【実施例】
【0013】
本実施例に係るシステムの構成について説明する。
図1は、本実施例に係るシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、このシステムは、携帯端末1、センター2を有する。携帯端末1は、公衆回線5を介してセンター2に接続する。
【0014】
携帯端末1は、患者に対して医療行為を行う医師が携帯する端末装置である。例えば、携帯端末1は、スマートフォン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、タブレット端末などに対応する。
【0015】
例えば、本実施例で説明する医師は、訪問診療のスケジュールにしたがって、訪問診療を行う。医師は、訪問診療が終わった後や、訪問診療の合間に、携帯端末1を操作して、センター2に接続する。医師は、携帯端末1を利用して、センター2に接続した後に、複数の患者に対する訪問診療の結果を順に口述することで、複数の患者に対する訪問診療の結果の情報を含む音声情報をセンター2に通知する。また、医師は、訪問診療の結果を口述している最中に、口述対象の患者をかえるタイミングで、携帯端末1の所定のボタンを押下することで、患者が切り替わったタイミングの信号を、センター2に通知する。例えば、医師は、携帯端末1のシャープボタンを押下することで、患者が切り替わったタイミングの信号をセンター2に通知する。以下の説明において、患者が切り替わったタイミングの情報を、区切り情報と表記する。
【0016】
ここでは、携帯端末1を示すが、このシステムはその他の医師が利用する複数の携帯端末が含まれる。各医師は、上記の医師と同様にして、各携帯端末を使用して、センター2に接続し、音声情報や区切り情報を送信する。
【0017】
センター2は、例えば、交換機30、受信端末10a〜10c、原稿作成端末20a〜20c、CTIサーバ40、ファイルサーバ100を有する。センター2は、受信端末10a〜10c以外の受信端末を有していても良い。センター2は、原稿作成端末20a〜20c以外の原稿作成端末を有していても良い。また、交換機30は、センター2の外部に設置されていても良い。
【0018】
受信端末10a〜10cをまとめて、適宜、受信端末10と表記する。原稿作成端末20a〜20cをまとめて、適宜、原稿作成端末20と表記する。
【0019】
受信端末10は、医師の利用する携帯端末1からの接続要求を受けた後に、医師の口述する音声情報を録音する装置である。上記のように、医師が口述する音声情報には、複数の患者に対する訪問診療の結果の情報が含まれる。また、受信端末10は、区切り情報を携帯端末1から受け付ける。
【0020】
更に、受信端末10は、携帯端末1から通知される区切り情報を用いて、音声情報を複数の患者毎に分割することで、分割音声情報を生成する。受信端末10は、分割音声情報をファイルサーバ100に送信し、分割音声情報をファイルサーバ100に保存する。
【0021】
原稿作成端末20は、ファイルサーバ100から患者毎の分割音声情報および電子カルテ原稿データを受け付ける装置である。オペレータは、原稿作成端末20を操作して、ファイルサーバ100から受け付けた患者毎の分割音声情報を聞いて、訪問診療の結果を把握する。オペレータは、原稿作成端末20を操作し、把握した訪問診療の内容を基にして、電子カルテ原稿データに該当する情報を入力する。原稿作成端末20は、訪問診療の結果が入力された電子カルテ原稿データを、ファイルサーバ100に送信し、電子カルテ原稿データを、ファイルサーバ100に保存する。また、原稿作成端末20は、訪問診療の結果が入力された電子カルテ原稿データを、医師の勤務する病院のサーバ等に送信する。
【0022】
交換機30は、携帯端末1と、受信端末10および原稿作成端末20との音声による通信経路を確立する装置である。
【0023】
CTI(Computer Telephony Integration)サーバ40は、携帯端末1からセンター2に対する通話を受け付けた場合に、着信中の携帯端末1の電話番号等を、受信端末10、原稿作成端末20に表示させる装置である。また、CTIサーバ40は、空いている受信端末10を選択し、選択した受信端末10と携帯端末1との通話を接続する。
【0024】
ファイルサーバ100は、各種の情報を管理するサーバ装置である。例えば、ファイルサーバ100は、受信端末10から受信する分割音声情報を記憶する。また、ファイルサーバ100は、分割音声情報と、該分割音声情報に対応する電子カルテ原稿データとを対応付けた電子カルテ原稿管理テーブルを記憶する。
【0025】
図2は、本実施例に係るファイルサーバの構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、このファイルサーバ100は、通信部110、入力部120、表示部130、記憶部140、制御部150を有する。
【0026】
通信部110は、受信端末10、原稿作成端末20、CTIサーバ40とデータ通信を実行する処理部である。例えば、通信部110は、通信カード等の通信装置に対応する。後述する制御部150は、通信部110を介して、受信端末10、原稿作成端末20、CTIサーバ40とデータのやり取りを行う。
【0027】
入力部120は、ファイルサーバ100に各種の情報を入力する入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウス、タッチパネル等に対応する。
【0028】
表示部130は、制御部150から出力される各種の情報を表示する表示装置である。例えば、表示部130は、ディスプレイやタッチパネルに対応する。
【0029】
記憶部140は、分割音声情報テーブル141、使用電話リスト142、診療スケジュール情報143、病院別カルテ原稿データ144、電子カルテ原稿管理テーブル145を記憶する。例えば、記憶部140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
【0030】
分割音声情報テーブル141は、音声情報を患者毎に分割した情報を保持するテーブルである。
図3は、分割音声情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図3に示すように、この分割音声情報テーブル141は、電話番号、日時、枝番、分割音声情報を対応付ける。電話番号は、携帯端末の電話番号である。日時は、携帯端末から電話を受けた日時である。
【0031】
使用電話リスト142は、電話番号と医師名とを対応付けるリストである。
図4は、使用電話リストのデータ構造の一例を示す図である。
図4に示すように、使用電話リスト142は、電話番号と、医師名とを対応付ける。例えば、医師名「医師A1」の医師は、電話番号「123−456−789」の携帯端末を保持する。
【0032】
診療スケジュール情報143は、各医師の診療スケジュールに関する情報を示す。
図5は、診療スケジュール情報のデータ構造の一例を示す図である。
図5に示すように、この診療スケジュール情報143は、日付、医師名、病院名、診療スケジュールを対応付けて保持する。日付はスケジュールの日付である。医師名は医師の名称である。病院名は、医師が勤務する病院の名称である。
【0033】
診療スケジュールは、該当する日付の医師の診療スケジュールである。例えば、診療スケジュールは、訪問順、追番、患者名、訪問先を対応付ける。例えば、
図5に示す例では、2012年12月13日に、医師A1は、個人宅A、個人宅B、施設A、施設Bの順に訪問する。なお、施設A、B等のように、複数の患者が存在する場合には、医師は、適宜患者の都合に合わせて、順番を取り決め、診断を行う。すなわち、施設A、B等のように、複数の患者が存在する場合には、患者の診療順は特に決まっておらず、追番は必ずしも診療順を示すものではない。
【0034】
病院別カルテ原稿データ144は、病院毎の電子カルテ原稿の情報を保持する。
図6は、病院別カルテ原稿データのデータ構造の一例を示す図である。
図6に示すように、病院別カルテ原稿データ144は、病院名、カルテ原稿タイプ、電子カルテ原稿データを対応付けて保持する。このうち、カルテ原稿タイプは、電子カルテ原稿のタイプを識別するものであり、追記タイプと新規タイプが存在する。
【0035】
追記タイプの電子カルテ原稿は、患者の過去の診療記録の最新情報を含むものであり、それに追記する形で、今回の診療記録原稿が作成される。新規タイプの電子カルテ原稿は、過去の患者の診療の記録を含まない新規のカルテ原稿である。電子カルテ原稿データは、各病院の患者毎の電子カルテ原稿の情報や、各病院の新規の電子カルテ原稿の情報であり、病院の有資格者によって、原稿原本として提供される。
【0036】
なお、過去の診療記録は必ず提供されるとは限らず、その場合は新規タイプの原稿として作成される。また、原稿が提供されていない場合には、口述内容をテキストにした情報をカルテ原稿として作成する。
【0037】
例えば、
図6の1段目では、病院X1のカルテ原稿タイプが「追記タイプ」であり、電子カルテ原稿データには、患者B1の電子カルテ原稿データ、患者B2の電子カルテ原稿データ、患者B3の電子カルテ原稿データ等を含む。例えば、患者B1の電子カルテ原稿データには、患者B1に関する過去の診療記録が含まれる。患者B2の電子カルテ原稿データ、患者B3の電子カルテ原稿データについても同様である。
【0038】
図6の2段目では、病院X2のカルテ原稿タイプが「新規タイプ」であり、電子カルテ原稿データは、病院X2用の、新規の電子カルテ原稿データである。
【0039】
図6の3段目では、病院X3のカルテ原稿タイプが「追記タイプ」であり、電子カルテ原稿データには、患者C1の電子カルテ原稿データ、患者C2の電子カルテ原稿データ、患者C3の電子カルテ原稿データ等を含む。例えば、患者C1の電子カルテ原稿データには、患者C1に関する過去の診療記録が含まれる。患者C2の電子カルテ原稿データ、患者C3の電子カルテ原稿データについても同様である。
【0040】
電子カルテ原稿管理テーブル145は、分割音声情報と、該分割音声情報に対応する電子カルテ原稿データとを対応付けるテーブルである。
図7は、電子カルテ原稿管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【0041】
図7に示すように、この電子カルテ原稿管理テーブル145は、電話番号、日時、枝番、分割音声情報、患者名、電子カルテ原稿データ、フラグを対応付ける。このうち、電話番号、日時、枝番、分割音声情報は、
図3に示した分割音声情報テーブル141の電話番号、日時、枝番、分割音声情報に対応する。また、患者名は、患者の名称である。電子カルテ原稿データは、各患者の電子カルテ原稿データである。フラグは、分割音声情報による診療結果が電子カルテ原稿データに反映されたか否かを示すものである。例えば、フラグが「オン」の場合には、分割音声情報による診療結果が電子カルテ原稿データに反映されたことを示す。フラグが「オフ」の場合には、分割音声情報による診療結果が電子カルテ原稿データに反映されていないことを示す。フラグの初期値は「オフ」となる。
【0042】
例えば、1行目の枝番「1」の分割音声情報1には、患者B1に対する診療結果の口述内容が含まれており、分割音声情報1には、係る患者B1の電子カルテ原稿データが対応付けられている。例えば、原稿作成端末20のオペレータは、分割音声情報1を聞いて、患者B1に関する口述内容を患者B1の電子カルテ原稿データに追記する。また、1行目の枝番「1」のフラグが「オン」となっているため、既に、患者B1の電子カルテ原稿データは、診療結果の内容が反映されていることを示す。
【0043】
制御部150は、受信端末10、原稿作成端末20、病院のサーバ等とデータ通信を行い、記憶部140に記憶された各情報141〜145を適宜更新する処理部である。制御部150は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
【0044】
次に、
図1に示した受信端末10の構成について説明する。
図8は、受信端末の構成を示す機能ブロック図である。
図8に示すように、この受信端末10は、インタフェース部11、通話制御部12、記憶部13、受信部14、録音部15、分割部16、通信制御部17を有する。その他の構成は、周知の受信端末と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0045】
インタフェース部11は、交換機30、CTIサーバ40、ファイルサーバ100等の各装置とデータ通信を実行する処理部である。後述する受信部14、通信制御部17、通話制御部12は、インタフェース部11を介して、各装置とデータをやり取りする。
【0046】
通話制御部12は、携帯端末1との通話を確立し、各種の通話に関する制御を実行する処理部である。通話制御部12の処理は、周知技術と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0047】
記憶部13は、音声情報13aおよび分割音声情報13bを記憶する。記憶部13は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子に対応する。
【0048】
音声情報13aは、医師が携帯端末1で口述した音声情報である。この音声情報13aには、例えば、各患者に対する診療結果の音声が含まれる。
【0049】
分割音声情報13bは、後述する分割部16によって生成される情報であり、音声情報13aが、分割されたものである。
【0050】
受信部14は、携帯端末1から音声情報を受信する処理部である。音声情報は、医師が口述した音声情報であり、複数の患者に対する訪問診療の結果の情報が含まれる。受信部14は、受信した音声情報を、記憶部13に記憶させる。記憶部13に記憶された音声情報は、上記の音声情報13aに対応する。
【0051】
分割部16は、患者が切り替わったタイミングを示す区切り情報を検出し、区切り情報を検出した時点で、音声情報を分割することで、分割音声情報13bを作成する処理部である。分割部16は、区切り情報を検出する度に、前の区切り情報を検出してから、今回の区切り情報を検出するまでの音声情報を含む分割音声情報を生成し、記憶部13に記憶させる。
【0052】
図9は、分割部の処理の一例を説明するための図である。
図9の横軸は時間軸である。時刻Tは、医師が口述を開始した時刻である。T1は、時刻Tから1回目の区切り情報を検出した時刻である。T2は、時刻Tから2回目の区切り情報を検出した時刻である。T3は、時刻Tから3回目の区切り情報を検出した時刻である。その他の、区切り情報を検出した時刻に関する説明は省略する。
【0053】
分割部16は、音声情報13bを、時刻T1,T2,T3で分割することで、分割音声情報1,2,3を生成する。また、分割部16は、時刻T3以降も同様にして、分割音声情報を生成する。
【0054】
通信制御部17は、ファイルサーバ100とデータ通信を実行して、ファイルサーバ100の分割音声情報テーブル141、電子カルテ原稿管理テーブル145を更新する処理部である。以下において、通信制御部17が実行する通話開始後に実行する処理と、通話終了後に実行する処理の一例について説明する。
【0055】
通信制御部17が、通話開始後に実行する処理について説明する。通信制御部17は、各分割音声情報をファイルサーバ100に順次送信して、各分割音声情報を分割音声情報テーブル141に記憶させる。通信制御部17は、区切り情報によって、分割音声情報が分割されたタイミングで、分割された分割音声情報を送信しても良いし、通話終了後に全ての分割が完了した後に、各分割音声情報をまとめて送信しても良い。なお、通信制御部17は、同一の通話中に分割された各分割音声情報に昇順で枝番を付与する。
【0056】
通信制御部17が、通話終了後に実行する処理について説明する。通信制御部17は、ファイルサーバ100とデータ通信を行って、各情報141〜145を参照し、電子カルテ原稿管理テーブル145を更新する。以下において、通信制御部17が、電子カルテ原稿管理テーブル145を更新する処理について具体的に説明する。
【0057】
通信制御部17は、分割音声情報テーブル141の電話番号と、使用電話リスト142とを比較して、医師名を判定する。通信制御部17は、医師名を判定した後に、判定した医師名および本日の日付をキーにして、診療スケジュール情報143から、医師の病院と、医師の診療スケジュールを判定する。
【0058】
例えば、
図5に示す例では、医師名が「医師A1」の場合には、医師の勤務する病院は「病院X1」となる。また、本日の日付を「2012年12月13日」とすると、医師名「医師A1」の診療スケジュールは、個人宅A、個人宅B、施設A、施設Bの順に訪問し、8人の患者B1〜B8を診療するスケジュールとなっている。なお、通信制御部17は、図示しないタイマから本日の日付の情報を取得する。
【0059】
続いて、通信制御部17は、該当する日付の分割音声情報テーブル141の分割音声情報の数と、診療スケジュールにより医師が診療する患者の数とが同数であるか否かを判定する。
【0060】
まず、分割音声情報の数と、診療スケジュールの患者の数とが同数である場合の通信制御部17の処理について説明する。通信制御部17は、分割音声情報の数と、診療スケジュールの患者の数とが同数である場合には、分割音声情報の先頭から順に、診療順の患者名をそれぞれ対応付ける。ただし、通信制御部17は、同一の訪問先に複数の患者が存在する場合には、同一の訪問先の患者名の対応付けを行わない。
【0061】
例えば、
図5、
図7を用いて説明すると、診療スケジュールの患者の数とが同数である場合には、通信制御部17は、訪問先が個人宅A,Bに対応する患者名にそれぞれ「患者B1」、「患者B2」を対応付け、残りの患者名の情報をブランクにする。
図7の網掛け部分に示す、施設Aおよび施設Bで診療を受けた患者の患者名については、各分割音声情報を聞いた原稿作成端末20のオペレータが該当する患者名を入力する。
【0062】
通信制御部17は、分割音声情報と患者名とを対応付けた後に、病院名および患者名をキーとして、患者名に対応する電子カルテ原稿データを、病院別カルテ原稿データ144から検索する。そして、通信制御部17は、電話番号、日時、枝番、分割音声情報、患者名、患者の電子カルテ原稿データをそれぞれ対応付けることで、電子カルテ原稿管理テーブル145を生成する。また、医師の病院のカルテ原稿タイプが「新規タイプ」の場合には、患者の電子カルテ原稿データはそれぞれ、新規の電子カルテ原稿データとなる。
【0063】
なお、分割音声情報と患者名とが対応付けられていないレコードに関しては、患者名と、電子カルテ原稿データの欄がブランクとなる。例えば、網掛け部分の電子カルテ原稿データは、原稿作成端末20のオペレータが入力する。
【0064】
分割音声情報の数と、診療スケジュールの患者の数とが異なる場合の通信制御部17の処理について説明する。
図10は、電子カルテ原稿管理テーブルのその他の例を示す図である。まず、通信制御部17は、診療スケジュール情報143を参照して、訪問先毎に患者の数を取得する。例えば、
図5に示す診療スケジュールの場合には、1番目および2番目の患者の数はそれぞれ「1」、3番目の患者の数は「4」、4番目の患者の数は「2」となる。
【0065】
通信制御部17は、
図10の分割音声情報1および分割音声情報2に関しては、診療スケジュール143を基にした訪問先の患者の数と一致するため、分割音声情報1および分割音声情報2に対して、患者名を対応付けると共に、電子カルテ原稿データを対応付ける。
【0066】
これに対して、通信制御部17は、
図10の分割音声情報3〜5、分割音声情報6〜8に関しては、診療スケジュール143を基にした訪問先の患者の数と一致しないため、患者名と、電子カルテ原稿データの欄がブランクとする。例えば、2012年12月13日の13時30分の電話において、医師が、区切り情報を入力し忘れたと考えられる。また、2012年12月13日の15時10分の電話において、医師が、間違えて区切り情報を一度余分に入力してしまったことが考えられる。例えば、
図10の網掛け部分の患者名、電子カルテ原稿データの情報は、原稿作成端末20のオペレータが入力する。
【0067】
ここで、オペレータの入力例について説明する。オペレータは、原稿作成端末20を操作して、ファイルサーバ100にアクセスし、各種の情報を電子カルテ原稿管理テーブル145に入力する。例えば、オペレータは、2012年12月13日の13時30分の電話(分割音声情報3〜5)を聞き、該当する患者名を指定(入力)し、その患者の電子カルテ原稿データをもらってから編集して電子カルテ原稿管理テーブル145に保存する。この場合は診療スケジュールと実際の診療順が異なった場合であり、診療順番は、患者B5、患者B3、患者B6、患者B4で行われている。また医師が患者B5と患者B3の間で区切り情報を入力し忘れたため、分割音声情報3には患者B5と患者B3の診療結果を連続して医師が口述しており、そのため患者B5と患者B3の電子カルテ原稿データが対応付けられる。
【0068】
また、オペレータは、2012年12月13日の15時10分の電話(分割音声情報6〜8)においても、患者名を指定し、その患者の電子カルテ原稿データをもらってから編集して保存する。この場合も診療スケジュールと実際の診療順が異なっており、診療順番は、患者B8、患者B7で行われている。また医師が患者B7の診療結果の口述が最後だったにもかかわらず、区切り情報を余分に入力したため、分割音声情報8には患者の診療結果の口述は入っていない。この場合患者名も電子カルテ原稿データもない。例えば、オペレータは、分割音声情報8に対するレコードを、電子カルテ原稿管理テーブル145から削除してもよい。
【0069】
次に、
図2の説明に戻り、ファイルサーバ100の制御部150が、電子カルテ原稿管理テーブル145の情報を原稿作成端末20に送信する処理、原稿作成端末20から診療結果が入力された電子カルテ原稿データを取得して、電子カルテ原稿管理テーブル145を更新する処理について説明する。
【0070】
制御部150が、電子カルテ原稿管理テーブル145の情報を原稿作成端末20に送信する処理について説明する。制御部150は、原稿作成端末20から、データ要求を受けた場合には、電子カルテ原稿管理テーブル145の情報を原稿作成端末20に送信する。
【0071】
なお、制御部150は、原稿作成端末20から日時および枝番の指定を受け付けた場合には、指定された日時および枝番のレコードを、原稿作成端末20に送信する。例えば、
図7において、日時「2012年12月13日9時30分」、枝番「1」が指定された場合には、制御部150は、1段目のレコードを、原稿作成端末20に送信する。1段目のレコードには、電話番号「123−456−789」、日付「2012年12月13日9時30分00秒」、枝番「1」、分割音声情報「分割音声情報1」、患者名「患者B1」、電子カルテ原稿データ「患者B1の電子カルテ原稿データ」が含まれる。
【0072】
制御部150が、原稿作成端末20から診療結果が入力された電子カルテ原稿データを取得して、電子カルテ原稿管理テーブル145を更新する処理について説明する。例えば、制御部150は、原稿作成端末20から、電話番号と日時と枝番と情報追加後の電子カルテ原稿データとを受信する。制御部150は、電話番号と日時と枝番とをキーにして、電子カルテ原稿管理テーブル145の更新対象となるレコードを特定し、情報追加後の電子カルテ原稿データによって電子カルテ原稿データを更新し、フラグを「オン」に設定する。
【0073】
次に、本実施例に係るCTIサーバ40の処理手順について説明する。
図11は、本実施例に係るCTIサーバの処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、CTIサーバ40は、携帯端末1から着信があるか否かを判定する(ステップS101)。
【0074】
CTIサーバ40は、携帯端末1から着信していない場合には(ステップS101,No)、再度ステップS101に移行する。一方、CTIサーバ40は、携帯端末1から着信した場合には(ステップS101,Yes)、空いている受信端末10を選択し、選択した受信端末10と携帯端末1とを接続する(ステップS102)。
【0075】
次に、本実施例に係る受信端末10の処理手順について説明する。
図12は、本実施例に係る受信端末の処理手順を示すフローチャートである。
図12に示すように、受信端末10は、通話開始か否かを判定する(ステップS201)。受信端末10は、通話開始ではない場合には(ステップS201,No)、再度ステップS201に移行する。
【0076】
一方、受信端末10は、通話開始の場合には(ステップS201,Yes)、音声の録音を開始し(ステップS202)、区切り情報があるか否かを判定する(ステップS203)。受信端末10は、区切り情報がある場合には(ステップS203,Yes)、現在の録音中の音声情報を分割音声情報として生成する(ステップS204)。
【0077】
受信端末10は、分割音声情報をファイルサーバ100に保存し(ステップS205)、ステップS203に移行する。
【0078】
一方、受信端末10は、区切り情報が無い場合には(ステップS203,No)、通話終了であるか否かを判定する(ステップS206)。受信端末10は、通話終了でない場合には(ステップS206,No)、ステップS203に移行する。
【0079】
一方、受信端末10は、通話終了の場合には(ステップS206,Yes)、録音終了し分割音声情報をファイルサーバ100に保存する(ステップS207)。受信端末10は、ファイルサーバ100とデータ通信を実行し、分割音声情報の数と訪問先の患者数とを基にして、分割音声情報と患者名とを対応付ける(ステップS208)。
【0080】
受信端末10は、各分割音声情報にそれぞれ対応する電子カルテ原稿データを検索し(ステップS209)、各分割音声情報と電子カルテ原稿データとを対応付けて保存する(ステップS210)。
【0081】
次に、本実施例に係る原稿作成端末20の処理手順について説明する。
図13は、本実施例に係る原稿作成端末の処理手順を示すフローチャートである。
図13に示すように、原稿作成端末20は、オペレータから電子カルテ原稿の新規作成を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。原稿作成端末20は、新規作成を受け付けていない場合には(ステップS301,No)、再度ステップS301に移行する。
【0082】
一方、原稿作成端末20は、新規作成を受け付けた場合には(ステップS301,Yes)、ファイルサーバ100に電子カルテ原稿未作成の分割音声情報を要求する(ステップS302)。原稿作成端末20は、電子カルテ原稿未作成の分割音声情報が無い場合には(ステップS303,No)、処理を終了する。
【0083】
一方、原稿作成端末20は、電子カルテ原稿未作成の分割音声情報がある場合には(ステップS303,Yes)、分割音声情報を受信し、分割音声情報を再生する(ステップS304)。ステップS304において、分割音声情報に患者名や電子カルテ原稿データが対応付けられている場合には、原稿作成端末20は、患者名や電子カルテ原稿データを取得し、表示部に表示させる。これに対して、分割音声情報に患者名や電子カルテ原稿データが対応付けられていない場合には、原稿作成端末20は、患者名を入力する画面を表示させても良い。
【0084】
原稿作成端末20は、分割音声情報が終了したか否かを判定する(ステップS305)。原稿作成端末20は、分割音声情報が終了した場合には(ステップS305,Yes)、ステップS313に移行する。
【0085】
原稿作成端末20は、分割音声情報が終了していない場合には(ステップS305,No)、分割音声情報に患者名の対応付け要求があるか否かを判定する(ステップS306)。ステップS306において、ファイルサーバ100から送信される分割音声情報に、患者名および電子カルテ原稿データが対応付けられていない場合には、原稿作成端末20は、オペレータから、患者名の対応付け要求を受けるものとする。
【0086】
原稿作成端末20は、分割音声情報に患者名の対応付け要求がない場合には(ステップS306,No)、ステップS309に移行する。このように、分割音声情報に患者名の対応付け要求がない場合には、分割音声情報に患者名や電子カルテ原稿データが対応付けられていることを意味する。
【0087】
一方、原稿作成端末20は、分割音声情報に患者名の対応付け要求がある場合には(ステップS306,Yes)、患者名の指定を受け付け(ステップS307)、ファイルサーバ100にカルテ原稿データを要求する(ステップS308)。
【0088】
原稿作成端末20は、オペレータから電子カルテ原稿データの編集を受け付け(ステップS309)、編集後の電子カルテ原稿データを、ファイルサーバ100の電子カルテ原稿管理テーブル145に登録する(ステップS310)。
【0089】
原稿作成端末20は、終了であるか否かの情報を受け付ける(ステップS311)。原稿作成端末20は、終了でない場合には(ステップS311,No)、ステップS306に移行する。一方、原稿作成端末20は、終了である場合には(ステップS311,Yes)、電子カルテ原稿データを、該当する病院のサーバに送信する(ステップS312)。例えば、ステップS312において、原稿作成端末20は、ファイルサーバ100と通信を行って、送信先の病院のサーバを判定しても良い。原稿作成端末20は、対応するフラグをオンする指示を送信する(ステップS313)。
【0090】
次に、本実施例に係る受信端末10の効果について説明する。受信端末10は、携帯端末1から通知される患者が切り替わったタイミングの区切り情報を用いて、医師が携帯端末1で口述した複数の患者に対する医療行為の結果を含む音声情報を分割する。このため、音声情報を全て聞かなくても、オペレータが担当する分割音声情報を聞いてカルテ原稿を作成することができるので、作業効率を向上させることができる。
【0091】
また、受信端末10は、複数の分割音声信号に枝番を付与するので、オペレータは、医師が口述した患者の順番を対応させて、各分割音声情報を選択することができる。
【0092】
また、受信端末10は、診療スケジュールに含まれる訪問先の患者数と、分割音声情報との数を基にして、診療スケジュールの各患者名と、各分割音声情報とを対応付ける。このため、オペレータは、自身の担当する患者を選んで、選んだ患者の音声情報のみを聞くことが出来る。
【0093】
また、受信端末10は、分割音声情報と患者名と患者名に対応する電子カルテ原稿データとを対応付けて電子カルテ原稿管理テーブル145に登録する。このため、オペレータは、患者に対する医師の診療結果を聞くとともに、該当する患者の電子カルテ原稿データをまとめて取得することができる。
【0094】
また、ファイルサーバ100は、電子カルテ原稿管理テーブル145の情報を、各原稿作成端末20に送信するので、医師が複数の患者の診療結果をまとめて口述した場合であっても、各患者のカルテ作成を各オペレータに分担させて作業させることができる。
【0095】
ところで、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部あるいは一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0096】
例えば、受信端末10が実行する処理を、センター2内の各装置で分担して実行しても良い。例えば、受信端末10の代わりにファイルサーバ100が、音声を録音する処理、区切り情報を検出する処理、分割音声情報を生成する処理を実行しても良い。
【0097】
また、上記実施例では、医師が、患者を訪問することを前提として説明を行ったがこれに限定されるものではない。例えば、医師は、訪問による医療、看護または介護の行為を行う第1利用者の一例である。また、患者は、第1利用者の訪問をうける第2利用者の一例である。また、カルテは、文書記録の一例である。
【0098】
さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部がCPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。