特許第5834402号(P5834402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834402
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】電気光学装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/16 20060101AFI20151203BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20151203BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20151203BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20151203BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   G03B21/16
   G09F9/00 304B
   G09F9/00 350Z
   G03B21/00 E
   G02F1/13 505
   G02F1/1333
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-278917(P2010-278917)
(22)【出願日】2010年12月15日
(65)【公開番号】特開2012-128134(P2012-128134A)
(43)【公開日】2012年7月5日
【審査請求日】2013年12月6日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100188547
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴野 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】宮下 智明
【審査官】 田井 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−204648(JP,A)
【文献】 特開2001−318361(JP,A)
【文献】 特開2008−191360(JP,A)
【文献】 特開2004−191650(JP,A)
【文献】 特開2007−256499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13− 1/1334、
1/1339− 1/1341、 1/1347、
1/137− 1/141
G03B 21/00−21/30
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学パネルと、
該電気光学パネルを保持する保持部材と
を備え、
前記保持部材は、
前記保持部材の隅部に形成された第1取り付け穴、第2取り付け穴及び第3取り付け穴と、
前記電気光学パネルの第1辺に沿って延び、前記第1取り付け穴と前記第2取り付け穴との間に形成された第1保持部分と、
前記電気光学パネルの前記第1辺に交差する第2辺に沿って延び、前記第2取り付け穴と前記第3取り付け穴との間に形成された第2保持部分と、
を有し、
前記第1辺は、冷却風が流入する方向と交差し、
前記第1保持部分は、前記電気光学パネルの光入射側及び光出射側の少なくとも一方のパネル面と面一であるように形成され、
前記第2保持部分は、前記電気光学パネルの前記第2辺の外側で前記少なくとも一方のパネル面より突出するように形成され
前記第1保持部分から流入した冷却風が前記第2保持部分まで広が
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第2保持部分の前記第1辺に沿った幅は、前記第2取り付け穴の前記第1辺に沿った幅及び前記第3取り付け穴の前記第1辺に沿った幅よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第2保持部分は、前記電気光学パネルの前記光入射側及び光出射側の両方のパネル面の各々より突出するように形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクター等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置は、例えば液晶パネル等の電気光学パネルが枠状のフレーム或いはケースに収容されてなり、例えば液晶プロジェクター等のライトバルブとして用いられる(例えば特許文献1から3参照)。例えば液晶プロジェクターでは、光源からの強力な投射光が入射されること等による顕著な温度上昇を防止するために、電気光学装置を冷却風により冷却する。例えば特許文献1には、テーパー部を含む冷却風導入部をケースに設けることにより、電気光学装置の温度上昇を抑制する技術が開示されている。例えば特許文献2では、冷却風を案内する連結枠が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−212956号公報
【特許文献2】特開2002−72353号公報
【特許文献3】特開2005−156675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば特許文献1や2に開示された技術では、電気光学装置の冷却効率を十分に向上させることができないおそれがあるという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、冷却効率を向上させることが可能な電気光学装置及びこのような電気光学装置を備える電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、電気光学パネルと、該電気光学パネルを保持する保持部材とを備え、前記保持部材は、前記電気光学パネルの第1辺に沿って延びる第1保持部分と、前記電気光学パネルの前記第1辺に交差する第2辺に沿って延びる第2保持部分とを有し、前記第1辺は、冷却風が流入する方向と交差し、前記第1保持部分は、前記電気光学パネルの光入射側及び光出射側の少なくとも一方のパネル面と面一であるように形成され、前記第2保持部分は、前記少なくとも一方のパネル面より突出するように形成される。
【0007】
本発明の電気光学装置によれば、その動作時には、例えば液晶パネル等である電気光学パネルの画素領域において表示が行われる。なお、「画素領域」とは、個々の画素の領域を意味するのではなく、複数の画素が平面配列された領域全体を意味し、典型的には、「画像表示領域」或いは「表示領域」に相当する。保持部材は、典型的には、画素領域に対応する開口部が形成されると共に、電気光学パネルをその周縁側から包囲する。電気光学パネルは、例えば、一対の基板間に液晶等の電気光学物質を挟持してなる。電気光学装置の動作時には、電気光学パネルの一方のパネル面に光源からの光が入射され、この入射された光が電気光学物質により変調されて、他方のパネル面から表示光として出射される。
【0008】
なお、電気光学パネルは、一対の基板の少なくとも一方における電気光学物質に対向しない側の基板面に防塵用基板を有していてもよい。電気光学パネルが防塵用基板を有する場合、防塵用基板における電気光学物質に対向しない側の基板面が電気光学パネルのパネル面となる。防塵用基板のデフォーカス作用により、電気光学パネルのパネル面において画素領域に付着した埃や塵等の粉塵が有効画面に映りこんだとしても、ピンボケの状態で表示され、明確に視認されるのを防止することができる。従って、より確実に電気光学装置において高品質な表示を行うことが可能となる。
【0009】
本発明では、電気光学パネルを冷却するための冷却風が、典型的には矩形平面形状を有する電気光学パネルの第1辺に交差する方向に沿って、例えばシロッコファン等から電気光学パネルに流入する。
【0010】
本発明では特に、保持部材は、電気光学パネルの第1辺に沿って延びる第1保持部分と、電気光学パネルの第1辺に交差する第2辺に沿って延びる第2保持部分とを有し、第1保持部分は、電気光学パネルの光入射側及び光出射側の少なくとも一方のパネル面と面一であるように形成され、第2保持部分は、少なくとも一方のパネル面より突出するように形成される。即ち、冷却風が流入する方向に交差する方向に沿って延びる第1保持部分は、電気光学パネルの光入射側のパネル面或いは光出射側のパネル面と面一であるように(即ち、第1保持部分の光入射側の面と電気光学パネルの光入射側のパネル面との間に段差がないように、或いは、第1保持部分の光出射側の面と電気光学パネルの光出射側のパネル面との間に段差がないように)形成され、冷却風が流入する方向に沿って延びる第2保持部分は、第1保持部分が面一であるように形成された電気光学パネルのパネル面より例えば光出射側或いは光入射側に突出するように形成される。
【0011】
よって、冷却風を、電気光学パネルのパネル面上を第1辺側から該第1辺に対向する辺側に滑らかに流すことができ、冷却風によって電気光学パネルのパネル面から熱を効率的に放散することができる。したがって、冷却風による電気光学装置の冷却効率を向上させることが可能になる。この結果、電気光学物質等の熱による劣化を抑制することができ、高品質な表示を行うことが可能となる。
【0012】
さらに、本発明によれば、第2保持部分が、少なくとも一方のパネル面より突出するように形成されるので、電気光学装置の製造プロセスにおいて、電気光学パネルのパネル面に物が当たることを低減或いは防止でき、パネル面に傷が付いてしまうことを低減或いは防止できる。
【0013】
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、冷却効率を向上させることができる。さらに、製造プロセスにおいて、電気光学パネルのパネル面に傷が付いてしまうことを低減或いは防止できる。
【0014】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記第2保持部分は、前記電気光学パネルの前記光入射側及び光出射側の両方のパネル面の各々より突出するように形成される。
【0015】
この態様によれば、冷却効率をより一層向上させることができるとともに、電気光学パネルの両パネル面の各々に傷が付いてしまうことを低減或いは防止できる。
【0016】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0017】
本発明の電子機器によれば、前述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品質な表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサー、ビューファインダー型又はモニター直視型のビデオテープレコーダー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパーなどの電気泳動装置等も実現することも可能である。
【0018】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る投射型液晶プロジェクターの図式的断面図である。
図2】第1実施形態に係る液晶パネルの平面図である。
図3図2のIII−III’線断面図である。
図4】第1実施形態に係る液晶装置を液晶層に対して対向基板側から見た平面図である。
図5】第1実施形態に係る液晶装置を液晶層に対してTFTアレイ基板側から見た平面図である。
図6図5のVI−VI’線断面図である。
図7図5のVII−VII’線断面図である。
図8】第1実施形態における冷却風の流れの一例を概念的に示す図(その1)である。
図9】第1実施形態における冷却風の流れの一例を概念的に示す図(その2)である。
図10】第2実施形態に係る液晶装置の断面図である。
図11】第3実施形態に係る液晶装置を液晶層に対してTFTアレイ基板側から見た平面図である。
図12図11のXII−XII’線断面図である。
図13図11のXIII−XIII’線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0021】
<第1実施形態>
(電子機器)
先ず、本実施形態に係る電子機器の構成について、図1を参照して説明する。ここでは、本発明の電子機器として、投射型液晶プロジェクターを例にとる。
【0022】
図1は、本実施形態に係る投射型液晶プロジェクターの図式的断面図である。
【0023】
本実施形態に係る投射型液晶プロジェクターは、本発明の電気光学装置の一例である液晶装置が液晶ライトバルブとして3枚用いられてなる複板式カラープロジェクターとして構築されている。
【0024】
図1において、液晶プロジェクター1100は、それぞれRGB用の液晶ライトバルブ100(即ち、液晶ライトバルブ100R、100G及び100B)の3枚を用いた複板式カラープロジェクターとして構築されている。
【0025】
液晶プロジェクター1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応する液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー映像として投射される。
【0026】
液晶ライトバルブ100は、後述の如きアクティブマトリクス駆動方式の液晶パネルが実装ケースに収容されてなる。
【0027】
また、この液晶プロジェクター1100には、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bに冷却風を送るためのシロッコファン1300が設けられている。このシロッコファン1300は、その側面に複数のブレード1301を備えた略円筒形状の部材を含んでおり、該円筒形状の部材がその軸を中心として回転することでブレード1301が風を生じさせるようになっている。なお、このような原理から、シロッコファン1300で作り出される風は、らせん状に渦巻いたものとなる。このような風は、図1には図示されない風路を通じて各液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bに送給され、各液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bの近傍に設けられた吹き出し口100RW、100GW及び100BWから、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bの各々に対して送り出されるようになっている。
【0028】
以上説明した構成においては、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bの各実装ケースは、ダイクロイックプリズム1112の3つの側面に夫々付設されている。その各実装ケースからは、内部で液晶パネルと接続されたフレキシブル配線基板(以下、適宜「FPC」と称す)が引き出されている。引き出されたFPCの各端部は、ダイクロイックプリズム1112の上面側或いは下面側に曲げられて、外部コネクターに接続される。
【0029】
また、このような液晶プロジェクター1100の駆動時には、強力な光源たるランプユニット1102からの投射光により、液晶ライトバルブ100において温度が上昇する。この際、過度に温度が上昇すると、液晶ライトバルブ100内の液晶が劣化したり、光源光のむらによる部分的な液晶装置の加熱によるホットスポットの出現により透過率にムラが生じたりする。
【0030】
そこで、本実施形態では特に、液晶ライトバルブ100を以下のように構成し、冷却風による液晶ライトバルブ100の冷却効率を向上させ、液晶ライトバルブ100の温度上昇を効率的に抑制する。
【0031】
(電気光学装置)
次に、本実施形態に係る電気光学装置について、図2から図9を参照して説明する。ここでは、本発明に係る電気光学装置として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。本実施形態に係る液晶装置は、液晶パネルが実装ケースに収容されて、前述した液晶プロジェクター1100における液晶ライトバルブ100R、100G、100Bとして使用されるものである。
【0032】
先ず、本実施形態に係る液晶パネルの構成について、図2及び図3を参照して説明する。
【0033】
図2は、本実施形態に係る液晶パネルの平面図であり、図3は、図2のIII−III’線断面図である。
【0034】
図2及び図3において、本実施形態に係る液晶パネル500は、TFTアレイ基板10、対向基板20、シール材52、液晶層50、並びに防塵用基板401及び402を備えている。
【0035】
TFTアレイ基板10と対向基板20とは、互いに対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素が配置された画像表示領域30aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0036】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、複数の画素が配列されてなる画像表示領域30aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0037】
画像表示領域30aの周辺に広がる周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。
【0038】
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0039】
TFTアレイ基板10上には、外部回路接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
【0040】
図3において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9上に、図示しない配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に図示しない配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0041】
なお、図2及び図3に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0042】
図2及び図3において、防塵用基板401は、例えばガラス等からなる透明基板である。防塵用基板401は、TFTアレイ基板10の液晶層50に対向する面とは反対側の面(即ち、図3中、下側の面)の全面に貼り付けられている(後述する図6及び図7も参照)。防塵用基板402は、防塵用基板401と同様に、例えばガラス等からなる透明基板である。防塵用基板402は、対向基板20の液晶層50に対向する面とは反対側の面(即ち、図3中、上側の面)の全面に貼り付けられている(後述する図6及び図7も参照)。防塵用基板401及び402によって、本実施形態に係る液晶装置500が液晶プロジェクター1100の液晶ライトバルブ100として用いられた際に、TFTアレイ基板10及び対向基板20に粉塵が付着し、映写幕上にその粉塵の像もまた投影されてしまうことで発生する、画像品質の低下を防止できる。
【0043】
次に、前述した液晶パネル500が実装ケースに収容されてなる本実施形態に係る液晶装置の構成について、図4から図7を参照して説明する。
【0044】
図4は、本実施形態に係る液晶装置1を液晶層50に対して対向基板20側から見た平面図である。図5は、本実施形態に係る液晶装置1を液晶層50に対してTFTアレイ基板10側から見た平面図である。図6は、図5のVI−VI’線断面図である。図7は、図5のVII−VII’線断面図である。
【0045】
図4から図7において、本実施形態に係る液晶装置1は、液晶パネル500及び実装ケース601を備えている。
【0046】
液晶パネル500は、図2及び図3を参照して前述した形態を有しており、外部回路接続端子102(図2参照)には、FPC501が接続されている。
【0047】
図4図6及び図7に示すように、実装ケース601は、液晶パネル500を収容して保持する本発明に係る「保持部材」の一例としてのフレーム610と、フレーム610に被さるカバー部材620とからなる。フレーム610及びカバー部材620は、例えばアルミニウム等の金属等からそれぞれ形成されている。なお、フレーム610及びカバー部材620は、例えば樹脂等からそれぞれ形成されてもよい。
【0048】
図4及び図5において、フレーム610の四隅には、取り付け穴615が設けられている。取り付け穴615は、液晶装置1を、図1に示した如き液晶プロジェクター1100内に取り付けする際に利用される。即ち、液晶装置1は、取り付け穴615を貫通するネジを用いて液晶プロジェクター1100にネジ止めすることにより、液晶プロジェクター1100内に取り付けられる。
【0049】
図4から図7において、液晶装置1は、防塵用基板402側(即ち、対向基板20側)から光が入射し、液晶パネル500を透過して、防塵用基板401側(TFTアレイ基板10側)から出射するということを前提としている(図1において、ダイクロイックプリズム1112には、防塵用基板401ではなく防塵用基板401が対向していることになる)。液晶パネル500は、その周縁側からフレーム610によって包囲された状態で、フレーム610に接着剤によって接着されることによって固定されて、フレーム610内に収容される。
【0050】
カバー部材620は、開口部として窓部625(図4参照)が設けられた額縁状の本体と、本体の両脇に、フック627(図7参照)とを備えている。窓部625は、収容された液晶パネル500の画像表示領域30aに光を透過させるために、画像表示領域30aと対向するように開口されている。このため、図1に示した液晶プロジェクター1100内のランプユニット1102から発せられた光は、窓部625を通過して液晶パネル500に入射可能となる。
【0051】
フレーム610は、液晶パネル500をその周縁側から包囲可能なように枠状に形成されており、矩形平面形状を有する液晶パネル500の4辺の各々に沿って延びるフレーム部分611a、611b、612a及び612bを有している。なお、フレーム部分611aは、本発明に係る「第1保持部分」の一例であり、フレーム部分612a及び612bは、本発明に係る「第2保持部分」の一例である。
【0052】
図5に示すように、フレーム部分611aは、液晶パネル500の冷却風が流入する方向と交差する辺511に沿って延びるように形成されている。
【0053】
フレーム部分611bは、液晶パネル500の辺511に対向する辺512に沿って延びるように形成されている。即ち、フレーム部分611bは、液晶パネル500に対してフレーム部分611aとは反対側に、フレーム部分611aと同様に、冷却風が流入する方向と交差する方向に延びるように形成されている。なお、辺511は、辺512よりも冷却風の流れの上流側に位置する。
【0054】
フレーム部分612aは、液晶パネル500の辺511に交差する辺521に沿って延びるように形成されている。言い換えれば、フレーム部分612aは、冷却風が流入する方向に沿って延びるように形成されている。
【0055】
フレーム部分612bは、液晶パネル500の辺521に対向する辺522に沿って延びるように形成されている。言い換えれば、フレーム部分612bは、液晶パネル500に対してフレーム部分612aとは反対側に、フレーム部分612aと同様に、冷却風が流入する方向に沿って延びるように形成されている。なお、辺522は、液晶パネル500における辺521に対向する辺であり、辺511に交差する2つの辺のうち、辺521とは異なる辺である。
【0056】
図6及び図7に示すように、本実施形態では特に、フレーム部分611aは、液晶パネル500の光出射側のパネル面500S1と面一であるように形成され、フレーム部分612a及び612bは、パネル面500S1より突出するように形成されている。
【0057】
つまり、図6に示すように、本実施形態では特に、冷却風が流入する方向に交差する方向に沿って延びるフレーム部分611aは、液晶パネル500のパネル面S1と面一であるように、即ち、フレーム部分611aの光出射側の面611asとパネル面S1との間に段差がないように形成されている。さらに、図7に示すように、冷却風が流入する方向に沿ってそれぞれ延びるフレーム部分612a及び612bは、液晶パネル500のパネル面S1より光出射側に突出するように、即ち、フレーム部分612aの光出射側の面612asと液晶パネル500のパネル面S1との間、及びフレーム部分612bの光出射側の面612bsと液晶パネル500のパネル面S1との間の各々に段差T1が生じるように形成されている。
【0058】
よって、例えば図8及び図9に示すように、冷却風を、液晶パネル500のパネル面S1上を辺511側から辺512側に、フレーム部分612a及び612bに沿って滑らかに流すことができ、冷却風によって液晶パネル500のパネル面S1から熱を効率的に放散することができる。なお、図8及び図9は、本実施形態における冷却風の流れの一例を概念的に示す図であり、図8は、図5に対応して示されており、図9は、図6に対応して示されている。
【0059】
したがって、冷却風による液晶装置1の冷却効率を向上させることが可能になる。この結果、液晶層50等の熱による劣化を抑制することができ、高品質な表示を行うことが可能になる。
【0060】
さらに、本実施形態によれば、前述したように、フレーム部分612a及び612bが液晶パネル500のパネル面S1より突出するように形成されているので、液晶装置1の製造プロセスにおいて、液晶パネル500のパネル面S1に物が当たることを低減或いは防止でき、パネル面S1に傷が付いてしまうことを低減或いは防止できる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置1によれば、冷却風による液晶パネル500の冷却効率を向上させることができる。さらに、製造プロセスにおいて、液晶パネル500のパネル面S1に傷が付いてしまうことを低減或いは防止できる。
【0062】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る液晶装置について、図10を参照して説明する。
【0063】
図10は、第2実施形態に係る液晶装置の断面図であり、図7と同趣旨の断面図である。なお、図10において、図1から図9に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0064】
図10において、第2実施形態に係る液晶装置1bは、前述した第1実施形態におけるフレーム610に代えてフレーム610bを備える点で、前述した第1実施形態に係る液晶装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る液晶装置1と概ね同様に構成されている。
【0065】
フレーム610bは、前述した第1実施形態におけるフレーム部分612a及び612bにそれぞれ代えてフレーム部分612ba及び612bbを備える点で、前述した第1実施形態におけるフレーム610と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態におけるフレーム610と概ね同様に構成されている。なお、フレーム部分612ba及び612bbは、本発明に係る「第2保持部分」の一例である。
【0066】
フレーム部分612baは、液晶パネル500の辺511に交差する辺521(図5参照)に沿って延びるように形成されている。言い換えれば、フレーム部分612baは、冷却風が流入する方向に沿って延びるように形成されている。
【0067】
フレーム部分612bbは、液晶パネル500の辺521に対向する辺522に沿って延びるように形成されている。言い換えれば、フレーム部分612bbは、液晶パネル500に対してフレーム部分612baとは反対側に、フレーム部分612baと同様に、冷却風が流入する方向に沿って延びるように形成されている。
【0068】
本実施形態では特に、フレーム部分612ba及び612bbは、液晶パネル500の光出射側のパネル面500S1より突出するように形成されているとともに、液晶パネル500の光入射側のパネル面500S2より突出するように形成されている。即ち、冷却風が流入する方向に沿ってそれぞれ延びるフレーム部分612ba及び612bbは、フレーム部分612baの光出射側の面612bas1と液晶パネル500のパネル面S1との間、及びフレーム部分612bbの光出射側の面612bbs1と液晶パネル500のパネル面S1との間の各々に段差T1が生じるように形成されるとともに、フレーム部分612baの光入射側の面612bas2と液晶パネル500のパネル面S2との間、及びフレーム部分612bbの光入射側の面612bbs2と液晶パネル500のパネル面S2との間の各々に段差T2が生じるように形成されている。
【0069】
よって、冷却風を、液晶パネル500のパネル面S1及びS2の各々上を辺511側から辺512側に、フレーム部分612ba及び612bbに沿って滑らかに流すことができ、冷却風によって液晶パネル500のパネル面S1及びS2から熱を効率的に放散することができる。したがって、冷却風による液晶装置1bの冷却効率をより一層向上させることが可能になる。
【0070】
さらに、本実施形態によれば、前述したように、フレーム部分612ba及び612bbが液晶パネル500のパネル面S1及びS2の各々より突出するように形成されているので、液晶装置1bの製造プロセスにおいて、液晶パネル500のパネル面S1及びS2に物が当たることを低減或いは防止でき、パネル面S1に傷が付いてしまうことを低減或いは防止できる。
【0071】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る液晶装置について、図11から図13を参照して説明する。
【0072】
図11は、第3実施形態に係る液晶装置を液晶層に対してTFTアレイ基板側から見た平面図である。図12は、図11のXII−XII’線断面図である。図13は、図11のXIII−XIII’線断面図である。なお、図11から図13において、図1から図9に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0073】
図11に示すように、第3実施形態では、液晶装置に冷却風が流入する方向が前述した第1実施形態と異なる。即ち、前述した第1実施形態では、液晶パネル500の辺511と交差する方向に沿って冷却風が流入するのに対して、第3実施形態では、液晶パネル500の辺522と交差する方向に沿って冷却風が流入する(言い換えれば、液晶パネル500の辺511に沿う方向に沿って冷却風が流入する)。
【0074】
図11から図13において、第3実施形態に係る液晶装置1cは、前述した第1実施形態におけるフレーム610に代えてフレーム610cを備える点で、前述した第1実施形態に係る液晶装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る液晶装置1と概ね同様に構成されている。
【0075】
フレーム610cは、液晶パネル500をその周縁側から包囲可能なように枠状に形成されており、矩形平面形状を有する液晶パネル500の4辺の各々に沿って延びるフレーム部分611ca、611cb、612ca及び612cbを有している。なお、フレーム部分611caは、本発明に係る「第2保持部分」の一例であり、フレーム部分612ca及び612cbは、本発明に係る「第1保持部分」の一例である。
【0076】
図11に示すように、フレーム部分612cbは、液晶パネル500の冷却風が流入する方向と交差する辺522に沿って延びるように形成されている。
【0077】
フレーム部分612caは、液晶パネル500の辺522に対向する辺521に沿って延びるように形成されている。即ち、フレーム部分612caは、液晶パネル500に対してフレーム部分612cbとは反対側に、フレーム部分612cbと同様に、冷却風が流入する方向と交差する方向に延びるように形成されている。なお、辺522は、辺521よりも冷却風の流れの上流側に位置する。
【0078】
フレーム部分611caは、液晶パネル500の辺522に交差する辺511に沿って延びるように形成されている。言い換えれば、フレーム部分611caは、冷却風が流入する方向に沿って延びるように形成されている。
【0079】
フレーム部分611cb(図12参照)は、液晶パネル500の辺511に対向する辺512に沿って延びるように形成されている。言い換えれば、フレーム部分611cbは、液晶パネル500に対してフレーム部分611caとは反対側に、フレーム部分611caと同様に、冷却風が流入する方向に沿って延びるように形成されている。
【0080】
図12及び図13に示すように、本実施形態では特に、フレーム部分612cb及び612caは、液晶パネル500の光出射側のパネル面500S1と面一であるように形成され、フレーム部分611caは、パネル面500S1より突出するように形成されている。
【0081】
つまり、図13に示すように、本実施形態では特に、冷却風が流入する方向に交差する方向に沿って延びるフレーム部分612cb及び612caは、液晶パネル500のパネル面S1と面一であるように、即ち、フレーム部分612cbの光出射側の面612cbsとパネル面S1との間、及びフレーム部分612caの光出射側の面612casとパネル面S1との間の各々に段差がないように形成されている。さらに、図12に示すように、冷却風が流入する方向に沿って延びるフレーム部分611caは、液晶パネル500のパネル面S1より光出射側に突出するように、即ち、フレーム部分611caの光出射側の面611casと液晶パネル500のパネル面S1との間に段差T3が生じるように形成されている。
【0082】
よって、冷却風を、液晶パネル500のパネル面S1上を辺522側から辺521側に、フレーム部分611caに沿って滑らかに流すことができ、冷却風によって液晶パネル500のパネル面S1から熱を効率的に放散することができる。したがって、冷却風による液晶装置1cの冷却効率を向上させることが可能になる。この結果、液晶層50等の熱による劣化を抑制することができ、高品質な表示を行うことが可能になる。
【0083】
さらに、本実施形態によれば、前述したように、フレーム部分611caが液晶パネル500のパネル面S1より突出するように形成されているので、液晶装置1cの製造プロセスにおいて、液晶パネル500のパネル面S1に物が当たることを低減或いは防止でき、パネル面S1に傷が付いてしまうことを低減或いは防止できる。
【0084】
なお、本発明を適用可能な電子機器としては、図1を参照して説明した投射型液晶プロジェクターの他にも、モバイル型のパーソナルコンピューターや、携帯電話、液晶テレビ、ビューファインダー型、モニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0085】
また本発明は、前述の実施形態で説明した液晶装置以外にも、シリコン基板上に素子を形成する反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
【0086】
本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0087】
1、1b、1c…液晶装置、10…TFTアレイ基板、20…対向基板、50…液晶層、401、402…防塵用基板、500…液晶パネル、511、512、521、522…辺、601…実装ケース、610、610b、610c…フレーム、611a、611b、612a、612b…フレーム部分、620…カバー部材、1100…液晶プロジェクター、1300…シロッコファン、S1、S2…パネル面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13