【文献】
月刊Windows CE,Oh!PC,日本,ソフトバンク株式会社,1997年11月1日,第16巻,第11号,pp.222〜225
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のファイルと、前記複数のファイルを表示する際の順序の基準として、ファイルのサイズまたはファイルの名前を記憶している記憶手段を備える携帯通信機器のコンピュータにおいて実行されるデータ削除方法であって、
前記方法は、
前記記憶手段に記憶された前記基準の中からいずれかの基準の指定を受け付ける基準受付ステップと、
前記基準受付ステップにおいて受け付けられた基準に基づいて並び替えられたファイルの一覧を前記ファイルの名前とともに画面に表示する表示ステップと、
前記表示ステップに表示されたファイルの一覧の中からファイルの選択を受け付ける受付ステップと、
前記選択受付ステップにおいて受け付けられることにより前記画面に表示された複数のチェックボックスに選択表示がなされたファイルを、前記ファイルの表示が前記選択表示に変化したときに前記画面内に表示されている削除表示の操作により、削除する削除ステップとを含み、
前記表示ステップはさらに、前記ファイルの一覧を表示している場合、前記削除手段がユーザからの操作に基づき選択されたファイルを削除する前の前記チェックボックスに選択表示がなされた状態時に、前記ファイルの名前へのユーザからのファイル選択操作に基づいて、前記画面内に前記ファイル選択操作がなされたファイルの内容を、表示することを特徴とするデータ削除方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザがファイルを削除しようとする場合に、基本的にはユーザがいずれのファイルを削除するかを選択することになるが、ファイル数の多さなどといった理由から、ユーザは容易に削除対象とするファイルを見つけることができないことがある。また、携帯通信機器のメモリにおいて課金コンテンツや著作権ファイルの占有率も増加しており、そういった情報の全てをユーザが理解してファイルを削除することも困難になってきている。
【0007】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ファイルを削除しようとする際に削除に適していると思われるファイルをユーザに提示することができる携帯通信機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明にかかる携帯通信機器は、複数のファイルと、前記複数のファイルを表示する際の順序の基準として、データの保護設定の有無、データの著作権情報の有無のうち少なくとも一つを記憶している記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記基準の中からいずれかの基準の指定を受け付ける基準受付手段と、前記基準受付手段により受け付けられた基準に基づいて並び替えられたファイルの一覧を表示する表示手段と、前記表示手段に表示されたファイルの一覧の中からファイルの選択を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段により受け付けられたファイルを削除する削除手段とを備え、前記表示手段はさらに、前記ファイルの一覧を表示している場合、前記削除手段がユーザからの操作に基づき選択されたファイルを削除する前に、ユーザからの操作に基づき選択されたファイルの内容を表示するユーザからの操作に基づきファイルの内容を表示することを特徴としている。
【0009】
ここでいうファイルの順序化は、各ファイルの順序付けを行うことを意味する。また、出力手段が行う出力は、ユーザに順序化されたファイルを認識させるために行うものであ
って、例えば自機のディスプレイに表示したり、あるいは、テレビなどにデータを送信してテレビの画面上に表示したりすることを含む。
【発明の効果】
【0010】
上述のような構成によって、携帯通信機器は、ユーザが選択した基準に基づいてファイルを並べ替えて、並べ替えた順序で、ファイル名を一覧表示し、ユーザにファイル削除において削除対象となる可能性の高いファイルを上位に提示し、ユーザにファイルを削除させることができる。並べ替えた順序はもともと選択された基準において上位から削除するのに適しているようになっており、上位に位置されたファイルに対応するファイル名を上から表示することで削除対象となる可能性の高いファイルを優先的に表示することができる。
【0011】
また、前記基準受付手段は、第1の順序化の基準をユーザに指定させる第1基準受付部と、第2の順序化の基準をユーザに指定させる第2基準受付部とを備え、前記順序化手段は、前記第1の順序化の基準でファイルを順序化し、前記第1の順序化の基準によれば同順となる各ファイルについては前記第2の順序化の基準で順序化することとしてよい。
【0012】
これにより、携帯通信機器は、2つの基準に基づいてファイルの並べ替えを行うことができる。ファイル数が多い場合には一度の並べ替えだけではユーザにとって削除したいと思うファイルを発見できない可能性がある。しかし、上記構成を備えることで、1回順序化を行った後に、1回目の順序化で同順となったファイルについて、2回目を別の基準でファイルを並べ替えて、順序化によって上位にきたファイルから表示することができるので、ユーザはより削除すべきファイルを検索しやすくなる。
【0013】
また、前記基準受付手段で選択されるファイルの順序化の基準は、ファイルのデータサイズか、ファイルの拡張子か、ファイルのアクセス日時か、ファイルのアクセス回数か、ファイルの著作権かのいずれかに係る基準であり、前記順序化手段は、選択された基準が、ファイルのデータサイズに係る基準の場合は、データサイズの大きいものから降順に、ファイルの拡張子に係る基準の場合は、所定の拡張子の順序で、ファイルのアクセス日時に係る基準の場合は、アクセス日時の古いものから新しいものの順序に、ファイルのアクセス回数に係る基準の場合は、回数の少ないものから昇順に、ファイルの著作権に係る基準の場合は、著作権の無いものから有るものの順序に、順序化を行うこととしてよい。
【0014】
これにより、携帯通信機器は、ファイルの並び替えを行う際にファイルのファイルサイズの大小、あるいは種別、あるいはアクセス日時の新旧、あるいはアクセス回数の多少、あるいは著作権の有無による並べ替えが可能となる。
【0015】
また、前記携帯通信機器は更に、ファイルを、そのファイルの属性によって格納するフォルダを変えて格納するファイル格納手段と、ユーザによるフォルダの指定を受け付けるフォルダ指定受付手段とを備え、前記順序化手段は、前記フォルダ指定受付手段で受け付けた指定に係るフォルダに格納されているファイルのみを対象にして順序化を行うこととしてよい。
【0016】
これにより、携帯通信機器は、例えば音楽フォルダなど特定のフォルダに収められている複数のファイルを対象にして順序化を行うことができるようになる。ユーザが、特定の種類のファイルを消したいことが最初から分かっている場合には有効な構成である。
【0017】
本発明に係る携帯通信機器におけるファイル削除方法は、メモリ中の各ファイルを順序化するための基準を、予め複数記憶している記憶ステップと、前記基準の中からユーザによる基準の指定を受け付ける基準受付ステップと、前記基準受付手段で受け付けた指定に
係る基準に基づいてファイルを順序化する順序化ステップと、前記ファイル順序化手段によって順序化された順序に基づいて各ファイルを識別する情報の表示位置を決定し、表示する表示ステップと、表示されたファイルを識別する情報の中から、1以上の情報のユーザによる選択を受け付ける選択受付ステップと、前記選択受付手段で選択されたファイルを識別する情報に対応するファイルを削除する削除ステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る携帯通信機器におけるファイル削除プログラムは、携帯通信機器のコンピュータにファイルを削除させる各手順を実行させる削除プログラムであって、前記各手順は、メモリ中の各ファイルを順序化するための基準を、予め複数記憶している記憶ステップと、前記基準の中からユーザによる基準の指定を受け付ける基準受付ステップと、前記基準受付手段で受け付けた指定に係る基準に基づいてファイルを順序化する順序化ステップと、前記ファイル順序化手段によって順序化された順序に基づいて各ファイルを識別する情報の表示位置を決定し、表示する表示ステップと、表示されたファイルを識別する情報の中から、1以上の情報のユーザによる選択を受け付ける選択受付ステップと、前記選択受付手段で選択されたファイルを識別する情報に対応するファイルを削除する削除ステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
上記方法あるいはプログラムにより、携帯通信機器はユーザの望む基準でファイルを並べ替えて、その順序でファイル名などをユーザに提示でき、ユーザにファイルを削除させることができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明にかかる携帯通信機器の一実施の形態である携帯電話機について図面を用いて説明する。
【0022】
<実施の形態>
本発明に係る携帯電話機は、ファイル削除時にユーザの選択による並べ替え方法でファ
イルを並べ替えて、表示し、ユーザのファイル削除を支援する。以下、その携帯電話機の構成、扱うデータ、そして動作について説明していく。
【0023】
<構成>
まず、本発明に係る携帯電話機の構成について
図1の機能ブロック図を用いて説明する。
【0024】
本発明に係る携帯電話機100は、通信部110、アンテナ111、音声処理部120、マイク121、スピーカ122、表示部130、操作部140、記憶部150、制御部160を含んで構成される。
【0025】
通信部110は、アンテナ111から受け取った受信信号を受話音声信号及び受信データ信号に復調し、復調した受話音声信号を音声処理部120に、受信データ信号を制御部160に出力するものである。また、音声処理部120からのA/D変換された送話音声信号、及び制御部160から与えられる電子メールなどの送信データ信号を変調し、アンテナ111から出力する機能を有する。
【0026】
音声処理部120は、通信部110から出力された受話音声信号をD/A変換してスピーカ122に出力すると共に、マイク121から取得した送話音声信号をA/D変換し、生成した信号を通信部110に出力する機能を有する。
【0027】
表示部130は、LCD(Liquid Crystal Display)などによって実現されるモニタで、制御部160の指示による画像を表示する機能を有し、待受け画面やメールの文書などを表示したりする。
【0028】
操作部140は、テンキー、オンフックキー、オフフックキー、方向キー、決定キーなどの諸キー群を含み、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作内容を制御部160に伝達する機能を有する。
【0029】
記憶部150は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含んで構成され、小型ハードディスクや不揮発性メモリなどによって実現される。記憶部150は、携帯電話機の各部を制御する各種プログラムや、待ちうけ画像や着信メロディなどを含む各種データを記憶する機能を有する。これらの待ちうけ画像などのファイルは、RAMのユーザメモリ領域(図示せず)に格納される。ユーザが削除できるファイルは基本的に、ユーザメモリ領域内に含まれるファイルだけになる。ユーザメモリ領域以外のメモリ領域としては、システム領域があり、こちらはROMあるいはRAMに格納される携帯電話機100が動作する上で必須となるプログラムやデータが収められる。本発明に係るファイル削除プログラム151は、システム領域に記憶されている。
【0030】
制御部160は、携帯電話機100の各部を制御するものであり、記憶部150にある各種制御プログラムを読み出して制御を行うCPU(Central Processing Unit)である
。操作部140でユーザからのファイル削除にあたって、どのファイルを削除するかを指示するためにファイルの一覧表示を行うキー入力を受けたら、ファイル削除プログラム151を記憶部150から読み出し、当該プログラムに従って、ファイル削除の際にユーザが削除したいと思うファイルを発見しやすくするためのファイルの並べ替えと、ユーザによって選択されたファイルの削除とを行う機能を有する。
【0031】
<データ>
次に、携帯電話機100が扱うファイルのデータについて説明する。ここでいうファイルには、画像データや、着メロ(登録商標)、ムービー、テキストデータ、ゲームアプリ
ケーションなどがある。
【0032】
図2には携帯電話機100の記憶部150に記憶されているファイルのデータ一覧の一例を示している。同図にあるようにファイルデータ一覧表200には、ファイル削除のときの順序化に際して並べ替えがしやすいように、ファイル名201に対応して、各ファイルのサイズ202、ファイル種別203、アクセス日時204、アクセス回数205と、著作権206が記述されている。なお、図示していないが各ファイル名は、それぞれのファイルのデータに対応している。
【0033】
ファイルのサイズ202は、ファイルのデータ容量であり、キロバイト単位で数値が示されている。
【0034】
ファイル種別203は、ファイルのデータフォーマットであり、ここではファイルの拡張子を記述してある。
【0035】
アクセス日時204は、ファイルがアクセスされた最終日時を示しており、携帯電話機100がそのファイルにアクセスするごとに、その日時が更新されていく。
【0036】
アクセス回数205は、そのファイルが携帯電話機100の記憶部150に記憶されてから、アクセスされた回数を意味しており、各ファイルごとに記憶部150に記憶され、アクセスがあるごとに回数が1加算されていく。
【0037】
著作権206は、そのファイルに著作権の設定がなされているかどうかを示した情報である。基本的に課金サイトからダウンロードした着メロ(登録商標)などは著作権は有りで設定されており、個人が自己の携帯で作った着メロ(登録商標)などには著作権は無しで設定されていることが多い。この著作権情報は、そのファイルをユーザが金銭を払って入手したファイルかどうかを判断する基準になる。著作権の有無については、課金サイトからダウンロードしたものには著作権情報を「有」で設定するものとする。
【0038】
また、記憶部150は、それぞれのファイルの並べ替え方の基準、ファイルサイズ、ファイル種別、アクセス日時、アクセス回数、著作権に対応してどのようにファイルを並べ替えるかに関する情報も保持している。具体的には、ファイルサイズの場合にはデータ容量の大きいものから降順に、ファイル種別の場合には所定の拡張子の順に、アクセス日時の場合にはその日時の古いものから昇順に、アクセス回数の場合はアクセス回数の少ないものから昇順に、著作権の場合には、著作権の無いものから有るものの順に並べ替えるという情報を保持している。
【0039】
これらのデータを元に携帯電話機100は、ファイルの並べ替えを行うことが可能となる。ファイルの並べ替え方については、携帯電話機の動作として後述する。
【0040】
<動作>
次に、携帯電話機100のファイル削除における動作を
図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0041】
まずユーザから操作部140を介してファイル削除指示を受け付けてファイル削除プログラム151を制御部160が読み出し起動する(ステップS501)。当該ファイル削除プログラム151に基づいて、携帯電話機100は動作する。
【0042】
すると制御部160は、まずファイルを識別する情報としてファイル名を、名前順あるいは格納順に並べて表示部130に表示させる。これでユーザは削除できるファイルを認
識できる。ユーザは、このファイル名を選択して、ファイルの削除を行う。携帯電話機100は、オプションメニューの表示要求があるかどうかを検知している(ステップS503)。オプションメニューの表示要求がない場合は(ステップS503のNO)、表示されているファイル名の中から選択入力があるかどうかを検知する(ステップS505)。ここでいうオプションメニューは、ユーザが選択するファイルを並べ替えるための基準、ファイルサイズ、ファイル種別、アクセス日時、アクセス回数、著作権という選択項目の一覧を示したGUI(Graphical User Interface)である。オプションメニューの表示要求は、操作部140のオプションメニューの表示要求に対応している所定のキーの押下を受けて行われる。
【0043】
そしてユーザによる削除ファイルの選択を検知して(ステップS505のYES)、選択されたファイル名に対応する全ての情報を記憶部150から削除して(ステップS515)終了する。削除するファイルと対応するファイル名の選択を検知しない場合には(ステップS505のNO)ステップS503に戻って以降の処理を行う。
【0044】
ステップS503において、オプションメニューの表示要求があったならば(ステップS503のYES)、制御部160は、表示部130にオプションメニューを表示させる(ステップS507)。このオプションメニューは、削除する際にファイルを並び替えを行う基準を一覧表示したメニューである。オプションメニューを見てユーザはファイルの並び替えを行うかどうかを判断する。並び替え基準の選択入力があったならば(ステップS509のYES)、選択された基準に基づいてファイルの順序化処理を行う(ステップS511)。ここでファイルの順序化処理は実際には、ファイルそれぞれを識別するファイル名などのファイルの識別子の順序化をもって行っている。
【0045】
この順序化処理は、ファイルサイズの場合は、データ容量の大きいものから降順に順序化する。これはデータ容量の大きいものの方が携帯電話機のユーザメモリ領域の記憶容量を大きく開けることができるためである。
【0046】
ファイル種別が選択された場合は、メーカ定義もしくはユーザ定義によって定められたファイルの拡張子の昇順、例えば、jpeg、gif、mp3の順といった具合に順序化する。
【0047】
アクセス日時の場合は、アクセス日時の古いものから新しいものの順番になるように順序化する。これはアクセス日時の古いものはユーザによって使用されなくなって久しく、ユーザにとって不要である可能性が高いためである。
【0048】
アクセス回数の場合は、アクセス回数の少ないものから昇順に順序化する。これは、アクセス回数の少ないものは使用頻度が少ないということで、ユーザにとって不要である可能性が高いためである。
【0049】
著作権の場合は、著作権の無いものから有るものへと順序化する。これは著作権のあるファイルは、課金サイトからダウンロードしたファイルが多く、対価を払って入手したファイルをユーザは削除したがらないという観点からである。
【0050】
順序化の終了後、表示部130は、順序化されたファイルを一覧表示し、ユーザに提示する。携帯電話機100は、提示された一覧を見たユーザによって削除するファイルが選択されるまで待つ(ステップS513のNO)。削除するファイルの選択入力があったなら(ステップS513のYES)、選択されたファイルを記憶部150から消去して(ステップS515)終了する。ファイルの選択は、方向キーの上下でカーソルを移動させて、カーソルが目的のファイル名上に来たときに決定キーの押下によってなされる。
【0051】
以上がファイル削除時における携帯電話機100の動作であるが、以上の動作を具体例を挙げて
図3と
図4を用いて、説明する。
【0052】
まず携帯電話機100は、
図2に示すようなファイル一覧を記憶しており、このファイルの中からユーザはどれかを削除しようとしている。ユーザはファイルの削除指示を入力する。すると携帯電話機100の表示部130は、
図3(a)にあるように、ファイルの削除を行おうとしてファイル名の一覧を表示する。このファイル名の一覧を見て、ユーザは削除すべきファイルが分かりにくいと判断した場合は、オプションメニューの表示指示を入力する。実際には対応するオプションメニュー表示キーの押下で行われる。
【0053】
オプションメニューの表示指示を受けて制御部160は、表示部130にオプションメニューの表示指示を出す。
【0054】
そうすると表示部130は、
図3(b)に示すようなオプションメニューを表示する。同図にあるようにオプションメニューには、ファイル削除に役立つと思われる並べ替え基準の一覧が示されている。
【0055】
この一覧の中からユーザは方向キーを使って選択カーソルを動かし、並べ替えの基準を選択して決定キーを押下する。ここではファイルサイズによる並べ替えを選択したものとする。ファイルサイズによる並べ替えが選択されたことによって
図4(a)のように並んでいたファイルが、
図4(b)のように並べ替えられ、携帯電話機100の表示部130には
図3(c)のように、並べ替えられた順にファイル名が表示される。ここに表示しきれていない分は、方向キーを押下して下側にスクロールさせると、表示されていないファイル名も表示される。
【0056】
そしてユーザは、上位に表示されているのがファイル削除に適しているファイルと認識し、
図3(c)のように表示されたファイルの中から削除するファイルを選択して、ファイルの削除を行って終了する。
【0057】
<実施の形態2>
実施の形態2においては実施の形態1と異なり、1回の並べ替えだけではユーザが削除したいと思うファイルがユーザにとって分かりにくかった場合に、1回目の並べ替えによる並び順をある程度保ったまま、更にもう一度別の基準で並べ替えを行うことを説明する。
【0058】
以下、図面を用いながら実施の形態2に係る携帯電話機について説明していく。
【0059】
<構成>
実施の形態2に係る携帯電話機は、実施の形態1に係る携帯電話機100のものとほとんど変わらないので実施の形態2も携帯電話機100の構成に従って記述する。構成として実施の形態2に係る携帯電話機と実施の形態1に係る携帯電話機100と異なる点は、図示しないが、記憶部150が、
図6にあるような並び替え基準表600を記憶している点にある。
【0060】
<データ>
ここでは、記憶部が記憶している並べ替え基準表600について説明する。
【0061】
並べ替え基準表600は、第1の基準で並べ替えを行った後、その並べ順をある程度保ったまま第2の並べ替えを行う際に、第2の並べ替えの対象となる範囲を示した表である。2つのおよそ関係のない基準でファイルを並び替えて携帯電話機の小さな画面に一次元
方向でファイル一覧を表示する場合に、2回目の並べ替えを行うのにはファイルの並び順を決定するための並び替えの基準が必要となる。並べ替え基準表600は、その基準を決定するための表である。
【0062】
図6にあるように、並べ替え基準表600は、第1基準内容601としてファイルサイズ611、ファイル種別612、アクセス日時613、アクセス日時614、著作権615に対応してそれぞれがどのレベル602で区切られて、各レベルにどういったファイルが含まれるのかを示している。例えば、ファイルサイズ611の場合、レベル1には1001キロバイト以上のデータ容量を持つファイルが含まれ、レベル2には501キロバイト以上、1000キロバイト以下のファイルが含まれる。
【0063】
携帯電話機は、第2の並べ替えにおいては、第1の並べ替えが行われた後で、各レベルごとに各レベル内に含まれるファイルを順序化し、それらをつなぎあわせたものが携帯電話機100の表示部130に表示されることになる。例えば第1の基準がアクセス日時であった場合には、アクセス日時の古いものから新しいものへとファイルの順序化が行われた後に、アクセス日時613に対応するレベルを読み出して、それぞれのレベル内に含まれるファイルに対して第2の基準で並べ替えを行う。
【0064】
<動作>
ここから、実施の形態2に係る携帯電話機の動作について
図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0065】
まず、ユーザは、第1の並べ替えの基準を選択する。携帯電話機100は、当該選択を受け付けて(ステップS901)選択された並べ替えの第1基準に基づいて順序化処理を行う(ステップS903)。ここまでは、実施の形態1と同様である。そして第2の基準が選択されたならば(ステップS905のYES)、並べ替え基準表600を記憶部150から読み出し(ステップS907)、第1の基準と第1の基準内容の欄とを照らし合わせて、対応する第1の基準内用の各レベルを読み出して順序化したファイルを区切っていく(ステップS909)。そして区切られて分類された各レベル内のファイルについて、レベル毎にファイルの順序化を第2の基準で行う(ステップS911)。そして順序化されたファイルをレベル1から順に画面上部を上位として、下方向に向けて一覧表示する(ステップS913)。このあと、ユーザは、表示されたファイル名の一覧を見てどのファイルを削除するかを選択してファイルを削除することになる。
【0066】
続いて、実施の形態2に係る携帯電話機の動作を具体例を
図7及び
図8の図面を用いて
図9のフローチャートと対応させながら説明する。ここではユーザは第1の基準としてファイルサイズを、第2の基準として著作権の有無を選択することにする。
【0067】
まず、ユーザはファイル削除を行おうとして、ファイル削除要求の入力を操作部140を介して行うと、
図7(a)に示すように、ファイルの一覧が名前順に表示される。この時点でどのファイルを削除すべきか分からなかったユーザは、オプションメニューを呼び出す操作を行う。すると表示部130には、
図7(b)に示すようなファイルを並べ替えのための基準を選択するためのオプションメニューが表示される。そのオプションメニューを見て、ユーザは操作部140の方向キーを操作してカーソルを移動させて並べ替えの基準を選択する(ステップS901)。ここでは、ファイルサイズを選択する。
【0068】
すると制御部160は、ファイルをそのデータ容量が大きいものから降順に順序化して(ステップS903)、一時的に記憶部150に記憶させる。
【0069】
そして、第2の並べ替え基準の選択があったなら(ステップS905のYES)、まず
、制御部160は、並べ替え基準表600のファイルサイズ611の欄を読み出す(ステップS907)。ここでは
図7(c)のように、著作権で並べ替えをすることをユーザが選択したとする。そこで著作権に対応する情報を読み出して、記憶部150に記憶していた順序のファイルを各レベルごとに区分けして行く。そしてレベル1に含まれるファイルに対して著作権情報の有無で、著作権の無いファイルから有るファイルへと順序化を行う。続いてレベル2に含まれるファイルに対して著作権情報の有無で順序化を行う。以下、各レベルに含まれるファイルについて著作権情報の有無に基づいて順序化を行う。
【0070】
各レベルで順序化された各ファイル群を、レベル1から順に連ねて記憶部150に記憶し、その順序で表示部130の上部が順序化されたファイルの上位になるように、
図7(d)のように表示する。
図7(d)では、ファイルの名前の横に、そのファイルのデータ
容量と著作権の有無の情報も記述されている。なお、ファイルサイズはキロバイト単位で、著作権の有無は○×で示している。実際には
図8に示したように、
図8(a)のようにもとのファイル群がファイルサイズで順序化された後に、各レベルごとに区分けして第2の基準で並べ替えられて、
図8(b)のように順序化される。例えば、
図8(a)において、ファイル名「m」とファイル名「c」に対応するデータは共にファイルサイズにおいて並べ替え基準表600のファイルサイズ611によりレベル2に属することが分かり、このファイル「c」は著作権が無いため、著作権のあるファイル「m」よりも上位になっていることがわかる。なお、
図8(a)は、ファイル群を実施の形態1で示したようにファイルサイズで順序化された後のファイルの一覧図であり、
図8(b)は、ファイル群がファイルサイズで順序化された後に著作権の有無で順序化されたあとのファイルの一覧図である。
【0071】
最後にユーザは、並べ替えられたファイル名の中から削除するファイルを探してファイルを削除する入力を行って終了する。
【0072】
<補足>
以上、本発明に係る携帯電話機について上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の実施の形態はこれに限るものでないことは勿論である。以下、その変形例について説明していく。
【0073】
(1)上記実施の形態2においては、並べ替え基準表600は予め携帯電話機に記憶されているものとしたが、ユーザによってそのレベルのレンジ、即ち、各レベルにどの範囲内のファイルが属するかを変更することができてもよい。これにより、その携帯電話機のユーザの好みにより近い削除のための並べ替えができるようになる。
【0074】
(2)上記実施の形態においては、著作権情報は、課金サイトからダウンロードしたファイルは、その著作権情報が「有」で設定されているものとしたが、これは別にユーザの好みで設定されても良い。例えば特定のサイトからダウンロードしたコンテンツのみに対して著作権情報「有」に設定することとしてよいし、あるいはコンテンツを配信する側で、最初から設定されていることとしてもよい。
【0075】
(3)上記実施の形態においては、並べ替えにおける基準は、ファイルのファイルサイズ、ファイルの種別、ファイルのアクセス最終日、ファイルのアクセス回数、著作権の有無の5つとしたが、並べ替え方法はこれに限ることはない。実施の形態における基準以外にも、例えばユーザによる保護がなされているかどうかで並べ替えたりしても良い。ファイルのユーザによる保護設定がなされているものは、保護設定されているものは、そのファイルの削除ができないようになっているので、保護設定を基準の一つに設け、これが選択された場合には保護設定されていないファイルが上位にくるものとする。
【0076】
(4)実施の形態2において並べ替え基準表600は予め携帯電話機に記憶されていることとしてが各レベルの範囲はユーザの操作により、自由にそのレンジを変えることができることとしてよい。これにより、よりユーザライクにファイルの並べ替えが行えるようになる。
【0077】
(5)上記実施の形態2においては、一度第1の基準でファイルを並べ替えてから、領域に区切り各領域に関して第2の基準で並べ替えを行ったが、これは他の方法をとってもよい。例えば
図6に示す並べ替え基準表600で示される各レベルにファイルをまず第1の基準に対応したレベルで並べ替えを行わずに区分けする。そして区分けされた各レベルごとに第2の基準によるファイルの順序化処理を行い、そしてレベル1のものが上位にくるように表示することとしてもよい。
【0078】
(6)上記実施の形態においては、ファイルは縦方向に並べられて表示されていたが、これは画面左側を上位にして、横方向に並べて、横方向にスクロールするようにしてもよい。
【0079】
(7)上記実施の形態においては、ファイル削除における順序化は、ユーザデータ領域内の全データを対象にしていたが、これはその限りではない。例えば、ユーザデータ領域内において、更に音楽フォルダあるいは画像フォルダなど、データファイルの種別によって分類がなされていることが多く、それらフォルダのいずれかに含まれるファイルに対してのみ順序化を行うこととしてもよい。ユーザが初めからどの種類のファイルを削除したいかがわかっている場合に、順序化における携帯電話機の負担を多少軽減できる。
【0080】
(8)上記実施の形態2においては、ファイルの順序化は2回行ったが、これは別に2回でなくてもよく、更に3回目、4回目のファイルの順序化を行わせても良い。
【0081】
(9)上記実施の形態においては、表示部130にはファイル名の一覧が、並べ替えられた順序で表示され、それを見てユーザは削除するファイルを選択したが、1のファイル名にカーソルを合わせて所定のキーを押下することで、そのファイルの内容を確認できてもよい。これでユーザは、ファイルを削除する際に、削除しようと思っているファイルの内容を確認して本当に削除しても良いかどうかを判断できる。
【0082】
(10)上記実施の形態においては、携帯電話機の表示部130に順序化されたファイルを表示しているが、これは表示部130以外のディスプレイに表示されてもよい。例えば、テレビ受信機やLCDのあるプリンタなどに順序化したファイルのデータを送信して順
序化したファイルを表示させるといったことも考えられる。
【0083】
(11)上記実施の形態においては、携帯通信機器として携帯電話機を例に本発明を説明したが、これは別に携帯電話機である必要は無く、例えばPDA(Personal Digital Assistance)のような携帯情報端末などであってもよい。