、車両の前後方向を意味し、左右方向は、車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係わる車両1は、キャブ2が概ねエンジン(図示省略)よりも前方に位置するキャブオーバー型の車両であり、車両1の前部には、アンダーランプロテクタ構造3を備えている。このアンダーランプロテクタ構造3は、車両1の左右に対称的に設けられて、共通のアンダーランプロテクタを左右で支持する。なお、左右のアンダーランプロテクタ構造3はほぼ同様の構成を有するため、以下では左側について説明し、右側の説明を省略する。
【0015】
図2に示すように、アンダーランプロテクタ構造3は、メインフレーム(車体フレーム)4と、フロントアンダーランプロテクタ(アンダーランプロテクタ)5と、フロントアンダーランプロテクタブラケット(アンダーランプロテクタブラケット)16と、エネルギ吸収体24と、ガイドパイプ(ガイド部材)29と結合ピン(棒体状部材)37等を備えている。
【0016】
メインフレーム4は、車両1の車幅方向両側で車両前後方向に延びており、クロスメンバ(図示省略)によって、左右各メインフレーム4の前端部の間が連結される。
【0017】
フロントアンダーランプロテクタブラケット(以下、FUPブラケットと称す)16は、ブラケット部17とガイドブロック部(移動規制手段)18とを有する。ブラケット部17は、複数のボルト等の締結部材19によってメインフレーム4の左側面に固定され下方へ延びる。ガイドブロック部18は、ガイド挿通部20とストッパ部22とを一体的に有しブラケット部17の下部に固定されて前後方向に延びており、ブラケット部17を介してメインフレーム4に支持される。ガイド挿通部20は、前後方向に延びる略直方体状であり、ガイド挿通部20を前後方向に貫通する断面円形のガイド挿通孔21を有する。ストッパ部22は、ガイド挿通部20から後方に連続して前後方向に延び左側方向に開口する断面U字状であり、ガイド挿通部20のガイド挿通孔21の内周面から連続しガイド挿通孔21と略同じ大きさの内径を有するU字状の溝部23を有する。
【0018】
フロントアンダーランプロテクタ(以下、FUPと称す)5は、プロテクタ本体6と、プロテクタ本体6に設けられた1対の板部7と、1対の板部7にそれぞれ形成された1対のピン第1挿通孔(第1挿通孔)15とを有している。プロテクタ本体6は、FUPブラケット16の前方で車幅方向に沿って配置されてメインフレーム4の車幅方向の端部よりも車幅方向に延び、上板8、下板9、前板10及び後板11によって形成される断面矩形の筒状である。プロテクタ本体6の車幅方向の両端部には、それぞれキャップ12が装着されている。後板11のうちFUPブラケット16の前方位置となる左右の後面には、車幅方向に延び前方向に開口するU字板状の補強板13が面接触した状態で固定される。1対の板部7は、上板8及び下板9のうちFUPブラケット16の前方位置の領域によって構成され、前後方向と交叉する上下方向に離間して相対向する。1対のピン第1挿通孔15は、FUPブラケット16の前方位置の上板8及び下板9を上下方向に貫通する。また、補強板13及び後板11には、前後方向に貫通する円形状のガイド挿入孔14が形成されている。
【0019】
エネルギ吸収体24は、本体25と前板(エネルギ吸収体24の一端)26と後板(エネルギ吸収体24の他端)28とを有しており、FUPブラケット16とFUP5との間に介設されている。本体25は、両端が開口する薄肉の金属によって形成される円筒状であり前後方向に直線状に延びている。前板26は、中央部分に設けた本体25の内径と略同じ大きさの貫通孔を有する矩形板状であり、前板26の後面は、本体25の中心軸に前板26の貫通孔の中心を合わせて本体25の前端部に固定される。後板28は、中央部分に設けた本体25の内径と略同じ大きさの貫通孔を有する矩形板状であり、後板28の前面は、本体25の中心軸に後板28の貫通孔の中心を合わせて本体25の後端部に固定される。エネルギ吸収体24は、FUPブラケット16の前方位置で、前板26と後板28とが複数のネジ等の締結部材27によってそれぞれFUP5の後面とガイドブロック部18のガイド挿通部20の前面とに固定され、FUPブラケット16を介してFUP5をメインフレーム4に支持する。
【0020】
ガイドパイプ29は、ガイド部30と連結部34とを有する円筒状である。ガイド部30は、FUP5のガイド挿入孔14の内径とエネルギ吸収体24の内径及びガイドブロック部18のガイド挿通孔21の内径のいずれよりも小さい外径を有する。ガイド部30は、前端部31がFUP5のガイド挿入孔14に挿入され、エネルギ吸収体24の内側とガイド挿通孔21とを挿通し、ガイドブロック部18のストッパ部22の溝部23の内周面に沿って前後方向に直線状に延びている。ガイド部30の前端部31には、前後方向と交叉する上下方向に貫通しFUP5の1対のピン第1挿通孔15と略同じ大きさのピン第2挿通孔32が設けられている。連結部34は、溝部23に露出したガイド部30の後端部33から車幅方向外側に向かって略V字状に曲折して前方に延びる。連結部34の前端には、左右方向に延び前方向に開口する断面U字状の前板35が固定される。前板35は、複数のネジ等の締結部材36によってFUP5の車幅方向の端部に固定される。ガイドパイプ29は、ガイド部30の前端部31がFUP5のガイド挿入孔14に挿入され、連結部34の前板35がFUP5の車幅方向の端部に固定された状態で、FUP5の1対のピン第1挿通孔15とガイド部30のピン第2挿通孔32とが連通する位置に位置決めされる。
【0021】
結合ピン37は、頭部38と本体部39とを一体的に有する棒体状である。頭部38はFUP5の1対のピン第1挿通孔15の内径よりも大きな外径を有する。本体部39は1対のピン第1挿通孔15の内径よりも小さな外径を有する円柱状である。結合ピン37は、図3に示すように、ガイドパイプ29のガイド部30の前端部31がFUP5のガイド挿入孔14に挿入され、1対のピン第1挿通孔15とピン第2挿通孔32とが連通する状態で、FUP5の上方から下方へ向かって1対のピン第1挿通孔15とピン第2挿通孔32とに挿通され、ガイドパイプ29とFUP5とを着脱可能に結合している。FUP5に前方から荷重が作用した場合や、ガイド部30に後方への引張り力が作用した場合にも、結合ピン37が破断することなくFUP5とガイド部30の前端部31との結合が維持されるように、結合ピン37には十分な強度が設定されている。結合ピン37の本体部39の長手方向の長さは、FUP5の上下方向の距離よりも長く設定されており、1対のピン第1挿通孔15とピン第2挿通孔32とに挿通された状態で本体部39の先端部はFUP5の下方へ突出する。突出した本体部39の先端部には結合ピン37の軸方向と交叉する方向に貫通孔40が設けられており、抜け止めピン41が挿通されて、挿通状態にある結合ピン37の抜けを防止する。本体部39の先端部から抜け止めピン41を取外し、結合ピン37を上方へ抜去することによってガイドパイプ29とFUP5との結合を解除することができる。なお、結合ピン37は、FUP5の下方から上方へ向かって挿通されてもよい。
【0022】
本実施形態では、前方から車両1に他の車両が衝突しFUP5に衝撃荷重が入力した場合は、エネルギ吸収体24と、ガイド部30と、連結部34とがFUP5によって後方に押圧される。ガイド部30と連結部34とは、ガイド部30の後端部33で連結してガイドパイプ29を形成しており、共にメインフレーム4に対して固定されていないので、FUP5とともに後方へ移動する。一方、エネルギ吸収体24は、前板26がFUP5の後面に固定され、後板28がFUPブラケット16の前面に固定されてメインフレーム4に対して支持されているので、FUP5とともに移動せず、FUP5からの押圧により潰れ変形をおこす。ガイド部30の移動方向は、ガイド部30がFUPブラケット16に固定されたガイドブロック部18のガイド挿通孔21を挿通しているので前後方向に規制される。このため、エネルギ吸収体24は、エネルギ吸収体24の内側を挿通するガイド部30に沿って前後方向に確実に圧潰される。このように、衝突の態様(衝撃荷重の入力位置や入力方向)による影響を受け難い状態でエネルギ吸収体24が潰れ変形するので、エネルギ吸収体24の圧潰時の変形挙動が安定する。従って、車両1に他の車両が衝突した際の衝撃エネルギを、エネルギ吸収体24の安定した変形挙動によって確実に吸収することができ、他の車両に与える衝撃を好適に緩和することができる。
【0023】
また、前方から車両1の外端部に他の車両が衝突し、FUP5の車幅方向の端部に衝撃荷重が入力した場合は、入力した衝撃荷重は連結部34を介してガイド部30の後端部33に作用し、ガイド部30の後端部33を車幅方向内側の斜め後方に押圧する。この押圧力の前後方向に向かう成分は、ガイド部30を後方へ移動させるように作用し、車幅方向内側に向かう成分は、ガイド部30の後端部33を車幅方向内側に押圧して車幅方向内側に移動させるように作用する。しかし、車幅方向内側に向かう押圧力は、ガイドブロック部18のストッパ部22によって受け止められ、ガイド部30の後端部33の車幅方向内側への移動が規制される。このため、FUP5の車幅方向の端部に入力した衝撃荷重はガイド部30に対する後方への引張り力として作用し、ガイド部30は、ガイドブロック部18のガイド挿通孔21及びストッパ部22の溝部23に沿って後方へ移動しようとする。ガイド部30の前端部31は、結合ピン37によってFUP5に結合されており、結合ピン37は後方への引張り力に対して十分な強度を有しているので、ガイド部30が後方に移動するとFUP5も後方へ移動し、エネルギ吸収体24がFUP5によって前後方向に押圧される。すなわち、FUP5の車幅方向の端部に入力した衝撃荷重は、連結部34及びガイド部30を介して前後方向の押圧力としてエネルギ吸収体24に伝達される。このため、FUP5の車幅方向の端部に入力した衝撃エネルギをエネルギ吸収体24の変形によって効率よく吸収することができ、FUP5の車幅方向の端部の車幅方向内側への曲げ変形が抑制される。従って、前方から車両1の外端部に他の車両が衝突し、FUP5の車幅方向の端部に衝撃荷重が入力した場合であっても、エネルギ吸収体24の安定した変形挙動によって衝撃エネルギを確実に吸収し、他の車両に与える衝撃を好適に緩和することができる。また、FUP5の車幅方向の端部の曲げ変形が抑制されるので、他の車両のもぐり込みを有効に防止することができる。
【0024】
また、FUP5とガイド部30の前端部31とは、図3に示すように、FUP5の1対のピン第1挿通孔15とガイド部30の前端部31のピン第2挿通孔32とに結合ピン37を挿通することによって着脱自在に結合されている。すなわち、結合ピン37の先端部の抜け止めピン41を取外し、挿通された結合ピン37を抜去することによって、FUP5とガイド部30の前端部31との結合を解除することができる。FUP5とガイド部30の前端部31との結合が解除されると、ガイド部30の前端部31を、FUP5のガイド挿入孔14とエネルギ吸収体24の内側とガイドブロック部18のガイド挿通孔21とを通過させて後方へ移動させることが可能となる。このため、図4に示すように、締結部材36で固定されている連結部34とFUP5の車幅方向の端部との固定を解除し、ガイドパイプ29全体を後方に移動させることによって、ガイドパイプ29とエネルギ吸収体24とFUPブラケット16とを容易に分離することができ、ガイドパイプ29とエネルギ吸収体24とFUPブラケット16とを1個のアッセンブリとしてではなく、分離した3個の部品として取り扱うことができる。従って、衝突が発生しガイドパイプ29やエネルギ吸収体24又はFUPブラケット16に破損や潰れ変形が生じた場合であっても、ガイドパイプ29とエネルギ吸収体24とFUPブラケット16とをアッセンブリとして一括して交換する必要はなく、破損等が生じたガイドパイプ29やエネルギ吸収体24又はFUPブラケット16のみを交換すればよいので修理費用を低減することができる。また、ガイドパイプ29とエネルギ吸収体24とFUPブラケット16とを部品単位で取り扱うことができるので、整備時等において、分解や組立て作業が容易となり作業工数が削減される。
【0025】
また、本実施形態では、プロテクタ本体6にガイド挿入孔14が形成されている。このため、FUPブラケット16に対してエネルギ吸収体24を介してFUP5を固定した後にガイドパイプ29を取付ける場合に、ガイド部30の前端部31をFUPブラケット16のガイド挿通孔21に挿入し、連結部34をFUP5の端部の固定位置に合わせることによって、ピン第1挿通孔15に対するピン第2挿通孔32の位置決めを容易に行なうことができ、結合ピン37の挿通作業性が向上する。
【0026】
なお、プロテクタ本体6の形状は本実施形態の断面矩形の筒状に限定されず、例えば後方に開口する断面U字状であってもよい。この場合、後板及び補強板をプロテクタ本体6のFUPブラケット16の前方位置に部分的に設けてもよく、また後板及び補強板を省略してもよい。後板及び補強板を省略した場合はガイド挿入孔が省略される。
【0027】
また、本実施形態では、1対の板部7をプロテクタ本体6の一部である上板8及び下板9によって構成したが、例えば、前後方向と交叉する左右方向に離間して相対向する1対の壁部を、1対の板部としてプロテクタ本体6に固定してもよい。1対の壁部のそれぞれの上端及び下端は、上板8及び下板9の内面に固定される。この場合、左右方向に貫通する1対のピン第1挿通孔を1対の壁部に設け、左右方向に貫通し1対のピン第1挿通孔と連通するピン第2挿通孔をガイド部30の前端部31に設ける。左右方向からピン第1挿通孔及びピン第2挿通孔に結合ピン37を挿通することができるので、FUP5の上方及び下方に結合ピン37の挿通及び抜去のための作業スペースを必要としない。
【0028】
また、ガイド部30の前端部31とFUP5との結合は着脱可能であればよく、結合ピン37による結合に限定されない。例えばボルト及びナット等の締結部材を用いてもよい。
【0029】
また、エネルギ吸収体24の本体25の形状は円筒状に限定されず、例えば矩形筒状等であってもよい。この場合は、ガイドパイプのガイド部の形状は円筒状に限定されず、エネルギ吸収体の形状に合わせて例えば矩形の筒状等であってもよい。また、ガイド挿通部20のガイド挿通孔の形状もガイド部の形状に合わせた断面矩形状等であってもよい。
【0030】
また、ガイドブロック部18のストッパ部22の形状は、本実施形態の断面U字形状に限定されず、ガイドパイプ29の連結部34を介してガイド部30の後端部33に入力する衝撃荷重の車幅方向内側に向かう押圧力を受け止め、ガイド部30の後端部33の車幅方向内側方向への移動を規制し前後方向への移動は許容する形状であればよく、例えば平面形状等であってもよい。
【0031】
また、ガイド挿通孔21を有しガイドパイプ29のガイド部30の移動を前後方向に規制するガイド挿通部20の構造は本実施形態に限定されず、例えばガイド部30の外径よりも大きな内径を有し、FUPブラケット16の左側面に両端部が上下方向に固定されるU字状部材を前後方向に複数個配置して、この複数のU字状部材の内側をガイド部30が挿通することによって、ガイド部30の移動を前後方向に規制する構造等であってもよい。
【0032】
また、ガイドブロック部18はFUPブラケット16を介してメインフレーム4に支持されているが、ガイドブロック部18をメインフレーム4に直接固定してもよい。
【0033】
また、ガイドパイプ29の連結部34の形状は、ガイド部30の後端部33から車幅方向外側に曲折して前方に延びてFUP5の車幅方向の端部に固定される形状であれば本実施形態の略V字状に限定されず、例えば略U字状等であってもよい。
【0034】
また、本実施形態では、アンダーランプロテクタ構造3を、車両1の前方に配置されるフロントアンダーランプロテクタ5に適用したが、図5に示すように、車両1の後方(車体フレームの後部下方)に配置されるリアアンダーランプロテクタ50に適用することも可能である。
【0035】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、貨物車両などの大型車両のアンダーランプロテクタ構造として広く適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 車両
3 アンダーランプロテクタ構造
4 メインフレーム(車体フレーム)
5 フロントアンダーランプロテクタ(アンダーランプロテクタ)
6 プロテクタ本体
7 1対の板部
15 ピン第1挿通孔(第1挿通孔)
16 フロントアンダーランプロテクタブラケット(アンダーランプロテクタブラケット)
20 ガイド挿通部(移動規制手段)
22 ストッパ部(移動規制手段)
24 エネルギ吸収体
26 前板(エネルギ吸収体の一端)
28 後板(エネルギ吸収体の他端)
29 ガイドパイプ(ガイド部材)
30 ガイド部
32 ピン第2挿通孔(第2挿通孔)
34 連結部
37 結合ピン(棒体状部材)
50 リアアンダーランプロテクタ(アンダーランプロテクタ)
図1
図2
図3
図4
図5