特許第5831875号(P5831875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831875
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20151119BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20151119BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20151119BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 641G
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 650M
   G09G3/20 641C
   G09G3/20 621F
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 611E
   G02F1/133 575
   G02F1/133 550
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-31039(P2012-31039)
(22)【出願日】2012年2月15日
(65)【公開番号】特開2013-167766(P2013-167766A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(72)【発明者】
【氏名】森 智彦
(72)【発明者】
【氏名】冨沢 一成
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 誠
(72)【発明者】
【氏名】吉田 悠一
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−302023(JP,A)
【文献】 特開2009−276653(JP,A)
【文献】 特開2009−237352(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/114658(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配置された複数の画素を有する液晶パネルと、
前記液晶パネルの視野角を改善する処理を行う視野角改善部とを備え、
前記液晶パネルは、前半と後半の2つの表示フレームで入力画像を表示し、
前記視野角改善部は、
前記表示フレームごとに、隣り合う2つの画素の一方で前記入力画像の階調よりも高い階調で表示する高階調表示を行うとともに、前記隣り合う2つの画素の他方で前記入力画像の階調よりも低い階調で表示する低階調表示を行い、さらに、各画素において、前記表示フレームごとに前記高階調表示と前記低階調表示とを切り替える処理部と、
次の前記表示フレームにおいて所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素の隣に位置する画素の階調を所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する補正部とを備え、
前記処理部は、前記所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素がある場合に、前記所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素の隣に位置する画素を、前記補正部が補正した階調で表示する、液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置であって、
前記処理部は、
前記入力画像の階調が所定の閾階調よりも低い階調である場合に、隣り合う2つの画素の一方では、前記前半の表示フレームにおいて最小階調よりも高く且つ最大階調よりも低い中間階調で前記高階調表示を行った後、前記後半の表示フレームにおいて前記最小階調で前記低階調表示を行い、
前記入力画像の階調が前記閾階調よりも高い階調である場合に、隣り合う2つの画素の一方では、前記前半の表示フレームにおいて前記最大階調で前記高階調表示を行った後、前記後半の表示フレームにおいて前記中間階調で前記低階調表示を行う、液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液晶表示装置であって、
前記補正部は、前記入力画像の階調が前記閾階調よりも低い階調である場合の前記低階調表示から前記入力画像の階調が前記閾階調よりも高い階調である場合の前記高階調表示に切り替わる画素の隣に位置する画素の階調を、前記所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する、液晶表示装置。
【請求項4】
請求項2に記載の液晶表示装置であって、
前記補正部は、前記入力画像の階調が前記閾階調よりも高い階調である場合の前記低階調表示から前記入力画像の階調が前記閾階調よりも高い階調である場合の前記高階調表示に切り替わる画素の隣に位置する画素の階調を、前記所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する、液晶表示装置。
【請求項5】
請求項2〜4の何れか1項に記載の液晶表示装置であって、
前記所定のオーバーシュート駆動が困難な階調は、前記最大階調を含む所定範囲の階調である、液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液晶表示装置であって、
前記処理部は、
前記入力画像の階調が所定の閾階調よりも低い階調である場合に、隣り合う2つの画素の一方では、前記前半の表示フレームにおいて最小階調で前記低階調表示を行った後、前記後半の表示フレームにおいて前記最小階調よりも高く且つ最大階調よりも低い中間階調で前記高階調表示を行い、
前記入力画像の階調が前記閾階調よりも高い階調である場合に、隣り合う2つの画素の一方では、前記前半の表示フレームにおいて前記中間階調で前記低階調表示を行った後、前記後半の表示フレームにおいて前記最大階調で前記高階調表示を行う、液晶表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液晶表示装置であって、
前記補正部は、前記入力画像の階調が前記閾階調よりも低い階調である場合の前記高階調表示から前記入力画像の階調が前記閾階調よりも低い階調である場合の前記低階調表示に切り替わる画素の隣に位置する画素の階調を、前記所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する、液晶表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載の液晶表示装置であって、
前記補正部は、前記入力画像の階調が前記閾階調よりも高い階調である場合の前記高階調表示から前記入力画像の階調が前記閾階調よりも低い階調である場合の前記低階調表示に切り替わる画素の隣に位置する画素の階調を、前記所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する、液晶表示装置。
【請求項9】
請求項6〜8の何れか1項に記載の液晶表示装置であって、
前記所定のオーバーシュート駆動が困難な階調は、前記最小階調を含む所定範囲の階調である、液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルを備える液晶表示装置に関し、特に液晶パネルの視野角が改善される液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを備える液晶表示装置が知られている。液晶表示装置においては、液晶パネルの視野角を改善することが提案されている。例えば、国際公開2010/71221号には、時分割で(例えば表示フレームごとに)階調を変化させる画像処理方法が開示されている。
【0003】
上記公報に記載の画像処理方法では、高階調の画像及び低階調の画像が交互に表示される。そのため、液晶パネルの視野角を改善することができる。
【0004】
しかしながら、上記公報に記載の画像処理方法を実行すると、画像全体の階調(表示フレーム全体の輝度)が大きく変化する。そのため、フリッカが生じ易くなる。
【0005】
このようなフリッカを改善するために、液晶パネルの隣り合う画素で高階調表示と低階調表示とを行うとともに、各画素において時分割で高階調表示と低階調表示とを切り替える方法が考えられる。これにより、画像全体の階調が大きく変化しなくなる。そのため、上述のようなフリッカの発生を防止できる。
【0006】
ところで、液晶表示装置では、液晶パネルの応答速度を向上させるために、オーバーシュート駆動を行うことが提案されている(例えば、国際公開2006/98244号参照)。
【0007】
しかしながら、高階調表示と低階調表示とを切り替える場合には、オーバーシュート駆動ができないことがある。具体的には、例えば、切替後の階調が最大階調又は最小階調である場合には、オーバーシュート駆動ができない。この場合、表示フレーム全体の輝度が所定の輝度とは異なる輝度になってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開2010/71221号
【特許文献2】国際公開2006/98244号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、液晶パネルの視野角を改善しつつ、オーバーシュート駆動をしたときの表示フレーム全体の輝度変化を抑えることができる液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、視野角改善部とを備える。液晶パネルは、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。視野角改善部は、液晶パネルの視野角を改善する処理を行う。視野角改善部は、処理部と、補正部とを備える。処理部は、隣り合う2つの画素の一方で入力画像の階調よりも高い階調で表示する高階調表示を行うとともに、隣り合う2つの画素の他方で入力画像の階調よりも低い階調で表示する低階調表示を行い、さらに、各画素において、表示フレームごとに高階調表示と低階調表示とを切り替える。補正部は、次の表示フレームにおいて所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素の隣に位置する画素の階調を所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する。処理部は、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素がある場合に、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素の隣に位置する画素を、補正部が補正した階調で表示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、液晶パネルの視野角を改善しつつ、オーバーシュート駆動をしたときの表示フレーム全体の輝度変化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、液晶パネルの視認方向の違いによる階調レベルの差を示す図である。
図3図3は、視野角を改善する処理の概要を示す図である。
図4図4は、変換部が行う階調変換の一例を示す図である。
図5図5は、入力画像の階調が閾階調よりも低い場合において、前半が低階調表示であり、後半が高階調表示である場合を示す図である。
図6図6は、入力画像の階調が閾階調である場合において、前半が低階調表示であり、後半が高階調表示である場合を示す図である。
図7図7は、入力画像の階調が閾階調よりも大きい場合において、前半が低階調表示であり、後半が高階調表示である場合を示す図である。
図8図8は、入力画像の階調が閾階調よりも低い場合において、前半が高階調表示であり、後半が低階調表示である場合を示す図である。
図9図9は、入力画像の階調が閾階調である場合において、前半が高階調表示であり、後半が低階調表示である場合を示す図である。
図10図10は、入力画像の階調が閾階調よりも高い場合において、前半が高階調表示であり、後半が低階調表示である場合を示す図である。
図11図11は、表示態様1から表示態様3に切り替わるときのオーバーシュート駆動を説明するタイムチャートである。
図12図12は、表示態様3が連続するときのオーバーシュート駆動を説明するタイムチャートである。
図13図13は、表示態様4が連続するときのオーバーシュート駆動を説明するタイムチャートである。
図14図14は、表示態様6から表示態様4に切り替わるときのオーバーシュート駆動を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、視野角改善部とを備える。液晶パネルは、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。視野角改善部は、液晶パネルの視野角を改善する処理を行う。視野角改善部は、処理部と、補正部とを備える。処理部は、隣り合う2つの画素の一方で入力画像の階調よりも高い階調で表示する高階調表示を行うとともに、隣り合う2つの画素の他方で入力画像の階調よりも低い階調で表示する低階調表示を行い、さらに、各画素において、表示フレームごとに高階調表示と低階調表示とを切り替える。補正部は、次の表示フレームにおいて所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素の隣に位置する画素の階調を所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する。処理部は、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素がある場合に、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素の隣に位置する画素を、補正部が補正した階調で表示する(第1の構成)。
【0014】
第1の構成においては、表示フレームごとに高階調表示と低階調表示とが切り替えられる。そのため、液晶パネルの視野角が改善される。
【0015】
ここで、第1の構成においては、隣り合う2つの画素の一方で高階調表示が行われるとともに、他方で低階調表示が行われ、さらに、画素ごとに高階調表示と低階調表示とが切り替えられる。そのため、表示フレーム全体の輝度が大きく変化しない。その結果、フリッカの発生が抑えられる。
【0016】
液晶パネルの応答速度を向上させる場合、オーバーシュート駆動が行われる。低階調表示から高階調表示に切り替わるときにオーバーシュート駆動をする場合、目標とする階調は、表示すべき階調よりも高い階調に設定される。高階調表示から低階調表示に切り替わるときにオーバーシュート駆動をする場合、目標とする階調は、表示すべき階調よりも低い階調に設定される。
【0017】
ここで、高階調表示と低階調表示とが切り替わるときに、所定のオーバーシュート駆動が困難な場合がある。例えば、低階調表示から高階調表示に切り替わるときに表示すべき階調が最大階調である場合や、高階調表示から低階調表示に切り替わるときに表示すべき階調が最小階調である場合には、オーバーシュート駆動をするときの目標とする階調が設定できない。そのため、所定のオーバーシュート駆動ができない。
【0018】
また、表示すべき階調が最大階調又は最小階調でなくても、これらの階調に近い階調である場合には、オーバーシュート駆動をするときの目標とする階調を、本来目標とすべき階調に設定できない。そのため、所定のオーバーシュート駆動ができない。
【0019】
所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素の輝度は、所定の輝度と異なる。そのため、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素がある場合には、表示フレーム全体の輝度が所定の輝度とは異なる輝度になってしまう。
【0020】
ここで、第1の構成においては、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素がある場合、その隣に位置する画素の階調は、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正される。つまり、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調で表示される画素における輝度の変化を、その隣に位置する画素の輝度を変化させることで、補うことができる。その結果、表示フレーム全体の輝度を所定の輝度に近づけることができる。
【0021】
なお、所定のオーバーシュート駆動とは、その表示フレームで本来表示すべき階調に到達させるためのオーバーシュート駆動である。
【0022】
第1の構成において、処理部は、入力画像の階調が所定の閾階調よりも低い階調である場合に、最小階調よりも高く且つ最大階調よりも低い中間階調で高階調表示を行った後、最小階調で低階調表示を行い、入力画像の階調が閾階調よりも高い階調である場合に、最大階調で高階調表示を行った後、中間階調で低階調表示を行う(第2の構成)。
【0023】
第2の構成において、補正部は、入力画像の階調が閾階調よりも低い階調である場合の低階調表示から入力画像の階調が閾階調よりも高い階調である場合の高階調表示に切り替わる画素の隣に位置する画素の階調を、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する(第3の構成)。
【0024】
第2の構成において、補正部は、入力画像の階調が閾階調よりも高い階調である場合の低階調表示から入力画像の階調が閾階調よりも高い階調である場合の高階調表示に切り替わる画素の隣に位置する画素の階調を、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する(第4の構成)。
【0025】
第2〜第4の構成の何れか1つにおいて、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調は、最大階調を含む所定範囲の階調である(第5の構成)。この場合、低階調表示から切り替わった高階調表示の階調が、最大階調のときだけでなく、最大階調に近い階調のときであっても、表示フレーム全体の輝度を所定の輝度に近づけることができる。
【0026】
第1の構成において、処理部は、入力画像の階調が所定の閾階調よりも低い階調である場合に、最小階調で低階調表示を行った後、最小階調よりも高く且つ最大階調よりも低い中間階調で高階調表示を行い、入力画像の階調が閾階調よりも高い階調である場合に、中間階調で低階調表示を行った後、最大階調で高階調表示を行う(第6の構成)。
【0027】
第6の構成において、補正部は、入力画像の階調が閾階調よりも低い階調である場合の高階調表示から入力画像の階調が閾階調よりも低い階調である場合の低階調表示に切り替わる画素の隣に位置する画素の階調を、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する(第7の構成)。
【0028】
第6の構成において、補正部は、入力画像の階調が閾階調よりも高い階調である場合の高階調表示から入力画像の階調が閾階調よりも低い階調である場合の低階調表示に切り替わる画素の隣に位置する画素の階調を、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する(第8の構成)。
【0029】
第6〜第8の構成の何れか1つにおいて、所定のオーバーシュート駆動が困難な階調は、最小階調を含む所定範囲の階調である(第9の構成)。この場合、高階調表示から切り替わった低階調表示の階調が、最小階調のときだけでなく、最小階調に近い階調のときであっても、表示フレーム全体の輝度を所定の輝度に近づけることができる。
【0030】
以下、本発明のより具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、以下で参照する図面においては、説明を分かりやすくするために、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0031】
[実施形態]
図1に、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置10の概略構成を示す。液晶表示装置10は、液晶パネル12と、視野角改善部14とを備える。視野角改善部14は、処理部16を備える。処理部16は、変換部18と、出力部20と、判定部22と、補正部24とを含む。なお、図1では、液晶パネル12を駆動するソースドライバ及びゲートドライバ等の図示は省略している。
【0032】
液晶パネル12は、透過型の液晶パネルであってもよいし、反射型や半透過型の液晶パネルであってもよい。液晶パネル12における液晶の動作モードは、特に限定されない。
【0033】
液晶パネル12は、複数の画素121を有する。複数の画素121は、マトリクス状に配置されている。
【0034】
液晶パネル12は、特に図示しないが、アクティブマトリクス基板と、アクティブマトリクス基板に対向して配置される対向基板と、これらの基板間に封入される液晶層とを備える。
【0035】
アクティブマトリクス基板は、複数の薄膜トランジスタと、複数の画素電極と、複数のゲート配線と、複数のソース配線とを備える。対向基板は、対向電極を備える。液晶パネル12が有する画素121は、アクティブマトリクス基板が有する画素電極を含んで構成される。
【0036】
薄膜トランジスタは、ゲート電極を有する。ゲート電極は、ゲート配線を介して、ゲートドライバに接続されている。ゲートドライバは、垂直同期信号を参照して、ゲート電圧をゲート配線に出力する。
【0037】
薄膜トランジスタは、ソース電極を有する。ソース電極は、ソース配線を介して、ソースドライバに接続されている。ソースドライバは、入力される画像信号に基づいて、階調表示に必要な信号(駆動電圧)を生成する。ソースドライバは、水平同期信号を参照して、駆動電圧をソース配線に出力する。このとき、ゲート電圧がゲート電極に印加されている薄膜トランジスタを介して、画素電極と対向電極との間に位置する液晶に駆動電圧が印加される。これにより、各画素の階調表示が可能になる。
【0038】
視野角改善部14は、入力される画像信号の階調を変換して液晶パネル12に出力し、液晶パネル12の視野角特性を改善する。
【0039】
ここで、図2を参照しながら、液晶パネル12の視野角特性について説明する。液晶パネル12は、液晶層に電圧を印加し、液晶層内の液晶分子の配向状態を変化させることで、光の透過率を調整する。液晶パネル12は、表示面に対する視認方向によって液晶分子の配向状態が相対的に変化する。そのため、他の表示装置に比べると視野角が狭い。例えば、図2に示すように、表示面を正面から見た場合の階調レベル(正面階調レベル)に対し、表示面を斜め方向(例えば45度)から見た場合の階調レベル(斜め階調レベル)は異なる階調レベルになる。
【0040】
このような液晶パネル12の視野角特性は、以下に説明する画像処理方法によって改善される。
【0041】
処理部16は、図3に示すように、隣り合う画素121で高階調表示(図3の斜線部分)及び低階調表示(図3の白色部分)を行うとともに、表示フレームごと(図3の表示フレーム1,2)に高階調表示と低階調表示とを切り替える。これにより、各表示フレームにおいて、各画素121の階調が、斜め方向から見た場合でも階調や色味が大きく変化し難い階調に変換される。その結果、液晶パネル12の視野角特性が改善される。なお、このような画像処理方法が行われても、表示フレーム全体の輝度は、全ての画素が有する輝度の平均として認識される。そのため、液晶パネル12に表示される画像の輝度が所定の輝度(入力画像の輝度)と大きく相違することはない。
【0042】
ここで、変換部18は、出力画像の輝度が目的とする輝度となるように、入力画像の階調を入力画像の階調よりも高い階調と低い階調とに変換する。入力画像の階調と出力画像の階調とは、例えば、図4に示すような関係にある。高階調で表示する場合、変換部18は、図4の実線で示す関係に基づいて、入力画像の階調を変換する。低階調で表示する場合、変換部18は、図4の破線で示す関係に基づいて、入力画像の階調を変換する。
【0043】
さらに詳しく説明すると、入力画像の階調が所定の閾階調よりも低い場合、変換部18は、低階調表示の階調を最小階調にし、高階調表示の階調を最小階調より高く且つ最大階調よりも低い中間階調にする。入力画像の階調が閾階調である場合、変換部18は、低階調表示の階調を最小階調にし、高階調表示の階調を最大階調にする。入力画像の階調が閾階調よりも大きい場合、変換部18は、低階調表示の階調を最小階調より高く且つ最大階調より低い中間階調にし、高階調表示の階調を最大階調にする。例えば、256階調の場合、最低階調は0階調であり、最大階調は255階調であり、閾階調は180階調である。なお、閾階調は、例えば、液晶の応答速度、目標とする輝度等に応じて、適宜、変更されるものである。
【0044】
出力部20は、変換部18が変換した階調信号を液晶パネル12に出力する。これにより、液晶パネル12の視野角が改善される。
【0045】
ここで、出力部20が液晶パネル12に出力する階調信号について説明する。液晶パネル12では、各画素121において、高階調表示と低階調表示とが交互に行われる。
【0046】
図3において、表示フレーム1が低階調表示であり、表示フレーム2が高階調表示である画素121の場合、出力部20は、図5図7に示す階調信号を出力する。図5は、入力画像の階調が閾階調よりも低い場合において、前半が低階調表示であり、後半が高階調表示である場合(表示態様1)を示す。図6は、入力画像の階調が閾階調である場合において、前半が低階調表示であり、後半が高階調表示である場合(表示態様2)を示す。図7は、入力画像の階調が閾階調よりも大きい場合において、前半が低階調表示であり、後半が高階調表示である場合(表示態様3)を示す。
【0047】
図3において、表示フレーム1が高階調表示であり、表示フレーム2が低階調表示である画素121の場合、出力部20は、図8図10に示す階調信号を出力する。図8は、入力画像の階調が閾階調よりも低い場合において、前半が高階調表示であり、後半が低階調表示である場合(表示態様4)を示す。図9は、入力画像の階調が閾階調である場合において、前半が高階調表示であり、後半が低階調表示である場合(表示態様5)を示す。図10は、入力画像の階調が閾階調よりも高い場合において、前半が高階調表示であり、後半が低階調表示である場合(表示態様6)を示す。
【0048】
ところで、液晶パネル12の応答速度は、他の表示パネル(例えば、プラズマディスプレイパネル)よりも遅い。これは、電圧を印加しても、液晶分子の配向が直ちに変化しないことによる。液晶パネル12の応答速度を向上させるため、出力部20は、オーバーシュート駆動を行う。
【0049】
ここで、図3において、表示フレーム1が低階調表示であり、表示フレーム2が高階調表示である画素121の階調が変化するときに、出力部20がオーバーシュート駆動を行う場合について考える。この場合、表1に示すように、立ち上がり応答のときに、オーバーシュート駆動ができない場合がある。
【0050】
【表1】
【0051】
立ち上がり応答のときにオーバーシュート駆動ができない理由について、以下に説明する。
【0052】
立ち上がり応答のときにオーバーシュート駆動をする場合、目標とする階調を表示すべき階調よりも高く設定する必要がある。ところが、表1において、表示態様1から表示態様3に変化する場合及び表示態様3が連続する場合には、表示フレームが切り替わるときに、中間階調又は最小階調で表示する低階調表示から最大階調で表示する高階調表示へと階調表示が変化する。最大階調よりも高い階調を目標とする階調に設定することはできない。そのため、オーバーシュート駆動ができない。
【0053】
表示態様1から表示態様3に切り替わる場合、図11に示すように、表示フレーム1の表示期間では、液晶の応答が完了しない。そのため、本来表示すべき階調に到達しない。その結果、画素の輝度が低下する。
【0054】
ここで、判定部22は、次に表示する表示フレームにおいて、オーバーシュート駆動ができない画素があるか判定する。
【0055】
補正部24は、判定部22によってオーバーシュート駆動ができないと判定された画素の隣に位置する画素の階調を、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する。図11に示すように、所定のオーバーシュート駆動が行われる階調よりも高い階調が目標とする階調に設定される。そのため、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が行われる。その結果、画素の輝度が上昇する。
【0056】
つまり、液晶パネル12においては、オーバーシュート駆動ができない画素で低下した輝度を、隣の画素の輝度を上昇させることで補うことができる。その結果、表示フレーム全体の輝度が変化するのを抑えられる。
【0057】
なお、表示フレーム1でオーバーシュート駆動ができなかった画素は、表示フレーム2において、オーバーシュート駆動が可能になる。そのため、表示フレーム2では、表示フレーム1でオーバーシュート駆動ができなかった画素において、オーバーシュート駆動が行われる。
【0058】
表示フレーム1で所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動を行えば、表示フレーム1で所定のオーバーシュート駆動を行う場合よりも、入力階調に近い波形を得ることができる。
【0059】
表示態様3から表示態様3に切り替わる場合、図12に示すように、表示フレーム1の表示期間では、液晶の応答が完了しない。そのため、本来表示すべき階調に到達しない。その結果、画素の輝度が低下する。
【0060】
ここで、判定部22は、次に表示する表示フレームにおいて、オーバーシュート駆動ができない画素があるか判定する。
【0061】
補正部24は、判定部22によってオーバーシュート駆動ができないと判定された画素の隣に位置する画素の階調を、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する。図12に示すように、所定のオーバーシュート駆動が行われる階調よりも高い階調が目標とする階調に設定される。そのため、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が行われる。その結果、画素の輝度が上昇する。
【0062】
つまり、オーバーシュート駆動ができない画素で低下した輝度を、隣の画素の輝度を上昇させることで補うことができる。その結果、表示フレーム全体の輝度が変化するのを抑えられる。
【0063】
なお、表示フレーム1でオーバーシュート駆動ができなかった画素は、表示フレーム2において、オーバーシュート駆動が可能になる。そのため、表示フレーム2では、表示フレーム1でオーバーシュート駆動ができなかった画素において、オーバーシュート駆動が行われる。
【0064】
表示フレーム1で所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動を行えば、表示フレーム1で所定のオーバーシュート駆動を行う場合よりも、入力階調に近い波形を得ることができる。
【0065】
続いて、図3において、表示フレーム1が高階調表示であり、表示フレーム2が低階調表示である画素121の階調が変化するときに、出力部20がオーバーシュート駆動を行う場合について考える。この場合、表2に示すように、立ち下がり応答のときに、オーバーシュート駆動ができない場合がある。
【0066】
【表2】
【0067】
立ち下がり応答のときにオーバーシュート駆動ができない理由について、以下に説明する。
【0068】
立ち下がり応答のときにオーバーシュート駆動をする場合、目標とする階調を表示すべき階調よりも低く設定する必要がある。ところが、表2において、表示態様4が連続する場合及び表示態様6から表示態様4に変化する場合には、表示フレームが切り替わるときに、中間階調又は最大階調で表示する高階調表示から最小階調で表示する低階調表示へと階調表示が変化する。最小階調よりも低い階調を目標とする階調に設定することはできない。そのため、オーバーシュート駆動ができない。
【0069】
表示態様4から表示態様4に切り替わる場合、図13に示すように、表示フレーム1の表示期間では、液晶の応答が完了しない。そのため、本来表示すべき階調に到達しない。その結果、画素の輝度が上昇する。
【0070】
ここで、判定部22は、次に表示する表示フレームにおいて、オーバーシュート駆動ができない画素があるか判定する。
【0071】
補正部24は、判定部22によってオーバーシュート駆動ができないと判定された画素の隣に位置する画素の階調を、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する。図13に示すように、所定のオーバーシュート駆動が行われる階調よりも低い階調が目標とする階調に設定される。そのため、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が行われる。その結果、画素の輝度が低下する。
【0072】
つまり、液晶パネル12においては、オーバーシュート駆動ができない画素で上昇した輝度を、隣の画素の輝度を低下させることで補うことができる。その結果、表示フレーム全体の輝度が変化するのを抑えられる。
【0073】
なお、表示フレーム1でオーバーシュート駆動ができなかった画素は、表示フレーム2において、オーバーシュート駆動が可能になる。そのため、表示フレーム2では、表示フレーム1でオーバーシュート駆動ができなかった画素において、オーバーシュート駆動が行われる。
【0074】
表示フレーム1で所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動を行えば、表示フレーム1で所定のオーバーシュート駆動を行う場合よりも、入力階調に近い波形を得ることができる。
【0075】
表示態様6から表示態様4に切り替わる場合、図14に示すように、表示フレーム1の表示期間では、液晶の応答が完了しない。そのため、本来表示すべき階調に到達しない。その結果、画素の輝度が上昇する。
【0076】
ここで、判定部22は、次に表示する表示フレームにおいて、オーバーシュート駆動ができない画素があるか判定する。
【0077】
補正部24は、判定部22によってオーバーシュート駆動ができないと判定された画素の隣に位置する画素の階調を、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が可能な階調に補正する。図14に示すように、所定のオーバーシュート駆動が行われる階調よりも低い階調が目標とする階調に設定される。そのため、所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動が行われる。その結果、画素の輝度が低下する。
【0078】
つまり、オーバーシュート駆動ができない画素で上昇した輝度を、隣の画素の輝度を低下させることで補うことができる。その結果、表示フレーム全体の輝度が変化するのを抑えられる。
【0079】
なお、表示フレーム1でオーバーシュート駆動ができなかった画素は、表示フレーム2において、オーバーシュート駆動が可能になる。そのため、表示フレーム2では、表示フレーム1でオーバーシュート駆動ができなかった画素において、オーバーシュート駆動が行われる。
【0080】
表示フレーム1で所定のオーバーシュート駆動よりも強めのオーバーシュート駆動を行えば、表示フレーム1で所定のオーバーシュート駆動を行う場合よりも、入力階調に近い波形を得ることができる。
【0081】
[実施形態の応用例1]
本応用例では、判定部22は、高階調表示の階調が最大階調に近い階調である場合にも、オーバーシュート駆動ができないと判定する。そのため、表示フレーム全体の輝度を所定の輝度に近づけることができる。
【0082】
[実施形態の応用例2]
本応用例では、判定部22は、低階調表示の階調が最小階調に近い場合にも、オーバーシュート駆動ができないと判定する。そのため、表示フレーム全体の輝度を所定の輝度に近づけることができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について、詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、上述の実施形態によって、何等、限定されない。
【0084】
例えば、入力画像の階調が中間階調の場合にのみ、変換部18が入力画像の階調を高階調表示の階調と低階調表示の階調とに変換してもよい。
【0085】
表1では、表示態様1から表示態様3に切り替わる場合及び表示態様3から表示態様3に切り替わる場合に、強めのオーバーシュート駆動を行っていたが、例えば、表示態様2から表示態様3に切り替わる場合に、強めのオーバーシュート駆動を行ってもよい。
【0086】
表2では、表示態様4から表示態様4に切り替わる場合及び表示態様6から表示態様4に切り替わる場合に、強めのオーバーシュート駆動を行っていたが、例えば、表示態様5から表示態様4に切り替わる場合に、強めのオーバーシュート駆動を行ってもよい。
【符号の説明】
【0087】
10:液晶表示装置、12:液晶パネル、14:視野角改善部、16:処理部、24:補正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14