特許第5833296号(P5833296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5833296
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】ティシュペーパー製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/16 20060101AFI20151126BHJP
   D21H 27/30 20060101ALI20151126BHJP
   D21H 23/50 20060101ALI20151126BHJP
   B31F 1/07 20060101ALI20151126BHJP
【FI】
   A47K10/16 D
   D21H27/30 B
   D21H23/50
   B31F1/07
【請求項の数】6
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2010-73790(P2010-73790)
(22)【出願日】2010年3月26日
(65)【公開番号】特開2011-206076(P2011-206076A)
(43)【公開日】2011年10月20日
【審査請求日】2013年3月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】花田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】石川 睦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信義
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第7517433(US,B2)
【文献】 特開2008−245780(JP,A)
【文献】 特開2002−347146(JP,A)
【文献】 特開2009−263837(JP,A)
【文献】 特表2005−513295(JP,A)
【文献】 特開2007−015379(JP,A)
【文献】 特表2007−524007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/16
D21H 11/00−27/42
B31F 1/00−7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次原反ロールからマルチスタンド式インターフォルダにセットするための複数の二次原反ロールを製造する工程と、
二次原反ロールをマルチスタンド式インターフォルダにセットし、セットされた二次原反ロールから二次連続シートを繰出して、隣接する二次連続シートの側端部相互が掛け合わされるように折り畳み積層して積層帯を製造する工程と、
積層帯を裁断して、上面にミシン目を有し、このミシン目を破断することで開口され、かつ前記開口がスリットを有するフィルムによって覆われている収納箱に収納する工程と、を有し、前記スリットから最上位のティシュペーパーを引き出すと、次のティシュペーパーの側端部が引き出されるようにした、ティシュペーパー製品の製造方法であって、
前記二次原反ロールを製造する工程が、
複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層工程と、
前記連続シートの両面から、噴霧状態で、保湿性を有するポリオールを70〜90質量%、水分を1〜15質量%、機能性薬品を0.01〜22質量%含む水系の薬液を、前記連続シートを構成する各連続シートにそれぞれ0.5〜1.5g/m2に付与する第一次薬液噴霧工程と、
第一次薬液噴霧工程を経た積層連続シートの両面から、噴霧状態で、保湿性を有するポリオールを70〜90質量%、水分を1〜15質量%、機能性薬品を0.01〜22質量%含む水系の薬液を、前記連続シートを構成する各連続シートにそれぞれ0.5〜1.5g/m2に付与する第二次薬液噴霧工程と、
積層連続シートをティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット工程と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻取ってティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールを形成する巻取り工程と、を有することを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項2】
前記第一次薬液噴霧工程が、前記積層工程の後であって、且つ、前記スリット工程の前に行われる、請求項1に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項3】
前記積層工程と前記第一次薬液噴霧工程との間に、カレンダーにて平滑化処理する平滑化工程を有する、請求項2に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項4】
前記第二次薬液噴霧工程と前記スリット工程との間に、前記積層連続シートに対して層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス工程を有する、請求項2に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項5】
記第一次薬液噴霧又は第二次薬液噴霧による薬液付与がノズル式噴霧方式によるものである、請求項1に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項6】
記第一次薬液噴霧又は第二次薬液噴霧による薬液付与がローターダンプニング噴霧方式によるものである、請求項1に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチスタンド式インターフォルダを用いるティシュペーパー製品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパーの箱詰め製品は、一般的に、インターフォルダ(折り畳み設備)によって複数の連続するティシュペーパーを折り畳みながら積み重ね、所定の長さに切断するなどしてティシュペーパー束を得、このティシュペーパー束を収納箱(ティシュカートン)内に収納することによって製造される。
このようなインターフォルダの例として、下記特許文献1、2に開示されるようなマルチスタンド式(多連式)インターフォルダや、下記特許文献3、4に開示されるようなロータリー式インターフォルダなどが知られている。
マルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法の従来例としては、次のようなものがある。すなわち、抄紙設備において薄葉紙を抄造して巻き取ることで一次原反ロール(一般にジャンボロールともいわれている)を製造し、次いで、この一次原反ロールをプライマシンにセットし、複数の一次原反ロールから繰り出した一次連続シートを重ね合わせて巻き取ると共にスリット(幅方向にティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅に分割)し、複数のプライからなる二次原反ロールを製造する。
プライマシンで製造された二次原反ロールは、プライマシンから取り出された後、必要な数だけマルチスタンド式インターフォルダにセットされる。次いで、二次原反ロールから二次連続シートを繰り出して、折畳機構部へ送り込み、ここで折り畳みながら積み重ね、その後、所定の長さに切断されてティシュペーパー束とし、収納箱内に収納する。
このようなマルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法は、他の折り畳み設備を用いた製造方法に比べて、多数(通常80〜100基)の折畳み機構を有しているため生産性が高いという利点を有している。
【0003】
ところで、近年では、ティシュペーパー製品に保湿剤や香料などの薬液(通常「ローション薬液」とも呼ばれる)を付与されたものの需要が拡大しており、例えば下記特許文献5〜7に開示されるような製造方法や設備が種々提案されている。このようなローション薬液を含有させたティシュペーパー製品は、主にロータリー式インターフォルダで製造されるのが一般的であった(例えば下記特許文献5)。しかし、ロータリー式インターフォルダは、加工方向と垂直方向に折畳みと裁断を同時に行なうため、生産性が低いという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許4052048号公報(特公昭55−1215号公報)
【特許文献2】特開2006−240750号公報
【特許文献3】特開昭61−37668号公報
【特許文献4】特開平5−124770号公報
【特許文献5】特開2004−322034号公報
【特許文献6】特表2008−525103号公報
【特許文献7】特開2008−264564号公報
【特許文献8】特開2008−245780号公報
【特許文献9】特開2008−183127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明者等は、薬液が付与されたティシュペーパー製品を、ロータリー式インターフォルダに比して生産性の高いマルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法で製造することを考えた。
しかし、マルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法で製造する場合、プライマシンやマルチスタンド式インターフォルダとは別に薬液付与工程を設けると、原反の移送の手間や多大な設備コストがかかってしまうという問題がある。また、薬液付与工程をマルチスタンド式インターフォルダ内に設けると、薬液を付与するティシュペーパー製品を製造するラインと、薬液を付与しないティシュペーパー製品を製造するラインとを別々に設ける必要があった。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、マルチスタンド式インターフォルダを用いてティシュペーパー製品を製造するにあたり、大幅な設備改造を要することなく、既設備のマイナーな改造で足りる生産性に優れたティシュペーパー製品の製造方法を提供することにある。他の課題は、後述の本発明の効果の欄の説明によって明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
一次原反ロールからマルチスタンド式インターフォルダにセットするための複数の二次原反ロールを製造する工程と、
二次原反ロールをマルチスタンド式インターフォルダにセットし、セットされた二次原反ロールから二次連続シートを繰出して、隣接する二次連続シートの側端部相互が掛け合わされるように折り畳み積層して積層帯を製造する工程と、
積層帯を裁断して、上面にミシン目を有し、このミシン目を破断することで開口され、かつ前記開口がスリットを有するフィルムによって覆われている収納箱に収納する工程と、を有し、前記スリットから最上位のティシュペーパーを引き出すと、次のティシュペーパーの側端部が引き出されるようにした、ティシュペーパー製品の製造方法であって、
前記二次原反ロールを製造する工程が、
複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層工程と、
前記連続シートの両面から、噴霧状態で、保湿性を有するポリオールを70〜90質量%、水分を1〜15質量%、機能性薬品を0.01〜22質量%含む水系の薬液を、前記連続シートを構成する各連続シートにそれぞれ0.5〜1.5g/m2に付与する第一次薬液噴霧工程と、
第一次薬液噴霧工程を経た積層連続シートの両面から、噴霧状態で、保湿性を有するポリオールを70〜90質量%、水分を1〜15質量%、機能性薬品を0.01〜22質量%含む水系の薬液を、前記連続シートを構成する各連続シートにそれぞれ0.5〜1.5g/m2に付与する第二次薬液噴霧工程と、
積層連続シートをティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット工程と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻取ってティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールを形成する巻取り工程と、を有することを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
前記第一次薬液噴霧工程が、前記積層工程の後であって、且つ、前記スリット工程の前に行われる、請求項1に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
前記積層工程と前記第一次薬液噴霧工程との間に、カレンダーにて平滑化処理する平滑化工程を有する、請求項2に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
前記第二次薬液噴霧工程と前記スリット工程との間に、前記積層連続シートに対して層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス工程を有する、請求項2に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【0011】
〔請求項5記載の発明〕
記第一次薬液噴霧又は第二次薬液噴霧による薬液付与がノズル式噴霧方式によるものである、請求項1に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【0012】
〔請求項6記載の発明〕
記第一次薬液噴霧又は第二次薬液噴霧による薬液付与がローターダンプニング噴霧方式によるものである、請求項1に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【0013】
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る製造方法におけるスリット工程でティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるよう製造されたティシュペーパー製品用二次原反ロールは、この後段でマルチスタンド式インターフォルダに多数セットされる。次いで、マルチスタンド式インターフォルダにセットされた二次原反ロールから二次連続シートを繰り出して、折畳機構部へ送り込み、ここで折り畳みながら積み重ね、その後、所定の長さに切断されてティシュペーパー束とし、収納箱内に収納する。
【0015】
本発明においては、一次原反ロールからティシュペーパー製品用二次原反ロールを連続的に製造する、いわゆるプライマシン内に、第一次薬液噴霧工程及び第二次薬液噴霧工程を組み込んで、連続シートに薬液を付与するようにした。したがって、大幅な設備改造を要することなく、既設の抄紙設備及びプライマシンのマイナーな改造で足りるので、投資設備費が少ないもので足りる利点がある。
【0016】
しかも、マルチスタンド式インターフォルダ内に薬液付与又は付与工程を設けるのではなく、プライマシン内に、薬液噴霧工程を組み込むものであるために、薬液を噴霧したティシュペーパー製品と、薬液を噴霧しないティシュペーパー製品との切り換えは、単にティシュペーパー製品用二次原反ロールの薬液噴霧の有無によって切り換えればよいのであるから、生産性に優れたものである。
【0017】
また、マルチスタンド式インターフォルダ内に薬液付与工程を設ける場合には、たとえば積層連続シートの数分の多数の薬液付与装置を設けることが考えられるが、これでは設備費が嵩むばかりでなく、その設置スペースの確保に困難を極め、さらに各装置での付与量の正確な管理は実質的に無理である。この形態に比較して本発明の製造方法は、設備費及び付与量管理などの点が優れた利点をもたらすものである。
【0018】
ところで、マルチスタンド式インターフォルダによるティシュペーパーの製造ラインは、たとえば700〜1400M/分と高速とすることが考えられる。その場合には、プライマシンにおいても、生産速度のマッチングのために同様の700〜1400M/分程度の高速でプライ加工を行なうことが必要となる。かかる高速のプライマシンにおいて、たとえば薬液を、グラビア、フレキソ、ロール塗工方式などで付与する場合、主に高速で走行するシートと刷版ロールとの摩擦で紙粉が大量の発生し、塗工薬液中に混入し、その濃度が変化し、付与量のバラツキを招く。
特に、対象のシートに薬液を、ある程度多い付与量をもって付与しょうとする場合、一回の付与で目的の付与量を得ようとすると、たとえばフレキソ印刷の例ではアニロックスロールの線数を多くしかつセル容積率を高くする必要があるが、かかるアニロックスロールの使用条件は、より一層、塗工薬液中に混入した前記紙粉によってアニロックスロールの刷版の目詰まり現象を招き易いものとなり、その結果、付与量のバラツキを招きかつ安定した運転が困難となる。
そこで、薬液を2回に分けてシートに付与する形態を採ることにより、1回当たりの付与量を少なくし、結果として、アニロックスロールの目詰まり現象を避けることが考えられる。この薬液複数回付与の形態は、理論的には、アニロックスロールの目詰まり現象を防止するうえで効果的なはずであるが、現実には、シートと刷版ロールとの摩擦個所が2個所に増えるので、紙粉の発生量が多くなる傾向があり、現実には、アニロックスロールの目詰まり現象を避けることが困難である。
【0019】
他方、薬液を2回に分けてシートに付与する形態は、1回目の幅方向の薬液付与のバラツキを2回目の薬液付与のバラツキで相殺することができ、結果として、幅方向にバラツキの少ない付与形態となる利点がある。
しかし、刷版ロールと圧胴ロールとでシートを圧着する形態で薬液を付与するので、シートの繊維間隙が潰され、製品とした場合の嵩が出にくい。しかも、この傾向は、薬液を2回に分けてシートに付与する形態ではより顕著となる。薬液を含有するティシュペーパーが嵩高であるであると、消費者にとって「柔軟である」との感覚を与えるための重要なファクターである。
【0020】
本発明においては、第一次薬液噴霧工程と第二次薬液噴霧工程との2回付与を行なっているので、1回目に付与した幅方向の付与量のバラツキを2回目の付与量のバラツキで相殺することができ、結果として、幅方向に付与量のバラツキの少ない付与形態となる。
しかも、第一次薬液付与を薬液噴霧によって行なうようにしている。薬液噴霧ではシートの圧着形態での摩擦が生じないで、紙粉の発生がなく、安定した付与が可能である。また、繊維間隙が潰すことがないので、嵩高で消費者にとって「柔軟である」との感覚を与えるティシュペーパーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】抄紙した後、一次原反ロールを得る製造設備及び製造方法を示す概略図である。
図2】マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略説明図であり、ライン正面から見た状態を示している。
図3】マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略説明図であり、ラインの横断で見た状態を示している。
図4】マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略説明図であり、ライン本体のみを正面から見た状態を示している。
図5】折り畳まれたティシュペーパーの縦断面図である。
図6】(A)ティシュペーパー束を収納箱に収納している様子を示す図である。(B)収納箱に収納されたティシュペーパーの取出す様子を示す一部破断図である。
図7】折り板に関する部位の要部拡大斜視図である。
図8】二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。
図9】二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。
図10】二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。
図11】二次原反ロールの製造設備、製造方法を示す概略図である。
図12図11に示す例における第一次薬液噴霧手段による薬液噴霧状態の部分拡大概略説明図である。
図13】薬液噴霧手段の要部拡大図である。
図14】薬液噴霧手段の他の例を示す概略構成図である。
図15】薬液噴霧手段の他の例を示す概略構成図である。
図16】コンタクトエンボス手段によって積層連続シートにコンタクトエンボスを付与している様子を示す図である。
図17】その他の二次原反ロールの製造設備、製造方法を示す概略図である。
図18】その他の二次原反ロールの製造設備、製造方法を示す概略図である。
図19】その他の二次原反ロールの製造設備、製造方法を示す概略図である。
図20】その他の二次原反ロールの製造設備、製造方法を示す概略図である。
図21】積層連続シート(ティシュペーパー)の構造を示す模式図である。(A)薬液付与前のMD方向断面図、(B)薬液浸透工程前の上面図、(C)I−I矢視図。
図22】積層連続シート(ティシュペーパー)の表面凹凸構造を示す模式図である。(A)薬液付与前、(B)薬液付与後。
図23】薬液浸透工程を示す模式図である。
図24】ティシュペーパーのMMD値の測定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
〔一次原反ロールの製造設備・方法〕
一次原反ロールの製造設備及び製造方法の一例を、図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、予め調整された紙料を、ヘッドボックス301からワイヤーパート311に供給することで湿紙Wを形成し(フォーミング工程)、この湿紙Wを、プレスパート321のフェルト322に転送した後、一対の脱水ロール323、324によって挟持することで脱水する(脱水工程)。次いで、この脱水された湿紙Wを、ヤンキードライヤーフード332で一部覆われたヤンキードライヤー331の表面に付着させて乾燥し、ドクターブレード333によって引き剥がして乾紙S1とする(乾燥工程)。
そして、この乾紙S1を、案内ロール343、344により案内させながら、ワインディングドラム342を有する第1巻取り手段341によって、乾紙S1の裏面が一次原反ロールJRの軸側に対向するよう乾紙S1を巻き取ることで一次原反ロール(通称「ジャンボロール」)JRを形成する(第1巻取り工程)。なお、乾紙S1(後述の一次連続シートS11、S12)の裏面とは、ヤンキードライヤー331のシリンダと接していた面の反対側の面(反ドライヤー面)のことを意味する。
【0023】
上記の抄紙に際しては、紙料に、例えば分散剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、柔軟剤、剥離剤、接着剤、苛性ソーダ等のPH調整剤、消泡剤、防腐剤、スライムコントロール剤、染料、などの適宜の薬品を添加することができる。
【0024】
ドクターブレード117により引き剥がされた乾紙S1に対して、カレンダー手段(図示せず)によって平滑化処理を施すこともできる。
【0025】
〔ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備〕
上述の製造設備・方法などで製造された一次原反ロールJRを、図11に示すように、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1(プライマシンX1)に持ち込み、少なくとも2つ以上一次原反ロールJR、JRをセットするものである。
プライマシンX1は、これらの一次原反ロールJR、JRから繰り出した一次連続シート(図示例ではS11、S12)を、その連続方向に沿って積層して、図示例では2プライに積層した連続シートS2とするプライ手段51を有している。
【0026】
図示11に示す例では、プライ手段51は、一対の一次原反ロールJRから繰り出される一次連続シートS11、S12の表面が、それぞれ積層連続シートS2の表面となるよう構成されているが、一次連続シートS11、S12の裏面がそれぞれ積層連続シートS2の表面となるよう構成することもでき、さらに、一次連続シートS11、S12のどちらか一方の裏面が積層連続シートS2の表面となり、他方の表面が積層連続シートS2の表面となるよう構成することもできる。その中でも特に、一次連続シートS11、S12(乾紙S1)の表面は乾燥時にヤンキードライヤー331の艶出し面に接していることから裏面と比較して毛羽立ちが少なく滑らかで肌触りが良いため、一次連続シートS11、S12(乾紙S1)の表面が、それぞれ積層連続シートS2の表面となるよう構成することが最も好ましい。
【0027】
プライ手段51の後段には、プライ手段51から流れてくる積層連続シートS2に対して薬液を付与する、一対の第一次薬液噴霧手段40A、40B、その下流に第二次薬液噴霧手段53A、53Bが設けられており、これらの第二次薬液噴霧手段53A、53Bの後段には、並設された複数のカッターから成り、第二次薬液噴霧手段53A、53Bから移送されてきた積層連続シートS2をティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段55が配置されている。そして、スリット手段55の後段には、スリット手段55によってスリットされた積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRを形成する巻取り手段56が設けられている。ここで、この巻取り手段56は、スリットされた各積層連続シートS2を二次原反ロールRに案内するための2つのワインディングドラム56Aを有していて、これら2つのワインディングドラム56Aが二次原反ロールRの外周面に接して積層連続シートS2を案内している。
【0028】
(カレンダー手段)
ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1には、積層連続シートS2をカレンダー処理するカレンダー手段52を一つ以上設けることもできる。
カレンダー手段52におけるカレンダーの種別は、特に限定されないが、表面の平滑性向上と紙厚の調整の理由からソフトカレンダー又はチルドカレンダーとすることが好ましい。ソフトカレンダーとは、ウレタンゴム等の弾性材を被覆したロールを用いたカレンダーであり、チルドカレンダーとは金属ロールからなるカレンダーのことである。
カレンダー手段52の数は、適宜変更することができる。複数設置すれば加工速度が速くとも十分に平滑化できるという利点を有する一方、スペース的に不利となる。
二つ以上のカレンダー手段52を設置する場合、水平方向、上下方向、或いは斜め方向に並設することができ、また、これらの設置方向を組み合わせて配置しても良い。水平方向に並設すると、抱き角度を小さくなるため加工速度が高速とすることができ、上下方向に並設すると設置スペースを小さくすることができる。なお、ここで言う抱き角度とはロールの軸中心から見てシートが接している間(軸と直交する断面の円弧の一部)の角度を意味している(以下同じ)。
カレンダー処理条件におけるカレンダー種別、ニップ線圧、ニップ数なども制御要因として抄紙を行うようにし、これらの制御要因は、求めるティシュペーパーの品質すなわち紙厚や表面性によって適宜変更することが好ましい。
また、カレンダー手段52の設置位置は特に限定されないが、プライ手段51の後段であって且つ第一次薬液噴霧手段40A、40Bの前段が好ましい。第二次薬液噴霧手段53A、53Bの後段であって且つコンタクトエンボス手段54の前段とすることができるが、薬液が付与された繊維の間隙を圧着することになるので、嵩高を阻害する方向に作用するので、好ましい形態ではない。
【0029】
(薬液噴霧手段)
第一次薬液噴霧手段40A、40B及び第二次薬液噴霧手段53A、53Bの構造などは特に限定されないが、後に図示をもって説明する、ノズル式噴霧方式による場合のほか、ローターダンプニング噴霧方式によってもよい。
このうち、ノズル式噴霧装置における噴霧用ノズルの型式としては、環状に噴霧する空円錐型ノズル、円形状に噴霧する充円錐型ノズル、正方形状に噴霧する充角錐型、充矩型ノズル、扇型ノズル等が挙げられ、薬液が乾紙S2の幅方向に対して均一に噴霧されるように、ノズル径、ノズル数、ノズル配列パターン、ノズル配置数、あるいは噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、および噴霧液の濃度、粘度などを適宜選択して使用することができる。
【0030】
また、ノズル式噴霧装置において霧化する方法については、一流体方式、または二流体方式の2種類の方式を選択して使用することができる。このうち一流体噴霧方式は、噴霧する薬液に対して圧搾空気を用いて直接圧力をかけてノズルから霧滴噴射する、または噴出口付近のノズル側面に開けた微細な穴からノズル内に空気を吸引して霧滴噴射する方式である。また、二流体噴霧方式は、ノズル内部で圧搾空気を噴霧する液体と混合、微粒化する内部混合型、ノズル外部で圧搾空気を噴霧する液体と混合、微粒化する外部混合型、微霧化した霧滴粒子を相互に衝突させて、霧滴粒子をさらに均質化・微粒子化する衝突型等の方式が挙げられる。
【0031】
他方、ローターダンプニング噴霧装置については、高速回転する円盤上に噴霧する液を送り出し、円盤の遠心力によって液を微霧滴化する装置であり、円盤の回転数変更によって霧滴粒子径の制御を行い、円盤上への送液量変更によって噴霧液量(付与量)の制御を行なうものである。ローターダンプニング噴霧装置は、少ない量の噴霧液量を霧滴の飛散を抑えつつ、顔料塗被紙表面に均一に付与することができ、かつ噴霧速度や霧の粒子径等の調整が容易である利点がある。
【0032】
薬液を乾紙S2表面に均一に噴霧付与するためには、霧化された薬液の霧滴粒子径はできる限り微小であることが好ましい。しかしながら、霧滴が細かくなりすぎると噴霧した空気の跳ね返りや乾紙S2表面に随伴する空気などによって霧滴が押し流され、特に乾紙S2の走行速度が速い場合などにおいては、霧滴が乾紙S2表面に付着しにくくなる。このため、噴霧付与方式においては噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、噴霧速度を、加えて二流体方式の場合には、噴霧用の薬液と圧搾空気の混合比、および薬液の濃度や粘度等を適宜調節し、付与条件に適した粒子径に調節することができ、さらに噴霧時に随伴空気の影響が大きい場合は、随伴空気を除去するための吸引装置や邪魔板(整流板)等の設置、および噴霧ノズル先端に高電圧を加えて霧滴粒子を帯電させて、顔料塗被紙への霧適の付着性を向上させる荷電電極(静電噴霧方式)などを追加してもよい。
乾紙S2表面に付与されずにミストとして浮遊している霧滴粒子は、吸引・回収して再度噴霧することができる。
【0033】
図12及び図13には、ノズル式噴霧方式、特に二流体方式の薬液噴霧手段40A、40B例を示した。この薬液噴霧手段(装置)40A、40Bは、中心に薬液通路40Aが、その周囲にエアー通路40Bが形成され、薬液通路40Aの先端から噴出された薬液を、エアー通路40Bから吐出されたエアーにより微霧化するものであり、ほぼ円錐形状に薬液を噴霧するようにしたものである。40Cは外部の保護ケーシングであり、紙粉などからノズルを保護すると共に、必要によりパージエアー通路40Dを通すエアーによりノズルの清掃を行なうことができるようにしたものである。この種の薬液噴霧手段40A、40Bは乾紙S2の幅方向に一つ又は複数間隔を置いて設けることができる。
【0034】
前述のように噴霧した薬液の跳ね返りや乾紙S2表面に随伴する空気などによって霧滴が押し流され、特に乾紙S2の走行速度が速い場合などにおいては、霧滴が乾紙S2表面に付着しにくくなる。そこで、必要ならば、図14に示すように、一流体方式又は二流体方式の薬液噴霧手段(噴霧ノズル)40A、40Bの周囲から、ケーシング40Eに形成したエアー供給路40Fから噴出させるエアーにより、薬液噴霧手段(噴霧ノズル)40A、40Bからの噴霧薬液を取り囲むと薬液が乾紙S2に好適に付与することができる。
【0035】
図15には、ローターダンプニング噴霧装置40Xの例を示した。これは必要により設けられる覆い収納室40P内に、回転ローター40Oを設け、回転ローター40Oの噴出口40Qから薬液を乾紙S2に噴霧付与するようにしたものである。
【0036】
第一次薬液噴霧手段40A、40Bでの乾紙S2対する薬液の付与量は、0.5〜1.5G/M2とするのが望ましく、より好ましくは0.7〜1.2G/M2とされる。第二薬液噴霧手段53A、53Bでの薬液の付与量も、0.5〜1.5G/M2とするのが望ましく、より好ましくは0.7〜1.2G/M2とされる。したがって、1プライに対し、合計で1.0〜3.0G/M2とするのが望ましい。2プライの製品を得る場合には、2プライ合計で2.0〜6.0G/M2とするのが望ましいが、特には2.5〜5.0G/M2とするが望ましい。第一次と第二次との間での薬液付与量のバランスを上記の比率とすることによって、前述の本発明の効果がより顕著に表われるのである。
なお、第一次薬液噴霧手段40A、40Bと、第二薬液噴霧手段53A、53Bとの間で、噴霧付与量に差があっても、付与後に二次原反ロールRとして保管された後、折り加工されるまでの時間(8時間以上)内に、プライ相互が接していることから、次第に薬液が浸透拡散し、両者の薬液付与量が均等化していきプライ間の付与量差は小さくなる。
【0037】
(薬液)
本発明で使用する薬液は、親和性を図るうえで、第一次薬液噴霧手段40A、40B及び第二次薬液噴霧手段53A、53Bで共通のものが好ましい。
第一次薬液噴霧手段40A、40B及び第二次薬液噴霧手段53A、53Bにより薬液を高速付与する観点から、粘度が40℃で1〜700MPA・S、特に50〜400MPA・S(40℃)とするのが好ましい。1MPA・Sより小さいと薬液が飛散しやすくなり、逆に700MPA・Sより大きいと連続シートへの付与量をコントロールしにくくなる傾向がある。
【0038】
薬液は、特に水系のものであり、その成分としてポリオールを70〜90質量%、水分を1〜15質量%、機能性薬品を0.01〜22質量%含むものとする。
【0039】
ポリオールとしてはグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類を含む。
【0040】
機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤はティシューに柔軟性を与えたり表面を滑らかにしたりする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
【0041】
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を維持させる薬剤として、親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
【0042】
また、機能性薬剤として、香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、薬液の発泡を抑え付与を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とすることが、薬液の粘度、付与量を安定させる上で好ましい。
薬液噴霧時の温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
【0043】
また、積層連続シートS2を構成する各一次連続シートのクレープ率に差異を設ける場合、クレープ率の高い方の一次連続シート側(図示例では一次連続シートS11側)により多くの薬液を付与することも提案される。2つの第一次薬液噴霧手段40A、40B又は第二次薬液噴霧手段53A、53Bのうち一方を多く薬液を付与することができ、例えば、一次連続シートS11に直接薬液を付与する第二次薬液噴霧手段53Bの方が、他方の第二次薬液噴霧手段53Aよりも多くの薬液を付与するのが望ましい。
このように、第二薬液噴霧手段53A、53B相互間で付与量に差があっても、付与後に二次原反ロールRとして保管された後、折り加工されるまでの時間(8時間以上)内に、プライ相互が接していることから、次第に薬液が浸透拡散し、両者の薬液付与量が均等化していきプライ間の付与量差は小さくなる。
【0044】
図21(A)は薬液付与前の2プライに積層された積層連続シートS2の断面図である(MD方向に平行に切断した断面図)。2プライに積層された積層連続シートS2の両面に薬液を付与するにあたり、両面の薬液量に差異を設け、図中においては一次連続シートS11の側に薬液を多く付与する。薬液付与後、積層連続シートS2が伸長しきる前に、コンタクトエンボスCEにより積層を一体化し、スリット手段55により製品幅にカットする(図21(B))。その後、積層連続シートS2を巻取り手段56で巻き取り、薬液を浸透させるため静置される。第二次薬液噴霧手段53で薬液が付与された積層連続シートS2を構成する一次連続シートS11、S12は主にMD方向に伸長する。その際、より多くの薬液が付与された一次連続シートS11が他方の一次連続シートS12より伸長率が大きくなるが、一次連続シートS11、S12はコンタクトエンボスCEで相互に固定されているため、より伸長した一次連続シートS11の表面にシワが生じる(図21(C))。積層する積層連続シートS2のクレープ率にも差異を設け、一次連続シートS11にクレープ率の高い原紙を使用すると、より一次連続シートS11と一次連続シートS12との伸長率に差異を生じさせることができる。
【0045】
クレープはヤンキードライヤー115にて原紙を乾燥後、ドクターブレード117によりヤンキードライヤー115から剥がした後、ドライヤースピードと巻取りスピードの差異によって形成される。このクレープはヤンキードライヤー115への紙の貼り付きにより形状を調整するが、この貼り付きに若干のばらつきがあることや、繊維原料が均等に分布していないことから、ミクロ的な視野で見ると立体的にクレープ形状には若干のバラツキが存在する。このバラツキはクレープ率が大きくなるほど顕著になる。
【0046】
このクレープのバラツキに伴い、薬液を付与した際の伸びにもバラツキが生じ、これが3次元的に細かな波打ちとして形成される。この波うちは原反シーズニング時には張力が働くため顕在化しないが、製品に加工し断裁した後に復元し顕在化する。シートへの薬液の付与量が多いほど、クレープが大きいほどクレープ形状の変化、シートの波打ちは大きく、逆にシートへの薬液の付与量が少ないほど、クレープが小さいほどクレープ形状の変化、シートの波打ちは小さい。このため、付与量だけでなく、クレープ率を変えることによって、嵩高効果を相乗させることができる。
【0047】
また品質について、クレープ率の異なる一次連続シートS11、S12を積層して製品化した場合、薬液付与を行わなければ、製品であるティシュペーパーは、両面でバルク感の異なるものとなる(図22(A))。しかし、より表面の凹凸の大きな(クレープ率の高い)一次連続シートS11により多くの薬液を付与することにより、一次連続シートS11は一次連続シートS12よりも高い伸び率で伸長するが、コンタクトエンボスによりMD方向と平行に固定されているため(図示せず)、一次連続シートS11は波打ち、積層シートの嵩が増加する。(図22(B))。
【0048】
薬液付与量に差異を設けることにより、製品の両面で肌触り、使用感が異なることが懸念されるが、二次原反ロールRを次の工程(折り加工等)へ供する前にロールの状態で静置することにより、薬液付与量の異なる一次連続シートS11、S12の表面が互いに相対した状態で保たれるため(薬液浸透工程、図23)、連続シート間の薬液成分が少しずつ転移し(図中グレー矢印)、その差異はシーズニング中に次第に軽減される。なお、図23中の白抜き矢印は薬液成分の浸透方向を示す。
【0049】
第二次薬液噴霧手段53の前後に配置される手段(図11の例ではカレンダー手段52及びコンタクトエンボス手段54)は、相互に近接して配置することが好ましい。そうすることによって、薬液が付与されないティシュペーパー製品を製造する場合には、積層連続シートS2を第二次薬液噴霧手段53の前段から後段に直接移送し、第二次薬液噴霧手段53を通さずに積層連続シートS2を通すだけでよくなるため、薬液付与の有無を容易に切り替えることが可能となる。例えば、図11に示すティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1では、薬液が付与されないティシュペーパー製品を製造する場合、図11において二点鎖線で示すように、積層連続シートS2をカレンダー手段52からコンタクトエンボス手段54に直接移送し、第二次薬液噴霧手段53を通さずに積層連続シートS2を流すだけで良い。
【0050】
ここで、前述のように、2プライでの合計付与量を2.5〜5G/M2とし、さらに、プライ原反ロールである二次原反ロールRの外周面の付与量を、二次原反ロールRの内周面の付与量より少なくする場合、紙の両面に対する薬液の合計付与量の内、二次原反ロールRの外周面への付与量は、全体の20%以上で50%未満が良いが、具体的な値は、二次原反ロールRの滑りと品質のバランス、シートの厚みや薬液の浸透性、転移性により最適条件が異なるので、上記の範囲で変化する。
【0051】
(コンタクトエンボス手段)
ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1には、積層連続シートS2に対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス手段54を設けることができる。
ここで、コンタクトエンボス手段54は、図16に示すように、金属ロール又は弾性ロールである受けロール54Bと表面に細かい凸部54Cを有する金属製で硬質のコロ54Aとが所定の圧力を有して相互に外周面同士を当接しつつ、それぞれ回転可能に設置されている。そして、積層連続シートS2におけるティシュペーパー製品の幅方向中央に該当する部分に対して、左右各2つずつ存在する凸部54Cと、受けロール54Bとの間で積層連続シートS2を挟みつつ搬送することで、積層連続シートS2に対して、積層連続シートS2の連続方向に沿って層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスCEを施すようになっている。
尚、このコンタクトエンボスCEを施すコロ54Aと対向した側の面を外周側として前述の巻取り手段56が、積層連続シートS2を巻取ることになる。
【0052】
このようにコンタクトエンボスCEを付与することによって、複数の一次連続シート(図示例ではS11、S12)を積層して成る積層連続シートS2の層間剥離を防止する。なお、コンタクトエンボスCEは、ティシュペーパー製品の端部が層間剥離し難くなるように、ティシュペーパー製品の幅方向両側部に位置するよう、形成されることが好ましい。
なお、コンタクトエンボス手段54の設置箇所は特に限定されないが、薬液付与手段53の後段であって且つスリット手段55の前段や、カレンダー手段52の後段であって且つ薬液付与手段53の前段とすることが考えられる。つまり、カレンダー手段52の後段であって且つスリット手段55の前段の何れかの箇所で有ればよいことになる。
【0053】
コンタクトエンボス手段54でコンタクトエンボスCEを付与する場合、積層連続シートS2に対して薬液を付与した後、0.3〜2.5秒、好ましくは0.3〜1.0秒以内にコンタクトエンボスCEを付与することも提案される。0.3秒未満であると薬液が原紙に十分吸収されないため、受けロール54Bやコロ54Aに薬液が付着して断紙したり、受けロール54Bやコロ54Aに汚れが付着したりする。2.5秒を超えると、薬液を付与した積層連続シートS2が伸びきるため、その後工程シワが生じにくくなり、嵩高なティシュペーパー製品を得づらくなる。また、積層連続シートS2が伸びきるとドロー変動に対応できる伸びが無くなり、また吸湿、吸水により引張強度が低下しているため、断紙し易くなり操業性が落ちるという問題もある。
【0054】
また、この接合工程において、本実施形態ではコロとして表面に細かい凸部54Cを有した金属製で硬質のコロ54Aを用いたが、積層連続シートS2に対して層間剥離を防止するライン状の接合部分が形成できればよく、例えばコロ54Aの替りに、表面に細かい針状の部材を有したローラをコロとすることもできる。
さらに、接合する為の手段としては上記例に限定されず、凸部の先端形状が、点状、正方形、長方形、円形、楕円形等の形状のものをコロとして用いても良く、凸部の先端形状が、細長い線状、細く斜めに伸びる線状等のものをコロとして用いても良い。
【0055】
他方、凸部の配列としては等間隔が考えられるが、千鳥状としたり、等間隔としなくとも良く、また、凸部を1列に配置してコンタクトエンボスを連続して付与する他に、凸部を2列以上の複数列配置することも考えられる。そして、コンタクトエンボスを緊密に複数列付与するように凸部が配置された群を複数並べて、複数のコンタクトエンボス群を付与するようにしても良い。尚、接合工程としては、上記のように機械的に圧力を加えて接合する他に、超音波等の他の手段により接合しても良い。
【0056】
図17に示すように、第二次薬液噴霧手段53とコンタクトエンボス手段54との間に、積層連続シートS2のテンションを制御するテンションコントロール手段57を設けることもできる。このテンションコントロール手段57は積層連続シートS2の撓み具合に合わせて上下動可能とされている。
また、図17に示す形態のようにテンションコントロール手段57を設ける場合、第二次薬液噴霧手段53の前段と、テンションコントロール手段57の後段とにカレンダー手段52を配置することも提案される。この場合、テンションコントロール手段57の後段に配置されたカレンダー手段52では、薬液付与時には、カレンダーロール52Aを受けロール52Bから積層連続シートS2の紙厚以上の距離だけ離間させて、積層連続シートS2に対して平滑化処理を行なわず素通しさせることも提案される(第2のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備及び製造工程)。
【0057】
(一次連続シート)
一次連続シートS11、S12の原料パルプは、特に限定されず、ティシュペーパー製品の用途に応じて適宜の原料パルプを選択して使用することができる。原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
【0058】
特に、原料パルプは、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合の配合割合(JIS P 8120)としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。
【0059】
一次連続シートS11、S12は、JIS P 8124による坪量が、10〜25G/M2とされ、好ましくは12〜20G/M2とされ、より好ましくは13〜16G/M2とされる。坪量が10G/M2未満であると、柔らかさの点においては好ましいが、適正な強度を確保することができなくなる。他方、坪量が25G/M2を超えると、硬くなりすぎて、肌触りが悪化する。
また、紙厚(尾崎製作所製ピーコックにより測定)は1プライで80〜250ΜM、好ましくは100〜200ΜM、より好ましくは130〜180ΜMとされる。
【0060】
一次連続シートS11、S12は、クレープ率が10〜30%であるのが好ましく、12〜25%であるのがより好ましく、13〜20%であるのが特に好ましい。クレープ率が10%未満であると、加工時に断紙しやすいとともに伸びの少ないコシのないティシュペーパー製品となる。他方、クレープ率が30%超過であると、加工時のシートの張力コントロールが難しく断紙しがちとなり、また、製造後にはシワが発生して見栄えの悪いティシュペーパー製品となる。
【0061】
一次連続シートS11、S12は、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)の縦方向が、2プライで200〜700CN/25MM、好ましくは250〜600CN/25MM、特に好ましくは300〜600CN/25MMとされ、他方、横方向が、2プライで100〜300CN/25MM、好ましくは130〜270CN/25MM、特に好ましくは150〜250CN/25MMとされる。原紙の乾燥引張強度が低すぎると、製造時及び使用時の断紙や伸び等のトラブルが発生し易くなり、高過ぎると使用時にごわごわした肌触りとなる。
【0062】
これらの紙力は公知の方法により調整でき、例えば、乾燥紙力増強剤を内添(ドライヤーパートよりも前の段階、例えばパルプスラリーに添加)する、パルプのフリーネスを低下(例えば30〜40ML程度低下)させる、NBKP配合率を増加(例えば50%以上に)する等の手法を適宜組み合わせることができる。
【0063】
乾燥紙力剤としては、澱粉、ポリアクリルアミド、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛等を用いることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等を用いることができる。湿潤紙力剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で5〜20KG/T程度とすることができる。また、乾燥紙力剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で0.5〜1.0KG/T程度とすることができる。
【0064】
〔ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程〕
次に、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程の一例を説明する。本形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程は、例えば、上述したティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1を用いて行うことができる。
図11に示すように、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程においては、プライ手段51で複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シート(図示例ではS11、S12)をその連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とし(積層工程)、この積層連続シートS2に対して一対の第一次薬液噴霧手段40によって薬液を付与し(第一次薬液付与工程)、その後に一対の第二次薬液噴霧手段53で薬液を付与し(第二次薬液噴霧工程)、スリット手段55によって積層連続シートS2をティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットし(スリット工程)、次に、スリット工程でスリットされた積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRを、巻き取り手段56によって形成する。
【0065】
なお、本形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程では、上述したティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1と同様に、積層工程の後段であって且つ薬液噴霧工程の前段に、積層連続シートS2に対して一対のカレンダー手段52で平滑化処理する平滑化工程を設けることもできる。また、薬液噴霧工程の後段であって且つスリット工程の前段に、積層連続シートS2に対してコンタクトエンボス手段54で層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス工程を設けることもできる。
【0066】
本実施形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備又は製造工程においては、加工速度は100〜1100M/分とされ、好ましくは350〜1050M/分とされ、より好ましくは450〜1000M/分とされる。100M/分未満だと生産性が低く、他方、1100M/分超過であると、積層連続シートS2の断紙する頻度が高くなり、薬液噴霧ムラが生じる可能性がある。
【0067】
〔マルチスタンド式インターフォルダ〕
上述のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備、製造工程で製造された二次原反ロールRは、マルチスタンド式インターフォルダに多数セットされ、セットされた二次原反ロールRから二次連続シートを繰り出して折り畳むと共に積層することによってティシュペーパー束が製造される。以下では、そのマルチスタンド式インターフォルダの一例について説明する。
【0068】
図2及び図3に、マルチスタンド式インターフォルダの一例を示した。図中の符号2は、マルチスタンド式インターフォルダ1の図示しない二次原反ロール支持部にセットされた二次原反ロールR,R…を示している。この二次原反ロールR,R…は、必要数が図示平面と直交する方向(図2における水平方向、図3における紙面前後方向)に横並びにセットされている。各二次原反ロールRは、上述のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備、製造工程でティシュペーパー製品幅にスリットが入れられており、ティシュペーパー製品の複数倍幅、図示例では2倍幅で巻き取られ、セットされている。
【0069】
二次原反ロールRから巻き出された連続する帯状の二次連続シート3A及び3Bは、ガイドローラG1、G1等のガイド手段に案内されて折畳機構部20へ送り込まれる。また、折畳機構部20には、図4に示すように、折板P,P…が必要数並設されてなる折板群21が備えられている。各折板Pに対しては、一対の連続する二次連続シート3A又は3Bを案内するガイドローラG2,G2やガイド丸棒部材G3,G3が、それぞれ適所に備えられている。さらに、折板P,P…の下方には、折り畳みながら積み重ねられた積層帯30を受けて搬送するコンベア22が備えられている。
【0070】
この種の折板P,P…を用いた折畳機構は、例えば、米国特許4052048号特許明細書等によって公知の機構である。この種の折畳機構は、図5に示すように、各連続する二次連続シート3A,3B…を、Z字状に折り畳みながら、かつ隣接する連続する二次連続シート3A,3B…の側端部相互を掛け合わせながら積み重ねる。
【0071】
図7図10に、折畳機構部20の特に折板Pに関する部位を、詳しく示した。本折畳機構部20においては、各折板Pに対して、一対の連続する二次連続シート3A及び3Bが案内される。この際、連続する二次連続シート3A及び3Bは、ガイド丸棒部材G3,G3によって、側端部相互が重ならないように位置をずらされながら案内される。
【0072】
折板Pに案内された時点で下側に重なっている連続する二次連続シートを第1の連続する二次連続シート3Aとし、上側に重なっている連続する二次連続シートを第2の連続する二次連続シート3Bとすると、これら連続する二次連続シート3A及び3Bは、図5及び図8に示すように、第1の連続する二次連続シート3Aの第2の連続する二次連続シート3Bと重なっていない側端部E1が、折板Pの側板P1によって、第2の連続する二次連続シート3Bの上側に折り返されるとともに、図5及び図9に示すように、第2の連続する二次連続シート3Bの第1の連続する二次連続シート3Aと重なっていない側端部E2が、折板PのスリットP2から折板P下に引き込まれるようにして下側に折り返される。この際、図5及び図10に示すように、上流の折板Pにおいて折り畳みながら積み重ねられた連続する二次連続シート3Aの側端部E3(E1)が、折板PのスリットP2から第2の連続する二次連続シート3Bの折り返し部分間に案内される。このようにして、各連続する二次連続シート3A,3B…は、Z字状に折り畳まれるとともに、隣接する連続する二次連続シート3A及び3Bの側端部相互が掛け合わされ、したがって、製品使用時において、最上位のティシュペーパーを引き出すと、次のティシュペーパーの側端部が引き出されることになる。
【0073】
以上のようにしてマルチスタンド式インターフォルダ1で得られた積層帯30は、図2に示すように、後段の切断手段41において流れ方向FLに所定の間隔をおいて裁断(切断)されてティシュペーパー束30Aとされ、図6(A)に示すように、このティシュペーパー束30Aは、更に後段設備において収納箱Bに収納される。なお、以上のようなマルチスタンド式インターフォルダ1では、積層帯30の紙の方向は、流れ方向FLに沿って縦方向(MD方向)となっており、流れ方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となっている。このため、積層帯30を所定の長さに切断して得られたティシュペーパー束30Aを構成するティシュペーパーの紙の方向は、図6(A)に示すように、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向に沿って縦方向(MD方向)となり、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となる。
【0074】
図6(B)に、収納箱Bにティシュペーパー束30Aを収納して成る製品の一例を示した。収納箱Bの上面にはミシン目Mが設けられており、このミシン目Mで収納箱B上面の一部を破断することにより収納箱Bの上面が開口するようになっている。この開口は中央にスリットを有するフィルムFによって覆われており、このフィルムFに設けられたスリットを介してティシュペーパーTを取出すことができるようになっている。
ところで、前述したように、ティシュペーパー束30Aを構成するティシュペーパーの紙の方向は、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となるため、図6(B)に示すように、ティシュペーパーTを収納箱Bから引き出す際には、その引き出し方向は、ティシュペーパーTの横方向(CD方向)と沿うようになっている。
【0075】
次に、ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備及び製造工程のその他の形態を説明する。
〔第3のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備及び製造工程〕
図18に示すように、コンタクトエンボス手段54は、カレンダー手段52と第二次薬液噴霧手段53との間に設置することもできる。このようなティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X3を用いてのティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程は次のようになる。
図18に示すように、本形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程においては、プライ手段51で複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シート(図示例ではS11、S12)をその連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とし(積層工程)、この積層連続シートS2に対して一対のカレンダー手段52で平滑化処理し(平滑化工程)、平滑化処理された積層連続シートS2に対してコンタクトエンボス手段54でコンタクトエンボスを付与し(コンタクトエンボス工程)、コンタクトエンボスを付与された積層連続シートS2に対して一対の第二次薬液噴霧手段53で薬液を付与し(薬液付与工程)、スリット手段55によって積層連続シートS2をティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットし(スリット工程)、次に、スリット工程でスリットされた積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRを、巻き取り手段56によって形成する。
なお、ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X3で、薬液が付与されないティシュペーパー製品を製造する場合、積層連続シートS2をコンタクトエンボス手段54からスリット手段55に直接移送し、第二次薬液噴霧手段53を通さずに積層連続シートS2を流すだけで良い。
【0076】
〔第4のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備及び製造工程〕
図19に示すように、薬液付与工程53は、コンタクトエンボス手段54は、プライ手段51とカレンダー手段52との間に設置し、カレンダー手段52を一段として第二次薬液噴霧手段53とコンタクトエンボス手段54との間に設置することもできる。このようなティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X4を用いてのティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程は次のようになる。
図19に示すように、本形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程においては、プライ手段51で複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シート(図示例ではS11、S12)をその連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とし(積層工程)、この積層連続シートS2に対して上下方向に並設された一対の第二次薬液噴霧手段53で薬液を噴霧し(第二次薬液噴霧工程)、一対のカレンダー手段52で平滑化処理し(平滑化工程)、平滑化処理された積層連続シートS2に対してコンタクトエンボス手段54でコンタクトエンボスを付与し(コンタクトエンボス工程)、スリット手段55によって積層連続シートS2をティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットし(スリット工程)、次に、スリット工程でスリットされた積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRを、巻き取り手段56によって形成する。
なお、ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X4で、薬液が付与されないティシュペーパー製品を製造する場合、積層連続シートS2をカレンダー手段52からコンタクトエンボス手段54に移送し、第二次薬液噴霧手段53を通さずに積層連続シートS2を流すだけで良い。
【0077】
〔第5のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備及び製造工程〕
図20に示すように、一対のカレンダー手段52を上下方向に沿って配置し、且つ、一対の第二次薬液噴霧手段53を上下方向に沿って配置することもできる。
このようなティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X5を用いてのティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程は次のようになる。
図20に示すように、本形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程においては、プライ手段51で複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シート(図示例ではS11、S12)をその連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とし(積層工程)、この積層連続シートS2に対して一対のカレンダー手段52で平滑化処理し(平滑化工程)、積層連続シートS2に対して一対の第二次薬液噴霧手段53で薬液を付与し(薬液付与工程)、積層連続シートS2に対してコンタクトエンボス手段54でコンタクトエンボスを付与し(コンタクトエンボス工程)、スリット手段55によって積層連続シートS2をティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットし(スリット工程)、次に、スリット工程でスリットされた積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRを、巻き取り手段56によって形成する。
なお、ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X5で、薬液が付与されないティシュペーパー製品を製造する場合、積層連続シートS2をカレンダー手段52からコンタクトエンボス手段54に直接移送し、第二次薬液噴霧手段53を通さずに積層連続シートS2を流すだけで良い。
【実施例】
【0078】
次に、図1及び図11に示されるティシュペーパー製品用二次原反ロールX1の製造工程で製造された2プライ巻き取りの二次原反ロールRを用い、必要の組数分を上記のマルチスタンド式インターフォルダにセットし、ティシュペーパー製品(実施例)を製造した。
【0079】
<実施例、比較例及び参考例の形態>
実施例1は、ノズル方式による第一次薬液噴霧を行い、その後にノズル方式による第二次薬液噴霧を行なったものである。第一次薬液噴霧:片側当たり1.0G/M2としたものである。第二次薬液噴霧:片側当たり1.0G/M2としたものである。したがって、2プライ合計での薬液付与量は4.0G/M2となる。
実施例2は、ノズル方式による第一次薬液噴霧を行い、その後にノズル方式による第二次薬液噴霧を行なったものである。第一次薬液噴霧:片側当たり0.6G/M2としたものである。第二次薬液噴霧:片側当たり1.4G/M2としたものである。したがって、2プライ合計での薬液付与量は4.0G/M2となる。
実施例3は、ノズル方式による第一次薬液噴霧を行い、その後にノズル方式による第二次薬液噴霧を行なったものである。第一次薬液噴霧:片側当たり1.6G/M2としたものである。第二次薬液噴霧:片側当たり0.4G/M2としたものである。したがって、2プライ合計での薬液付与量は4.0G/M2となる。
実施例4は、ノズル方式による第一次薬液噴霧を行い、その後にローターダンプニング方式による第二次薬液噴霧を行なったものである。第一次薬液噴霧:片側当たり1.0G/M2としたものである。第二次薬液噴霧:片側当たり1.0G/M2としたものである。したがって、2プライ合計での薬液付与量は4.0G/M2となる。
実施例5は、ローターダンプニング方式による第一次薬液噴霧を行い、その後にローターダンプニング方式による第二次薬液噴霧を行なったものである。第一次薬液噴霧:片側当たり1.0G/M2としたものである。第二次薬液噴霧:片側当たり1.0G/M2としたものである。したがって、2プライ合計での薬液付与量は4.0G/M2となる。
比較例1は、2段階薬液付与を行なわないで、プライマシンでフレキソ印刷方式による一回だけの薬液付与を行なったものである。付与量は片側当たり2.0G/M2とし、2プライ合計での薬液付与量は4.0G/M2としたものである。
比較例2は、プライマシンでフレキソ印刷方式による第一次薬液付与を、片側当たり1.0G/M2の付与量(両面では2.0G/M2)で行なった後、続いてにフレキソ印刷方式による第二次薬液噴霧を、片側当たり1.0G/M2の付与量(両面では2.0G/M2)で行なった、二段階付与方式によるものである。2プライ合計での薬液付与量は4.0G/M2としたものである。
【0080】
<他の条件>
原紙を構成するパルプは、NBKP30%、LBKP70%とした。また、クレープ率19%のものを使用した。各実施例及び各比較例については、同じ組成の薬液を、粘度が110MPA・S(40℃)となるように調製した。
参考例1は出願人が市販している非保湿系の汎用ティシュペーパー、参考例2は出願人が市販しているローションタイプのティシュペーパーであるが、参考例3及び参考例4は他社の市販品であるので、不明内容を含む。
【0081】
表中に示す各パラメーターは、以下のとおりである。
米坪・・・JIS P 8124(1998)に準じて測定した。2プライのティシュー製品の場合、2プライのシートの平均米坪を記載した。
紙厚・・・JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定されるものである(JIS P 8118(1998)に準じる)。
製品密度・・・製品の密度は、JIS P 8111 条件下において調湿させたティシュペーパー製品米坪を2倍した値(C)を、「PEACOCK G型」によるティシュペーパー(2プライ)での紙厚(D)で除した値で、単位をG/CM3、小数点3桁で表す。
乾燥引張強度・・・JIS P 8113(1998)の引張試験方法に準じて測定されるものである。
湿潤引張強度・・・JIS P 8135(1998)に準じて測定されるものである。
伸率・・・ミネベア株式会社製「万能引張圧縮試験機 TG−200N」を用いて測定されるものである。
ソフトネス・・・JIS L1096 E法に準じたハンドルオメータ法に基づいて測定されるものである。但し、試験片は100MM×100MMの大きさとし、クリアランスは5MMで実施した。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、その全10回の平均値を小数点1桁とし、CN/100MMを単位として表した。
静摩擦係数・・・JIS P 8147(1998)に準じて次記の方法で測定されるものである。1プライにはがしたティシュペーパーを、紙の表が外側に来るようにアクリル板に張り付ける。2プライのまま100Gのおもりにティシュペーパーを巻きつけ、アクリル板上のティシューに乗せる。アクリル板を傾け、おもりが滑り落ちる角度を測定する。角度測定は8回実施し、平均角度を算出し、そのタンジェント値を静摩擦係数とする。
MMD・・・静摩擦係数の平均偏差MMDである。MMDは滑らかさの指標の一つであり、数値が小さいほど滑らかであり、数値が大きいほど滑らかさに劣るとされる。なお、MMD値の測定方法としては、図23(A)に示すように、摩擦子212の接触面を所定方向(図23(A)における右斜め下方向)に20G/CMの張力が付与された測定試料であるティシュペーパー211の表面に対して25Gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1CM/Sで2CM移動させる。このときの、摩擦係数を、摩擦感テスター KES−SE(カトーテック株式会社製)を用いて測定し、その摩擦係数を摩擦距離(移動距離=2CM)で除した値をMMD値とした。なお、摩擦子212は、直径0.5MMのピアノ線Pを20本隣接させてなり、長さ及び幅がともに10MMとなるように形成された接触面を有している。接触面には、先端が20本のピアノ線P(曲率半径0.25MM)で形成された単位膨出部が形成されている。なお、図23(A)には、摩擦子212を模式的に表し、図23(B)には、図23(A)における一点鎖線で囲まれた部分の拡大図を示すものとする。
水分率・・・JIS P 8111(1998)に準じて測定されるものである。
薬液含有量・・・薬液付与量とは、JIS P 8111の標準状態におけるティシュペーパーの単位面積に対し含まれる乾燥状態(絶乾)の薬液成分の含有量を示し、具体的には、付与した薬液中の水分以外の成分の含有量を示すものとする。このティシュペーパーの単位面積とは、プライされたシートを平面に垂直線上にある視点から見た面積であり、プライされた各シート、およびその表裏面の合計面積を意味しない。
薬液含有率・・・薬液付与率とは、JIS P 8111 条件下において調湿させた所定質量のティシュペーパー製品を分母(A)(G)とし、所定質量のティシュペーパー製品中に含まれる薬液中の水分を除いた質量(B)(G)を分子として、(B)を(A)で除した比率を(%)で表す。(薬液含有率%)=(B)÷(A)×100(%)
官能評価・・・実施例1〜5、比較例1、2及び参考例1〜4について、消費者87人を対象に、やわらかさ、なめらかさ、厚み感、しっとり感について下記の基準に基づく官能評価を行った。
なお、評価基準は、薬液が付与されていない非保湿系の汎用ティシュペーパー(比較例1)の成績をすべて「3」とし、「大変優れている」と感じたものについては「5」、「優れている」と感じたものについては「4」、「基準と同等」と感じたものについては「3」、「劣る」と感じたものについては「2」、「顕著に劣る」と感じたものについては「1」とした。さらに、薬液付与ティシュペーパーについては、ベタつき感の有無についても評価を行い、評価基準は、「ベタつき感が少ない」ものを「○」とし、「明らかにベタつき感がある」ものを「×」とした。
さらに、官能評価のばらつきとは、各官能評価が幅方向及び流れ方向で安定しているか否かを、シートの幅方向及び流れ方向において、前記消費者87人に供したサンプルの採取位置との相関で調べたものである。評価は、比較例1における各官能評価の幅方向及び流れ方向での安定性を基準にし、比較例1の場合を「1」、優れているを「2」、顕著に優れているを「3」としたものである。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
結果を表中に記載をしていないが、実施例1〜実施例5のいずれにおいても、製造現場において、比較例2のフレキソ方式の二段塗布と比較して、紙粉の発生がきわめて少なく、安定した製造が可能であることが判った。また、実施例と比較例1との比較においては、実施例の方が、官能評価のばらつきが少ないことが判る。比較例2のフレキソ方式の二段塗布においても官能評価のばらつきが少ないものの、比較例2のフレキソ方式の二段塗布との比較で実施例をみると、「厚み感」においてきわめた高い評価となる。なお、実施例1〜5内において比較すると、第一次薬液噴霧手段及び第二次薬液噴霧手段での付与量は、0.5〜1.5G/M2とするのが望ましいことが判る。
【0090】
先の説明から明らかなように、本明細書及び図面は、以下の発明も開示している。
〔発明1〕
一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の複数の二次原反ロールを製造するティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造装置であって、
複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
前記連続シートのそれぞれに対して薬液を噴霧状態で付与する第一次薬液噴霧手段と、
その後に、それぞれの連続シートに対して薬液を噴霧状態で付与する第二次薬液噴霧手段と、
積層連続シートをティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻取ってティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールを形成する巻取り手段と、を有することを特徴とするティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造装置。
【0091】
〔発明2〕
前記第一次薬液噴霧手段が、前記積層手段の後であって、且つ、前記スリット手段の前に行われる、発明1に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造装置。
【0092】
〔発明3〕
前記積層手段と前記第一次薬液噴霧手段との間に、カレンダーにて平滑化処理する平滑化手段を有する、発明2に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造装置。
【0093】
〔発明4〕
前記第二次薬液噴霧手段と前記スリット手段との間に、前記積層連続シートに対して層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス手段を有する、発明2に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造装置。
【0094】
〔発明5〕
前記第一次薬液噴霧又は第二次薬液噴霧による薬液付与がノズル式噴霧方式によるものである、発明1に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造装置。
【0095】
〔発明6〕
記第一次薬液噴霧又は第二次薬液噴霧による薬液付与がローターダンプニング噴霧方式によるものである、発明1に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造装置。
【0096】
〔発明7〕
前記発明のいずれか1項の発明によって得られた前記二次原反ロールを多数用意し、これらをマルチスタンド式インターフォルダにおいてライン方向に沿って配置し、各二次原反ロールから繰り出される複数の二次連続シートをその連続方向に沿って移送すると共に、その移送過程で折畳みながら積み重ね、その後、所定枚数の積層シートを所定長さ切断してティシュペーパー束とし、この積層を収納箱内に収納することを特徴とするティシュペーパー製品の製造装置。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、マルチスタンド式インターフォルダで用いられるティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造及びマルチスタンド式インターフォルダを用いたティシュペーパー製品の製造に適用できるものである。
【符号の説明】
【0098】
40・・・第一次薬液噴霧手段(第一次薬液付与工程)
51・・・プライ手段(積層工程)
52・・・カレンダー手段(平滑化工程)
53・・・第二次薬液噴霧手段(第二次薬液噴霧工程)
54・・・コンタクトエンボス手段(コンタクトエンボス工程)
55・・・スリット手段(スリット工程)
56・・・第2巻取り手段(二次原反ロール巻取り工程)
115・・・ヤンキードライヤー(乾燥工程)
119・・・第1巻取り手段(第1巻取り工程)
190・・・搾水手段(搾水工程)
W・・・湿紙
S1・・・乾紙
S11、S12・・・一次連続シート
S2・・・積層連続シート
JR・・・一次原反ロール
R・・・二次原反ロール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24