特許第5832717号(P5832717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5832717燃料電池システムとこの燃料電池システムの停止方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5832717
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】燃料電池システムとこの燃料電池システムの停止方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20060101AFI20151126BHJP
   H01M 8/00 20060101ALI20151126BHJP
   H01M 8/06 20060101ALI20151126BHJP
【FI】
   H01M8/04 Y
   H01M8/04 J
   H01M8/04 T
   H01M8/00 A
   H01M8/06 B
   H01M8/06 W
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2009-81929(P2009-81929)
(22)【出願日】2009年3月30日
(65)【公開番号】特開2010-238379(P2010-238379A)
(43)【公開日】2010年10月21日
【審査請求日】2012年1月31日
【審判番号】不服-7511(P-7511/J1)
【審判請求日】2014年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(72)【発明者】
【氏名】上條 元久
(72)【発明者】
【氏名】秦野 正治
【合議体】
【審判長】 堀川 一郎
【審判官】 藤井 昇
【審判官】 松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−123040(JP,A)
【文献】 特開2008−192425(JP,A)
【文献】 特開2008−103154(JP,A)
【文献】 特開2003−212512(JP,A)
【文献】 特開2008−91096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04- 8/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質の両側に積層した空気極と燃料極とに、燃料ガスと空気とを互いに分離して流通させることによる発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムであって、
燃料極を含む燃料ガスの流路区間を閉止するための遮断弁と、
燃料極に向けて燃料ガスを送給するための送給ポンプと、
空気極に空気を送給するための空気ブロワと、
燃料電池に向けて流通する燃料ガスを改質するための燃料改質器に空気を送給するための空気送給器と
閉止された上記燃料極を含む燃料ガスの流路区間のガス濃度を取得するためのガス濃度取得部とを有し、
上記燃料電池の発電動作を停止しようとするとき、
上記遮断弁によって当該流路区間における燃料ガスの流通を閉止する流通区間閉止手段と、
上記送給ポンプの駆動を停止させ、かつ、上記空気ブロワの駆動を継続させて発電することで上記閉止した当該流路区間内におけるガス濃度を低減させるガス濃度低減手段と、
発電終了後、上記燃料改質器に向けて送給される燃料ガスに含まれる可燃ガスの上記ガス濃度取得部を用いて取得されたガス濃度基づく空気量を上記空気送給器により送給する空気送気量増加手段とを有する
ことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
記ガス濃度低減手段は、上記ガス濃度取得部によって取得したガス濃度に基づき、上記閉止した燃料極を含む燃料ガスの流路区間内におけるガス濃度が所定の濃度範囲となるように低減させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度を取得するための第一の温度取得部と、
上記第一の温度取得部によって取得した温度が、水凝縮温度以上であるか否かを判定する最低温度判定手段と、
燃料ガスの流路中に、燃料電池に向けて流通する燃料ガスを改質するための燃料改質器が配設されており、その排出側の流路に配設された第一の温度取得部によって取得した温度が、水凝縮温度未満であると判定されたときには、上記閉止した燃料極を含む燃料ガスの流路区間における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去する水蒸気除去手段とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
燃料ガスの流路中に、燃料電池に向けて流通する燃料ガスを改質するための燃料改質器が配設されているとともに、上記第一の温度取得部が第一の温度センサであり、
その燃料改質器の排出側の流路に、上記第一の温度センサを配設していることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
燃料電池を加熱するための電池加熱装置と、燃料電池の温度を取得するための第二の温度取得部とを有しており、
上記燃料電池の発電動作を停止しようとするとき、
第二の温度取得部で取得した燃料電池の温度が、この燃料電池が動作する温度の下限値以上であるか否かを判定する電池温度判定手段と、
第二の温度取得部で取得した燃料電池の温度が、この燃料電池が動作する温度の下限値以上であると判定したときには、電池加熱装置によって燃料電池を加熱させる電池加熱手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
燃料電池に接断可能なバッテリを有しており、
上記燃料電池の発電動作を停止しようとするとき、
電池温度判定手段により、第二の温度取得部で取得した燃料電池の温度が、この燃料電池が動作する温度の下限値以上であると判定したときには、燃料電池にバッテリを接続させて水の電気分解を行わせることにより水素量を増加させる水素量調整手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
上記空気送気量増加手段が、上記燃料改質器に向けて送給される燃料ガスに含まれる可燃ガスの残量に応じた空気量を上記空気送給器により送給した後、
燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度が、水凝縮温度以上であると判定されたときには、上記空気送給器によって燃料極に空気を送給する燃料極空気送給手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
上記燃料改質器がCOシフト反応機能を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
燃料極から排出された排燃料ガスを燃料改質器に返戻するための返戻流路が配設されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
上記燃料電池の発電動作を停止しようとするとき、
電池温度判定手段により、燃料電池の温度が、この燃料電池が動作する温度の下限値以上であると判定したときには、上記空気ブロワによる空気の送給量を低減させる空気送気量低減手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
燃料極から排出された排燃料ガスを燃料改質器に返戻するための返戻流路が配設されているとともに、その返戻流路に、これを通じて排燃料ガスを燃料改質器に返戻送給するための返戻送給器を配設しており、
最低温度判定手段により、燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度が水凝縮温度以上であると判定したときには、返戻送給器によって燃料極から排出された排燃料ガスを燃料改質器に返戻させる排燃料ガス返戻手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
水凝縮器が配設されており、
上記閉止した燃料極を含む燃料ガスの流路区間における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去する水蒸気除去手段を有し、
燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度が、水凝縮温度以下であると判定したときには、
水蒸気除去手段は、水凝縮器によって上記燃料ガスの流路における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去させることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項13】
燃料改質器の排出側流路に、燃料電池に向かう燃料ガスを水凝縮器に向けて流通するように分岐するための分岐バルブを配設しており、
上記閉止した燃料極を含む燃料ガスの流路区間における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去する水蒸気除去手段を有し、
水蒸気除去手段は、分岐バルブを水凝縮器に切り替えることによって、その水凝縮器によって上記燃料ガスの流路における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去させることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システム。
【請求項14】
水凝縮器に代えて、水吸着剤を有する水吸着器を配設したことを請求項12又は13に記載の燃料電池システム。
【請求項15】
水凝縮器に代えて、水透過膜を備えた水透過器を配設したことを請求項12又は13に記載の燃料電池システム。
【請求項16】
電解質の両側に積層した空気極と燃料極とに、燃料ガスと空気とを互いに分離して流通させることによる発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムの停止方法であって、燃料極を含む燃料ガスの流路区間を閉止するための遮断弁と、燃料極に向けて燃料ガスを送給するための送給ポンプと、空気極に空気を送給するための空気ブロワと、燃料電池に向けて流通する燃料ガスを改質するための燃料改質器に空気を送給するための空気送給器とを有し、上記燃料電池の発電動作を停止しようとするとき、上記遮断弁によって当該流路区間における燃料ガスの流通を閉止し、上記送給ポンプの駆動を停止させ、かつ、上記空気ブロワの駆動を継続させて発電することで上記閉止した当該流路区間内におけるガス濃度を低減させ、発電終了後、上記燃料改質器に向けて送給される燃料ガスに含まれる可燃ガスの上記閉止した燃料極を含む燃料ガスの流路区間のガス濃度を取得するためのガス濃度取得部を用いて取得されたガス濃度基づく空気量を上記空気送給器により送給する
ことを特徴とする燃料電池システムの停止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムとこの燃料電池システムの停止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の燃料電池システムとして、固体酸化物形燃料電池システムとした名称で特許文献1に開示された構成のものがある。
特許文献1に記載された燃料電池システムは、電池セルの電解質がイオン導電性セラミックスで形成され電池セルの燃料極に供給される燃料ガスと電池セルの空気極に供給される酸素との電気化学反応により直流電力を発生する固体酸化物形燃料電池本体と、前記固体酸化物形燃料電池本体の運転中に空気を窒素と酸素とに分離し得られた酸素を前記電池セルの空気極に供給する空気分離装置と、前記空気分離装置で分離された窒素を液体窒素として貯蔵する液体窒素貯蔵タンクと、前記固体酸化物燃料電池の運転中に前記空気分離装置で分離された窒素により前記電池セルを冷却するための電池セル冷却設備と、前記固体酸化物燃料電池の運転停止時に前記液体窒素貯蔵タンクに貯蔵された窒素を前記電池セルの燃料極に供給するための燃料極窒素供給設備とを備えた構成のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−220942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された燃料電池システムにおいては、システムの停止時に、不活性ガスに還元性ガスを添加したガスによりパージすることにより、燃料極の酸化を防止しようとしたものであるが、空気の分離装置によって生成したN2を利用して、システムの停止時に燃料極に供給するようにしていたので、システムの大型化を回避できないという課題が未解決のままである。
【0005】
そこで本発明は、燃料電池の発電動作を停止するとき、燃料ガスに含まれる可燃ガス成分を低減させて停止時の燃料ガスへの引火や一酸化炭素漏洩を防止し、かつ、小型化を図ることができる燃料電池システムとこの燃料電池システムの停止方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る燃料電池システムは、電解質の両側に積層した空気極と燃料極とに、燃料ガスと空気とを互いに分離して流通させることによる発電を行う燃料電池を備えたものであり、燃料極を含む燃料ガスの流路区間を閉止するための遮断弁と、燃料極に向けて燃料ガスを送給するための送給ポンプと、空気極に空気を送給するための空気ブロワと、燃料電池に向けて流通する燃料ガスを改質するための燃料改質器に空気を送給するための空気送給器と、閉止された上記燃料極を含む燃料ガスの流路区間のガス濃度を取得するためのガス濃度取得部とを有し、上記燃料電池の発電動作を停止しようとするとき、上記遮断弁によって当該流路区間における燃料ガスの流通を閉止する流通区間閉止手段と、上記送給ポンプの駆動を停止させ、かつ、上記空気ブロワの駆動を継続させて発電することで上記閉止した当該流路区間内におけるガス濃度を低減させるガス濃度低減手段と、発電終了後、上記燃料改質器に向けて送給される燃料ガスに含まれる可燃ガスの上記ガス濃度取得部を用いて取得されたガス濃度基づく空気量を上記空気送給器により送給する空気送気量増加手段とを有している。
【0007】
同上の目的を達成するための本発明に係る燃料電池システムの停止方法は、電解質の両側に積層した空気極と燃料極とに、燃料ガスと空気とを互いに分離して流通させることによる発電を行う燃料電池を備え、燃料極を含む燃料ガスの流路区間を閉止するための遮断弁と、燃料極に向けて燃料ガスを送給するための送給ポンプと、空気極に空気を送給するための空気ブロワと、燃料電池に向けて流通する燃料ガスを改質するための燃料改質器に空気を送給するための空気送給器とを有する構成において、上記燃料電池の発電動作を停止しようとするとき、上記遮断弁によって当該流路区間における燃料ガスの流通を閉止し、上記送給ポンプの駆動を停止させ、かつ、上記空気ブロワの駆動を継続させて発電することで上記閉止した当該流路区間内におけるガス濃度を低減させ、発電終了後、上記燃料改質器に向けて送給される燃料ガスに含まれる可燃ガスの上記閉止した燃料極を含む燃料ガスの流路区間のガス濃度を取得するためのガス濃度取得部を用いて取得されたガス濃度基づく空気量を上記空気送給器により送給する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型化を図るとともに燃料ガスに含まれる可燃ガス成分を低減させて、停止時の燃料ガスへの引火や一酸化炭素漏洩を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを適用した発電ユニットの構成を示すブロック図である。
図2】同上の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図3】同上の燃料電池システムの一部をなすコントロールユニットの機能を示すブロック図である。
図4】発電停止指令が入力されたときのフローチャートである。
図5】循環路の雰囲気制御のフローチャートである。
図6】水凝縮の制御内容を示すフローチャートである。
図7】(A)は、上記した水凝縮器に代えて、水吸着剤を有する水吸着器を配設した構成を示すものであり、図2に包囲線αで示す部分に相当する拡大図、(B)は、上記した水凝縮器に代えて、水透過膜を備えた水透過器を配設した構成を示すものであり、図2に包囲線αで示す部分に相当する拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを適用した発電装置の構成を示すブロック図、図2は、同上の燃料電池システムの構成を示すブロック図、図3は、その燃料電池システムの一部をなすコントロールユニットの機能を示すブロック図である。
【0011】
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを適用した発電装置Bは、図1に示すモータ等の外部負荷10に電力を供給するものであり、その構成は次のとおりである。
すなわち、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムA1とともに、第一〜第三のリレー20A〜20C、電圧計23、電流計24、DC/DCコンバータ25、バッテリ26、インバータ27及びコントロールユニット28等を有して構成されている。
【0012】
まず、燃料電池システムA1は、燃料電池30、送給ポンプである燃料ポンプ31、燃料ポンプ32、33、燃料蒸発器34、スタック加熱熱交換器35、循環ブロワ36、分岐バルブ37,53、ミキサ38、燃料改質器39、改質器加熱熱交換器40、燃焼器41,42、カソード空気加熱器43、空気ブロワ44〜46,47、遮断弁48,49、水凝縮器50、ガス濃度センサS1,S2及び第一,第二の温度センサS4,S3等を有して構成されている。
【0013】
燃料電池30は、複数のセルユニット51…を互いに積層した単一のセルスタックをケース(いずれも図示しない)内に収容したものである。なお、図2には、説明を簡略化するために一つのセルユニット51のみを示している。
なお、セルスタックには、これの温度を測定するための上記第二の温度センサS3(図3に示す)を配設している。
【0014】
セルユニット51は、燃料極52aと空気極52bとを電解質52cの両側に対設した固体電解質型セル52…を備えたものであり、その燃料極52aと空気極52bとに、燃料ガスと空気を互いに分離して流接させることによる発電を行うものである。
【0015】
送給ポンプ31は、燃料電池30の発電に必要な燃料を燃料蒸発器34に送給するものであり、この送給ポンプ31と燃料蒸発器34との間には送給パイプ31aが連結されている。
また、送給ポンプ31は、コントロールユニット(以下、「C/U」という。)28の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
【0016】
燃料蒸発器34は、送給ポンプ31によって送給された燃料を蒸気化するものであり、この燃料蒸発器34とミキサ38との間には送給パイプ34aが接続されている。
ミキサ38は、燃料蒸発器34、分岐バルブ37及び空気ブロワ47から送給される、原燃料、排燃料ガス又は空気を選択的に切り替える機能を有するものであり、燃料改質器39との間、空気ブロワ47との間、分岐バルブ37との間に、それぞれ送給パイプ38a,47a,37aが連結されている。
「空気ブロワ47」は、燃料極52aに空気を送給するための空気送給器である。
【0017】
遮断弁48は送給パイプ47aに配設されており、空気ブロワ47とミキサ38とを遮断するものであり、C/U28の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
【0018】
燃料改質器39は、蒸気化された原燃料を水素リッチな燃料ガスに改質するものであり、これと燃料電池30との間に送給パイプ39aが接続されており、その燃料ガスを燃料極52aに送給するようにしている。
なお、本実施形態において示す燃料改質器39は、COシフト反応機能を有するものである。
【0019】
ガス濃度センサS1,S2は、閉止した燃料極52aを含む燃料ガスの流路区間のガス濃度を測定するためのものであり、それらのうちガス濃度センサS1は、送給パイプ39aを流通する燃料ガスの一酸化炭素、また、ガス濃度センサS2は当該燃料ガスの水素の各濃度をそれぞれ測定するためのものである。
送給パイプ39aの途中には分岐バルブ53が配設されており、水凝縮器50との間に分岐パイプ53aが連結されている。
【0020】
この分岐バルブ53も、C/U28の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
すなわち、燃料改質器39から送出された改質した燃料ガスを、燃料極52a又は水凝縮器50に切り替えて流通させるようにしている。
水凝縮器50は、燃料改質器39から送出された改質した燃料ガスに含まれる水蒸気を凝縮する機能を有するものである。
【0021】
上記した燃料極52aと上記した分岐バルブ37との間には送給パイプ52eが連結されており、その送給パイプ52eの途中に、その燃料極52aから排出された排燃料ガスを循環させるための循環ブロワ36が配設されている。
【0022】
送給パイプ52e,37a,38aは、燃料極52aから排出された排燃料ガスを燃料改質器39に返戻するための返戻流路である。
なお、循環ブロワ36も、C/U28の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
【0023】
ところで、空気ブロワ44は、空気極52bに空気を送給するための空気送給器である。 すなわち、燃料電池30の発電に必要な空気をカソード空気加熱器43に送給するようにしており、その空気ブロワ44とカソード空気加熱器43との間には送給パイプ44aが連結されている。
また、空気ブロワ44も、C/U28の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
【0024】
カソード空気加熱器46は、空気極52bに送給する空気を加熱するものであり、このカソード空気加熱器46と空気極52bとの間に送給パイプ43aが連結されている。
また、空気極52aと上記した燃料蒸発器34との間には送給パイプ52dが連結されており、その空気極52aから排出された排空気を燃料蒸発器34に送出して、送給ポンプ31から送給される燃料ガスとの熱交換を行えるようにしている。
【0025】
燃焼器41は、燃料ポンプ32と空気ブロワ45とにより送給された燃料と空気とを燃焼させるものであり、この燃焼器41とスタック加熱熱交換器35との間には送給パイプ41aが連結されている。
【0026】
スタック加熱熱交換器35は、セルスタック(図示しない)に密接して配置されており、上記した燃焼器41から送出された加熱ガスによってセルスタックを加熱するためのものである。
【0027】
また、スタック加熱熱交換器35と上記したカソード空気加熱器43との間には送給パイプ35aが連結されており、そのスタック加熱熱交換器35から排出された加熱ガスをカソード空気加熱器43に送給して、空気極52bに送給される空気との熱交換を行えるようにしている。
【0028】
燃焼器42は、燃料ポンプ33と空気ブロワ46とにより送給された燃料と空気とを燃焼させるものであり、この燃焼器42と上記した分岐バルブ37との間には送給パイプ42aが連結されている。
また、その送給パイプ42aの途中には遮断弁49が配設されている。
上記した燃料ポンプ32,33、空気ブロワ45,46及び遮断弁49も、C/U28の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
【0029】
上記した遮断弁48,49は、燃料極52aを含む燃料ガスの流路における燃料ガスの流通を遮断するためのものである。
本実施形態において示す「燃料ガスの流路」は、送給パイプ38a,39a,52e,37aにより構成されている。
【0030】
改質器加熱熱交換器40は、燃料改質器39に密接して配置され、これと燃焼器42との間に送給パイプ42aが接続されており、燃料極52aから排出されて燃焼器42によって加熱された排出ガスと、燃料改質器40により改質された燃料ガスとの間において熱交換を行うようにしたものである。
【0031】
図1に示すバッテリ26は、燃料電池30の燃料極52aを還元するための還元用の電力を送給し、また、下記のインバータ27を介して外部負荷10に対して駆動用の電力を送給するようになっている。
【0032】
DC/DCコンバータ25は、インバータ27又は燃料電池30向けに電圧変換を行うためのものである。
インバータ27は、燃料電池30から出力された直流電力を交流に変換し、また、バッテリ26から送給された直流電力を交流に変換して外部負荷10に給電するためのものである。
【0033】
第一のリレー20Aは、DC/DCコンバータ25と燃料電池30との間、第二のリレー20Bは、上記バッテリ26とインバータ27との間、また、第三のリレー20Cは、上記インバータ27と燃料電池30の間にそれぞれ介設されており、いずれもC/U28の出力ポート側に接続されて断接動作するようになっている。
【0034】
燃料電池30の出力端子30a,30bの一方には、その燃料電池30の出力電流を測定するための上記した電流計24を、また、出力端子30a,30b間には当該出力電圧を測定するための電圧計23をそれぞれ配設している。
上記の電流計23と電圧計24は、C/U28の入力ポート側に接続されて、各取得した測定値が入力されるようになっている。
【0035】
C/U28は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)、インターフェース回路等(いずれも図示しない)からなる中央制御部60と、ハードディスク,半導体メモリ等からなるメモリ61とを有するものである。
【0036】
メモリ61に記憶されている本燃料電池システムA1及び発電装置Bに用いるプログラムの実行により、C/U28は、従ってまた、中央制御部60は以下の各機能を発揮する。
・燃料電池30の発電動作を停止するとき、燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度が、水凝縮温度以上であるか否かを判定する機能。この機能を「最低温度判定手段60a」という。
【0037】
本実施形態において示す「燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位」は、燃料改質器39の排出直後の位置であり、具体的には分岐バルブ53に配設した第一の温度センサS4によって温度測定を行っている。
すなわち、本実施形態においては、第一の温度センサS4が燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度を取得するための第一の温度取得部である。
【0038】
なお、本実施形態においては温度取得部として、燃料電池30、燃料流路の温度を把握するために第一,第二の温度センサS4,S3を配設した構成を例として説明したが、この他、例えば運転状態や停止時間に対応して予め計測した各部位の温度マップをメモリ61に記憶しておき、その各部位の温度マップを適宜参照することによる温度を取得するようにしてもよい。
【0039】
・最低温度判定手段60aにより、第一の温度センサS4によって測定した温度が水凝縮温度以上であると判定したときには、燃料極52aを含む燃料ガスの流路区間における燃料ガスの流通を閉止する機能。この機能を「流通区間閉止手段60b」という。
「燃料極52aを含む燃料ガスの流路区間」は、上記したように送給パイプ38a,39a,52e,37aにより構成されており、その経路中に燃料極52aが含まれている。
本実施形態においては、遮断弁48,49によって当該流路区間を閉止しているとともに、循環ブロワ36を停止するようにしているが、少なくとも遮断弁48を閉じるとともに循環ブロワ36を停止すればよい。
遮断弁48,49は、燃料極52aを含む燃料ガスの流路における燃料ガスの流通を遮断するためのものである。
【0040】
・上記閉止した当該流路区間内におけるガス濃度を低減させる機能。この機能を「ガス濃度低減手段60c」という。
ガス濃度センサS1,S2によって測定したガス濃度に基づき、上記閉止した燃料極52aを含む燃料ガスの流路区間内におけるガス濃度が所定の濃度範囲となるように低減させている。
具体的には、上記流路区間におけるガス濃度を低減させて、水素量を例えば1〜4%程度の所定の濃度範囲になるようにしている。
すなわち、本実施形態においては、閉止した燃料極を含む燃料ガスの流路区間のガス濃度を取得するためのガス濃度取得部がガス濃度センサS1,S2である。
【0041】
具体的には、燃料極52aへの燃料ガスの送給を停止し、かつ、空気ブロワ44を駆動して空気極52bへの空気の送給を継続させている。
なお、本実施形態に示すガス濃度取得部は、可燃ガス濃度をガス濃度センサによって測定しているが、運転状態や停止時間に対応して予め測定した各部位の可燃ガス量マップをメモリ61に記憶しておき、それら各部位の可燃ガス量マップを参照することによりガス濃度を取得するようにしてもよい。
また、燃料電池で発電した電流量に基づいて、可燃ガス量を推定する機能を設けてもよい。すなわち、可燃ガス量推定手段を設けた構成にしてもよい。
【0042】
・第一の温度センサS4によって測定した温度が、水凝縮温度以上であるか否かを判定されたときには、上記閉止した燃料極52aを含む燃料ガスの流路区間における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去する機能。この機能を「水蒸気除去手段60d」という。
本実施形態においては、水凝縮器50によって閉止した燃料極52aを含む燃料ガスの流路区間における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去させている。
敷衍すると、分岐バルブ53を水凝縮器50に切り替えることによって、その水凝縮器50によって燃料ガスの流路における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去させている。
【0043】
・第二の温度センサS3で測定した燃料電池30の温度が、この燃料電池30の動作温度以上であるか否かを判定する機能。この機能を「電池温度判定手段60e」という。
燃料電池30の温度は、セルスタック(図示しない)に配設した第二の温度センサS3により取得している。
【0044】
・第二の温度センサS3で測定した燃料電池30の温度が、この燃料電池30の動作温度以上であると判定したときには、電池加熱装置によって燃料電池30を加熱させる機能。この機能を「電池加熱手段60f」という。
本実施形態においては、電池加熱装置をスタック加熱熱交換器35と燃焼器41により構成しているが、これに限るものではない。
【0045】
・電池温度判定手段60eにより、第二の温度センサS3で測定した燃料電池30の温度が、この燃料電池30の動作温度以上であると判定したときには、燃料電池30にバッテリ26を接続させて水の電気分解を行わせることにより水素量を増加させる機能。この機能を「水素量調整手段60g」という。
【0046】
・燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度が、水凝縮温度以上であると判定されたときには、空気ブロワ(空気送給器)47によって燃料極52aに空気を送給する機能。この機能を「燃料極空気送給手段60h」という。
【0047】
・燃料電池30の温度が、これの動作温度以上であると判定したときには、燃料改質器39に燃料ガスを送給する機能。この機能を「燃料ガス送給手段60i」という。
【0048】
・電池温度判定手段60eによって、燃料電池30の温度が、これの動作温度以上であると判定したときには、空気ブロワ(空気送給器)44による空気の送給量を低減させる機能。この機能を「空気送気量低減手段60j」という。
【0049】
・燃料改質器39のO/Cの値を大きくするように、空気ブロワ(空気送給器)47により送給する空気量を増加させる機能。この機能を「空気送気量増加手段60k」という。
具体的には、燃料改質器39に向けて送給される燃料ガスに含まれる可燃ガスの残量に応じた空気量を送給している。
【0050】
・最低温度判定手段60aにより、燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度が水凝縮温度以上であると判定したときには、循環ブロワ(返戻送給器)36によって燃料極52aから排出された排燃料ガスを燃料改質器39に返戻させる機能。この機能を「排燃料ガス返戻手段60l」という。
【0051】
燃料電池システムA1の停止方法について、図4〜6を参照して説明する。図4は、発電停止指令が入力されたときのフローチャート、図5は、循環路の雰囲気制御のフローチャート、図6は、水凝縮の制御内容を示すフローチャートである。
【0052】
まず、燃料電池システムA1の停止方法は、燃料電池30の動作を停止するとき、燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度が、水凝縮温度以上であるか否かを判定し、燃料ガスの流路における最も低い温度を示す部位における温度が水凝縮温度以上であると判定したときには、燃料ガスの流路におけるガス濃度を低減させることを主たる内容としており、その詳細は次のとおりである。
【0053】
ステップ1(図中「S1」と略記する。以下同様。):外部からの指示に応じて燃料電池システムA1の停止制御を実施する。
ステップ2:先ず可燃ガス量の低減制御を実施する。
【0054】
ステップ3:すなわち、遮断弁48,49閉じて新規の燃料ガスと排燃料ガスとをそれぞれ遮断するとともに、送給ポンプ31を停止することにより、燃料極52aに流出入する新規の燃料ガスと排燃料ガスとを遮断する。
すなわち、燃料ガスの流路におけるガス濃度を低減させている。
【0055】
ステップ4:空気極52bへの空気の送給を継続して、発電を継続する。また、リレー20Cを切断して、外部負荷10を切り離すとともに、リレー20Aを接続することによりバッテリ26への充電を開始する。
【0056】
ステップ5:必要に応じて燃料除去効率を向上させる。
具体的は、電流計24で取得した電流値が、予め設定した閾値以下であるか否かを判定し、当該電流値が予め設定した閾値以下であると判定した場合にはステップ8に進み、そうでない場合には、ステップ6に進む。
【0057】
ステップ6:燃料除去運転(発電運転)の終了判断を行う。
すなわち、セルスタック内部に設置した第二の温度センサS3で取得した温度が、予め設定した運転温度以上であるか否かを判定し、当該温度以上であればステップ7に進み、そうでなければステップ4に戻る。
【0058】
このとき、同時に可燃物の反応量を判断できる。例えば、前記電流計24の値から読み取った電荷量から、予め調べた停止直後の可燃物量と、計測した反応量の差異を求めることにより、残存可燃物量を推算することができる。
また、流路に設置されたガス濃度センサS2で取得した水素濃度とガス濃度センサS1で取得した数値から判断することも可能である。
【0059】
ステップ7:発電を終了する。リレー20Aを開放し、燃料電池30を開回路状態にする。
ステップ8:除去率向上が必要な場合の制御を開始する。
具体的には、セルスタック温度を上昇させることにより、可燃ガスの消費効率を向上させる。セルスタックの温度の上昇は、例えば、空気極52bへの導入空気量を低減し、空気極52bから排出されたガスの伝熱量を低減することにより実現できる。
【0060】
また、燃料ポンプ32と空気ポンプ45を一時的に動作させることにより、セルスタックを加熱するスタック加熱熱交換器35に高温ガスを導入し、燃料電池30の動作温度を上昇させるようにしてもよい。
【0061】
さらに、遮断弁48,49一時的に開放して空気を導入し、燃料改質器39のO2/Cを上昇させることにより、その燃料改質器39の排出側と空気極52bの温度を上昇させることもできる。
万一、酸素導入量が過剰となってH濃度が低下した場合は、バッテリ26を用いてHOの還元を行い、H量を増加させる制御を行うとよい。
【0062】
ステップ9:前記電流計24で取得した電流値から読み取った電荷量から、反応した可燃物の濃度を算出する。
【0063】
ステップ10:予め調べた停止直後の可燃物量と、ステップ9で計測した反応量の差異から、残存可燃物量を推算する。
換言すると、運転停止直後の可燃物量と反応量とに基づいて、残存可燃物量を算出する。
算出した残存可燃物量が所定の範囲内であるか否かを判定し、ここで残存可燃物量が所定の範囲内であると判定されればステップ11に進み、そうでなければステップ8に戻る。
【0064】
ステップ11:発電を終了する。
リレー20Aを開放することにより燃料電池30を開回路状態にし、ステップ12に進む。
ステップ12:循環路雰囲気操作制御へ移行する。
【0065】
以下、図5を参照して説明する。
ステップ13:循環路雰囲気操作制御を実行する。
ステップ14:送給パイプ39aに設置したガス濃度センサS2によって水素濃度を検知する。
ステップ15:目標となる水素量を計算する。
本実施形態においては、燃料極52a中の酸化成分はHOである。この時、H/HOの比率が一定値以下になると、燃料極成分の酸化反応が進行する。
使用している電極でのH/HOの下限値は、以下の通り計算する。
すなわち、HOの濃度は、ステップ20からの制御で、飽和水蒸気圧以下となる。
今回の制御は、停止温度15℃、運転圧力0.11MPaで実施したため、HO濃度は、1.7vol%以下となる。
今回用いた電極では、H/HO=1/75とした。従って、水素濃度下限値は、233ppmとなる。また、上限値は、水素漏洩時の引火の観点から、H濃度計の数値として4%と設定した。
【0066】
ステップ16:ステップ14で検知したH濃度に対し、実際のH濃度がステップ15で計算した濃度範囲となるように、空気を導入する。この時想定する反応は、2H+O→HOとなる。
なお、H濃度が4%あれば、H/HO比が1/75以下になることはない。また、水素の酸化反応は、改質触媒上で進行する。
【0067】
ステップ17:水素の酸化反応が進行するか否かを判断する。今回の触媒では、120℃である。
ステップ18:水凝縮温度であるか否かを判定する。
本実施形態においては、最も温度が低くなる燃料改質器39の排出側に設けた分岐バルブ37に取り付けた温度センサS4の温度での飽和水蒸気圧が、燃料電池30の作動圧力とが等しくなる温度を閾値とした。今回の場合、約103℃である。
【0068】
ステップ19:水凝縮制御へ移行する。
ステップ20:水凝縮制御を実行する。
ステップ21:燃料電池システムA1中で最も温度が高いセルスタック内部に設置した温度センサS3で取得した温度を参照する。
なお、予め計測したセルスタックの高温プロファイルで代用することもできる。
【0069】
ステップ22:水凝縮器50の上流側の分岐バルブ53を開いて、その水凝縮器50に循環流路中のガスを導入する。
ステップ23:ステップ21において取得した温度が外気温になったか否かを判定し、当該温度が外気温になったと判定されればステップ24に進み、そうでなければステップ21に戻る。
ステップ24:燃料電池システムA1の動作を停止する。
【0070】
上記した一実施形態に係る発電ユニットBによれば、次の効果を得ることができる。
・遮断した燃料流路中の可燃ガスを低減することで、停止時の燃料への引火や、一酸化炭素中毒を防止することができる。
・水素量を所定値に制御することで、停止時の燃料極の酸化を防止し、長期停止時の酸化による電極劣化や構造破壊を回避できる。
・燃料流路中の水蒸気量を飽和水蒸気量以下に低減することで、水の凝縮と、これによる燃料極の酸化を回避することができる。
【0071】
・高温部位では実質的に密閉性の高いバルブ等の設計が困難であるが、遮断弁48,49を上記した比較的部品温度が低い部位に配設していることにより、燃料ガスを容易に封止することができる。
【0072】
・第一の温度センサS4によって測定した温度が、水凝縮温度以上であるか否かを判定されたときには、上記閉止した燃料極52aを含む燃料ガスの流路区間における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去する水蒸気除去手段60dを設けたことにより、発電停止後の放熱により、燃料電池システムA1の温度が低下する。このとき燃料ガス中の水蒸気が凝縮する。この水凝縮を、水凝縮器50で優先的に進行させる。
これにより、燃料電池の動作温度付近の高温において、燃料ガスを水凝縮器50に導入することがないので、この部分での放熱損失を防止し、また、水凝縮器50の熱劣化を防止することができる。
燃料流路中の水蒸気量の燃料流路中での凝縮、特に燃料極中での凝縮を防止でき、これにより燃料極の酸化を回避することができる。
【0073】
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
上述した実施形態においては、水凝縮器によって燃料ガスの流路における水蒸気量を外気温飽和水蒸気圧以下になるまで除去する例について説明したが、図7(A),(B)に示すような構成にしてもよい。
図7(A)は、上記した水凝縮器に代えて、水吸着剤を有する水吸着器を配設した構成を示すものであり、図2に包囲線αで示す部分に相当する拡大図、(B)は、上記した水凝縮器に代えて、水透過膜を備えた水透過器を配設した構成を示すものであり、図2に包囲線αで示す部分に相当する拡大図である。
【0074】
図7(A)には、上記した水凝縮器50に代えて、水吸着剤55aを有する水吸着器55を配設した構成を示している。
水吸着器55の水吸着剤55aには、次回の燃料電池システムの起動時に、所要の時間だけ燃料ガスを流通させ、また、その燃料電池システムを停止させたときに、吸着させていた水分を蒸発させるようにしたものである。
水吸着剤としては、例えば、シリカゲルなどの多孔材を用いることができる。
【0075】
図7(B)には、上記水凝縮器50に代えて、水透過膜56aを備えた水透過器56を配設した構成を示している。
水透過器56には、水透過膜56aを挟む一側に分岐バルブ53が配設され、また、他側に空気ブロワ57が配設されている。
そして、分岐バルブ53の切り替えと同時に、空気ブロワ57を駆動することにより、透過した水分を経路外に放出するようにしている。
【符号の説明】
【0076】
26 バッテリ
30 燃料電池
31 送給ポンプ
35,41 電池加熱装置
36 返戻送給器
37a,38a,52e 返戻流路
38a,39a,52e,37a 燃料ガスの流路区間
39 燃料改質器
44 空気送給器(空気ブロワ)
47 空気送給器(空気ブロワ)
48,49 遮断弁
50 水凝縮器
52c 電解質
52b 空気極
52a 燃料極
53 分岐バルブ
55 水吸着器
56 水透過器
60a 最低温度判定手段
60b 流通区間閉止手段
60c ガス濃度低減手段
60d 水蒸気除去手段
60e 電池温度判定手段
60f 電池加熱手段
60g 水素量調整手段
60h 燃料極空気送給手段
60i 燃料ガス送給手段
60j 空気送気量低減手段
60k 空気送気量増加手段
60l 排燃料ガス返戻手段
S1,S2 ガス濃度センサ(ガス濃度取得部)
S3 第二の温度センサ
S4 第一の温度センサ(第一の温度取得部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7