【課題を解決するための手段】
【0031】
メチオニンが、AVE0010などのGLP−1アゴニスト及びインスリングラルギンなどのインスリンを含む組成物の保存安定性を増加させることができることがわかった。メチオニンはこれらの組成物の物理的完全性に影響を与えない。
【0032】
薬学的に活性なポリペプチドの安定性は、様々な機構によって損なわれ得る。これらとしては、pH、温度、光、及びある成分の影響が挙げられる。
【0033】
本発明に関して、インスリン製剤又はGLP−1アゴニスト製剤の様々な通常の成分は、インスリン及びGLP−1アゴニストを含む製剤の化学的又は/及び物理的完全性並びに保存安定性にとって不利であることがわかった。これらは、例えば、酢酸塩、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポロキサマー188、塩化ベンザルコニウム、及びリジンである。従って、本発明に従う組成物は、好ましくはこれらの成分を含まない。
【0034】
従って、本発明は、GLP−1アゴニスト又は/及びその薬理学的に許容される塩、インスリン又は/及びその薬理学的に許容される塩、及び場合により少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む液体組成物であって、組成物がメチオニンを含む、液体組成物を提供する。
【0035】
本発明に従う組成物は、好ましくは、0.5mg/mL〜20mg/mLの範囲の量で、より好ましくは1mg/mL〜5mg/mLの範囲の量で、特に好ましくは3.0mg/mLの量で、メチオニンを含む。D型のメチオニンが使用され得る。同様に、L型のメチオニンが使用され得る。同様に、任意の所望の割合のD型及びL型の混合物が使用され得る。
【0036】
特に、本発明に従う組成物は、界面活性剤、例えば、ポリオール、並びに多価アルコールの部分及び脂肪酸エステル並びにエーテル、例えば、グリセリン及びソルビトールのそれらを含まない。本発明に従う組成物は、特に、Span(登録商標)、Tween(登録商標)、Myrj(登録商標)、Brij(登録商標)、Cremophor(登録商標)からなる群より選択される、グリセリン及びソルビトールの部分及び脂肪酸エステル並びにエーテルを含まない。さらに、本発明に従う組成物は、特に、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、Pluronic、Tetronicからなる群より選択されるポリオールを含まない。特に、本発明に従う組成物は、ポリソルベート、ポリソルベート及びポロキサマーからなる群より選択される少なくとも1つの物質を含まない。
【0037】
特に、本発明に従う組成物は、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20を実質的に含まず、好ましくは含まない。
【0038】
特に、本発明に従う組成物は、ポリソルベート80を実質的に含まず、好ましくは含まない。
【0039】
特に、本発明に従う組成物は、ポロキサマー、例えば、ポロキサマー188を実質的に含まず、好ましくは含まない。
【0040】
特に、本発明に従う組成物は、塩化ベンザルコニウムを実質的に含まず、好ましくは含まない。
【0041】
特に、本発明に従う組成物は、ヒスチジンを実質的に含まず、好ましくは含まない。
【0042】
特に、本発明に従う組成物は、EDTA、特にEDTAナトリウムを実質的に含まず、好ましくは含まない。
【0043】
特に、本発明に従う組成物は、ヒスチジン及びEDTAナトリウムを実質的に含まず、好ましくは含まない。
【0044】
本発明に従う組成物は、pHを緩衝化するために通常使用される1つ又はそれ以上の物質(緩衝物質)を含み得る。このような緩衝物質の例は、酢酸塩、クエン酸塩及びリン酸塩である。特に、本発明に従う組成物は、例えば、GLP−1アゴニスト又は/及びインスリンについての対イオンとして、十分である量で、pHを緩衝化するために通常使用される1つ又はそれ以上の物質を含み得る。本発明に従う組成物は、1つ又はそれ以上の緩衝物質を、例えば、各々、1mg/mlまで、0.5mg/mlまで、0.1mg/mlまで、0.05mg/mlまで、0.02mg/mlまで、又は0.01mg/mlまでの量で含み得る。本発明に従う組成物は、同様に、緩衝物質を実質的に含まない場合がある。好ましくは、本発明に従う組成物は緩衝物質を含まない。
【0045】
本発明に従う組成物は、酢酸塩を、例えば、1mg/mlまで、0.5mg/mlまで、0.1mg/mlまで、0.05mg/mlまで、0.02mg/mlまで、又は0.01mg/mlまでの量で含み得る。これらの量は、例えば、GLP−1アゴニストについての対イオンとして十分である。同様に、本発明に従う組成物は酢酸塩を実質的に含まない場合がある。好ましくは、本発明に従う組成物は酢酸塩を含まない。
【0046】
本発明に従う組成物は、クエン酸塩を、例えば、1mg/mlまで、0.5mg/mlまで、0.1mg/mlまで、0.05mg/mlまで、0.02mg/mlまで、又は0.01mg/mlまでの量で含み得る。これらの量は、例えば、GLP−1アゴニストについての対イオンとして十分である。同様に、本発明に従う組成物はクエン酸塩を実質的に含まない場合がある。好ましくは、本発明に従う組成物はクエン酸塩を含まない。
【0047】
本発明に従う組成物は、リン酸塩を、例えば、1mg/mlまで、0.5mg/mlまで、0.1mg/mlまで、0.05mg/mlまで、0.02mg/mlまで、又は0.01mg/mlまでの量で含み得る。これらの量は、例えば、GLP−1アゴニストについての対イオンとして十分である。同様に、本発明に従う組成物はリン酸塩を実質的に含まない場合がある。好ましくは、本発明に従う組成物はリン酸塩を含まない。
【0048】
本発明の薬学的組成物は、酸性又は生理学的pHを有し得る。酸性pH範囲は、好ましくは、pH 1〜6.8、pH 3.5〜6.8、又はpH 3.5〜5の範囲内にある。生理学的pHは、好ましくはpH 2.5〜8.5、より好ましくはpH 4.0〜8.5、なおより好ましくはpH 6.0〜8.5の範囲内にある。特に好ましいのは、pH約4.5である。pH調整について、生理学的に安全な希酸(通常、HCl)及びアルカリ(通常、NaOH)が適切である。
【0049】
本発明に従う組成物は、適切な保存剤を含み得る。適切な保存剤は、例えば、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、及び/又はp−ヒドロオキシ安息香酸エステルである。m−クレゾールが好ましい。しかし、保存剤はまた省かれ得る。
【0050】
本発明に従う組成物は亜鉛イオンを含み得る。亜鉛イオンの濃度は、好ましくは1μg/ml〜2mg/mlの範囲内、より好ましくは5μg〜200μg亜鉛/mlの範囲内にあり、特に最大で0.06mg/ml、特に好ましくは0.06mg/mlである。
【0051】
さらに、本発明に従う組成物は、適切な等張化剤を含み得る。適切な等張化剤は、例えば、グリセリン、デキストロース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、グルコース、NaCl、カルシウム又はマグネシウム化合物、例えばCaCl
2などである。グリセリン、デキストロース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、及びグルコースの濃度は、通常、100〜250mMの範囲内、NaClは150mMまでの濃度内である。グリセリンが好ましい。特に、20.0mg/mlでの85%グリセリンが好ましい。
【0052】
本発明に従う組成物は、少なくとも1つのインスリンの放出を遅らせる、塩などの、さらなる添加剤をさらに含み得る。好ましくは、組成物はこれらの添加剤を含まない。
【0053】
特に、組成物は、非経口投与用に意図される。本発明に従う組成物は、好ましくは注射用組成物、より好ましくは皮下注射用のものである。特に、本発明の組成物は、1日1回の注射に適している。
【0054】
特に、本発明に従う製剤は、+5℃又は25℃の温度での1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、又は6ヶ月間保存後、保存開始時の活性の少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の活性を有する。
【0055】
本出願において、「活性」は、本発明に従う製剤において使用されるインスリンの活性を意味し得る。インスリンの活性を測定するための方法は、当業者に公知である。
【0056】
本出願において、「活性」は、同様に、本発明に従う製剤において使用されるGLP−1アゴニストの活性を意味し得る。GLP−1アゴニストの活性を測定するための方法は、当業者に公知である。
【0057】
特に、本発明に従う製剤は、1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、又は6ヶ月間保存後化学的完全性を示す。化学的完全性は、特に、+5℃、25℃、又は40℃の温度での保存の後に、製剤が、保存の開始と比較して実質的に化学的に未変化の形態の有効成分を少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%を含むことを意味する。
【0058】
化学的完全性は、GLP−1アゴニストの化学的完全性を意味し得る。GLP−1アゴニストは、メチオニン残基(例えば、AVE0010中の14位)を含み得る。GLP−1アゴニストの化学的完全性は、特に、メチオニン残基の酸化が防止されることを意味する。
【0059】
化学的完全性は、同様に、インスリンの化学的完全性を意味し得る。
【0060】
好ましくは、化学的完全性は、インスリン及びGLP−1アゴニストの完全性を意味する。
【0061】
特に、本発明に従う製剤は、1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、又は6ヶ月間保存後物理的完全性を示す。物理的完全性は、特に、+5℃、25℃、又は40℃の温度での保存の後に、製剤が、保存の開始と比較して実質的に物理的に未変化の形態の有効成分を少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%を含むことを意味する。
【0062】
物理的完全性は、GLP−1アゴニストの完全性を意味し得る。同様に、物理的完全性は、インスリンの完全性を意味し得る。物理的完全性は、特に、GLP−1アゴニスト又は/及びインスリンが、例えばフィブリルなどの凝集体を形成しないことを意味する。
【0063】
好ましくは、物理的完全性は、インスリン及びGLP−1アゴニストの完全性を意味する。
【0064】
GLP−1アゴニストは、好ましくは、エキセンジン−3及びそのアナログ及び誘導体、エキセンジン−4及びそのアナログ及び誘導体からなる群より選択され、この場合、GLP−1アゴニストは、より好ましくは、AVE0010及びエキセンジン−4からなる群より選択される。
【0065】
エキセンジン−3、エキセンジン−3のアナログ及び誘導体、エキセンジン−4、並びにエキセンジン−4のアナログ及び誘導体は、WO 01/04156(特許文献18)、WO 98/30231、US 5,424,286(特許文献13)、EP出願99 610043.4、及びWO 2004/005342において見られ得る。これらの文献は、参照により本明細書に組み入れられる。これらの文献に記載のエキセンジン−3、エキセンジン−4、並びにそのアナログ及び誘導体は、それらに記載の方法によって合成され得、その後、修飾が場合により行われる。
【0066】
AVE0010(配列番号1)、エキセンジン−4(配列番号2)、及びエキセンジン−3(配列番号3)の配列は、高度の類似性を示す。AVE0010及びエキセンジン−4の配列は、1〜37位で同一である。エキセンジン−4の配列1〜39は、48〜86位でのエキセンジン−3配列と39個の位置のうち37個で同一である(94%)。配列を参照して、当業者は、特定の配列(例えば、AVE0010又はエキセンジン−4の配列)に関連する、本明細書において指定される位置を他の配列へ容易に変換することができる。
【0067】
エキセンジン−3又は/及びエキセンジン−4のアナログ及び誘導体は、特に、修飾アミノ酸配列を含有する。例えば、単一のアミノ酸が欠失され得る(例えば、エキセンジン−4中のdesPro36、desPro37、desAsp28、desMet(O)14、及びエキセンジン−3中の対応の位置)。同様に、単一の位置が置換され得(例えば、エキセンジン−4中のMet(O)
14、Trp(O
2)
25、IsoAsp
28、Asp
28Pro
38、及びエキセンジン−3中の対応の位置)、この場合、非天然アミノ酸、例えば、Met(O)(メチオニンスルホキシド又はメチオニンスルホン)、Trp(O
2)(N−ホルミルキヌレニン)、又は/及びIsoAsp(β−アスパルテート又はイソアスパルテート)も使用され得る。非天然アミノ酸は、配列中へ、対応のアミノ酸構築ブロックの形態で、容易に挿入され得る。
【0068】
さらに、C末端又は/及びN末端は、例えば、−(Lys)−、−(Lys)
2−、−(Lys)
3−、−(Lys)
4−、−(Lys)
5−、−(Lys)
6−、−Asn−(Glu)
5−などの追加の配列によって修飾され得、この場合、−(Lys)
4−、−(Lys)
5−、−(Lys)
6−、−Asn−(Glu)
5−が好ましい。C末端のカルボキシル基は、好ましくはアミド基(−NH
2)へ修飾される。場合によりC末端又は/及びN末端の修飾は、合成の完了後のさらなる工程として行われる。
【0069】
薬学的に許容される塩は、本発明に従う方法の合成サイクルの完了後のさらなる工程において製造され得る。ペプチドの薬学的に許容される塩の製造は当業者に公知である。好ましい薬学的に許容される塩は酢酸塩である。
【0070】
GLP−1アゴニストは、好ましくは、エキセンジン−4、エキセンジン−4のアナログ及び誘導体、並びにその薬理学的に許容される塩からなる群より選択される。
【0071】
さらなる好ましいGLP−1アゴニストは、以下からなる群より選択されるエキセンジン−4のアナログである:
H−desPro
36−エキセンジン−4−Lys
6−NH
2,
H−des(Pro
36,37)−エキセンジン−4−Lys
4−NH
2,
H−des(Pro
36,37)−エキセンジン−4−Lys
5−NH
2
及びその薬理学的に許容される塩。
【0072】
さらなる好ましいGLP−1アゴニストは、以下からなる群より選択されるエキセンジン−4のアナログである:
desPro
36[Asp
28]エキセンジン−4 (1−39),
desPro
36[IsoAsp
28]エキセンジン−4 (1−39),
desPro
36[Met(O)
14,Asp
28]エキセンジン−4 (1−39),
desPro
36[Met(O)
14,IsoAsp
28]エキセンジン−4 (1−39),
desPro
36[Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−2 (1−39),
desPro
36[Trp(O
2)
25,IsoAsp
28]エキセンジン−2 (1−39),
desPro
36[Met(O)
14Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4 (1−39),
desPro
36[Met(O)
14Trp(O
2)
25,IsoAsp
28]エキセンジン−4(1−39)
及びその薬理学的に許容される塩。
【0073】
さらなる好ましいGLP−1アゴニストは、ペプチド−Lys
6−NH
2がエキセンジン−4のアナログのC末端へ結合されている、前段落に記載される群より選択されるエキセンジン−4のアナログである。
【0074】
さらなる好ましいGLP−1アゴニストは、以下からなる群より選択されるエキセンジン−4のアナログである:
H−(Lys)
6−desPro
36[Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2,
desAsp
28Pro
36,Pro
37,Pro
38エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
H−(Lys)
6−desPro
36,Pro
37,Pro
38[Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
H−Asn−(Glu)
5desPro
36,Pro
37,Pro
38[Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
desPro
36,Pro
37,Pro
38[Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−(Lys)
6−desPro
36,Pro
37,Pro
38[Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−Asn−(Glu)
5−desPro
36,Pro
37,Pro
38[Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−(Lys)
6−desPro
36[Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2,
H−desAsp
28 Pro
36,Pro
37,Pro
38[Trp(O
2)
25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
H−(Lys)
6−desPro
36,Pro
37,Pro
38[Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
H−Asn−(Glu)
5−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−(Lys)
6−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−Asn−(Glu)
5−des Pro
36,Pro
37,Pro
38 [Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−(Lys)
6−desPro
36[Met(O)
14,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2,
desMet(O)
14 Asp
28 Pro
36,Pro
37,Pro
38エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
H−(Lys)
6−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
H−Asn−(Glu)
5−des Pro
36,Pro
37,Pro
38 [Met(O)
14,Asp
28] エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−(Lys)
6−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2,
H−Asn−(Glu)
5−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Asp
28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−(Lys)
6−desPro
36[Met(O)
14, Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2,
desAsp
28 Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Trp(O
2)
25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
H−(Lys)
6−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
H−Asn−(Glu)
5−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Asp
28] エキセンジン−4(1−39)−NH
2,
des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−(Lys)
6−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2,
H−Asn−(Glu)
5−des Pro
36,Pro
37,Pro
38[Met(O)
14,Trp(O
2)
25,Asp
28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)
6−NH
2
及びその薬理学的に許容される塩。
【0075】
同様に、GLP−1アゴニストは、GLP−1並びにGLP−1のアナログ及び誘導体からなる群より選択され得る。さらなる好ましいGLP−1アゴニストは、Arg
34,Lys
26(N
ε(γ−グルタミル(N
α−ヘキサデカノイル)))GLP−1(7−37)[リラグルチド]及びその薬理学的に許容される塩からなる群より選択される。
【0076】
さらなる好ましいGLP−1アゴニストはAVE0010である。AVE0010は、配列desPro
36エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2(配列番号1)を有する。同様に、AVE0010の薬理学的に許容される塩が好ましい。
【0077】
GLP−1アゴニスト、例えばAVE0010は、特に、0.01mg/ml〜0.5mg/ml又は0.05mg/ml〜1.5mg/mlの範囲の量で使用される。
【0078】
本出願において、用語「インスリン」は、未修飾インスリンだけでなく、インスリンアナログ、インスリン誘導体、及びインスリン代謝産物をも包含する。本発明に従う組成物は、インスリン(例えば、未修飾 インスリン)、インスリンアナログ、インスリン誘導体、及びインスリン代謝産物、並びにそれらの任意の所望の組み合わせからなる群より独立して選択される1つ又はそれ以上を含む。
【0079】
少なくとも1つのインスリンは、ウシインスリン、そのアナログ、誘導体及び代謝産物、ブタインスリン、そのアナログ、誘導体及び代謝産物、並びにヒトインスリン、そのアナログ、誘導体及び代謝産物からなる群より独立して選択され得る。好ましくは、少なくとも1つのインスリンは、ヒトインスリン、そのアナログ、誘導体及び代謝産物より独立して選択される。
【0080】
さらに、本発明に従うインスリンは、未修飾インスリンより、特にウシインスリン、ブタインスリン、及びヒトインスリンより独立して選択され得る。
【0081】
少なくとも1つのインスリンは、ウシインスリン、ブタインスリン、及びヒトインスリンからなる群より独立して選択され得る。より好ましくは、少なくとも1つのインスリンは、ヒトインスリンより独立して選択される。本発明に従うインスリンは、未修飾インスリンより、特にウシインスリン、ブタインスリン、及びヒトインスリンより選択され得る。
【0082】
本発明に従うインスリン誘導体は、化学修飾によって得られる、天然のインスリン及び/又はインスリンアナログの誘導体である。化学修飾は、例えば、1つ又はそれ以上のアミノ酸上への1つ又はそれ以上の定義される化学基の付加を含み得る。
【0083】
EP 0 214 826(特許文献7)、EP 0 375 437(特許文献8)、EP 0 678 522(特許文献9)、EP 0 419 504(特許文献10)、WO 92/00321(特許文献11)、EP−A 0 368 187(特許文献12)、及びWO2009/063072に記載されるインスリンアナログは、本発明に従う組成物の部分であり得る。文献EP 0 214 826(特許文献7)、EP 0 375 437(特許文献8)、EP 0 678 522(特許文献9)、EP 0 419 504(特許文献10)、WO 92/00321(特許文献11)、EP−A 0 368 187(特許文献12)、及びWO 2009/063072は、参照により本明細書に含まれる。
【0084】
本発明に従うある好ましいインスリンアナログは、Gly(A21)−Arg(B31)−Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン)、Lys(B3)−Glu(B29)ヒトインスリン;Lys
B28Pro
B29ヒトインスリン(インスリンリスプロ)、B28 Aspヒトインスリン(インスリンアスパルト)、B28位のプロリンがAsp、Lys、Leu、Val又はAlaによって置換されており、B29位のLysがProによって置換されていてもよいヒトインスリン;AlaB26ヒトインスリン;des(B28−B30)ヒトインスリン;des(B27)ヒトインスリン又はB29Lys(ε−テトラデカノイル),des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル)、N
εB29−テトラデカノイルdes(B30)ヒトインスリン、N
εB29−(N
α−(HOOC(CH
2)
14CO)−γ−Glu) desB30ヒトインスリン、Lys
B29(N
εリトコリル−γ−Glu)−des(B30)ヒトインスリン、N
εB29−ω−カルボキシペンタデカノイル−γ−L−グルタミルアミド(glutaylamide)desB30ヒトインスリン、及びN
εB29−ω−カルボキシペンタデカノイル−γ−アミノ−ブタノイルdes(B30)ヒトインスリンからなる群より選択され得る。
【0085】
本発明に従う好ましいインスリン誘導体は、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−ミリストイルヒトインスリン、B29−N−パルミトイルヒトインスリン、B28−N−ミリストイルLys
B28Pro
B29ヒトインスリン、B28−N−パルミトイル−Lys
B28Pro
B29ヒトインスリン、B30−N−ミリストイル−Thr
B29Lys
B30ヒトインスリン、B30−N−パルミトイル−Thr
B29Lys
B30ヒトインスリン、B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリン、N
εB29−テトラデカノイルdes(B30)ヒトインスリン、N
εB29−(N
α−(HOOC(CH
2)
14CO)−γ−Glu) des B30ヒトインスリン、Lys
B29(N
εリトコリル−γ−Glu)−des(B30)ヒトインスリン、N
εB29−ω−カルボキシペンタデカノイル−γ−L−グルタイルアミドdesB30ヒトインスリン、及びN
εB29−ω−カルボキシペンタデカノイル−γ−アミノ−ブタノイルdes(B30)ヒトインスリンからなる群より選択され得る。
【0086】
本発明に従うより非常に好ましいインスリン誘導体は、Gly(A21)−Arg(B31)−Arg(B32)ヒトインスリン、Lys
B28Pro
B29ヒトインスリン(インスリンリスプロ)、B28 Aspヒトインスリン(インスリンアスパルト)、B29Lys(ε−テトラデカノイル),desB30ヒトインスリン(インスリンデテミル)からなる群より選択される。
【0087】
本発明に従う組成物は、本明細書に定義されるインスリンを60〜6000nmol/ml、好ましくは240〜3000nmol/ml含有する。使用されるインスリンに応じて、240〜3000nmol/mlの濃度は、約1.4〜35mg/ml又は40〜500単位/mlの濃度に対応する。
【0088】
本発明は、特に好ましくは、Lys
B28Pro
B29ヒトインスリン(インスリンリスプロ)、B28Aspヒトインスリン(インスリンアスパルト)、B29Lys(ε−テトラデカノイル),desB30ヒトインスリン(インスリンデテミル)、及びインスリングラルギン(Gly(A21)−Arg(B31)−Arg(B32)ヒトインスリン)より独立して選択される少なくとも1つのインスリンを含み、かつ、AVE0010及び/又はその薬理学的に許容される塩を含む、本明細書に記載の組成物を提供する。本発明は、さらに特に好ましくは、インスリングラルギン(Gly(A21)−Arg(B31)−Arg(B32)ヒトインスリン)及びAVE0010(desPro
36エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2)及び/又はその薬理学的に許容される塩を含む、本明細書に記載の組成物を提供する。これらの特に好ましい組成物は、好ましくは、酸性pH 1〜6.8、より好ましくはpH 3.5〜6.8、なおより好ましくはpH 3.5〜4.5の酸性を有する。
【0089】
特定の実施態様において、本発明に従う製剤は、下記の成分を含む:
(a) desPro
36エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2、
(b) Gly(A21)−Arg(B31)−Arg(B32)ヒトインスリン、
(c) 塩化亜鉛、
(d) m−クレゾール、
(e) L−メチオニン、
(f) グリセリン、
(g) pH約4.5への調整が必要である場合、塩酸、
(h) pH約4.5への調整が必要である場合、NaOH溶液、及び
(i) 水。
【0090】
特に、本発明に従う製剤は、(a)〜(i)に記載の成分からなる。場合により、m−クレゾールは省かれ得る。従って、本発明に従う製剤は、その場合、成分(a)〜(c)及び(e)〜(i)からなる。
【0091】
本発明は、さらに、本発明に従う少なくとも2つの製剤の組み合わせを提供する。この場合、各々がインスリン及びGLP−1アゴニストを含む、第1及び第2組成物、及び場合により少なくとも1つのさらなる薬学的組成物が提供される。
【0092】
従って、本発明は、第1の薬学的組成物及び第2の薬学的組成物、及び場合により少なくとも1つのさらなる薬学的組成物を含む組み合わせであって、各々が、少なくとも1つのインスリン及び少なくとも1つのGLP−1アゴニストを含み、かつ、組成物の総質量に対して異なる質量分率で少なくとも1つのインスリン及び/又は少なくとも1つのGLP−1アゴニストを含有する、組み合わせを提供する。
【0093】
本出願において、「場合により、少なくとも1つのさらなる薬学的組成物」は、本発明に従う組み合わせが、第1及び第2の薬学的組成物に加えて、少なくとも1つのさらなる薬学的組成物を含み得ることを意味する。従って、本発明に従う組み合わせは、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の本発明に従う薬学的組成物を含み得る。
【0094】
好ましい組み合わせは、本発明に従う第1及び第2の薬学的組成物を含むものである。
【0095】
同様に好ましいのは、本発明に従う第1、第2及び第3の薬学的組成物を含む組み合わせである。
【0096】
同様に好ましいのは、本発明に従う第1、第2、第3及び第4の薬学的組成物を含む組み合わせである。
【0097】
同様に好ましいのは、第1、第2、第3、第4及び第5の薬学的組成物を含む組み合わせである。
【0098】
薬学的組成物が、質量分率に基づいて、異なる比のインスリン対GLP−1アゴニストを含有するように、少なくとも1つのインスリン及び少なくとも1つのGLP−1アゴニストの質量分率は、第1の薬学的組成物、第2の薬学的組成物、及び、使用される場合、少なくとも1つのさらなる薬学的組成物中において選択され得る。
【0099】
この場合、第1組成物は最小の比を含み得、第2組成物は次のより大きな比を含み得る。少なくとも1つのさらなる組成物が存在する場合、それは次のより大きな比を含み得る。さらなる組成物が同様に存在する場合、それは、順に、次のより大きな比を含み得る。従って、組成物は、第1から第2及び、使用される場合、さらなる組成物へ増加する、質量分率に基づく、インスリン対GLP−1アゴニストの比を含み得る。
【0100】
第1の薬学的組成物、第2の薬学的組成物、及び、使用される場合、少なくとも1つのさらなる薬学的組成物中の、2つの有効成分のうちの一方の、即ち、少なくとも1つのインスリンの又は少なくとも1つのGLP−1アゴニストの質量分率は、第1、第2及び/又は少なくとも1つのさらなる組成物の規定の体積を投与することによってこの有効成分の所定の用量が投与され得るように、各場合において、好ましくは選択される。特に好ましくは、この有効成分は、少なくとも1つのインスリンである。
【0101】
第1の薬学的組成物、第2の薬学的組成物、及び、使用される場合、少なくとも1つのさらなる薬学的組成物中の、2つの有効成分のうちの他方の、即ち、少なくとも1つのインスリンの又は少なくとも1つのGLP−1アゴニストの質量分率は、質量分率に基づく、インスリン対GLP−1アゴニストの比が、第1から第2及び、使用される場合、さらなる組成物へ増加するように、好ましくは選択される。特に好ましくは、この有効成分は、少なくとも1つのGLP−1アゴニストである。
【0102】
さらに、薬学的組成物中の2つの有効成分のうちの他方の質量分率は、投与される2つの有効成分のうちの第1の用量及び投与される第2有効成分の用量が規定の体積で提供されるように薬学的組成物のうちの一方が選択され得るように、決定される。従って、所望の比を含む薬学的組成物が選択される。
【0103】
理論的には、各患者についての両方の有効成分についての、要求に適合された、最適な投薬量を得るために、少なくとも1つのインスリン対少なくとも1つのGLP−1アゴニストの質量分率の各個々の治療的に望ましい比についての薬学的組成物を提供することが可能である。
【0104】
本発明において、薬学的組成物の特定の数は、2つの有効成分について実際に必要とされる投薬量をカバーするために十分である。各患者について、定義される投薬量範囲は、2つの有効成分の各々についての治療的に合理的な間隔内に定義される。投与される用量は、これによって、過剰投与又は過少投与無しに、特定の患者について本質的にこの投薬量範囲内で変動すべきである。
【0105】
個々の患者に合わせられ正確に投薬されなければならないのは、主にインスリンの量であるので、GLP−1アゴニストの濃度範囲は、少なくとも1つのインスリン対少なくとも1つのGLP−1アゴニストの所望の比を含む本発明に従う薬学的組成物が、GLP−1アゴニストの関連の相乗的な量と同時にインスリン用量の治療域をカバーすることを可能にする。あらゆる所望のインスリン用量が、所望の範囲内、例えば相乗的な範囲内にある少なくとも1つのGLP−1アゴニストのその対応の用量を有するように、比は選択され得る。上記に記載したように、医薬品の第1、第2、及び、使用される場合、少なくとも1つのさらなる組成物の比はまた、比が第1から第2及び、使用される場合、少なくとも1つのさらなる組成物へ増加するように、選択され得る。組成物の(例えば、第1組成物の)所望のインスリン用量でのGLP−1アゴニストの用量がGLP−1アゴニストの所望の投薬量範囲外である(一般的に、超える)場合、少なくとも1つのインスリン対少なくとも1つのGLP−1アゴニストのより大きな比を有する次の組成物(例えば、第2組成物)又はさらなる組成物が、使用について選択され、ここで、所望のインスリン用量でのGLP−1アゴニストの量は、所望の範囲内にある。組み合わせの第1、第2、及び、使用される場合、少なくとも1つのさらなる組成物の比は、少なくとも1つのGLP−1アゴニストの所望の投薬量に対応するインスリン投薬量の範囲が、互いに接する及び/又は互いに重複するように、さらに選択され得る。好ましくは、範囲は重複する。重複は、特に、少なくとも1つのインスリンの所望の用量で、所望の投薬量範囲内にある量の少なくとも1つのGLP−1アゴニストを各々含有する、少なくとも2つの組成物を選択することが可能であることを意味する。
【0106】
例えば、3つの組成物は、個々の患者についての少なくとも1つのインスリンの用量をインスリンの15〜80単位の範囲より選択されるレベルへ調整し、同時に、10〜20μgの範囲内の量でGLP−1アゴニストを投薬するに十分である(
図4を参照のこと)。
【0107】
GLP−1アゴニストの各所望の投薬量について、所望の範囲内にある対応の投薬量の少なくとも1つのインスリンが存在するように、比が選択される、本発明に従う組み合わせを提供することも可能である。医薬品の第1、第2、及び、使用される場合、少なくとも1つのさらなる組成物の比はまた、少なくとも1つのインスリンの所望の投薬量に対応するGLP−1アゴニストの投薬量の範囲が、互いに接する及び/又は互いに重複するように、選択され得る。好ましくは、範囲は重複する。この文脈における重複は、特に、少なくとも1つのGLP−1アゴニストの所望の投薬量で、所望の投薬量範囲内にある量の少なくとも1つのインスリンを各々含有する、少なくとも2つの組成物を選択することが可能であることを意味する。
【0108】
好ましくは、本発明に従う組み合わせは、10以下の上記に定義される薬学的組成物、より好ましくは5以下の、4以下の、3又は2以下の薬学的組成物を含有する。
【0109】
本発明に従う組成物は、少なくとも1つのGLP−1アゴニストを、各場合において、同一又は異なる質量分率で含有し得る。例えば、少なくとも2つの本発明に従う組成物は、少なくとも1つのGLP−1アゴニストを実質的に同一の質量分率で含有し得る。
【0110】
第1、第2、及び、使用される場合、さらなる組成物が、少なくとも1つのGLP−1アゴニストを実質的に同一の質量分率で、及び少なくとも1つのインスリンを異なる質量分率で含有することが、好ましい。
【0111】
しかし、本発明に従う組成物はまた、各場合において、少なくとも1つのインスリンを同一又は異なる質量分率で含有し得る。例えば、少なくとも2つの本発明に従う組成物は、少なくとも1つのインスリンを実質的に同一の質量分率で含有し得る。
【0112】
第1、第2、及び、使用される場合、さらなる組成物が、少なくとも1つのインスリンを実質的に同一の質量分率で、及び少なくとも1つのGLP−1アゴニストを異なる質量分率で含有することが、特に好ましい。
【0113】
本発明に従う第1の好ましい組成物は、以下を含む:
(a) AVE0010 約0.025mg
(b) インスリングラルギン 約3.64mg
(c) 塩化亜鉛 約0.06mg
(d) 85%グリセリン 約20.0mg
(e) m−クレゾール 約2.7mg
(f) L−メチオニン 約3.0mg
(g) NaOH 適量 pH 4.5
(h) HCl, 36% 適量 pH 4.5
(i) 水 1mLまで(ad)。
【0114】
本発明に従う第2の好ましい組成物は、以下を含む:
(a) AVE0010 約0.04mg
(b) インスリングラルギン 約3.64mg
(c) 塩化亜鉛 約0.06mg
(d) 85%グリセリン 約20.0mg
(e) m−クレゾール 約2.7mg
(f) L−メチオニン 約3.0mg
(g) NaOH 適量 pH 4.5
(h) HCl, 36% 適量 pH 4.5
(i) 水 1mLまで。
【0115】
本発明に従う第3の好ましい組成物は、以下を含む:
(a) AVE0010 約0.066mg
(b) インスリングラルギン 約3.64mg
(c) 塩化亜鉛 約0.06mg
(d) 85%グリセリン 約20.0mg
(e) m−クレゾール 約2.7mg
(f) L−メチオニン 約3.0mg
(g) NaOH 適量 pH 4.5
(h) HCl, 36% 適量 pH 4.5
(i) 水 1mLまで。
【0116】
本発明に従う第4の好ましい組成物は、以下を含む:
(a) AVE0010 約0.1mg
(b) インスリングラルギン 約3.64mg
(c) 塩化亜鉛 約0.06mg
(d) 85%グリセリン 約20.0mg
(e) m−クレゾール 約2.7mg
(f) L−メチオニン 約3.0mg
(g) NaOH 適量 pH 4.5
(h) HCl, 36% 適量 pH 4.5
(i) 水 1mLまで。
【0117】
特に好ましいのは、記載される第1、第2、第3及び第4の好ましい組成物のうちの少なくとも2、3又は4つを含む組み合わせである。
【0118】
本出願において、「約」は、成分が、例えば、本発明に従う組成物又は/及び組み合わせにおいて指定された値の±10、±20、又は±30%の範囲内で存在し得ることを意味し;好ましいのは±10である。
【0119】
本発明に従う組成物又は組み合わせが1を超えるインスリンを含む場合、これらのインスリンは互いに独立して選択される。
【0120】
本発明に従う組成物又は組み合わせが1を超えるGLP−1アゴニストを含む場合、これらのGLP−1アゴニストは互いに独立して選択される。
【0121】
本発明に従う組み合わせは、特に医薬品として提供される。
【0122】
本発明は、さらに、少なくとも1つの、4以下の、本発明に従う組成物、及びまた、場合により、ランタス(登録商標)を含む本発明に従う組み合わせを含むキットを提供する。本発明に従うキットは、医療スタッフによる又は専門家医学訓練を受けていない人による、特に、患者自身又は親戚などの補助者による、使用に意図され得る。本発明に従うキットにおいて、本発明に従う組み合わせを構成する個々の薬学的組成物は、別個のパックで集められており、従って、患者は、現在の要求に適切な組成物を選択し、その要求と一致する量を投与することができる。本発明に従うキットは、例えば、場合によりランタス(登録商標)の組成物と組み合わせて、少なくとも1つの本発明に従う組成物を含有する、注射器、ガラスアンプル、及び/又はペンのセットの形態の本発明に従う組み合わせを含む。
【0123】
適切なパッケージングは、適切なクロージャーを有する注射器又はガラス容器であり、ここから、個々の治療有効量が必要に応じて取り出され得る。等しく適切であるのは、インスリンを投与するための注射ペンであり;このようなペンは、本発明に従う薬学的組成物を含有する容器(例えば、カートリッジ)を含む。
【0124】
特に、本発明に従うキットは、2つの別個の容器からなる注射ペンであり、ここから、各場合において、個々の治療用量が必要に応じて取り出され得る。同様に、キットは、2つの容器からなる注射器であり、ここで、第2の容器はリザーバー注射針として備えられている。
【0125】
本発明において、キットは、好ましくは、水中にpH 4.5でGLP−1アゴニスト、インスリン、グリセリン、塩化亜鉛、場合によりm−クレゾール、L−メチオニンを含む第1製剤と、水中にpH 4.5でインスリン、グリセリン、塩化亜鉛、及びm−クレゾールを好ましくは含む第2製剤との組み合わせからなる。
【0126】
第1製剤は、好ましくは下記の組成を有し得る:
(a) AVE0010 約0.4mg又は約0.8mg
(b) インスリングラルギン 約3.64mg
(c) 塩化亜鉛 約0.06mg
(d) 85%グリセリン 約20.0mg
(e) m−クレゾール 0.0mg又は約2.7mg
(f) L−メチオニン 約3.0mg
(g) NaOH 適量 pH 4.5
(h) HCl, 36% 適量 pH 4.5
(i) 水 1mlまで。
【0127】
第2製剤は、好ましくは下記の組成を有し得る:
(a) インスリングラルギン 約3.64mg
(b) 塩化亜鉛 約0.06mg
(c) 85%グリセリン 約20.0mg
(d) m−クレゾール 約2.7mg
(e) NaOH 適量 pH 4.5
(f) HCl, 36 % 適量 pH 4.5
(g) 水 1mlまで。
【0128】
本発明は、さらに、組成物を患者に投与する工程を含む、本発明に従う組成物で患者を治療するための方法を提供する。
【0129】
本発明は、さらにまた、本発明に従う組み合わせで又は本明細書に記載のキットで患者を治療するための方法を提供する。特に、この方法は、第1の薬学的組成物及び第2の薬学的組成物、及び場合により少なくとも1つのさらなる薬学的組成物を含む本発明に従う組み合わせの投与を含み、各々が、少なくとも1つのインスリン及び少なくとも1つのGLP−1アゴニストを含み、かつ、少なくとも1つのインスリン及び/又は少なくとも1つのGLP−1アゴニストを、組成物の総質量に対して異なる質量分率で含み、該方法は、以下を含む:
(a) 投与される少なくとも1つのインスリンの用量を選択する工程、
(b) 投与される少なくとも1つのGLP−1アゴニストの用量を選択する工程、
(c) (a)及び(b)からの用量が同一の体積で存在するような濃度で(a)及び(b)からの用量を含む医薬品の第1、第2、及び、使用される場合、少なくとも1つのさらなる組成物から組成物を選択する工程、並びに
(d) (a)及び(b)からの用量に対応する量を決定及び投与する工程。
【0130】
工程(a)及び/又は工程(b)に従う用量は、患者の個々の要求に従って決定される。
【0131】
本発明に従う治療法の工程(c)は、表を参照することによって行われ得る。この表は、本発明に従う組み合わせの、本発明に従う医薬品の、又は本発明に従うキットの、部分であり得る。実施例2は、本発明に従う表の例を含む。
【0132】
本発明に従う組成物、本発明に従う組み合わせ、本発明に従う医薬品、又は/及び本発明に従うキットは、特に、糖尿病の治療、特にI型又はII型糖尿病の治療に意図される。さらなる可能性のある適応症は、糖尿病に関連する症状である。好ましくは、本発明に従う組成物は、空腹時、食後又は/及び吸収後の血漿グルコース濃度をコントロールするために、耐糖能を改善するために、低血糖症を予防するために、膵臓のβ細胞の機能低下を予防するために、体重減少をもたらすために、又は/及び体重増加を予防するために使用される。
【0133】
本発明は、さらに、本明細書に記載されるような、糖尿病、特にI型又はII型、又は/及びそれに関連する症状を治療するための医薬品の製造における本発明に従う組成物、本発明に従う組み合わせ、又は本発明に従うキットの使用を提供する。
【0134】
本発明は、さらに、GLP−1アゴニスト又は/及びその薬理学的に許容される塩をインスリン又は/及びその薬学的に許容される塩、メチオニン、及び場合により少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤と共に製剤化する工程を含む、本発明に従う組成物、本発明に従う組み合わせ、又は/及び本発明に従うキットを製造するための方法を提供する。
【0135】
本発明は、さらに、GLP−1アゴニスト又は/及びその薬理学的に許容される塩をメチオニン、及び場合により少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤と共に製剤化する工程を含む、本発明に従う組成物を製造するため方法を提供する。
【0136】
本発明は、さらに、特にメトホルミン、インスリングラルギン、又はAVE0010を投与するためのアドオン療法における、メトホルミン、インスリングラルギン、又はAVE0010の投与と併用の本発明に従う組成物の使用を提供する。
【0137】
特に、組成物は、des Pro
36エキセンジン−4(1−39)−Lys
6−NH
2(AVE0010)及び/又はその薬理学的に許容される塩、インスリングラルギン及び/又はその薬理学的に許容される塩を含む。
【0138】
特に好ましいのは、インスリングラルギン及び/又はAVE0010で十分にコントロールされ得ないII型糖尿病患者における好ましい組成物のアドオン療法である。50歳より若い及び/又は少なくとも30の体格指数を有する患者も意図される。
【0139】
本発明において、アドオン療法は、特に、メトホルミン、AVE0010、及び/又はインスリングラルギンへのサプリメントとしての本発明に従う組成物でのII型糖尿病の治療を含む。本発明に従う組成物は、24時間の時間間隔(1日1回の投薬)で加えられ得る。メトホルミン、インスリングラルギン、及びAVE0010は、異なる投与経路によって投与され得る。メトホルミンは経口投与され得、AVE0010及びインスリングラルギンは、各場合において、皮下投与され得る。
【0140】
本発明に従うアドオン療法で治療患者は、7%〜10%の範囲内のHbA1c値を有し得る。それらは、好ましくは、18〜50歳の年齢範囲内にある。
【0141】
本発明に従うアドオン療法における使用は、特に、II型糖尿病がメトホルミン、AVE0010、又はインスリングラルギン単独では十分にコントロールされ得ない患者に適用可能である。療法は、インスリングラルギン又はAVE0010による不十分なコントロールの場合に好ましい。
【0142】
本発明は、さらに、インスリングラルギン及びAVE0010の適用が示される場合のII型糖尿病患者の血糖値をコントロールするための食事へのサプリメントとしての本発明に従う組成物の使用を提供する。
【0143】
特に、メトホルミンは以下のように投与される:3ヶ月間、少なくとも1.0g/日、好ましくは少なくとも1.5g/日。
【0144】
本発明を下記の図及び実施例によってさらに説明する。