特許第5831990号(P5831990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5831990アゾール誘導体およびその製造方法、該誘導体の中間体化合物、ならびに農園芸用薬剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831990
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】アゾール誘導体およびその製造方法、該誘導体の中間体化合物、ならびに農園芸用薬剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 233/60 20060101AFI20151126BHJP
   C07D 249/08 20060101ALI20151126BHJP
   C07D 405/06 20060101ALI20151126BHJP
   C07C 69/757 20060101ALI20151126BHJP
   C07C 67/343 20060101ALI20151126BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20151126BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20151126BHJP
   A01N 43/50 20060101ALI20151126BHJP
   A01N 47/02 20060101ALI20151126BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20151126BHJP
【FI】
   C07D233/60 101
   C07D249/08 519
   C07D405/06CSP
   C07C69/757 B
   C07C67/343
   A01P3/00
   A01N43/653 C
   A01N43/50 C
   A01N47/02
   !C07B61/00 300
【請求項の数】15
【全頁数】110
(21)【出願番号】特願2012-524809(P2012-524809)
(86)(22)【出願日】2010年12月7日
(65)【公表番号】特表2013-512858(P2013-512858A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】JP2010007118
(87)【国際公開番号】WO2011070771
(87)【国際公開日】20110616
【審査請求日】2013年9月4日
(31)【優先権主張番号】特願2009-278593(P2009-278593)
(32)【優先日】2009年12月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001100
【氏名又は名称】株式会社クレハ
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】荒木 信行
(72)【発明者】
【氏名】山崎 徹
(72)【発明者】
【氏名】草野 信之
(72)【発明者】
【氏名】今井 央由
(72)【発明者】
【氏名】菅野 久
(72)【発明者】
【氏名】森 勝
(72)【発明者】
【氏名】三宅 泰司
【審査官】 早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−093574(JP,A)
【文献】 特開平01−186871(JP,A)
【文献】 特開平01−301664(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第03902031(DE,A1)
【文献】 特開平05−271197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C07C
A01N
A01P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体。
(式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子、またはC〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、もしくはC2〜C6のアルキニル基を示す。ただし、RaとRbとは、同時に水素原子ではなく、上記アルキル基、上記アルケニル基および上記アルキニル基の水素原子は、XaまたはXbで置換されていてもよい。
XaおよびXbは、ハロゲン原子を示す。
naは、0または、Raにおける水素原子のうちXaに置換されている水素原子の個数を示し、nbは、0または、Rbにおける水素原子のうちXbに置換されている水素原子の個数を示す。
ただし、「na+nb」は、1以上である。naが2以上の場合、Xaは同一でも異なっていても良い。nbが2以上の場合、Xbは同一でも異なっていても良い。
Yは、ハロゲン原子、C〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のハロアルコキシ基、フェニル基、シアノ基、またはニトロ基を示す。mは、0〜5を示す。mが2以上の場合、Yは同一でも異なっていても良い。Aは、窒素原子またはメチン基を示す。)
【請求項2】
上記一般式(I)中、RaおよびRbにおける上記アルキル基、上記アルケニル基および上記アルキニル基は、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C2〜C4のアルキニル基であり、
Xa及びXbは、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
na及びnbは、0〜5であり、
Yは、ハロゲン原子、C〜C3のアルキル基、C1〜C3のハロアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、またはC1〜C3のハロアルコキシ基を示し、
mは、0〜3であり、
Aは、窒素原子である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアゾール誘導体。
【請求項3】
上記一般式(I)中、RaおよびRbにおける上記アルキル基は、C1〜C3アルキル基であり、
XaおよびXbは、塩素原子、または臭素原子を示し、
naおよびnbは、0〜3であり、
Yは、ハロゲン原子、C1〜C2のアルキル基、C1〜C2のハロアルキル基、C1〜C2ハロアルコキシ基を示し、
mは、0〜2である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアゾール誘導体。
【請求項4】
上記一般式(I)中、na、nbおよびmはいずれも0〜1であり、Yはハロゲン原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアゾール誘導体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体の中間体化合物であって、下記一般式(XI)で示されることを特徴とする中間体化合物。
(式(XI)中、R1は、C〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を示す。
R2は、C〜C4のアルキル基を示す。該式(XI)中、Y及びmは前記一般式(I)におけるY及びmと同義である。)
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体の中間体化合物であって、下記一般式(XVI)で示されることを特徴とする中間体化合物。
(式(XVI)中、Ra、Xa、na、A、Y及びmは、前記一般式(I)におけるRa、Xa、na、A、Y及びmと同義である。)
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体の中間体化合物であって、下記一般式(XX)で示されることを特徴とする中間体化合物。
(式(XX)中、R3は、低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基あるいは置換されていてもよいナフチル基を示す。該式(XX)中、A、Y及びmは、前記一般式(I)におけるA、Y及びmと同義である。)
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体の製造方法であって、
下記一般式(II)で示す中間体化合物におけるハロゲン原子と置換可能な脱離基を、ハロゲン原子に置換することにより、下記一般式(Ia)で示す化合物を得る工程を含むことを特徴とするアゾール誘導体の製造方法。

(式(II)及び(Ia)中、Ra1、Rb1は、それぞれ独立して、水素原子、またはC〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、およびC2〜C6アルキニル基を示し、C〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、およびC2〜C6アルキニル基は、Xa1、Xb1、La、LbまたはZで置換されていてもよい。該式(II)及び(Ia)中、Xa1及びXb1は、それぞれ前記一般式(I)におけるXa、Xbと同義である。また該式(II)及び(Ia)中、Y、m及びAは前記一般式(I)におけるY、m及びAと同義である。
Zは、ハロゲン原子を示す。
La、Lbは、ハロゲン原子と置換可能な脱離基を示す。
na1、nb1は、Ra1、Rb1上におけるXa1、Xb1の個数を示す。pa、pbは、Ra1、Rb1上におけるLa、Lbの個数を示す。「na1+pa」は、0または、R a1における水素原子のうちXa1及びLaもしくはZに置換されている水素原子の個数を示す。「nb1+pb」は、0または、Rb1における水素原子のうちXb1及びLbもしくはZに置換されている水素原子の個数を示す。「pa+pb」は、1以上の整数である。na1が2以上の場合、Xa1は同一でも異なっていても良い。nb1が2以上の場合、Xb1は同一でも異なっていても良い。)
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体の製造方法であって、 下記一般式(V)で示すカルボニル化合物をオキシラン化して得られる下記一般式(III)で示すオキシラン誘導体と、下記一般式(IV)で示す化合物と、を反応する工程を含むことを特徴とするアゾール誘導体の製造方法。
(式(V)及び式(III)中、Ra、Rb、Xa、Xb、na、nb、Y及びmは、前記一般式(I)におけるRa、Rb、Xa、Xb、na、nb、Y及びmと同義である。
式(IV)中、Mは、水素原子もしくはアルカリ金属を示す。該式(IV)中、Aは、前記一般式(I)におけるAと同義である。)
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体の製造方法であって、 下記一般式(XVI)で示すオキセタン化合物を、ハロゲン酸を用いて開環する工程を含むことを特徴とするアゾール誘導体の製造方法。
(前記式(XVI)中、Ra、Xa、na、A、Y及びmは、前記一般式(I)におけるRa、Xa、na、A、Y及びmと同義である。)
【請求項11】
請求項5に記載の中間体化合物の製造方法であって、
下記一般式(XII)で示す2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステル誘導体と、ホルムアルデヒド又はその等価体と、を反応する工程を含むことを特徴とする中間体化合物の製造方法。
(式(XII)中、R1及びR2は、前記一般式(XI)中におけるR1及びR2と同義であり、該式(XII)中、Y及びmは前記一般式(I)におけるY及びmと同義である。)
【請求項12】
請求項7に記載の中間体化合物の製造方法であって、
下記一般式(XIX)で示す2,2−ビスヒドロキシメチルシクロペンタノール誘導体をオキセタン環化するとともにスルホンエステル化する工程を含むことを特徴とする中間体化合物の製造方法。
(式(XIX)中、A、Y及びmは前記一般式(I)におけるA、Y及びmと同義である。)
【請求項13】
下記一般式(Id)で示される、請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体の中間体化合物の製造方法であって、
請求項7に記載のスルホンエステルを還元することにより、下記式(XXI)で示す中間体化合物を得る工程を含むことを特徴とする中間体化合物の製造方法。
(式(Id)中、Xb、A、Y及びmは前記一般式(I)におけるXb、A、Y及びmと同義である。)
(式(XXI)中、A、Y及びmは前記一般式(I)におけるA、Y及びmと同義である。)
【請求項14】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体を有効成分として含有する、農園芸用薬剤
【請求項15】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアゾール誘導体を有効成分として含有する、工業用材料保護剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のアゾール誘導体に関する。また、該誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤及び工業用材料保護剤、並びに該誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の2−置換−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体には、殺菌活性を示すものが知られている(例えば、特許文献1・2参照)。
【0003】
また、2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体に包含される一部の化合物が、抗痙攣性や抗不安緩解性活性を示すことが報告されている(特許文献3参照)。なお、特許文献3には、農園芸用薬剤及び工業用材料保護剤に関する記載はなく、本発明に包含される化合物は具体的に開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平01−93574号公報
【特許文献2】特開平01−186871号公報
【特許文献3】独国特許出願公開第3902031号明細書
【特許文献4】特開平05−271197号公報
【特許文献5】特開平01−301664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用病害防除剤が求められている。加えて、種々の農作物や園芸植物の成長を調節して収量を増加させてその品質を高める効果を示す植物生長調節剤、または工業用材料を侵す広範な有害微生物から材料を保護する効果を示す工業用材料保護剤も求められている。
【0006】
本発明は、上記の要望に応える農園芸用薬剤及び工業用材料保護剤を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明者らは、2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体の化学構造と生理活性を詳細に検討した。そして、その結果、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体(具体的には、2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体)が優れた活性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は係る新規知見に基づいてなされたものであり、以下の発明を包含する。
【0008】
すなわち、本発明に係るアゾール誘導体は、下記一般式(I)で示される構造を有することを特徴としている。
【化1】
(式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子、またはC〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、もしくはC2〜C6のアルキニル基を示す。ただし、RaとRbとは、同時に水素原子ではなく、上記アルキル基、上記アルケニル基および上記アルキニル基の水素原子は、XaまたはXbで置換されていてもよい。
XaおよびXbは、ハロゲン原子を示す。
naは、0または、Raにおける水素原子のうちXaに置換されている水素原子の個数を示し、nbは、0または、Rbにおける水素原子のうちXbに置換されている水素原子の個数を示す。
ただし、「na+nb」は、1以上である。naが2以上の場合、Xaは同一でも異なっていても良い。nbが2以上の場合、Xbは同一でも異なっていても良い。
Yは、ハロゲン原子、C〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のハロアルコキシ基、フェニル基、シアノ基、またはニトロ基を示す。
mは、0〜5を示す。mが2以上の場合、Yは同一でも異なっていても良い。
Aは、窒素原子またはメチン基を示す。)
【0009】
本発明に係るアゾール誘導体は、上記の構成を有することにより、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有するという効果を奏する。
【0010】
また、本発明に係るアゾール誘導体は、上記一般式(I)中、RaおよびRbにおける上記アルキル基、上記アルケニル基および上記アルキニル基がC1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C2〜C4のアルキニル基であり、XaおよびXbがフッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、naおよびnbが0〜5であり、Yがハロゲン原子、C〜C3のアルキル基、C1〜C3のハロアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、またはC1〜C3のハロアルコキシ基を示し、mが0〜3であり、Aが窒素原子であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るアゾール誘導体は、上記一般式(I)中、RaおよびRbにおける上記アルキル基がC1〜C3のアルキル基であり、XaおよびXbが塩素原子、または臭素原子を示し、naおよびnbが0〜3であり、Yがハロゲン原子、C1〜C2のハロアルキル基、C1〜C2のハロアルコキシ基を示し、mが0〜2であることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係るアゾール誘導体は、上記一般式(I)中、na、nb及びmがいずれも0〜1であり、Yがハロゲン原子であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、以下に示すアゾール誘導体の中間体を包含する。
【0014】
本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物は、下記一般式(XI)で示す3−ヒドロキシメチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステル誘導体であることを特徴としている。
【化2】
(式(XI)中、R1は、C〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を示す。R2は、C〜C4のアルキル基を示す。)
【0015】
また、本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物は、下記一般式(XVI)で示すオキセタン化合物であることを特徴としている。
【化3】
【0016】
さらに、本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物は、下記一般式(XX)で示すオキセタンスルホンエステル誘導体であることを特徴としている。
【化4】
(式(XX)中、R3は、低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基あるいはナフチル基を示す。)
【0017】
さらに、本発明は、上記アゾール誘導体の製造方法として以下の発明を包含する。
【0018】
本発明に係るアゾール誘導体の製造方法は、下記一般式(II)で示される中間体化合物におけるハロゲン原子と置換可能な脱離基をハロゲン原子と置換することにより下記一般式(Ia)で示す化合物を得る工程を含むことを特徴としている。
【化5】
【化6】
(式(II)及び(Ia)中、RaおよびRbは、Xa、Xb、La、Lb、またはZで置換されていても良い。
Zは、ハロゲン原子を示す。
LaおよびLbは、ハロゲン原子と置換可能な脱離基を示す。
「na1+pa」は、0または、Raにおける水素原子のうちXaおよびLaもしくはZに置換された水素原子の個数を示す。「nb1+pb」は、0または、Rbにおける水素原子のうちXおよびLもしくはZに置換された水素原子の個数を示す。「pa+pb」は、1以上である。na1が2以上の場合、Xaは同一でも異なっていても良い。nb1が2以上の場合、Xbは同一でも異なっていても良い。)
【0019】
また、本発明に係るアゾール誘導体の製造方法は、さらに、下記一般式(V)で示すカルボニル化合物をオキシラン化して得られる下記一般式(III)で示すオキシラン誘導体と、下記一般式(IV)で示す化合物と、を反応する工程を含む、ことを特徴としている。
【化7】
【化8】
【化9】
(式(IV)中、Mは、水素原子もしくは、アルカリ金属を示す。)
【0020】
また、本発明に係るアゾール誘導体の製造方法は、さらに、下記一般式(XVI)で示すオキセタン化合物を、ハロゲン酸を用いて開環する工程を含むことを特徴としている。
【化10】
【0021】
また、本発明は、アゾール誘導体の中間体化合物の製造方法として以下の発明を包含する。
【0022】
本発明に係る中間体化合物の製造方法は、下記一般式(XII)で示す2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステル誘導体と、ホルムアルデヒド又はその等価体と、を反応する工程を含むことを特徴としている。
【化11】
【0023】
また、本発明に係る中間体化合物の製造方法は、さらに、下記一般式(XIX)で示す2,2−ビスヒドロキシメチルシクロペンタノール誘導体をオキセタン環化するとともにスルホンエステル化する工程を含むことを特徴としている。
【化12】
【0024】
また、本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物の製造方法は、さらに、一般式(XX)で示すオキセタンスルホンエステル誘導体のスルホンエステルを還元することにより、下記式(XXI)で示す中間体化合物を得る工程を含むことを特徴としている。
【化13-A】
【化13-B】
【0025】
なお、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤または工業用材料保護剤も本発明の範疇に含まれる。
【0026】
また、本明細書等において、各一般式において同一の官能基(または原子)を規定している符号は同一の符号を付してその詳細な説明については省略している。例えば、一般式(I)において示されるRaと、異なる一般式において示されているRaとは、同一のものを示している。もちろん、Raに限らず、他の官能基(または原子)も同様である。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るアゾール誘導体は、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有する。従って、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤は、広汎な植物病害に対して高い防除効果を発揮することができる効果を奏する。
【0028】
また、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤は、種々の農作物や園芸植物の成長を調節して収量を増加させると共に、その品質を高める効果も併せて奏する。
【0029】
さらに、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する工業用材料保護剤は、工業用材料を侵す広範な有害微生物からより一層効果的に工業用材料を保護することができる効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。なお、説明は以下の順序で行う。

1.2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体
(1)Xa・Xb・na・n
(2)(Ra)Xana・(R)Xn
(3)Y・m
(4)A
(5)立体異性体
(6)具体例
2.2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体の製造方法
(1)溶媒
(2)塩基・酸
(3)化合物(I)の第一製造方法
(3−1)工程1A
(3−2)工程1B
(3−3)工程1C
(3−3−1)工程1C1
(3−3−2)工程1C2
(3−3−3)工程1C3
(3−4)工程1D
(3−4−1)工程1D1
(3−4−2)工程1D2
(3−4−3)工程1D3
(4)化合物(I)の第二製造方法
(4−1)工程2A
(4−1−1)工程2A1
(4−1−2)工程2A2
(4−2)工程2B
(4−2−1)工程2B1
(4−2−2)工程2B2
(5)化合物(I)の第三製造方法
(5−1)工程3A
(5−1−1)工程3A1
(5−1−2)工程3A2
(6)化合物(I)の第四製造方法
(6−1)工程4A
(6−1−1)工程4A1
(6−1−2)工程4A2
(6−1−3)工程4A3
(6−1)工程4B
(6−2−1)工程4B1
(6−2−2)工程4B2
(6−2−3)工程4B3
(6−2)工程4C
(6−3−1)工程4C1
(6−3−2)工程4C2
(6−3−3)工程4C3
3.農園芸用薬剤・工業用材料保護剤
(1)植物病害防除効果
(2)植物生長作用
(3)工業材料保護効果
(4)製剤
【0031】
1.2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体
本発明に係る下記一般式(I)で示される2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体(以下、化合物(I)と称する)について説明する。化合物(I)は、シクロペンタン環上の2位に結合した炭化水素置換基であって、ハロゲン置換した炭化水素置換基を有する。化合物(I)は、文献未記載の新規化合物である。
【0032】
【化14】
【0033】
以下、化合物(I)中の各記号(Ra、Rb、Xa、Xb、na、nb、Y、m、A)の具体例について説明する。なお、他の化合物を示す一般式中の各記号(Ra1,Ra2,Rb1,Rb2,Xa1,Xa2,Xb1,Xb2,na1,na2,nb1,nb2)の定義内容はここに示した(Ra、Rb、Xa、Xb、na、nb)と同義である。
【0034】
(1)Xa・Xb・na・n
Xa、Xbとしては、ハロゲン原子を挙げることができる。
ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。これらの中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
【0035】
naは、0または、RaにおけるXaと置換し得る水素の個数を示す。nは、0または、RbにおけるXbと置換し得る水素の個数を示す。na、nは、好ましくは0〜5の範囲で、より好ましくは0〜3であり、0〜1が特に好ましい。ただし、「na+nb」は、1以上の整数とする。naが2以上の場合、Xaは同一でも異なっていても良い。nbが2以上の場合、Xbは同一でも異なっていても良い。
【0036】
(2)(Ra)Xana・(R)Xn
まず、naが0の場合、Raとしては、次の置換基を挙げることができる。
【0037】
水素原子:ただし、RaとRbは、同時に水素原子ではない。Raが水素原子である場合には、RaはXaに置換されない。もちろん、Rbも同様である。
【0038】
C〜C6アルキル基:具体的には、メチル基、エチル基、(1−メチル)エチル基、n-プロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n-ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、および1,1−ジメチルエチル基を挙げることができる。このうち、C〜C4アルキル基が好ましく、C〜C3アルキル基が特に好ましい。
【0039】
C2〜C6アルケニル基:具体的には、エテニル基、1,2−ジメチルエテニル基、4−メチル−1,3−ブタジエニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、3−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、および3−メチル−3−ブテニル基を挙げることができる。このうち、C2〜C4アルケニル基が好ましい。
【0040】
C2〜C6アルキニル基:具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、および2−ブチニル基を挙げることができる。このうち、C2〜C4アルキニル基が好ましい。
【0041】
nが0の場合の(R)Xnは、naが0の場合の(Ra)Xanaと同様である。
【0042】
次に、naが1〜3の場合、(Ra)Xanaとしては、次の置換基を挙げることができる。
【0043】
C〜C6アルキル基:具体的には、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、1−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、3−クロロプロピル基、2,3−ジクロロプロピル基、1−クロロ−1−メチルエチル基、2−クロロ−1−メチルエチル基、2−クロロプロピル基、4−クロロブチル基、5−クロロペンチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、1−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、2,3−ジフルオロプロピル基、1−フルオロ−1−メチルエチル基、2−フルオロ−1−メチルエチル基、2−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−ブロモエチル基、1−ブロモエチル基、2,2−ジブロモエチル基、1,2−ジブロモエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、2,3−ジブロモプロピル基、1−ブロモ−1−メチルエチル基、2−ブロモ−1−メチルエチル基、2−ブロモプロピル基、4−ブロモブチル基、5−ブロモペンチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、2−ヨードエチル基、1−ヨードエチル基、2,2−ジヨードエチル基、1,2−ジヨードエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、2,3−ジヨードプロピル基、1−ヨード−1−メチルエチル基、2−ヨード−1−メチルエチル基、2−ヨードプロピル基、および4−ヨードブチル基等のハロゲン置換C〜C6アルキル基を挙げることができる。このうち、C〜C4アルキル基が好ましく、C1〜C3アルキル基が特に好ましい。
【0044】
C2〜C6アルケニル基:具体的には、2−クロロエテニル基、2,2−ジクロロエテニル基、2−クロロ−2−プロペニル基、3,3−ジクロロ−2−プロペニル基、2,3−ジクロロ−2−プロペニル基、3,3−ジクロロ−2−メチル−2−プロペニル基、3−クロロ−2−ブテニル基、2−フルオロエテニル基、2,2−ジフルオロエテニル基、2−フルオロ−2−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基、2,3−ジフルオロ−2−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−2−メチル−2−プロペニル基、3−フルオロ−2−ブテニル基、2−ブロモエテニル基、2,2−ジブロモエテニル基、2−ブロモ−2−プロペニル基、3,3−ジブロモ−2−プロペニル基、2,3−ジブロモ−2−プロペニル基、3,3−ジブロモ−2−メチル−2−プロペニル基、3−ブロモ−2−ブテニル基、2−ヨードエテニル基、2,2−ジヨードエテニル基、2−ヨード−2−プロペニル基、3,3−ジヨード−2−プロペニル基、および2,3−ジヨード−2−プロペニル基等のハロゲン置換C2〜C6アルケニル基を挙げることができる。このうち、C2〜C4アルケニル基が好ましい。
【0045】
C2〜C6アルキニル基:具体的には、2−フルオロエチニル基、2−クロロエチニル基、3−フルオロ−2−プロピニル基、3−クロロ−2−プロピニル基、および3−ブロモ−2−プロピニル基等のハロゲン置換C2〜C6アルキニル基を挙げることができる。このうち、C2〜C4アルキニル基が好ましい。
【0046】
nが1〜3の場合の (R)Xnは、naが1〜3の場合の(Ra)Xanaと同様である。
【0047】
(3)Y・m
Yとしては、次の置換基を挙げることができる。
【0048】
ハロゲン原子:具体的には、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0049】
C〜Cのアルキル基:具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、n-ブチル基、および1,1−ジメチルエチル基等を挙げることができる。
【0050】
C〜Cのハロアルキル基:具体的には、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、およびブロモメチル基等を挙げることができる。
【0051】
C〜Cアルコキシ基:具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基等を挙げることができる。
【0052】
C〜Cハロアルコキシ基:具体的には、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基等を挙げることができる。
【0053】
なお、Yは、フェニル基、シアノ基、あるいはニトロ基であってもよい。
【0054】
Yは、好ましくはハロゲン原子、C〜C3のハロアルキル基、C〜C 3ハロアルコキシ基、C〜C 3アルキル基、およびC〜C 3アルコキシ基であり、特に好ましくはハロゲン原子、C1〜C2のハロアルキル基、およびC 1〜C 2ハロアルコキシ基である。
【0055】
mは、0〜5の整数を示す。mが2以上の場合、Yはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ここで、mは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
【0056】
(4)A
Aとしては、窒素原子またはメチン基を挙げることができる。より好ましくは、Aは窒素原子である。
【0057】
(5)立体異性体
化合物(I)には、下記一般式(I−C)、(I−T)で示す立体異性体(C型およびT型)が存在する。化合物(I)は、いずれかの異性体単体でもよく、混合物でもよい。なお、下記一般式では、1位の水酸基と5位のベンジル基がシス型であるものの相対立体配置を(I−C)とし、トランス型であるものの相対立体配置を(I−T)としている。
【0058】
【化15】
【0059】
(6)具体例
上述の(Ra)Xana、(Rb)Xbnb 、Ym、A及び異性体型の組み合わせにより、化合物(I)として、以下の「表1」〜「表13」に記載する化合物を例示することができる。
【0060】
各表の見方は、以下の通りである。
1)(Ra)Xanaの欄
(Ra)Xanaをひとつの置換基として記載した。Raが水素原子である場合を除き、(Ra)Xanaの左端の水素原子の不足した炭素原子で化合物(I)中のシクロペンタン環に結合しているものとする。ここで、ハロゲン原子が(Ra)Xanaにない場合はna=0の場合である。
2)(Rb)Xbnbの欄
(Rb)Xbnbをひとつの置換基として記載した。Rbが水素原子である場合を除き、(Rb)Xbnbの左端の水素原子の不足した炭素原子で化合物(I)中のシクロペンタン環に結合しているものとする。ここで、ハロゲン原子が置換基上にない場合はnb=0の場合である。
3)Ymの欄
「−」は未置換(m=0)であることを示す。「-(ハイフン)」の前の数字はフェニル環上に置換基を有する場合において、シクロペンタン環と結合した炭素原子と結合している炭素原子を1位とした結合位置を示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】
【0074】
2.2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体の製造方法
次に、化合物(I)の製造方法について説明する。以下に説明する本発明に係る製造方法の各工程において使用される溶媒、塩基、酸等は、特に言及しない限り、次のようなものを用いることができる。
【0075】
(1)溶媒
使用される溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、通常、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、石油エーテル、ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類等を挙げることができる。この他、溶媒としては、水、アセトニトリル、酢酸エチル、無水酢酸、酢酸、ピリジン、ジメチルスルホキシド等も使用可能である。これらの溶媒は、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0076】
また、溶媒としては、互いに均一な層を形成することのない溶媒からなる溶媒組成物も挙げられる。この場合には、反応系に相間移動触媒、例えば、慣用の第4アンモニウム塩またはクラウンエーテルを添加してもよい。
【0077】
(2)塩基・酸
上述の溶媒には、塩基または酸を添加してもよい。
【0078】
用いられる塩基は、特に限定されない。塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属水素化合物、n-ブチルリチウム等のアルカリ金属の有機金属化合物;ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類;リチウムジイソプロピルアミド等のアルカリ金属アミド類;トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ−7−[5.4.0]ウンデセン等の有機アミン類等を挙げることができる。
【0079】
また、用いられる酸は、特に限定されない。酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ロジウム、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸を挙げることができる。
【0080】
本明細書における「ハロゲン酸」は、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、およびヨウ化水素を意味している。ハロゲン酸は、気体、液体、および水溶液のいずれであってもよい。また、適当な有機溶媒に溶解させた溶液として用いてもよい。
【0081】
(3)化合物(I)の第一製造方法
(3−1)工程1A
次いで、本発明に係る製造方法について説明する。この製造方法の1つの実施形態は、下記一般式(II)で示される化合物における所定の官能基をハロゲン原子で置換することにより、下記一般式(Ia)で示される2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体を得る工程(工程1A)を含む(下記反応式(1)参照)。下記一般式(II)で示される化合物は、シクロペンタン環第2位の置換基上に脱離基を有する化合物である。以下、一般式(II)で示される化合物を「化合物(II)」と称し、一般式(Ia)で示される化合物を「化合物(Ia)」と称する。
【0082】
反応式(1)
【化16】
【0083】
ここで、Y、m、Aは、上述した通りである。また、Xa1およびXb1は、それぞれXa、Xbと同義である。
【0084】
Zは、ハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることが特に好ましい。
【0085】
Ra1、Rb1は、それぞれ独立して、水素原子、またはC〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、およびC2〜C6アルキニル基を示す。C〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、およびC2〜C6アルキニル基は、Xa1、Xb1、La、LbまたはZで置換されていてもよい。
【0086】
La、Lbは、ハロゲン原子と置換可能な脱離基を示す。
【0087】
na1、nb1は、Ra1、Rb1上におけるXa1、Xb1の個数を示す。pa、pbは、Ra1、Rb1上におけるLa、Lbの個数を示す。「na1+pa」は、0または、R a1における水素原子のうちXa1及びLaもしくはZに置換されている水素原子の個数を示す。「nb1+pb」は、0または、Rb1における水素原子のうちXb1及びLbもしくはZに置換されている水素原子の個数をを示す。「pa+pb」は、1以上の整数である。na1が2以上の場合、Xa1は同一でも異なっていても良い。nb1が2以上の場合、Xb1は同一でも異なっていても良い。
【0088】
脱離基をハロゲン原子と置換する方法としては、(a)パラトルエンスルホニルオキシ基やメタンスルホニルオキシ基等の置換スルホニルオキシ基を有する化合物を溶媒中、ハロゲン化塩で置換する方法、(b)水酸基やアルコキシ基を塩酸または臭化水素酸を用いて置換する方法、(c)ハロゲン化リンを用いて水酸基を置換する方法、(d)水酸基をハロゲン化チオニルと反応させる方法等を挙げることができる。
【0089】
上記(a)〜(d)として示した置換方法うち、特に(a)として示した方法を用いることが好ましい。以下に、(a)として示した方法の詳細を説明する。
【0090】
(a)として示した方法における反応は、通常、化合物(II)とフッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウム、塩化カリウム、臭化リチウム、臭化マグネシウム、およびヨウ化ナトリウム等のハロゲン化塩とを溶媒中で混合することにより行なわれる。
【0091】
化合物(II)に対するハロゲン化塩の使用量は通常0.1〜100倍モルであり、好ましくは0.8〜20倍モルである。また、反応温度としては、通常0〜250℃であり、室温〜200℃が好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であり、好ましくは0.2時間〜2日である。
【0092】
(3−2)工程1B
工程1Aで使用される一般式(IIa)で示される化合物(以下、「化合物(IIa)」と称する))は、下記一般式(VI)で示される化合物(「化合物(VI)」)と、一般式(XV)で示される置換スルホニルクロリド(「化合物(XV)」)と、を反応させる工程(「工程1B」)により得られる(下記反応式(2)参照)。化合物(IIa)は、置換スルホニルオキシ基で置換された置換基を2位に有する5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体である。化合物(VI)は、水酸基で置換された置換基を2位に有する5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体である。
【0093】
反応式(2)
【化17】
【0094】
ここで、Y、m、Aは、上述した通りである。また、Xa2およびXb2は、それぞれXa、Xbと同一である。また、La1は、ハロゲン原子と置換可能な置換スルホニルオキシ基を示す。
【0095】
Ra2、Rb2はそれぞれ独立して、水素原子、またはC〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基を示す。C〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基は、Xa2、Xb2または水酸基で置換されていてもよい。
【0096】
na2、nb2は、Ra2、Rb2上におけるXa2、Xb2の個数を示す。pa1、pb1は、Ra2、Rb2上における水酸基やLa1の個数を示す。「na2+pa1」は、0、又はRa2における水素原子のうちXa2および水酸基もしくはLa1に置換されている水素原子の個数を示す。「nb2+pb1」は、0、又はRb2における水素原子のうちXb2および水酸基もしくはLa1に置換されている水素原子の個数を示す。「pa1+pb1」は、1以上の整数である。na2が2以上の場合、Xa2は同一でも異なっていても良い。nb2が2以上の場合、Xb2は同一でも異なっていても良い。
【0097】
一般式(XV)におけるRは、低級アルキル基、フェニル基あるいはナフチル基を示す。低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、およびトリフルオロメチル基等を挙げることができる。フェニル基およびナフチル基は、置換されていてもよい。置換されていてもよいフェニル基およびナフチル基としては、例えば、4−メチルフェニル基、2−ニトロフェニル基、5−ジメチルアミノナフチル基を挙げることができる。このうち、メチル基、4−メチルフェニル基であることが好ましい。
【0098】
化合物(VI)に対する化合物(XV)の使用量は通常0.5〜10倍モルであり、好ましくは0.8〜5倍モルである。また、塩基を添加しなくても反応が進行する場合もあるが、通常、発生する塩化水素を除くために、塩基を添加することが好ましい。その場合、化合物(VI)に対する塩基の使用量は、通常0〜5倍モル以下(0は含まない)であり、好ましくは0.5〜3倍モルである。
【0099】
使用される塩基としては、特に限定されない。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属水素化合物や、およびトリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン等の有機アミン類等を挙げることができる。
【0100】
反応温度は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができる。反応温度は、−50℃〜200℃であることが好ましく、−20℃〜150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができる。反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜1日であることがより好ましい。
【0101】
(3−3)工程1C
工程1Bで使用される化合物(VI)は、公知の方法(例えば、特許文献4参照)を用いて製造すればよい。ただし、2位にヒドロキシメチル基とアルキル基を有する化合物(VIa)については、以下に示す合成法を用いて製造することが好ましい。
【0102】
まず、下記一般式(IX)で示されるカルボニル化合物(以下、「化合物(IX)」と称する)をオキシラン化して、下記一般式(VIII)で示されるオキシラン誘導体(「化合物(VIII)」)を得る。次に、得られた化合物(VIII)と、下記一般式(IV)で示される1,2,4−トリアゾール若しくはイミダゾール化合物(「化合物(IV)」)とを反応させることにより、下記一般式(VII)で表される化合物(「化合物(VII)」)を得る。そして、化合物(VII)中、Gで示される水酸基の保護基を脱保護することにより、化合物(VIa)を合成する。一連の反応工程(「工程1C」)を、下記反応式(3)に示す。
【0103】
反応式(3)
【化18】
【0104】
ここで、Y、m、Aは、上述した通りである。
【0105】
R1は、C〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、またはC2〜C6のアルキニル基を示す。これらのアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基の具体例は、上述したRaおよびRbにおける具体例と同一であるため、詳細な例示については省略する。
【0106】
Gは、保護基を表し、化合物(VIa)を化合物(VII)から製造することができれば、特に限定されない。保護基としては、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基、t−ブチル基およびメチル基等の低級アルキル基、ならびに置換又は無置換ベンジル基等を挙げることができる。
【0107】
Mは、水素原子もしくは、アルカリ金属を示す。
【0108】
(3−3−1)工程1C1
本工程1Cにおいて、化合物(IX)をオキシラン化して、化合物(VIII)を得る工程(工程1C1)について説明する。
【0109】
まず、化合物(VIII)の好適な第一の合成方法として、化合物(IX)をジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類またはジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等の硫黄イリドと溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。
【0110】
用いられるスルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類は、溶媒中、スルホニウム塩(例えば、トリメチルスルホニウムヨージドもしくはトリメチルスルホニウムブロミド等)またはスルホキソニウム塩(例えばトリメチルスルホキソニウムヨージドもしくはトリメチルスルホキソニウムブロミド等)と、塩基とを反応させることにより生成させることができる。
【0111】
用いられるスルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類の量は、前記化合物(IX)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
【0112】
用いられる溶媒は特に限定されない。溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類ならびにこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0113】
スルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を挙げることができる。
【0114】
反応温度及び反応時間は、用いられる溶媒、化合物(IX)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には、−100℃〜200℃であることが好ましく、−50℃〜150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、好適には0.1時間〜数日であることが好ましく、より好適には0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0115】
次に、化合物(IX)をヨウ化サマリウム及びジヨードメタンと溶媒中で反応させた後、塩基で処理する方法を、化合物(VIII)の第2の合成方法として、以下に説明する。
【0116】
塩基は、特に限定されない。塩基としては、例えば水酸化ナトリウム等を用いることができる。用いられるヨウ化サマリウムは、無水溶媒中で、金属サマリウムと、1,2-ジヨードエタン若しくはジヨードメタンとを反応させることにより生成させることができる。用いられる溶媒は、溶媒は特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類を用いることができる。
【0117】
化合物(IX)に対する塩基の量は、特に限定されないが、通常0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜6倍モルであることがより好ましい。また、塩基で処理する場合は無水系である必要はないため、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等を用いてもよい。
【0118】
反応温度および反応時間は、用いられる溶媒、化合物(IX)、塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には-100℃〜150℃であることが好ましく、-50℃〜100℃であることがより好ましい。また、反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、より好適には0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0119】
(3−3−2)工程1C2
次に、本工程1Cにおいて、化合物(VIII)と化合物(IV)とを反応させ、化合物(VII)を得る工程(工程1C2)について説明する。
【0120】
化合物(VII)は、化合物(VIII)と化合物(IV)とを溶媒中で混合することにより、オキシラン誘導体(化合物(VIII))においてオキシラン環を構成する炭素原子と1,2,4−トリアゾール若しくはイミダゾールの窒素原子との間に炭素−窒素結合が生成することで製造される。
【0121】
溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類を挙げることができる。
【0122】
化合物(VIII)に対する化合物(IV)の使用量は通常0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜5倍モルであることがより好ましい。また、所望により塩基を添加してもよい。化合物(IV)に対する塩基の使用量は通常0〜5倍モル(0は含まない)であることが好ましく、0.5〜2倍モルであることがより好ましい。
【0123】
反応温度は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができる。反応温度としては、0℃〜250℃であることが好ましく、10℃〜150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができる。反応時間としては、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0124】
また、上述のように、化合物(VII)は、化合物(VIII)を生成させた後、段階的に化合物(IV)と反応させて製造することができる。しかし、前述した第一の合成方法において、オキシラン化反応のみを単独で行った場合には、オキセタン誘導体の様な副生成物が生成して、収率低下を招くことがある。この収率低下を回避するためには、化合物(VIII)を生成させながら、アゾール化を行えばよい(下記反応式(4)参照)。
【0125】
反応式(4)
【化19】
【0126】
ここで、Y、m、A、R1、G、Mは、上述した通りである。
【0127】
この場合、まず、前記化合物(IX)と化合物(IV)とをアミド結合を持つ極性溶媒若しくは、ジメチルスルホキシド又は極性溶媒とアルコールとの混合溶媒に溶解する。そして、これにトリメチルスルホニウム塩又はトリメチルスルホキソニウム塩と塩基とを間欠的に加え、反応系内でジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類またはジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等を発生させることにより、化合物(VIII)を生成させながらアゾール化を行う。
【0128】
ここで用いられる溶媒は、特に限定されない。溶媒としては、好ましくは、N−メチルピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド結合を持つ極性溶媒、又はジメチルスルホキシド、若しくは極性溶媒とアルコールとの混合溶媒等を挙げることができる。アルコールとしては、t−ブタノールを用いることができる。
【0129】
スルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物、またはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を挙げることができる。また、1,2,4−トリアゾールまたはイミダゾールのアルカリ金属塩を使用してもよい。
【0130】
反応温度は、用いられる溶媒、化合物(IX)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度としては、−100℃〜250℃であることが好ましく、−50℃〜200℃であることがより好ましい。また、反応時間は、用いられる溶媒、化合物(IX)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応時間としては、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0131】
また、トリメチルスルホニウムハライド又はトリメチルスルホニウムハライドと塩基とを間欠的に加える際の回数については、所定の目的を達成することができる回数であれば、特に限定されるものではない。回数としては、例えば、それぞれ通常2〜20回であることが好ましく、3〜15回であることがより好ましい。トリメチルスルホニウム塩又はトリメチルスルホキソニウム塩の合計の使用量は、化合物(IX)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
【0132】
化合物(IX)に対する化合物(IV)の使用量は、通常0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜5倍モルであることがより好ましい。化合物(IV)は、Mがアルカリ金属塩であるものを使用することが好ましい。
【0133】
なお、アゾリルメチルシクロアルカノール誘導体の製造においてオキシラン誘導体を生成させながらアゾール化を行う方法の詳細な工程については、特許文献5を参照すればよい。
【0134】
(3−3−3)工程1C3
続いて、本工程1Cにおいて、化合物(VII)の保護基を脱保護することにより、化合物(VIa)を得る工程(工程1C3)について説明する。
【0135】
ここで、保護基の種類により好適な条件が異なるが、例えば、メトキシメチル基もしくはエトキシメチル基等のアルコキシメチル基またはt−ブチル基やメチル基等の低級アルキル基を使用する場合は溶媒中、塩化水素や硫酸等の酸性条件下における脱保護が好まし。
【0136】
ここで使用される好適な酸としては、塩化水素等のハロゲン化水素または硫酸等の無機酸を使用する。使用量は特に限定されないが、化合物(VII)に対する酸の使用量は、通常、0.5倍モル〜100倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜20倍モルである。
【0137】
反応温度は、通常0℃〜200℃であることが好ましく、室温〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であることが好ましく、好ましくは0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0138】
(3−4)工程1D
工程1Cで使用される化合物(IX)は、以下の方法により好適に合成可能である。
【0139】
すなわち、まず、下記一般式(XII)で示されるケトエステル化合物(以下、「化合物(XII)」と称する)をヒドロキシメチル化することによって、下記一般式(XI)で示される化合物(「化合物(XI)」)を得る。次に、化合物(XI)の水酸基に、例えばメトキシメチル基またはt−ブチル基等の保護基を導入し、下記一般式(X)で示される化合物(「化合物(X)」)に誘導する。そして、化合物(X)を、加水分解・脱炭酸することにより、下記一般式(XI)で表されるカルボニル化合物(「化合物(XI)」)を得る。一連の反応工程(「工程1D」)を、下記反応式(5)に示す。
【0140】
反応式(5)
【化20】
【0141】
ここで、Y、m、R1、Gは、上述した通りである。
【0142】
R2は、C〜C4アルキル基を示す。R2におけるアルキル基の具体例は、上述したRaおよびRbにおける具体例と同一であるため、詳細な例示については省略する。
【0143】
(3−4−1)工程1D1
本工程1Dにおいて、 化合物(XII)をヒドロキシメチル化して化合物(XI)を得る工程(工程1D1)においては、溶媒中、塩基存在下、ホルムアルデヒドと反応させる方法を用いればよい。
【0144】
化合物(XII)に対するホルムアルデヒドの使用量は、通常、0.5倍モル〜20モルであり、好ましくは0.8倍モル〜10倍モルである。
【0145】
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩や水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。化合物(XII)に対する塩基の使用量は、通常、0.1倍モル〜10倍モルであり、好ましくは0.2倍モル〜5倍モルである。
【0146】
反応温度は、通常0℃〜250℃であることが好ましく、0〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であることが好ましく、好ましくは0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0147】
なお、ここで使用される化合物(XII)は、公知の方法(例えば、特許文献1に開示されている方法)を用いて製造すればよい。
【0148】
(3−4−2)工程1D2
次に、本工程1Dにおいて、化合物(XI)の水酸基に保護基を導入し、化合物(X)を得る工程(工程1D2)について説明する。
【0149】
水酸基を保護する保護基としては、特に限定されないが、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基またはt−ブチル基等の低級アルキル基が好ましく使用できる。これらの保護基の導入は酸性触媒条件下、(a)アルコキシメチル基の導入の場合は、ホルムアルデヒドジアルキルアセタールを使用し、化合物(XII)中の水酸基をアセタール交換により行うのが好適である。また、(b)t−ブチル基の導入の場合は、イソブテンを使用し、化合物(XII)中の水酸基を付加させる方法が好適に利用できる。
【0150】
まず、上記(a)の場合について説明する。
【0151】
酸として、塩酸、りん酸(5酸化2リンの様にアルコールや水の添加により酸基が生成する化合物を含む)、および硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を用いる。これらの酸の存在下、溶媒中若しくは無溶媒中で、ホルムアルデヒドジアルキルアセタールを使用することが好ましい。また、5酸化2リンのように生成するアルコールを除去できる化合物の添加がより好ましい。
【0152】
化合物(XI)に対するホルムアルデヒドジアルキルアセタールの使用量は、通常0.5倍モル〜50倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜10倍モルである。化合物(XI)に対する酸の使用量は、通常0.01倍モル〜10倍モルであり、好ましくは0.05倍モル〜5倍モルである。
【0153】
反応温度は、通常0℃〜250℃であることが好ましく、0〜150℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0154】
上記(b)の場合は、塩酸、りん酸および硫酸等の無機酸、またはp−トルエンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸等の有機酸存在下、溶媒中でイソブテンと反応させることが好ましい。
【0155】
化合物(XI)に対するイソブテンの使用量は、通常0.5倍モル〜100倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜20倍モルである。化合物(XI)に対する酸の使用量は、通常0.01倍モル〜10倍モルであり、好ましくは0.05倍モル〜5倍モルである。
【0156】
反応温度は、通常0℃〜200℃であることが好ましく、0〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0157】
(3−4−3)工程1D3
続いて、本工程1Dにおいて、化合物(X)を加水分解/脱炭酸して化合物(IX)を得る工程(工程1D3)について説明する。
【0158】
この反応は、溶媒中、塩基存在下で行うことが好適である。塩基には、通常、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基を使用する。化合物(X)に対する塩基の使用量は、通常0.1倍モル〜50倍モルであり、好ましくは0.2倍モル〜20倍モルである。
【0159】
溶媒には、通常、水の他、アルコール類などを加えた水、互いに均一な層を形成することのない溶媒(水−トルエン等)からなる溶媒組成物中(この場合、反応系に相間移動触媒、例えば、慣用の第4アンモニウム塩を使用することが好ましい場合がある)が用いられる。
【0160】
反応温度は、通常0℃〜還流点であることが好ましく、室温〜還流点であることがより好ましい。反応時間は、通常、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜24時間であることがより好ましい。
【0161】
(4)化合物(I)の第二製造方法
(4−1)工程2A
本発明に係る製造方法の他の実施形態について説明する。この実施形態は、下記一般式(V)で示されるカルボニル化合物をオキシラン化して得られる下記一般式(III)で示されるオキシラン誘導体と、化合物(IV)とを反応させることにより、化合物(I)を得る工程(工程2A)を含む(下記反応式(6)参照)。以下、一般式(V)で示されるカルボニル化合物を「化合物(V)」と称し、一般式(III)で示されるオキシラン誘導体を「化合物(III)」と称する。
【0162】
反応式(6)
【化21】
【0163】
ここで、Ra、Rb、Xa、Xb、na、nb、Y、m、A、Mは、上述した通りである。
【0164】
(4−1−1)工程2A1
まず、化合物(V)をオキシラン化して化合物(III)を得る反応(工程2A1)について説明する。
【0165】
化合物(III)の好適な第一の合成方法として、化合物(V)をジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類またはジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等の硫黄イリドと溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。
【0166】
スルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類は、溶媒中、スルホニウム塩(例えば、トリメチルスルホニウムヨージドおよびトリメチルスルホニウムブロミド等)またはスルホキソニウム塩(例えばトリメチルスルホキソニウムヨージドおよびトリメチルスルホキソニウムブロミド等)と、塩基とを反応させることにより生成させることができる。塩基は、特に限定されないが、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物またはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、およびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等が好適に用いられる。
【0167】
スルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類の量は、化合物(V)に対して0.5〜5倍モル、好適には0.8〜2倍モルとすることが好ましい。
【0168】
溶媒は、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシドまたはN−メチルピロリドンやN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類およびこれらの混合溶媒等が用いられる。
【0169】
反応温度は、用いられる溶媒や化合物(V)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、塩基等の種類によって適宜設定することができるが、好適には−100℃〜200℃であり、より好適には−50℃〜150℃である。反応時間は、用いられる溶媒、化合物(V)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、塩基等の種類によって適宜設定することができるが、好適には0.1時間〜数日であり、より好適には0.5時間〜2日である。
【0170】
化合物(III)の好適な第二の合成方法として、化合物(V)をヨウ化サマリウム及びジヨードメタンと溶媒中で反応させた後、塩基で処理する方法を挙げることができる。用いられる塩基は、特に限定されず、例えば水酸化ナトリウム等を用いることができる。
【0171】
ヨウ化サマリウムの量は、化合物(V)に対して0.5〜10倍モル、好適には1〜6倍モルとするのが好ましい。ジヨードメタンの量は、化合物(V)に対して0.5〜10倍モル、好適には0.8〜5倍モルとするのが好ましい。ヨウ化サマリウムは、無水溶媒中で、金属サマリウムと、1,2-ジヨードエタン若しくはジヨードメタンとを反応させることにより生成させることができる。
【0172】
化合物(V)に対する塩基の量は、特に限定されないが、通常0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜6倍モルであることがより好ましい。また、塩基で処理する場合は無水系である必要はないため、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等を使用してもよい。
【0173】
反応温度や反応時間は、用いられる溶媒、化合物(V)、塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には-100℃〜150℃であり、より好適には-50℃〜100℃である。また、反応時間は、好適には0.1時間〜数日であり、より好適には0.5時間〜2日である。
【0174】
(4−2−2)工程2A2
次いで、化合物(III)と化合物(IV)とから化合物(I)を得る工程(工程2A2)について説明する。
【0175】
化合物(I)は、化合物(III)と化合物(IV)とを溶媒中で混合することにより、オキシラン誘導体におけるオキシラン環中の炭素原子と1,2,4−トリアゾール若しくはイミダゾールの窒素原子との間に炭素−窒素結合を生成させることにより製造することができる。
【0176】
溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドンまたはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類を挙げることができる。
【0177】
化合物(III)に対する化合物(IV)の使用量は、通常0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜5倍モルであることがより好ましい。また、所望により塩基を添加してもよい。化合物(IV)に対する塩基の使用量は、通常0〜5倍モル(0は含まない)であることが好ましく、0.5〜2倍モルであることがより好ましい。
【0178】
反応温度は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができる。反応温度としては、0℃〜250℃であることが好ましく、10℃〜150℃であることがより好ましい。反応時間は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができる。反応時間としては、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0179】
(4−2)工程2B
工程2Aで使用される化合物(V)は、従来技術で合成できる化合物を使用することができる。ただし、化合物(Va)の場合は、以下に示す合成法により製造することが好ましい。
【0180】
まず、化合物(XII)を塩基存在下、下記一般式(XIV)で示すハロゲン化化合物(以下、「化合物(XIV)」と称する)と反応させ、下記一般式(XIII)で示すケトエステル化合物(「化合物(XIII)」)を得る。次に、得られた化合物(XIII)を加水分解・脱炭酸することにより、化合物(Va)を得る。一連の反応工程(「工程2B」)を、下記反応式(7)に示す。
【0181】
反応式(7)
【化22】
【0182】
ここで、R1、R2、Y、mは、上述した通りである。また、Ra1、Xa1、na1は、それぞれRa、Xa、naと同義である。
【0183】
(4−2−1)工程2B1
まず、化合物(XII)を塩基存在下、化合物(XIV)と反応させ、化合物(XIII)を得る工程(工程2B1)について説明する。
【0184】
この反応は、溶媒中で行うことが好ましい。塩基は、特に限定されず、例えば、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が用いられる。塩基の量は、化合物(XII)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
【0185】
化合物(XIV)の量は、化合物(XII)に対して0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜5倍モルであることがより好ましい。
【0186】
反応温度は、用いられる溶媒、化合物(XII)、化合物(XIV)、塩基等の種類によって適宜設定することができるが、0℃〜250℃であることが好ましく、室温〜150℃であることがより好ましい。反応時間は、用いられる溶媒、化合物(XII)、化合物(XIV)、塩基等の種類によって適宜設定することができるが、0.1時間から数日であることが好ましく、0.5時間〜24時間であることがより好ましい。
【0187】
(4−2−2)工程2B2
次に、化合物(XIII)を加水分解・脱炭酸する工程(工程2B2)について説明する。
【0188】
この反応は、溶媒中、塩基性条件下および酸性条件下のいずれであっても可能である。
【0189】
加水分解を塩基性で行なう場合、塩基には、通常、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基を使用する。溶媒には、通常、水の他、アルコール類などを加えた水を使用する。
【0190】
また、加水分解を酸性で行なう場合、酸触媒には、好ましくは塩酸、臭化水素酸および硫酸などの無機酸を使用する。溶媒には、通常、水、若しくは、水に酢酸などの有機酸を加えて行なう。
【0191】
反応温度は、通常0℃〜還流点であることが好ましく、室温〜還流点であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であって、好ましくは0.5時間〜24時間である。
【0192】
(5)化合物(I)の第三製造方法
(5−1)工程3A
本発明に係る製造方法の他の実施形態について説明する。この実施形態は、下記一般式(VIb)で示される化合物(「化合物(VIb)」)と、下記一般式(XV)で示される置換スルホニルクロリド(「化合物(XV)」)と、を反応させることにより、下記一般式(XVI)で示されるオキセタン化合物(「化合物(XVI)」)を得る工程を含む。また、化合物(XVI)を任意のハロゲン酸で開環することにより、化合物(Ib)を得る工程を含む(工程3A;下記反応式(8)参照)。化合物(VIb)は、水酸基で置換された置換基を2位に有する5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体であり、化合物(VI)においてRa1=Ra、Xa1=Xa、na1=na、pa1=0、Rb2=メチル基、nb2=0、pb1=1である場合を表す。
【0193】
反応式(8)
【化23】
【0194】
ここで、Ra、Xa、na、R、Y、m、Xbは、上述した通りである。
【0195】
(5−1−1)工程3A1
まず、化合物(VIb)を閉環してオキセタン化合物(XVI)を得る工程(工程3A1)について説明する。
【0196】
化合物(XVI)の好適な合成方法として、化合物(VIb)をスルホニルクロライド類と過剰量の塩基との存在下、溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。
【0197】
スルホニルクロライド類としては、p-トルエンスルホニルクロライド、およびメタンスルホニルクロライド等を用いることができる。これらの中でも、p-トルエンスルホニルクロライドを用いることが好ましい。また、塩基としては特に限定されないが、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物またはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、およびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等が好適に用いられる。
【0198】
スルホニルクロライド類の量は、化合物(VIb)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。塩基の量は1.5〜5倍モルであることが好ましく、1.8〜3倍モルであることがより好ましい。
【0199】
溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、またはジメチルスルホキシドならびにこれらの混合溶媒等が用いられる。
【0200】
反応温度は、用いられる溶媒や化合物(VIb)、スルホニルクロライド類または塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、−100℃〜200℃であることが好ましく、−50℃〜150℃であることがより好ましい。反応時間は、用いられる溶媒、化合物(VIb)、スルホニルクロライド類、塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0201】
(5−1−2)工程3A2
次いで、化合物(XVI)から化合物(Ib)を得る工程(工程3A2)について説明する。
【0202】
化合物(Ib)は、化合物(XVI)と化合物H-Xbとを溶媒中で混合し、化合物(XVI)の有するオキセタン環を開環することにより、ハロゲン化メチル基と3級水酸基とを生成することで好適に製造することができる。
【0203】
H-Xbはハロゲン酸を示す。ハロゲン酸としては、塩化水素、臭化水素、およびヨウ化水素を挙げることができる。ハロゲン酸は、気体として導入してもよいし、有機溶媒溶液に溶解させて添加してもよい。なお、ハロゲン化塩と別種の酸(例えばトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等)とを添加することにより化合物(XVI)から化合物(Ib)を得るようにしてもよい。
【0204】
溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類、又はテトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。
【0205】
化合物(XVI)に対する化合物H-Xbの使用量は、通常0.5〜50倍モルであり、好ましくは1〜20倍モルである。
【0206】
反応温度は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができるが、好適には−20℃〜250℃であり、より好適には−10℃〜150℃である。反応時間は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができるが、好適には0.1時間〜数日であり、より好適には0.5時間〜2日である。
【0207】
なお、工程3A1で使用される化合物(VIb)は、化合物(I)の第一製造方法で説明した工程1C及び工程1Dと同様の方法により合成できる。化合物(VIb)の合成工程を含む、第三製造方法の全体工程を下記反応式(9)に示す。
【0208】
反応式(9)
【化24】
【0209】
(6)化合物(I)の第四製造方法
(6−1)工程4A
本発明に係る製造方法の他の実施形態について説明する。この実施形態は、下記一般式(XIX)で示されるビスヒドロキシメチル化合物(「化合物(XIX)」、化合物(VI)において(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH2OH、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH2OHの場合を示す)をオキセタン化合物に閉環すると同時に、もう一方の側鎖をスルホニル化し、下記一般式(XX)で示されるオキセタンスルホニルエステル誘導体(「化合物(XX)」を得る工程を含む。また、化合物(XX)のスルホニル側鎖を還元することによりアルキル基とし、下記一般式(XXI)で示される1−アルキル−6−オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン誘導体(「化合物(XXI)」)を得る工程を含む。さらに、化合物(XXI)のオキセタンを酸により開環し、ハロゲン化メチル基とすることにより、化合物(Id)を得る工程を含む((工程4A;下記反応式(10)参照)。なお、化合物(XIX)は、化合物(VI)において(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH2OH、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH2OHの場合の化合物である。
【0210】
反応式(10)
【化25】
【0211】
ここで、Y、m、A、Xbは、上述した通りである。
【0212】
R3は、低級アルキル基、フェニル基またはナフチル基を示す。低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、およびトリフルオロメチル基を挙げることができる。フェニル基およびナフチル基は、置換されていてもよい。置換されていてもよいフェニル基あるいはナフチル基としては、例えば、4−メチルフェニル基、2−ニトロフェニル基、および5−ジメチルアミノナフチル基を挙げることができる。これらの中でも、メチル基、または4−メチルフェニル基であることが好ましい。
【0213】
(6−1−1)工程4A1
まず、化合物(XIX)をオキセタン化すると同時に、スルホニル化して化合物(XX)を得る反応(工程4A1)について説明する。
【0214】
化合物(XX)の好適な合成方法としては、化合物(XIX)を2等量以上のスルホニルクロライド類と過剰量塩基との存在下、溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。
【0215】
スルホニルクロライド類としては、p-トルエンスルホニルクロライド、メタンスルホニルクロライド等を用いることができる。これらの中でも、p-トルエンスルホニルクロライドを用いることが好ましい。また、塩基は特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物やナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、およびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を好適に用いることができる。
【0216】
スルホニルクロライド類の量は、化合物(XIX)に対して1.8〜10倍モルであることが好ましく、2〜5倍モルであることがより好ましい。塩基の量としては2.5〜10倍モルであることが好ましく、2.8〜6倍モルであることがより好ましい。
【0217】
溶媒は、特に限定されるものではないが。溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシドならびにこれらの混合溶媒を用いることができる。
【0218】
反応温度は、用いられる溶媒や化合物(XIX)、スルホニルクロライド類、塩基等の種類によって適宜設定することができるが、好適には−100℃〜200℃であり、より好適には−50℃〜150℃である。反応時間は、用いられる溶媒、化合物(XIX)、スルホニルクロライド類、塩基等の種類によって適宜設定することができるが、好適には0.1時間〜数日であり、より好適には0.5時間〜2日である。
【0219】
(6−1−2)工程4A2
次いで、化合物(XX)から化合物(XXI)を得る工程(工程4A2)について説明する。
【0220】
適当な溶媒中において、各種の一般的な還元条件で化合物(XX)のスルホニルオキシ基を還元してアルキル基とすることにより、化合物(XXI)が得られる。
【0221】
還元剤としては金属、ヒドリド型還元剤、水素/接触還元触媒などを挙げることができる。例えば、金属としては鉄粉、亜鉛末、亜鉛末とヨウ化ナトリムの組み合せ等を挙げることができる。ヒドリド型還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウム等を挙げることができる。また、接触還元触媒としてはパラジウム−炭素、水酸化パラジウム−炭素、プラチナ−炭素、ラネーニッケルなどを挙げることができる。これらの中でも、金属末を用いることが好適であり、亜鉛末とヨウ化ナトリムの組み合せを用いることがより好適である。
【0222】
溶媒は特に限定されるものではなく、還元剤の種類によって使い分ければよい。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノールおよびエタノール等のアルコール系溶媒、または、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の高極性比プロトン製溶媒を用いることができる。
【0223】
化合物(XX)に対する還元剤の使用量は、通常0.5〜50倍モルであり、好ましくは1〜20倍モルである。
【0224】
反応温度は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができるが、−20℃〜250℃であることが好ましく、−10℃〜150℃であることがより好ましい。反応時間は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができるが、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜3日であることがより好ましい。
【0225】
(6−1−3)工程4A3
次いで、化合物(XXI)から化合物(Id)を得る工程(工程4A3)について説明する。
【0226】
本工程において、化合物(Id)は、化合物(XXI)と化合物H-Xbとを溶媒中で混合し、化合物(XXI)のオキセタン環を開環することにより、ハロゲン化メチル基と3級水酸基とを生成することで製造することができる。
【0227】
H-Xbはハロゲン酸を示す。ハロゲン酸としては、塩化水素、臭化水素、およびヨウ化水素を挙げることができる。ハロゲン酸は、気体として導入してもよいし、有機溶媒溶液に溶解させて添加してもよい。なお、ハロゲン化塩と別種の酸(例えばトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等)とを添加することにより、化合物(XXI)から化合物(Id)を得るようにしてもよい。
【0228】
溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類、又はテトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。
【0229】
化合物(XXI)に対する化合物H-Xbの使用量は、通常0.5〜50倍モルであり、好ましくは1〜20倍モルである。
【0230】
反応温度は、用いられる溶媒、H-Xb等によって適宜設定することができるが、−20℃〜250℃であることが好ましく、−10℃〜150℃であることがより好ましい。反応時間は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができるが、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0231】
(6−2)工程4B
工程4Aにおいて使用される化合物(XIX)は、次のような合成方法を用いることで、好適に製造することができる。
【0232】
まず、下記一般式(XXII)で示されるカルボニル化合物(以下、「化合物(XXII)」と称する)をオキシラン化して、下記一般式(XXIII)で示されるオキシラン誘導体(「化合物(XXIII)」)を得る。次に、得られた化合物(XXIII)と、下記一般式(IV)で示される1,2,4−トリアゾール若しくはイミダゾール化合物(「化合物(IV)」)とを反応させることにより、下記一般式(XXIV)で示される化合物(「化合物(XXIV)」)を得る。そして、化合物(XXIV)中、Gで示される水酸基の保護基を脱保護することにより、化合物(XIX)を合成する。一連の反応工程(工程4B)を、下記反応式(11)に示す。
【0233】
反応式(11)
【化26】
【0234】
ここで、Y、m、A、Mの定義内容は、上述した通りである。
【0235】
G2は、保護基を表し、化合物(XIX)を化合物(XXIV)から製造できれば、特に限定されない。保護基としては、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基、t−ブチル基およびメチル基等の低級アルキル基、ならびに置換又は無置換ベンジル基等を挙げることができる。また、2つのG2が環を形成していても良く、この場合は保護基としてメチレンアセタールまたはイソプロピリデンケタール等を用いることができる。
【0236】
(6−2−1)工程4B1
本工程4Bにおいて、化合物(XXII)をオキシラン化して、化合物(XXIII)を得る工程(工程4B1)について説明する。
【0237】
まず、化合物(XXIII)の第1の合成方法としては、化合物(XXII)と硫黄イリドとを溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。硫黄イリドとしては、ジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類およびジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類を挙げることができる。
【0238】
用いられるスルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類は、溶媒中、スルホニウム塩(例えば、トリメチルスルホニウムヨージドおよびトリメチルスルホニウムブロミド等)またはスルホキソニウム塩(例えばトリメチルスルホキソニウムヨージドおよびトリメチルスルホキソニウムブロミド等)と、塩基とを反応させることにより生成させることができる。
【0239】
この際、用いられるスルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の量は、前記化合物(XXII)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
【0240】
用いられる溶媒は特に限定されるものではないが、例えば、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類またはジメチルスルホキシドならびにこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0241】
スルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物、または、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を用いることが好ましい。
【0242】
反応温度および反応時間は、用いられる溶媒、化合物(XXII)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、塩基等の種類によって適宜設定される。反応温度は、−100℃〜200℃であることが好ましく、−50℃〜150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0243】
次に、化合物(XXIII)の別の合成方法(第2の合成方法)について説明する。具体的には、化合物(XXIII)は、化合物(XXII)をヨウ化サマリウム及びジヨードメタンと溶媒中で反応させた後、塩基で処理することにより製造することができる。
【0244】
塩基は、特に限定されるものではなく、例えば水酸化ナトリウム等を用いることができる。用いられるヨウ化サマリウムは、無水溶媒中で、金属サマリウムと、1,2‐ジヨードエタン若しくはジヨードメタンとを反応させることにより生成させることができる。用いられる溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類を挙げることができる。
【0245】
化合物(XXII)に対する塩基の量は、特に限定されないが、通常0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜6倍モルであることがより好ましい。また、塩基で処理する場合は無水系である必要はないため、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等を使用してもよい。
【0246】
反応温度および反応時間は、用いられる溶媒、化合物(XXII)、あるいは塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、−100℃〜150℃であることが好ましく、−50℃〜100℃であることがより好ましい。また、反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0247】
(6−2−2)工程4B2
次に、本工程4Bにおいて、化合物(XXIII)と化合物(IV)とを反応させ、化合物(XXIV)を得る工程(工程4B2)について説明する。
【0248】
化合物(XXIV)は、化合物(XXIII)と化合物(IV)とを溶媒中で混合することにより、オキシラン誘導体(化合物(XXIII))におけるオキシラン環を構成する炭素原子と1,2,4−トリアゾール若しくはイミダゾール(化合物(IV))の窒素原子との間に炭素−窒素結合が生成することで製造される。
【0249】
溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類を挙げることができる。
【0250】
化合物(XXIII)に対する化合物(IV)の使用量は、通常0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜5倍モルであることがより好ましい。また、所望により塩基を添加してもよい。塩基を添加する場合、化合物(IV)に対する塩基の使用量は、通常0〜5倍モル(0は含まない)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2倍モルである。
【0251】
反応温度は、用いられる溶媒または塩基等によって適宜設定することができるが、0℃〜250℃であることが好ましく、10℃〜150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、用いられる溶媒または塩基等によって適宜設定することができるが、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0252】
上述したように、化合物(XXIV)は、化合物(XXIII)を生成させた後、段階的に化合物(IV)と反応させて製造することができる。しかし、上述した第1の合成方法においてオキシラン化反応のみを単独で行った場合には、副生成物(例えばオキセタン誘導体)が生成して、収率低下を招くことがある。この収率低下を回避するためには、化合物(XXIII)を生成させながら、アゾール化を行えばよい(下記反応式(12)参照)。
【0253】
反応式(12)
【化27】
【0254】
ここで、Y、m、A、G2、Mは、上述した通りである。
【0255】
この場合、まず、化合物(XXII)と化合物(IV)とを、アミド結合を持つ極性溶媒若しくはジメチルスルホキシド、又は、極性溶媒とアルコールとの混合溶媒に溶解する。そして、これにトリメチルスルホニウム塩又はトリメチルスルホキソニウム塩と塩基とを間欠的に加え、反応系内でジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類またはジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等を発生させることにより、化合物(XXIII)を生成させながらアゾール化を行う。
【0256】
用いられる溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド結合を持つ極性溶媒、又はジメチルスルホキシドを挙げることができる。また、混合溶媒におけるアルコールとしては、t−ブタノールを挙げることができる。
【0257】
スルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物またはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、およびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を用いることができる。また、1,2,4−トリアゾールやイミダゾールのアルカリ金属塩を使用してもよい。
【0258】
反応温度は、用いられる溶媒、化合物(XXII)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、または塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度としては、−100℃〜250℃であることが好ましく、−50℃〜200℃であることがより好ましい。また、反応時間は、用いられる溶媒、化合物(XXII)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、または塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応時間としては、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0259】
また、トリメチルスルホニウムハライド又はトリメチルスルホニウムハライドと塩基とを間欠的に加える際の回数については、所定の目的を達成することができる回数であれば、特に限定されるものではない。回数としては、例えば、それぞれ2〜20回であることが好ましく、3〜15回であることがより好ましい。トリメチルスルホニウム塩又はトリメチルスルホキソニウム塩の合計の使用量は、化合物(XXII)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
【0260】
化合物(XXII)に対する化合物(IV)の使用量は、通常0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜5倍モルであることがより好ましい。化合物(IV)は、Mがアルカリ金属塩であるものを使用することが好ましい。
【0261】
なお、ある種のアゾリルメチルシクロアルカノール誘導体の製造において、オキシラン誘導体を生成させながらアゾール化を行う方法の詳細な工程については、特許文献4を参照すればよい。
【0262】
(6−2−3)工程4B3
続いて、本工程4Bにおいて、化合物(XXIV)の保護基を脱保護することにより、化合物(XIX)を得る工程(工程4B3)について説明する。
【0263】
脱保護の好適な条件は、保護基の種類により異なる。ただし、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基、t−ブチル基およびメチル基等の低級アルキル基、またはメチレンアセタールおよびイソプロピリデンケタール等の環状アセタール、ケタール保護基を使用する場合には、溶媒中、塩化水素や硫酸等の酸性条件下における脱保護を好ましく使用できる。
【0264】
脱保護に使用される好適な酸としては、塩化水素等のハロゲン化水素または硫酸等の無機酸を挙げることができる。使用量は特に限定されるものではないが、化合物(XXIV)に対する酸の使用量は、通常、0.5倍モル〜100倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜20倍モルである。
【0265】
反応温度は、通常0℃〜200℃であることが好ましく、室温〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であることが好ましく、好ましくは0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0266】
(6−3)工程4C
工程4Bで使用される化合物(XXII)は、以下の方法により好適に合成可能である。
【0267】
すなわち、まず、下記一般式(XXV)で示されるケトエステル化合物(以下、「化合物(XXV)」と称する)をヒドロキシメチル化することによって、下記一般式(XXVI)で示される化合物(「化合物(XXVI)」)を得る。次に、化合物(XXVI)の水酸基に、例えばメトキシメチル基またはt−ブチル基等の保護基を導入し、下記一般式(XXVII)で示される化合物(「化合物(XXVII)」)に誘導する。そして、化合物(XXVII)を、加水分解・脱炭酸することにより、下記一般式(XXII)で示されるカルボニル化合物(「化合物(XXII)」)を得る。一連の反応工程(工程4C)を、下記反応式(13)に示す。
【0268】
反応式(13)
【化28】
【0269】
ここで、Y、m、R2、G2は、上述した通りである。
【0270】
(6−3−1)工程4C1
本工程4Cにおいて、 化合物(XXV)をビスヒドロキシメチル化して化合物(XXVI)を得る工程(工程4C1)について説明する。化合物(XXVI)は、溶媒中、塩基存在下、化合物(XXV)とホルムアルデヒドとを反応させることにより製造することができる。
【0271】
化合物(XXV)に対するホルムアルデヒドの使用量は、通常、1.5倍モル〜20モルであることが好ましく、1.8倍モル〜10倍モルであることがより好ましい。
【0272】
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩や水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。化合物(XXV)に対する塩基の使用量は、通常、0.1倍モル〜10倍モルであることが好ましく、0.2倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
【0273】
反応温度は、通常0℃〜250℃であることが好ましく、0〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0274】
なお、化合物(XXV)は、公知の方法(例えば、特許文献1に記載の方法)によって製造される化合物を使用すればよい。
【0275】
(6−3−2)工程4C2
次に、本工程4Cにおいて、化合物(XXVI)の水酸基に保護基を導入し、化合物(XXVII)を得る工程(工程4C2)について説明する
【0276】
水酸基を保護する保護基は、特に限定されるものではない。保護基としては、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基、または、t−ブチル基等の低級アルキル基であることが好ましい。これらの保護基の導入は酸性触媒条件下で行う。ただし、(a)アルコキシメチル基の導入の場合は、ホルムアルデヒドジアルキルアセタールを使用し、化合物(XXVI)中の水酸基をアセタール交換する方法が好適である。(b)t−ブチル基の導入の場合は、イソブテンを使用し、化合物(XXVI)中の水酸基に保護基を導入する方法が好適である。(c)2つの水酸基をアセタールおよびケタールで同時に保護する場合には、適当なアルデヒド又はケトンを酸触媒下で用いて行う方法が好適である。
【0277】
まず、保護基がアルコキシメチル基の場合((a)の場合)について説明する。
【0278】
酸としては、塩酸、りん酸(5酸化2リンのようにアルコールまたは水の添加により酸基が生成する化合物を含む)、硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。ホルムアルデヒドジアルキルアセタールは、酸の存在下、溶媒中若しくは無溶媒中で使用することが好ましい。また、生成するアルコールを除去できる化合物(例えば、5酸化2リン)を添加することがより好ましい。
【0279】
化合物(XXVI)に対するホルムアルデヒドジアルキルアセタールの使用量は、通常0.5倍モル〜50倍モルであることが好ましく、0.8倍モル〜10倍モルであることがより好ましい。化合物(XXVI)に対する酸の使用量は、通常0.01倍モル〜10倍モルであることが好ましく、0.05倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
【0280】
反応温度は、通常0℃〜250℃であることが好ましく、0〜150℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0281】
保護基がt−ブチル基である場合((b)の場合)には、塩酸、りん酸、硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸存在下、溶媒中で化合物(XXVI)とイソブテンとを反応させることが好ましい。
【0282】
化合物(XXVI)に対するイソブテンの使用量は、通常0.5倍モル〜100倍モルであることが好ましく、0.8倍モル〜20倍モルであることがより好ましい。化合物(XXVI)に対する酸の使用量は、通常0.01倍モル〜10倍モルであることが好ましく、好ましくは0.05倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
【0283】
反応温度は、通常0℃〜200℃であることが好ましく、0〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日あることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0284】
保護基がイソプロピリデンケタールである場合((c)の場合)には、塩酸、りん酸、硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸存在下、溶媒中でで化合物(XXVI)とアセトン若しくはアセトンジメチルアセタールとを反応させることが好ましい。
【0285】
化合物(XXVI)に対するアセトンジメチルアセタールの使用量は、通常0.5倍モル〜100倍モルであることが好ましく、0.8倍モル〜20倍モルであることがより好ましい。化合物(XXVI)に対する酸の使用量は、通常0.01倍モル〜10倍モルであることが好ましく、0.05倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
【0286】
反応温度は、通常0℃〜200℃であることが好ましく、0〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
【0287】
(6−3−3)工程4C3
続いて、本工程4Cにおいて、化合物(XXVII)を加水分解/脱炭酸して化合物(XXII)を得る工程(工程4C3)ついて説明する。
【0288】
工程4C3は、塩基存在下、溶媒中で好適に行うことができる。塩基としては、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基を使用することができる。化合物(XXVII)に対する塩基の使用量は、通常0.1倍モル〜50倍モルであることが好ましく、0.2倍モル〜20倍モルであることがより好ましい。
【0289】
溶媒としては、通常、水の他、アルコール類などを加えた水、互いに均一な層を形成することのない溶媒(水−トルエン等)からなる溶媒組成物を用いることができる。互いに均一な層を形成することのない溶媒を用いる場合には、反応系に相間移動触媒(例えば、慣用の第4アンモニウム塩)を使用してもよい。
【0290】
反応温度は、通常0℃〜還流点であることが好ましく、室温〜還流点であることがより好ましい。反応時間は、通常、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜24時間であることがより好ましい。
【0291】
3.農園芸用薬剤・工業用材料保護剤
本発明に係る2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体(化合物(I))の農園芸用薬剤及び工業用材料保護剤(以下、「農園芸用薬剤等」ともいう)としての有用性について以下に説明する。
【0292】
化合物(I)は、1,2,4-トリアゾリル基またはイミダゾリル基を有するので、無機酸もしくは有機酸との酸付加塩、または金属錯体を形成する。化合物(I)は、これらの酸付加塩及び金属錯体の形態で用いてもよい。
【0293】
また、化合物(I)には、(Ra)Xanaと(Rb)Xbnbが同じ置換基である場合を除いて、少なくとも3個の不斉炭素が存在する。そのため、組成によっては立体異性体混合物(エナンチオマー又はジアステレオマー)か、いずれかの一方の立体異性体となる。従って、これらの立体異性体の少なくとも1種類を農園芸用薬剤等の有効成分として使用することもできる。
【0294】
(1)植物病害防除効果
化合物(I)は、広汎な植物病害に対して防除効果を呈する。適用病害の例としては、以下に示す病害を挙げることができる。
【0295】
ダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi、Phakopsora meibomiae)、イネいもち病 (Pyricularia grisea)、イネごま葉枯病 (Cochliobolus miyabeanus)、イネ白葉枯病 (Xanthomonas oryzae)、イネ紋枯病 (Rhizoctonia solani)、イネ小黒菌核病 (Helminthosporium sigmoideun)、イネばか苗病 (Gibberella fujikuroi)、イネ苗立枯病 (Pythium aphanidermatum)、リンゴうどんこ病 (Podosphaera leucotricha)、リンゴ黒星病 (Venturia inaequalis)、リンゴモリニア病 (Monilinia mali)、リンゴ斑点落葉病 (Alternaria alternata)、リンゴ腐乱病 (Valsa mali)、ナシ黒斑病 (Alternaria kikuchiana)、ナシうどんこ病 (Phyllactinia pyri)、ナシ赤星病 (Gymnosporangium asiaticum)、ナシ黒星病 (Venturia nashicola)、ブドウうどんこ病 (Uncinula necator)、ブドウべと病 (Plasmopara viticola)、ブドウ晩腐病 (Glomerella cingulata)、オオムギうどんこ病 (Erysiphe graminis f. sp hordei)、オオムギ黒さび病 (Puccinia graminis)、オオムギ黄さび病 (Puccinia striiformis)、オオムギ斑葉病 (Pyrenophora graminea)、オオムギ雲形病 (Rhynchosporium secalis)、コムギうどんこ病 (Erysiphe graminis f. sp tritici)、コムギ赤さび病 (Puccinia recondita)、コムギ黄さび病 (Puccinia striiformis)、コムギ眼紋病 (Pseudocercosporella herpotrichoides)、コムギ赤かび病 (Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギふ枯病(Phaeosphaeria nodorum)、コムギ葉枯病 (Septoria tritici)、ウリ類うどんこ病 (Sphaerotheca fuliginea)、ウリ類の炭疸病 (Colletotrichum lagenarium)、キュウリべと病 (Pseudoperonospora cubensis)、キュウリ灰色疫病 (Phytophthora capsici)、トマトうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、トマト輪紋病 (Alternaria solani)、ナスうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、イチゴうどんこ病 (Sphaerotheca humuli)、タバコうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、テンサイ褐斑病 (Cercospora beticola)、トウモロコシ黒穂病 (Ustillaga maydis)、核果類果樹の灰星病 (Monilinia fructicola)、種々の作物をおかす灰色かび病 (Botrytis cinerea)、菌核病 (Sclerotinia sclerotiorum) 等。このうち、特にコムギの重要病害であるコムギ葉枯病 (Septoria tritici) に対して、特許文献1に記載の市販薬剤メトコナゾールよりも優れた効果を示す(後述試験例4参照)。
【0296】
また、適用植物の例としては、野生植物、植物栽培品種、異種交配もしくは原形質融合などの従来の生物育種によって得られる植物及び植物栽培品種、遺伝子操作によって得られる遺伝子組み換え植物及び植物栽培品種を挙げることができる。遺伝子組み換え植物及び植物栽培品種としては、例えば、除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、収量向上作物、保存性向上作物、収量向上作物等を挙げることができる。遺伝子組み換え植物栽培品種としては、具体的に、ROUNDUP READY、LIBERTY LINK、CLEARFIELD、YIELDGARD、HERCULEX、BOLLGARD等の登録商標を含むものを挙げることができる。
【0297】
(2)植物生長作用
また、化合物(I)は、広汎な作物および園芸植物に対して、その成長を調節して収量を増加させる効果およびその品質を高める効果を示す。かかる作物の例としては、以下に示す作物を挙げることができる。
【0298】
コムギ・大麦・燕麦などの麦類、稲、ナタネ、サトウキビ、トウモロコシ、メイズ、大豆、エンドウ、落花生、シュガービート、キャベツ、ニンニク、ダイコン、ニンジン、リンゴ、ナシ、みかん、オレンジ、レモンなどの柑橘類、モモ、桜桃、アボガド、マンゴー、パパイヤ、トウガラシ、キュウリ、メロン、イチゴ、タバコ、トマト、ナス、芝、菊、ツツジ、その他の観賞用植物。
【0299】
(3)工業材料保護効果
さらに、化合物(I)は、工業材料を侵す広汎な有害微生物から材料を保護する優れた効果を示す。かかる微生物の例としては、以下に示す微生物を挙げることができる。
【0300】
紙・パルプ劣化微生物(スライム形成菌を含む)であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ジェオトリカム(Geotrichum sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、カドホーラ(Cadophora sp.)、セラトストメラ(Ceratostomella sp.)、クラドスボリウム(Cladosporium sp.)、コーティシウム(Corticium sp.)、レンティヌス(Lentinus sp.)、レンズィテス(Lenzites sp.)、フォーマ(Phoma sp.)、ポリスティクス(Polysticus sp.)、プルラリア(Pullularia sp.)、ステレウム(Stereum sp.)、トリコスポリウム(Trichosporium sp.)、アエロバクタ−(Aerobacter sp.)、バシルス(Bacillus sp.)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、フラボバクテリウム(Flavobacterium sp.)、ミクロコツカス(Micrococcus sp.)など、繊維劣化微生物であるアスペルギルスAspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、ミロテシウム(Myrothecium sp.)、クルブラリア(Curvularia sp.)、グリオマスティックス、(Gliomastix sp.)、メンノニエラ(Memnoniella sp.)、サルコポディウム(Sarcopodium sp.)、スタキボトリス(Stschybotrys sp.)、ステムフィリウム(Stemphylium sp.)、ジゴリンクス(Zygorhynchus sp.)、バシルス(bacillus sp.)、スタフィロコッカス(Staphylococcus sp.)など、木材変質菌であるオオウズラタゲ(Tyromyces palustris)、カワラタケ(Coriolus versicolor)、アスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、リゾプス(Rhizopus sp.)、オーレオバシディウム(Aureobasidium sp.)、グリオクラデイウム(Gliocladum sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)など、皮革劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、ムコール(Mucor sp.)、パエシロミセス(Paecilomyces sp.)、ピロブス(Pilobus sp.)、プルラリア(Pullularia sp.)、トリコスポロン(Trichosporon sp.)、トリコテシウム(Tricothecium sp.)など、ゴム・プラスチック劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、リゾプス(Rhizopus sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、ミロテシウム(Myrothecium sp.)、ストレプトマイセス(Streptomyces sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、バシルス(Bacillus sp.)、ミクロコツカス(Micrococcus sp.)、セラチア(Serratia sp.)、マルガリノマイセス(Margarinomyces sp.)、モナスクス(Monascus sp.)など、塗料劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、オーレオバシディウム(Aureobasidium sp.)、グリオクラディウム(Gliocladium sp.)、ボトリオディプロディア(Botryodiplodia sp.)、マクロスポリウム(Macrosporium sp.)、モニリア(Monilia sp.)、フォーマ(Phoma sp.)、プルラリア((Pullularia sp.)、スポロトリカム(Sporotrichum sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、バシルス((bacillus sp.)、プロテウス(Proteus sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、セラチア(Serratia sp.)。
【0301】
(4)製剤
化合物(I)を有効成分として含む農園芸用製剤は、化合物(I)以外にも種々の成分を含んでいてもよい。化合物(I)を有効成分として含む農園芸用製剤は、固体担体、液体担体、界面活性剤、その他の製剤補助剤と混合することができる。化合物(I)を有効成分として含む農園芸用製剤の剤型としては、粉剤、水和剤、粒剤、乳剤などの種々の形態を挙げることができる。
【0302】
農園芸用製剤には、有効成分としての化合物(I)が、農園芸用製剤全量に対して、0.1〜95重量%含まれていればよい。有効成分としての化合物(I)は、0.5〜90重量%含まれていることが好ましく、2〜80重量%含まれていることがより好ましい。
【0303】
製剤補助剤として使用する坦体、希釈剤、界面活性剤を例示すれば、まず、固体坦体としては、タルク、カオリン、ベンナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレーなどを挙げることができる。液体希釈剤としては、水、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アルコールなどを挙げることができる。界面活性剤は、その効果により使い分ければよい。例えば、乳化剤の場合には、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどを用いればよく、分散剤の場合には、リグニンスルホン酸塩、ジブチルナフタリンスルホン酸塩などを用いればよく、湿潤剤の場合には、アルキルスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩などを用いればよい。
【0304】
製剤には、そのまま使用してもよいし、水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用してもよい。希釈して使用する時には、化合物(I)の濃度が0.001〜1.0%の範囲となることが望ましい。
【0305】
また、化合物(I)の使用量は、畑、田、果樹園、温室などの農園芸地1haあたり、20〜5000g、より好ましくは50〜2000gである。これらの使用濃度及び使用量は剤形、使用時期、使用方法、使用場所、対象作物等によっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することが可能である。
【0306】
さらに、化合物(I)は他の有効成分、例えば以下に例示するような殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤と組み合わせ、農園芸用薬剤としての性能を高めて使用することもできる。
【0307】
<抗菌性物質>
アシベンゾラーSメチル、2−フェニルフェノール(OPP)、アザコナゾール、アゾキシストロビン、アミスルブロム、ビキサフェン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ビカルボネイト、ビフェニル、ビテルタノール、ブラスチシジン−S、ボラックス、ボルドー液、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブロノポール、ブピリメート、セックブチラミン、カルシウムポリスルフィド、カプタフォル、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、キノメチオネート、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリン、ジメトモルフ、ジメトキシストロビン、ジニコナゾール、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、エディフェンフォス、エポキシコナゾール、エタポキサム、エトキシキン、エトリジアゾール、エネストロブリン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオロミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、フォセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フルオピコリド、フルオピラム、グアザチン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イプコナゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、銅調製物例えば水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン−銅、クレゾキシムメチル、マンコカッパー、マンコゼブ、マネブ、マンジプロパミド、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メトミノスウトロビン、ミルジオマイシン、ミクロブタニル、ニトロタル−イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、オキサジキシル、オキソリニック酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペフラゾエート、オリサストロビン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンチオピラド、ピリベンカルブ、フサライド、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾフォス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、硫黄及び硫黄調製物、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トルクロフォス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、アミスルブロム、セダキサン、フルチアニル、バリフェナール、アメトクトラジン、ジモキシストロビン、メトラフェノン、ヒドロキシイソキサゾール、メタスルホカルブ等。
【0308】
<殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤>
アバメクチン、アセフェート、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アレトリン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アザメチフォス、アジンフォス−エチル、アジンフォス−メチル、アゾサイクロチン、バシルス・フィルムス、バシルス・ズブチルス、バシルス・ツリンジエンシス、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメイト、ビフェナゼイト、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ブプロフェジン、ブトカルボキシン、ブトキシカルボキシン、カズサフォス、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、カータップ、CGA 50439、クロルデイン、クロレトキシフォス、クロルフェナピル、クロルフェンビンフォス、クロルフルアズロン、クロルメフォス、クロルピリフォス、クロルピリフォスメチル、クロマフェノザイド、クロフェンテジン、クロチアニジン、クロラントラリニプロール、コウンパフォス、クリオライト、シアノフォス、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シアザピル、シエノピラフェン、DCIP、DDT、デルタメトリン、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジクロロフェン、ジクロロプロペン、ジクロルボス、ジコフォル、ジクロトフォス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンフォス、ジノブトン、ジノテフラン、エマメクチン、エンドスルファン、EPN、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトフェンプロックス、エトプロフォス、エトキサゾール、ファムフル、フェナミフォス、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンチオン、フェンバレレート、フイプロニル、フロニカミド、フルアクロピリム、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、フルバリネート、フルベンジアミド、フォルメタネート、フォスチアゼート、ハルフェンプロクス、フラチオカルブ、ハロヘノジド、ガンマ−HCH、ヘプテノフォス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、イソプロカルブ、イソキサチオン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メタム、メタミドフォス、メチダチオン、メチオカルブ、メトミル、メトプレン、メトスリン、メトキシフェノジド、メトルカルブ、ミルベメクチン、モノクロトフォス、ナレド、ニコチン、ニテンピラム、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、パラチオン、パーメトリン、フェントエート、フォレート、フォサロン、フォスメット、フォスファミドン、フォキシム、ピリミカルブ、ピリミフォスメチル、プロフェノフォス、プロポクスル、プロチオフォス、ピメトロジン、ピラクロフォス、ピレスリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、ピリフルキナゾン、ピリプロール、キナルフォス、シラフルオフェン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマット、スルフラミド、スルフォテップ、SZI-121、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムフォス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメフォス、テルブフォス、テトラクロルビンフォス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トラロピリル、トリアザメート、トリアゾフォス、トリクロルフオン、トリフルムロン、バミドチオン、バリフェナール、XMC、キシリルカルブ、イミシアホス、レピメクチン等。
【0309】
<植物成長調節剤>
アンシミドール、6−ベンジルアミノプリン、パクロブトラゾール、ジクロブトラゾール、ウニコナゾール、メチルシクロプロペン、メピコートクロリド、エセフォン、クロルメコートクロライド、イナベンフィド、プロヘキサジオン及びその塩、トリネキサパックエチル等。また、植物ホルモンとしてのジャスモン酸や、ブラシノステロイド、ジベレリン等。
【0310】
化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、化合物(I)以外にも種々の成分を含んでいてもよい。化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、適当な液体担体に溶解或いは分散させるか、又は固体担体と混合して使用することができる。化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、必要に応じて、更に乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、安定剤等含んでいてもよい。また、化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤の剤型としては、水和剤、粉剤、粒剤、錠剤、ペースト剤、懸濁剤、噴霧材などを挙げることができる。化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、他の殺菌剤、殺虫剤、劣化防止剤等を含んでいてもよい。
【0311】
液体担体としては、有効成分と反応しないものであれば特に限定されるものではない。液体担体としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、セロソルブ等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エーテル類(例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(例えばガソリン、ケロシン、灯油、機械油、燃料油等)、酸アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)ハロゲン化炭化水素類(例えば、クロロホルム、四塩化炭素等)、エステル類(例えば、酢酸エチルエステル、脂肪酸のグリセリンエステル等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)及びジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
【0312】
また、固体担体としては、カオリンクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石、尿素、硫酸アンモニウム等の微粉末或いは粒状物が使用できる。
【0313】
乳化剤、分散剤としては、石鹸類、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、第4級アンモニウム塩、オキシアルキルアミン、脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイド系、アンヒドロソルビトール系等の界面活性剤が使用できる。
【0314】
化合物(I)を有効成分として製剤中に含有させる場合、その含有割合は、剤型及び使用目的によっても異なるが、製剤の全量に対して、0.1〜99.9%重量%とすればよい。なお、実際の使用時においては、その処理濃度は、通常0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%となるように適宜、溶剤、希釈剤、増量剤などを加えて調整するのが好ましい。
【0315】
以上説明したように、化合物(I)で示されるアゾール誘導体は、植物病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を示す。すなわち、化合物(I)で示されるアゾール誘導体を有効成分として含む農園芸用病害防除剤は、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示すことができる。
【0316】
(付記事項)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0317】
以下、製造例、製剤例、試験例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を越えない限り以下の製造例、製剤例および試験例に限定されるものではない。
【0318】
<製造例1>
(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−クロロメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−1(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Cl、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成(第一の製造方法の工程1Aによる製造)
アルゴン雰囲気下、(1RS,2RS,3SR)−p−トルエンスルホン酸 3−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンチルメチル エステル(化合物番号II−1(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa=CH3、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pb=CH2OTos、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(12.0mg,0.0245mmol)を脱水DMF(0.24 ml) に溶解させた。塩化リチウム(10.4mg, 0.245mmol)を加え、100℃で1.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(2 ml)を加え、飽和食塩水(0.5 ml×5)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、目的物を得た。
収量:5.0 mg
収率:58 %
性状:白色固体、融点(m.p.)139 -140℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
1.18(3H, s),1.46(2H, m),1.70(1H, m),1.92(2H, m),2.35(2H, m),3.26(1H, d, J=10.8Hz),3.57(1H, d, J=10.8Hz), 4.06 (1H, s), 4.25 (1H, d, J=14.2Hz), 4.54(1H, d, J=14.2Hz), 6.98 (2H, d, J=8.4Hz), 7.21 (2H, d, J=8.4Hz), 8.02 (1H, s), 8.19(1H, s).
【0319】
また、化合物(I)は上述の第三製造方法に従い、以下のように中間体(XVI)からも製造できる。その一例としてI−1の製造例を以下に示す。
【0320】
(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−クロロメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−1(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Cl、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成(第三製造方法の工程3Aによる製造)
(1RS,4SR,5RS)-4-(4-クロロベンジル)-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン 化合物番号XVI−1(化合物(XVI)、[(Ra2)Xa2na2(OR3)pa1] = CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C)(20.79 g, 62.3 mmol)をDMF(200 ml)に溶解し、80℃に加熱した。ここにリチウムクロライド(39.59 g,934 mmol)及びp-トルエンスルホン酸1水和物(14.20g, 74.8 mmol)を加え、1.5時間撹拌した。反応終了後、DMFを減圧下で留去し、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することにより目的物を得た。
収量:22.24 g
収率:95.9 %
【0321】
なお、この方法において製造した化合物I−1の融点、NMRスペクトルは前述の方法により合成したものと完全に一致した。
【0322】
<製造例2>
(1RS,2RS,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−クロロメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−101(化合物(I)、(Ra)Xana=CH2Cl、(Rb)Xbnb=CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
アルゴン雰囲気下、(1RS,2SR,3RS)−p−トルエンスルホン酸 3−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1イルメチル)シクロペンチルメチル エステル(化合物番号II−2(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa=CH2OTos(Rb1)Xb1nb1(Lb)pb=CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(10.6mg, 0.0216mmol)を脱水DMF (0.21ml)に溶解させた。塩化リチウム(9.2mg,0.216mmol)を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(2ml)を加え、飽和食塩水(0.5ml×5)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的物を得た。
収量:4.6 mg
収率:60 %
性状:白色固体 m.p. 124℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.81 (3H, s), 1.41-1.77 (4H, m), 2.30 (1H, m), 2.42 (1H, dd, J=13.6,4.7Hz), 2.51 (1H, dd, J=13.6, 10.1Hz), 3.52 (1H, d, J=11.1Hz), 3.61 (1H, d, J=11.1Hz), 3.98 (1H, s), 4.24 (1H, d, J=14.2Hz), 4.38 (1H, d, J=14.2Hz), 7.03 (2H, d, J=8.4Hz), 7.22 (2H, d, J=8.4Hz), 7.99 (1H, s), 8.20 (1H, s).
【0323】
<製造例3>
(1RS,2SR,5SR)−2−ブロモメチル−5−(4−クロロベンジル)−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−25(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Br、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,2RS,3SR)−p−トルエンスルホン酸 3−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンチルメチル エステル(化合物番号II−1(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa=CH3、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pb=CH2OTos、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(400mg, 0.8163mmol)をアルゴン雰囲気下、脱水DMF (8 ml)に溶解した。臭化リチウム(756mg , 8.706mmol)を加え、60℃で8時間攪拌した。反応液を冷却し、酢酸エチル(66 ml)を加え、飽和食塩水(20 ml×3)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、目的物を得た。
収量:56 mg
収率:17 %
性状:固体、m.p. 235-236℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
1.19 (3H, s), 1.41-1.53 (2H, m), 1.65-1.75 (1H, m), 1.91-2.04 (2 H, m), 2.32-2.41 (2H, m), 2.96 (1H, d, J=9.9Hz), 3.54 (1H, d, J=9.9Hz), 4.09 (1H, s), 4.23 (1H, d, J=14.2Hz), 4.50(1H, d, J=14.2Hz), 6.99 (2H, d, J=8.4Hz), 7.21(2H, d, J=8.4Hz), 8.01 (1H, s), 8.18 (1H, s).
【0324】
<製造例4>
(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−(2−クロロエチル)−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−104(化合物(I)、(Ra)Xana=CH2CH2Cl、(Rb)Xbnb=CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
p−トルエンスルホン酸 2−[(1RS,2SR,3RS)−3−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1イルメチル)シクロペンチル]エチル エステル(化合物番号II−3(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa=CH3、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pb=CH2CH2OTos、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(42mg, 0.084mmol)をDMF(1 ml)に溶解した。リチウムクロライド(33mg, 0.77mmol)を加え、80℃で4時間撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルを加えた。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:酢酸エチル=1:2)で精製し、目的物を得た。
収量:22 mg
収率:71 %
性状:無色液体
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.66 (3H, s), 1.43-1.53 (2H, m), 1.61-1.74 (2H, m), 1.83-1.89 (2H, m), 2.18-2.26 (1H, m), 2.40 (1H, dd, J=13.6, 4.9Hz), 2.48 (1H, dd, J=13.6, 10.0Hz), 3.46-3.57 (2H, m), 4.01 (1H, s), 4.16 (1H, d, J=14.1Hz), 4.18 (1H, d, J=14.1Hz), 7.01 (2H, d, J=8.4Hz), 7.21 (2H, d, J=8.4Hz), 7.99 (1H, s), 8.16(1H,s).
【0325】
<製造例5>
(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−トリフルオロメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−65(化合物(I)、(Ra)Xana= H、(Rb)Xbnb=CF3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))と、(1RS,2SR,5RS)−5−(4−クロロベンジル)−2−トリフルオロメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−365(化合物(I)、(Ra)Xana=H、(Rb)Xbnb=CF3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型T))の合成
(1)中間体:7−(4−クロロベンジル)−4−トリフルオロメチル−1−オキサスピロ[2.4]ヘプタン(化合物(III)、(Ra)Xana=H、(Rb)Xbnb=CF3、Ym=4-Cl)の合成
窒素気流下、無水THF(1 ml)中にSm (705 mg, 4.7 mmol)を加え、撹拌下1,2−ジヨードエタン(662 mg, 2.3 mmol)を無水THF (2 ml)に溶解した溶液を滴下した。反応液を室温で30分間撹拌した。その後、氷冷下、ジヨードメタン(723 mg, 2.7 mmol)と5−(4−クロロベンジル)−2−トリフルオロメチルシクロペンタノン(化合物(V)、(Ra)Xana=H、(Rb)Xbnb=CF3、Ym=4-Cl)(432 mg, 1.6 mmol)を無水THF (2 ml)に溶解した溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応液を、NaOH水溶液(NaOH(1.1 g)を水10 mlに溶解)とTHF(10ml)を加えた混合溶液へ注ぎ、室温で30分間撹拌した。この反応液に氷を加え、1N 塩酸水溶液で中和した後、ヘキサンで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル = 70:1)で精製して、目的物を得た。
収量:111 mg
収率:24 %
性状:黄色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
1.46-2.07 (m, 4H), 2.35-2.45 (m, 2H), 2.57-2.90 (m, 2H),2.72 (d, J=4.8 Hz), 2.90(d, J=4.8 Hz), 7.09(m, 2H), 7.24(d, 2H, J=8.4Hz).
【0326】
(2)化合物番号I−65と化合物番号I−365の合成
ヘキサンで洗浄した60%水素化ナトリウム24 mg(0.60 mmol)を無水DMF (0.4 ml)に懸濁させ、氷冷下、1H−1,2,4−トリアゾール 39 mg(0.56 mmol)を添加した。室温で20 分間撹拌した後、上記で合成した化合物(III)(111 mg, 0.38 mmol)の無水DMF溶液(0.6 ml)を加え、95℃で3 時間加熱撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (溶離液;ヘキサン:酢酸エチル = 2:3 〜1:7)で精製し目的物を得た。
<化合物番号I−65>
収量:43 mg
収率:31 %
性状:橙黄色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
1.63(2H, m), 1.84 (1H, m), 2.00(2H, m), 2.44(1H, dd-like, J=13.4, 10.4 Hz), 2.57(1H, dd-like, J=13.4, 4.4 Hz), 2.64(1H, m), 2.81(1H, bs), 4.37(1H, d, J=14.2 Hz), 4.42(1H, d, J=14.2 Hz), 7.08(2H, d, J=8.2 Hz), 7.24(d, 2H, J=8.2 Hz), 8.01(s, 1H), 8.10(s, 1H).
<化合物番号I−365>
収量:10 mg
収率:7 %
性状:橙黄色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
1.35 (2H, m), 1.91 (2H, m), 2.28(2H, m), 2.51(1H, m), 3.14 (1H, d-like, J=10.0 Hz), 3.89 (1H, bs), 4.28(1H, d J=14.0 Hz), 4.39 (1H, d, J=14.0 Hz), 7.07(2H, d, J=8.2 Hz), 7.26 (d, 2H, J=8.2 Hz), 8.02(s, 1H), 8.22(s, 1H).
【0327】
<製造例6>
(1RS,2RS,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−(2−クロロプロペニル)−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−15(化合物(I)、(Ra)Xana= CH3、(Rb)Xbnb=CH2CCl=CH2、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))と、(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−(2−クロロプロペニル)−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−115(化合物(I)、(Ra)Xana= CH2CCl=CH2、(Rb)Xbnb= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
(1)中間体、7−(4−クロロベンジル)−4−(2−クロロプロペニル)−4−メチル−1−オキサスピロ[2.4]ヘプタン(化合物(III)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2CCl=CH2、Ym=4-Cl)の合成
アルゴン雰囲気下、無水THF (9 ml) 中にSm (1.01 g, 6.71mmol)を加え、室温下、1,2−ジヨードエタン (1.05 g, 3.73mmol)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌した後、−7℃〜−2℃に冷却し、ジヨードメタン(0.90 g, 0.00168 x 2.0 mol)とTHF(5ml)に溶解した2−(2−クロロ−2−プロペニル)―5−(4−クロロベンジル)−2−メチルシクロペンタノン(化合物(V)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb = CH2CCl=CH2、Ym=4-Cl)を加え、同温度で、1.5時間撹拌した。ここに、2NNaOH水溶液(8 ml)を加え、氷冷下、1時間撹拌した。2N塩酸水溶液(8 ml)を加えた後、ヘキサン(100 ml x 2)で抽出した。有機層を水(50 ml)、飽和食塩水(30 ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗目的物(0.44 g)を得、そのまま、次反応に用いた。
【0328】
(2)化合物番号I−15と化合物番号I−115の合成
上記で合成した粗化合物(III)(0.24 g, 0.77mmol)をDMF(1.5 ml)に溶解し、炭酸カリウム(0.108 g, 0. 781mmol)と1H−1,2,4−トリアゾール (0.053 g, 0.77mmol)を加え、約80℃で2時間、約90℃で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(50 ml)と水(30 ml)を加え、分配した。水層を酢酸エチル(50 ml)で抽出した後、有機層を飽和食塩水(50 ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=2 : 1 〜 1 : 2)で精製し、目的物を得た。
<化合物番号I−15>
収量:15mg
収率:4%
性状:黄色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
1.11 (3 H, s), 1.40 - 2.50 (8 H, m), 2.59 (1 H, d, , J= 14.0 Hz), 3.82 (1 H, s), 4.23 (1 H, d, , J= 14.2 Hz), 4.33 (1 H, d, J= 14.2 Hz), 5.02 (1 H, s), 5.20 (1 H, s), 6.99 - 7.07 (2 H, m), 7.18 - 7.25 (2 H, m), 8.01 (1 H, s), 8.19 (1 H, s).
<化合物番号I−115>
収量:60 mg
収率:16 %
性状:黄色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.75 (3 H, s), 1.40 - 1.58 (1 H, m), 1.62-1.83 (3 H, m), 2.15 - 2.53 (5 H, m), 3.72 (1 H, s), 4.14 (1 H, d, , J= 14.1 Hz), 4.25 (1 H, d, , J= 14.1 Hz), 5.12 (1 H, d, , J= 1.1 Hz), 5.32 (1 H, d, , J= 1.1 Hz), 6.99 - 7.06 (2 H, m), 7.18 - 7.26 (2 H, m), 7.99 (1 H, s), 8.16 (1 H, s).
【0329】
なお、これらの異性体は相対立体配置において4種考えられるが2種生成し、ヨウ化サマリウムの反応性から、水酸基と5位のベンジル基がシス配置をとると考え、異性体の型をCと予想し帰属したが、異性体の型T(化合物番号I−315やI−415)である可能性も考えられる。
【0330】
<製造例7>
(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル) −2−クロロメチル−2−エチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−36(化合物(I)、(Ra)Xana=CH2CH3、(Rb)Xbnb =CH2Cl、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,2RS,3SR)−p−トルエンスルホン酸 3−(4−クロロベンジル)−1−エチル−2−ヒドロキシ−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルシクロペンチルメチルエステル(化合物番号II−4(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa=CH2CH3、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pb= CH2OTos、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(56.1mg,0.111mmol)をDMF(1.1ml)に溶解し、リチウムクロライド(47.2mg,1.11mmol)を加え、80℃で30分間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで洗浄した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:3)によって精製し、目的物を得た。
収量:3.0 mg
収率:7 %
性状:白色固体、融点(m.p.)113.0 ℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.94(3Ht,J=7.3Hz),1.31-1.46(2H,m), 1.49(1H,dd,J=13.0,3.2Hz), 1.50-1.63(3H,m), 1.79-1.80(1H,m), 2.13(1H,dd,J=13.0,11.5Hz), 2.23-2.31(1H,m), 3.50(1H,d,J=11.4Hz), 4.03(1H,s), 4.09(1H,d,J=11.4Hz), 4.34(1H,d,J=14.2Hz), 4.79(1H,d,J=14.2Hz), 6.88(2H,d,J=8.4Hz), 7.17(2H,d,J=8.4Hz), 8.01(1H,s), 8.21(1H,s).
【0331】
<製造例8>
cis−5−(4−クロロベンジル)−2,2−ビス(クロロメチル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−203(化合物(I)、(Ra)Xana=CH2Cl、(Rb)Xbnb =CH2Cl、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
cis−5−(4−クロロベンジル) −2,2−ビス(メタンスルホニルオキシメチル) −1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルシクロペンタノール(化合物番号II−5(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa=CH2OMs(Rb1)Xb1nb1(Lb)pb= CH2OMs、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(73.9mg,0.136mmol)をDMF (1.5ml)に溶解し、塩化リチウム(57.8mg,1.42mmol)を加え、80℃で7時間撹拌した。ここにp−トルエンスルホン酸1水和物(12.9mg,0.68mmol)を加え、さらに4時間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、目的物を得た。
収量:9.7 mg
収率:18 %
性状:無色粘稠液体
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
1.45-1.55(1H,m), 1.61-1.75(2H,m), 1.86-1.95(1H,m), 2.26-2.37(2H,m), 3.72(1H,d,J=11.7Hz), 3.73(1H,d,J=11.3Hz), 3.80(1H,d,J=11.3Hz), 3.82(1H,d,J=11.7Hz), 4.30(1H,d,J=14.1Hz), 4.54(1H,s), 4.78(1H,d,J=14.1Hz), 6.93(2H,d,J=8.4Hz), 7.19(2H,d,J=8.4Hz), 8.02(1H,s), 8.22(1H,s).
【0332】
<製造例9>
(1RS,2SR,5RS)-5-(4-クロロベンジル)-2-クロロメチル-2-メチル-1-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−301(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Cl、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,4RS,5RS)-4-(4-クロロベンジル)-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン(化合物番号(XVI)−2、(化合物(XVI)、[(Ra)Xana] = CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型T) )(150.1 mg, 0.472 mmol)をDMF(3 ml)に溶解し、リチウムクロライド(300.3 mg , 7.08 mmol)及びp-トルエンスルホン酸1水和物(107.7 mg, 0.566 mmol)を加え、80℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、DMFを減圧下で留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することにより、目的物を得た。
収量:130.1 mg
性状:無色結晶、融点(m.p.)133.8℃
収率:77.8 %。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)d:
1.23(3H,s),1.34-1.43(1H,m),1.61-1.69(1H,m),1.74-1.83(1H,m),1.86-1.94(1H,m),2.20-2.29(1H,m),2.33(1H,t,J=12.1Hz),2.93(1H,dd,J=12.1,2.8Hz),3.56(1H,d,J=10.9Hz),3.63(1H,d,J=10.9Hz),4.19(1H,s),4.47(1H,d,J=14.2Hz),4.52(1H,d,J=14.2Hz),6.95(2H,d,J=8.3Hz),7.21(2H,d,J=8.3Hz),8.03(1H,s).8.21(1H,s).
【0333】
<製造例10>
(1RS,2RS,5RS)-5-(4-クロロベンジル)-2-クロロメチル-2-メチル-1-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−401(化合物(I)、(Ra)Xana=CH2Cl、(Rb)Xbnb=CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型T))の合成
(1RS,2SR,5RS)-5-(4-クロロベンジル)-2-(p-トルエンスルホニル)オキシメチル-2-メチル-1-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチルシクロペンタノール(化合物番号II−6(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa= CH2OTos、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbRb1= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型T))(215.7 mg, 0.440 mmol)をDMF (4 ml)に溶解し、リチウムクロライド(280 mg, 6.60 mmol)を加え、80℃で3.5時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:2)によって精製し、目的物を得た。
収量:34.4 mg
収率:22.2 %
性状:無色粘稠液体
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δ:
1.08(3H,s),1.29-1.39(1H,m),1.63-1.70(1H,m),1.71-1.82(2H,m),2.16(1H,t,J=12.8Hz),2.39-2.46(1H,m),2.80(1H,dd,J=12.8,3.3Hz),3.47(1H,d,J=11.1Hz),3.62(1H,d,J=11.1Hz),3.80(1H,s),4.46(2H,s),7.03(2H,d,J=8.4Hz),7.22(2H,d,J=8.4Hz),7.99(1H,s),8.30(1H,s).
【0334】
<製造例11>
(1RS,2SR,5SR)−5−(3−クロロベンジル)−2−クロロメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−74(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Cl、Ym=3-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,4SR,5RS)-4-(3-クロロベンジル)-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン (化合物番号(XVI)−3、(化合物(XVI)、[(Ra)Xana] = CH3、Ym=3-Cl、A=N、異性体の型C) )(370 mg, 1.16 mmol)をDMF(7 ml)に溶解し、80℃に加熱した。ここにリチウムクロライド(589 mg, 13.9 mmol)及びp-トルエンスルホン酸1水和物(264 mg, 1.39 mmol)を加え、135分間撹拌した。反応終了後、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、目的物を得た。
収量:309 mg
収率:75.2 %
性状:無色粘稠液体
1H-NMR(CDCl3) δ:
1.19(3H,s),1.41-1.53(2H,m),1.66-1.75(2H,m),1.90-1.99(2H,m),2.32-2.41(2H,m),3.24(1H,d,J=10.8Hz),3.57(1H,d,J=10.8Hz),4.10(1H,s),4.26(1H,d,J=14.2Hz),4.54(1H,d,J=14.2Hz),6.93(1H,d,J=6.6Hz),7.05(1H,s),7.13-7.19(2H,m),8.02(1H,s),8.20(1H,s).
【0335】
<製造例12>
(1RS,2SR,5SR)−2−クロロメチル−5−(4−フルオロベンジル)−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−77(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Cl、Ym=4-F、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,4SR,5RS)-4-(4-フルオロベンジル)-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン (化合物番号(XVI)−4、(化合物(XVI)、[(Ra)Xana] = CH3、Ym=4-F、A=N、異性体の型C) )(201.1 mg, 0.667 mmol)をDMF(2 ml)に溶解し、80℃に加熱した。ここにリチウムクロライド(339.3 mg, 8.00 mmol)及びp-トルエンスルホン酸1水和物(152.3 mg, 0.800 mmol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:3)によって精製し、目的物を得た。
収量:224.3 mg
収率:99.6 %
性状:白色固体、融点(m.p.)126.5℃
1H-NMR(CDCl3) δ:
1.18(3H,s),1.41-1.53(2H,m),1.65-1.76(1H,m),1.89-1.98(2H,m),2.28-2.38(2H,m),3.26(1H,d,J=10.8Hz),3.57(1H,d,J=10.8Hz),4.05(1H,s),4.25(1H,d,J=14.2Hz),4.54(1H,d,J=14.2Hz),6.92(2H,t,J=8.7Hz),7.00(2H,dd,J=8.7,5.5Hz),8.01(1H,s),8.19(1H,s).
【0336】
<製造例13>
(1RS,2SR,5SR)−2−クロロメチル−5−ベンジル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−73(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Cl、Ym=−(m=0)、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,4SR,5RS)-4-ベンジル-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン (化合物番号(XVI)−5、(化合物(XVI)、[(Ra)Xana] = CH3、Ym= - (m=0)、A=N、異性体の型C) )(124.3 mg, 0.439 mmol)をDMF(2.5 ml)に溶解し、80℃に加熱した。ここにリチウムクロライド(223.1 mg, 5.26 mmol)及びp-トルエンスルホン酸1水和物(100.2 mg, 0.526 mmol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することにより目的物を得た。
収量:92.1 mg
収率:65.6 %
性状:無色結晶、融点(m.p.)94.3℃
1H-NMR(CDCl3) δ:
1.18(3H,s),1.40-1.56(2H,m),1.67-1.77(1H,m),1.91-2.04(2H,m),2.34-2.43(2H,m),3.22(1H,d,J=10.8Hz),3.57(1H,d,J=10.8Hz),4.02(1H,s),4.25(1H,d,J=14.2Hz),4.53(1H,d,J=14.2Hz),7.05(2H,d,J=7.3Hz),7.16(1H,t,J=7.3Hz),7.23(2H,d,J=7.3Hz),8.01(1H,s),8.19(1H,s).
【0337】
<製造例14>
(1RS,2SR,5SR)-5-(4-クロロベンジル)-2-クロロメチル-2-メチル-1-イミダゾール-1-イルメチルシクロペンタノール((化合物番号I−244(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Cl、Ym=4-Cl、A=CH、異性体の型C))の合成
(1RS,4SR,5RS)-4-(4-クロロベンジル)-1-メチル-5-(イミダゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン (化合物番号(XVI)−6、(化合物(XVI)、[(Ra)Xana] = CH3、Ym=4-Cl、A=CH、異性体の型C))(100.4 mg, 0.317 mmol)をDMF (2 ml)に溶解し、リチウムクロライド(201.5 mg, 47.5 mmol)及びp-トルエンスルホン酸1水和物(72.4 mg, 0.380 mmol)を加え、80℃で1時間撹拌した。ここにp-トルエンスルホン酸1水和物(72.4 mg, 0.380 mmol)を追加してさらに2時間撹拌した。反応終了後、DMFを減圧下で留去し、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することにより目的物を得た。
収量:79.0 mg
収率:70.3 %
性状:白色固体, m.p 186.5℃
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δ:
1.20(3H,s),1.39-1.53(2H,m),1.70-1.81(1H,m),1.85-1.93(1H,m),1.93(1H,dd,J=13.1,3.3Hz),2.26(1H,dd,J=13.1,11.2Hz),2.34-2.42(2H,m),3.39(1H,d,J=11.0Hz),3.57(1H,d,J=11.0Hz),4.07(1H,d,J=14.5Hz),4.31(1H,d,J=14.5Hz),6.98(2H,d,J=8.3Hz),7.08-7.11(2H,m),7.21(2H,d,J=8.3Hz),7.64(1H,s).
【0338】
<製造例15>
(1RS,2SR,5SR)−2−ブロモメチル−5−(4−フルオロベンジル)−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−601(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Br、Ym=4-F、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,4SR,5RS)-4-(4-フルオロベンジル)-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン (化合物番号(XVI)−4、(化合物(XVI)、[(Ra)Xana] = CH3、Ym=4-F、A=N、異性体の型C) )(79.5 mg, 0.264 mmol)をDMF(1.6 ml)に溶解し、ここにリチウムブロマイド(229 mg, 2.64 mmol)及びp-トルエンスルホン酸1水和物(60.2 mg, 0.316 mmol)を加え、室温で6.5時間撹拌後、50℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をヘキサン/酢酸エチルから再結晶することにより精製し、目的物を得た。
収量:75.1 mg
収率:74.4 %
性状:白色固体、融点(m.p.)130.0 ℃
1H-NMR(CDCl3) δ:
1.20(3H,s),1.42-1.53(2H,m),1.65-1.76(1H,m),1.91-1.99(2H,m),2.30-2.42(2H,m),2.95(1H,d,J=9.9Hz),3.54(1H,d,J=9.9Hz),4.08(1H,s),4.23(1H,d,J=14.2Hz),4.51(1H,d,J=14.2Hz),6.93(2H,t,J=8.7Hz),7.01(2H,dd,J=8.7,5.4Hz),8.02(1H,s),8.18(1H,s).
【0339】
<製造例16>
(1RS,2SR,5SR)−2−ブロモメチル−5−ベンジル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号I−602(化合物(I)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb=CH2Br、Ym=−(m=0)、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,4SR,5RS)-4-ベンジル-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン (化合物番号(XVI)−5、(化合物(XVI)、[(Ra)Xana] = CH3、Ym= - (m=0)、A=N、異性体の型C) )(50.0 mg, 0.176 mmol)をDMF(2 ml)に溶解し、リチウムブロマイド(183.9 mg, 2.12 mmol)及びp-トルエンスルホン酸1水和物(40.3 mg, 0.212 mmol)を加え、50℃で1時間、室温で18時間撹拌した。反応終了後、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することにより目的物を得た。
収量:28.1 mg
収率:43.7 %
性状:無色結晶、融点(m.p.)103.3℃
1H-NMR(CDCl3) δ:
1.20(3H,s),1.45-1.58(2H,m),1.67-1.78(1H,m),1.93-2.01(1H,m),2.03-2.17(1H,m),2.35-2.46(2H,m),2.92(1H,d,J=9.9Hz),3.54(1H,d,J=9.9Hz),4.05(1H,s),4.24(1H,d,J=14.2Hz),4.50(1H,d,J=14.2Hz),7.07(2H,d,J=7.3Hz),7.15(1H,t,J=7.3Hz),7.24(2H,d,J=7.3Hz),8.01(1H,s),8.18(1H,s).
【0340】
また、上記の製造例に準じた方法で下記「表14」に示す化合物(I)を合成した。
【0341】
【表14】
【0342】
また、上記で使用された中間体化合物(II)は以下のようにして製造される。
【0343】
【化29】
【0344】
【表15】
【0345】
表の見方は、以下の通りである。
4):(Ra1)Xa1na1(La)paをひとつの置換基として記載した。ここで、Ra1が水素原子である場合を除き(Ra1)Xa1na1(La)paの左端の水素原子の不足した炭素原子で化合物(II)中のシクロペンタン環に結合しているものとする。例えば化合物番号II-1においては(Ra1)=メチル基、na1=0、pa=0である。
5):(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbをひとつの置換基として記載した。ここでRb1が水素原子である場合を除き、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbの左端の水素原子の不足した炭素原子で化合物(II)中のシクロペンタン環に結合しているものとする。例えば化合物番号II-1においては(Rb1)=メチル基、nb2=0、Lb=OTos、pb=1である。
3):「-」の前の数字はフェニル環上に置換基を有する場合において、シクロペンタン環と結合している炭素原子と結合している炭素原子を1位とした結合位置を示す。
【0346】
<参考製造例1>
(1RS,2RS,3SR)−p−トルエンスルホン酸 3−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンチルメチル エステル(化合物番号II−1(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa=CH3、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbRb1= CH2OTos、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(73 mg(60%,1.83 mmol)をヘキサンで洗浄後、脱水THF (4 ml)に懸濁し、氷水冷却した。次いで、脱水THF (5 ml)に溶解した(1RS,2RS,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号VI−1(化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH3、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH2OH、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C)) (510 mg, 1.52 mmol)を滴下した。室温下に戻し、30分攪拌した。再び、氷水冷却した後、p-トルエンスルホニルクロリド(380 mg, 1.97 mmol)を添加し、同温度で1.5時間、室温下で0.5時間攪拌した。反応液に水(20 ml)を加え、反応を停止した後、酢酸エチル(100 ml)で分配した。有機層を飽和食塩水(20 ml×3)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル = 2:3)で精製し、目的物を得た。
収量:0.41 g
収率:55 %
性状:白色固体 m.p. 69 ℃
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δ:
1.09(3H, s), 1.24-1.30 (1H, m), 1.35-1.45 (1H, m), 1.60-1.80 (3H, m), 2.16-2.32 (2H, m), 3.85 (1H, d, J=9.4Hz), 3.97 (s,1H), 3.99 (1H, d, J=9.4Hz), 4.23 (1H, d, J=14.2Hz), 4.43 (1H, d, J=14.2Hz), 6.91 (2H, d, J=8.4Hz), 7.17 (2H, d, J=8.4Hz), 7.36 (2H, d, J=8.0Hz), 7.76 (2H, d, J=8.3Hz), 7.96 (1H, s), 8.16(1H, s).
【0347】
<参考製造例2>
(1RS,2SR,3RS)−p−トルエンスルホン酸 3−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンチルメチル エステル(化合物番号II−2(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa= CH2OTos、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbRb1= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
アルゴン雰囲気下、(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号VI−2(化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH2OH、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(0.205 g,0.610 mmol)を脱水THFに溶解し、氷冷下、水素化ナトリウム(18 mg,0.733 mmol)を加え、室温で0.5時間撹拌した。これにp-トルエンスルホニルクロリド(0.140 g,0.733 mmol)を加え室温で2時間撹拌後、水素化ナトリウム(12 mg,0.51 mmol)を加え、2時間撹拌した。反応終了後、水(5 ml)と酢酸エチル(25 ml)を加え、分配した。有機層を飽和食塩水(5 ml×3)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1 )で精製し、目的物を得た。
収量:0.21 g
収率:69 %
性状:白色固体
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.40(3H, s),1.27(1H, m),1.50-1.71(3H, m),2.27(1H, m),2.46(3H, s), 2.65(2H,d,J=7.4Hz),3.64(1H,d,J=10.2Hz), 4.01 (1H,d,J=10.2Hz),4,21(1H,d,J=14.2Hz),4.44(1H,d,J=14.2Hz),4.84(1H,s),7.08(2H,d, J=8.3Hz), 7.24 (2H, d, J=8.1Hz),7.36(2H,d,J=8.1Hz),7.76(2H,d, J=8.3Hz), 7.96 (1H,s),8.32(1H,s).
【0348】
<参考製造例3>
p−トルエンスルホン酸 2−[(1RS,2SR,3RS)−3−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1イルメチル)シクロペンチル]エチル エステル(化合物番号II−3(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa= CH2CH2OTos、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbRb1= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシエチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号VI−3(化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH2CH2OH、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(32.4 mg, 0.089 mmol)及びp−トルエンスルホニルクロリド(14.7 mg, 0.085 mmol)をTHF (1 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(60 % oil dispersion) (3.1 mg, 0.077 mmol)を加え、室温で19時間撹拌した。これを35℃の油浴中で3.5時間撹拌した後、水素化ナトリウム(60 % oil dispersion)(0.5 mg, 0.013 mmol)を加え、さらに30分間撹拌した。反応終了後、溶液を氷水中に注ぎクロロホルムで抽出した。有機層を炭酸ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して粗目的物を得た。
収量:44.3 mg
収率:69 %
性状:白色固体
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.59(3H, s), 1.36-1.47 (2H, m), 1.54-1.69 (2H, m), 1.76 (2H, t, J=7.5Hz), 2.10-2.20 (1H, m), 2.38 (1H, dd, J=13.7, 5.1Hz), 2.43-2.47 (1H, m), 2.44 (3H, s), 3.94 (1H, s), 4.06-4.22 (3H, m), 4.30 (1H, d, J=12.4Hz), 6.99 (1H, d, J=8.4Hz), 7.21 (1H, d, J=8.4Hz), 7.34 (1H, d, J=8.3Hz), 7.77 (1H, d, J=8.3Hz), 7.96 (1H, s), 8.11 (1H, s).
【0349】
<参考製造例4>
(1RS,2RS,3SR)−p−トルエンスルホン酸 3−(4−クロロベンジル)−1−エチル−2−ヒドロキシ−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルシクロペンチルメチルエステル(化合物番号II−4(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa= CH2CH3、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbRb1= CH2OTos、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
(1RS,2RS,5SR)−5−(クロロベンジル)−2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号VI−4(化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH2CH3、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH2OH、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(62.3 mg,0.178 mmol)をTHF(1 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(7.9 mg,0.198 mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。これを−15℃に冷却し、トシルクロライド(40.8 mg,0.214 mmol)を加え、室温まで昇温しながら1.5時間撹拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=2:3)によって精製し、目的物を得た。
収量:57.6 mg
収率:64.2 %
性状:白色泡状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.82(3H,t,J=7.3Hz),1.30-1.40(1H,m),1.42-1.50(3H,m),1.50-1.61(1H,m),1.67-1.77(1H,m),2.10(1H,dd,J=14.6,11.4Hz),2.19-2.27(1H,m),2.47(3H,s),3.91(1H,d,J=9.5Hz),3.97(1H,s),4.31(1H,d,J=14.2Hz),4.32(1H,d,J=9.5Hz),4.52(1H,d,J=14.2Hz),6.86(2H,d,J=8.4Hz),7.15(2H,d,J=8.4Hz),7.37(2H,d,J=8.0Hz),7.81(2H,d,J=8.0Hz),7.97(1H,s),8.16(1H,s).
【0350】
<参考製造例5>
cis−5−(4−クロロベンジル)−2,2−ビス(メタンスルホニルオキシメチル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルシクロペンタノール(化合物番号II−5(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa= CH2OMs、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbRb1= CH2OMs、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))の合成
cis−5−(4−クロロベンジル)−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルシクロペンタノール(化合物番号VI−5(化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH2OH、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH2OH、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(50.0 mg,0.142 mmol)をTHF (1.5 ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.0598 ml,0.426 mmol)を加え、氷浴で0℃に冷却した。ここにメタンスルホニルクロライド(0.0246 ml,0.341 mmol)を滴下し、室温まで昇温しながら3時間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。希水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を真空乾燥することにより粗目的物を得た。
粗収量:76.9 mg
粗収率:107 %
性状:無色粘稠液体
1H-NMR(CDCl3)d:
1.48-1.58(1H,m),1.59-1.73(2H,m),1.87-1.96(1H,m),2.22-2.34(2H,m),2.53(1H,dd,J=12.7,9.5Hz),2.97(3H,s),3.07(3H,s),3.92(1H,d,J=9.9Hz),4.15(1H,d,J=10.4Hz),4.20(1H,d,J=9.9Hz),4.25(1H,d,J=10.4Hz),4.28(1H,d,J=14.3Hz),4.54(1H,d,J=14.3Hz),5.18(1H,s),7.02(2H,d,J=8.4Hz),7.23(2H,d,J=8.4Hz),8.03(1H,s),8.34(1H,s).
【0351】
<参考製造例6>
(1RS,2SR,5RS)-5-(4-クロロベンジル)-2-(p-トルエンスルホニル)オキシメチル-2-メチル-1-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチルシクロペンタノール(化合物番号II−6(化合物(II)、(Ra1)Xa1na1(La)pa= CH2OTos、(Rb1)Xb1nb1(Lb)pbRb1= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型T))の合成
(1RS,2SR,5RS)−5−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物番号VI−2(化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH2OH、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型T))(200 mg, 0.596 mmol)をTHF(4 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(23.8 mg, 0.596 mmol)を加え、50℃で40分間撹拌した。ここに氷浴中で冷却しながらp-トルエンスルホニルクロライド(125 mg, 0.656 mmol)を加え室温で1.5時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:3)によって精製し、目的物を得た。
収量:242.8 mg
収率:83.2 %
性状:無色固体
1H-NMR(CDCl3)d=
0.75(3H,s),1.21-1.30(1H,m),1.49-1.57(1H,m),1.63-1.77(2H,m),2.18(1H,t,J=12.8Hz),2.38-2.46(1H,m),2.46(3H,s),2.84(1H,dd,J=12.8,3.9Hz),3.74(1H,d,J=10.0Hz),3.98(1H,d,J=10.0Hz),4.35(1H,d,J=14.2Hz),4.43(1H,d,J=14.2Hz),4.56(1H,s),6.99(2H,d,J=8.4Hz),7.22(2H,d,J=8.4Hz),7.37(2H,d,J=8.2Hz),7.78(2H,d,J=8.2Hz),7.95(1H,s),8.28(1H,s).
【0352】
また、上記で使用される中間体化合物(VI)は、例えば、下記参考製造例7やこれに準じた方法や文献公知の方法等により製造することができる。
【0353】
<参考製造例7>
5−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノールの合成
(1)中間体、1−(4−クロロベンジル)−3−メチル−3−ヒドロキシメチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸 メチルエステル(化合物番号XI−1(化合物(XI)、R1 =CH3、R2 =CH3、Ym=4-Cl))の合成
1−(4−クロロベンジル)−3−メチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸 メチルエステル(1.12 g, 4.0 mmol)に37%ホルムアルデヒド水溶液(0.90 ml, 12 mmol)及び炭酸カリウム(276 mg, 2.0 mmol)を加え、室温で4時間激しく撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチル(30ml)で抽出した。有機層を飽和食塩水(10 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル = 3:2)によって精製し、標記の化合物を2種の異性体として得た。
異性体 (a)
収量:227 mg
収率:18 %
性状:無色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
1.10(3H,s),1.69(1H,brdd,J=7.2,4.6Hz),1.72-1.78(1H,m),1.84-1.91(1H,m),1.91-2.00(1H,m),2.39-2.47(1H,m),3.00(1H,d,J=13.9Hz),3.20(1H,d,J=13.9Hz),3.25(1H,dd,J=10.8,4.6Hz),3.45(1H,dd,J=10.8,7.2Hz),3.73(3H,s)7.09(2H,d,J=8.5Hz),7.23(2H,d,J=8.5Hz).
異性体 (b)
収量:953 mg
収率:76 %
性状:白色固体
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.71(3H,s),1.46(1H,ddd,J=12.9,7.2,3.0Hz),1.88-1.95(1H,m),1.92(1H,brs),2.04-2.15(1H,m),2.38(1H,ddd,J=13.3,7.2,3.0Hz),3.14(2H,s),3.45(1H,dd,J=10.9,5.7Hz),3.63(1H,dd,J=10.9,6.8Hz),3.72(3H,s),7.05(2H,d,J=8.5Hz),7.24(2H,d,J=8.5Hz).
【0354】
また、同様の製造法により下記「表16」にある化合物(XI)を合成した。
【0355】
【表16-A】
【表16-B】
【0356】
(2)中間体、5−(4−クロロベンジル)−2−メトキシメトキシメチル−2−メチルシクロペンタノン(化合物(IX)、R1 =CH3、Ym =4-Cl、G=CH2OCH3)の合成
1−(4−クロロベンジル)−3−メチル−3−ヒドロキシメチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸 メチルエステル(化合物(XI)、R1 =CH3、R2 =CH3、Ym =4-Cl)(186 mg, 0.60 mmol)を塩化メチレン(5.6 ml)に溶解し、ジメトキシメタン(2.8 ml)を加えた。これを水浴で冷却し、五酸化二リン(372 mg)を加え室温で10分間激しく撹拌した。反応終了後、飽和食塩水に反応液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し減圧乾燥することにより粗製の1−(4−クロロベンジル)−3−メトキシメトキシメチル−3−メチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸 メチルエステル(化合物(X)、R1 =CH3、R2 =CH3、Ym =4-Cl、 G=CH2OCH2OCH3)(195 mg)を得た。このうち(188.8 mg)をイソプロパノール(0.53ml)に溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液(0.53 ml, 1.12 mmol)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル = 7:1)によって精製して目的物を2種の異性体(異性体 (a) :異性体 (b)= 36:65)の混合物として得た。
収量:104.1 mg
収率:66 %
性状:無色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
異性体 (a)
1.04(3H,s),1.60-1.71(2H,m),1.89-1.96(1H,m),2.17-2.23(1H,m),2.44-2.55(2H,m),3.06(1H,dd,J=13.1,3.6Hz),3.27(1H,d,J=8.9Hz),3.31(3H,s),3.52(1H,d,J=8.9Hz),4.51(1H,d,J=10.1Hz),4.52(1H,d,J=10.1Hz),7.10(2H,d,J=8.4Hz),7.24(2H,d,J=8.4Hz).
異性体 (b)
0.84(3H,s),1.49(1H,qd,J=12.2,6.9Hz),1.64(1H,ddd,J=12.7,6.8,1.2Hz),1.96-2.04(1H,m),2.08-2.17(1H,m),2.36-2.45(1H,m),2.61(1H,dd,J=14.0,8.7Hz),3.09(1H,dd,J=14.0,2.2Hz),3.31(3H,s),3.32(1H,d,J=9.1Hz),3.62(1H,d,J=9.1Hz),4.53(1H,d,J=10.8Hz),4.54(1H,d,J=10.8Hz),7.09(2H,d,J=8.5Hz),7.23(2H,d,J=8.5Hz).
【0357】
(3)中間体、5−(4−クロロベンジル)−2−メトキシメトキシメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物(VII)、R1 =CH3、Ym =4-Cl、G=CH2OCH3、A=N)の合成
1H−1,2,4−トリアゾールナトリウム塩(1.196g, 13.1mmol)をNMP(7ml)に溶解し、内温115℃まで昇温した。ここに5−(4−クロロベンジル)−2−メトキシメトキシメチル−2−メチルシクロペンタノン(化合物(IX)、R1 =CH3、Ym =4-Cl、 G=CH2OCH3)(2.60 g, 8.76 mmol)を加え、NMP(1.8 ml)で洗い込みを行った。内温が115℃に戻った後にナトリウムt-ブトキシド(505 mg, 5.26 mmol)及びトリメチルスルホキソニウムブロミド(2.2379 g, 1.476 mmol)を約3時間かけて分割添加した。添加終了後、同温度で75分間撹拌した。反応液を35℃まで冷却後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル = 3:1 〜0:1)によって精製して目的物を得た。
収量:2.36 g
収率:71 %
性状:無色粘稠油状物
【0358】
(4)5−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物(VI-a)−1、R1 =CH3、Ym=4-Cl、A=N)の合成
5−(4−クロロベンジル)−2−メトキシメトキシメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物(VII)、R1 =CH3、Ym =4-Cl、G=CH2OCH3、A=N)(629 mg, 1.66 mmol)をメタノール(6.3 ml)に溶解し、10 %塩化水素−メタノール(6.3 ml, 1.73 mmol)を加え室温で48時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、水を加えた。酢酸エチル(80 ml)を加えた後に水酸化ナトリウム水溶液をpHが10になるまで添加した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄した後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して標記化合物(VI-1(化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1 =CH3、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1=CH2OH、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C): VI-2 (化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1 = CH2OH、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C):その他の異性体(異性体の型T)=6 : 3 : 1)で得た。
収率:498 mg
収率:89.5 %
性状:白色固体
【0359】
上記参考製造例の方法等により下記化合物(VI)を合成した。
【0360】
【表17】
【0361】
表の見方は、以下の通りである。
6):(Ra2)Xa2na2(OH)pa1をひとつの置換基として記載した。ここで、Raが水素原子である場合を除き(Ra2)Xa2na2(OH)pa1の左端の水素原子の不足した炭素原子で化合物(VI)中のシクロペンタン環に結合しているものとする。例えば化合物番号VI-1においては(Ra2)=メチル基、na2=0、pa1=0である。
7):(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1をひとつの置換基として記載した。ここでRbが水素原子である場合を除き、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1の左端の水素原子の不足した炭素原子で化合物(VI)中のシクロペンタン環に結合しているものとする。例えば化合物番号VI-1においては(Rb2)=メチル基、nb2=0、pb1=1である。
3):「−」は未置換(m=0)であることを示す。「-」の前の数字はフェニル環上に置換基を有する場合において、シクロペンタン環と結合した炭素原子と結合している炭素原子を1位とした結合位置を示す。
【0362】
【表18】
【0363】
なお、化合物VI-1及び VI-2のH-NMRスペクトルは特開平5−271197に記載の内容に良く一致した。
【0364】
また、中間体化合物(V)の一部は以下のようにして製造される。
【0365】
<参考製造例8>
2−(2−クロロ−2−プロペニル)―5−(4−クロロベンジル)−2−メチルシクロペンタノン(化合物(V)、(Ra)Xana =CH3、(Rb)Xbnb = CH2CCl=CH2)の合成
(1)中間体、3−(2−クロロ−2−プロペニル)−1−(4−クロロベンジル)−3−メチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸 メチル エステル(化合物(XIII)、R1 =CH3、(Rb)Xbnb= CH2CCl=CH2、R2 =CH3)の合成
1−(4−クロロベンジル)−3−メチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸 メチル エステル(化合物(XII)、R1 =CH3、R2 =CH3)(4.0 g, 14.2 mmol)をDMF(20 ml)に溶解し、NaH(0.63 g (ca. 60% in mineral oil), 15.8 mmol)を加え、約60℃に昇温した後、氷冷した。2,3−ジクロロプロペン (1.89 g, 17.0 mmol)を加え、氷浴を除き、室温下5時間撹拌した後、約60℃で1時間撹拌した。反応液に水(50 ml)を加え、酢酸エチル(80 ml x 2)で抽出した後、有機層を飽和食塩水(50 ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)で精製し、目的物を得た。
収量:2.94 g
収率:58%
性状:無色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.67 (2.52 H, s), 1.24 (0.48 H, s), 1.62 - 1.72 (0.84 H, m), 1.78 - 2.00 (1.16 H, m), 2.10 - 2.23 (1 H, m), 2.30 - 2.40 (1 H, m), 2.40 - 2.51 (0.32 H, m), 2.51 (0.84 H, d, J= 14.4 Hz), 2.58 (0.84 H, d, J= 14.4 Hz), 2.94 (0.16 H, d, J=13.8 Hz), 3.14 (0.84 H, d, J= 13.8 Hz), 3.18 (0.84 H, d, J= 13.8 Hz), 3.23 (0.16 H, d, J= 13.8 Hz), 3.71 (2.52 H, s), 3.71 (0.48 H, s), 5.08 - 5.10 (0.16 H, m), 5.12 - 5.14 (0.84 H, m), 5.23 - 5.25 (0.84 H, m), 5.25 - 5.27 (0.16 H, m), 7.03 - 7.10 (2 H, m), 7.20 - 7.26 (2 H, m).
【0366】
(2)2−(2−クロロ−2−プロペニル)―5−(4−クロロベンジル)−2−メチルシクロペンタノン(化合物(V)、(Ra)Xana=CH3、(Rb)Xbnb = CH2CCl=CH2)の合成
3−(2−クロロ−2−プロペニル)−1−(4−クロロベンジル)−3−メチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸 メチル エステル(化合物(XIII)、R1 =CH3、(Rb)Xbnb = CH2CCl=CH2、R2 =CH3)(2.90 g, 8.16mmol)をi-PrOH(5 ml)に溶解した後、NaOH(0.65 g, 16.3mmol)を水(5.4 ml)に溶解した水溶液を加え、2.5時間還流下、攪拌した。水(50 ml )を加え、ヘキサン(50 ml x 2)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、目的物を得た。
収量:1.96 g
収率:81%
性状:無色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ:
0.85 (1.98 H, s), 1.10 (1.02 H, s), 1.42 - 1.82 (2 H, m), 1.90 - 2.07 (1.66 H, m), 2.15 - 2.25 (0.34 H, m), 2.32 - 2.70 (4 H, m), 3.02 - 3.17 (1 H, m), 5.13 (0.34 H, s), 5.13 - 5.16 (0.66 H, m), 5.24 (0.66 H, s), 5.25 - 5.28 (0.34 H, m), 7.06 - 7.13 (2 H, m), 7.20 - 7.27 (2 H, m).
【0367】
また、中間体化合物(XVI)は以下のようにして製造される。
【0368】
【化30】
【0369】
【表19】
【0370】
表の見方は、以下の通りである。
8):(Ra)Xanaをひとつの置換基として記載した。ここで、Raが水素原子である場合を除き(Ra)Xanaの左端の水素原子の不足した炭素原子で化合物(XVI)中のシクロペンタン環に結合しているものとする。例えば化合物番号XVI-1においては(Ra)=メチル基、na=0である。
3):「−」は未置換(m=0)であることを示す。「−」の前の数字はフェニル環上に置換基を有する場合において、シクロペンタン環と結合した炭素原子と結合している炭素原子を1位とした結合位置を示す。
【0371】
<参考製造例9>
(1RS,4SR,5RS)-4-(4-クロロベンジル)-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン(化合物番号XVI−1(化合物(XVI)、[(Ra)Xana] = CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C)、及び(1RS,4RS,5RS)-4-(4-クロロベンジル)-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン(化合物番号(XVI−2)(化合物番号(XVI)、[(Ra2)Xa2na2(OR3)pa1] = CH3、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型T)の合成
水素化ナトリウム(3.82 g, 95.5 mmol)をヘキサンで洗浄し、THF(50 ml)に縣濁した。これを氷浴で冷却し5-(4-クロロベンジル)-2-ヒドロキシメチルメチル-2-メチル-1-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチルシクロペンタノール(化合物番号(VI-a)、R1= CH3、Ym=4-Cl、A=N)の異性体混合物(26.1 g, 77.7 mmol)をTHF(185 ml)に溶解して30分間で滴下した。
滴下終了後、室温に戻しながら40分間撹拌した後、再度氷浴で冷却しながらp-トルエンスルホニルクロライド(13.2 g, 69.3 mmol)を加えて70分間撹拌した。ここに水素化ナトリウム(4.13 g, 103 mmol)を5分間かけて加え室温で1時間撹拌した。反応終了後、内容物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、固形分を濾取した。母液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:3〜0:1)によって精製し、目的物を得た。
化合物番号(XVI−1)
収量17.26g
収率70.0%
性状:白色固体、融点(m.p.)95-96℃
1H-NMR(CDCl3)d=
1.21(3H,s),1.38-1.39(1H,m),1.69-1.80(2H,m),1.81-1.91(2H,m),2.31(1H,dd,J=13.5,4.0Hz),2.50(1H,dd,J=13.5,9.3Hz),4.22(2H,s),4.43(1H,d,J=15.0Hz),4.48(1H,d,J=15.0Hz),7.04(1H,d,J=8.4Hz),7.22(1H,d,J=8.4Hz),7.95(1H,s),8.15(1H,s).
化合物番号(XVI−2)
収量:2.57g
収率:10.4%
性状:白色固体、融点(m.p.)94.5℃
1H-NMR(CDCl3)d=
1.28(3H,s),1.56(1H,dd,J=13.1,6.5Hz),1.73(1H,tdd,J=13.2,6.6,1.6Hz),1.85(1H,dd,J=13.1,6.8Hz),1.97-2.17(3H,m),3.04(1H,d,J=11.1Hz),4.16(1H,d,J=6.0Hz),4.35(1H,dd,J=6.0,1.6Hz),4.56(1H,d,J=14.6Hz),4.74(1H,d,J=14.6Hz),6.94(2H,d,J=8.3Hz),7.22(2H,d,J=8.3Hz),7.97(1H,s),8.33(1H,s).
【0372】
同様の製造法により下記「表19」にある化合物(XVI)を合成した。以下にそのNMRスペクトルを示す。
【0373】
【表20-A】
【表20-B】
【0374】
化合物番号I−1を製造するための中間体(XXI)は以下の製造参考例10に示す方法に従い別途合成できる。
【0375】
<参考製造例10>
(1RS,4SR,5RS)-4-(4-クロロベンジル)-1-メチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-6-オキソビシクロ[3,2,0]ヘプタン(化合物(XXI)、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C)の合成
cis-5-(4-クロロベンジル)-2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチルシクロペンタノール(化合物番号VI-5(化合物(VI)、(Ra2)Xa2na2(OH)pa1= CH2OH、(Rb2)Xb2nb2(OH)pb1= CH2OH、Ym=4-Cl、A=N、異性体の型C))(15 mg, 0.046 mmol)をDME (0.8 ml) に溶解し、水素化ナトリウム(4.4 mg, 0.11 mmol)を加え、室温で5 分間撹拌した。この溶液にp-トルエンスルホニルクロライド(9.1 mg, 0.048 mmol)を加え、室温で0.4 時間撹拌後、更に水素化ナトリウム(9.0 mg, 0.23 mmol)及びp-トルエンスルホニルクロライド(4.0 mg, 0.021 mmol)を加えて0.4 時間撹拌して中間体としてトルエン-4-スルホン酸4-(4-クロロベンジル)-5-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-6-オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタ-1-イルメチルエステル(化合物番号XX-1(化合物(XX)、Ym=4-Cl、A=N)を得た。これをヨウ化ナトリウム (34 mg, 0.23 mmol)と、亜鉛粉末 (29 mg, 0.44 mmol)を加え、0.6 時間加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し、ろ過により残存する固体を除去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜1:5)で精製し、目的物を得た。
収量:3.2 mg(0.010 mmol)
収率:22 %
【0376】
なお、この化合物(XXI)は前述の化合物(XVI)−1と同義でありNMRスペクトルは完全に一致した。
【0377】
また、ここで用いる中間体(XIX)は以下に示す参考製造例11に従い合成できる。
【0378】
<参考製造例11>
(1)1-(4-クロロベンジル)-3,3-ビス-ヒドロキシメチル-2-オキソ-シクロペンタンカルボン酸メチルエステル (化合物(XXVI)、R2=CH3、Ym=4-Cl)の合成
1-(4-クロロベンジル)-2-オキソ-シクロペンタンカルボン酸メチルエステル (化合物番号(XXV)-1、(化合物(XXV)、R2=CH3、Ym=4-Cl、A=N ) (266.7 mg, 1.00 mmol)に炭酸カリウム(69 mg, 0.50 mmol)、37%ホルマリン(0.242 ml, 3.00 mmol)及びTHF (0.72 ml)を加え室温で5時間激しく撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;酢酸エチル:ヘキサン=2:1)によって精製し、目的物を得た。
収量:305.8 mg
収率:93.6 %
性状:無色粘稠液体
1H-NMR(400MHz, CDCl3)d:
1.72-1.80(1H,m),1.91-2.01(3H,m),2.15-2.19(1H,m),2.40-2.45(1H,m),3.10(1H,d,J=13.8Hz),3.17(1H,d,J=13.8Hz),3.36(1H,dd,J=11.0,7.3Hz),3.43(1H,dd,J=11.0,4.2Hz),3.69-3.75(2H,m),3.73(3H,s),7.05(2H,d,J=8.4Hz),7.24(2H,d,J=8.4Hz).
【0379】
(2)1-(4-クロロベンジル)-3,3-ビス-メトキシメトキシメチル-2-オキソ-シクロペンタンカルボン酸メチルエステル (化合物(XXVII)、G2=CH2OCH3、R2=CH3、Ym=4-Cl)の合成
1-(4-クロロベンジル)-3,3-ビス-ヒドロキシメチル-2-オキソ-シクロペンタンカルボン酸メチルエステル (化合物(XXVI)、R2=CH3、Ym=4-Cl) (3.6871 g, 10.0 mmol)をクロロホルム(14.5ml)に溶解し、ジメトキシメタン(14.5 ml)、臭化リチウム(173.6 mg, 2.00 mmol)、及びp-トルエンスルホン酸1水和物(190.2 mg, 1.00 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液及びジエチルエーテルを加え、有機層を分離した。これを飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)によって精製し、目的物を得た・
収量:2.3455 g
収率:56.5 %
性状:無色粘稠液体
1H-NMR(400MHz, CDCl3)d:
1.85-1.93(1H,m),2.00-2.08(1H,m),2.14-2.22(1H,m),2.43-2.51(1H,m),2.88(1H,d,J=13.8Hz),3.28(3H,s),3.29(3H,m),3.28-3.32(1H,m),3.38(1H,dd,J=9.1,6.1Hz),3.53(1H,dd,J=9.1,6.1Hz),4.46(1H,d,J=6.5Hz),4.49(2H,s),4.49(1H,d,J=6.5Hz),7.06(2H,d,J=8.4Hz),7.22(2H,d,J=8.4Hz).
【0380】
(3)5-クロロベンジル-2,2-ビス-メトキシメトキシメチル-シクロペンタノン(化合物(XXII)、G2=CH2OCH3、Ym=4-Cl)の合成
1-(4-クロロベンジル)-3,3-ビス-メトキシメトキシメチル-2-オキソ-シクロペンタンカルボン酸メチルエステル(化合物(XXVII)、G2=CH2OCH3、R2=CH3、Ym=4-Cl) (2.2895g, 5.52mmol)をイソプロパノール(5.5 ml)に溶解し、2 mol/l水酸化ナトリウム水溶液(5.5 ml)を加えて90℃で2時間撹拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)によって精製し、目的物を得た。
収量:1.3029 g
収率:66.1 %。
性状:無色粘稠液体
1H-NMR(400MHz, CDCl3)d:
1.57-1.67(1H,m),1.96-2.11(3H,m),2.40-2.49(1H,m),2.52(1H,dd,J=13.5,9.3Hz),3.11(1H,dd,J=13.5,4.2Hz),3.30(6H,s),3.35(1H,d,J=9.1Hz),3.42(1H,d,J=9.2Hz),3.50(1H,d,J=9.1Hz),3.59(1H,d,J=9.1Hz),4.49(1H,d,J=6.5Hz),4.51(1H,d,J=6.5Hz),4.53(1H,d,J=6.5Hz),4.55(1H,d,J=6.5Hz),7.10(2H,d,J=8.4Hz),7.23(2H,d,J=8.4Hz).
【0381】
(4)5-(4-クロロベンジル)-2,2-ビス-メトキシメトキシメチル-1-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチルシクロペンタノール(化合物(XXIV)、G2=CH2OCH3、Ym=4-Cl、A=N)の合成
[1,2,4]-トリアゾールナトリウム塩(526 mg, 5.78 mmol)をNMP (3 ml)に溶解し、内温115℃まで昇温した。ここに5-クロロベンジル-2,2-ビス-メトキシメトキシメチル-シクロペンタノン(化合物番号(化合物(XXII)、G2=CH2OCH3、Ym=4-Cl) 1.374g(3.85 mmol)のNMP 溶液1mlを加えた。この溶液にナトリウムt-ブトキシド333mg(3.47 mmol)及びTMSOB 1.193 g(6.87 mmol)を分割添加しながら115℃で5時間反応を行った。反応終了後、35℃まで冷却後、反応液に水15mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;酢酸エチル)によって精製し、目的物を得た。
収量:680.2 mg
収率:40.2 %。
性状:無色粘稠液体
1H-NMR(CDCl3)d=
1.47-1.56(1H,m),1.60-1.80(2H,m),1.73-1.83(1H,m),2.17(1H,dd,J=13.2,4.0Hz),2.22-2.31(1H,m),2.44(1H,dd,J=13.2,10.3Hz),3.31(3H,s),3.33(1H,d,J=9.7Hz),3.38(3H,s),3.46(1H,d,J=9.7Hz),3.59(2H,s),4.32(1H,d,J=14.2Hz),4.41(1H,s),4.45(1H,d,J=6.4Hz),4.48(1H,d,J=6.4Hz),4.54(1H,d,J=14.2Hz),4.64(2H,s).7.04(2H,d,J=8.4Hz),7.21(2H,d,J=8.4Hz),7.95(1H,s),8.24(1H,s).
【0382】
(5)cis-5-(4-クロロベンジル)-2,2-ビス-ヒドロキシメチル-1-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチルシクロペンタノール(化合物(XIX)、Ym=4-Cl、A=N)の合成
5-(4-クロロベンジル)-2,2-ビス-メトキシメトキシメチル-1-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチルシクロペンタノール(化合物番号(XXIV)-1(化合物(XXIV)、G2=CH2OCH3、Ym=4-Cl、A=N) (403 mg, 0.916 mmol)を10%塩化水素メタノール溶液(8 ml)に溶解し、室温で23時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し残渣に水を加えた。この懸濁液に2 mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で15分間撹拌した。結晶を濾取し、真空乾燥することで目的物を得た。
収量:271.1 mg
収率:84.1 %
性状:白色固体
1H-NMR(400MHz, CDCl3)d:
1.20-1.25(1H,m),1.43-1.61(5H,m),2.05-2.15(2H,m),2.40-2.48(1H,m),3.63(1H,d,J=11.2Hz),3.75(1H,d,J=14.0Hz),3.77(1H,d,J=14.0Hz),3.86(1H,d,J=11.2Hz),4.45(1H,d,J=14.3Hz),4.75(1H,d,J=14.3Hz),4.84(1H,brs),6.97(2H,d,J=8.4Hz),7.20(2H,d,J=8.4Hz),8.00(1H,s),8.24(1H,s).
【0383】
次に、製剤例と試験例を示す。なお、担体(希釈剤)および助剤、その混合比は広い範囲で変更し得るものとする。各製剤例の「部」は重量部を表す。
【0384】
<製剤例1(水和剤)>
化合物(I−1) 50 部
リグニンスルホン酸塩 5 部
アルキルスルホン酸塩 3 部
珪藻土 42 部
を粉砕混合して水和剤とし、水で希釈して使用する。
【0385】
<製剤例2(粉剤)>
化合物(I−1) 3 部
クレー 40 部
タルク 57 部
を粉砕混合し、散粉として使用する。
【0386】
<製剤例3(粒剤)>
化合物(I−1) 5 部
ベンナイト 43 部
クレー 45 部
リグニンスルホン酸塩 7 部
を均一に混合しさらに水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とする。
【0387】
<製剤例4(乳剤)>
化合物(I−1) 20 部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10 部
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 3 部
キシレン 67 部
を均一に混合溶解して乳剤とする。
【0388】
<試験例1:キュウリ灰色かび病防除効果試験>
角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した子葉期のキュウリ(品種:SHARP1)に、製剤例1のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(100, 50 mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、灰色かび病菌の胞子液をしみこませたペーパーディスク(直径8mm)を乗せ、20℃高湿度条件下に保った。接種後、4日目にキュウリ灰色かび病の罹病度を調査して、防除価を下記式により算出した。
【0389】
防除価(%) = (1 − 散布区の平均罹病度 / 無散布区の平均罹病度) × 100
【0390】
【表21】
【0391】
上記の試験において、例えば、化合物I-1, I-15, I-25, I-65, I-73, I-74, I-77, I-80, I-86, I-88, I-97, I-101, I-104, I-203, I-601, I-602は、濃度100 mg/Lで防除価80%以上を示した。さらに、例えば、I-1, I-15, I-73, I-74, I-77, I-80, I-86, I-88, I-97, I-101, I-104, I-203, I-601, I-602は、濃度50 mg/Lで防除価80%以上を示した。
【0392】
<試験例2:コムギ赤さび病防除効果試験>
角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、製剤例1のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(100, 10 mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギ赤さび病菌の胞子(200個/視野に調整、60ppmとなるようにグラミンSを添加)を噴霧接種し、25℃高湿度条件下に48時間保った。その後は温室内で管理した。接種後、9〜14日目にコムギ赤さび病の罹病度を調査して、防除価を下記式により算出した。
【0393】
防除価(%) = (1 − 散布区の平均罹病度 / 無散布区の平均罹病度) × 100
【0394】
【表22】
【0395】
上記の試験において、例えば、化合物I-1, I-15, I-25, I-36, I-65, I-73, I-74, I-77, I-79, I-80, I-82, I-86, I-88, I-97, I-101, I-104, I-115, I-203, I-244, I-301, I-601, I-602は濃度100 mg/Lで防除価90%以上を示した。さらに、例えば、I-1, I-15, I-25, I-36, I-73, I-74, I-77, I-79, I-80, I-86, I-88, I-97, I-101, I-104, I-203, I-601, I-602は、濃度10 mg/Lで、後述する化合物(1)(段落「0404」参照)に比して高い効果を示した。
【0396】
<試験例3:コムギ赤かび病防除効果試験>
開花期のコムギ穂部(品種:農林61号)に、製剤例1のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(500, 100 mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。穂部を風乾した後、コムギ赤かび病菌の胞子(2×105個/mlに調整、終濃度60ppmのグラミンSおよび終濃度0.5%のスクロースを含む)を噴霧接種し、20℃高湿度条件下に保った。接種後、4〜7日目にコムギ赤かび病の罹病度を調査して、防除価を下記式により算出した。
【0397】
防除価(%) = (1 − 散布区の平均罹病度 / 無散布区の平均罹病度) × 100
【0398】
【表23】
【0399】
上記の試験において、例えば、化合物I-1, I-15, I-25, I-36, I-65, I-73, I-74, I-77, I-79, I-80, I-82, I-86, I-88, I-97, I-101, I-104, I-115, I-174, I-203, I-244, I-301, I-365, I-374, I-401, I-601, I-602は濃度500 mg/Lで防除価90%以上を示した。さらに、例えば、I-1, I-25, I-36, I-73, I-74, I-77, I-80, I-86, I-88, I-101, I-104, I-115, I-601, I-602は、濃度100 mg/Lで防除価80%以上を示した。
【0400】
<試験例4:マイクロプレート試験によるコムギ葉枯病菌(Septoria tritici)に対する抗菌性試験>
コムギ葉枯病菌(Septoria tritici)の菌糸懸濁液(菌糸濃度:血球計算盤100視野あたり菌糸1〜3個)を調製し、PD培地で10倍希釈した。平底96穴のマイクロプレートを準備し、供試濃度の100倍となるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した薬液1 μlをマイクロプレートに添加後、接種菌を含む培地100 μlを加え、よく攪拌した。DMSO 1 μlを添加した無接種対照区を設け、20℃で約10日間培養した後、吸光度(550nm)を測定し、菌糸生育抑制率(%)を下記式により算出し、活性値(EC80)を算出した。
【0401】
R = 100 ×( dc − dt )/ dc
R:菌糸生育抑制率(%)
dc:薬剤無添加区の吸光度
dt:薬剤添加区の吸光度
【0402】
活性値(EC80)において、特許文献1(特開平01-93574)に記載の下記比較化合物(1)が0.4 mg/L であったのに対し、例えば、I-1 、I-15 、I-25、I-73、I-74、I-77、I-101、I-203、I-301等は 0.2 mg/L 以下の高い活性値を示した。
【0403】
比較化合物(1):(1RS,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2,2−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール
【0404】
【化31】
【0405】
<試験例5:各種病原菌、有害微生物に対する抗菌性試験>
本試験例においては,後述する方法により,本発明化合物の各種植物病原性糸状菌および工業用材料有害微生物に対する抗菌性を試験した。
【0406】
本発明化合物をジメチルスルホキシド2mlに溶解した。この溶液0.6 mlを60℃前後のPDA培地(ポテト−デキストロース−アガー培地)60mlに加え、100ml 三角フラスコ内でよく混合し、シャーレ内に流し固化させ、濃度50,5mg/Lになる様に本発明化合物を含む平板培地を作製した。
【0407】
一方,予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mm のコルクボーラーで打ち抜き,上記の薬剤含有平板培地上に接種した。接種後,各菌の生育適温(この生育適温については,例えば,文献LIST OF CULTURES 1996 microorganisms 10th edition 財団法人 発酵研究所 を参照することができる)にて1〜3日間培養し、菌の生育を菌そう直径で測定した。このようにして薬剤含有平板培地上で得られた菌の生育程度を、薬剤無添加区における菌の生育程度と比較して、下記式により菌糸伸長抑制率を求めた。
【0408】
R=100(dc−dt)/dc
(式中,R=菌糸伸長抑制率(%),dc=無処理平板上菌そう直径,dt=薬剤処理平板上菌そう直径をそれぞれ示す。)
【0409】
上記により得られた結果を,次の基準にしたがって5段階評価した.
<生育阻害度>
5:菌糸伸長抑制率が80%以上のもの
4:菌糸伸長抑制率が80未満〜60%以上のもの
3:菌糸伸長抑制率が60未満〜40%以上のもの
2:菌糸伸長抑制率が40未満〜20%以上のもの
1:菌糸伸長抑制率が20%未満のもの
【0410】
【表24-1】
【表24-2】
【表24-3】
コムギふ枯病菌(Phaeosphaeria nodorum) P.n
コムギ眼紋病菌(Pseudocercoporella herpotrichoides) P.h
コムギ赤かび病菌(Fusarium graminearum) F.g
オオムギ裸黒穂病菌(Ustilago nuda) U.n
イネいもち病菌(Pyricularia oryzae) P.o
イネばか苗病菌(Giberella fujikuroi) G.f
リンゴ斑点落葉病菌(Alternaria alternata) A.m
菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum) S.s
灰色かび病菌(Botritis cinerea) B.c
キュウリつる割れ病菌(Fusarium oxysporum) F.c
オオムギ雲形病菌(Rhynchosporium secalis) R.sec
比較化合物(2):
【化32】
【0411】
また、薬剤濃度50 mg/Lの試験において、紙・パルプ・繊維・皮革・塗料などの劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、クラドスボリウム(Cladosporium sp.)、ムコール(Mucor sp.)、オーレオバシディウム(Aureobasidium sp.)、クルブラリア(Curvularia sp.)や木材変質菌であるオオウズラタケ(Tyromyces palustris)、カワラタケ(Coriolus versicolor)に対して化合物I-1、I-15、I-25、I-36、I-65、I-73、I-74、I-77、I-101、I-104、I-115、I-203、I-244、I-301、I-365、I-401は生育阻害度4以上の高い活性を示した。
【0412】
<試験例6:イネ徒長防止試験>
供試化合物36mgを3.6mlのDMSOに溶解し、180gのイネ種子にハ゛イアル内で塗抹する。浸種、催芽処理後、育苗箱に180g/箱の割合で播種し、育苗器内で発芽させた後に35℃の温室内にて栽培した。播種20日後に各処理区の苗の草丈を10箇所調査し、下記式により、草丈抑制率を求めた。
【0413】
R=100(hc−ht)/hc
(式中、R=草丈抑制率(%)、hc=無処理平均草丈、ht=薬剤処理区平均草丈、をそれぞれ示す。)
【0414】
上記により得られた結果を、次の基準にしたがって5段階の生育調節度とした。
<生育調節度>
5:草丈抑制率が50%以上のもの
4:草丈抑制率が50未満〜30%以上のもの
3:草丈抑制率が30未満〜20%以上のもの
2:草丈抑制率が20未満〜10%以上のもの
1:草丈抑制率が10%未満のもの
【0415】
上記の試験において、化合物I-1、I-15、I-25、I-36、I-65、I-73、I-74、I-77、I-101、I-104、I-115、I-203、I-244、I-301、I-365、I-401はイネの生育に対し4以上の生育調節度を示した。
【0416】
<試験例7:セプトリア・トリシチに対する抗菌性試験>
本試験例においては、後述する方法により、本発明化合物の植物病原性糸状菌セプトリア・トリシチに対する抗菌性を試験し、特許文献1(特開平1−93574号公報)記載の比較化合物(3)と比較した。
比較化合物(3):(1RS,5SR)−5−(4−フロオロベンジル)−2,2−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール
【0417】
本発明化合物をジメチルスルホキシド2mlに溶解した。この溶液0.6mlを60℃前後のPDA培地(ポテト−デキストロース−アガー培地)60mlに加え、100ml 三角フラスコ内でよく混合し、シャーレ内に流し固化させ、本発明化合物を濃度0.02mg/Lで含む平板培地を作製した。
【0418】
予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き,上記の薬剤含有平板培地上に接種した。接種後、各菌の生育適温(この生育適温については,例えば,文献LIST OF CULTURES 1996 microorganisms 10th edition 財団法人 発酵研究所 を参照することができる)にて10日間培養し、菌の生育を菌そう直径で測定した。このようにして薬剤含有平板培地上で得られた菌の生育程度を、薬剤無添加区における菌の生育程度と比較して、下記式により菌糸伸長抑制率を求めた。
【0419】
R=100(dc−dt)/dc
(式中、R=菌糸伸長抑制率(%),dc=無処理平板上菌そう直径,dt=薬剤処理平板上菌そう直径をそれぞれ示す。)
【0420】
上記により得られた結果を、次の基準にしたがって5段階評価した.
<生育阻害度>
5:菌糸伸長抑制率が80%以上のもの
4:菌糸伸長抑制率が80未満〜60%以上のもの
3:菌糸伸長抑制率が60未満〜40%以上のもの
2:菌糸伸長抑制率が40未満〜20%以上のもの
1:菌糸伸長抑制率が20%未満のもの
【0421】
上記試験により以下の結果を得た。
【0422】
【表25】
【0423】
<試験例8:コムギ赤さび病防除効果試験>
角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、製剤例1のような水和剤形態のものを、水で濃度2 mg/Lに希釈懸濁し、1,000 L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギ赤さび病菌の胞子(200個/視野に調整、60ppmとなるようにグラミンSを添加)を噴霧接種し、25℃高湿度条件下に48時間保った。その後は温室内で管理した。接種後、9〜14日目にコムギ赤さび病の罹病度を調査して、防除価を下記式により算出した。
【0424】
防除価(%) = (1 − 散布区の平均罹病度 / 無散布区の平均罹病度) × 100
【0425】
【表26】
【0426】
上記試験により以下の結果を得た。
【0427】
【表27】
【0428】
<試験例9:セプトリア・トリシチに対する抗菌性試験>
本試験例においては、試験例5で説明した方法により、本発明化合物の植物病原性糸状菌セプトリア・トリシチに対する抗菌性を試験した。本試験例では、本発明化合物は濃度1.25 mg/Lに希釈した。
【0429】
【表28】
【0430】
<試験例10:コムギ赤さび病防除効果試験>
本試験例においては、試験例2で説明した方法により、コムギ赤さび病の罹病度を調査した。本試験例では、本発明化合物は濃度1 mg/Lに希釈し、1,000 L/haの割合で散布した。
【0431】
【表29】
【産業上の利用可能性】
【0432】
本発明に係るアゾール誘導体は、農園芸用の殺菌剤、植物生長調節剤および工業用材料保護剤の有効成分として好適に利用することができる。