特許第5832494号(P5832494)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5832494サーバ、端末、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5832494
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】サーバ、端末、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20151126BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20151126BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20151126BHJP
   G08B 25/08 20060101ALI20151126BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20151126BHJP
【FI】
   G08B25/04 E
   H04M11/04
   G08B21/02
   G08B25/08 A
   G08B25/10 D
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-192353(P2013-192353)
(22)【出願日】2013年9月17日
(65)【公開番号】特開2015-60311(P2015-60311A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2014年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】志村 俊輔
【審査官】 永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−196900(JP,A)
【文献】 特開2010−067169(JP,A)
【文献】 特開2007−193644(JP,A)
【文献】 特開2006−146654(JP,A)
【文献】 特開2012−230616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00−31/00
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末及び第1端末とは異なる第2端末と通信を行う通信部と、
第1端末に加わる加速度及び第1端末が受ける磁気の大きさに基づいて検知された、第1端末がユーザに携帯されていない状態、第1端末を携帯するユーザが停止している状態、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動している状態、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動している状態、及び、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している状態を識別する移動情報を前記通信部を介して取得するとともに、前記移動情報に対応する時間情報を取得する情報取得部と、
所定の時間において第1端末がユーザに携帯されていないか、第1端末を携帯するユーザが停止しているか、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動しているか、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動しているか、もしくは、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動しているかの予定、又は、第1端末がユーザに携帯されていない時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが停止している時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動している時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動している時間の長さ、もしくは、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している時間の長さの制限を含む第1端末の移動に関する条件情報を記憶する記憶部と、
前記移動情報及び前記時間情報と、前記条件情報とを比較することによって、第1端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、
前記異常判定部がユーザに異常が発生したと判定した場合に、前記通信部を介して第2端末に第1端末を携帯するユーザの異常を通知する異常通知部と、
を有することを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記条件情報は、第1端末が過去に移動していた時間を記録する履歴情報を含む、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記異常判定部は、前記履歴情報として記録された情報のうち、所定の割合以上で第1端末が移動していた時間を用いて、前記移動情報及び前記時間情報との比較を行う、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記移動情報及び前記時間情報を定期的に取得し、
前記異常判定部は、前記移動情報及び前記時間情報に基づいて、前記移動情報が移動していることを連続して示している時間の長さ又は移動していないことを連続して示している時間の長さを算出する、請求項1〜3の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記異常判定部は、前記通信部を介して、第1端末から第1端末の第1位置を取得するとともに、第2端末から第2端末の第2位置を取得し、前記第1位置が前記第2位置の近傍にある場合、異常判定を実施しない、請求項1〜の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
端末であって、
通信装置と通信を行う通信部と、
前記端末に加わる加速度を出力する第1センサと、
前記端末が受ける磁気の大きさを出力する第2センサと、
前記第1センサから出力された加速度及び前記第2センサから出力された磁気の大きさに基づいて前記端末がユーザに携帯されていない状態、前記端末を携帯するユーザが停止している状態、前記端末を携帯するユーザが歩行により移動している状態、前記端末を携帯するユーザが自転車により移動している状態、及び、前記端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している状態を識別する移動情報を生成するとともに、前記移動情報に対応する時間情報を取得する情報取得部と、
所定の時間において前記端末がユーザに携帯されていないか、前記端末を携帯するユーザが停止しているか、前記端末を携帯するユーザが歩行により移動しているか、前記端末を携帯するユーザが自転車により移動しているか、もしくは、前記端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動しているかの予定、又は、前記端末がユーザに携帯されていない時間の長さ、前記端末を携帯するユーザが停止している時間の長さ、前記端末を携帯するユーザが歩行により移動している時間の長さ、前記端末を携帯するユーザが自転車により移動している時間の長さ、もしくは、前記端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している時間の長さの制限を含む前記端末の移動に関する条件情報を記憶する記憶部と、
前記移動情報及び前記時間情報と、前記条件情報とを比較することによって、前記端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、
前記異常判定部がユーザに異常が発生したと判定した場合に、前記通信部を介して前記通信装置に前記端末を携帯するユーザの異常を通知する通知処理部と、
を有することを特徴とする端末。
【請求項7】
端末であって、
表示部と、
通信装置と通信を行う通信部と、
他の端末に加わる加速度及び他の端末が受ける磁気の大きさに基づいて検知された、他の端末がユーザに携帯されていない状態、他の端末を携帯するユーザが停止している状態、他の端末を携帯するユーザが歩行により移動している状態、他の端末を携帯するユーザが自転車により移動している状態、及び、他の端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している状態を識別する移動情報を前記通信部を介して通信装置から取得するとともに、前記移動情報に対応する時間情報を取得する情報取得部と、
所定の時間において他の端末がユーザに携帯されていないか、他の端末を携帯するユーザが停止しているか、他の端末を携帯するユーザが歩行により移動しているか、他の端末を携帯するユーザが自転車により移動しているか、もしくは、他の端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動しているかの予定、又は、他の端末がユーザに携帯されていない時間の長さ、他の端末を携帯するユーザが停止している時間の長さ、他の端末を携帯するユーザが歩行により移動している時間の長さ、他の端末を携帯するユーザが自転車により移動している時間の長さ、もしくは、他の端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している時間の長さの制限を含む他の端末の移動に関する条件情報を記憶する記憶部と、
前記移動情報及び前記時間情報と、前記条件情報とを比較することによって、他の端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、
前記異常判定部がユーザに異常が発生したと判定した場合に、他の端末を携帯するユーザの異常を前記表示部へ表示する表示制御部と、
を有することを特徴とする端末。
【請求項8】
記憶部を有し、第1端末及び第1端末と異なる第2端末と通信を行うサーバの制御方法であって、
所定の時間において第1端末がユーザに携帯されていないか、第1端末を携帯するユーザが停止しているか、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動しているか、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動しているか、もしくは、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動しているかの予定、又は、第1端末がユーザに携帯されていない時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが停止している時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動している時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動している時間の長さ、もしくは、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している時間の長さの制限を含む第1端末の移動に関する条件情報を前記記憶部に記憶し、
第1端末に加わる加速度及び第1端末が受ける磁気の大きさに基づいて検知された、第1端末がユーザに携帯されていない状態、第1端末を携帯するユーザが停止している状態、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動している状態、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動している状態、及び、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している状態を識別する移動情報を取得するとともに、前記移動情報に対応する時間情報を取得し、
前記移動情報及び前記時間情報と、前記条件情報とを比較することによって、第1端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定し、
ユーザに異常が発生したと判定した場合に、第2端末に第1端末を携帯するユーザの異常を通知する、
ことを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
記憶部を有し、第1端末及び第1端末とは異なる第2端末と通信を行うサーバの制御プログラムであって、
所定の時間において第1端末がユーザに携帯されていないか、第1端末を携帯するユーザが停止しているか、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動しているか、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動しているか、もしくは、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動しているかの予定、又は、第1端末がユーザに携帯されていない時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが停止している時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動している時間の長さ、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動している時間の長さ、もしくは、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している時間の長さの制限を含む第1端末の移動に関する条件情報を前記記憶部に記憶し、
第1端末に加わる加速度及び第1端末が受ける磁気の大きさに基づいて検知された、第1端末がユーザに携帯されていない状態、第1端末を携帯するユーザが停止している状態、第1端末を携帯するユーザが歩行により移動している状態、第1端末を携帯するユーザが自転車により移動している状態、及び、第1端末を携帯するユーザが自転車以外の乗り物により移動している状態を識別する移動情報を取得するとともに、前記移動情報に対応する時間情報を取得し、
前記移動情報及び前記時間情報と、前記条件情報とを比較することによって、第1端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定し、
ユーザに異常が発生したと判定した場合に、第2端末に第1端末を携帯するユーザの異常を通知する、
ことを前記サーバに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末を携帯するユーザの状態を監視するサーバ、端末、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、子供に携帯させた携帯端末の位置情報を親の携帯端末に表示することにより、親が子供の現在位置を確認できるサービスが利用されている。しかしながら、位置情報だけでは、子供が現在どのような状態であるかを親が十分に把握することができないという問題があった。
【0003】
特許文献1には、事故発生を外部へ通知する携帯端末が開示されている。この携帯端末は、GPS(Global Positioning System)を用いて自端末の特定エリアへの入場を検出し、加速度センサを用いて自端末の移動状態を検出する。そして、携帯端末は、特定エリアへの入場を検出し、かつ、検出した移動状態が転落事故、衝突事故などに遭遇した際の所定の移動状態と一致した場合に所定の移動状態の発生(事故発生)を外部へ通知する。
【0004】
このような機能により、携帯端末は、プラットホーム下への転落事故等、特定の場所における事故を検出して通報することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−006474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の携帯端末は、転落事故、衝突事故などの特殊な状態が発生したことを検出して外部に通知することができるが、外部に通知すべき移動状態は予め設定されている必要がある。特許文献1の携帯端末を用いて、子供の携帯端末の移動状態を親の携帯端末に通知する場合、携帯端末の移動状態の変化のパターンは様々であり、通知すべき移動状態を全て抽出して設定することは困難である。一方、通知すべき移動状態として、静止中、移動中等の単純な状態が設定されると、その状態になったことが親の携帯端末に頻繁に通知され、親は煩わしさを感じることになる。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、端末の移動情報に基づいて、その端末を携帯するユーザに異常が発生したことを適切に検出して通知することを可能とするサーバ、端末、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るサーバは、第1端末及び第1端末とは異なる第2端末と通信を行う通信部と、第1端末が移動しているか否かを示す移動情報を通信部を介して取得するとともに、移動情報に対応する時間情報を取得する情報取得部と、所定の時間において第1端末が移動しているか否かの予定、又は、第1端末が移動している時間の長さもしくは移動していない時間の長さの制限を含む第1端末の移動に関する条件情報を記憶する記憶部と、移動情報及び時間情報と、条件情報とを比較することによって、第1端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、異常判定部がユーザに異常が発生したと判定した場合に、通信部を介して第2端末に第1端末を携帯するユーザの異常を通知する異常通知部と、を有する。
【0009】
また、本発明に係るサーバにおいて、条件情報は、第1端末が過去に移動していた時間を記録する履歴情報ことが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係るサーバにおいて、異常判定部は、履歴情報として記録された情報のうち、所定の割合以上で第1端末が移動していた時間を用いて、前記移動情報及び前記時間情報との比較を行うことが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係るサーバにおいて、情報取得部は、移動情報及び時間情報を定期的に取得し、異常判定部は、移動情報及び時間情報に基づいて、移動情報が移動していることを連続して示している時間の長さ又は移動していないことを連続して示している時間の長さを算出することが好ましい。
【0012】
または、本発明に係るサーバにおいて、移動情報が移動していることを示す場合は、第1端末を携帯するユーザが、自転車以外の乗り物により移動していること、自転車により移動していること、及び歩行により移動していることを含み、移動情報が移動していないことを示す場合は、第1端末を携帯するユーザが停止していること、及び第1端末がユーザに携帯されていないことを含むことが好ましい。
【0013】
また、本発明に係るサーバにおいて、異常判定部は、通信部を介して、第1端末から第1端末の第1位置を取得するとともに、第2端末から第2端末の第2位置を取得し、第1位置が第2位置の近傍にある場合、異常判定を実施しないことが好ましい。
【0014】
本発明に係る端末は、端末であって、通信装置と通信を行う通信部と、端末の移動に係るデータを出力するセンサと、センサから出力されたデータに基づいて端末が移動しているか否かを示す移動情報を生成するとともに、移動情報に対応する時間情報を取得する情報取得部と、所定の時間において端末が移動しているか否かの予定、又は、端末が移動している時間の長さもしくは移動していない時間の長さの制限を含む端末の移動に関する条件情報を記憶する記憶部と、移動情報及び時間情報と、条件情報とを比較することによって、端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、異常判定部がユーザに異常が発生したと判定した場合に、通信部を介して通信装置に端末を携帯するユーザの異常を通知する通知処理部と、を有する。
【0015】
本発明に係る他の端末は、端末であって、表示部と、通信装置と通信を行う通信部と、他の端末が移動しているか否かを示す移動情報を通信部を介して通信装置から取得するとともに、移動情報に対応する時間情報を取得する情報取得部と、所定の時間において他の端末が移動しているか否かの予定、又は、他の端末が移動している時間の長さもしくは移動していない時間の長さの制限を含む他の端末の移動に関する条件情報を記憶する記憶部と、移動情報及び時間情報と、条件情報とを比較することによって、他の端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、異常判定部がユーザに異常が発生したと判定した場合に、他の端末を携帯するユーザの異常を表示部へ表示する表示制御部と、を有する。
【0016】
本発明に係るサーバの制御方法は、記憶部を有し、第1端末及び第1端末と異なる第2端末と通信を行うサーバの制御方法であって、所定の時間において第1端末が移動しているか否かの予定、又は、第1端末が移動している時間の長さもしくは移動していない時間の長さの制限を含む第1端末の移動に関する条件情報を記憶部に記憶し、第1端末が移動しているか否かを示す移動情報を取得するとともに、移動情報に対応する時間情報を取得し、移動情報及び時間情報と、条件情報とを比較することによって、第1端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定し、ユーザに異常が発生したと判定した場合に、第2端末に第1端末を携帯するユーザの異常を通知する、ことを含む。
【0017】
本発明に係るサーバの制御プログラムは、記憶部を有し、第1端末及び第1端末と異なる第2端末と通信を行うサーバの制御プログラムであって、所定の時間において第1端末が移動しているか否かの予定、又は、第1端末が移動している時間の長さもしくは移動していない時間の長さの制限を含む第1端末の移動に関する条件情報を記憶部に記憶し、第1端末が移動しているか否かを示す移動情報を取得するとともに、移動情報に対応する時間情報を取得し、移動情報及び時間情報と、条件情報とを比較することによって、第1端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定し、ユーザに異常が発生したと判定した場合に、第2端末に第1端末を携帯するユーザの異常を通知する、ことをサーバに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るサーバ、端末、制御方法及び制御プログラムは、端末が移動しているか否かを示す移動情報及びその移動情報に対応する時間情報を、予め記憶しておいたその端末の移動に関する条件情報と比較することにより、その端末を携帯するユーザに異常が発生したことを適切に検出して通知することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】通信システム100の概略構成の一例を示す図である。
図2】携帯端末1aの概略構成の一例を示す図である。
図3】端末処理部18の移動情報送信処理の動作フローの一例を示す図である。
図4】端末処理部18の異常情報受信処理の動作フローの一例を示す図である。
図5】サーバ2の概略構成の一例を示す図である。
図6】サーバ処理部25の異常判定処理の動作フローの一例を示す図である。
図7】スケジュール設定画面の一例を示す図である。
図8】制限設定画面の一例を示す図である。
図9】携帯端末1aのユーザの移動状態を表示する画面の一例を示す図である。
図10】携帯端末3aの概略構成の一例を示す図である。
図11】携帯端末4aの概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0021】
(第1の実施形態)
本実施形態では、子供が携帯する携帯端末の移動に係る予定、制限又は履歴情報を含む携帯端末の移動に関する条件情報が予めサーバに設定される。サーバは、携帯端末からその携帯端末が移動しているか否かを示す移動情報及びその移動情報に対応する時間情報を取得し、取得した移動情報及び時間情報を条件情報と比較することによって子供に異常が発生したか否かを判定する。そして、サーバは、子供に異常が発生したと判定した場合、親が携帯する携帯端末に通知する。
【0022】
図1は、本実施形態に従った通信システム100の概略構成の一例を示す図である。
【0023】
通信システム100は、複数の携帯端末1a、1bと、サーバ2とを有する。
【0024】
通信システム100では、不図示の交換機が、広域通信回線網である通信ネットワーク101を介して相互に接続される。交換機は、ある地域をカバーする無線通信ネットワークを通信ネットワーク101に接続する。無線通信ネットワークには、それぞれ地域内をカバーする無線ゾーン102a、102bを管理するように複数の基地局103a、103bが配置される。各基地局103a、103bは、それぞれが属する不図示の無線ネットワーク制御装置を介して交換機に接続される。そして、ある地域内の携帯端末1aが、その地域内外の他の携帯端末1b、サーバ2等と通信を行う際に、携帯端末1aは、基地局103aを介して交換機に接続され、さらに通信ネットワーク101に接続される。サーバ2は、通信ネットワーク101に接続される。
【0025】
なお、本実施形態では、携帯端末のユーザとして親と子供を想定し、子供が携帯する携帯端末を携帯端末1aとし、親が携帯する携帯端末を携帯端末1bとする。
【0026】
図2は、携帯端末1aの概略構成の一例を示す図である。
【0027】
携帯端末1aと携帯端末1bの構成は同じであるため、以下では代表して携帯端末1aについて説明する。
【0028】
携帯端末1aは、通信装置の一例であり、例えば多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)であり、無線通信ネットワークへの接続、携帯端末1aが移動しているか否かを検知し、携帯端末1aが移動しているか否かを示す移動情報の通知等を可能とする。そのために、携帯端末1aは、端末通信部11と、端末操作部12と、端末表示部13と、加速度センサ14と、地磁気センサ15と、GPS部16と、端末記憶部17と、端末処理部18とを備える。なお、携帯端末1aは、通信機能を有する通信装置であればよく、例えば携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、タブレットPC等でもよい。
【0029】
端末通信部11は、主に2.1GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有し、携帯端末1aを無線通信ネットワークに接続する。端末通信部11は、基地局103aにより割り当てられるチャネルを介して、基地局103aとの間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局103aとの間で通信を行う。そして、端末通信部11は、サーバ2、携帯端末1b等から受信したデータを端末処理部18に供給する。また、端末通信部11は、端末処理部18から供給されたデータを、サーバ2、携帯端末1b等に送信する。
【0030】
端末操作部12は、携帯端末1aの操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の入力装置、キーパッド等である。ユーザは、このデバイスを用いて、文字、数字等を入力することができる。端末操作部12は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。発生した信号は、ユーザの指示として端末処理部18に入力される。
【0031】
端末表示部13は、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。端末表示部13は、端末処理部18から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示する。
【0032】
加速度センサ14は、端末処理部18からの要求に応じて、携帯端末1aに加わる加速度を3軸方向毎に検出し、検出した加速度を携帯端末1aの移動に係るデータとして出力する。加速度センサ14は、例えば、ピエゾ抵抗効果を利用したピエゾ抵抗型の3軸加速度センサ、又は静電容量の変化を利用した静電容量型の3軸加速度センサとすることができる。なお、加速度センサの代わりに、携帯端末1aの回転角速度を検出するジャイロセンサを利用し、加速度の代わりに回転角速度を携帯端末1aの移動に係るデータとして出力してもよい。
【0033】
地磁気センサ15は、端末処理部18からの要求に応じて、携帯端末1aの向きの方位及び磁気の大きさを検出し、検出した方位及び磁気の大きさを携帯端末1aの移動に係るデータとして出力する。
【0034】
GPS部16は、主に1.5GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、GPS回路を有し、不図示のGPS衛星からGPS信号を受信する。GPS部16は、そのGPS信号をデコードし、時刻情報等を取得する。そして、GPS部16は、その時刻情報等に基づいてGPS衛星から携帯端末1aまでの擬似距離を計算し、その擬似距離を代入して得られる連立方程式を解くことにより、携帯端末1aの位置(緯度、経度、高度等)を算出し、位置情報として出力する。
【0035】
端末記憶部17は、例えば、半導体メモリを有する。端末記憶部17は、端末処理部18での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部17は、ドライバプログラムとして、端末通信部11を制御する通信デバイスドライバプログラム、端末操作部12を制御する入力デバイスドライバプログラム、端末表示部13を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部17は、オペレーティングシステムプログラムとして、携帯電話の接続制御プログラム等を記憶する。また、端末記憶部17は、アプリケーションプログラムとして、電話の発信、着信及び通話を行うプログラム、ウェブページの取得及び表示を行うウェブブラウザプログラム、電子メールの送信及び受信を行う電子メールプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部17にインストールされてもよい。また、端末記憶部17は、データとして、サーバ2のアドレス(例えばIPアドレス)、加速度センサ14及び地磁気センサ15の出力データ等を記憶する。さらに、端末記憶部17は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0036】
端末処理部18は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。端末処理部18は、携帯端末1aの全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部18は、携帯端末1aの各種処理が端末記憶部17に記憶されているプログラム、端末操作部12の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部11、端末表示部13等の動作を制御する。端末処理部18は、端末記憶部17に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部18は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0037】
端末処理部18は、携帯端末1aの各情報をサーバ2に送信するための送信制御部181と、サーバ2から通知された、他の携帯端末を携帯するユーザの異常を携帯端末1aのユーザに通知するための受信制御部182とを有する。送信制御部181は、状態検知部183と、情報通知部184とを有し、受信制御部182は、異常情報取得部185と、表示制御部186とを有する。これらの各部は、端末処理部18が備えるプロセッサ上で実行されるプログラムによって実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして携帯端末1aに実装されてもよい。
【0038】
図3は、端末処理部18の情報送信処理の動作フローの一例を示す図である。なお、以下に説明する動作フローは、予め端末記憶部17に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部18により、携帯端末1aの各要素と協働して実行される。
【0039】
最初に、状態検知部183は、端末通信部11を介してサーバ2から、携帯端末1aの各情報の取得を要求する情報取得要求を受信するまで待機する(ステップS101−No)。
【0040】
状態検知部183は、サーバ2から情報取得要求を受信すると(ステップS101−Yes)、加速度センサ14及び地磁気センサ15から出力された、携帯端末1aの移動に係るデータを取得し、端末記憶部17に記憶する(ステップS102)。
【0041】
なお、状態検知部183は、サーバ2から情報取得要求を受信したタイミングで加速度センサ14及び地磁気センサ15からデータを取得するのではなく、任意のタイミングで加速度センサ14及び地磁気センサ15からデータを取得して端末記憶部17に記憶してもよい。その場合、状態検知部183は、サーバ2から情報取得要求を受信したときに、端末記憶部17から最新のデータを読み出すことにより、ユーザの移動に係るデータを取得する。
【0042】
次に、状態検知部183は、加速度センサ14及び地磁気センサ15から出力されたデータに基づいて、携帯端末1aの移動状態を検知し(ステップS103)、第1端末が移動しているか否かを示す移動情報を生成する。
【0043】
状態検知部183は、所定時間(例えば1秒)内に加速度センサ14が出力した加速度の平均値が第1閾値未満である場合、携帯端末1aがユーザに携帯されていず、全く移動していない状態(以下、静止状態と称する)であると判定する。一方、状態検知部183は、加速度の平均値が第1閾値以上であり、且つ第1閾値より大きい第2閾値未満である場合、携帯端末1aはユーザに携帯されているが、そのユーザが停止している状態(以下、停止状態と称する)であると判定する。一方、状態検知部183は、加速度の平均値が第2閾値以上であり、且つ第2閾値より大きい第3閾値未満である場合、携帯端末1aを携帯するユーザが歩行により移動している状態(以下、歩行状態と称する)であると判定する。一方、状態検知部183は、加速度の平均値が第3閾値以上であり、且つ地磁気センサ15が出力した磁気の大きさが第4閾値未満である場合、携帯端末1aを携帯するユーザが、高速に移動しているが、磁気を発さない自転車により移動している状態(以下、自転車移動状態と称する)であると判定する。一方、状態検知部183は、加速度の平均値が第3閾値以上であり、且つ地磁気センサ15が出力した磁気の大きさが第4閾値以上である場合、携帯端末1aを携帯するユーザが高速に移動しており、自転車以外の磁気を発する電車、自動車等の乗り物により移動している状態(以下、電車移動状態と称する)であると判定する。
【0044】
第1閾値〜第4閾値は、事前の実験により定められる。第1閾値は、ユーザに携帯端末が携帯されていない状態で得られる加速度の平均値と、停止しているユーザに携帯端末が携帯されている状態で得られる加速度の平均値との中間値に定められる。第2閾値は、停止しているユーザに携帯端末が携帯されている状態で得られる加速度の平均値と、歩行しているユーザに携帯端末が携帯されている状態で得られる加速度の平均値との中間値に定められる。第3閾値は、歩行しているユーザに携帯端末が携帯されている状態で得られる加速度の平均値と、自転車で移動しているユーザに携帯端末が携帯されている状態で得られる加速度の平均値との中間値に定められる。第4閾値は、自転車で移動しているユーザに携帯端末が携帯されている状態で得られる磁気の大きさの平均値と、電車又は自動車で移動しているユーザに携帯端末が携帯されている状態で得られる磁気の大きさの平均値との中間値に定められる。
【0045】
状態検知部183は、移動情報が、第1端末が移動していることを示す場合は、電車移動状態であるか、自転車移動状態であるか、歩行状態であるかをさらに示し、第1端末が移動していないことを示す場合は、停止状態であるか、静止状態であるかをさらに示すように、移動情報を生成する。
【0046】
次に、状態検知部183は、移動情報に対応する時間情報を取得する(ステップS104)。状態検知部183は、移動情報を生成した時間を時間情報として取得する。なお、状態検知部183は、加速度センサ14及び地磁気センサ15から、携帯端末1aの移動に係るデータを取得した時間を時間情報として取得してもよい。
【0047】
次に、状態検知部183は、GPS部16から出力された位置情報を取得し、端末記憶部17に記憶する(ステップS105)。
【0048】
次に、情報通知部184は、状態検知部183が生成した移動情報と、状態検知部183が取得した時間情報及び位置情報とを端末通信部11を介してサーバ2に送信し(ステップS106)、処理をステップS101に戻す。
【0049】
図4は、端末処理部18の異常情報受信処理の動作フローの一例を示す図である。なお、以下に説明する動作フローは、親が携帯する携帯端末1bにより実行されるものとする。以下に説明する動作フローは、予め端末記憶部17に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部18により、携帯端末1bの各要素と協働して実行される。
【0050】
最初に、異常情報取得部185は、端末通信部11を介してサーバ2から、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したことを示す異常情報を受信するまで待機する(ステップS201−No)。
【0051】
異常情報取得部185がサーバ2から異常情報を受信すると(ステップS201−Yes)、表示制御部186は、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したことを端末表示部13に表示し(ステップS202)、処理をステップS201へ戻す。
【0052】
図5は、サーバ2の概略構成の一例を示す図である。
【0053】
サーバ2は、通信装置の一例である。サーバ2は、携帯端末1aの移動に関する条件情報を予め記憶し、携帯端末1aから取得した移動情報及び時間情報を条件情報と比較することによって、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する。そして、サーバ2は、異常が発生したと判定すると、携帯端末1bへ通知する。そのために、サーバ2は、サーバ通信部21と、サーバ操作部22と、サーバ表示部23と、サーバ記憶部24と、サーバ処理部25とを備える。
【0054】
サーバ通信部21は、イーサネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。サーバ通信部21は、通信ネットワーク101を介して携帯端末1a、1b等と通信を行う。そして、サーバ通信部21は、携帯端末1a、1b等から受信したデータをサーバ処理部25に供給する。また、サーバ通信部21は、サーバ処理部25から供給されたデータを携帯端末1a、1b等に送信する。
【0055】
サーバ操作部22は、サーバ2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の入力装置、マウス、キーボード等である。管理者は、このデバイスを用いて、文字、数字等を入力することができる。サーバ操作部22は、管理者により操作されると、その操作に対応する信号を発生する。発生した信号は、管理者の指示としてサーバ処理部25に入力される。
【0056】
サーバ表示部23は、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。サーバ表示部23は、サーバ処理部25から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示する。
【0057】
サーバ記憶部24は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを有する。サーバ記憶部24は、サーバ処理部25による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部24は、ドライバプログラムとして、サーバ通信部21を制御する通信デバイスドライバプログラム、サーバ操作部22を制御する入力デバイスドライバプログラム、サーバ表示部23を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部24は、オペレーティングシステムプログラムとして、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の通信方式による接続制御プログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部24は、アプリケーションプログラムとして、各種データの送受信を行うととともに、携帯端末から取得した移動情報及び時間情報に基づいてユーザに異常が発生したか否かを判定するデータ処理プログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いてサーバ記憶部24にインストールされてもよい。
【0058】
また、サーバ記憶部24は、データとして、異常の有無を監視すべき携帯端末1a、及び携帯端末1aの状態を通知すべき携帯端末1bの識別番号及びアドレス(例えば電話番号)と、携帯端末1aの移動に関する条件情報241とを関連付けて記憶する。条件情報241には、各時間における携帯端末1aの移動に係る状態の予定242、携帯端末1aの移動に係る各状態の連続する時間の長さの制限243、又は、携帯端末1aの過去の移動に係る各状態の時間を記録する履歴情報244が含まれる。本実施形態では、条件情報241に、予定242、制限243及び履歴情報244の全てが含まれるものとして説明するが、条件情報241には、予定242、制限243及び履歴情報244のうちの少なくとも一つが含まれていればよい。さらに、サーバ記憶部24は、携帯端末1a及び携帯端末1bの識別番号及びアドレスと関連付けて、携帯端末1aから取得した移動情報、時間情報及び位置情報を記憶する。また、サーバ記憶部24は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶する。
【0059】
サーバ処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。サーバ処理部25は、サーバ2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。サーバ処理部25は、サーバ2の各種処理がサーバ記憶部24に記憶されているプログラム、サーバ操作部22の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、サーバ通信部21、サーバ表示部23等の動作を制御する。サーバ処理部25は、サーバ記憶部24に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0060】
サーバ処理部25は、情報取得部251と、履歴記録部252と、異常判定部253と、異常通知部254と、Web制御部255とを有する。これらの各部は、サーバ処理部25が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてサーバ2に実装されてもよい。
【0061】
図6は、サーバ処理部25の異常判定処理の動作フローの一例を示す図である。なお、以下に説明する動作フローは、予めサーバ記憶部24に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部25により、サーバ2の各要素と協働して実行される。
【0062】
最初に、サーバ処理部25は、移動情報取得要求をサーバ通信部21を介して携帯端末1aに送信する(ステップS301)。
【0063】
次に、情報取得部251は、サーバ通信部21を介して携帯端末1aから、移動情報、時間情報及び位置情報を受信するまで待機する(ステップS302−No)。
【0064】
次に、情報取得部251は、携帯端末1aから移動情報、時間情報及び位置情報を受信すると(ステップS302−Yes)、受信した移動情報、時間情報及び位置情報をサーバ記憶部24に記憶する(ステップS303)。なお、情報取得部251は、時間情報を携帯端末1aから受信するのではなく、携帯端末1aから移動情報を受信した時間を時間情報として取得してもよい。
【0065】
次に、履歴記録部252は、受信した移動情報、時間情報及び位置情報をサーバ記憶部24の履歴情報244に記録する(ステップS304)。つまり、履歴情報244には、第1端末が移動していたか否かと、移動に係る状態(電車移動状態、自転車移動状態、歩行状態、停止状態、又は静止状態)とが時間情報及び位置情報と関連付けられて記録される。すなわち、履歴情報244には、第1端末が過去に移動していた時間と、移動していなかった時間と、移動に係る各状態であった時間とが記録される。
【0066】
次に、異常判定部253は、受信した移動情報及び時間情報と、サーバ記憶部24において携帯端末1a及び携帯端末1bの識別番号及びアドレスと関連付けて記憶された条件情報241とを比較する。異常判定部253は、時間情報が予定242において設定されている時間を示し且つ移動情報が予定242においてその時間について設定されている状態以外の状態を示すか否かを判定することにより、移動情報及び時間情報と、条件情報241に含まれる予定242とを比較する(ステップS305)。なお、サーバ記憶部24に記憶された予定242は、携帯端末1bにより予め設定される。
【0067】
図7は、携帯端末1bに表示される、携帯端末1aに係る予定242を設定するためのスケジュール設定画面の一例を示す。
【0068】
図7に示すスケジュール設定画面700は、携帯端末1aのユーザ(携帯端末1bのユーザの子供)のスケジュールを設定するための画面である。図7に示す例では、10分間隔で、曜日及び時刻ごとのスケジュールを設定することができる。なお、スケジュールを設定する間隔は10分に限定されず、30分、60分等の他の間隔としてもよく、ユーザにより任意の間隔に設定できるようにしてもよい。スケジュールとして、移動に係る状態(電車移動状態、自転車移動状態、歩行状態、停止状態、又は静止状態)のうちの何れかが設定される。なお、スケジュールとして、各時間において携帯端末1aが移動しているか否かが設定されてもよい。
【0069】
図7に示す例では、月曜日〜金曜日は、子供は学校で授業を受けているため、14時50分までの予定は静止状態に設定される。月曜日、水曜日及び金曜日は、子供は授業が終わった後、歩いて家に帰るため、15時から15時20分までの予定は歩行状態に、15時30分以降の予定は静止状態に設定される。一方、火曜日及び木曜日は、子供は授業が終わった後、電車に乗って塾へ行くため、15時から15時20分までの予定は電車移動状態に、15時30分から16時30分までの予定は静止状態に、16時40分から17時までの予定は電車移動状態に設定される。また、土曜日も、子供は電車に乗って塾へ行くため、14時から14時20分までの予定は電車移動状態に、14時30分から16時30分までの予定は静止状態に、16時40分から17時までの予定は電車移動状態に設定される。また、日曜日は、子供は家にいるため、14時から17時までの予定は静止状態に設定される。
【0070】
なお、各予定が切り替わるタイミングは、日によって誤差が発生するため、月曜日から金曜日の14時50分から15時までのように予定が切り替わるタイミングでは、スケジュールが設定されていない。
【0071】
なお、図7に示す例では、各時間におけるスケジュールとして、状態が一つだけ設定されているが、複数の状態(例えば、静止状態及び停止状態、又は、歩行状態、自転車移動状態及び電車移動状態等)が同時に設定されてもよい。
【0072】
携帯端末1bの表示制御部186は、スケジュール設定画面の設定ボタンが押下されると、スケジュールが設定された時間とその時間において設定された状態との全ての組合せを端末通信部11を介してサーバ2に送信する。一方、サーバ2の端末処理部18は、サーバ通信部21を介して携帯端末1bから時間及び状態の組合せを受信すると、受信した時間及び状態の組合せを、携帯端末1a及び携帯端末1bの識別番号及びアドレスと関連付けてサーバ記憶部24の予定242に記憶する。
【0073】
次に、異常判定部253は、時間情報が予定242において設定されている時間を示さない場合、又は移動情報が予定242においてその時間について設定されている状態を示す場合(ステップS305−No)、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生していないと判定する(ステップS306)。この場合、異常判定部253は、特に処理を行わず、処理をステップS309へ移行する。
【0074】
一方、異常判定部253は、時間情報が予定242において設定されている時間を示し且つ移動情報が予定242においてその時間について設定されている状態以外の状態を示す場合(ステップS305−Yes)、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したと判定する(ステップS307)。この場合、異常通知部254は、携帯端末1aを携帯するユーザの異常を示す異常情報をサーバ通信部21を介して携帯端末1bへ通知し(ステップS308)、処理をステップS309へ移行する。
【0075】
なお、本実施形態では、予定242に設定される時間は所定の時間幅を有する時間帯であり、異常判定部253は、時間情報に示される時間が予定242において設定されている時間帯に含まれる場合、時間情報が予定242において設定されている時間を示すと判定する。また、異常判定部253は、移動情報が予定242においてその時間帯に設定された状態のうちの何れとも一致しない場合に、移動情報が予定242においてその時間について設定されている状態以外の状態を示すと判定する。
【0076】
次に、サーバ処理部25は、所定時間(例えば10秒)経過するまで待機し(ステップS309−No)、所定時間が経過すると(ステップS309−Yes)、処理をステップS301へ移行し、再度ステップS301〜S309の処理を繰り返す。これにより、情報取得部251は、移動情報、時間情報及び位置情報を定期的に取得し、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する。
【0077】
なお、ステップS305において、異常判定部253は、受信した移動情報及び時間情報と、サーバ記憶部24に記憶された条件情報241に含まれる制限243とを比較してもよい。この制限243は、携帯端末1bにより予め設定される。
【0078】
図8は、携帯端末1bに表示される、携帯端末1aに係る制限243を設定するための制限設定画面の一例を示す。
【0079】
図8に示す制限設定画面800は、携帯端末1aのユーザ(携帯端末1bのユーザの子供)の移動に係る各状態が連続してもよい時間の長さの上限を設定するための画面である。図8に示す例では、状態ごとに時間の長さを設定することができる。なお、複数の状態を一つの状態としてまとめて設定してもよい。例えば、携帯端末1aが移動している時間の長さ(電車移動状態、自転車移動状態及び歩行状態)、又は移動していない時間の長さ(停止状態及び静止状態)をまとめて設定することができる。
【0080】
図8に示すように、例えば、携帯端末1bが紛失されたことを親が把握したい場合、静止状態の時間の上限を180分に設定することにより、子供が携帯端末1bを紛失して携帯端末1bが180分以上連続して静止していると、親の携帯端末1aへ通知がなされる。また、例えば、子供が携帯端末1bを使用する時間を制限したい場合、停止状態の時間の上限を10分に設定することにより、子供が携帯端末1bを10分以上連続して使用していると、親の携帯端末1aへ通知がなされる。また、例えば、子供が30分以上連続して電車に乗る予定がない場合、電車移動状態の時間の上限を30分に設定することにより、子供が携帯端末1bを30分以上連続して電車に乗っていると、親の携帯端末1aへ通知がなされる。
【0081】
なお、図8に示す例では、歩行状態、自転車移動状態については、連続する時間の長さの上限が想定できないため、設定されていない。
【0082】
携帯端末1bの表示制御部186は、制限設定画面800の設定ボタンが押下されると、時間の長さが設定された状態ごとに、状態及び時間の長さの組合せを端末通信部11を介してサーバ2に送信する。一方、サーバ2の端末処理部18は、サーバ通信部21を介して携帯端末1bから状態及び時間の長さの組合せを受信すると、受信した状態及び時間の長さの組合せを、携帯端末1a及び携帯端末1bの識別番号及びアドレスと関連付けてサーバ記憶部24の制限243に記憶する。
【0083】
ステップS305において、異常判定部253は、受信した移動情報及び時間情報と、ステップS303でサーバ記憶部24に記憶しておいた移動情報及び時間情報とに基づいて、受信した移動情報に示される状態が連続している時間の長さを算出する。異常判定部253は、算出した時間の長さが、制限243に記憶されているその状態が連続する時間の長さ以上であるか否かを判定することにより、移動情報及び時間情報と、制限243とを比較する。異常判定部253は、算出した時間の長さが、制限243に記憶されている時間の長さ未満である場合、ユーザに異常が発生していないと判定し、制限243に記憶されている時間の長さ以上である場合、ユーザに異常が発生したと判定する。
【0084】
なお、異常判定部253は、上記したように、携帯端末1aが移動している状態、又は移動していない状態がそれぞれ一つの状態としてまとめて設定されている場合、そのまとめた状態ごとに判定を行う。この場合、異常判定部253は、移動情報が移動していることを示している場合、移動情報が移動していることを連続して示している時間の長さを算出する。一方、異常判定部253は、移動情報が移動していないことを示している場合、移動情報が移動していないことを連続して示している時間の長さを算出する。異常判定部253は、算出した時間の長さが、制限243に記憶されているそれぞれの状態が連続する時間の長さ以上であるか否かにより、ユーザに異常が発生したか否かを判定する。
【0085】
これにより、親は子供のスケジュールを詳細に設定することなく、通知を受けるための条件を簡易に設定することが可能となる。
【0086】
また、各状態が連続する時間の長さの上限は各ユーザにより設定されるのではなく、全てのユーザに共通に予め設定されてもよい。これにより、ユーザは通知を受けるための条件を全く設定する必要がなくなり、利便性が向上する。
【0087】
また、ステップS305において、異常判定部253は、受信した移動情報及び時間情報と、サーバ記憶部24に記憶された条件情報241に含まれる履歴情報244とを比較してもよい。例えば、異常判定部253は、履歴情報244として記録された情報のうち、所定の割合(例えば、80%)以上で携帯端末1aが移動していた時間を用いて、移動情報及び時間情報との比較を行う。異常判定部253は、履歴情報244において、所定の時間幅を有する時間帯ごとに、携帯端末1aが移動していた割合を算出し、算出した割合が所定の割合以上となる時間帯を抽出する。異常判定部253は、時間情報が抽出した何れかの時間帯内の時間を示し且つ移動情報が移動していないことを示すか否かを判定する。異常判定部253は、時間情報が抽出した何れの時間帯内の時間も示さない場合、又は移動情報が移動していることを示す場合、ユーザに異常が発生していないと判定する。一方、異常判定部253は、時間情報が何れかの時間帯内の時間を示し且つ移動情報が移動していないことを示す場合、ユーザに異常が発生したと判定する。
【0088】
なお、異常判定部253は、所定の割合以上で携帯端末1aが移動していた時間ではなく、所定の割合以上で特定の状態であった時間を用いて、移動情報及び時間情報との比較を行ってもよい。その場合、異常判定部253は、履歴情報244において、時間帯ごとに、記録された各状態(電車移動状態、自転車移動状態、歩行状態、停止状態、又は静止状態)の割合を算出し、算出した割合が所定の割合以上となる時間帯及び状態の組合せを抽出する。異常判定部253は、時間情報が何れかの組合せに係る時間帯内の時間を示し且つ移動情報がその時間帯に対応する状態以外の状態を示すか否かを判定する。異常判定部253は、時間情報が何れの組合せに係る時間帯内の時間も示さない場合、又は移動情報がその時間帯に対応する状態を示す場合、ユーザに異常が発生していないと判定する。一方、異常判定部253は、時間情報が何れかの組合せに係る時間帯内の時間を示し且つ移動情報がその時間帯に対応する状態以外の状態を示す場合、ユーザに異常が発生したと判定する。
【0089】
これにより、親は、子供が通常と異なる行動を取っている場合に、そのことを把握することができる。
【0090】
なお、異常判定部253は、各時間帯における各状態の割合を曜日ごとに個別に算出してもよい。また、異常判定部253は、各時間帯における各状態の割合を最近の所定期間(例えば、3か月)内の履歴に基づいて算出してもよい。また、異常判定部253は、所定の割合を日時、及び/又は状態ごとに変更してもよい。これらにより、異常判定部253は、子供が通常と異なる行動を取っていることをより精度良く検出することができる。
【0091】
また、ステップS305において、異常判定部253は、時間情報が予定242において設定されている時間を示し且つ移動情報が予定242においてその時間について設定されている状態以外の状態を示す場合、さらに、受信した位置情報に示される位置が予め設定された位置(例えば、駅等)であるか否かを判定してもよい。その場合、異常判定部253は、受信した位置情報に示される位置が予め設定された位置である場合に限り、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したと判定し、受信した位置情報に示される位置が予め設定された位置でない場合、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生していないと判定する。
【0092】
なお、異常判定部253は、ジオフェンシングの技術を利用して、地図上にバーチャルなフェンスを設置し、携帯端末1aから受信した位置情報に示される位置が特定のフェンス内にある場合に、受信した位置情報に示される位置が予め設定された位置であると判定する。これにより、異常判定部253は、子供が危険な状態であるか否かをより精度良く判定することができる。
【0093】
さらに、異常判定部253は、携帯端末1aを携帯するユーザが携帯端末1bを携帯するユーザの近くにいるか否かを判定し、近くにいる場合、異常判定を実施しないようにしてもよい。その場合、異常判定部253は、サーバ通信部21を介して、携帯端末1bからも定期的に位置情報を取得してサーバ記憶部24に記憶しておく。そして、ステップS304において、履歴記録部252が移動情報、時間情報及び位置情報を履歴情報244に記録した後、異常判定部253は、携帯端末1aから取得した位置情報に示される位置が携帯端末1bから取得した位置情報に示される位置の近傍にあるか否かを判定する。異常判定部253は、携帯端末1aの位置が携帯端末1bの位置の近傍にある場合、ステップS305に示した異常判定を実施せず、処理をステップS301へ戻す。これにより、異常判定部253は、子供が親と同じ場所にいる場合に、子供に異常が発生したと誤って判定することを抑制することができる。
【0094】
また、サーバ2は、Webサーバとしても機能し、携帯端末1bからの要求に従って、携帯端末1aのユーザの現在の状態を表示するWeb画面を携帯端末1bに提供する。
【0095】
携帯端末1bの端末記憶部17には、ユーザごとに定められた、サーバ2へWebアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が記憶される。表示制御部186は、端末操作部12を介したユーザの指示を受け付けると、端末通信部11を介して、端末記憶部17に記憶されたURLへアクセスする。
【0096】
一方、サーバ2のWeb制御部255は、サーバ通信部21を介して、携帯端末1bからのアクセスを受け付けると、サーバ記憶部24に記憶された、携帯端末1aのユーザの最新の移動情報及び位置情報から、その移動情報及び位置情報を示すWebページ情報を生成する。そして、Web制御部255は、生成したWebページ情報をサーバ通信部21を介して携帯端末1bに送信する。
【0097】
携帯端末1bの表示制御部186は、端末通信部11を介してサーバ2から、Webページ情報を受信すると、受信したWebページ情報に基づくWeb画面を端末表示部13に表示する。
【0098】
図9は、携帯端末1bに表示される、携帯端末1aの移動情報を表示する画面の一例を示す。
【0099】
図9に示す移動状態画面900は、携帯端末1aの移動情報を表示する画面である。図9に示すように、移動状態画面900には、地図が表示され、その地図上で携帯端末1aのユーザが存在する位置が「○」で表示される。サーバ2のWeb制御部255は、携帯端末1aの状態によって携帯端末1aを携帯するユーザが存在する位置の表示態様を変更するようにWebページ情報を生成する。Web制御部255は、携帯端末1aの状態が静止状態である場合はその位置を「○」とし、停止状態である場合はその位置を「△」とし、歩行状態である場合はその位置を「□」とし、自転車移動状態である場合はその位置を「×」とし、電車移動状態である場合はその位置を「☆」とする。なお、Web制御部255は、携帯端末1aの状態が静止状態である場合はその位置を青色で表示し、停止状態である場合はその位置を緑色で表示し、歩行状態である場合はその位置を黄色で表示し、自転車移動状態である場合はその位置を橙色で表示し、電車移動状態である場合はその位置を赤色で表示してもよい。
【0100】
なお、本実施形態では、サーバ2は、携帯端末1aと携帯端末1bの組合せのみについて異常判定処理を実行する例を示したが、複数の組合せについて並列に異常判定処理を実行することも可能である。また、サーバ2は、携帯端末1aの識別番号及びアドレスを複数の携帯端末の識別番号及びアドレスと関連付けて記憶しておき、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したと判定した場合にその複数の携帯端末に通知してもよい。
【0101】
以上説明してきたように、サーバ2には、携帯端末1aの移動に係る予定、制限又は履歴情報を含む条件情報が予め設定される。サーバ2は、携帯端末1aから移動情報及び時間情報を取得し、取得した移動情報及び時間情報を条件情報と比較することによって、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定する。これにより、サーバ2は、移動状態の変化の様々なパターンを設定することなく、ユーザに異常が発生したことを適切に検出して通知することが可能となる。
【0102】
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態におけるサーバ2が省略され、携帯端末自体が、その携帯端末の条件情報を記憶し、移動情報及び時間情報を条件情報と比較することにより、その携帯端末を携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定して、異常の発生を他の携帯端末に通知する。
【0103】
本実施形態に従った通信システムは、図1に示した通信システム100と同様である。ただし、本実施形態に従った通信システムでは、通信システム100におけるサーバ2は省略される。なお、本実施形態では、子供が携帯する携帯端末を携帯端末4aとし、親が携帯する携帯端末を携帯端末4bとして説明する。
【0104】
図10は、本実施形態に従った携帯端末3aの概略構成の一例を示す図である。
【0105】
携帯端末3aと携帯端末3bの構成は同じであるため、以下では代表して携帯端末3aについて説明する。
【0106】
携帯端末3aは、第1の実施形態に従った携帯端末1aが備える端末処理部18の代わりに、端末処理部38を備える。
【0107】
携帯端末3aの端末記憶部17は、データとして、携帯端末1aの端末記憶部17が記憶するデータに加えて、移動情報を送受信する通信相手となる携帯端末の識別番号及びアドレスと、条件情報171と、端末処理部38が生成又は取得した移動情報、時間情報及び位置情報とを関連付けて記憶する。条件情報171は、サーバ記憶部24に記憶された条件情報241と同様の情報であり、予定242、制限243及び履歴情報244と同様の情報である予定172、制限173及び履歴情報174を含む。
【0108】
端末処理部38は、端末処理部18が備える送信制御部181の代わりに、送信制御部381を備える。送信制御部381では、送信制御部181が備える情報通知部184が省略され、代わりに、履歴記録部382と、異常判定部383と、異常通知部384とが備えられる。状態検知部183は、情報取得部として機能する。履歴記録部382、異常判定部383及び異常通知部384は、第1の実施形態に従ったサーバ2が備える履歴記録部252、異常判定部253及び異常通知部254と同様の機能を有する。
【0109】
端末処理部38は、図3に示した動作フローに従って動作する。但し、ステップS106において、情報通知部184が、移動情報、時間情報及び位置情報をサーバ2に送信せず、端末処理部38が、移動情報、時間情報及び位置情報を端末記憶部17に記憶する。そして、履歴記録部382、異常判定部383及び異常通知部384が、図6に示したステップS303〜S309の処理を実行する。
【0110】
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、通信システムがサーバ2を有し、携帯端末3aはサーバ2を介して携帯端末3bに異常情報を通知してもよい。
【0111】
以上説明してきたように、本実施形態では、携帯端末3aが、携帯端末3aの条件情報を記憶し、移動情報及び時間情報を条件情報と比較することにより、携帯端末3aを携帯するユーザに異常が発生したか否かを判定して、異常の発生を携帯端末3bに通知する。この場合も、ユーザに異常が発生したことを適切に検出して通知することが可能となる。
【0112】
(第3の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態におけるサーバ2が省略され、子供が携帯する携帯端末は、その移動情報、時間情報及び位置情報を親が携帯する携帯端末に直接送信する。親が携帯する携帯端末は、子供が携帯する携帯端末の条件情報を記憶し、受信した移動情報及び時間情報を条件情報と比較することにより、子供に異常が発生したか否かを判定して表示する。
【0113】
本実施形態に従った通信システムは、図1に示した通信システム100と同様である。ただし、本実施形態に従った通信システムでは、通信システム100におけるサーバ2は省略される。なお、本実施形態では、子供が携帯する携帯端末を携帯端末4aとし、親が携帯する携帯端末を携帯端末4bとして説明する。
【0114】
図11は、本実施形態に従った携帯端末4aの概略構成の一例を示す図である。
【0115】
携帯端末4aと携帯端末4bの構成は同じであるため、以下では代表して携帯端末4aについて説明する。
【0116】
携帯端末4aは、第1の実施形態に従った携帯端末1aが備える端末処理部18の代わりに、端末処理部48を備える。
【0117】
携帯端末4aの端末記憶部17は、さらに、データとして、移動情報を送受信する通信相手となる携帯端末の識別番号及びアドレスと、条件情報171と、通信相手となる携帯端末から取得した移動情報、時間情報及び位置情報とを関連付けて記憶する。条件情報171は、サーバ記憶部24に記憶された条件情報241と同様の情報であり、予定242、制限243及び履歴情報244と同様の情報である予定172、制限173及び履歴情報174を含む。
【0118】
端末処理部48は、端末処理部18が備える受信制御部182の代わりに、受信制御部481を備える。受信制御部481では、受信制御部182が備える異常情報取得部185が省略され、代わりに、情報取得部482と、履歴記録部483と、異常判定部484とが備えられる。情報取得部482、履歴記録部483及び異常判定部484は、第1の実施形態に従ったサーバ2が備える情報取得部251、履歴記録部252及び異常判定部253と同様の機能を有する。
【0119】
端末処理部38は、図6に示した動作フローに従って動作する。但し、ステップS308において、異常通知部254が、異常情報を携帯端末1bに送信せず、表示制御部186が、携帯端末1aを携帯するユーザに異常が発生したことを端末表示部13に表示する。
【0120】
以上説明してきたように、本実施形態では、子供が携帯する携帯端末4aは、移動情報、時間情報及び位置情報を親が携帯する携帯端末4bに直接送信する。親が携帯する携帯端末は、子供が携帯する携帯端末の条件情報を記憶し、受信した移動情報及び時間情報を条件情報と比較することにより、子供に異常が発生したか否かを判定して表示する。この場合も、ユーザに異常が発生したことを適切に検出して表示することが可能となる。
【0121】
なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、通信システムがサーバ2を有し、携帯端末4aはサーバ2を介して携帯端末4bに移動情報、時間情報及び位置情報を通知してもよい。
【0122】
なお、本発明は、第1〜3の実施形態に限定されるものではない。例えば、第1〜3の実施形態では、親が携帯する携帯端末から、子供に携帯させた携帯端末の状態を監視する例を示したが、老人に携帯させた携帯端末の状態を監視してもよい。これにより、ユーザは、老人が、特定時間以上徘徊していること等を把握することができる。
【0123】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0124】
100 通信システム
1a、1b 携帯端末
11 端末通信部
14 加速度センサ
15 地磁気センサ
16 GPS部
17 端末記憶部
18 端末処理部
183 状態検知部
184 情報通知部
185 異常情報取得部
186 表示制御部
2 サーバ
21 サーバ通信部
24 サーバ記憶部
25 サーバ処理部
251、482 情報取得部
252、382、483 履歴記録部
253、383、484 異常判定部
254、384 異常通知部
255 Web制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11