特許第5833437号(P5833437)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5833437シミュレーション装置およびシミュレーションプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5833437
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】シミュレーション装置およびシミュレーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20151126BHJP
【FI】
   G03F7/20 521
【請求項の数】14
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2011-290381(P2011-290381)
(22)【出願日】2011年12月29日
(65)【公開番号】特開2013-140863(P2013-140863A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2014年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田岡 弘展
【審査官】 関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−310085(JP,A)
【文献】 特表2003−510652(JP,A)
【文献】 特開2004−184764(JP,A)
【文献】 特開平09−212543(JP,A)
【文献】 特開2002−319584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20− 7/24
G03F 1/00− 1/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマスクを用いた露光、現像、エッチングを行なう第1の加工過程と、前記第1の加工過程の後に第2のマスクを用いた露光、現像、エッチングを行なう第2の加工過程とを含む製造プロセスをシミュレーションするためのシミュレーション装置であって、
前記第1のマスクにより加工対象の基板上に生じる第1の強度分布を取得する第1の取得手段と、
前記第2のマスクにより前記基板上に生じる第2の強度分布を取得する第2の取得手段と、
前記第2の強度分布に基づいて、前記第1の強度分布のうち、前記第2のマスクにより加工される領域の強度を、加工されない領域と判断される値に補正する補正手段とを備える、シミュレーション装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記第2の強度分布を符号反転した上で、前記第1の強度分布に加算する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記第1の強度分布から前記第2の強度分布を減算する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項4】
前記補正手段は、前記第2の強度分布と予め定められたしきい値分布とを比較することでエッジ形状を特定し、前記第1の強度分布のうち当該特定されたエッジ形状の内部に対応する値をバックグラウンドとみなされる強度に置換する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項5】
補正後の第1の強度分布における強度の大きさおよび強度勾配の少なくとも一方と対応する検証規格値と比較することでエラーの有無を検証する検証手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。
【請求項6】
補正後の第1の強度分布と予め定められたしきい値分布とを比較することでエッジ位置を特定する特定手段をさらに備える、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項7】
特定されたエッジ位置と設計ターゲット位置との間のエッジ距離を算出するとともに、当該算出されたエッジ距離と検証規格値とを比較することでエラーの有無を検証する検証手段をさらに備える、請求項6に記載のシミュレーション装置。
【請求項8】
特定されたエッジ位置を多角形として近似することで、前記基板上に形成される領域の輪郭を示すエッジポリゴンを出力する出力手段をさらに備える、請求項6に記載のシミュレーション装置。
【請求項9】
前記エッジポリゴンにおける対向するエッジ間の距離を算出するとともに、当該算出されたエッジ間の距離と検証規格値とを比較することでエラーの有無を検証する検証手段をさらに備える、請求項8に記載のシミュレーション装置。
【請求項10】
特定されたエッジ位置の設計ターゲット位置からのずれ量を算出するとともに、前記第1のマスクを当該算出されたずれ量に基づいて修正する修正手段をさらに備え、
前記修正手段は、算出されるずれ量が予め定められたしきい値以下となるまで、前記第1のマスクの修正を繰り返す、請求項6に記載のシミュレーション装置。
【請求項11】
前記第2の取得手段は、前記第2の強度分布として、前記第2のマスクにより前記基板上に生じるべき理想仕上がりの強度分布を取得する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項12】
加工された第1のマスクの特性値を取得するとともに、取得された第1のマスクの特性値と前記第2の強度分布との間で前記基板上に形成される領域の輪郭を示す第2のエッジポリゴンを出力する第2の出力手段と、
出力される2つのエッジポリゴンを評価することで、加工された第1のマスクに対する修正要否を判断する修正要否判断手段とをさらに備える、請求項8に記載のシミュレーション装置。
【請求項13】
前記第1および第2の強度分布は、共通のグリッド間隔で定義された行列としてそれぞれ定義されており、
前記補正手段は、前記第1および第2の強度分布にそれぞれ対応する行列についての演算を行なう、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項14】
第1のマスクを用いた露光、現像、エッチングを行なう第1の加工過程と、前記第1の加工過程の後に第2のマスクを用いた露光、現像、エッチングを行なう第2の加工過程とを含む製造プロセスをシミュレーションするためのシミュレーションプログラムであって、前記シミュレーションプログラムは、コンピュータに、
前記第1のマスクにより加工対象の基板上に生じる第1の強度分布を算出するステップと、
前記第2のマスクにより前記基板上に生じる第2の強度分布を算出するステップと、
前記第2の強度分布に基づいて、前記第1の強度分布のうち、前記第2のマスクにより加工される領域の強度を、加工されない領域と判断される値に補正するステップとを実行させる、シミュレーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造に係るシミュレーション装置およびシミュレーションプログラムに関し、特に、複数の加工過程を含む製造プロセスに好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な半導体製造技術として、リソグラフィプロセスが知られている。このリソグラフィプロセスでは、露光装置を用いて、ウェハに所定のマスクパターンを光学的に転写する。このように、所定のフォトマスク(以下、単に「マスク」とも称す。)がリソグラフィプロセスを経てウェハ上に形成される形状(マスクパターン)は、その光学的な特性などを考慮した上で、リソグラフィシミュレーション(以下、単に「シミュレーション」とも称す。)を用いて予測される。また、このようなシミュレーションを用いて、各種のリソグラフィ検証を行なうこともできる。
【0003】
上述のようなリソグラフィシミュレーションに関する先行技術としては、以下のようなものがある。
【0004】
特開2009−192811号公報(特許文献1)は、計算量の増加を抑制しながら精度の高いパターン予測を可能とするリソグラフィシミュレーション方法を開示している。
【0005】
特開平11−186152号公報(特許文献2)は、半導体製造装置のリソグラフィ工程における露光シミュレーションを高速に計算することの可能な露光シミュレーション方法を開示する。
【0006】
特開2009−094109号公報(特許文献3)は、ウェハ面に形成される光強度分布(部分コヒーレント結像計算)を短時間で行なうことができる算出方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−192811号公報
【特許文献2】特開平11−186152号公報
【特許文献3】特開2009−094109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
同一のウェハに対して、それぞれ異なるマスクを用いて複数回の加工を行なうことで半導体装置を製造するようなプロセスが実用化されている。従来技術では、このような製造プロセスに対するシミュレーションを少ない計算量で効率的に行なうことは難しい。
【0009】
その他の課題および新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施の形態によれば、第1のマスクを用いた第1の加工過程と第2のマスクを用いた第2の加工過程とを含む製造プロセスをシミュレーションするためのシミュレーション装置である。シミュレーション装置は、第1のマスクにより加工対象の基板上に生じる第1の強度分布を取得する第1の取得手段と、第2のマスクにより基板上に生じる第2の強度分布を取得する第2の取得手段と、第2の強度分布に基づいて、第1の強度分布のうち、第2のマスクにより加工される領域の強度を、加工されない領域と判断される値に補正する補正手段とを含む。
【0011】
別の実施の形態によれば、第1のマスクを用いた第1の加工過程と第2のマスクを用いた第2の加工過程とを含む製造プロセスをシミュレーションするためのシミュレーション装置である。シミュレーション装置は、第1のマスクにより加工対象の基板上に生じる第1の強度分布を取得する第1の取得手段と、第2のマスクにより基板上に生じる第2の強度分布を取得する第2の取得手段と、量子化された第1および第2の強度分布を加算することで製造プロセスによって生じる強度分布を出力する加算手段とを含む。
【発明の効果】
【0012】
上述の実施の形態によれば、上述したような課題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションの概要を説明するための図である。
図2】一実施の形態に従うリソグラフィシミュレーション装置を実現するための典型的なハードウェア構成を示す概略構成図である。
図3】一実施の形態に従うリソグラフィシミュレーション装置に係る機能モジュール構成を示す模式図である。
図4】複数回加工プロセスにより製造される半導体装置のレイアウトの一例を示す図である。
図5】複数回加工プロセスと複数回露光プロセスとを比較して説明するための図である。
図6】関連技術に係るリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
図7図6に対応する処理内容を説明するための図である。
図8図6に示すコヒーレント光学計算、エネルギー強度分布計算、およびエネルギー強度分布計算の処理内容を説明するための図である。
図9図7に示すリソグラフィシミュレーションを用いたリソグラフィ検証処理の内容を説明するための図である。
図10図7に示すリソグラフィシミュレーションを用いたOPC処理の内容を説明するための図である。
図11】関連技術に係るリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
図12図11に対応する処理内容を説明するための図である。
図13図12に示すリソグラフィシミュレーションを用いたリソグラフィ検証処理の内容を説明するための図である。
図14図12に示すリソグラフィシミュレーションを用いたOPC処理の内容を説明するための図である。
図15】実施の形態1に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
図16図15に対応する処理内容を説明するための図である。
図17】第1の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて算出された第1のマスクに対応するエネルギー強度分布の一例を示す図である。
図18】第1の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて算出された第2のマスクに対応するエネルギー強度分布の一例を示す図である。
図19図18に示すエネルギー強度分布をthresholdで量子化した結果を示す図である。
図20図17に示すエネルギー強度分布と図19に示す量子化されたエネルギー強度分布とを用いた強度分布トリム部除去処理の結果を示す図である。
図21図20に示すエネルギー強度分布をthresholdで量子化した結果を示す図である。
図22】実施の形態2に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
図23図22に対応する処理内容を説明するための図である。
図24】実施の形態3に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
図25図24に対応する処理内容を説明するための図である。
図26】実施の形態4に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
図27】第4の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて用いられた第1のマスクの一例を示す図である。
図28】第4の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて用いられた第2のマスク202の理想仕上がりの一例を示す図である。
図29図27(B)に示すエネルギー強度分布と図28に示す理想仕上がりとを用いた強度分布トリム部除去処理の結果を示す図である。
図30図28に示す第2のマスク202のマスクアライメントずれの一例を示す図である。
図31図30に示すマスクアライメントずれを考慮した強度分布トリム部除去処理の結果を示す図である。
図32】実施の形態5に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
図33図32に対応する処理内容を説明するための図である。
図34】第5の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて用いられるマスクによる仮想的なエネルギー強度分布の一例を示す図である。
図35図34に示す仮想的なエネルギー強度分布を正規化した結果の一例を示す図である。
図36図35に示す正規化された仮想的なエネルギー強度分布を量子化した結果の一例を示す図である。
図37図36に示す量子化された仮想的なエネルギー強度分布を加算した結果の一例を示す図である。
図38】実施の形態5に従うリソグラフィシミュレーションで用いられるトリムマスク関数の一例を示す図である。
図39図37に示すシミュレーション結果に対して図38に示すトリムマスク関数を用いたトリムプロセスを適用した結果を示す図である。
図40】実施の形態6に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一または複数の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
《A.概要》
図1は、一実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションの概要を説明するための図である。本実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションは、第1のマスクを用いた第1の加工過程(第1加工)と第2のマスクを用いた第2の加工過程(第2加工)とを含む製造プロセスをシミュレーション対象とする。このような製造プロセスは、典型的には、後述するような複数回加工プロセスに相当する。
【0016】
図1を参照して、本実施の形態においては、第1のマスクにより加工対象の基板(ウェハ)上に生じる第1の強度分布(光エネルギー強度分布)が取得されるとともに、第2のマスクにより基板(ウェハ)上に生じる第2の強度分布(光エネルギー強度分布)が取得される。この光エネルギー強度分布によって、ウェハ上に形成される配線などの形状が決定される。
【0017】
ここで、第1のマスクにより形成される配線が第2のマスクにより除去されるようなトリム(除去)プロセスを考える。この場合、第1の強度分布に従って決定される配線パターンのうち、有意な第2の強度分布が存在する領域については、最終仕上がりとしては残らない。そのため、第1の強度分布のすべてを評価することなく、第2のマスクによってトリムされない部分についてのみ着目すればよい。
【0018】
そこで、本実施の形態においては、第2の強度分布に基づいて、第1の強度分布のうち、第2のマスクにより加工される領域の強度を、加工されない領域と判断される値に補正する。最も簡単な方法としては、第2の強度分布の符号を反転した上で第1の強度分布に加算する。これにより、第1の強度分布のうち、第2のマスクによってトリムされない領域のみが有意な強度分布として残り、これを用いて、各種の処理を効率的に行なうことができる。
【0019】
言い換れば、一実施の形態に従えば、第1および第2のマスクを用いて複数回加工を行なう半導体装置の製造プロセスにおいて、第1のマスクで形成される部分のうち、第2のマスクでトリム(除去)される領域を、第1のマスクでバックグラウンドと認識されるように強度計算する。
【0020】
ここでバックグラウンドと認識されるとは、第1のマスクとしてDark_Fieldマスクが用いられる場合には、thresholdより小さい値であり、Bright_Fieldマスクが用いられる場合には、thresholdより大きい値である。
【0021】
《B.シミュレーション装置》
〈b1:ハードウェア構成〉
一実施の形態に従うリソグラフィシミュレーション装置(以下、単に「シミュレーション装置」とも称す。)は、典型的には、コンピュータベースの装置によって実現される。
【0022】
図2は、一実施の形態に従うリソグラフィシミュレーション装置を実現するための典型的なハードウェア構成を示す概略構成図である。図2を参照して、シミュレーション装置を実現するコンピュータ100は、FD(Flexible Disk)駆動装置111およびCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)駆動装置113を搭載したコンピュータ本体101と、モニタ102と、キーボード103と、マウス104とを含む。
【0023】
コンピュータ本体101は、FD駆動装置111およびCD−ROM駆動装置113に加えて、相互にバスで接続された、演算部であるCPU(Central Processing Unit)105と、メモリ106と、記憶装置である固定ディスク107と、通信インターフェース109とを含む。
【0024】
シミュレーション装置は、CPU105がメモリ106などのコンピュータハードウェアを用いて、リソグラフィシミュレーションプログラム(以下、単に「シミュレーションプログラム」とも称す。)150を実行することで実現される。一般的に、このようなシミュレーションプログラム150は、FD112やCD−ROM114などの記録媒体に格納されて、またはネットワークなどを介して流通する。シミュレーションプログラム150は、FD駆動装置111やCD−ROM駆動装置113などにより記録媒体から読取られて、または通信インターフェース109にて受信されて、固定ディスク107に格納される。さらに、シミュレーションプログラム150は、固定ディスク107からメモリ106に読出されて、CPU105により実行される。
【0025】
シミュレーションプログラム150を格納する記録媒体としては、FDおよびCD−ROM以外にも、フラッシュメモリ、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、IC(Integrated Circuit)カードなどの半導体記録媒体、DVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)などの光学ディスク記録媒体、MO(Magnetic Optical Disc)やMD(Mini Disc)などの光磁気ディスク記録媒体、磁気テープ、カセットテープなどの磁気記録媒体を用いることができる。そのため、シミュレーションプログラム150を用いて、シミュレーションを実現する場合には、記録媒体から読み出された命令コード自体、または、当該命令コードを格納した記録媒体自体が一実施の形態に相当する。
【0026】
CPU105は、各種の数値論理演算を行なう演算処理部であり、命令コードを順次実行することで、上述のシミュレーションを実現する。このとき、CPU105は、各種コンポーネントと連係してシミュレーションプログラム150を実行する。例えば、メモリ106は、CPU105により命令の実行に必要な各種の情報を記憶する。
【0027】
モニタ102は、CPU105が出力する情報を表示するための表示部であって、一例としてLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。モニタ102は、シミュレーションプログラム150の実行結果などを表示する。
【0028】
マウス104は、クリックやスライドなどの動作に応じたユーザから指令を受付ける。キーボード103は、入力されるキーに応じたユーザから指令を受付ける。
【0029】
通信インターフェース109は、コンピュータ100と他の装置との間の通信を確立するための装置であり、各種データを外部から受付可能である。
【0030】
シミュレーション装置は、図2に示すような単一のCPU(演算処理部)で実現される構成に限られることなく、複数のCPU(演算処理部)を用いて実現されることもある。あるいは、複数のコンピュータ装置が連係してシミュレーションプログラム150を実行してもよい。すなわち、本明細書に記載の「シミュレーション装置」は、単一のコンピュータからなるものだけではなく、複数のコンピュータが協働して実現されるシステムを含むものである。
【0031】
いわゆるクラウドシステムに代表されるような、より高度にネットワーク化された構成を用いて、シミュレーション装置を実現してもよい。この場合には、処理主体となるコンピュータ(サーバ装置)が分散して配置されることもあるが、このような構成であっても、本明細書に記載の「シミュレーション装置」に相当する。
【0032】
シミュレーションプログラム150自体がシミュレーションに必要なすべての機能を実現する形態に代えて、コンピュータ上で実行されているOS(オペレーティングシステム)などが提供する処理やモジュールを利用することで、シミュレーションを実現する形態を採用することもできる。
【0033】
本明細書に記載の「シミュレーションプログラム」は、CPU105が直接実行できる実行可能プログラムだけではなく、ソースプログラム、圧縮されたプログラム、および暗号化されたプログラムを含む。
【0034】
一実施の形態に従うシミュレーション装置は、ソフトウェアにより実現されるものだけではなく、一部または全部が専用回路などのハードウェア化されたものを含む。
【0035】
〈b2:機能モジュール構成〉
図3は、一実施の形態に従うリソグラフィシミュレーション装置に係る機能モジュール構成を示す模式図である。図3を参照して、シミュレーション装置で実行されるシミュレーションプログラム150は、その機能モジュールとして、強度分布算出モジュール152と、エッジ領域算出モジュール154と、リソグラフィ検証モジュール156と、光近接効果補正モジュール158と、強度分布調整モジュール160とを含む。図3に示すモジュールのうち、強度分布算出モジュール152を除く他のモジュールについては、後述するいずれかの実施の形態を実現するためのものである。そのため、図3に示すすべてのもモジュールが単一のシミュレーションプログラム150に含まれている必要はない。
【0036】
各モジュールによって実行される処理の詳細については、後述する。
《C.シミュレーション対象の製造プロセス》
一実施の形態に従うリソグラフィシミュレーション装置は、それぞれ異なるマスクを用いた複数の加工過程を含む製造プロセスをシミュレーション対象とする。すなわち、本実施は、少なくとも、あるマスクを用いた第1の加工および別のマスクを用いた第2の加工を同一のウェハに対して行なうことで半導体装置を製造する製造プロセスに向けられる。本シミュレーションは、それぞれのマスクを示すマスクレイアウトデータから製造されるウェハ上の形状(エネルギー強度分布)を算出する。さらに、算出されるウェハ上の形状(エネルギー強度分布)を利用して、各種のリソグラフィ検証処理が実行される。
【0037】
まず、あるマスクを用いた第1の加工過程と別のマスクを用いた第2の加工過程とを含む製造プロセス(以下、「複数回加工プロセス」とも称す。)について説明する。比較のため、複数回加工プロセスとともに、複数回露光プロセスについても説明する。
【0038】
図4は、複数回加工プロセスにより製造される半導体装置のレイアウトの一例を示す図である。図5は、複数回加工プロセスと複数回露光プロセスとを比較して説明するための図である。
【0039】
図4を参照して、例えば、基板層2上に、複数の導電体層4が紙面横方向に平行して形成されているレイアウトを考える。図4に示すように、各列の導電体層4の間では、隣接する導電体層4が分断されている位置がずれている。
【0040】
図5(A)は、図4に示す半導体装置を製造するための製造プロセス(複数回加工プロセス)を説明するための図である。図5(A)においては、図4に示す領域20に注目している。図5(A)に示すように、まず、基板層2の上に導電体層4が形成され、さらにその上に第1のレジスト6が形成されているものとする。このようなウェハに対して、第1のマスク201を用いた第1回目の露光が行なわれる。第1のマスク201においては、図5(A)に示すように、マスク透光部8およびフォトマスク遮光部10が形成されている。この第1回目の露光によって、基板層2上には4列の導電体層4が形成される。
【0041】
続いて、第1のレジスト6が除去されるとともに、第2のレジスト14が基板層2および導電体層4上に形成される。さらに、第2のマスク202を用いた第2回目の露光が行なわれる。第2のマスク202においては、図5(A)に示すように、マスク透光部8およびフォトマスク遮光部12が形成されている。この第2回目の露光によって、先に形成されていた4列の導電体層4のうち2列分が除去される。最終的に、第2のレジスト14が除去されることで、図4に示すような半導体装置が製造される。
【0042】
これに対して、図5(B)に示すように、複数回露光プロセスでは、基板層2の上に導電体層4が形成され、さらにその上に第1のレジスト6が形成されたウェハに対して、第1のマスク301を用いた第1回目の露光が行なわれる。続いて、第2のマスク302を用いた第2回目の露光が行なわれる。このようにして形成された導電体層4の配線パターンから、第1のレジスト6が除去されることで、4列の導電体層4が形成された半導体装置が製造される。
【0043】
上述したように、複数回露光プロセスでは、同一のレジストに対して、複数のマスクを用いた複数回の露光が行なわれた後に、現像およびエッチングが行なわれる。これに対し、複数回加工プロセスでは、第1のレジスト6に対して、第1のマスク201を用いた露光、現像、エッチングが行なわれた後に、新たに塗布された第2のレジスト14に対して、第2のマスク202を用いた露光、現像、エッチングが行なわれる。
【0044】
説明の簡略化のため、2回の加工過程を含む複数回加工プロセスを対象としたシミュレーションについて説明するが、後述するように、3回以上の加工過程を含む複数回加工プロセスに対しても、同様に適用できることは自明である。
【0045】
複数回加工プロセスは、典型的には、図5に示すようなトリム(除去)プロセスに好適であるが、これに限られることなく、2段階でウェハ上に配線を形成するようなプロセスにも適用できる。
【0046】
《D.関連技術》
〈d1:単一加工プロセス〉
一実施の形態に従うシミュレーション方法を説明するにあたって、先に関連技術について説明する。最初に、複数回加工プロセスではなく単一加工プロセスについてのシミュレーション方法について説明する。
【0047】
図6は、関連技術に係るリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。図6に示す各ステップは、コンピュータ100のCPU105がシミュレーションプログラムを実行することで実現される。図7は、図6に対応する処理内容を説明するための図である。
【0048】
図6を参照して、まず、CPU105は、シミュレーション条件の入力を受付ける(ステップS1)。このシミュレーション条件は、露光装置に関するパラメータ(露光波長、照明条件、開口数など)や塗布されるレジスト特性値などを含む。続いて、CPU105は、使用されるマスクの形状を示すマスク関数の入力を受付ける(ステップS2)。マスク関数は、シミュレーション対象となるマスクの各位置への入射光に対応する透過光を出力とする一般化された関数である。ステップS1およびS2においては、図7に示すマスクおよび当該マスクを用いて露光を行なうための露光装置などに関するパラメータが設定される。
【0049】
続いて、CPU105は、入力されたパラメータ条件およびマスク関数に基づいて、コヒーレント光学計算を行ない(ステップS3)、続いてエネルギー強度分布計算を行なう(ステップS4)。すなわち、CPU105は、入力された条件下で光学的な挙動を算出するとともに、その結果ウェハ上に形成されるエネルギー強度分布を算出する。このような光学的強度計算によって、図7に示すように、ウェハ上に形成されるであろう光エネルギーの強度分布が取得される。また、同様の算出処理によって、threshold分布(threshold(x,y))が取得される。このthreshold分布は、エネルギー強度分布と同様に、各位置における値を示す関数として算出される。
【0050】
続いて、CPU105は、ステップS4において算出されたエネルギー強度分布に対して、仕上がりエッジ位置を計算する(ステップS5)。これによって、図7に示すように、ウェハ上に形成されるエッジ形状を示すContour(等高線)が算出される。Contourは、そのエネルギー強度が、レジスト特性(または、エッチング特性)を表現するthreshold(x,y)と一致する点の集合である。一般的に、Contourは閉曲線である。
【0051】
このように、仕上がりエッジ位置計算(ステップS5)は、エネルギー強度分布211を補正して得られるエネルギー強度分布214と予め定められたしきい値分布とを比較することでエッジ位置を特定する処理を含む。
【0052】
続いて、CPU105は、算出されたContourに対して輪郭化多角形化を行なう(ステップS6)。これにより、Contourの輪郭は、多角形として近似される。最終的に、CPU105は、輪郭化多角形化の結果としてエッジポリゴンを出力する(ステップS7)。すなわち、図7に示すようなエッジポリゴンが取得される。エッジポリゴンの出力形態としては、ユーザが目視して確認できるように表示する形態、および後述するような次工程で利用可能な形式で出力する形態を含む。
【0053】
このように、輪郭化多角形化(ステップS6)は、特定されたエッジ位置を多角形として近似することで、ウェハ上に形成される領域の輪郭を示すエッジポリゴンを出力する処理を含む。
【0054】
以上のように、シミュレーション条件およびマスク形状(マスク関数)を入力して、エッジポリゴンがそのシミュレーション結果として出力される。
【0055】
上述したシミュレーション方法において注目すべきことは、ステップS1〜S5までの処理は、サンプリング定理を利用した行列演算を用いて実現できることである。すなわち、光の波長性を利用できるため、比較的疎の間隔で定義した行列を用いれば十分な精度が得られるので、処理を効率的に行なうことができる。
【0056】
これに対して、輪郭化多角形化(ステップS6)以降の処理については、出力される結果において要求される精度に応じて表現された多角形(曲線に囲まれる領域)について演算する必要がある。例えば、ステップS1〜S5までは、シミュレーション条件などに応じたサンプリング定理で必要とされるグリッドレベルの行列演算(例えば、数十nm間隔のグリッド上での演算)で十分である。これに対して、ステップS6以降では、サンプリング定理で必要とされるグリッド間隔の約100分の1(0.1nm)レベルの精度が必要となる。すなわち、各軸において100倍以上の精度が必要なグリッドに表現される多数の頂点数からなる多角形に対して、演算が必要となる。
【0057】
ステップS5までの処理について、より詳細に説明する。図8は、図6に示すコヒーレント光学計算、エネルギー強度分布計算、およびエネルギー強度分布計算の処理内容を説明するための図である。図8を参照して、まず、マスクの形状を示すマスク関数30に対して、各波長成分φ1〜φN(強度および位相を示す複素数)のそれぞれについて算出される(モジュール32)。ここでは、コヒーレント光学系を用いて近似計算が行なわれる。そのため、変動分(摂動分)のみを複素数(強度および位相)で加算/減算するという摂動計算が利用できる。すなわち、条件を変動する前の結果を再利用できるので、条件を変動した後の結果を計算する際の演算量を低減できる。
【0058】
続いて、各波長成分についてのエネルギー強度が加算される(モジュール34)。ここでは、部分的なコヒーレント光学系に対応した加算処理が行なわれる。この時点で、位相情報が欠落するので、この処理以降では、摂動計算を利用することができない。
【0059】
より詳細な内容については、文献1(Nick Cobb, "Sum of Coherent Systems Decomposition by SVD", Department of Electrical Engineering and Computer Science, University of California at Berkeley, Berkeley, CA, U.S.A., September 21, 1995)を参照されたい。
【0060】
上述したように、輪郭化多角形化(ステップS6)以降では、位相情報が欠落して効率的な計算が行なえないため、リソグラフィシミュレーションに含まれる、リソグラフィ検証や光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)処理(以下、「OPC処理」とも称す。)などにおいては、エネルギー強度およびthreshold分布を用いるアルゴリズムが採用されることが多い。
【0061】
図9は、図7に示すリソグラフィシミュレーションを用いたリソグラフィ検証処理の内容を説明するための図である。図10は、図7に示すリソグラフィシミュレーションを用いたOPC処理の内容を説明するための図である。
【0062】
図9を参照して、リソグラフィ検証処理は、エネルギー強度分布に対する検証処理(強度検証)、エネルギー強度分布の傾き(強度勾配分布)に対する検証処理(強度勾配検証)、生成されるエッジポリゴンに基づくエッジ位置に対する検証処理(エッジ位置検証)、および、エッジポリゴンにおける対向するエッジ間距離についての検証処理(距離検証)などを含む。エッジ位置検証においては、目標値(設計ターゲット)に対する、生成されたポリゴンの内側および外側の距離が評価される。このように、各検証処理においては、異なる形式のシミュレーション結果が用いられる。
【0063】
図10を参照して、OPC処理は、あるマスクを用いた場合に形成されるパターンを評価して、形成されるパターンがターゲット値に収まるようにマスクを補正する処理を含む。より具体的には、あるマスクを用いてウェハ上に形成されるであろうエネルギー強度分布および対応するエッジ位置が取得され、設計ターゲットからのずれ量(δε)が評価される。そして、その算出された設計ターゲットからのずれ量(δε)に基づいて、マスクの形状が変更される。具体的には、現在のマスクからの移動量(マスク移動量ΔM=f(δε))が算出される。そして、変形されたマスク形状に起因するエネルギー分布強度が算出される。このとき、マスク移動量ΔMに起因する変化量のみを考慮した摂動計算が利用できる。
【0064】
この一連の処理は、設計ターゲットからのずれ量(δε)が所定の許容値(Tolerance)以下になるまで繰り返される。なお、この繰り返し演算においては、強度検証および強度勾配検証が併せて実行される場合もある。
【0065】
〈d2:複数回加工プロセス〉
次に、上述の関連技術を用いて、複数回加工プロセスについてのシミュレーション方法について説明する。
【0066】
図11は、関連技術に係るリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。図11に示す各ステップは、コンピュータ100のCPU105がシミュレーションプログラムを実行することで実現される。図12は、図11に対応する処理内容を説明するための図である。
【0067】
図11を参照して、複数回加工プロセスについてシミュレーションを行なう場合には、まず、上述の図6に示すステップS1〜S6までの一連の処理をそれぞれの加工過程についてそれぞれ独立に実施する。図12に示すように、第1のマスクを用いる第1加工について、シミュレーション条件入力(ステップS11)、マスク関数1入力(ステップS12)、コヒーレント光学計算(ステップS13)、エネルギー強度分布計算(ステップS14)、仕上がりエッジ位置計算(ステップS15)、および、輪郭化多角形化(ステップS16)が実行される。これと並列的あるいは直列的に、第2のマスクを用いる第2加工について、シミュレーション条件入力(ステップS21)、マスク関数2入力(ステップS22)、コヒーレント光学計算(ステップS23)、エネルギー強度分布計算(ステップS24)、仕上がりエッジ位置計算(ステップS25)、および、輪郭化多角形化(ステップS26)が実行される。
【0068】
これらの処理の結果、第1加工によって得られるであろうエッジポリゴン(以下、「P1」とも記す。)、および第2加工によって得られるであろうエッジポリゴン(以下、「P2」とも記す。)が算出される。続いて、CPU105は、これらのエッジポリゴンに対して、多角形間Boolean演算を実行する(ステップS17)。複数回加工プログラムが図5(A)に示すようなトリムプロセスに向けられている場合には、多角形間Boolean演算としてNOT演算が行なわれる。すなわち、図12に示すように、第1加工によって得られたエッジポリゴン(P1)と、第2加工によって得られたエッジポリゴン(P2)との間で、(P1 NOT P2)というBoolean演算が実行され、その結果が最終的なエッジポリゴン(以下、「Pf」とも記す。)として出力される。
【0069】
図6図11とを比較するとわかるように、上述の関連技術を複数回加工プロセスに適用する場合には、エッジポリゴンについての多角形間Boolean演算が必要である。上述したように、エッジポリゴンは、精度の高いグリッドで表現される多角形(多数の頂点)で表現されるため、多角形間Boolean演算を実行するための処理負荷は、非常に大きくなる。
【0070】
また、複数回加工プロセスの結果は、多角形間Boolean演算の結果であるエッジポリゴン(Pf)でのみ表現されることになるので、単一加工プロセスにおいて実施されていたリソグラフィ検証やOPC処理などを高速に行なう手法を採用することができない。
【0071】
図13は、図12に示すリソグラフィシミュレーションを用いたリソグラフィ検証処理の内容を説明するための図である。図14は、図12に示すリソグラフィシミュレーションを用いたOPC処理の内容を説明するための図である。
【0072】
図13に示すように、エネルギー強度分布に対する検証処理(強度検証)については、各加工過程においてそれぞれ実施できるが、複数回加工プロセスの結果を考慮して検証することはできない。すなわち、第1加工において形成される部分のうち、トリムされない部分が最終仕上がりとして残り、第2加工においてトリムされる部分は最終仕上がりに影響しない。そのため、強度検証や強度勾配検証でエラーがあると判定された部分が存在していても、それが第2加工においてトリムされるのであれば、最終仕上がりとしては何らの問題もない。同様に、第2加工においては、実効的にトリムする部分以外は、最終的な仕上がりに影響を与えない。そのため、強度検証や強度勾配検証でエラーがあると判定された部分が存在していても、それが実効的にトリムする部分でなければ、最終仕上がりとしては何らの問題もない。
【0073】
このように、それぞれの加工過程についてリソグラフィ検証処理を行なった場合には、最終仕上がりに影響しない部分も擬似エラーとして検出されてしまう。このような擬似エラーを回避するために、疑似エラーの除去や確認に負荷を取られることとなる。
【0074】
また、生成されるポリゴンに基づくエッジ位置に対する検証処理(エッジ位置検証)については、強度分布とthreshold分布との比較による高速なエッジ位置計測ではなく、処理負荷の高い多角形間Boolean演算の結果を利用する必要がある。
【0075】
図14に示すように、OPC処理を行なう場合には、マスクの形状についての摂動計算を利用できるが、最終的な評価対象としては、処理負荷の高い多角形間Boolean演算の結果であるエッジポリゴン(Pf)を利用する必要がある。すなわち、OPC処理に必要な繰り返し回数だけ、輪郭化多角形化および多角形間Boolean演算が実行されることになる。
【0076】
このように、上述の関連技術を複数回加工プロセスに適用した場合には、単一加工プロセスに適用した場合に利用できていた、仕上がりエッジ位置計算や輪郭化多角形化を省略する方法を利用できない。そのため、リソグラフィ検証処理やOPC処理を行なう場合には、処理時間が増大する。
【0077】
また、リソグラフィ検証処理やOPC処理に係る処理手順が異なるため、既存のシミュレーションプログラム(シミュレーション装置)や当該シミュレーションプログラムを利用したアプリケーション(リソグラフィ検証やモデルベースOPCなど)の処理フローを変更しなければならない。
【0078】
《E.実施の形態1》
次に、実施の形態1に従うリソグラフィシミュレーションについて説明する。
【0079】
〈e1:処理手順〉
図15は、実施の形態1に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。図15に示す各ステップは、コンピュータ100のCPU105がシミュレーションプログラムを実行することで実現される。図16は、図15に対応する処理内容を説明するための図である。
【0080】
図15に示す処理手順では、図11に示す処理手順に含まれる多角形間Boolean演算(ステップS17)が存在しない。それに代えて、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)が実行される。そして、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)の実行後に、仕上がりエッジ位置計算(ステップS5)および輪郭化多角形化(ステップS6)が実行される。
【0081】
より具体的には、CPU105は、第1のマスク201によって生じるエネルギー強度分布211を算出する(ステップS11〜S14)。このステップS11〜S14の処理は、強度分布算出モジュール152(図3)によって提供される。すなわち、CPU105は、第1のマスク201に係るシミュレーション条件1の入力を受付ける(ステップS11)とともに、使用される第1のマスク201の形状を示すマスク関数1の入力を受付ける(ステップS12)。続いて、CPU105は、入力されたパラメータ条件1およびマスク関数1に基づいて、コヒーレント光学計算を行ない(ステップS13)、続いてエネルギー強度分布計算を行なう(ステップS14)。ステップS11〜S14によって、図16に示すような第1のマスク201についてのエネルギー強度分布211が取得される。
【0082】
同様に、CPU105は、第2のマスク202によって生じるエネルギー強度分布212を算出する(ステップS21〜S24)。このステップS21〜S24の処理は、強度分布算出モジュール152(図3)によって提供される。すなわち、CPU105は、第2のマスク202に係るシミュレーション条件2の入力を受付ける(ステップS21)とともに、使用される第2のマスク202の形状を示すマスク関数2の入力を受付ける(ステップS22)。続いて、CPU105は、入力されたパラメータ条件2およびマスク関数2に基づいて、コヒーレント光学計算を行ない(ステップS23)、続いてエネルギー強度分布計算を行なう(ステップS24)。ステップS21〜S24によって、図16に示すような第2のマスク202についてのエネルギー強度分布212が取得される。
【0083】
なお、上述の各ステップの処理内容については、図6および図11を用いて説明したので、詳細な説明は繰り返さない。
【0084】
続いて、ステップS20,S5,S6,S7の処理が実行される。これらの処理は、エッジ領域算出モジュール154(図3)によって提供される。
【0085】
より具体的には、CPU105は、まず強度分布トリム部除去処理を実行する(ステップS20)。この強度分布トリム部除去処理は、第2のマスク202についてのエネルギー強度分布212に基づいて、第1のマスク201についてのエネルギー強度分布211のうち、第2のマスク202により加工される領域の強度を、加工されない領域と判断される値に補正する処理である。
【0086】
このような強度分布トリム部除去処理(補正処理)210の具体的な処理例としては、第2のマスク202についてのエネルギー強度分布212を符号反転した上で、第1のマスク201についてのエネルギー強度分布211に加算する処理を含む。図16に示すように、第2加工で、フォトマスク遮光部をベースとして、トリムする部分をマスク透光部として構成したマスクを用いた場合には、エネルギー強度分布212を負値化することになる。すなわち、エネルギー強度分布212と反対の特性値を有するエネルギー強度分布213を用いて、エネルギー強度分布214が算出される。
【0087】
あるいは、単に、後述する正規化を行なった後、第1のマスク201についてのエネルギー強度分布211から第2のマスク202についてのエネルギー強度分布212を減算してもよい。
【0088】
さらに、強度分布トリム部除去処理(補正処理)210の別の具体的な処理例としては、第2のマスク202についてのエネルギー強度分布212のthreshold境界内に相当するエネルギー強度分布211の部分(に対応する行列の要素)の値を固定されたバックグラウンド値に置換してもよい。すなわち、ステップS20の強度分布トリム部除去処理は、エネルギー強度分布212と予め定められたしきい値分布とを比較することでエッジ形状を特定し、エネルギー強度分布211のうち特定されたエッジ形状の内部に対応する値をバックグラウンドとみなされる強度に置換する処理を含む。
【0089】
強度分布トリム部除去処理(ステップS20)によって、対象の複数回加工プロセスによって生成される最終仕上がりに相当するエネルギー強度分布214が取得される。
【0090】
続いて、CPU105は、ステップS20において取得されたエネルギー強度分布214に対して、仕上がりエッジ位置を計算する(ステップS5)。これによって、図16に示すように、ウェハ上に形成されるエッジ形状を示すContour215が算出される。さらに、CPU105は、算出されたContour215に対して輪郭化多角形化を行なう(ステップS6)。これにより、Contour215の輪郭は、多角形として近似される。最終的に、CPU105は、輪郭化多角形化の結果としてエッジポリゴン(Pf)216を出力する(ステップS7)。すなわち、図16に示すようなエッジポリゴン216が取得される。エッジポリゴン216の出力形態としては、ユーザが目視して確認できるように表示する形態、および後述するような次工程で利用可能な形式で出力する形態を含む。エッジポリゴン216は、対象の複数回加工プロセスによって得られる最終仕上がり形状を示す。
【0091】
なお、次工程としては、各種のEDA(Electronic Design Automation)ツールや、シミュレーションによるウェハパターン形状予測ツール(ビューワ)などが挙げられる。
【0092】
図15に示すように、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)は、輪郭化多角形化(ステップS6)よりも前に実行される。上述したように、輪郭化多角形化(ステップS6)の実行前までは、サンプリング定理を利用して、比較的疎の間隔で定義した行列を用いた行列演算として実装できる。そのため、処理を効率的に行なうことができ、複数回加工プロセスをシミュレーション対象とした場合であっても、処理負荷は増大しない。
【0093】
実施の形態1に従う処理手順を、図6に示す関連技術に係るリソグラフィシミュレーションを単一加工プロセスに適用した場合の処理手順と比較すると、マスク関数が複数入力されることを除けば、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)が追加的に実行される点のみが異なっている。そのため、関連技術において広く利用されている高速化手法をそのまま流用できるので、既存のソフトウェア資産を大きく変更することなく、複数回加工プロセスに対応したソフトウェアを容易に開発できる。すなわち、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)によって出力されるエネルギー強度分布214と、threshold分布とを併せて出力することにより、輪郭化多角形化といった処理を行なうことなく、OPC処理やリソグラフィ検証処理を効率的に行なうことができる。
【0094】
〈e2:強度分布トリム部除去処理〉
図15の強度分布トリム部除去処理(ステップS20)のより詳細な処理内容について説明する。上述したように、実施の形態1においては、近似された多角形ではなく、エネルギー強度分布211および212から直接的に行列演算することで、複数回加工によって得られる仮想的なエネルギー強度分布214が取得される。
【0095】
図16に示すように、このエネルギー強度分布214から、エッジ形状を示すContour215、およびエッジポリゴン216が算出される。ここで、エネルギー強度分布211および212における振幅は、互いの振幅の比(あるいは、thresholdの比)に応じて適宜調整(強度調整)してもよい。
【0096】
図16に示す強度分布トリム部除去処理の典型例としては、第1加工において生じるエネルギー強度分布211を強度調整した後、その強度調整後のエネルギー強度分布211に対して、第2加工において生じるエネルギー強度分布212を減算または加算することで、エネルギー強度分布214が算出される。より具体的には、第2加工において生じるエネルギー強度分布212を負値化した後に加算することになる。そして、この減算または加算によって得られたエネルギー強度分布214と、第1加工に対応するthresholdとを比較することで、Contour215が算出される。
【0097】
図16に示す強度分布トリム部除去処理の別の例としては、第2加工において生じるエネルギー強度分布212と第2加工に対応するthresholdとを比較することで算出される、第2加工によるContourを用いてもよい。より具体的には、第1加工において生じるエネルギー強度分布211のうち、第2加工によるContourの内部の領域にある要素の強度を第1加工においてバックグラウンドとみなされる強度に置換する。図16において、第2加工によるContourの内部の領域とは、第2加工において生じるエネルギー強度分布212のうち第2加工に対応するthresholdより大きい強度を有する部分である。
【0098】
図16では、第1加工において生じるエネルギー強度分布211のうち、第1加工に対応するthresholdよりも高い強度を有する部分が最終仕上がり形状となる。そのため、第1加工においてバックグラウンドとみなされる強度としては、thresholdよりも低い値、例えば「0」が設定される。さらに、第1加工においてバックグラウンドとみなされる強度に置換することで算出されたエネルギー強度分布214に対して、第1加工に対応するthresholdを適用することで、最終的に得られるContourの形状を決定してもよい。
【0099】
〈e3:行列演算〉
図16に示すエネルギー強度分布214は、比較的疎の間隔で定義した行列を用いて算出できる。このような行列演算の具体例としては、以下のようになる。
【0100】
例えば、第1加工において生じるエネルギー強度分布211の行列要素(強度)をaijとし、第2加工において生じるエネルギー強度分布212の行列要素(強度)をbijとし、エネルギー強度分布212に対応するthresholdの行列要素をthreshold_bijとする。この場合、行列演算としては、すべてのi,jの組について行列要素bijと行列要素threshold_bijとを順次比較する。そして、bij≧threshold_bijの場合には、対応する行列要素aijに「0」がセットされ、bij<threshold_bijの場合には、対応する行列要素aijの値がそのまま維持される(不変とされる)。
【0101】
図16には、その強度がthresholdよりも大きい領域がウェハ上で仕上がり形状として認識される例を示した。一方、その強度がthresholdよりも小さい領域がウェハ上で仕上がり形状として認識される場合については、強度分布とthresholdとの大小関係を上述したものとは反対にすればよい。より具体的には、第1加工においてバックグラウンドとみなされる強度としては、thresholdよりも高い値、例えば「1」が設定される。
【0102】
さらに、第1の加工と第2の加工との間で、ウェハ仕上がり形状を示す領域の強度分布とthresholdとの大小関係が異なっても同様に適用できる。
【0103】
このように、エネルギー強度分布211および212は、共通のグリッド間隔で定義された行列としてそれぞれ定義されている。あるいは、要素間を補間することで共通のグリッド間隔に変換されている。そして、図15の強度分布トリム部除去処理(ステップS20)は、エネルギー強度分布211および212にそれぞれ対応する行列についての演算処理を含む。
【0104】
〈e4:適用例〉
次に、上述したようなリソグラフィシミュレーションを実際に適用した例を示す。
【0105】
図17は、第1の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて算出された第1のマスク201に対応するエネルギー強度分布の一例を示す図である。図18は、第1の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて算出された第2のマスク202に対応するエネルギー強度分布の一例を示す図である。図19は、図18に示すエネルギー強度分布をthresholdで量子化した結果を示す図である。図20は、図17に示すエネルギー強度分布と図19に示す量子化されたエネルギー強度分布とを用いた強度分布トリム部除去処理の結果を示す図である。図21は、図20に示すエネルギー強度分布をthresholdで量子化した結果を示す図である。
【0106】
第1のマスク201および第2のマスク202の形状をそれぞれ示すマスク関数を用いて、図17および図18に示すエネルギー強度分布がそれぞれ算出される。上述したように、図18に示す第2加工において生じるエネルギー強度分布を反転(負値化)した上で、図17に示す第1加工において生じるエネルギー強度分布にそのまま加算してもよい。但し、図19に示す例では、第2加工において生じるエネルギー強度分布を量子化した結果を示す。すなわち、図19には、図18に示すエネルギー強度分布のうち、トリムされる部分(バックグラウンドとされるべき部分)の強度を「0」に設定し、それ以外を「1」に設定した例を示す。
【0107】
図20には、図17に示すエネルギー強度分布(各座標位置における強度を要素とする行列)と、図19に示す量子化されたエネルギー強度分布(各座標位置における強度(「0」または「1」)を要素とする行列)との行列演算の結果が示される。すなわち、対応する行列要素間の積が結果として算出される。さらに、図21には、図20に示すエネルギー強度分布を対応するthresholdと比較することで量子化された後のエネルギー強度分布が示される。すなわち、thresholdより大きな強度をもつ部分がエッジポリゴンを示すContourとして認識される。
【0108】
〈e5:利点〉
第1の実施の形態によれば、Contourの輪郭を示す多角形を入力とする図形演算を行なうことなく、複数回加工プロセス(典型的には、トリムプロセス)をシミュレーションするので、処理時間を短縮化できる。すなわち、上述した関連技術に係るリソグラフィシミュレーションにおいて必要であった多角形間Boolean演算を行なう必要がない。
【0109】
また、既存のシミュレーションプログラム(シミュレーション装置)や当該シミュレーションプログラムを利用したアプリケーション(リソグラフィ検証やモデルベースOPCなど)の処理フローを、ほぼそのまま複数回加工プロセスに適用できる。そのため、アプリケーションの開発工数を削減できるとともに、処理の高速化を実現できる。
【0110】
《F.実施の形態2》
次に、実施の形態2に従うリソグラフィシミュレーションについて説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1に従うリソグラフィシミュレーションを利用してリソグラフィ検証処理を行なう場合について説明する。
【0111】
〈f1:処理手順〉
図22は、実施の形態2に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。より具体的には、図22には、複数回加工プロセスに対応したリソグラフィ検証の手順が図示される。図22に示す各ステップは、コンピュータ100のCPU105がシミュレーションプログラムを実行することで実現される。図23は、図22に対応する処理内容を説明するための図である。
【0112】
図22に示すフローチャートは、上述の実施の形態1に従う処理手順(図15に示すフローチャート)に比較して、強度検証(強度エラー判定)(ステップS31)、強度勾配分布計算(ステップS32)、強度勾配検証(強度勾配エラー判定)(ステップS33)、仕上がりエッジ距離計算(ステップS41)、エッジ位置検証(エッジ距離エラー判定)(ステップS42)、多角形辺距離計算(ステップS51)、および、距離検証(多角形辺距離エラー判定)(ステップS52)が追加されている点が異なっている。さらに、ステップS9では、リソグラフィ検証によって検出された検証エラーが出力される。これらの追加・変更された処理は、リソグラフィ検証モジュール156(図3)によって提供される。
【0113】
図15に示すフローチャートに含まれる処理と同一の処理については、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は繰り返さない。
【0114】
すなわち、図22においては、リソグラフィ検証として、エネルギー強度分布に対する検証処理(強度検証)、エネルギー強度分布の傾き(強度勾配分布)に対する検証処理(強度勾配検証)、生成されるポリゴンに基づくエッジ位置に対する検証処理(エッジ位置検証)、および、生成されるポリゴンに基づく多角形の辺間の距離に対する検証処理(距離検証)が実行される例を示す。
【0115】
[i:強度検証/強度勾配検証]
図22および図23を参照して、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)によって生成されたエネルギー強度分布214に基づいて、強度検証(ステップS31)ならびに強度勾配検証(ステップS32およびS33)が実行される。
【0116】
強度検証(ステップS31)において、CPU105は、ステップS20の実行によって取得されたエネルギー強度分布214と、予め設定された検証規格値とを比較し、その大小関係に基づいて、強度エラーがあるか否かを判定する。強度エラーがある場合には、CPU105は、その強度エラーのある位置(座標)を含む検証エラーを出力する(ステップS9)。このように、リソグラフィ検証は、エネルギー強度分布211を補正して得られるエネルギー強度分布214における強度の大きさおよび強度勾配の少なくとも一方と対応する検証規格値と比較することでエラーの有無を検証する処理を含む。
【0117】
また、強度勾配分布計算(ステップS32)において、CPU105は、ステップS20の実行によって取得されたエネルギー強度分布214からエネルギー強度分布の傾き(強度勾配分布)を算出する。そして、CPU105は、算出された強度勾配分布と予め設定された検証規格値とを比較し、その大小関係に基づいて、強度勾配エラーがあるか否かを判定する(ステップS33)。強度勾配エラーがある場合には、CPU105は、その強度勾配エラーのある位置(座標)を含む検証エラーを出力する(ステップS9)。
【0118】
[ii:エッジ位置検証]
図22および図23を参照して、仕上がりエッジ位置計算(ステップS5)によって生成されたエッジ形状(Contour215)に基づいて、エッジ位置検証(ステップS41およびS42)が実行される。より具体的には、仕上がりエッジ距離計算(ステップS41)において、CPU105は、設計上のターゲットである位置とシミュレーションで計算された仕上がりエッジ位置との距離(エッジ距離)を算出する。そして、CPU105は、算出されたエッジ距離と予め設定された検証規格値とを比較し、その大小関係に基づいて、エッジ距離エラーがあるか否かを判定する。エッジ距離エラーがある場合には、CPU105は、そのエッジ距離エラーのある位置(座標)を含む検証エラーを出力する(ステップS9)。
【0119】
このように、リソグラフィ検証は、特定されたエッジ位置と設計ターゲット位置との間のエッジ距離を算出するとともに、当該算出されたエッジ距離と検証規格値とを比較することでエラーの有無を検証する処理を含む。
【0120】
なお、エッジ位置検証をより高速に処理するために、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)によって生成されたエネルギー強度分布214を利用してもよい。
【0121】
[iii:距離検証]
図22および図23を参照して、輪郭化多角形化(ステップS6)によって生成されたエッジポリゴン216に基づいて、距離検証(ステップS51およびS52)が実行される。より具体的には、多角形辺距離計算(ステップS51)において、CPU105は、輪郭化多角形化(ステップS6)によって生成されたエッジポリゴン216(予測された仕上がり形状)における対向するエッジ間距離(パターン幅やパターン間隔に相当)を算出する。そして、CPU105は、算出されたエッジ間距離と予め設定された検証規格値とを比較し、その大小関係に基づいて、多角形辺距離エラーがあるか否かを判定する。多角形辺距離エラーがある場合には、CPU105は、その多角形辺距離エラーがある位置(座標)を含む検証エラーを出力する(ステップS9)。
【0122】
なお、距離検証をより高速に処理するために、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)によって生成されたエネルギー強度分布214を利用してもよい。
【0123】
以上のようなリソグラフィ検証を行なった後、CPU105は、その検証結果を出力する(ステップS9)。すなわち、CPU105は、何らかの検証エラーがある場合には、そのエラー種別およびエラー位置などを出力する。このとき、検証結果は、ユーザが目視して確認できるように表示する形態、または次工程で利用可能な形式で出力されることが好ましい。
【0124】
このように、リソグラフィ検証は、エッジポリゴンにおける対向するエッジ間の距離を算出するとともに、当該算出されたエッジ間の距離と検証規格値とを比較することでエラーの有無を検証する処理を含む。
【0125】
上述の説明では、4種類の検証処理について例示したが、これらの検証処理のすべてが実行されないこともある。対象のプロセスなどに基づいて、実行される検証処理が適宜選択される。リソグラフィ検証は、上述した4種類の検証処理に限定されるものではなく、その他の検証処理を採用してもよい。
【0126】
図22に示すように、実施の形態2に従う複数回加工プロセスに対応したリソグラフィ検証の処理手順では、図11に示す多角形間Boolean演算(ステップS17)を必要としない。それに代えて、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)が実行される。そして、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)の実行後に、それぞれのリソグラフィ検証が実行される。
【0127】
〈f2:利点〉
図22に示すように、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)が実行されることにより、最終的な仕上がりに影響を与えない部分(トリムによって除去される部分)で生じるリソグラフィ検証エラー(擬似エラー)を取り除くことができる。すなわち、上述した関連技術を用いた場合には、検証処理の実行後に、擬似エラーを図形的に取り除かなければならなかったが、このような処理が不要になり、検証処理およびその確認を効率化できる。
【0128】
実施の形態2に従うリソグラフィシミュレーションによれば、リソグラフィ検証に特有の利点を得られる。図23に示すように、リソグラフィ検証では、エネルギー強度分布214、エネルギー強度分布214についての強度勾配分布、エッジ形状を示すContour215、および、エッジポリゴン(Pf)216といった異なる形式のシミュレーション結果が用いられる。
【0129】
これに対して、上述の関連技術を適用した場合には、最終仕上がりを表現するシミュレーション結果は、エッジポリゴン216のみが得られるにすぎない。そのため、エネルギー強度分布およびエネルギー強度分布についての強度勾配分布の情報が失われる。これらについてのリソグラフィ検証を行なうためには、第1のマスク201によって生じるエネルギー強度分布211および第2のマスク202によって生じるエネルギー強度分布212に対してリソグラフィ検証を行なった後、出力された検証エラーのうち、最終的な仕上がりに影響を与えない部分(トリムによって除去される部分)で生じるものを擬似エラーとして除去する必要がある。
【0130】
このように、上述の関連技術を適用した場合には、複数回加工プロセスの内容を考慮した処理を別途行なう必要があるが、第2の実施の形態によれば、このような処理を別途行なう必要がない。そして、第2の実施の形態によれば、リソグラフィ検証に必要な位置のエネルギー強度分布214およびその強度勾配分布などを容易に取得でき、かつ、リソグラフィ検証をより高精度に行なうことができる。
【0131】
また、実施の形態2においては、上述の実施の形態1と同様の利点が得られる。
《G.実施の形態3》
次に、実施の形態3に従うリソグラフィシミュレーションについて説明する。実施の形態3においては、上述した実施の形態1に従うリソグラフィシミュレーションを利用して光近接効果(OPC:Optical Proximity Correction)補正処理(OPC処理)を行なう場合について説明する。
【0132】
〈g1:処理手順〉
図24は、実施の形態3に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。より具体的には、図24には、複数回加工プロセスに対応したOPC処理の手順が図示される。図24に示す各ステップは、コンピュータ100のCPU105がシミュレーションプログラムを実行することで実現される。図25は、図24に対応する処理内容を説明するための図である。
【0133】
図24に示すフローチャートは、上述の実施の形態1に従う処理手順(図15)に示すフローチャートに比較して、ステップS7に代えて、ステップS61〜S65を含む点が異なっている。これらの追加・変更された処理は、光近接効果補正モジュール158(図3)によって提供される。
【0134】
OPC処理では、マスクパターンの補正およびシミュレーションによる最終仕上がり評価のために、マスク移動量ΔMによる摂動の影響を繰り返し計算する必要がある。マスク移動量ΔMによる摂動の影響は、輪郭化多角形化(ステップS6)によって生成されたエッジポリゴン216(予測された仕上がり形状)に基づいて算出できる。
【0135】
あるいは、仕上がりエッジ位置計算(ステップS5)によって生成されたエッジ形状(Contour215)に基づいて、マスク移動量ΔMによる摂動の影響を計算してもよい。この場合、エッジ形状(Contour215)に基づいて、ステップS61〜S65の処理を繰り返すことになり、輪郭化多角形化(ステップS6)の処理を省略できる。これにより、上述した実施の形態2に従うリソグラフィ検証の場合と同様に、処理をより高速化できる。
【0136】
以上のように、マスク移動量ΔMによる摂動の影響は、使用される情報に応じたアルゴリズムを用いて算出される。
【0137】
図24および図25を参照して、ステップS61において、エッジポリゴン216またはContour215を用いて、OPC処理に係る設計ターゲットとシミュレーションによって予測されるエッジ位置とのずれ量が算出される。すなわち、CPU105は、設計ターゲットからのずれ量(δε)を計算する。
【0138】
続いて、CPU105は、ステップS61において算出された設計ターゲットからのずれ量(δε)が予め設定された許容値(Tolerance)以内であるか否かを判断すると(ステップS62)。ずれ量(δε)が予め設定された許容値(Tolerance)以上である場合(ステップS62においてNOの場合)には、CPU105は、ずれ量に相当するOPC補正量を計算する(ステップS63)。すなわち、CPU105は、ずれ量(δε)に応じてマスク移動量ΔMを計算する。続いて、CPU105は、算出されたマスク移動量ΔMに基づいて、最終仕上がりを予測し直す。すなわち、CPU105は、マスク移動量ΔMによる摂動の影響を計算する(ステップS64)。そして、ステップS13以降の処理が再度実行される。
【0139】
このとき、コヒーレント光学計算(ステップS13)において、CPU105は、エッジ位置が移動することにより変化する部分に対して、限定的なコヒーレント光学計算を行なう。このような繰り返し演算におけるコヒーレント光学計算(ステップS13)では、摂動前の結果に摂動分の影響を加算することで処理を簡略化する。
【0140】
一般的なOPC処理では、ステップS61〜S64を含む繰り返し処理は、エッジの補正単位毎に、5回から10回程度実行される。アルゴリズムによっては、この繰り返し処理の中でさらに繰り返し処理を必要とするため、この十倍以上の繰り返し処理が実行されることがある。そのような場合、上述したような限定的なコヒーレント光学計算を採用することで、演算量を効率的に低減できる。
【0141】
なお、ステップS62においては、設計ターゲットからのずれ量(δε)に加えて、リソグラフィ検証と同様に強度や強度勾配などを評価してもよい。さらには、リソグラフィ検証で行なわれているように他の工程(配線工程に対するホール工程やポリ工程に対する活性工程など)との関係を評価してもよい。
【0142】
これに対して、ずれ量(δε)が予め設定された許容値(Tolerance)以内である場合(ステップS62においてYESの場合)には、CPU105は、補正結果を出力する(ステップS65)。
【0143】
このように、本実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションは、特定されたエッジ位置の設計ターゲット位置からのずれ量(δε)を算出するとともに、第1のマスク201を当該算出されたずれ量に基づいて修正する処理を含む。そして、この修正する処理では、算出されるずれ量が予め定められたしきい値以下となるまで、第1のマスク201の修正が繰り返される。また、明示的には図示していないが、最大の繰り返し数を超えた場合は、繰り返し処理を終えてステップS65へ進むこともできる。
【0144】
図24に示すように、実施の形態3に従う複数回加工プロセスに対応したOPC処理の処理手順では、図11に示す多角形間Boolean演算(ステップS17)を必要としない。そのため、繰り返し処理毎に負荷の高い多角形演算を行なう必要がない。
【0145】
〈g2:利点〉
上述したように、OPC処理では、ステップS61〜S64を含む繰り返し処理が処理負荷の大部分を占める。そのため、実施の形態3においては、マスク移動量ΔMを計算(ステップS63)およびマスク移動量ΔMによる摂動の影響の計算(ステップS64)について、コヒーレント光学計算を近似的に取り入れて、計算結果を再利用することで処理負荷を軽減する。これにより、光学計算の全てを繰り返し行なう必要がないので、処理をより高速化できる。
【0146】
この効率的な計算処理について、再度図8を参照して説明する。半導体装置の製造プロセスに利用される光学系は、一般に部分コヒーレント光学系である。図8のモジュール32は、コヒーレント光学計算を前提としている。第1のマスク201に対するマスク移動量ΔMによる摂動の寄与分は、マスク移動量ΔMの寄与分のみを、元のマスク形状の結果に加算するだけで計算できる。そのため、その計算負荷は小さく、OPC処理に適している。モジュール34は、モジュール32で複素数計算された結果をエネルギー値(実数値)に変換する。半導体装置の製造プロセスに利用される部分コヒーレント光学系に関しては、モジュール34が出力する結果に対して摂動の寄与を単純加算で求めることは、計算結果の誤差が大きくなり実用的ではない。
【0147】
上述した関連技術を用いて、複数回加工プロセスに対応したOPC処理を行なう場合には、多角形間Boolean演算によって最終的なエッジポリゴンを算出する必要がある。すなわち、輪郭化多角形化の処理を繰り返し行なう必要があり、これによる処理負荷の増大が著しく実用的ではない。
【0148】
これに対して、第3の実施の形態によれば、繰り返し処理を高速に実現でき、OPC処理を短時間で行なうことが可能である。
【0149】
また、実施の形態3においては、上述の実施の形態1または2と同様の利点が得られる。
【0150】
《H.実施の形態4》
上述の実施の形態1〜3においては、使用されるそれぞれのマスクの形状を示すマスク関数が入力される処理を例示した。複数回加工プロセスは、それぞれの加工過程が独立に設計されることも多い。このような場合には、一方の加工過程に用いられるマスクのOPC仕様が決定されていない状況でシミュレーションを行なわなければならない。実施の形態4では、このような状況であっても、シミュレーションを可能にして、それぞれを独立並行に開発することで、開発効率を向上できる処理方法について説明する。
【0151】
〈h1:処理手順〉
図26は、実施の形態4に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。一例として、第2加工に用いられるマスク形状が決定していない状況で、あるいはそのマスク形状を用いずに、シミュレーションを行なうための処理手順を図26に示す。図26に示す各ステップは、コンピュータ100のCPU105がシミュレーションプログラムを実行することで実現される。図27は、図26に対応する処理内容を説明するための図である。
【0152】
図26に示すフローチャートは、上述の実施の形態1に従う処理手順(図15に示すフローチャート)に比較して、ステップS21〜S24に代えて、ステップS25が実行される点が異なっている。すなわち、ステップS25において、第2加工で使用される第2のマスク202がウェハ上に仕上げるべき理想仕上がりの入力を受付ける。すなわち、コヒーレント光学計算(ステップS23)によって、第2のマスク202に対応するエネルギー強度分布212を算出するのではなく、第2のマスク202が仕上げるべき理想形状がマスク関数を用いて定義される。すなわち、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)には、thresholdと等しい強度を結ぶ領域が設計ターゲット形状を表現するエネルギー強度分布が入力される。
【0153】
強度分布トリム部除去処理(ステップS20)において、第2のマスク202が仕上げるべき理想形状(エネルギー強度分布)は、その符号を反転した上で、第1のマスク201についてのエネルギー強度分布211に加算される。なお、加算前に、threshold比による強度調整が行なわれてもよい。
【0154】
このように、エネルギー強度分布212として、第2のマスク202によりウェハ上に生じるべき理想仕上がりの強度分布が取得される。
【0155】
さらに、第1のマスク201に対する第2のマスク202の相対位置関係を変化させて、マスクアラインメントずれによる影響をシミュレーションすることもできる。
【0156】
〈h2:適用例〉
次に、上述したようなリソグラフィシミュレーションを実際に適用した例を示す。
【0157】
図27は、第4の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて用いられた第1のマスク201の一例を示す図である。図28は、第4の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて用いられた第2のマスク202の理想仕上がりの一例を示す図である。図29は、図27(B)に示すエネルギー強度分布と図28に示す理想仕上がりとを用いた強度分布トリム部除去処理の結果を示す図である。図30は、図28に示す第2のマスク202のマスクアライメントずれの一例を示す図である。図31は、図30に示すマスクアライメントずれを考慮した強度分布トリム部除去処理の結果を示す図である。なお、図27図31は、いずれも疎の間隔で定義した行列を用いた行列表現によるものである。そのため、処理は、これらの行列内あるいは行列間の演算で実現される。
【0158】
図27(A)は、第1のマスク201に対応する第1のマスク関数を示す。図27(B)は、第1のマスク関数に対応して、リソグラフィシミュレーションを行なうことで取得されるエネルギー強度分布を示す。
【0159】
図28は、第2のマスク202による理想仕上がりに対応する関数を示す。この関数では、非バックグラウンド部(トリムされる部分)を負値としている。
【0160】
上述の実施の形態1〜3においては、第2のマスク202を定義する第2のマスク関数を用いて、リソグラフィシミュレーションを行なうことで、対応するエネルギー強度分布が算出される。実施の形態4においては、第2のマスク202を用いて仕上げるべき設計ターゲット形状がそのまま最終仕上がりになると仮定して、その形状を示す関数を条件として採用する。第2のマスク202に対するOPC仕様が固まっていない開発段階において、第1のマスク201に対するOPC仕様を検討する際や、それぞれを並行して検討する際には、このような仮定条件を採用することが有効である。
【0161】
図29は、上述した条件下において算出される強度分布トリム部除去処理の結果を示す。図28に示す理想仕上がりに対応する関数では、非バックグラウンド部(トリムされる部分)についての光強度がthreshold未満となるように強度調整されている。そのため、複数回加工プロセスの実行によって得られるウェハ上の最終的な仕上がり形状は、図29に示すエネルギー強度分布において、そのエネルギー強度がthresholdと一致する部分を結んだ形状(Contour)に対応する。例えば、thresholdが固定値である場合には、図29に示すエネルギー強度分布において、そのthresholdの高さに対応する等高線がContourに対応する。
【0162】
図30は、図28に示す第2のマスク202の理想仕上がりを左手前方向に平行移動させて得られたエネルギー強度分布を示す。図31は、図30に示す平行移動された後のエネルギー強度分布を用いて、強度分布トリム部除去処理を行なった結果を示す。このような平行移動に係る処理は、行列の要素をずらすことで容易に実現できる。
【0163】
図29に示すエネルギー強度分布と図31に示すエネルギー強度分布との間の関係は、第2のマスク202に生じるマスクアライメントずれを考慮したウェハ上の最終的な仕上がり形状を示す。このように、第2のマスク202に対応したエネルギー強度分布と第1のマスク201に対応したエネルギー強度分布との相対関係を変更することにより、第1のマスク201と第2のマスク202との間のマスク重ねずれの影響を容易に評価できる。
【0164】
〈h3:利点〉
実施の形態4によれば、複数回加工プロセスにおいて、一方のマスクのOPC仕様が決定されない状況であっても、シミュレーションを行なうことができる。そのため、開発効率をより向上させることができる。
【0165】
実施の形態4によれば、符号反転や加算/減算といった簡単な行列演算で、複数回加工プロセスをシミュレーションできる。そのため、シミュレーションに係る処理負荷の増大を抑制できるとともに、アプリケーションの開発コストや構築コストを低減できる。さらに、ステップS21〜S24の処理を省くことにより、処理負荷を削減することが可能である。
【0166】
実施の形態4によれば、マスク間の重ね合わせずれ(マスクアライメントずれ)を行列シフトにより容易に計算できる。そのため、シミュレーションに係る処理負荷の増大を抑制できるとともに、アプリケーションの開発コストや構築コストを低減できる。
【0167】
《I.実施の形態5》
上述の実施の形態1〜4においては、複数回加工プロセスの一例として、トリムプロセスに適用される場合の処理について説明したが、別の例として、ダブルパターニングプロセス(Double Patterning Technology:以下、「DPT」とも記す。)に応用することもできる。実施の形態5においては、ダブルパターニングプロセスを対象として、リソグラフィシミュレーションを行なう手順について説明する。
【0168】
ダブルパターニングは、複数のマスクを用いてそれぞれ配線などを形成する製造プロセスである。上述のトリムプロセスとは異なり、それぞれのマスクによって形成される形状の合計が最終仕上がりとなる。
【0169】
〈i1:処理手順〉
図32は、実施の形態5に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。図22に示す各ステップは、コンピュータ100のCPU105がシミュレーションプログラムを実行することで実現される。図33は、図32に対応する処理内容を説明するための図である。
【0170】
図32に示すフローチャートは、上述の実施の形態1に従う処理手順(図15に示すフローチャート)に比較して、強度分布トリム部除去処理(ステップS20)に代えて、強度分布正規化処理(ステップS71)、強度分布量子化処理(ステップS72)、および強度分布加算処理(ステップS73)が追加されている点が異なっている。これらの追加・変更された処理は、強度分布調整モジュール160(図3)によって提供される。
【0171】
強度分布正規化処理(ステップS71)は、第1のマスク201によって生じる仮想的なエネルギー強度分布211と第2のマスク202によって生じる仮想的なエネルギー強度分布212との間で正規化する処理である。強度分布加算処理(ステップS73)は、正規化および量子化された両エネルギー強度分布を加算することで多数回プロセスによって生じる強度分布を出力する処理である。
【0172】
図33に示すように、実施の形態5においては、図15に示すような強度分布トリム部除去処理210に代えて、強度分布正規化・量子化・加算処理220が実行される。
【0173】
図15に示すフローチャートに含まれる処理と同一の処理については、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は繰り返さない。
【0174】
図32に示すように、追加された強度分布正規化処理(ステップS71)、強度分布量子化処理(ステップS72)、および強度分布加算処理(ステップS73)は、輪郭化多角形化(ステップS6)よりも前に実行される。上述したように、輪郭化多角形化(ステップS6)の実行前までは、サンプリング定理を利用して、比較的疎の間隔で定義した行列を用いた行列演算として実装できる。そのため、処理を効率的に行なうことができ、複数回加工プロセスをシミュレーション対象とした場合であっても、処理負荷は増大しない。また、既存のソフトウェア資産を大きく変更することなく、複数回加工プロセスに対応したソフトウェアを容易に開発できる。
【0175】
図32および図33を参照して、強度分布正規化処理(ステップS71)において、CPU105は、第1および第2加工においてそれぞれ取得されるエネルギー強度分布の間の比を調整(正規化)する。続いて、強度分布量子化処理(ステップS72)において、CPU105は、調整後のそれぞれのエネルギー強度分布をthresholdとの大小関係により量子化する。そして、強度分布加算処理(ステップS73)において、CPU105は、量子化された結果同士を加算する。これにより、第1加工および第2加工からなるDPTによって得られる仮想的なエネルギー強度分布223が取得される。この仮想的なエネルギー強度分布223からエッジ位置が計算されて、ウェハ上に形成されるエッジ形状を示すContour231が取得される。さらに、取得されたContour231に対して輪郭化多角形化を行なうことで、エッジポリゴン(Pf)232が取得される。
【0176】
上述のような手順によって、DPTによって得られるウェハパターン形状が取得される。
【0177】
なお、図32に示す処理手順においては、強度分布トリム部除去処理(図15のステップS20)が取り除かれているが、DPTとトリムプロセスとを合わせて実行する場合には、強度分布加算処理(ステップS73)の後などのプロセスフローの順番に応じた位置で、この強度分布トリム部除去処理を実行してもよい。ステップS71〜S73に示す強度分布正規化・量子化・加算処理と、強度分布トリム部除去処理とを併せて実行できることは自明であるので、詳細な説明は行なわない。
【0178】
また、1つまたは複数のマスクについてのリングラフィの効果(回折、干渉、レジスト内エネルギー蓄積効果など)を考慮したエネルギー強度分布に代えて、上述の実施の形態4において説明したように、それぞれのマスクが仕上げるべき理想仕上がりを入力として用いてもよい。さらに、上述したような結果を用いて、検証処理やOPC処理を行なうこともできる。
【0179】
〈i2:強度分布正規化・量子化・加算処理〉
次に、図34図37を参照して、図32に示す強度分布正規化・量子化・加算処理(ステップS71〜S73)の詳細な処理内容について説明する。
【0180】
まず、図34および図35を参照して、強度分布正規化処理について説明する。
図34は、第5の実施の形態に従うリソグラフィシミュレーションにおいて用いられるマスクによる仮想的なエネルギー強度分布の一例を示す図である。図34(A)は、ウェハ上の任意の位置における第1のマスク201による仮想的なエネルギー強度分布を示し、図34(B)は、ウェハ上の任意の位置における第2のマスク202による仮想的な強度分布を示す。図35は、図34に示す仮想的なエネルギー強度分布を正規化した結果の一例を示す図である。
【0181】
図34および図35においては、横軸をウェハ上の位置(その値は任意単位である)とし、縦軸を強度の大きさ(その値は任意単位である)としている。他の図36図39についても同様である。コンピュータ100内では、これらのエネルギー強度分布は、比較的疎の行列表現を用いて定義されている。実際には、ウェハ上のx軸およびy軸に対してそれぞれ強度軸をもつ3次元表現であるが、ここでは、視覚的に認識しやすいように2次元表現を用いて説明する。
【0182】
一般的には、第1加工および第2加工はその条件などが異なるため、エネルギー強度分布、およびそのエネルギー強度分布に対応して算出されるエッジ位置を示すthresholdは、加工間で異なったものとなる。そのため、それぞれのエネルギー強度分布に対応したthresholdと比較して得られる、各エネルギー強度分布との交点がウェハ上のパターンのエッジ位置として決定される。
【0183】
すなわち、以下に示す(1)式を満足するxの解の集合が、上述したウェハ上に形成されるパターンのエッジ位置となる。
【0184】
(x)−f(x)=0 …(1)
なお、説明の簡略化のため、ウェハ上の位置を一次元値xで示している。但し、ウェハ上の位置を二次元値(x,y)とした場合には、いずれも(x,y)の関数となる。また、f(x)は、エネルギー強度分布のウェハ上の位置についての関数であり、f(x)は、thresholdの位置についての関数である。
【0185】
さらに、thresholdについての関数を、以下の(2)式のように変形できる。
(x)=f’(x)+Cthreshold …(2)
ここで、Cthresholdは、定数項でウェハ上の位置に依存しないものとする。(2)式を(1)式に代入し変形すると(3)式を得る。
【0186】
(x)−f’(x)=Cthreshold …(3)
さらに、仮想的なエネルギー強度分布fps(x)を(4)式のように定義すると、(5)式を得る。
【0187】
ps(x)=f(x)−f’(x) …(4)
ps(x)=Cthreshold …(5)
以上のように、仮想的なエネルギー強度分布を用いることで、このエネルギー強度分布と定数Cthresholdとの交点を用いて、ウェハ上のエッジ位置が表現できる。
【0188】
図34(A)および図34(B)は、第1のマスク201による仮想的な強度分布(仮想強度分布)fps1(x)、および、第2のマスク202による仮想的な強度分布(仮想強度分布)fps2(x)をそれぞれ示す。第1加工および第2加工に対応するthresholdを、それぞれthresholdおよびthresholdとする。
【0189】
すると、図34(A)においては、仮想強度分布fps1(x)とthresholdとの交点が、ウェハ上のエッジ位置となり、図34(B)においては、仮想強度分布fps2(x)とthresholdとの交点が、ウェハ上のエッジ位置となる。
【0190】
ここで、thresholdの比に応じて、それぞれの仮想強度分布を調整することで、同一のthresholdを用いて両者の交点(エッジ位置)がそれぞれ算出できるようにする。本明細書において、このような調整処理を「正規化」と称する。
【0191】
すなわち、図35(A)には、図34(A)に示す仮想強度分布fps1(x)がそのまま示されている一方で、図35(B)には、正規化後の仮想強度分布fps2’(x)が示されている。ここで、仮想強度分布fps2’(x)は、以下に示す(6)式に従って算出される。
【0192】
ps2(x)=fps2(x)・threshold/threshold …(6)
このような正規化処理によって、両仮想強度分布と共通のthreshold(この例では、threshold)とがそれぞれ比較されることで、ウェハ上のそれぞれのエッジ位置が決定される。
【0193】
次に、図36を参照して、量子化処理について説明する。
図36は、図35に示す正規化された仮想的なエネルギー強度分布を量子化した結果の一例を示す図である。図36(A)は、第1のマスク201による量子化処理後の仮想強度分布を示し、図36(B)は、第2のマスク202による量子化処理後の仮想強度分布を示す。
【0194】
図36(A)および図36(B)には、3つの関数が描かれている。この3つの関数は、図35に示す量子化処理後の仮想強度分布250,260と、threshold(この例では、ここでは共通のthreshold)252と、量子化処理後の仮想強度分布254,264とを含む。
【0195】
量子化処理では、シミュレーション処理上においてエッジを示す点の集合(一般には、閉曲面)の内側/外側のうち、ウェハパターン形状を代表させる側を「1」(または、thresholdに対して十分大きな値)とし、他を「0」(または、thresholdに対して十分小さな値であって負値を含む)とする。ここで、ウェハパターン形状を代表させる側とは、例えば、ポジプロセスのホール系プロセスでは、一般的に、閉曲面の内側、つまり仮想強度分布が高い側である。なお、量子化処理の「1」と「0」との関係(強弱関係)については、互いに逆であってもよい。
【0196】
ここまでの演算は、第1および第2のマスクによる強度分布を表す疎の行列に対して、簡単な行列演算を行なうことで処理できる。さらに、これら量子化処理後の仮想強度分布254,264を用いることで、複数のマスクを用いるDPT(および、トリムのプロセス)を比較的疎の間隔で定義した行列を用いて容易に計算できる。
【0197】
次に、図36を参照して、加算処理について説明する。
図37は、図36に示す量子化された仮想的なエネルギー強度分布を加算した結果の一例を示す図である。図37(A)には、第1のマスク201および第2のマスク202を左右にずらして配置した場合における、量子化された仮想強度分布254,264およびthreshold252を示す。図37(B)には、第1のマスク201および第2のマスク202により形成されるパターンの位置が重なっている場合における、量子化された仮想強度分布254,264およびthreshold252を示す。
【0198】
図37(A)に示す例は、第1のマスク201および第2のマスク202によってそれぞれ形成されるウェハパターンが互いにずれて配置されている場合に相当する。より具体的には、第1のマスク201および第2のマスク202からそれぞれ得られる量子化された仮想強度分布を所定の相対関係に平行移動して加算することで得られる。
【0199】
第1のマスク201および第2のマスク202によりそれぞれ形成されるパターン間に間隔がある場合には、threshold252は、仮想強度分布と4点で交わる。このことから、図37(A)に示す例では、2つのパターンがある間隔だけ離れて形成されるというシミュレーション結果を得る。
【0200】
なお、量子化処理を行なう前の仮想強度分布を加算すると、通常、DPTによって得られる最終仕上がりを示す結果を算出できない。なぜなら、図5(A)に示すように、複数回加工プログラムにおいて、本来的に、回折効果によるレジスト内のなだらかなエネルギー分布は互いに影響しないにもかかわらず、両マスクによるレジスト内エネルギー分布が誤って加算されることになるためである。
【0201】
上述したような量子化処理を行なうことで、このようなレジスト内エネルギー分布の影響を排除して、加工後のエッジ位置のみを適切に考慮することができる。
【0202】
図37(B)に示す例は、第1のマスク201および第2のマスク202によってそれぞれ形成されるウェハパターンが重なって配置されている場合に相当する。この場合においても、上述の図31(A)と同様に、第1のマスク201および第2のマスク202からそれぞれ得られる量子化された仮想強度分布を所定の相対関係に平行移動して加算することで得られる。但し、平行移動する量が図31(A)の場合とは異なっている。
【0203】
図37(B)に示す例では、第1のマスク201および第2のマスク202によりそれぞれ形成されるパターン間に間隔がない場合には、threshold252は、仮想強度分布と2点で交わる。このことから、図37(B)に示す例では、それぞれのマスクで形成される2つのパターンはその間に間隙をもたず、一体的に形成されるというシミュレーション結果を得る。
【0204】
上述の図37(A)の記述において説明したように、量子化処理を行なうことで、両マスクのレジスト内エネルギー分布の影響を排除できる。
【0205】
なお、図37では、単純加算の例を挙げたが、加算後に「0」未満となる領域を「0」とし、加算後に「1」を超える領域を「1」などとする、正規化処理をさらに行なってもよい。また、量子化処理を行なうことで正規化処理を省略することもできる。
【0206】
〈i3:トリムプロセス〉
上述のような処理によって算出されたシミュレーション結果に対して、さらにトリムプロセスを行なってもよい。
【0207】
図38は、実施の形態5に従うリソグラフィシミュレーションで用いられるトリムマスク関数の一例を示す図である。図39は、図37に示すシミュレーション結果に対して図38に示すトリムマスク関数を用いたトリムプロセスを適用した結果を示す図である。
【0208】
図38に示すトリムマスク関数では、トリム処理により除去される領域(バックグラウンドと同一に扱われる領域)には十分に大きな負値が設定されており、その他の領域には0が設定されている。
【0209】
図39(A)は、図37(A)に示す仮想強度分布と図38に示すトリムマスク関数とを加算することで算出された仮想強度分布を示す。図39(B)は、図37(B)に示す仮想強度分布と図38に示すトリムマスク関数とを加算することで算出された仮想強度分布を示す。
【0210】
図39(A)によれば、仮想強度分布254,264とthreshold252との交点で、第1のマスクおよび第2のマスクによるDPTで形成されたウェハパターンに対して、さらにトリムプロセスを適用することで得られる4つの交点で示されるウェハパターンのエッジ位置(符号272,274)が算出されていることが分かる。同様に、図39(B)によれば、仮想強度分布254,264とthreshold252との交点で、第1のマスクおよび第2のマスクによるDPTで形成されたウェハパターンに対して、さらにトリムプロセスを適用することで得られる4つの交点で示されるウェハパターンのエッジ位置(符号276)が算出されていることが分かる。
【0211】
〈i4:利点〉
実施の形態5によれば、強度分布正規化・量子化・加算処理といった簡単な行列演算で、複数回加工プロセス(DTPプロセス)をシミュレーションできる。また、実施の形態5によれば、マスク間の重ね合わせずれ(マスクアライメントずれ)を行列シフトにより容易に計算できる。そのため、シミュレーションに係る処理負荷の増大を抑制できるとともに、アプリケーションの開発コストや構築コストを低減できる。
【0212】
また、上述の実施の形態4において説明したように、それぞれのマスクが仕上げるべき理想仕上がりを入力として用いることもできる。
【0213】
《J.実施の形態6》
上述の実施の形態1〜5において説明したように、複数回加工プロセスの実行後にウェハ上で得られるパターン形状を高速にシミュレーションできる。このとき、複数回加工プロセスに使用される複数のマスクの形状をそれぞれ示すマスク関数(あるいは、マスクの形状マスク関数に代えて当該マスクの理想仕上がり)が入力される。
【0214】
このようなシミュレーションの応用例として、本実施の形態に従うシミュレーションを用いてマスク製造プロセスを評価する方法について説明する。
【0215】
一般的に、マスクは1枚ずつ製造される。このマスク製造では、加工後のマスクを検査して、欠陥を修正するという工程が含まれる。この欠陥の修正の要否を判断する処理が、マスクの製造コストに影響する。なぜなら、修正が必要と判断された欠陥は、修正工程にて除去され洗浄工程を経た後、再度検査工程にかける必要があるためである。すなわち、特定の複数回加工プロセスに用いるマスクとして、半導体デバイスに最終的に影響をおよぼすような真に修正を必要とする欠陥が存在するか否かを判断し、その修正コストを可能な限り低減したいというニーズがある。
【0216】
そこで、上述したようなシミュレーションをマスク製造のフローに適用することで、加工後のマスクの検査時に、目的の複数回加工プロセス(トリムプロセス)実行後のウェハ上のパターン形状に真に影響を及ぼす欠陥のみを修正対象として特定する。
【0217】
〈j1:処理手順〉
図40は、実施の形態6に従うリソグラフィシミュレーションの手順を示すフローチャートである。図40には、一例として、マスク製造プロセスにおいて第1のマスク201を検査する例を示す。図40に示す各ステップは、コンピュータ100のCPU105がシミュレーションプログラムを実行することで実現される。
【0218】
図40に示すフローチャートは、上述の実施の形態1に従うフローチャート(図15)に比較して、ステップS81〜S89の処理が追加されている。
【0219】
より具体的には、ステップS81〜S84に示す処理においては、加工後の第1のマスクが有する特性値を用いて、当該加工後の第1のマスクによって得られるであろうエネルギー強度分布が算出される。すなわち、CPU105は、第1のマスク201に係るシミュレーション条件1の入力を受付ける(ステップS81)とともに、加工後の第1のマスク201の形状を示す画像の入力を受付ける(ステップS82)。この画像は、典型的には、撮像装置を用いて加工後の第1のマスク201を撮像することで取得される。
【0220】
続いて、CPU105は、入力されたパラメータ条件1および入力された第1のマスクを示す画像に基づいて、コヒーレント光学計算を行ない(ステップS83)、続いてエネルギー強度分布計算を行なう(ステップS84)。
【0221】
ステップS85〜S87においては、加工後の第1のマスク201の特性値と、第2のマスク202の設計値を示すマスク関数2とを用いたポリゴンエッジが計算される。この処理の詳細については、上述したステップS20,S5,S6とそれぞれ同様である。
【0222】
その後、ステップS88において、CPU105は、第1のマスクの設計値、すなわちマスク上に形成されるべき理想形状を示すマスク関数1および第2のマスクの設計値を示すマスク関数2により計算されたエッジポリゴンと、加工後の第1のマスク201の特性値および第2のマスクの設計値を示すマスク関数2により計算されたエッジポリゴンとを比較する。このエッジポリゴン同士の比較によって、CPU105は、加工後の第1のマスク201が設計値とは異なる何らかの影響を与えるか否かを評価する(影響評価処理)。
【0223】
そして、CPU105は、ステップS88における評価結果に基づいて、修正要否の結果を出力する(ステップS89:修正要否結果出力)。
【0224】
上述したように、本実施の形態に従うマスク製造プロセスは、加工された第1のマスク201の特性値を取得するとともに、取得された第1のマスク201の特性値と第2のマスク202に対応するエネルギー強度分布212との間でウェハ上に形成される領域の輪郭を示すエッジポリゴンを出力する処理と、出力される2つのエッジポリゴンを評価することで、加工された第1のマスク201に対する修正要否を判断する処理とを含む。さらに、ウェハ上の理想仕上がり形状を用いて実施の形態4との組み合わせにより、ステップS21〜S24に代えてステップS25を用いることで、計算負荷を低減することも可能である。
【0225】
その他の詳細な手順については、文献2(特開平09−297109号公報)を参照してもよい。すなわち、文献2は、マスク検査で検出された欠陥の修正要否を判断する際、欠陥が最終的に得られるウェハパターン形状に及ぼす影響のみをリングラフイシミュレーションを用いて評価する手法が提案されている。
【0226】
〈j2:利点〉
本実施の形態に従うシミュレーション方法では、複数回加工プロセスにおいて、一方のマスクのパターン形状が決定されない状況であっても、複数回加工プロセス後にウェハ上で得られるパターン形状を高速に評価することができる。この特性を利用して、マスク検査で検出された欠陥の修正要否をより的確に判断できる。
【0227】
これによって、加工後のマスクに含まれる欠陥のうち、複数回加工プロセス(トリムプロセス)後に消失するなどして影響を及ぼさない欠陥については、その修正を省くことができる。これによって、マスク作製コストを低減できる。
【0228】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0229】
2 基板層、4 導電体層、6 第1のレジスト、8 マスク透光部、10,12 フォトマスク遮光部、14 第2のレジスト、20 領域、32,34 モジュール、100 コンピュータ、101 コンピュータ本体、102 モニタ、103 キーボード、104 マウス、105 CPU、106 メモリ、107 固定ディスク、109 通信インターフェース、111 FD駆動装置、112 FD、113 CD−ROM駆動装置、114 CD−ROM、150 シミュレーションプログラム、152 強度分布算出モジュール、154 エッジ領域算出モジュール、156 リソグラフィ検証モジュール、158 光近接効果補正モジュール、160 強度分布調整モジュール、201,301 第1のマスク、202,302 第2のマスク。
図2
図3
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