特許第5832058号(P5832058)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5832058窒化ガリウム層を含む基板およびその製造方法
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  • 特許5832058-窒化ガリウム層を含む基板およびその製造方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5832058
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】窒化ガリウム層を含む基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/38 20060101AFI20151126BHJP
   C30B 33/12 20060101ALI20151126BHJP
   H01L 33/34 20100101ALI20151126BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20151126BHJP
【FI】
   C30B29/38 D
   C30B33/12
   H01L33/00 188
   H01L21/302 105B
   H01L21/302 101C
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-523321(P2015-523321)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(86)【国際出願番号】JP2014082993
【審査請求日】2015年5月7日
(31)【優先権主張番号】特願2013-263397(P2013-263397)
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097490
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 益稔
(74)【代理人】
【識別番号】100097504
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 純雄
(72)【発明者】
【氏名】東原 周平
(72)【発明者】
【氏名】岩井 真
(72)【発明者】
【氏名】今井 克宏
【審査官】 伊藤 光貴
(56)【参考文献】
【文献】 特許第2613414(JP,B2)
【文献】 特開2009−200523(JP,A)
【文献】 特開2003−124188(JP,A)
【文献】 特開2009−277700(JP,A)
【文献】 CHU, R. et.al,Impact of CF4 Plasma Treatment on GaN,IEEE Electron Device Letters,IEEE,2007年 9月,vol.28, No.9,pp.781-783
【文献】 SZCZESNY, A. et.al,Reactive ion etching of novel materials - GaN and SiC,Vacuum,2003年,70,pp.249-254
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 1/00−35/00
H01L 21/3065
H01L 33/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表面に窒化ガリウム層を有する基板を製造する方法であって、
誘導結合式プラズマ発生装置を具備したプラズマエッチング装置を用い、フッ素系ガスを導入し、前記窒化ガリウム層の表面をドライエッチング処理することを特徴とする、基板の製造方法。
【請求項2】
前記フッ素系ガスが、フッ化炭素、フッ化炭化水素およびフッ化硫黄からなる群より選ばれた一種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項記載の方法。
【請求項3】
前記フッ素系ガスが、CF、CHF、CおよびSFからなる群より選ばれた一種以上の化合物であることを特徴とする、請求項記載の方法。
【請求項4】
前記ドライエッチング処理に際して、規格化された直流バイアス電位を−10V/cm以上として印加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記表面を機械研磨し、次いで化学機械研磨を経ることなく前記ドライエッチング処理することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記ドライエッチング後の前記表面のピット量が、前記ドライエッチング前の前記表面のピット量と実質的に同じであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ドライエッチング後の前記表面の算術平均粗さRaが、前記ドライエッチング前の前記表面の算術平均粗さRaと実質的に同じであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記窒化ガリウム層をフラックス法により作製することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載の方法。
【請求項9】
支持基板上に前記窒化ガリウム層を形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つの請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ガリウム層を含む基板およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種光源の白色LED化が進んでいる。バックライトや電球などの低輝度LEDはすでに普及が進んでおり、近年はプロジェクターやヘッドライトなどの高輝度LEDへの適用検討が活発化している。現在主流の白色LEDは、サファイア下地基板上にMOCVD法で13族元素窒化物からなる発光層を形成したものである。
【0003】
高輝度LED作製用の下地基板として、サファイアよりも性能向上が期待できるGaN自立基板やGaN厚膜テンプレートが期待され、活発に研究開発が行われている。
【0004】
GaN厚膜テンプレートとは、サファイアなどの下地基板の上に、10μm以上の厚さのGaN膜を作製したものであり、GaN自立基板より低コストで作製できる。本発明者らは、液相法を用いて、GaN自立基板に近い性能を持つGaN厚膜テンプレートを開発した。前述のMOCVD法によるサファイア上のGaN薄膜の厚さは通常数ミクロンであるため、上記の厚さのものを厚膜と呼ぶことにする。
【0005】
GaN厚膜テンプレート上にLEDを作製すれば、サファイア上に作製した場合より高性能で、GaN自立基板上に作製した場合より低コストであることが期待できる。
【0006】
GaN基板は、HVPE法やフラックス法などによって作製したGaN結晶を研磨加工することで得ることができる。GaN結晶上に高輝度LEDを作製するためには、GaN結晶の表面状態が良好であることが求められる。すなわち、ナノメートルレベルの平坦度を有し、傷(スクラッチ)が無く、加工によるダメージ(加工変質層)が無い状態が望ましい。
【0007】
GaN結晶の表面仕上げにはいくつかの方法がある。ダイヤモンド砥粒を用いる機械研磨であるラップ仕上げ、コロイダルシリカ等の砥粒を含む酸性またはアルカリ性のスラリーを用いて化学反応と機械研磨を併用するCMP仕上げ、反応性イオンプラズマによるドライエッチング仕上げなどを例示できる。これらの中で、CMP仕上げがもっとも一般的である。
【0008】
ラップ仕上げのメリットは、加工速度が大きいため短時間で仕上げが可能である点である。しかし、一方で表面にスクラッチが生じやすく、また表面に加工変質層が存在するため、基板上に形成する発光層の品質が劣化しやすい問題がある。
【0009】
CMP仕上げでは、表面の加工変質層が無く、スクラッチが生じにくい点がメリットである。しかしながら、加工速度が非常に小さいため加工に時間がかかり生産性が悪い。また、長時間のCMP処理では化学反応の影響が強く反映され、表面に微小なピットを生じやすい。
【0010】
ドライエッチング仕上げは、平滑表面を得にくいことやコンタミネーションが発生しやすい弱点があるが、加工速度が比較的大きく、プラズマ制御がしっかりできると加工変質層が実用可能レベルに抑制できるというメリットがある。
【0011】
GaN結晶のドライエッチングについては、以下のような文献が知られている。
【0012】
例えば、特許文献1には、CFガスを用いた方法が開示されている。
また、特許文献2には、ケイ素含有ガスを用いる方法が開示されている。
また、特許文献3には、研磨後のGaN系化合物半導体をエッチングする方法が開示されている。
【0013】
また、特許文献4には、CMP後のGaN結晶基板をドライエッチングする方法が開示されている。
また、特許文献5には、ドライエッチングによる加工変質層の除去について開示されている。
また、特許文献6には、表面処理に伴う不純物に関する記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第2613414号
【特許文献2】特許第2599250号
【特許文献3】特開2001−322899号
【特許文献4】特許第3546023号
【特許文献5】特許第4232605号
【特許文献6】特開2009−200523号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
GaN基板をドライエッチングする場合、通常は塩素系のガスを用いる。これは塩素系ガスを用いるほうが一般には加工速度が大きいためである。例えば、特許文献4や特許文献6によれば、GaN系化合物半導体のドライエッチングには塩素系ガスが好適に用いられる。
【0016】
フッ素系ガスは、Si基板のエッチングでは多用されるが、GaN系材料に用いることは稀である。
【0017】
しかし、GaN基板を塩素系ガスでドライエンチングすると、さまざまな条件を検討しても、無視できないレベルの加工ダメージが残ることがわかった。
【0018】
このため、本発明者はフッ素系ガスに着目し、GaN基板の表面のドライエッチングを試みていた。ここで、特許文献1では、CFガスを用いてGaN基板の表面のドライエッチングを行っている。この表面処理後のGaN基板の表面をフォトルミネッセンスで観察すると、強度比の強い発光ピークが観察された。ところが、この基板上に発光層を形成すると、低電圧駆動時におけるリーク電流が非常に多くなり、LED特性が良くないことが判明した。
【0019】
本発明の課題は、少なくとも表面に窒化ガリウム層を有する基板において、窒化ガリウム層の表面処理後の表面ダメージを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、少なくとも表面に窒化ガリウム層を含む基板であって、
誘導結合式プラズマ発生装置を具備したプラズマエッチング装置を用い、フッ素系ガスを導入し、前記窒化ガリウム層の表面をドライエッチング処理したことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、少なくとも表面に窒化ガリウム層を有する基板を製造する方法であって、
誘導結合式プラズマ発生装置を具備したプラズマエッチング装置を用い、フッ素系ガスを導入し、前記窒化ガリウム層の表面をドライエッチング処理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明者は、CFガスでエッチング処理した後のGaN基板の表面を、特許文献1の記載に従ってフォトルミネッセンスによって測定したところ、ピーク強度比率が大きく、表面状態が良いものと考えた。ここで、少なくとも表面に窒化ガリウム層を有する基板を「GaN基板」と呼ぶことにする。しかし、その上に発光層を形成すると、低駆動電圧時のリーク電流が大きいことがわかった。
【0023】
そこで、本発明者は、CFガスでエッチング処理した後のGaN基板の表面を、カソードミネッセンス(以下、CLと呼ぶ)で観察してみた。すると、明部に対するドライエッチング前後のCLスペクトルのピーク強度比がいまだ低かった。つまり、ドライエッチング前より像は見えるようになったものの、依然として発光スペクトル強度比が低く、暗像となり、ダークスポットは明確に観察できなかった。
【0024】
この理由については、以下のように考えられる。すなわち、GaN基板の表面の加工ダメージの有無は、フォトルミネッセンス(以下、PLと呼ぶ)でもCLでも観察できるはずである。しかし、PLよりもCLのほうが加工ダメージに対する感度が高い。なぜなら、PLはレーザー光を基板に入射させてその発光を観察するため、レーザー光が透過するミクロンレベルの深さの分解能しかない。一方で、CLでは、電子線を入射してその発光を観察するが、電子線は最表面で速やかに吸収されるために、最表面の情報のみを得ることができるためである。
【0025】
この結果、塩素系ガスでドライエッチング処理すると、加工量を増やしても、CL像が明るくならないことがわかった。
【0026】
また、CFガスでエッチング処理した後のGaN基板の表面をPLで観測した場合には、細かいダメージを検出できなかったものと考えられる。
【0027】
本発明者は、この知見に基づき、更に特許文献1の方法を検討した。この結果、特許文献1では、平行平板方式でCFガスのプラズマを生成させている点に着目し、これを誘導結合方式のプラズマに変更してみた。この結果、PLだけでなく、CLでも強度比のコントラストの大きい画像が得られ、ダークスポットを明瞭に観測できることを見いだした。これは、GaN基板の表面状態が著しく改善したことを示している。
【0028】
この原因は定かではないが、本発明の基板では、揮発しにくいGaFが反応、生成し、それが表面保護の役割を担っていることなどが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】(a)は、種結晶基板1上に形成された窒化ガリウム層2を示す模式図であり、(b)は、GaN基板を示す模式図であり、(c)は、GaN基板4上に機能素子構造5を形成してなる機能素子15を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(用途)
本発明は、高品質であることが要求される技術分野、例えばポスト蛍光灯といわれている高演色性の青色LEDや高速高密度光メモリ用青紫レーザ、ハイブリッド自動車用のインバータに用いるパワーデバイスなどに用いることができる。
【0031】
(少なくとも表面に窒化ガリウム層を有する基板)
本発明の基板は、少なくとも表面に窒化ガリウム層を有するものである。以下、これを「GaN基板」と呼ぶことがある。本発明の基板は、窒化ガリウムのみからなる自立基板であってよい。あるいは、本発明のGaN基板は、別体の支持基板上に窒化ガリウム層を形成してなる基板であってよい。また、GaN基板には、窒化ガリウム層や支持基板以外に、下地層、中間層、バッファ層などの他の層を備えていて良い。
【0032】
好適な実施形態においては、図1(a)に示すように、種結晶基板1の表面1aに窒化ガリウム層2を形成する。次いで、好ましくは、窒化ガリウム層2の表面2aを研磨加工することで、図1(b)に示すように窒化ガリウム層3を薄くし、GaN基板4を得る。3aは研磨後の表面である。
【0033】
こうして得られたGaN基板4の表面3aに機能層5を気相法で形成し、機能素子15を得ることができる(図1(c))。ただし、5a、5b、5c、5d、5eは、表面3a上に成長した適当なエピタキシャル層である。
【0034】
種結晶基板1は、全体がGaNの自立基板からなっていてよい。あるいは、種結晶基板1は、支持基板と、支持基板上に設けられた種結晶膜からなっていてよい。また、好ましくは、窒化ガリウム層2の表面2aを研磨加工することで、窒化ガリウム層を薄くし、GaN基板を得る。
【0035】
本発明では、このGaN基板の表面をドライエッチングする。好適な実施形態においては、この表面を機械研磨した後、化学機械研磨を経ることなくドライエッチング処理する。
【0036】
(種結晶)
好適な実施形態においては、種結晶は窒化ガリウム結晶からなる。種結晶は、自立基板(支持基板)を形成していてよく、あるいは別の支持基板上に形成された種結晶膜であってよい。この種結晶膜は、一層であってよく、あるいは支持基板側にバッファ層を含んでいて良い。
【0037】
種結晶膜の形成方法は気相成長法が好ましいが、有機金属化学気相成長(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、パルス励起堆積(PXD)法、MBE法、昇華法を例示できる。有機金属化学気相成長法が特に好ましい。また、成長温度は、950〜1200℃が好ましい。
【0038】
支持基板上に種結晶膜を形成する場合には、支持基板を構成する材質は限定されないが、サファイア、AlNテンプレート、GaNテンプレート、GaN自立基板、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl)、LiAlO、LiGaO、LaAlO,LaGaO,NdGaO等のペロブスカイト型複合酸化物、SCAM(ScAlMgO)を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBa〕〔(Al1−zGa1−u・D〕O(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。
【0039】
窒化ガリウム層の育成方向は、ウルツ鉱構造のc面の法線方向であってよく、またa 面、m面それぞれの法線方向であってもよい。
【0040】
種結晶の表面における転位密度は、種結晶上に設ける窒化ガリウム層の転位密度を低減するという観点から、低いことが望ましい。この観点からは、種結晶層の転位密度は、7×10cm−2cm以下が好ましく、5×10cm−2cm以下が更に好ましい。また、種結晶の転位密度は品質の点からは低いほど良いので、下限は特にないが、一般的には、5×107cm−2以上であることが多い。
【0041】
(窒化ガリウム層)
窒化ガリウム層の製法は特に限定されないが、有機金属化学気相成長(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、パルス励起堆積(PXD)法、MBE法、昇華法などの気相法、フラックス法などの液相法を例示できる。
【0042】
好適な実施形態においては、窒化ガリウム層をフラックス法によって育成する。この際、フラックスの種類は、窒化ガリウム結晶を生成可能である限り、特に限定されない。好適な実施形態においては、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方を含むフラックスを使用し、ナトリウム金属を含むフラックスが特に好ましい。
【0043】
フラックスには、ガリウム原料物質を混合し、使用する。ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
【0044】
フラックス法における窒化ガリウム結晶の育成温度や育成時の保持時間は特に限定されず、フラックスの組成に応じて適宜変更する。一例では、ナトリウムまたはリチウム含有フラックスを用いて窒化ガリウム結晶を育成する場合には、育成温度を800〜950℃とすることが好ましく、800〜900℃とすることが更に好ましい。
【0045】
フラックス法では、窒素原子を含む気体を含む雰囲気下で単結晶を育成する。このガスは窒素ガスが好ましいが、アンモニアでもよい。雰囲気の全圧は特に限定されないが、フラックスの蒸発を防止する観点からは、3MPa以上が好ましく、4MPa以上が更に好ましい。ただし、圧力が高いと装置が大がかりとなるので、雰囲気の全圧は、7MPa以下が好ましく、5MPa以下が更に好ましい。雰囲気中の窒素原子を含む気体以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。
【0046】
(カソードルミネッセンス)
カソードルミネッセンスは、GaN基板表面の微視的なバラツキを評価するものである。本発明では、窒化ガリウムのバンドギャップに対応する波長のカソードルミネッセンスをGaN基板の表面で測定する。
【0047】
マッピングを実施する際には、各点でカソードルミネッセンススペクトル分布を測定して特定波長領域での発光強度を比較することによりマッピングが実施される。波長領域を限定することにより、バンドギャップに起因したカソードルミネッセンスピークスペクトルのみを取り出せるようにできる。この時の、カソードルミネッセンスピークから、強度の平均値である平均階調(Xave)、強度の最大値であるピーク階調(Xpeak)が求められる。
【0048】
好適な実施形態においては、前記カソードルミネッセンスマッピング画像において、ダークスポットを検出可能である。カソードルミネッセンスにおいて、バンド端に起因する発光に着目してマッピングを行うと、転位部はバンド端による発光が観察できず、周囲に比べて発光強度が急激に落ちる為、ダークスポットとして観察される。発光部と非発光部が明確に判別できるように、加速電圧を上げることにより10kV以上とすることが望ましい。特定視野範囲、例えば100μm視野におけるマッピングにて非発光部のダークスポット個数を数えることにより、ダークスポット密度を見積もることができる。
【0049】
(GaN基板の加工および形態)
好適な実施形態においては、GaN基板が円板状であるが、角板などの他の形態でも良い。また、好適な実施形態においては、GaN基板の寸法が、直径φ25mm以上である。これによって、機能素子の量産に適した、取り扱い易いGaN基板を提供できる。
【0050】
GaN基板の表面を研削、研磨加工する場合について述べる。
研削(グライディング)とは、砥粒をボンドで固定した固定砥粒を高速回転させながら対象物に接触させて、対象物の面を削り取ることをいう。かかる研削によって、粗い面が形成される。窒化ガリウム基板の底面を研削する場合、硬度の高いSiC、Al23、ダイヤモンドおよびCBN(キュービックボロンナイトライド、以下同じ)などで形成され、粒径が10μm以上、100μm以下程度の砥粒を含む固定砥粒が好ましく用いられる。
【0051】
また、研磨(ラッピング)とは、遊離砥粒(固定されていない砥粒をいう、以下同じ)を介して定盤と対象物とを互いに回転させながら接触させて、または固定砥粒と対象物とを互いに回転させながら接触させて、対象物の面を磨くことをいう。かかる研磨によって、研削の場合よりも面粗さが小さい面であって微研磨(ポリシング)の場合より粗い面が形成される。硬度の高いSiC、Al23、ダイヤモンドおよびCBNなどで形成され、粒径が0.5μm以上15μm以下程度の砥粒が好ましく用いられる。
【0052】
微研磨(ポリシング)とは、遊離砥粒を介して研磨パッドと対象物とを互いに回転させながら接触させて、または固定砥粒と対象物とを互いに回転させながら接触させて、対象物の面を微細に磨いて平滑化することをいう。かかる微研磨によって、研磨の場合よりも面粗さが小さい結晶成長面が形成される。
【0053】
(誘導結合プラズマによる処理)
誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、略称ICP)は、ガスに高電圧をかけることによってプラズマ化させ、さらに高周波数の変動磁場によってそのプラズマ内部に渦電流によるジュール熱を発生させることによって、高温プラズマを得るものである。
【0054】
具体的には、石英ガラス等の管で作られた気体の通過する流路の周囲にコイルを巻き、流路に高周波数の大電流を流すことによって、高電圧と高周波数の変動磁場を生成させ、かつ流路にガスを流すことで、誘導結合プラズマを発生させる。このプラズマをGaN基板の表面へと供給する。
【0055】
ここで、エッチング時における規格化された直流バイアス電位(Vdc/S)を、−10V/cm以上とすることが好ましい。Vdcは、電極間に印加する直流バイアス電位(単位V)である。また、Sは、処理対象であるGaN表面の合計面積(単位cm)である。Vdc/Sは、処理対象であるGaN表面の合計面積で規格化した、エッチング時のバイアス電位である。本発明では、Vdc/Sを−10V/cm以上とする。窒化ガリウム複合基板の組み合わせや設置方法によってバイアス電位は変化するが、Vdc/Sがこれを下回ると、GaN膜最表面への加工ダメージが深くなるためである。この観点からは、Vdc/Sを−8V/cm以上とすることが更に好ましい。
【0056】
また、GaN基板表面の加工を促進するという観点からは、Vdc/Sを−0.005V/cm以下とすることが好ましく、−0.05V/cm以下とすることがいっそう好ましく、−1.5V/cm以下とすることがよりいっそう好ましい。
【0057】
また、エッチング時におけるバイアス電位の電力(電極の面積で規格化した電力)は、プラズマを安定に生成させるという観点からは、0.003W/cm以上が好ましく、0.03W/cm以上が更に好ましい。また、エッチング時におけるバイアス電位の電力(電極の面積で規格化した電力)は、GaN基板表面の加工ダメージを減らすという観点からは、2.0W/cm以下が好ましく、1.5W/cm以下が更に好ましい。
【0058】
フッ素系ガスは、フッ化炭素、フッ化炭化水素およびフッ化硫黄からなる群より選ばれた一種以上の化合物が好ましい。
【0059】
好適な実施形態においては、フッ素系ガスが、CF、CHF、CおよびSFからなる群より選ばれた一種以上の化合物である。
【0060】
好適な実施形態においては、ドライエッチング後の表面のピット量が、ドライエッチング前の表面のピット量と実質的に同じである。このピット量は以下のようにして測定するものである。
AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、10μm視野による観察にて表面観察を行い、周囲に比べて1nm以上の凹部を数えることにより、見積もることができる。
【0061】
好適な実施形態においては、ドライエッチング後の基板表面の算術平均粗さRaが、ドライエッチング前の基板表面の算術平均粗さRaと実質的に同じである。ただし、Raは、JIS B 0601(1994)・JIS B 0031(1994)によって規格されている測定値である。
【0062】
(機能層および機能素子)
前述した機能層は、単一層であってよく、複数層であってよい。また、機能としては、高輝度・高演色性の白色LEDや高速高密度光メモリ用青紫レーザディスク、ハイブリッド自動車用のインバータ用のパワーデバイスなどに用いることができる。
【0063】
GaN基板上に気相法、好ましくは有機金属気相成長(MOCVD)法により半導体発光ダイオード(LED)を作製すると、LED内部の転位密度がGaN基板と同等となる。
【0064】
機能層の成膜温度は、成膜速度の観点から、950℃以上が好ましく、1000℃以上が更に好ましい。また、欠陥を抑制するという観点からは、機能層の成膜温度は、1200℃以下が好ましく、1150℃以下が更に好ましい。
【0065】
機能層の材質は、13族元素窒化物が好ましい。13族元素とは、IUPACが策定した周期律表による第13族元素のことである。13族元素は、具体的にはガリウム、アルミニウム、インジウム、タリウム等である。また、添加剤としては、炭素や、低融点金属(錫、ビスマス、銀、金)、高融点金属(鉄、マンガン、チタン、クロムなどの遷移金属)が挙げられる。低融点金属は、ナトリウムの酸化防止を目的として添加する場合があり、高融点金属は、坩堝を入れる容器や育成炉のヒーターなどから混入する場合がある。
【0066】
発光素子構造は、例えば、n型半導体層、このn型半導体層上に設けられた発光領域およびこの発光領域上に設けられたp型半導体層を備えている。図1(c)の発光素子15では、GaN基板4上に、n型コンタクト層5a、n型クラッド層5b、活性層5c、p型クラッド層5d、p型コンタクト層5eが形成されており、発光素子構造5を構成する。
【0067】
また、前記発光構造には、更に、図示しないn型半導体層用の電極、p型半導体層用の電極、導電性接着層、バッファ層、導電性支持体などを設けることができる。
【0068】
本発光構造では、半導体層から注入される正孔と電子の再結合によって発光領域で光が発生すると、その光をp型半導体層上の透光性電極又は13族元素窒化物単結晶膜側から取り出す。なお、透光性電極とは、p型半導体層のほぼ全面に形成された金属薄膜又は透明導電膜からなる光透過性の電極のことである。
【実施例】
【0069】
(実施例1)
以下の手順で、GaN基板を製造した。
具体的には、CL(カソードルミネッセンス)による転位密度の面内分布が、外周1cmを除いて平均2×10/cmである、窒化ガリウム種結晶からなる自立型の種結晶基板1を用意した。種結晶の厚さは400μmである。
【0070】
種結晶基板1を用いてフラックス法によって窒化ガリウム層2を形成した。具体的には、Na、Gaを坩堝に入れて、870℃、4.0MPa(窒素雰囲気)にて5時間保持した後に、10分で850℃まで降下した。次いで、4.0MPaで20時間保持し、窒化ガリウム層2を育成した。アルミナ坩堝を用い、出発原料は、Na:Ga=40g:30gである。溶液撹拌のために、600秒ごとに時計回り、反時計回りに回転方向を反転させた。回転数は30RPMとした。
【0071】
反応後、室温まで冷却し、フラックスをエタノールにて化学反応除去させ、成長厚さ100μmの窒化ガリウム層2を得た。
【0072】
得られた基板をセラミックスの定盤に固定し、#2000の砥石によって研削して表面を平坦にした。次いで、ダイヤモンド砥粒を用いたラップ加工により、表面を平滑化した。砥粒のサイズを3μmから0.1μmまで段階的に小さくしつつ、平坦性を高めた。基板表面の算術平均粗さRaは0.5nmであった。研磨加工後の窒化ガリウム層の厚さは15μmであった。また、基板は無色透明であった。
【0073】
このときの研磨された表面の表面状態をPLで測定したところ、強度比の小さい発光ピークが観察された。また、CLで観察したところ、真っ暗でほとんど発光せず、ダークスポットは観察できなかった。すなわち、加工歪みが大きい(ひずんでいる領域の厚さが電子線の進入深さよりも厚い)ことがわかった。
【0074】
次いで、GaN基板表面のドライエッチング処理を行った。ドライエッチングには、誘導結合型プラズマエッチング装置を用いた。フッ素系ガス(CF)をエッチングガスに用いて、ドライエッチングを実施した。電極サイズは約φ8インチである。エッチング条件は、以下のとおりである。
出力: (RF:400W、バイアス:200W)
チャンバー圧力: 1Pa
エッチング時間: 10分間
規格化された直流バイアス電位(Vdc/S): −5.2V/cm
バイアス電圧の電力(電極の面積で規格化した電力)1.3W/cm
【0075】
この結果、エッチング速度は0.006ミクロン/分であり、エッチング深さは約0.06ミクロンであった。基板は無色透明のままであった。
【0076】
ドライエッチング処理が終わった基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。また、CL観察したところ、明部に対するドライエッチング前後のCLスペクトルのピーク強度比が5以上であり、欠陥に相当するダークスポットが明瞭に観察できた。また、XPS(X線光電子分光)にて表面元素を確認したところ、GaN以外では、炭素に関するスペクトルが検出された。フッ素、塩素、珪素に関するスペクトルは検出されなかった。
【0077】
この基板を用いてLEDを試作したところ、発光効率の高いLEDができた。また、低電圧駆動(例えば2〜2.5V)時におけるリーク電流も非常に少なかった。
【0078】
(実施例2)
実施例1と同様にしてGaN基板を得た。ただし、種結晶層の厚さは3μmとし、GaN層の成長厚さは80μmとした。研磨加工後のGaN層の厚さは15μmとした。
【0079】
その後、実施例1と同様に、ドライエッチングした。エッチング条件は以下のとおりである。
出力: (RF:400W、バイアス:200W)
チャンバー圧力: 1Pa
エッチング時間: 5分間
規格化された直流バイアス電位(Vdc/S): −7.2V/cm
バイアス電圧の電力(電極の面積で規格化した電力)0.8W/cm
【0080】
この結果、エッチング速度は0.005μm/分であり、エッチング深さは、約0.025μmであった。基板は無色透明のままであった。ドライエッチング処理が終わった基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。また、基板表面をCL観察したところ、欠陥に相当するダークスポットが明瞭に観察できた。また、XPSにて表面元素を確認したところ、GaN以外では、炭素に関するスペクトルが検出された。フッ素、塩素、珪素に関するスペクトルは検出されなかった。この基板を用いてLEDを試作したところ、発光効率の高いLEDができた。また、低電圧駆動(例えば2〜2.5V)時におけるリーク電流も非常に少なかった。
【0081】
(実施例3)
実施例1と同様に実験を行った。ただし、ドライエッチングの際のガス種をSFにすると共に、エッチング条件は以下のとおりとした。
出力: (RF:400W、バイアス:200W)
チャンバー圧力: 1Pa
エッチング時間: 5分間
規格化された直流バイアス電位(Vdc/S): −3.6V/cm
バイアス電圧の電力(電極の面積で規格化した電力)1.4W/cm
【0082】
この結果、エッチング速度は0.005μm/分であり、エッチング深さは、約0.025μmであった。基板は無色透明のままであった。
【0083】
ドライエッチング処理が終わった基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。また、基板表面をCL観察したところ、欠陥に相当するダークスポットが明瞭に観察できた。また、XPSにて表面元素を確認したところ、GaN以外では、炭素に関するスペクトルが検出された。フッ素、塩素、珪素に関するスペクトルは検出されなかった。
【0084】
この基板を用いてLEDを試作したところ、発光効率の高いLEDができた。また、低電圧駆動(例えば2〜2.5V)時におけるリーク電流も非常に少なかった。
【0085】
(比較例1)
実施例1と同様に実験を行った。ただし、ドライエッチングの際のガス種を、塩素系ガス(ガス流量比 BCl+Cl=3:1)にし、エッチング条件は、以下のとおりとした。
出力: (RF:400W、バイアス:200W)
チャンバー圧力: 1Pa
エッチング時間: 5分間
規格化された直流バイアス電位(Vdc/S): −13.1V/cm
バイアス電圧の電力は(電極の面積で規格化した電力)1.3W/cm
【0086】
この結果、エッチング速度は0.5μm/分であり、エッチング深さは約2.5μmであった。基板は無色透明のままであった。
【0087】
ドライエッチング処理が終わった基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。しかし、基板表面をCL観察したところ、明部に対するドライエッチング前後のCLスペクトルのピーク強度比が1.5以下であった。すなわち、ドライエッチング前より像は見えるようになったものの、依然として発光スペクトル強度比が低く暗像となり、ダークスポットは明確に観察できなかった。さらに5分追加工して、再びCL観察したが、発光像は変化無く、ダークスポットは観察できなかった。また、XPSにて表面元素を確認したところ、GaN以外では、塩素に関するスペクトルが検出された。フッ素、炭素に関するスペクトルは検出されなかった。
【0088】
以上のことから、塩素系ガスを用いると、プラズマダメージがGaN表面に新たに発生し、加工歪みを無くすことが出来ないことがわかった。
【0089】
この基板を用いてLEDを試作したところ、低電圧駆動(例えば2〜2.5V)時におけるリーク電流が非常に多く、LED特性が良くなかった。これは、GaNの最表面上に形成されている塩化物が原因である可能性が高い。
【0090】
(比較例2)
実施例1と同様に実験を行った。ただし、ドライエッチング装置を誘導結合型から平行平板型に変更し、エッチング条件は、以下のとおりとした。
出力: 600W
チャンバー圧力: 3Pa
エッチング時間: 5分間
規格化された直流バイアス電位(Vdc/S): −11.3V/cm
【0091】
この結果、エッチング速度は0.02μm/分であり、エッチング深さは約0.1μmであった。基板は無色透明のままであった。
【0092】
ドライエッチング処理が終わった基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。しかし、基板表面をCL観察したところ、ドライエッチング前より像は見えるようになったものの、依然として発光スペクトル強度比が低く暗像となり、ダークスポットは観察できなかった。さらに5分追加工して、再びCL観察したが、強度比に変化無く、ダークスポットは観察できなかった。また、XPSにて表面元素を確認したところ、GaN以外では、炭素に関するスペクトルが検出された。フッ素、塩素、珪素に関するスペクトルは検出されなかった。
【0093】
(実施例4)
実施例1と同様に実験を行った。ただし、エッチング条件は以下のとおりである。
出力: (RF:400W、バイアス:300W)
チャンバー圧力: 1Pa
エッチング時間: 3分間
規格化された直流バイアス電位(Vdc/S): −9.2V/cm
バイアス電圧の電力は(電極の面積で規格化した電力)1.9W/cm
この結果、エッチング速度は0.06μm/分であり、エッチング深さは約0.18μmであった。基板は無色透明のままであった。
【0094】
ドライエッチング処理が終わった基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。また、基板表面をCL観察したところ、欠陥に相当するダークスポットが観察できた。また、XPSにて表面元素を確認したところ、GaN以外では、炭素に関するスペクトルが検出された。フッ素、塩素、珪素に関するスペクトルは検出されなかった。
【0095】
この基板を用いてLEDを試作したところ、LED特性は良かった。また、低電圧駆動(例えば2〜2.5V)時におけるリーク電流は少なかった。
【0096】
(比較例3)
ドライエッチングに代えてCMP仕上げにしたこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。
【0097】
CMPした後の基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。また、CL観察したところ、欠陥に相当するダークスポットが明瞭に観察できた。一方で、基板表面をAFM(原子間力顕微鏡)で測定すると、エッチピットが多数発生していた。また、XPSにて表面元素を確認したところ、GaN以外では、珪素に関するスペクトルが検出された。フッ素、塩素、炭素に関するスペクトルは検出されなかった。
【0098】
この基板を用いてLEDを試作したところ、低電圧駆動(例えば2〜2.5V)時におけるリーク電流が非常に多く、LED特性が良くなかった。この原因としては、CMPによって基板表面上に形成されたエッチピットが原因である可能性が高い。
【0099】
(実施例5)
実施例1と同様に実験を行った。エッチング条件は以下のとおりである。
出力: (RF:150W、バイアス:10W)
チャンバー圧力: 1Pa
エッチング時間: 30分間
規格化された直流バイアス電位(Vdc/S): −1.7V/cm
バイアス電圧の電力は(電極の面積で規格化した電力)0.05W/cm
【0100】
この結果、エッチング速度は0.001μm/分であり、エッチング深さは、約0.03μmであった。
【0101】
ドライエッチング処理が終わった基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。また、基板表面をCL観察したところ、欠陥に相当するダークスポットが明瞭に観察できた。また、XPSにて表面元素を確認したところ、GaN以外では、炭素に関するスペクトルが検出された。フッ素、塩素、珪素に関するスペクトルは検出されなかった。
【0102】
この基板を用いてLEDを試作したところ、発光効率の高いLEDができた。また、低電圧駆動(例えば2〜2.5V)時におけるリーク電流も非常に少なかった。
【0103】
(実施例6)
実施例1と同様に実験を行った。ただし、エッチング条件は以下のとおりである。
出力: (RF:50W、バイアス:10W)
チャンバー圧力: 1Pa
エッチング時間: 30分間
規格化された直流バイアス電位(Vdc/S): −0.02V/cm
バイアス電圧の電力(電極の面積で規格化した電力): 0.02W/cm
【0104】
この結果、エッチング速度は0.001μm/分であり、エッチング深さは、約0.03μmであった。ただし、プラズマが不安定であり、エッチング分布ムラが見られた。
【0105】
ドライエッチング処理が終わった基板の表面をPL測定したところ、強度比の強い発光ピークが観察された。また、基板表面をCL観察したところ、欠陥に相当するダークスポットが観察できた。また、XPSにて表面元素を確認したところ、GaN以外では、炭素に関するスペクトルが検出された。フッ素、塩素、珪素に関するスペクトルは検出されなかった。
【0106】
この基板を用いてLEDを試作したところ、発光効率の高いLEDができた。また、低電圧駆動(例えば2〜2.5V)時におけるリーク電流も少なかった。
【要約】
窒化ガリウム層を有する基板において、窒化ガリウム層の表面処理後の表面ダメージを低減し、その上に形成する機能素子の品質を改善する。少なくとも窒化ガリウム層を有する基板4を提供する。誘導結合式プラズマ発生装置を具備したプラズマエッチング装置を用い、規格化された直流バイアス電位を−10V/cm以上としてフッ素系ガスを導入し、窒化ガリウム層3の表面3aをドライエッチング処理する。
【選択図】 図1
図1