特許第5833219号(P5833219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5833219
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】駆動装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20151126BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20151126BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20151126BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 622R
   G09G3/20 650J
   G09G3/20 622D
   G09G3/20 622C
   G09G3/20 624B
   G09G3/20 611G
   G09G3/20 611B
   G09G3/20 650B
   G02F1/133 550
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-500667(P2014-500667)
(86)(22)【出願日】2013年2月13日
(86)【国際出願番号】JP2013053333
(87)【国際公開番号】WO2013125405
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2014年7月18日
(31)【優先権主張番号】特願2012-34516(P2012-34516)
(32)【優先日】2012年2月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 章純
(72)【発明者】
【氏名】柳 俊洋
(72)【発明者】
【氏名】井樋田 悟史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和樹
(72)【発明者】
【氏名】中野 武俊
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−197626(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/010898(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する表示パネルを駆動する駆動装置であって、
前記表示パネルが有する複数のゲート信号ラインを順次走査する走査期間と、前記複数のゲート信号ラインの順次走査を休止する休止期間とをそれぞれ設定することにより、前記表示パネルのリフレッシュレートを変更するリフレッシュレート変更手段と、
前記走査期間と前記休止期間との比に応じて、前記走査期間において前記複数のゲート信号ラインの各々を駆動する駆動時間を制御する駆動量制御手段とを備え、
前記駆動量制御手段は、
前記走査期間に対して前記休止期間が長くなるにつれて、前記走査期間において前記駆動時間が長くなるように、駆動時間を制御し、
前記複数のゲート信号ラインの各々について、当該ゲート信号ラインの駆動パルスのパルス数を制御することにより、当該ゲート信号ラインの駆動時間を制御する
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記駆動量制御手段は、
前記複数のゲート信号ラインの各々について、当該ゲート信号ラインの駆動時間と、当該ゲート信号ラインの前記駆動時間以外の非駆動時間との比が、リフレッシュレートの変更前後で一定に保たれるように、当該ゲート信号ラインの駆動時間を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
複数の画素を有する表示パネルと、
請求項1または2に記載の駆動装置を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
前記複数の画素の各々が有するスイッチング素子の半導体層には、酸化物半導体が用いられていることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記酸化物半導体は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)から構成される酸化物であることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子書籍端末、スマートフォン、携帯電話、PDA(携帯型情報端末)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション装置等の各種情報端末においては、液晶表示装置等の比較的薄型の表示装置が多く利用されている。このような表示装置においては、消費電力を低下させることや、表示画質を向上させることが共通の課題となっている。そこで、従来、表示装置に関し、このような課題を解決することを目的とした様々な技術が考案されている。
【0003】
例えば、表示画質を向上させるための技術として、リフレッシュレートを上げる方法が挙げられる。例えば、動画を表示する際に、リフレッシュレートを「60Hz(すなわち、60fps)」から「120Hz(すなわち、120fps)」に上げることにより、より滑らかな動きを表現することができるとともに、フリッカなどの表示不具合の発生を抑制することができる。
【0004】
しかしながら、リフレッシュレートが高まるにつれて、その分表示パネルの走査回数が増加するため、消費電力が増加することとなる。このため、表示画質の向上よりも消費電力の低減を重視する場合には、反対に、リフレッシュレートを下げるといった技術が用いられる場合がある。
【0005】
例えば、下記特許文献1には、擬似輪郭が発生しやすい時またはそれが目立つ映像表示時には、積極的にリフレッシュレートを高速化して画質を改善し、擬似輪郭が発生しにくい場合または発生しても目立たない映像の場合には、積極的にリフレッシュレートを下げて低消費電力化する技術が開示されている。
【0006】
一方、液晶表示装置においては、液晶の応答時間に対する書き込み時間が短いと、その電圧保持率が低下し、結果的にコントラスト比の低下を招くことが知られている。特に近年では、表示パネルの高解像度化が顕著であり、これに伴って各走査線に対する書き込み時間が短くなってきているため、このような問題が生じ易い。
【0007】
そこで、このような問題を解決すべく、下記引用文献2には、2線同時駆動法(ダブルスキャン式)を用いて、各走査線に対して2回の書き込みを行うことにより、液晶の電圧保持率を高めるといった技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国公開特許公報「特開2010−145810号公報(公開日:2010年7月1日)」
【特許文献2】日本国公開特許公報「特開平10−96893号公報(公開日:1998年4月14日)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(従来の表示装置によるリフレッシュレートの変更例)
ここで、図5を参照して、従来の表示装置によるリフレッシュレートの変更例を説明する。図5は、従来の表示装置によるリフレッシュレートの変更例を示す図である。
【0010】
図5(a)〜(c)は、フレーム期間の構成、および、各フレーム期間における各ゲート信号ラインの駆動パルスのパルス波形を示すものである。このうち、図5(a)は、通常駆動時を示す。また、図5(b)は、リフレッシュレートの変更時(通常駆動時の1/2)を示す。また、図5(c)は、リフレッシュレートの変更時(通常駆動時の1/3)を示す。
【0011】
一方、図5(a)〜(c)において、Vsyncは、フレーム期間毎に発生する垂直同期信号のパルス波形を示す。また、Vg(0)は、1行目(先頭行)のゲート信号ラインの駆動パルスのパルス波形を示す。また、Vg(m)は、m行目のゲート信号ラインの駆動パルスのパルス波形を示す。そして、Vg(M)は、M行目(末尾行)のゲート信号ラインの駆動パルスのパルス波形を示す。
【0012】
この図5では、従来の表示装置により、複数のゲート信号ラインを走査しないフレーム期間(以下、「休止期間」と示す)を設けることにより、表示パネルのリフレッシュレートを変更する例を示している。
【0013】
例えば、従来の表示装置では、通常駆動時(すなわち、基準のリフレッシュレートによる表示パネルの駆動時)には、図5(a)に示すように、複数のゲート信号ラインを走査するフレーム期間(以下、「走査期間」と示す)が複数連続して設けられる。例えば、通常駆動時のリフレッシュレートが60Hzの場合は、1秒間あたり60回の走査期間が連続して設けられる。
【0014】
そして、従来の表示装置は、リフレッシュレート変更時には、一部のフレーム期間を、休止期間に変更する。例えば、リフレッシュレートを60Hzから30Hzへ変更する場合は、図5(b)に示すように、1つの走査期間と1つの休止期間とが交互に設けられ、走査期間と休止期間との比が1:1となるように、リフレッシュレート変更前の複数のフレーム期間のうち、該当するフレーム期間を走査期間から休止期間に変更する。これにより、1秒間あたりの走査回数が30となり、表示パネルのリフレッシュレートは、60Hzから30Hzへ変更されることとなる。
【0015】
同様に、リフレッシュレートを60Hzから20Hzへ変更する場合は、図5(c)に示すように、1つの走査期間と2つの休止期間とが交互に設けられ、走査期間と休止期間との比が1:2となるように、リフレッシュレート変更前の複数のフレーム期間のうち、該当するフレーム期間を走査期間から休止期間に変更する。これにより、1秒間あたりの走査回数が20となり、表示パネルのリフレッシュレートは、60Hzから20Hzへ変更されることとなる。
【0016】
このように、休止期間を設けることによりリフレッシュレートを変更することで、表示パネルの走査期間を短時間化することができるため、走査期間の長さを調整することによりリフレッシュレートを変更するよりも、消費電力を削減することができる。
【0017】
ここで、図5(a)〜(c)に示すとおり、リフレッシュレートの変更前後において、各ゲート信号ラインの駆動期間(ON電圧(Hiレベル電圧)が印加されている期間)の長さは変化しない。これに対し、リフレッシュレートの変更前後において、各ゲート信号ラインの非駆動期間(上記駆動期間以外の期間であり、OFF電圧(Loレベル電圧)が印加されている期間)の長さは変化する。
【0018】
例えば、図5(a)〜(c)に示す例では、リフレッシュレートに関わらず、各ゲート信号ラインの駆動パルスのパルス数は「1」であり、そのパルス幅も固定されたままである。
【0019】
これに対し、例えば、リフレッシュレートを1/2に変更(例えば、60Hzから30Hzに変更)した場合、走査期間と休止期間との比が1:1となるように、1つの走査期間と1つの休止期間とが交互に設けられるため、各ゲート信号ラインの非駆動期間の長さは、2つの休止期間分(例えば、2/60秒)に延長される。
【0020】
また、リフレッシュレートを1/3に変更(例えば、60Hzから20Hzに変更)した場合、走査期間と休止期間との比が1:2となるように、1つの走査期間と2つの休止期間とが交互に設けられるため、各ゲート信号ラインの非駆動期間の長さは、3つの休止期間分(例えば、3/60秒)に延長される。
【0021】
このように、休止期間を設けることによってリフレッシュレートを変更する構成を採用した場合、従来の表示装置では、リフレッシュレートの変更に伴い、各ゲート信号ラインの駆動期間の長さと非駆動期間の長さとのデューティ比(以下、「ON/OFF比率」と示す。)が変動してしまう。特に近年では、画素のスイッチング素子のOFF特性の向上に伴い、休止期間を長時間化することが可能となっているため、このようなON/OFF比率の変動が生じ易くなっている。
【0022】
また、上記特許文献2に記載されているように、単に各ゲート信号ラインに対する走査時の書き込み回数を増加するだけでは、やはり各ゲート信号ラインのON/OFF比率が変動してしまう。
【0023】
そして、このようなON/OFF比率の変動は、各画素を構成するスイッチング素子の閾値電圧の変動を招いてしまう。
【0024】
各画素のスイッチング素子は、そのスイッチング素子を予め定められたON/OFF比率で動作させたときに、予め定められたON電圧およびOFF電圧で動作するように設計されている。このため、上記したように、表示パネルのリフレッシュレートを大きく変更したり、各ゲート信号ラインに対する走査時の書き込み回数を増加したりしてしまうと、各スイッチング素子のON/OFF比率も大きく変更されてしまい、これにより、各スイッチング素子の閾値電圧にズレが生じてしまう。その結果、各スイッチング素子が予め定められたON電圧およびOFF電圧で動作できなくなってしまう。
【0025】
(スイッチング素子の閾値電圧の変動)
ここで、図6および図7を参照して、スイッチング素子のON/OFF比率の変動による、その閾値電圧が変動する例について説明する。図6は、表示パネルの画素に用いられるスイッチング素子の特性を示す図である。図7は、スイッチング素子のON/OFF比率と、閾値電圧Vthの安定度とを、表示パネルの画像解像度毎に示す表である。このときの駆動方法は休止駆動を用いていない例である。
【0026】
図7に示すように、あるスイッチング素子を、VGAサイズ(640×480画素)の表示パネルに用いた場合、そのスイッチング素子のON/OFF比率は「0.17%」となる。この場合、図7において上記閾値電圧Vthの安定度が「◎」と示されているように、スイッチング素子を正常に動作させることができる。
【0027】
例えば、図6に示すように、所定の電圧Vghを印加したときには、ON状態で安定し、所定の電圧Vglを印加した場合には、OFF状態で安定する。すなわち、このスイッチング素子は、そのON/OFF比率が「0.17%」となるような表示パネルに用いた場合に、上記電圧Vghおよび上記電圧Vglによって、安定して動作するものであることが分かる。
【0028】
一方、図7に示すように、XGAサイズ(1024×768画素)、FHDサイズ(1920×1080画素)、QXGAサイズ(2048×1536画素)、QFHDサイズ(3840×2160画素)、8K4Kサイズ(7680×4320画素)というように、表示パネルの画像解像度が高まるにつれ、上記ON/OFF比率は、「0.11%」、「0.08%」、「0.05%」、「0.04%」、「0.02%」というように、次第に小さくなっていく。
【0029】
この場合、図6に示すように、上記ON/OFF比率が小さくなるにつれ、上記閾値電圧Vthが低電圧側にシフトしていく。このシフト量が大きいと、スイッチング素子が正常に動作することができなくなってしまう。例えば、上記ON/OFF比率が「0.08%」以下になると、図7において閾値電圧Vthの安定度が「△」または「×」と示されているように、スイッチング素子を正常に動作させることができなくなる。
【0030】
例えば、上記電圧Vglを印加したにも関わらず、スイッチング素子がON状態からOFF状態に切り替わらないといった不具合が生じてしまう。
【0031】
このようなON/OFF比率の低下よるスイッチング素子の動作不具合は、表示パネルの画像解像度が高められた場合のみならず、図5を参照して説明したように、リフレッシュレートの変更により走査期間と休止期間との比が変更された場合にも生じ得る。
【0032】
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示パネルのリフレッシュレート変更に伴うスイッチング素子の動作不具合が発生し難い表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上述した課題を解決するため、本発明に係る駆動装置は、複数の画素を有する表示パネルを駆動する駆動装置であって、前記表示パネルが有する複数のゲート信号ラインを順次走査する走査期間と、前記複数のゲート信号ラインの順次走査を休止する休止期間とをそれぞれ設定することにより、前記表示パネルのリフレッシュレートを変更するリフレッシュレート変更手段と、前記走査期間と前記休止期間との比に応じて、前記走査期間において各ゲート信号ラインを駆動する駆動時間を制御する駆動量制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、表示パネルのリフレッシュレートの変更に応じて、各スイッチング素子のON/OFF比率を適切なものへと調整することができる。これにより、スイッチング素子の閾値電圧のシフトを抑制することができる。よって、表示パネルのリフレッシュレート変更に伴うスイッチング素子の動作不具合が発生し難い表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】実施形態1に係る表示装置の全体構成を示す図である。
図2】実施形態1に係る表示装置による、リフレッシュレートの変更例、および各ゲート信号ラインの駆動期間の長さの制御例を示す図である。
図3】実施形態2に係る表示装置による、リフレッシュレートの変更例、および各ゲート信号ラインの駆動期間の長さの制御例を示す図である。
図4】酸化物半導体を用いたTFTを含む、各種TFTの特性を示す図である。
図5】従来の表示装置によるリフレッシュレートの変更例を示す図である。
図6】表示パネルの画素に用いられるスイッチング素子の特性を示す図である。
図7】スイッチング素子のON/OFF比率と、閾値電圧の安定度とを、表示パネルの解像度毎に示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(実施形態1)
本発明に係る実施形態について、図面を参照して以下に説明する。まず、本発明に係る実施形態1について説明する。
【0037】
(表示装置の構成)
はじめに、図1を参照して、実施形態1に係る表示装置1の構成例について説明する。図1は、実施形態1に係る表示装置1の全体構成を示す図である。
【0038】
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル2、ディスプレイ駆動回路10、および電源生成回路28を備えている。このうち、ディスプレイ駆動回路10は、タイミングコントローラ12、走査線駆動回路14、信号線駆動回路16、および共通電極駆動回路18を備えている。
【0039】
この表示装置1は、電子書籍端末、スマートフォン、携帯電話、PDA、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション装置等において、各種情報を表示するための表示装置として搭載されるものである。本実施形態では、表示装置1としてアクティブマトリクス型の液晶表示装置を採用している。したがって、本実施形態の表示パネル2は、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルであり、上記したその他の構成要素は、このような液晶表示パネルを駆動するように構成されている。
【0040】
(表示パネル)
表示パネル2は、複数の画素、複数のゲート信号ラインG、および複数のソース信号ラインSを備えている。
【0041】
複数の画素は、複数の画素列および複数の画素行からなる、いわゆる格子状に配設されている。
【0042】
複数のゲート信号ラインGは、画素列方向(画素列に沿った方向)に並設されている。複数のゲート信号ラインGの各々は、複数の画素行のうちの対応する画素行の各々の画素に対して電気的に接続されている。
【0043】
複数のソース信号ラインSは、画素行方向(画素行に沿った方向)に並設されており、いずれも複数のゲート信号ラインGの各々と直交している。複数のソース信号ラインSの各々は、複数の画素列のうちの対応する画素列の各々の画素に対して電気的に接続されている。
【0044】
図1に示す例では、表示パネル2には、N列×M行に配設された複数の画素が設けられていることに応じて、N本のソース信号ラインS、およびM本のゲート信号ラインGが設けられている。
【0045】
(走査線駆動回路)
走査線駆動回路14は、複数のゲート信号ラインGを順次選択して走査する。具体的には、走査線駆動回路14は、複数のゲート信号ラインGを順次選択し、選択したゲート信号ラインGに対して、当該ゲート信号ラインG上の各画素に備えられたスイッチング素子(TFT)をONに切り替えるためのON電圧を供給する。
【0046】
(信号線駆動回路)
信号線駆動回路16は、ゲート信号ラインGが選択されている間、そのゲート信号ラインG上の各画素に対して、対応するソース信号ラインSから、画像データに応じたソース信号を供給する。具体的に説明すると、信号線駆動回路16は、入力された映像信号に基づいて、選択されたゲート信号ラインG上の各画素に出力すべき電圧の値を算出し、その値の電圧をソース出力アンプ(図示を省略する)から各ソース信号ラインSに向けて出力する。その結果、選択されたゲート信号ラインG上の各画素に対してソース信号が供給され、このソース信号が書き込まれることとなる。
【0047】
(共通電極駆動回路)
共通電極駆動回路18は、複数の画素の各々に設けられている共通電極に対し、当該共通電極を駆動するための所定の共通電圧を供給する。
【0048】
(タイミングコントローラ)
タイミングコントローラ12には、外部(図1に示す例では、システム側コントロール部30としているが、これに限らない。)から映像信号および制御信号が入力される。ここでいう映像信号とは、クロック信号、同期信号、画像データ信号を含んでいる。また、制御信号には、リフレッシュレートの変更指示が含まれる場合がある。そして、タイミングコントローラ12は、この映像信号および制御信号に従って、図1において実線矢印で示されているように、各駆動回路が同期して動作するための各種制御信号を各駆動回路に対して出力する。
【0049】
例えば、タイミングコントローラ12は、走査線駆動回路14に対して、ゲートスタートパルス信号、ゲートクロック信号GCK、およびゲート出力制御信号GOEを供給する。走査線駆動回路14は、ゲートスタートパルス信号を受け取ると、複数のゲート信号ラインGの走査を開始する。そして、走査線駆動回路14は、ゲートクロック信号GCKおよびゲート出力制御信号GOEに従って、各ゲート信号ラインGに対して、順次ON電圧を供給していく。
【0050】
また、タイミングコントローラ12は、信号線駆動回路16に対して、ソーススタートパルス信号、ソースラッチストローブ信号、およびソースクロック信号を出力する。信号線駆動回路16は、ソーススタートパルス信号に基づいて、入力された各画素の画像データをソースクロック信号に従ってレジスタに蓄え、次のソースラッチストローブ信号に従って、各ソース信号ラインSに対し、画像データに応じたソース信号を供給する。
【0051】
(電源生成回路)
電源生成回路28は、外部(図1に示す例では、システム側コントロール部30としているが、これに限らない。)から供給された入力電源から、走査線駆動回路14、信号線駆動回路16、および共通電極駆動回路18が必要とする電圧の各々を生成する。そして、図1において点線矢印で示されているように、電源生成回路28は、走査線駆動回路14、信号線駆動回路16、および共通電極駆動回路18の各々に対して、生成した電圧を供給する。
【0052】
(表示装置1のさらなる機能)
ここで、表示装置1が備えるさらなる機能について説明する。表示装置1は、リフレッシュレート変更部15および駆動量制御部20をさらに備えている。図1に示す例では、リフレッシュレート変更部15および駆動量制御部20は、タイミングコントローラ12に備えられているが、これに限らず、タイミングコントローラ12以外の回路等に備えられていてもよい。
【0053】
(リフレッシュレート変更部15)
リフレッシュレート変更部15は、表示パネル2のリフレッシュレートを変更する。リフレッシュレートとは、表示パネル2の表示を書き換える頻度を示すものである。例えば、リフレッシュレートが「60Hz」の場合は、1秒間に60回表示パネル2の表示を書き換え(すなわち、1秒間に60フレームを表示し)、リフレッシュレートが「30Hz」の場合は、1秒間に30回表示パネル2の表示を書き換える(すなわち、1秒間に30フレームを表示する)ということである。
【0054】
一般的に、表示パネルにおいては、リフレッシュレートが高くなるほど、表示画質が良くなる一方、書き換えの頻度が高くなるために、消費電力が高くなる。したがって、例えば、動画を表示する場合や、高画質モードが選択された場合等、表示画質を優先する場合には、リフレッシュレートが高く設定され、静止画を表示する場合や、低消費電力モードが選択された場合等、低消費電力を優先する場合には、リフレッシュレートが低く設定される場合がある。
【0055】
本実施形態では、表示装置1は、リフレッシュレートの変更指示を外部装置(例えば、システムコントロール部30)から受け取る。これに応じて、リフレッシュレート変更部15が、リフレッシュレートを変更する。
【0056】
表示パネル2のリフレッシュレートが変更されると、表示装置1の各部は、タイミングコントローラ12からの各種制御信号に従って、変更後のリフレッシュレートで表示パネル2が表示動作を行うように、表示パネル2を駆動することとなる。
【0057】
(駆動量制御部20)
駆動量制御部20は、表示パネル2のリフレッシュレートを決定付ける、走査期間と休止期間との比に応じて、各ゲート信号ラインGに供給する電荷量を制御する。
【0058】
具体的には、駆動量制御部20は、複数のゲート信号ラインGの各々について、当該ゲート信号ラインGのON/OFF比率(駆動期間の長さと非駆動期間の長さとのデューティ比)が一定に保たれるように、各ゲート信号ラインGに供給する電荷量を制御する。特に、本実施形態の駆動量制御部20は、各当該ゲート信号ラインGの駆動期間の長さを制御することにより、各ゲート信号ラインGに供給する電荷量を制御する。
【0059】
ここでいうゲート信号ラインGの駆動期間とは、そのゲート信号ラインGにON電圧(Hiレベル電圧)が印加されている期間を意味する。一方、ゲート信号ラインGの非駆動期間とは、上記駆動期間以外の期間であり、すなわち、そのゲート信号ラインGにOFF電圧(Loレベル電圧)が印加されている期間を意味する。
【0060】
(リフレッシュレートの変更例および駆動期間の長さの制御例)
以下、図2を参照して、実施形態1に係る表示装置1による、リフレッシュレートの変更例、および各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さの制御例を説明する。図2は、実施形態1に係る表示装置1による、リフレッシュレートの変更例、および各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さの制御例を示す図である。
【0061】
図2(a)〜(c)は、フレーム期間の構成、および、各フレーム期間における各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス波形を示すものである。このうち、図2(a)は、通常駆動時を示す。また、図2(b)は、リフレッシュレートの変更時(通常駆動時の1/2)を示す。また、図2(c)は、リフレッシュレートの変更時(通常駆動時の1/3)を示す。以下、通常駆動時のリフレッシュレートが60Hzであるものとして、説明する。
【0062】
一方、図2(a)〜(c)において、Vsyncは、フレーム期間毎に発生する垂直同期信号のパルス波形を示す。また、Vg(0)は、1行目(先頭行)のゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス波形を示す。また、Vg(m)は、m行目のゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス波形を示す。そして、Vg(M)は、M行目(末尾行)のゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス波形を示す。
【0063】
(リフレッシュレート:通常駆動時)
図2(a)に示すように、通常駆動時(すなわち、リフレッシュレートが60Hzの場合)の場合、休止期間が設けられず、複数の走査期間が連続して設けられる。各走査期間において、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス数は「1」である。すなわち、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さは、「1」パルス分であり、各ゲート信号ラインGの非駆動期間の長さは、「1」フレーム期間分(すなわち、1/60秒)である。すなわち、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率は「1:1」である。
【0064】
(リフレッシュレート:通常駆動時の1/2)
図2(b)に示すように、リフレッシュレートが通常駆動時の1/2(すなわち、30Hz)に変更された場合、走査期間と休止期間との比が1:1となるように、1つの走査期間と1つの休止期間とが交互に設けられる。
【0065】
これにより、各ゲート信号ラインGの非駆動期間の長さは、「2」フレーム期間分(すなわち、2/60秒)に延長される。これに応じて、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス数は、駆動量制御部20の制御により、「2」に増やされる。すなわち、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さは、「2」パルス分に変更される。これにより、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率は、リフレッシュレートの変更前と同じく、「1:1」に保たれる。
【0066】
(リフレッシュレート:通常駆動時の1/3)
図2(c)に示すように、リフレッシュレートが通常駆動時の1/3(すなわち、20Hz)に変更された場合、走査期間と休止期間との比が1:2となるように、1つの走査期間と2つの休止期間とが交互に設けられる。
【0067】
これにより、各ゲート信号ラインGの非駆動期間の長さは、「3」フレーム期間分(すなわち、3/60秒)に延長される。これに応じて、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス数は、駆動量制御部20の制御により、「3」に増やされる。すなわち、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さは、「3」パルス分に変更される。これにより、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率は、リフレッシュレートの変更前と同じく、「1:1」に保たれる。
【0068】
要するに、表示装置1は、走査期間と休止期間との比が1:0の場合(60Hzの場合)は、上記パルス数を「1」とし、走査期間と休止期間との比が1:1の場合(30Hzの場合)は、上記パルス数を「2」とし、走査期間と休止期間との比が1:2の場合(20Hzの場合)は、上記パルス数を「3」とする。表示装置1は、このように上記比に応じて適用する上記パルス数を、予め上記比と対応付けてメモリ等に格納しておいてもよく、上記比が変更される毎に算出してもよい。
【0069】
(効果)
このように、本実施形態に係る表示装置1(リフレッシュレート変更部15)は、各ゲート信号ラインGの走査を休止する休止期間を設けることにより、表示パネル2のリフレッシュレートを下げる構成を採用している。
【0070】
このようにリフレッシュレートが変更されると、走査期間と休止期間との比が変更されるが、本実施形態に係る表示装置1は、この変更に応じて、各ゲート信号ラインの駆動パルスのパルス数を変更することにより、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率を一定に保つことができる。これにより、本実施形態に係る表示装置1は、スイッチング素子の閾値電圧のシフトを抑制することが可能となっている。
【0071】
特に、本実施形態に係る表示装置1は、発生させる上記パルス数を変更することにより、上記ON/OFF比率を一定に保つ構成を採用しているため、簡単な構成によりコストを抑えつつ、上記ON/OFF比率を制御することが可能となっている。
【0072】
(実施形態2)
次に、図3を参照して、本発明に係る実施形態2について説明する。実施形態1では、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス数を制御することにより、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さを制御することとした。この実施形態2では、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス幅を制御することにより、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さを制御する例を説明する。なお、以下では、実施形態2に係る表示装置1に関し、実施形態1に係る表示装置1との相違点についてのみ説明する。その他の点については実施形態1の表示装置1と同様であるために、説明を省略する。なお、実施形態1(図2)の説明と同様に、以下、通常駆動時のリフレッシュレートが60Hzであるものとして、説明する。
【0073】
(リフレッシュレートの変更例および駆動期間の長さの制御例)
図3は、実施形態2に係る表示装置1による、リフレッシュレートの変更例、および各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さの制御例を示す図である。
【0074】
(リフレッシュレート:通常駆動時)
図3(a)に示すように、通常駆動時(すなわち、リフレッシュレートが60Hzの場合)の場合、休止期間が設けられず、複数の走査期間が連続して設けられる。各走査期間において、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス幅は「1」パルス分である。すなわち、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さは、「1」パルス分であり、各ゲート信号ラインGの非駆動期間の長さは、「1」フレーム期間分(すなわち、1/60秒)である。すなわち、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率は「1:1」である。
【0075】
(リフレッシュレート:通常駆動時の1/2)
図3(b)に示すように、リフレッシュレートが通常駆動時の1/2(すなわち、30Hz)に変更された場合、走査期間と休止期間との比が1:1となるように、1つの走査期間と1つの休止期間とが交互に設けられる。
【0076】
これにより、各ゲート信号ラインGの非駆動期間の長さは、「2」フレーム期間分(すなわち、2/60秒)に延長される。これに応じて、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス幅は、駆動量制御部20の制御により、「2」パルス分に増やされる。すなわち、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さは、「2」パルス分に変更される。これにより、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率は、リフレッシュレートの変更前と同じく、「1:1」に保たれる。
【0077】
(リフレッシュレート:通常駆動時の1/3)
図3(c)に示すように、リフレッシュレートが通常駆動時の1/3(すなわち、20Hz)に変更された場合、走査期間と休止期間との比が1:2となるように、1つの走査期間と2つの休止期間とが交互に設けられる。
【0078】
これにより、各ゲート信号ラインGの非駆動期間の長さは、「3」フレーム期間分(すなわち、3/60秒)に延長される。これに応じて、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス幅は、駆動量制御部20の制御により、「3」パルス分に増やされる。すなわち、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さは、「3」パルス分に変更される。これにより、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率は、リフレッシュレートの変更前と同じく、「1:1」に保たれる。
【0079】
要するに、表示装置1は、走査期間と休止期間との比が1:0の場合(60Hzの場合)は、上記パルス幅を「1」パルス分とし、走査期間と休止期間との比が1:1の場合(30Hzの場合)は、上記パルス幅を「2」パルス分とし、走査期間と休止期間との比が1:2の場合(20Hzの場合)は、上記パルス幅を「3」パルス分とする。表示装置1は、このように上記比に応じて適用する上記パルス幅を、予め上記比と対応付けてメモリ等に格納しておいてもよく、上記比が変更される毎に算出してもよい。
【0080】
(効果)
このように、本実施形態に係る表示装置1(リフレッシュレート変更部15)は、各ゲート信号ラインGの走査を休止する休止期間を設けることにより、表示パネル2のリフレッシュレートを下げる構成を採用している。
【0081】
このようにリフレッシュレートが変更されると、走査期間と休止期間との比が変更されるが、本実施形態に係る表示装置1は、この変更に応じて、各ゲート信号ラインの駆動パルスのパルス幅を変更することにより、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率を一定に保つことができる。これにより、本実施形態に係る表示装置1は、スイッチング素子の閾値電圧のシフトを抑制することが可能となっている。
【0082】
特に、本実施形態に係る表示装置1は、発生させる上記パルス幅を変更することにより、上記ON/OFF比率を一定に保つ構成を採用しているため、簡単な構成によりコストを抑えつつ、且つきめ細かく、上記ON/OFF比率を制御することが可能となっている。
【0083】
(表示パネル2の画素)
次に、上記各実施形態に係る表示装置1が備える表示パネル2の画素について説明する。
【0084】
上記各実施形態の表示装置1においては、表示パネル2が備える複数の画素の各々のTFTとして、いわゆる酸化物半導体を用いたTFTを採用しており、特に、上記酸化物半導体として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)から構成される酸化物である、いわゆるIGZO(InGaZnOx)が用いられているTFTを採用している。以下、酸化物半導体を用いたTFTの優位性を説明する。
【0085】
(TFT特性)
図4は、酸化物半導体を用いたTFTを含む、各種TFTの特性を示す図である。この図4では、酸化物半導体を用いたTFT、a−Si(amorphous silicon)を用いたTFT、およびLTPS(Low Temperature Poly Silicon)を用いたTFTの各々の特性を示す。
【0086】
図4において、横軸(Vg)は、上記各TFTにおいてゲートに供給されるON電圧の電圧値を示し、縦軸(Id)は、上記各TFTにおけるソース−ドレイン間の電流量を示す。
【0087】
特に、図中において「TFT−on」と示されている期間は、ON電圧の電圧値に応じたトランジスタのON状態を示し、図中において「TFT−off」と示されている期間は、OFF電圧の電圧値に応じたトランジスタのOFF状態を示す。
【0088】
図4に示すように、酸化物半導体を用いたTFTは、a−Siを用いたTFTよりも、ON状態の時の電子移動度が高い。
【0089】
図示は省略するが、具体的には、a−Siを用いたTFTは、そのTFT−on時のId電流が1uAであるのに対し、酸化物半導体を用いたTFTは、そのTFT−on時のId電流が20〜50uA程度である。
【0090】
このことから、酸化物半導体を用いたTFTは、a−Siを用いたTFTよりも、ON状態の時の電子移動度が20〜50倍程度高く、ON特性が非常に優れていることが分かる。
【0091】
また、図4に示すように、酸化物半導体を用いたTFTは、OFF状態のときのリーク電流が、a−Siを用いたTFTよりも少ない。
【0092】
図示は省略するが、具体的には、a−Siを用いたTFTは、そのTFT−off時のId電流が10pAであるのに対し、酸化物半導体を用いたTFTは、そのTFT−off時のId電流が0.1pA程度である。
【0093】
このことから、酸化物半導体を用いたTFTは、OFF状態のときのリーク電流が、a−Siを用いたTFTの1/100程度であり、リーク電流が殆ど生じない、OFF特性が非常に優れたものであることが分かる。
【0094】
上記各実施形態の表示装置1は、このような酸化物半導体(特に、IGZO)を用いたTFTを各画素に採用している。
【0095】
これにより、上記各実施形態の表示装置1は、各画素のTFTのON特性が優れたものとなるために、より小型のTFTで画素を駆動することができるので、各画素において、TFTが占める面積の割り合いを小さくすることができる。すなわち、各画素における開口率を高め、バックライト光の透過率を高めることができる。その結果、消費電力が少ないバックライトを採用したり、バックライトの輝度を抑制したりすることができるので、消費電力を低減することができる。
【0096】
また、上記各実施形態の表示装置1は、各画素のTFTのON特性が優れたものとなるために、各画素に対するソース信号の書き込み時間をより短時間化することもできるので、表示パネル2のリフレッシュレートを容易に高くすることができる。
【0097】
さらに、上記各実施形態の表示装置1は、各画素のTFTのOFF特性が優れたものとなるために、表示パネルの複数の画素の各々のソース信号が書き込まれている状態を長期間維持することができるので、高い表示画質を維持しつつ、表示パネル2のリフレッシュレートを容易に低くすることができるのである。
【0098】
(変形例)
以下、実施形態の変形例を説明する。
【0099】
(変形例1)
実施形態では、表示装置1は、外部装置からの指示に応じて、リフレッシュレートを変更することとした。これに限らず、例えば、表示装置1は、表示すべき映像データの内容に基づいて、リフレッシュレートを自ら変更することも可能である。
【0100】
この場合、例えば、表示装置1は、映像データをフレームメモリに格納しておき、このフレームメモリに格納されている映像データに基づいて、リフレッシュレートを変更してもよい。また、表示装置1は、リフレッシュレートの変更条件を、予めメモリ等に格納しておき、この変更条件に基づいてリフレッシュレートを変更してもよい。また、リフレッシュレートの変更条件は様々であってよい。例えば、表示装置1は、公知技術により映像データの動き量を算出し、この動き量が少ない場合は、リフレッシュレートを下げ、この動き量が多い場合は、リフレッシュレートを上げるようにしてもよい。
【0101】
また、フレーム毎に、画素値の総和をチェックサム値として算出し、このチェックサム値を以前のフレームのチェックサム値と比較することにより、リフレッシュレートを変更するようにしてもよい。例えば、チェックサム値の差が上限閾値以上の場合は、リフレッシュレートを上げるようにしてもよく、チェックサム値の差が下限閾値以下の場合は、リフレッシュレートを下げるようにしてもよい。
【0102】
(変形例2)
実施形態では、表示装置1は、各ゲート信号ラインGの駆動期間の長さ(すなわち、駆動パルスのパルス数またはパルス幅)を制御することにより、スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つこととした。これに限らず、表示装置1は、各画素の駆動電圧(ON電圧およびOFF電圧の少なくともいずれか一方)を制御することにより、スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つのと同様の効果を奏することができる。
【0103】
スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つということは、すなわち、スイッチング素子がON状態のときに画素に供給される第1の電荷量と、スイッチング素子がOFF状態のときに画素に供給される第2の電荷量との比を一定に保つということである。ここで、上記第1の電荷量をS1とし、上記第2の電荷量をS2とすると、S1およびS2は以下数式(1)および(2)によって求められる。
【0104】
S1=Vgon×Ton・・・(1)
S2=Vgoff×Toff・・・(2)
上記数式(1)において、Tonは、1回の書き込みの際の駆動期間(ON電圧が印加されている期間)の長さを示す。また、Vgonは、上記駆動期間において画素に印加される電圧値を示す。
上記数式(2)において、Toffは、1回の書き込みの際の非駆動期間(OFF電圧が印加されている期間)の長さを示す。また、Vgoffは、上記非駆動期間において画素に印加される電圧値の絶対値を示す。
【0105】
スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つということは、S2/S1を一定に保つということと考えられる。そこで、例えば、非駆動期間(すなわち、上記Toff)が延長されたことにより上記S2が増加した場合は、これに応じて、上記S1を増加させることで、上記S2/S1を一定に保つことができる。
【0106】
この場合、駆動期間(すなわち、上記Ton)を延長することにより、上記S1を増加させることができるだけでなく、上記電圧値Vgonを増加させることによっても、上記S1を増加させることができる。
【0107】
また、非駆動期間(すなわち、上記Toff)が延長されたことにより上記S2が増加したとしても、これに応じて、上記電圧値Vgoffを減少させることによって、上記増加分を相殺し、上記S2/S1を一定に保つこともできる。
【0108】
いずれの場合も、表示装置1は、スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つのと同様の効果を奏することができ、したがって、信頼性問題の1つとなるスイッチング素子の閾値電圧のシフトを抑えることができる。
【0109】
このように、本変形例2の表示装置1(駆動量制御部20)は、画素が駆動される期間である駆動期間に画素に供給する第1の電荷量(S1)と、上記駆動区間以外の非駆動期間に画素に供給する第2の電荷量(S2)との比が、リフレッシュレートの変更前後で一定に保たれるように、複数の画素の各々に印加するON電圧値(Vgon)を制御することによって、第1の電荷量(S1)を制御することができる。
【0110】
これにより、本変形例2の表示装置1は、各画素のON電圧値を制御することによって、各画素における第1の電荷量(S1)と第2の電荷量(S2)との比を一定に保つことができる。したがって、スイッチング素子のON/OFF比率を変更することなく、スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つのと同様の効果を奏することができる。
【0111】
また、本変形例2の表示装置1(駆動量制御部20)は、画素が駆動される期間である駆動期間に画素に供給する第1の電荷量(S1)と、上記駆動区間以外の非駆動期間に画素に供給する第2の電荷量(S2)との比が、リフレッシュレートの変更前後で一定に保たれるように、複数の画素の各々に印加するOFF電圧値(Vgoff)を制御することによって、第2の電荷量(S2)を制御することもできる。
【0112】
これにより、本変形例2の表示装置1は、各画素のOFF電圧値を制御することによっても、各画素における第1の電荷量(S1)と第2の電荷量(S2)との比を一定に保つことができる。したがって、スイッチング素子のON/OFF比率を変更することなく、スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つのと同様の効果を奏することができる。
【0113】
(補足説明)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0114】
例えば、実施形態に示した、リフレッシュレート等の各種設定値は、単なる例示にしか過ぎない。したがって、これらの設定値は、表示装置の特性や使用目的等により、当然、適切な値に変更され得るものである。
【0115】
また、実施形態1で説明したパルス幅の変更、実施形態2で説明したパルス数の変更、変形例2で説明した上記電圧値Vgonの変更、変形例2で説明した上記電圧値Vgoffの変更のうち、任意の複数の手法を組み合わせることによって、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率を一定に保つようにしてもよい。
【0116】
例えば、実施形態1で説明したパルス幅の変更と、実施形態2で説明したパルス数の変更との双方を組み合わせることにより、各ゲート信号ラインGのON/OFF比率を、リフレッシュレートの変更前後で一定に保つことも可能である。例えば、ゲート信号ラインの駆動期間がパルス幅「1」およびパルス数「1」によって規定されているときに、その駆動期間を3倍に変更する場合、パルス数を「1」としたまま、パルス幅を「3」に変更してもよいし、パルス幅を「1」としたまま、パルス数を「3」に変更してもよいし、パルス幅を「1.5」に変更するとともに、パルス数を「2」に変更してもよい。
【0117】
また、例えば、上記駆動期間を1.5倍に変更する場合、パルス数を「1」としたまま、パルス幅を「1.5」に変更してもよいし、パルス幅を「0.75」に変更するとともに、パルス数を「2」に変更してもよい。
【0118】
また、実施形態では、酸化物半導体(特に、IGZO)を用いたTFTを各画素に採用している表示装置へ本発明を適用する例を説明したが、これに限らず、a−Siを用いたTFTや、LTPSを用いたTFT等の、他のTFTを各画素に採用している表示装置にも、本発明を適用することができる。
【0119】
各実施形態では、リフレッシュレートを下げる例を説明したが、もちろん、実施形態の表示装置1は、単位時間あたりの走査期間数を増やすことにより、リフレッシュレートを上げることもできる。この場合、表示装置1は、リフレッシュレートを下げる場合とは反対に、各ゲート信号ラインGの駆動パルスのパルス数を減らしたり、パルス幅を狭めたりすることによって、各ゲート信号ラインGの駆動期間を減らすことにより、各スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つことができる。これにより、表示装置1は、スイッチング素子の閾値電圧のシフトを抑制することができる。
【0120】
(まとめ)
以上のように、本実施形態に係る駆動装置は、複数の画素を有する表示パネルを駆動する駆動装置であって、前記表示パネルが有する複数のゲート信号ラインを順次走査する走査期間と、前記複数のゲート信号ラインの順次走査を休止する休止期間とをそれぞれ設定することにより、前記表示パネルのリフレッシュレートを変更するリフレッシュレート変更手段と、前記走査期間と前記休止期間との比に応じて、前記走査期間において各ゲート信号ラインを駆動する駆動時間を制御する駆動量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0121】
この駆動装置によれば、表示パネルのリフレッシュレートを変更した場合であっても、上記走査期間と上記休止期間との比に応じて、上記走査期間における各ゲート信号ラインの駆動時間を制御することにより、各スイッチング素子のON/OFF比率を適切なものへと調整することができる。これにより、この駆動装置によれば、信頼性問題の1つとなるスイッチング素子の閾値電圧のシフトを抑えることができる。
【0122】
また、上記駆動装置において、前記駆動量制御手段は、前記複数のゲート信号ラインの各々について、当該ゲート信号ラインの駆動時間と、当該ゲート信号ラインの前記駆動時間以外の非駆動時間との比が、リフレッシュレートの変更前後で一定に保たれるように、当該ゲート信号ラインの駆動時間を制御することが好ましい。
【0123】
上記駆動時間と上記非駆動時間との比を一定に保つということは、スイッチング素子のON/OFF比率を一定に保つのと同様の効果を奏することができるということである。したがって、この構成によれば、より確実に、各スイッチング素子のON/OFF閾値のシフトを抑えることができる。なお、上記駆動時間と上記非駆動時間との比が完全に一定に保たれなくとも、少なくとも上記ON/OFF閾値のズレを許容範囲内に収めるような制御であれば、この制御は、ここで規定する「一定に保たれるように制御する」の範疇に含まれる。
【0124】
また、上記駆動装置において、前記駆動量制御手段は、前記複数のゲート信号ラインの各々について、当該ゲート信号ラインの駆動パルスのパルス幅を制御することにより、当該ゲート信号ラインの駆動時間を制御することが好ましい。
【0125】
この構成によれば、比較的簡単な構成により上記電荷量を制御できるため、コストを抑えつつ、各スイッチング素子のON/OFF比率を適切なものへと調整することができる。また、上記電荷量を無段階に制御できるため、各スイッチング素子のON/OFF比率を、きめ細かく調整することができる。
【0126】
また、上記駆動装置において、前記駆動量制御手段は、前記複数のゲート信号ラインの各々について、当該ゲート信号ラインの駆動パルスのパルス数を制御することにより、当該ゲート信号ラインの駆動時間を制御することが好ましい。
【0127】
この構成によれば、比較的簡単な構成により上記電荷量を制御できるため、コストを抑えつつ、各スイッチング素子のON/OFF比率を適切なものへと調整することができる。
【0128】
また、本実施形態に係る表示装置は、複数の画素を有する表示パネルと、上記駆動装置を備えたことを特徴とする。
【0129】
この表示装置によれば、上記駆動装置と同様の効果を奏する表示装置を提供することができる。
【0130】
上記表示装置において、前記複数の画素の各々が有するスイッチング素子の半導体層には、酸化物半導体が用いられていることが好ましい。特に、上記表示装置において、前記酸化物半導体は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)から構成される酸化物であることが好ましい。
【0131】
この構成によれば、各画素のON特性およびOFF特性が非常に優れたものとなり、リフレッシュレートの大幅な増減が容易に可能となるため、リフレッシュレートの変更に伴う、ON/OFF閾値のズレが生じ易く、よって、このズレを解消する必要性が高くなる。このため、このような表示装置において本実施形態の表示装置を適用することにより、より有用な効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明に係る駆動装置および表示装置は、複数のゲート信号ラインを順次走査することにより、マトリクス状に配置された複数の画素の各々のスイッチング素子を画素行単位で駆動する、いわゆるマトリクス型の各種表示装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 表示装置
2 表示パネル
10 ディスプレイ駆動回路(駆動装置)
12 タイミングコントローラ
14 走査線駆動回路
15 リフレッシュレート変更部(リフレッシュレート変更手段)
16 信号線駆動回路
18 共通電極駆動回路
20 駆動量制御部(駆動量制御手段)
28 電源生成回路
30 システム側コントロール部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7